JPH06247843A - 徐放性製剤 - Google Patents

徐放性製剤

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JPH06247843A
JPH06247843A JP7734793A JP7734793A JPH06247843A JP H06247843 A JPH06247843 A JP H06247843A JP 7734793 A JP7734793 A JP 7734793A JP 7734793 A JP7734793 A JP 7734793A JP H06247843 A JPH06247843 A JP H06247843A
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JP
Japan
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solid
composition
acidic substance
anionic polyelectrolyte
drug
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JP7734793A
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English (en)
Inventor
Kenji Ukita
謙二 浮田
Toshio Murakami
敏男 村上
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Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 水溶性又は水膨張性のアニオン性高分子、
酸性物質、架橋剤及び薬物を含む固形組成物及び固形被
覆組成物。 【効果】 本発明にかかる固形組成物及び固形被覆組
成物は、含有する薬物の除放機能又は粘膜付着機能を有
しており、従来の組成物に比べて、薬物の除放性や粘膜
付着性を容易に制御できるという特徴を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水溶性又は水膨潤性の
高分子及び有用物質を含有する徐放性又は粘膜付着性を
有する固形組成物、固形被覆組成物又はその製法に関す
る。
【0002】
【従来技術】薬物等の有用物質は多くの場合粉末状態で
供給されるため、薬物含量の均一性や取り扱い及び服用
の簡便性を確保するために、通常、賦形剤等と共に造粒
された後に顆粒剤、カプセル剤、錠剤等の固形組成物に
成型されている。
【0003】従来の造粒方法としては、粉体混合物に結
合剤の水溶液を添加した後、混合、乾燥して造粒を行う
湿式造粒法、水を用いない乾式造粒(粉末圧縮法)法、
低融点物質を結合剤とした溶融造粒法及びアルコール等
の有機溶媒に溶解し得る物質又は有機溶媒自体を結合剤
とした造粒等が知られている。これらの造粒方法のう
ち、湿式造粒法は医薬品の製造において最も広く利用さ
れている造粒法であり、製造コストや大量生産の面でも
有用である。
【0004】一方、医薬品固形組成物の製造において、
水溶性又は水膨潤性高分子は、結合剤、コーティング
剤、崩壊剤として10重量%以下の範囲で汎用されてい
るが、その他に、徐放性製剤の基剤や粘膜付着性製剤に
おける粘着剤等としても有用な物質である。しかし、そ
の水溶性又は水膨潤性高分子は、水との接触によって粘
性を発現するため、かかる高分子を多量に含有する粉末
素材を造粒する場合、特に、医薬品等の製造において汎
用されている湿式造粒法では、水溶性又は水膨潤性高分
子が局部的にゲル化して粘稠となり造粒容器内へ付着し
たり、粉末素材の攪拌や流動が不規則になるため、良好
な造粒物が得られない。
【0005】この問題を回避するために、他の造粒法を
用いて造粒しようとすると、粉末圧縮法では造粒品の粒
径制御が困難であり、溶融造粒法では低融点物質を10
〜20重量%程度配合する必要があるため有用成分の配
合許容量に制限があることや、加熱操作に伴う装置の大
型化や加熱費用が問題となり、アルコール等の有機溶媒
を用いた造粒法では作業者の健康への影響や引火等によ
る爆発事故発生の危険性があることが問題となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酸性物質を
溶解した液(イ)とアニオン性高分子電解質の粉末
(ロ)及び生理活性を有する薬物(ハ)を用いることに
より製した、薬物等の放出制御機能又は粘膜付着性を発
現する固形組成物、固形被覆組成物又はそれらの製法を
提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、薬物の放出制
御機能又は粘膜付着機能を有する固形組成物、固形被覆
組成物又はその製法を提供するものである。
【0008】本発明に係る固形組成物及び固形被覆組成
物は次の通りである。
【0009】1)アニオン性高分子電解質、酸性物質及
び薬物を含む固形組成物。 2)アニオン性高分子電解質、酸性物質、架橋剤及び薬
物を含む固形組成物。 3)アニオン性高分子電解質及び酸性物質を含む成分に
より被覆された、薬物を含む固形被覆組成物。 4)アニオン性高分子電解質、酸性物質及び架橋剤を含
む成分により被覆された、薬物を含む固形被覆組成物。
【0010】また、本発明に係る固形組成物の製法又は
固形被覆組成物の製法は次の通りである。
【0011】5)アニオン性高分子電解質と薬物を含む
混合物に、A液(酸性物質を含む水溶液)又はB液(酸
性物質と架橋剤を含む水溶液)を添加し、混合し、乾燥
することを特徴とする固形組成物の製法。 6)A液(酸性物質を含む水溶液)又はB液(酸性物質
と架橋剤を含む水溶液)にアニオン性高分子電解質を分
散させた液を、薬物を含有する別の固形物の表面に被覆
・乾燥することを特徴とする固形被覆組成物の製法。
【0012】更に、本発明は次の固形組成物、固形被覆
組成物又はその製法である。
【0013】7)アニオン性高分子電解質が、アニオン
性官能基を有し、中性の水に溶解又は膨潤しうる電解質
である固形組成物、固形被覆組成物又はその製法。 8)アニオン性高分子電解質が、アルギン酸の塩、キサ
ンタンガム又はセルロース誘導体から選択される一種又
は二種以上の組み合わせからなる上記の固形組成物、固
形被覆組成物又はその製法。 9)酸性物質が、0.01重量%以上の濃度で水溶液と
したときのpHが3以下の水溶液を与える無機酸又は有
機酸である上記の固形組成物、固形被覆組成物又はその
製法。ここで、有機酸及び無機酸とは、水溶液としたと
きのpHが3以下である有機酸又は無機酸の塩をも含
む。 10)酸性物質が、リン酸、酒石酸又は酢酸から選ばれ
る一種又は二種以上の組み合わせからなる上記の固形組
成物、固形被覆組成物又はその製法。 11)架橋剤が、金属塩である上記の固形組成物、固形
被覆組成物又はその製法。 12)金属塩が、カルシウム塩、2価又は3価の鉄塩、
アルミニウム塩である上記の固形組成物、固形被覆組成
物又はその製法。 13)固形組成物又は固形被覆組成物が、薬物放出制御
機能又は粘膜付着機能を有する組成物である上記の固形
組成物、固形被覆組成物又はその製法。
【0014】本発明の固形組成物及び固形被覆組成物
は、アニオン性高分子電解質、酸性物質及び生理活性を
有する薬物の各成分を含むものであり、また、本発明の
固形組成物又は固形被覆組成物は、アニオン性高分子電
解質、酸性物質、架橋剤及び生理活性を有する薬物の各
成分を含むものである。このような成分を含有する本発
明に係る固形組成物又は固形被覆組成物は、薬物放出制
御機能及び/又は生体粘膜等への粘着性を有している。
【0015】本発明の発明者らは、水溶性又は水膨潤性
であるアニオン性高分子電解質は、水との接触により粘
性を発現するが、酸性水溶液中ではアニオン性高分子電
解質の溶解度が低下するために、粘性が低下する現象を
製剤面で利用・応用すべく、酸性物質の添加により粘性
を抑制でき、該高分子電解質を任意量配合した造粒物の
提供を可能にした。その結果として、薬物の徐放性機能
あるいは薬物放出制御機能を有する固形組成物又は固形
被覆組成物を得ることを可能にし、本発明を完成した。
【0016】次に本発明に係る固形組成物又は固形被覆
組成物を構成する各々の成分について説明する。
【0017】本発明で用いるアニオン性高分子電解質
は、水溶性又は水膨潤性の高分子であって、酸性液(例
えばpH3付近)に溶解又は分散した時の液の粘度が、
中性液(例えばpH7付近)に溶解した液の粘度より小
さくなるような高分子電解質である。
【0018】ここで、アニオン性高分子電解質の酸性液
の粘度が小さくなるとは、アニオン性高分子電解質の酸
性液への溶解性が低下することを意味し、水溶液に不溶
性であることをも含む意である。従って、本発明で用い
るアニオン性高分子電解質は、その構造中に少なくとも
一種のアニオン性官能基を有した物質で、かつ中性の水
に溶解又は膨潤しうる物質であることが必要がある。
【0019】ここで、アニオン性官能基としてはカルボ
キシル基、スルホン酸基、硫酸基及びリン酸基等を挙げ
ることができる。アニオン性高分子電解質の種類を特定
する場合に、粘度により規定することは、一つの手段で
あるが、同一の液の測定においても、粘度の値が測定器
具(粘度計)、温度、試料の容積等の測定条件により変
化するため、一概には断定できない。しかし、例えば、
B型粘度計を用いた場合で試料中の温度が25℃であ
り、試料容積が50mlであるときは、アニオン性高分
子電解質はその1%水溶液のpH7における粘度が50
mPa・s(ミリパスカル)以上、好ましくは100m
Pa・s以上であり、かつ該水溶液のpH2における粘
度が75mPa・s以下、好ましくは50mPa・s以
下であることが好ましいが、同種の物質でも分子量又は
重合度を調節することによってかかる粘度制限を満たす
物質であれば用いることができる。
【0020】アニオン性高分子電解質の例としては、ア
ルギン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミ
ン塩等を挙げることができる。
【0021】アルカリ金属塩の具体例としては、アルギ
ン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム等を挙げることが
でき、アルカリ土類金属塩の具体例としては、アルギン
酸マグネシウム、アミン塩の具体例としてはアルギン酸
トリエタノールアミン、アルギン酸トリイソプロパノー
ルアミン、アルギン酸アンモニウム,アルギン酸ブチル
アミン、アルギン酸ジブチルアミン、アルギン酸ジアミ
ルアミン等を挙げることができる。
【0022】その他の天然物由来のアニオン性高分子電
解質の例としては、キサンタンガム、ローカストビンガ
ム、トラガントガム、カラヤガム、アラビアガム、グア
ガム等を挙げることができ、また、合成物質の例として
は、カルボキシメチルセルロース及びその塩物質である
カルボキシメチルセルロースナトリウム等、ヒドロキプ
ロピルメチルセルロース及びその塩であるヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースアセテートサクシネート、アクリル
酸及びその共重合体又はその塩であるアクリルアミド等
を挙げることができる。
【0023】本発明に係る固形組成物又は固形被覆組成
物中のアニオン性高分子電解質の含量は、99重量%以
下の範囲で任意に選択できるが、薬物や賦形剤を配合す
ることを考慮すると、10〜70重量%の範囲内で用い
ることが好ましい。
【0024】本発明に係る固形組成物又は固形被覆組成
物中でのアニオン性高分子電解質の機能は、固形組成物
又は固形被覆組成物が水又は生体内の消化液と接した際
の含有薬物の徐放化又は生体粘膜付着性の付与である。
これらの機能の詳細については後述する。
【0025】本発明で用いる酸性物質としては、0.1
%(w/v)水溶液としたときの水溶液のpHが4以
下、好ましくは3以下となる有機酸又は無機酸又はそれ
らの塩から少なくとも一種又はその混合物を用いること
ができる。
【0026】本発明で用いる酸性物質としては、具体的
にはリン酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、酢酸、コハク
酸、塩酸、硫酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸
等の中から少なくとも一種又は二種以上混合して用いる
ことができるが、製造装置の腐食性や臭気を考慮すると
リン酸や酒石酸等を選択することが好ましい。酸性物質
の含量は、固形組成物又は固形被覆組成物中で0.01
〜30重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
【0027】ここで、本発明で用いる薬物の0.1%
(w/v)%の水溶液がpH4以下であり、本発明で規
定する酸性物質に該当する場合には、本発明における酸
性物質の添加の代りに、その薬物で代用することがで
き、別種の酸性物質を添加しなくても本発明に係る製法
により、任意量のアニオン性高分子電解質を含有した固
形組成物又は固形被覆組成物を調製することができる場
合がある。かかる場合も本発明に含まれるものとする。
【0028】本発明で用いる酸性物質の機能は、造粒時
又はコーティング時におけるアニオン性高分子電解質に
由来する粘性の発現を回避した製剤的加工を可能にする
ことであり、酸性物質は水溶液としてアニオン性高分子
電解質の粉末に添加する必要がある。しかし、酸性物質
を多量に含有した固形組成物又は固形被覆組成物を製造
する場合には、アニオン性高分子電解質を含む混合粉末
に粉末状態の酸性物質を添加した上で、別の酸性物質を
水溶液として添加することもできる。本発明に係る固形
組成物に含有することのできる生理活性を有する有効成
分としての薬物は、酸に対して安定な物質であることが
好ましい。しかし、コーティングやカプセル化等によっ
て酸に対する安定性を工夫をすればどのような種類の薬
物でも用いることができる。酸に安定な薬物の具体例と
しては、塩酸や硫酸等の強酸の塩、あるいはエステル結
合を有しない物質を挙げることができる。また、放出制
御製剤や粘膜付着性製剤とする場合には、一日の投与回
数を減らしたり、生体粘膜に付着させることにより薬効
や服用性向上が期待できる薬物を選択すればよい。
【0029】放出制御製剤や粘膜付着性製剤に用いる薬
物としては、降圧薬、抗不整脈薬、抗喘息薬、鎮痙薬、
鎮痛薬、興奮薬、鎮静薬、解熱薬、消炎剤等を挙を挙げ
ることができる。固形組成物中での薬物の配合量は、1
0〜80重量%、好ましくは30〜60重量%である。
【0030】さらに、本発明者らは、アニオン性高分子
電解質、酸性物質及び薬物からなる上述の処方の組成物
に、架橋剤の添加を追加することにより、アニオン性高
分子電解質の分子間を架橋剤で強固に固定して、アニオ
ン性高分子電解質の水不溶性塩を生成させることによっ
て、固形組成物又は固形被覆組成物の薬物放出特性や生
体粘着性を制御できることを見いだした。
【0031】本発明に係る固形組成物及び固形被覆組成
物に用いる架橋剤は、pH3以下の水に溶解しうる物質
でかつ水中で2価以上のカチオンを生じる物質であり、
各種の金属塩及びカチオン性高分子電解質を挙げること
ができる。
【0032】架橋剤として用いることのできる金属塩の
金属の具体例としては、カルシウム、マグネシウム、亜
鉛、銅、銀及びアルミニウム等を挙げることができる。
金属塩の具体例としては、塩化カルシウム、硫酸カルシ
ウム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、クエン
酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等
を挙げることができる。
【0033】架橋剤として用いることのできるカチオン
性高分子電解質の具体例としては、キトサン及びその塩
を挙げることができる。架橋剤の組成物中での含量は、
0.01〜50重量(%)、好ましくは0.1〜10重
量(%)である。
【0034】本発明に係る組成物に添加された架橋剤
は、固形組成物又は固形被覆組成物が水と接触した際
に、イオン解離してカチオンとなり、アニオン性高分子
電解質のアニオン性官能基と結合し、網目構造をもった
アニオン性高分子電解質の水不溶性塩を生成する機能を
有する。
【0035】ここで本発明に係る製法により製造された
組成物では、アニオン性電解質及び架橋剤が各々ランダ
ムに配置されているため、水と接触した際に架橋剤との
結合によって生成したアニオン性高分子電解質の水不溶
性塩は一種の架橋体構造を構築している。従って、水共
存下ではアニオン性高分子電解質の立体構造が固定され
て力学的強度が高まると共に、アニオン性高分子電解質
の水への溶解速度が低下し、固形組成物又は固形被覆組
成物に含有されている薬物等の放出時間又は粘膜付着時
間が延長される。
【0036】本発明に係る固形組成物及び固形被覆組成
物は、アニオン性高分子電解質、酸性物質、架橋剤、薬
物以外にも結合剤及び賦形剤を含むことができる。
【0037】本発明で用いることのできる結合剤は、p
H3に調製された水に対して0.1g/100ml以上
の溶解度を持つ水溶性高分子であればよく、医薬品製造
において通常結合剤又はコーティング剤として扱われて
いる物質が使用できる。
【0038】結合剤の具体例としては、ポリビニルアル
コール、ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポ
リビニルピロリドン等を挙げることができる。結合剤の
固形組成物又は固形被覆組成物中での含量は0.1〜3
0重量(%)、好ましくは1〜10重量(%)である
が、固形組成物又は固形被覆組成物の製造時には必ず酸
性物質と共に水に溶解して、pH3以下の水溶液として
用いる必要がある。
【0039】本発明で用いることのできる賦形剤の種類
については特に制限はなく、医薬品製造において通常賦
形剤として用いられている乳糖、トウモロコシデンプ
ン、結晶セルロース、リン酸カルシウム、タルク等を挙
げることができる。これらの賦形剤は粉体混合物を顆粒
や錠剤に成型するための製剤化助剤としての機能をもつ
物質であり、固形組成物又は固形被覆組成物中での配合
量についても特に制限はない。
【0040】次に、本発明に係る固形組成物又は固形被
覆組成物を製剤として用いる場合の剤形について説明す
る。
【0041】本発明に係る固形組成物と固形被覆組成物
は、構成成分は同じであるが、その構成成分の配置が異
なるものである。本発明に係る固形組成物を製剤として
用いる場合の剤形としては、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠
剤、カプセル剤、シート状製剤等が挙げることができ、
係る組成物中にアニオン性高分子電解質、酸性物質、薬
物及び場合により架橋剤、結合剤、賦形剤が均一に分散
されている。
【0042】次に、本発明に係る固形被覆組成物を製剤
として用いる場合の剤形としては、被覆層を有する顆粒
剤、錠剤、カプセル剤、シート状製剤等を挙げることが
できる。係る組成物の表面は、イ)アニオン性高分子電
解質及び酸性物質を含む混合物により、或は、ロ)アニ
オン性高分子電解質及び酸性物質及び架橋剤を含む混合
物により各々被覆されている。
【0043】次に、固形組成物及び固形被覆組成物の製
法について説明する。まず、固形組成物の製法について
説明する。
【0044】本発明に係る固形組成物を製造するには、
a)アニオン性高分子電解質、酸性物質、薬物、及び必
要に応じて、結合剤及び賦形剤を混合して調製した混合
粉末を圧縮成型することにより、散剤、細粒剤、顆粒
剤、錠剤、シート剤等を得る方法と、b)同様な成分を
用いて湿式造粒法により製造する場合とがある。b)の
湿式造粒法により製造するには、まずアニオン性高分子
電解質、薬物、及び必要に応じて賦形剤を混合して混合
粉末を調製する。別に、酸性物質の水溶液を調製し、又
は酸性物質と共に必要に応じて架橋剤、結合剤等を加え
て水に添加して溶解し、pH3以下とした水溶液を調製
する。次に、先に得られたアニオン性高分子電解質を含
む混合粉末を攪拌又は流動させながら、pH3以下とし
た酸性物質を含む溶液を滴下又は噴霧等の方法によって
添加し、混合粉末を凝集させて造粒、次いで乾燥し造粒
物を得る。
【0045】次いで得られた造粒物をそのまま散剤、細
粒剤、顆粒剤とするか又は造粒物を圧縮成型若しくはカ
プセル充填することにより錠剤、カプセル剤、シート状
製剤を得る。
【0046】a)又はb)の製法によって得られた固形
組成物は、アニオン性高分子電解質、酸性物質、薬物及
び必要に応じて添加した架橋剤及び/又は結合剤が均一
に分散した状態であるが、a)ではアニオン性高分子電
解質と酸性物質及び/又は架橋剤を粉末状態で混合した
ものであり、b)では酸性物質及び又は架橋剤は水溶液
状態でアニオン性高分子電解質と接触した後に乾燥され
るため,これらの物質相互の接触はb)の方がa)より
密であり、アニオン性高分子電解質、酸性物質及び架橋
剤の各分子間に接触の機合が多い。
【0047】次に、固形被覆組成物の製法について説明
する。
【0048】被覆操作を行なうには、酸性物質及び必要
に応じて架橋剤及び/又は結合剤を水に溶解し、pH3
以下とした酸性物質の水溶液を調製する。この液にアニ
オン性高分子電解質の粉末を分散させ、この液をコーテ
ィング液とする。このコーティング液を用いて、別に任
意の方法で調製した薬物等の有用物質を含有する錠剤、
顆粒剤又はカプセル剤等への噴霧乾燥を繰り返すことに
より、又はコーティング液に薬物等の有用物質を含有す
る錠剤、顆粒剤等を浸せきした後乾燥することにより、
薬物等の有用物質を含有する錠剤、顆粒又はカプセル剤
の表面がアニオン性高分子電解質、酸性物質及び必要に
応じて添加した架橋剤及び/又は結合剤で被覆された固
形被覆組成物を得ることができる。
【0049】次に、本発明に係る固形組成物又は固形被
覆組成物及びその製法の有用性について説明する。
【0050】先ず、本発明に係る固形組成物及び固形被
覆組成物の製法の特徴は、酸性物質を溶解して、pHを
3以下とした水溶液と粉末状態のアニオン性高分子電解
質とを接触させることにより、水との共存下においても
アニオン性高分子電解質由来の粘性を抑制した上で、又
は粘度を発現させずに他の製剤的加工を行うことを可能
としたことである。
【0051】更に、酸性物質を溶解してpH3以下とし
た液と、粉末状態のアニオン性高分子電解質には各々他
の物質を追加して添加することが可能であるため、多く
の製剤の製造に用いることができる。
【0052】かかる理由から、本発明にかかる組成物の
製法は、以下の点において有用である。
【0053】1)薬物放出制御(徐放化)機能及び粘膜
付着機能を有するアニオン性高分子電解質を任意量(最
大99%)含有する粉体混合物を、最も汎用性の高い湿
式造粒法により造粒することを可能にした。 2)pH3以下の液に、架橋剤を添加することによりア
ニオン性高分子電解質と結合させ架橋体を生成し、徐放
化機能を向上させた。本発明の方法によれば、架橋剤を
水溶液中でアニオン性高分子電解質に添加できるため、
粉末状態で混合した場合に比べて、より効率的な架橋体
生成を可能にした。 3)アニオン性高分子電解質の水中での溶解速度の制御
しうる酸性物質を配合することを可能にした。
【0054】次に、本発明に係る組成物及び固形被覆組
成物の有用性について説明する。
【0055】本発明に係る組成物には、徐放化担体とし
て有用なアニオン性高分子を任意量配合できるため、該
高分子の配合量を変えるだけで、徐放化の度合いを容易
に調節できる。他方、本発明に係る固形組成物又は固形
被覆組成物は、酸性物質及び架橋剤を含有できるため、
これらの組成物に含有されている薬物の放出速度を容易
に制御できる。
【0056】以下に本発明に用いる酸性物質及び架橋剤
と薬物放出速度との関係を詳細に説明する。
【0057】まず、本発明で用いる酸性物質と薬物放出
速度との関係について説明する。固形組成物又は固形被
覆組成物中の酸性物質は固形組成物の1重量%以下であ
れば固形組成物からの薬物放出速度に影響を与えない
が、1重量%以上好ましくは5重量%以上の量を配合す
ると、次のような効果が得られる。
【0058】1)外界の環境の液性が強酸性の液中で
は、アニオン性高分子電解質は溶解しないため薬物の放
出は遅いが、組成物中に予め酸性物質を添加しておく
と、アニオン性高分子電解質の溶解性は益々低くなる
が、一方、酸性物質は強酸性物質中で溶解して固形組成
物又は固形被覆組成物の崩壊を促進するため、薬物放出
は結果として促進される。 2)外界の環境の液性が弱酸性乃至中性の液中において
は、アニオン性高分子電解質はポリアニオンとなり溶解
しようとするため薬物放出速度は早いが、製剤中に予め
酸性物質を添加しておくと、アニオン性高分子電解質の
イオン解離が抑制され固形組成物又は固形被覆組成物の
崩壊が遅くなり、酸性物質を添加しない場合に比べて、
薬物放出速度が抑制される。
【0059】以上の1)及び2)から、酸性物質を添加
することにより、固形組成物又は固形被覆組成物からの
薬物放出の外界(生体消化液)の液性(pH)への依存
性が減少するという効果が説明できる。
【0060】次に、本発明で用いる架橋剤と薬物放出速
度の関係について説明する。
【0061】本発明で架橋剤として用いるグルコン酸カ
ルシウムや塩化カルシウム等の金属塩は水中でイオン解
離して2価以上のカチオンを、本発明で同じく架橋剤と
して用いるキトサンは、水中でポリカチオンを各々生成
する。
【0062】一方、本発明に係る固形組成物又は固形被
覆組成物にはアニオン性高分子電解質が配合されてお
り、アニオン性高分子電解質はカルボキシル基等のアニ
オン性官能基を有するため、水中ではイオン解離してポ
リアニオンを生成する。このため、上記架橋剤とアニオ
ン性高分子電解質を含有する本発明に係る固形組成物又
は固形被覆組成物を水に接触させると架橋剤由来のカチ
オンとアニオン性高分子電解質由来のアニオンとの間で
結合が起こり、架橋体の網目構造が形成される。
【0063】ここで、本発明に係る固形組成物の製法に
おいて、架橋剤を酸性物質の水溶液に溶解した後に、そ
の液をアニオン性高分子電解質の粉末に添加・混合し、
次いで、乾燥することによって粒状の固形組成物を調製
した(湿式造粒による)場合には、架橋剤とアニオン性
高分子電解質との接触は、単に架橋剤粉末とアニオン性
高分子電解質粉末を混合した場合よりもより均一で密な
接触となる。このため、架橋剤を固形組成物中に1重量
%以下の量を添加するだけで固形組成物からの薬物放出
速度を調節することができる。
【0064】架橋剤の具体的な添加効果は以下の通りで
ある。
【0065】1)外界の環境の液性が強酸性の液中で
は、アニオン性高分子電解質は溶解しないため薬物の放
出は遅いが、架橋剤を添加すると、架橋剤は強酸性条件
下でも溶解するため、固形組成物及び固形被覆組成物の
崩壊を促進し、その結果、固形組成物からの薬物放出速
度が高まる。 2)弱酸性から中性液中では、アニオン性高分子電解質
はポリアニオンとなり溶解しようとするため薬物の放出
は速いが、架橋剤を添加すると架橋剤由来のカチオンが
アニオン性高分子電解質由来のポリアニオンと結合して
アニオン性高分子電解質の架橋体(水不溶性塩)が生成
し、薬物は架橋体の中を拡散して溶出してくるため、固
形組成物からの薬物放出速度が抑制される。
【0066】以上の1)及び2)の効果から、固形組成
物からの薬物放出の外界(生体消化液)の液性(pH)
への依存性が減少する効果が得られる。
【0067】尚、架橋剤として金属塩を用いた場合、ア
ニオン性高分子電解質を含有する粉末素材に添加する
と、金属塩の方がアニオン性高分子電解質に比べての水
への溶解速度が早いため、アニオン性高分子電解質の陰
イオン性官能基と結合する前に散逸する。このため、
2)のpHが弱酸性から中性までの液中における架橋体
形成は困難となる。
【0068】以上のことから、アニオン性高分子電解
質、酸性物質及び架橋剤の種類と使用量を調節すること
により、本発明に係る固形組成物又は固形被覆組成物か
らの薬物放出速度を調節することが可能であり,さらに
薬物放出速度が、生体内、特に、消化管内等の外界の液
性(pH)に影響されにくい固形製剤を得ることが明確
に示される。
【0069】次に、本発明に係る固形組成物又は固形被
覆組成物の粘膜付着機能について説明する。本発明に係
る固形組成物又は固形被覆組成物の構成成分であるアニ
オン性高分子電解質は、強酸性液中では水に溶解しない
ため粘性を発現せず、弱酸性から中性液中では水に溶解
するため粘性を発現する性質をもっている。
【0070】さらに本発明に係る固形組成物又は固形被
覆組成物の製法に従えば、任意量のアニオン性高分子電
解質(最大99重量%)を含有する固形組成物又は固形
被覆組成物が調製できるため、水との接触によって粘着
性を発現する固形組成物又は固形被覆組成物を容易に調
製でき、しかもアニオン性高分子電解質の含有量を変え
ることにより粘着強度を調節することが可能である。
【0071】本発明に係る固形組成物及び固形被覆組成
物の用途としては、薬物の放出制御製剤又は粘膜付着製
剤を挙げることができる。
【0072】本発明により得られた固形組成物又は固形
被覆組成物は、薬物の放出制御担体又は及び粘膜付着性
担体として有用である。さらに添加する酸性物質や架橋
剤の量を調節することにより、外界(体液)の液性(p
H)に依存しない薬物放出の制御が容易に行うことがで
きる。
【0073】上記の医薬品製剤における、徐放性製剤等
の放出制御製剤の用途以外にも、農薬における徐放性農
薬や、食品製造におけるゼリー様食品の製造においても
応用可能である。
【0074】
【効果】本発明に係る固形組成物又は固形被覆組成物の
薬物放出制御機能及び粘膜付着機能に関して期待される
効果は以下のとおりである。
【0075】1)本発明に係る固形組成物及び固形被覆
組成物をヒト又は動物の口腔内粘膜や湿潤性の皮膚疾患
部に適用することにより、疾患部位に固体製剤を粘着さ
せた上で、薬物放出を遅延させることができ、効率的な
薬物治療が可能となる。 2)本発明に係る固形被覆組成物を、ゼラチンカプセル
に充填するなどして口腔及び食道粘膜に付着させずに胃
に到達させれば、固形組成物、又は固形被覆組成物は胃
液中ではゼラチンカプセルが崩壊しても粘性を発現しな
いので速やかに胃を通過する。次いで、小腸部以後の消
化管においてpH4から7の高いpHをもつ消化液と接
することにより粘性を発現し、消化管内での移動速度が
減少する。さらにアニオン性高分子電解質がゲル化する
ため、固形組成物からの薬物溶出も抑制される(実施例
3の生体内のpH変化を考慮した溶出試験参照)。多く
の薬物にとって小腸は良好な吸収部位であるため、本発
明に係る固形組成物は薬物の生物学的利用能(バイオア
ベイラビリティー)において効率的である。
【0076】
【実施例】以下に本発明の具体的例を実施例及び比較例
により説明するが、本発明はこの実施例に限定されるも
のではない。
【0077】実施例1 表1に示す処方で、粉体混合物と造粒液を調製し、粉体
混合物を小型攪拌機で攪拌しつつ、造粒液を加えた後、
乾燥し、整粒し、打錠し、試料1及び試料2を得た。
【0078】ここで、粉体混合物は、アニオン性高分子
電解質であるアルギン酸ナトリウム(ナカライ製)、薬
物であるテオフィリン(白鳥製薬製)及び賦形剤である
トウモロコシデンプンよりなるものであり、造粒液は結
合剤であるポリビニルアルコール205(クラレ製)、
酸性物質であるリン酸(市販特級品)又は酒石酸(市販
特級品)を水15mlに溶解して使用した。
【0079】また、造粒しない混合粉末を直接打錠した
比較例1、及び酸性物質を添加せずに造粒操作を行なっ
た比較例2も調製した。得られた造粒品及びその打錠品
の物性を測定した。比較例1は「錠剤硬度」が低く医薬
品錠剤としては適用できないものであった(表2)。比
較例2は、小型攪拌機の回転が停止する程、攪拌抵抗が
増加した。このときの造粒品の粒度は5000μm以上
又は100μm以下であり、良好な造粒品が得られなか
った。一方、結合剤水溶液にリン酸を添加して造粒した
試料1及び結合剤水溶液に酒石酸を添加して造粒した試
料2では,「平均粒径」及び粉体圧密度の指標となる
「かさ比重」は、通常の湿式造粒で得られる造粒品の
「平均粒径」及び「かさ比重」と同等であった。また、
「錠剤硬度」も医薬品錠剤として十分な値であった。
【0080】
【表1】
【表2】
【0081】実施例2 表3に示す処方で、粉体混合物と造粒液を調製し、実施
例1の場合と同様にして、錠剤を調製し、試料3及び試
料4を得た。ここで、試料3における造粒液には、実施
例1で用いた成分の他に架橋剤(金属塩)であるグルコ
ン酸カルシウムを加え、試料4における粉体混合物に
は、酸性物質である酒石酸の粉末を加えて造粒した。
【0082】得られた試料3、試料4及び実施例1で得
られた試料1につき、日本薬局方第12改正、溶出試験
第2法(固体試料を試験液中に入れ、これを攪拌羽根を
用いて攪拌して、固体試料からの経時的な薬物の放出量
を測定する方法でパドル法ともいう。)に従って、経時
的な薬物(テオフィリン)溶出率を測定した。試験液と
して、37±1℃に保った日本薬局方第I液(pH1.
2,人工胃液,以下日局I液)又は日本薬局方II液
(pH6.5,人工腸液,以下日局II液)を各々90
0ml用いた。攪拌羽根(パドル)回転数は100rp
mで試験を行なった。また、溶出試験中の各試料の状態
を観察し、試験容器(ガラス製)の底面に付着している
時間も測定した。表4に、試料1、試料3及び試料4か
らの薬物(テオフィリン)の溶出挙動を示す。試料1か
らの薬物溶出について、その薬物の75%溶出時間(以
下、t75%(分)で表す。)で表した場合、日局I液
中でのt75%(分)は、600分、日局II液中での
t75%(分)は160分であり、徐放性製剤として有
用であることが分かった。しかし、試料1の日局I液中
でのt75%(分)と日局II液中でのt75%(分)
には440分の差があり、試料1からの薬物溶出速度は
溶出試験液のpHの影響を受けやすいことが分かった。
次に、試料3及び試料4の日局I液中でのt75%
(分)と日局II液中でのt75%(分)との差は、試
料3では100分、試料4では20分であり、結合剤水
溶液に架橋剤であるカルシウム塩を添加すること、又は
アニオン性高分子電解質粉末に酸性物質である酒石酸を
添加することにより、試料1に比べて錠剤からの薬物溶
出速度が溶出試験液のpHの影響を受けにくくなった。
一方、溶出試験中の試料1、試料3及び試料4の状態観
察の結果、日局I液中ではいずれの試料においても、試
験容器底面への付着は一切認められなかったが、日局I
I液中ではいずれの試料も溶出試験開始後直ちに試験容
器底面に付着し、試料1及び試料3は約3時間、試料4
は約5時間にわたって付着していた。
【0083】
【表3】
【0084】
【表4】
【0085】実施例3 先に得られた試料1及び試料3に用いた造粒物を各20
0mgずつ量り、2号サイズのゼラチンカプセルに充填
し、試料1に用いた造粒物のカプセル充填品を試料5、
試料3に用いた造粒物のカプセル充填品を試料6とし
て、実施例2における溶出試験と同じ条件で経時的な薬
物(テオフィリン)の溶出量を測定した。但し、試験液
として溶出試験開始後2時間迄は、日局I液を、2時間
以後は日局II液を用いた「生体内消化液のpH変化を
想定した溶出試験」を追加した。また、カプセルはシン
カー(直径1.5cm、長さ3cm程度の円筒形金網)
に入れて試験液中で浮遊しない状態で溶出試験を行なっ
た。
【0086】その結果、表5に示したとおり、「生体内
消化液のpH変化を想定した溶出試験」において、試料
5からの薬物放出のt50%(分)は20分、試料6か
らの薬物放出のt50%(分)は90分と速かったもの
の、t75%(分)はグルコン酸カルシウムを添加して
いない試料5で210分、グルコン酸カルシウムを添加
した試料6では300分に達していた。この結果は、試
料5又は試料6を経口投与した場合に、投与直後には速
い薬物放出が起こり、次いで試料が腸管へ移行して、生
体内消化液のpHが高くなると遅い薬物放出になること
を示唆しており、試料5及び試料6は、速効性と遅効性
を兼ね備えた優れた薬物放出制御製剤であると考えられ
る。
【0087】尚、試料5のからの薬物(テオフィリン)
100%溶出時間(分)は約420分,試料6からの薬
物(テオフィリン)100%溶出時間(分)は約600
分であった。
【0088】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/36 C 7433−4C D 7433−4C 47/38 C 7433−4C D 7433−4C

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アニオン性高分子電解質、酸性物質及び
    薬物を含む固形組成物。
  2. 【請求項2】 アニオン性高分子電解質、酸性物質、架
    橋剤及び薬物を含む固形組成物。
  3. 【請求項3】 アニオン性高分子電解質及び酸性物質を
    含む成分により被覆された、薬物を含む固形被覆組成
    物。
  4. 【請求項4】 アニオン性高分子電解質、酸性物質及び
    架橋剤を含む成分により被覆された、薬物を含む固形被
    覆組成物。
  5. 【請求項5】 アニオン性高分子電解質と薬物を含む混
    合物に、A液(酸性物質を含む水溶液)又はB液(酸性
    物質と架橋剤を含む水溶液)を添加し、混合し、乾燥す
    ることを特徴とする固形組成物の製法。
  6. 【請求項6】 A液(酸性物質を含む水溶液)又はB液
    (酸性物質と架橋剤を含む水溶液)にアニオン性高分子
    電解質を分散させた液を、薬物を含有する別の固形物の
    表面に被覆・乾燥することを特徴とする固形被覆組成物
    の製法。
  7. 【請求項7】 アニオン性高分子電解質が、アニオン性
    官能基を有し、中性の水に溶解又は膨潤しうる電解質で
    ある請求項1から6記載の固形組成物、固形被覆組成物
    又はその製法。
  8. 【請求項8】 アニオン性高分子電解質が、アルギン酸
    の塩、キサンタンガム又はセルロース誘導体から選択さ
    れる一種又は二種以上の組み合わせからなる請求項1か
    ら7記載の固形組成物、固形被覆組成物又はその製法。
  9. 【請求項9】 酸性物質が、0.01重量%以上の濃度
    で水に溶解し、かつpH3以下の水溶液を与える無機酸
    又は有機酸である請求項1から8記載の固形組成物、固
    形被覆組成物又はその製法。
  10. 【請求項10】 酸性物質が、リン酸、酒石酸又は酢酸
    から選ばれる一種又は二種以上の組み合わせからなる請
    求項1から9記載の固形組成物、固形被覆組成物又はそ
    の製法。
  11. 【請求項11】 架橋剤が、金属塩である請求項2及び
    請求項4から10記載の固形組成物、固形被覆組成物又
    はその製法。
  12. 【請求項12】 金属塩が、カルシウム塩、2価又は3
    価の鉄塩、アルミニウム塩である請求項11記載の固形
    組成物、固形被覆組成物又はその製法。
  13. 【請求項13】 固形組成物又は固形被覆組成物が、薬
    物放出制御機能又は粘膜付着機能を有する組成物である
    請求項1から12記載の固形組成物、固形被覆組成物又
    はその製法。
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