JPH06247841A - 温度応答型ハイドロゲル - Google Patents

温度応答型ハイドロゲル

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JPH06247841A
JPH06247841A JP5322993A JP5322993A JPH06247841A JP H06247841 A JPH06247841 A JP H06247841A JP 5322993 A JP5322993 A JP 5322993A JP 5322993 A JP5322993 A JP 5322993A JP H06247841 A JPH06247841 A JP H06247841A
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浩一 池田
Kazumi Tamura
和美 田村
Mitsuo Okano
光夫 岡野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】所定の温度変化に応答して薬剤の可逆的な放出
制御を行うことのできる高強度のハイドロゲルを提供す
る。 【構成】N−アルキルもしくはN−アルキレン置換(メ
タ)アクリルアミド単量体(但し、アルキレンはエーテ
ル結合で中断されていてもよい)を主成分として重合し
て得られるゲル状重合体と、ビニル系単量体を重合成分
とするゲル状重合体とから構成される交互浸潤網目高分
子構造体である温度応答型ハイドロゲル、及び上記N−
アルキルもしくはN−アルキレン置換(メタ)アクリル
アミド単量体を主成分として重合して得られる水に不溶
性の重合体を含み、相転移温度以下の温度における水に
対する平衡膨潤時での破断強度が1.0kg/cm2以上であ
る温度応答型ハイドロゲル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、温度変化により薬剤の
必要な量を、必要な場所に、必要な時だけ送達させるこ
との可能な強度の高い温度応答型ハイドロゲルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、人間を含む動物への薬物の投与、
植物や害虫への農薬の投与、化学反応などにおける触媒
の供給、悪臭環境への芳香剤の放出等において、分解速
度の速い薬剤、安定性の悪い薬剤、薬効発現期間の短い
薬剤等の投薬量や放出量の制御は難しいという問題があ
った。
【0003】これに対して近年、必要な量が、必要な場
所に、必要な時だけ作用する薬剤、いわゆるドラッグデ
リバリーシステム(DDS)の基礎的、実用的研究が盛
んに行われる様になり、実用化されているものとして
は、乗り物酔い止め用のスコポラミン、狭心症治療用の
ニトログリセリンをはじめとする亜硝酸エステル系薬
物、禁煙補助用ニコチン等の経皮吸収型製剤、ダイアジ
ノンをはじめとする農薬のマイクロカプセル型製剤等が
あげられる。
【0004】しかし、これらは単に薬剤の徐放化を図っ
たものがほとんどであり、DDSの概念すべてを全うし
ていない。
【0005】最近、刺激応答性ハイドロゲルを利用し
て、刺激が製剤に加えられた時のみ必要な場所へ必要な
量の薬物を放出する理想的なDDSの実現を目指した研
究が行われ始めている。とりわけ、N−アルキル置換
(メタ)アクリルアミド系ハイドロゲルに代表される温
度応答型DDSが注目されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのハイ
ドロゲルは、一般に機械的強度が弱く実用に供しないと
いう問題がある。
【0007】従って、本発明は、所定の温度変化に応答
して薬剤の放出制御を行うことのできる高強度の温度応
答型ハイドロゲルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、薬剤の放出
制御用として特に有用な、N−置換(メタ)アクリルア
ミド単量体を主重合成分とする水に不溶性の重合体を含
む高強度の温度応答型ハイドロゲルを見いだし本発明を
完成した。
【0009】即ち、本発明は、 1. N−アルキルもしくはN−アルキレン置換(メ
タ)アクリルアミド単量体(但し、アルキレンはエーテ
ル結合で中断されていてもよい)を主成分として重合し
て得られる水に不溶性の重合体を含み、相転移温度以下
の温度における水に対する平衡膨潤時での破断強度が、
1.0kg/cm2 以上である温度応答型ハイドロゲ
ル、
【0010】2. N−アルキルもしくはN−アルキレ
ン置換(メタ)アクリルアミド単量体(但し、アルキレ
ンはエーテル結合で中断されていてもよい)を主成分と
して重合して得られる水に不溶性の重合体と、ビニル系
単量体を重合成分とする水に不溶性の重合体とから構成
される交互浸潤網目高分子構造体である温度応答型ハイ
ドロゲル、 3. N−アルキルもしくはN−アルキレン置換(メ
タ)アクリルアミド単量体が式(1)で示される化合物
及び/または式(2)で示される化合物
【0011】
【化3】
【0012】(式中、R1 は水素原子またはメチル基、
2 及びR3 は水素原子または低級アルキル基を示し、
2 及びR3 は同一であっても異なっていても良いが少
なくとも何れか一方は低級アルキル基を示す。)
【0013】
【化4】
【0014】(式中、R1 は水素原子またはメチル基、
Aは(CH2 )n でnは4〜6または(CH2 2
(CH2 2 を示す。)である上記1又は2に記載の温
度応答型ハイドロゲル、 4.薬剤放出制御用の上記1、2又は3に記載の温度応
答型ハイドロゲル、に関する。
【0015】本発明において、「温度応答型ハイドロゲ
ル」とは、相転移温度をもつハイドロゲルのことを指
し、相転移温度以下では水を吸収して膨潤し、相転移温
度以上では水を放出して収縮することができるゲルをい
う。
【0016】この膨潤と収縮の挙動は水の存在下で可逆
的に起こる。さらに、この可逆的な変化は、表面律速で
あるため速やかな変化を行わせることができる。
【0017】本発明の温度応答型ハイドロゲルは、膨潤
状態では、そのハイドロゲル中に存在する水を通じて薬
剤等の物質の拡散が容易になり系外へ放出され、収縮状
態では、ハイドロゲル中の水が欠乏し物質の拡散が抑制
され系外への放出が停止する。
【0018】従って、本発明の温度応答型ハイドロゲル
を薬剤の放出制御に適用する場合は水の存在が必須条件
である。但し、水だけである必要はなく、必要により1
0%以下の各種界面活性剤または50%以下の有機溶媒
と水との混合溶液を用いても該ハイドロゲルは、前記の
温度応答性を有し薬剤の放出制御を行うことができる。
【0019】一般に、放出制御法は、薬剤と放出制御部
材を分離させたリザーバー型と薬剤を放出制御部材中に
液体または固体状態で分散させたモノリシック型に分類
することができるが、本発明の温度応答型ハイドルゲル
は、必要により膜状、板状、繊維状等に成形することに
より、放出制御部材として2つの方法のいずれにも適用
することができる。
【0020】すなわち、リザーバー型に適用した場合、
外部の温度が相転移温度以下の時、該ハイドロゲルは膨
潤状態となり薬剤は膜を透過して外部に放出され、外部
の温度が相転移温度以上の時、該ハイドロゲルは収縮状
態となり薬剤は膜を透過することができなくなり外部へ
の放出が停止する。
【0021】また、薬剤を該ハイドロゲル中に分散させ
ることによりモノリシック型のものを容易に作成するこ
とができ、前記のように該ハイドロゲルは温度変化に対
して表面律速であるため環境に接触させた時、相転移温
度以下では該ハイドロゲル中の薬剤は拡散して環境に放
出され、相転移温度以上では表面が収縮するため薬剤の
拡散が抑制され環境への放出は停止する。
【0022】該温度応答型ハイドロゲルの代表的な例と
しては、式(1)で示される化合物及び/または式
(2)で示される化合物を主成分として重合して得られ
る水に不溶性の重合体と、ビニル系単量体を重合成分と
する水に不溶性の重合体との交互浸潤網目高分子構造体
を挙げることができる。
【0023】かかる構造体は、例えば上記式(1)で示
される化合物及び/または式(2)で示される化合物を
主成分として重合して得られる水に不溶性の重合体に、
一種以上のビニル系単量体を含む溶液を含浸させた後、
重合して水に不溶化することにより得られる。
【0024】式(1)または式(2)で示される化合物
としては、具体的には、N−メチルアクリルアミド、N
−n−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアク
リルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメ
チルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N
−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルモルホリ
ン、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−イソプロ
ピルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、
N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メタクリロイ
ルピロリジン、N−メタクリロイルピペリジン、N−メ
タクリロイルモルホリン等を挙げることができる。
【0025】また、上記した化合物は、これと共重合可
能な他の単量体と併用することができ、そのような単量
体としては、親水性単量体及び疎水性単量体等が挙げら
れ、それらの一種以上の単量体を使用することができ
る。
【0026】具体的には、親水性単量体として、例え
ば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンア
クリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒド
ロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリ
レート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、N−ビニ
ル−2−ピロリドン、各種メトキシポリエチレングリコ
ールアクリレート、各種メトキシポリエチレングリコー
ルメタクリレート、
【0027】アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホ
ン酸、アリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、スチ
レンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−フェニルプ
ロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−
プロパンスルホン酸等の酸及びそれらの塩、N,N−ジ
メチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチル
アミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプ
ロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロ
ピルアクリルアミド等のアミン及びそれらの塩等を挙げ
ることができる。
【0028】疎水性単量体としては、例えば、N−n−
ブチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミ
ド、N−n−ヘキシルアクリルアミド、N−n−オクチ
ルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド、
N−n−ドデシルアクリルアミド、N−n−ブチルメタ
クリルアミド、N−t−ブチルメタクリルアミド、N−
n−ヘキシルメタクリルアミド、N−n−オクチルメタ
クリルアミド、N−t−オクチルメタクリルアミド、N
−n−ドデシルメタクリルアミド等のN−アルキル(メ
タ)アクリルアミド誘導体、
【0029】N,N−ジグリシジルアクリルアミド、N
−(4−グリシドキシブチル)アクリルアミド、N−
(5−グリシドキシペンチル)アクリルアミド、N−
(6−グリシドキシヘキシル)アクリルアミド、N,N
−ジグリシジルメタクリルアミド、N−(4−グリシド
キシブチル)メタクリルアミド、N−(5−グリシドキ
シペンチル)メタクリルアミド、N−(6−グリシドキ
シヘキシル)メタクリルアミド等のN−(ω−グリシド
キシアルキル)(メタ)アクリルアミド誘導体、
【0030】エチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ラウ
リルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト等の(メタ)アクリレート誘導体、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、エ
チレン、プロピレン、ブテン等のオレフィン類、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ブタジエン、イソプレン等、
を挙げることができる。
【0031】なお、疎水性単量体を用いる場合、式
(1)または式(2)と共重合後、必要により、共重合
体中の疎水性単量体由来構造部分を加水分解して、共重
合体に親水性を付与することもできる。
【0032】上記した単量体から水に不溶性の重合体を
得る方法としては、重合時に不溶化する方法と重合後の
処理で不溶化する方法がある。最終的に得られる重合体
が水に不溶性となる方法であればいずれの方法でもよ
い。
【0033】具体的には、分子中に少なくとも二個の二
重結合を有する架橋性単量体と共重合する方法(第1の
方法)、イオン性官能基を導入した共重合体に多価金属
イオンを添加しイオン結合性複合体にする方法(第2の
方法)、水酸基あるいはアミノ基を導入した共重合体に
エピクロルヒドリンまたはグルタールアルデヒド等の多
官能性化合物を反応させて架橋させる方法(第3の方
法)、単量体濃度を大きくして急激な重合を行い自己架
橋させる方法(第4の方法)、光や放射線を照射するこ
とにより架橋させる方法(第5の方法)等を挙げること
ができる。
【0034】第1の方法で用いる架橋性単量体として、
例えばN,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,
N’−ジアリルアクリルアミド、N,N’−ジアクリロ
イルイミド、N,N’−ジメタクリロイルイミド、トリ
アリルホルマール、ジアリルナフタレート、エチレング
リコールジアクリレート、エチレングリコールジメタク
リレート、各種ポリエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、プロピレングリコールジアクリレート、プロ
ピレングリコールジメタクリレート、各種ポリプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、
【0035】1,3−ブチレングリコールジアクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、
1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、各種ポ
リブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセ
ロールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テト
ラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベ
ンゼン等のジビニル誘導体等の架橋性単量体等が挙げら
れるが、特にこれらに限定されるものではない。好まし
い架橋性単量体は、アクリロイル基、メタクリロイル基
及び/又はアリル基を合計で2ケ以上有する化合物であ
る。
【0036】第2の方法では、(メタ)アクリル酸やビ
ニルスルホン酸等の陰イオン性単量体あるいは4級アン
モニウム塩基等をもつ陽イオン性単量体と式(1)で示
される化合物及び/または式(2)で示される化合物と
を共重合させた重合体と多価陽イオン性あるいは多価陰
イオン性化合物とからイオン結合複合体を形成させ水に
不溶化することができる。
【0037】第3の方法では、アミノ基は共重合により
導入でき、水酸基はヒドロキシメタクリレート等との共
重合により、または酢酸ビニル等との共重合の後加水分
解して導入することができる。これらアミノ基または水
酸基とエピクロルヒドリンまたはグルタールアルデヒド
等の多官能性化合物とを塩基性または酸性触媒存在下に
反応させて水に不溶化することができる。
【0038】第4の方法では、式(1)で示される化合
物及び/または式(2)で示される化合物またはこれら
とアクリル酸塩等を高濃度で急激に重合または共重合す
ることにより自己架橋させて水に不溶化することができ
る。
【0039】第5の方法では、式(1)で示される化合
物及び/または式(2)で示される化合物またはこれら
化合物と他の共重合しうる単量体を重合または共重合さ
せた後光重合開始剤等を添加して、紫外線またはガンマ
線等を照射して不溶化することができ、又、重合を行う
前に単量体に光重合開始剤等を添加して、紫外線又はガ
ンマ線等を照射して不溶化することができる。
【0040】式(1)で示される化合物及び/または式
(2)で示される化合物は、重合させる全単量体中30
モル%以上用いるのが好ましく、特に好ましくは50モ
ル%以上用いるのがよい。また、架橋密度(重合体中の
架橋している構造単位の数の全体の構造単位の数に対す
る割合)は、好ましくは0.1〜10%、特に好ましく
は0.5〜3%の範囲である。
【0041】上記のようにして得られる温度応答型ハイ
ドロゲルは、ブロック状、ペレット状、膜状、繊維状、
粒子状、フレーク状等に成形して使用することができ
る。どの形状に成形するかは、温度応答型ハイドロゲル
をどの様に使用するかあるいは適用する環境に応じて、
適宜決まってくるため一様には規定できない。
【0042】成形する方法としては、(1)重合と同時
に成形させる方法、(2)重合後に成形する方法を採る
ことができ、最終的に目的の形状のものが得られればよ
く特に限定されない。具体的には、(1)の方法では、
目的の形状を有する型板に単量体を流し込んで重合して
成形する方法、目的の形状を有する材料に単量体を含浸
あるいはコーティングし重合あるいはグラフト重合して
成形する方法、単量体を分散剤等により安定な形状に保
った後重合して成形する方法等を挙げることができ、
(2)の方法では、重合体を粉砕、切削等により所望の
形状に成形する方法等を挙げることができる。
【0043】その際、重合を開始させる方法としては、
加熱のみによっても行い得るが、通常、重合開始剤を使
用した方が良好な結果が得られる。重合開始剤として
は、ラジカル重合を開始する能力を有するものであれば
制限はなく、例えば、無機過酸化物、有機過酸化物、そ
れらの過酸化物と還元剤との組合せ及びアゾ化合物など
が挙げられる。
【0044】具体的には、過酸化水素、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム、ベンゾイルパーオキシド、t
−ブチルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート、過安息香酸ブチル等の過酸化物が
あり、それらと組み合わせる還元剤としては亜硫酸塩、
亜硫酸水素塩、鉄、コバルト、銅等の塩、アスコルビン
酸等の有機酸、アニリンなどの有機アミン等を挙げるこ
とができる。アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロ
ニトリル、2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン
塩酸塩、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロ
ニトリル等を挙げることができる。
【0045】これらの重合開始剤の添加量は通常のラジ
カル重合で採用される範囲で充分であり、例えば、単量
体に対して0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜
2重量%の範囲である。重合温度及び重合時間は、使用
する開始剤の種類によって異なるが、それぞれ通常4〜
90℃、好ましくは40〜80℃、及び、通常1〜72
時間、好ましくは12〜48時間である。このようにし
て得られるゲルを、未反応物を溶解しかつ該ゲルが膨潤
可能な溶剤に一日以上含浸洗浄した後、溶剤から取り出
し乾燥させて精製ゲルを得ることができる。
【0046】なお、上記の方法は代表的な例を示したも
のであり、水に不溶性の重合体を得る際、単量体を重合
する方法及び前記第1の方法〜第5の方法等における重
合時又は重合後に水に不溶化する方法は、いずれも公知
の方法に従って行なうごとができる。
【0047】交互浸潤網目高分子構造体を得る方法とし
ては、上記乾燥ゲル(精製ゲル)にビニル系単量体を含
浸させ、これを重合させて、水に不溶性の重合体を形成
させる方法が挙げられる。この際、必要により重合開始
剤を同時に含浸させてもよい。ビニル系重合体は、その
まま含浸させてもよく、又、溶剤と混合した後に含浸さ
せてもよい。
【0048】ビニル系単量体としては、前記した式
(1)又は式(2)で示される化合物、これと共重合可
能な単量体、架橋性単量体等が挙げられ、特に限定され
ない。乾燥ゲルにビニル系単量体を含浸させる方法は、
常法により行なうことができ、例えば、ビニル系単量体
又はこれを含む溶液に乾燥ゲルを通常1〜48時間好ま
しくは12〜24時間浸し、ビニル系単量体をゲルに含
浸させる。
【0049】乾燥ゲルに含浸させるビニル系単量体の量
は、乾燥ゲルに対して好ましくは0.1〜70重量%の
範囲であり、より好ましくは1〜50重量%の範囲であ
り、さらに好ましくは5〜30重量%の範囲である。
【0050】含浸させたビニル系単量体を重合させ水に
不溶性の重合体を形成させる方法は、公知の方法が採用
でき、例えば、前記の重合法及び不溶化の方法(第1の
方法〜第5の方法)と同様にして行なうことができる。
なお、前記第1の方法と同様にして行なう場合、ビニル
系単量体としては、架橋性単量体のみを用いてもよく、
又、他の単量体と併用してもよい。含浸させたビニル系
単量体の重合体における架橋密度は、0.1〜100%
の範囲であることが好ましい。このようにして得られる
交互浸潤網目高分子構造体を、未反応物を溶解しかつ該
ゲルが膨潤可能な溶剤に一日以上含浸洗浄した後、溶剤
から取り出し乾燥させて本発明の温度応答型ハイドロゲ
ルを得ることができる。
【0051】本発明の温度応答型ハイドロゲルにより放
出制御される薬剤としては、水に可溶であれば特に制限
はなく、例えば医薬では、インドメタシン、ケトプロフ
ェン、サリチル酸等の消炎鎮痛剤、テトラサイクリン、
クロラムフェニコール、ペニシリン等の抗生物質、塩化
ベンザコルコニウム、クロトリマゾール、ピロールニト
リン等の抗菌剤、リドカイン、ペントバルビタール等の
麻酔薬、アミノアセトフェノン、エテンザミド、アスピ
リン等の感冒薬、
【0052】塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸プロメタジ
ン、フマル酸クレマスチン等の抗ヒスタミン剤、ニトロ
グリセリン、硝酸イソソルビド、ニトロマンニトール等
の抗狭心症剤、クロニジン、ヒドララジン、メチルドパ
等の抗高血圧薬、テストステロン、エストラジオール、
等のホルモン剤、チアミン、リボフラビン、ピリドキシ
ン、アスコルビン酸等のビタミン剤、ブレオマイシン、
シスプラチン、ベスタチン、エトポシド等の抗癌剤等を
挙げることができる。
【0053】農薬では、ペンタクロルフェノールナトリ
ウム、ジンクエチレンビスジチオカーバメート、O,O
−ジイソプロピル−S−ベンジルチオホスフェート、5
−メチル−1,2,4−トリアゾロ(3,4−b)ベン
ゾチアゾール等の殺菌剤、硫酸ニコチン、ジメチル(3
−メチル−4−ニトロフェニル)チオフォスフェート、
(2−イソプロピル−4−メチルピリミジル−6)−ジ
エチルチオホスフェート等の殺虫剤、
【0054】2,4−ジクロルフェノキシ酢酸ナトリウ
ム塩、2,4−ジニトロオルソ−sec−ブチルフェノ
ールイソプロパノールアミン、3−(5−tert−ブ
チル−3−イソオキザゾリル)−1,1−ジメチル尿素
等の除草剤、インドール酪酸、ニコチン酸アミド、マレ
イン酸ヒドラジドカリウム塩等の植物生育調整剤、2−
(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール等の防腐剤等を
挙げることができる。
【0055】化学反応などにおける触媒の例としては、
ナトリウムボロハイドライド、リチウムボロハイドライ
ド、アスコルビン酸、メチルアミン等の還元剤、過酸化
水素、N−ブロモスクシイミド、メタ過ヨウ素酸ナトリ
ウム等の酸化剤、2−メチルイミダゾール、2,4,6
−トリス(ジエチルアミノメチル)フェノール等のエポ
キシ硬化促進剤、アンモニウムパーオキサイド、2,
2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハ
ドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−(2−イミ
ダゾリン−2−イル)プロパン)ジハイドロクロライド
等の重合開始剤、
【0056】アルファ−アミラーゼ、パパイン、キモパ
パイン、リパーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、グルコ
ースオキシターゼ、カタラーゼ、ラクターゼ、リゾチー
ム、ペプシン、L−アスパラギナーゼ、プロテアーゼ等
の酵素等を挙げることができる。
【0057】悪臭環境への芳香剤の例としては、ムスコ
ン、シベトン、ケイ皮酸、安息香酸、カストルアミン、
リトロール、リナロール、カンフェン、サンタロール、
d−リモネン、シトラール、l−メントール、シンナミ
ックアルヒド、バニリン、ヘリオトロピン、リリアール
等を挙げることができる。
【0058】本発明の温度応答型ハイドロゲルの相転移
温度は、具体的には、4℃〜80℃の範囲であり、好ま
しくは20℃〜60℃の範囲である。放出制御する時の
温度は、用いる薬剤または適用する環境によって決定さ
れるが、本発明では、必要に応じた相転移温度を持つハ
イドロゲルを設計することが可能であるため、広範囲の
応用が可能である。
【0059】すなわち、本発明の温度応答型ハイドロゲ
ルの相転移温度は、式(1)または式(2)で示される
化合物の種類、共重合させる単量体の種類または組成
比、架橋剤の種類または組成比、さらには、交互浸潤網
目高分子構造体にせしめる際に用いる単量体の種類また
は組成比、架橋剤の種類または組成比によって自由に変
えることができる。
【0060】具体的には、疎水性の単量体を共重合する
ことにより、式(1)または式(2)で示される化合物
から得られるハイドロゲルの相転移温度より低い相転移
温度に設計することができる。また、親水性の単量体を
共重合することにより、式(1)または式(2)で示さ
れる化合物から得られるハイドロゲルの相転移温度より
高い相転移温度に設計することができる。例えば、以下
に示す実施例1のハイドロゲルの相転移温度は29℃で
あり、比較例1のハイドロゲルの相転移温度は36℃で
ある。
【0061】さらに、本発明の温度応答型ハイドロゲル
の相転移温度以下の所定温度での膨潤度は、式(1)ま
たは式(2)で示される化合物の種類、共重合させる単
量体の種類または組成比、架橋剤の種類または組成比、
さらには、交互浸潤網目高分子構造体にせしめる際に用
いる単量体の種類または組成比、架橋剤の種類または組
成比によって自由に変えることができる。
【0062】具体的には、疎水性の単量体を共重合する
かあるいは架橋剤の組成比を上げることにより、式
(1)または式(2)で示される化合物から得られるハ
イドロゲルの膨潤度より小さい膨潤度に設計することが
できる。また、親水性の単量体を共重合するかあるいは
架橋剤の組成比を下げることにより、式(1)または式
(2)で示される化合物から得られるハイドロゲルの膨
潤度より大きい膨潤度に設計することができる。
【0063】例えば、以下に示した実施例2のハイドロ
ゲルの32℃での膨潤度は1.8であり、39℃での膨
潤度は0.3である。また、実施例3のハイドロゲルの
32℃での膨潤度は3.0であり、39℃での膨潤度は
0.4である。
【0064】なお、膨潤度は、秤量した乾燥ゲル試料
(Wp)を所定温度の蒸留水中に浸漬させ、時間変化に
対して重量変化しなくなった膨潤ゲル試料の温度の重量
(Ws+Wp)を測定し、膨潤度Qを次式に従って求め
た。 Q = Ws/ Wp
【0065】さらに、本発明の温度応答型ハイドロゲル
の相転移温度以下の所定温度における薬剤の放出速度
は、ハイドロゲルの厚さ、式(1)または式(2)で示
される化合物の種類、共重合させる単量体の種類または
組成比、架橋剤の種類または組成比、さらには、交互浸
潤網目高分子構造体にせしめる際に用いる単量体の種類
または組成比、架橋剤の種類または組成比によって自由
に変えることができる。
【0066】具体的には、疎水性の単量体を共重合する
かあるいは架橋剤の組成比を上げることにより、所定の
温度および所定の膜厚のもとでは、式(1)または式
(2)で示される化合物から得られるハイドロゲルの透
過速度より遅い透過速度のハイドロゲルに設計すること
ができる。また、親水性の単量体を共重合するかあるい
は架橋剤の組成比を下げることにより、所定の温度およ
び所定の膜厚のもとでは、式(1)または式(2)で示
される化合物から得られるハイドロゲルの透過速度より
速い透過速度のハイドロゲルに設計することができる。
【0067】例えば、以下に示す実施例15のハイドロ
ゲルの32℃でのニトログリセリンの透過速度は2.8
×10-5cm/secであり、39℃でのニトログリセ
リンの透過速度は6.1×10-6cm/secであっ
た。また、比較例1のハイドロゲルの32℃でのニトロ
グリセリンの透過速度は4.1×10-6cm/secで
あり、39℃でのニトログリセリンの透過速度は1.3
×10-7cm/secである。
【0068】本発明の温度応答型ハイドロゲルの所定温
度における破断強度は、疎水性の単量体で共重合するか
あるいは架橋剤の組成比を上げるかまたは交互浸潤網目
高分子構造体にすることにより向上する。例えば、実施
例3のハイドロゲルでは11.0kg/cm2 であり、
比較例1のハイドロゲルでは0.5 kg/cm2 である。
交互浸潤網目高分子構造体にすることにより22倍破断
強度が向上した。
【0069】本発明の温度応答型ハイドロゲルは破断強
度が優れているが、好ましい破断強度は1.0kg/c
2 以上であり、より好ましくは3kg/cm2 以上で
あり、特に好ましくは5kg/cm2 以上である。な
お、本発明において破断強度は、ハイドロゲルを2cm
×2cm×0.05cmにカットし、恒温水槽中で硬度
計(プランジャー直径0.25mm)にて0.1mm/
secの速度で試料に加重をかけて破れた点を破断加重
とし、プランジャーの断面積で割った値を破断強度(k
g/cm2 )とする。
【0070】
【実施例】次に実施例により本発明の内容を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0071】実施例1 N−イソプロピルアクリルアミド10gとn−ブチルメ
タクリレート0.526gとエチレングリコールジメタ
クリレート0.186gとt−ブチル−パーオキシ−2
−エチルヘキサノエート0.018gを1,4−ジオキ
サン10mlに溶解させ、10分間窒素ガスでバブリン
グした後、窒素雰囲気下0.05〜0.5mmのスペー
サーを挟んだガラス板の間に流し込みオーブンで75
℃、24時間反応させて膜状のゲルを得た。これをメタ
ノール、水−メタノール(1対1)、水で各2日間洗浄
してN−イソプロピルアクリルアミド94重量%、n−
ブチルメタクリレート5重量%、エチレングリコールジ
メタクリレート1重量%の組成の膜状のハイドロゲル
(IB5膜)を得た。
【0072】次に、エチレングリコールジメタクリレー
ト0.189g、t−ブチル−パーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート0.005gをメタノール10mlに溶
解させ、10分間窒素ガスでバブリングした溶液に減圧
乾燥させた上記IB5膜を一昼夜浸し、窒素雰囲気下ガ
ラス板の間に挟み75℃、24時間反応させて交互浸潤
網目高分子構造体のゲル膜を得た。これを上記のごとく
洗浄して交互浸潤網目高分子構造体のハイドロゲル膜を
得た。
【0073】得られたハイドロゲル膜を、温度コントロ
ーラ付分光光度計(U-3210、(株)日立製作所社製)に
て700nmでの温度変化に対する透過率を測定したと
ころ、相転移温度は29℃であった。さらに、32℃お
よび39℃の恒温水中に24時間含浸させたハイドロゲ
ル膜試料片の重量(Ws+Wp)を測定した後、試料片
を減圧乾燥して重量を測定(Wp)した。膨潤度Qを前
式に基づいて算出したところ、32℃では0.3、39
℃では0.2であった。次に、クリープメータ((株)
山電社製)で32℃の恒温水中での破断強度を測定した
ところ31.5kg/cm2 であった。
【0074】実施例2 N−イソプロピルアクリルアミド10gとN−ビニルピ
ロリドン0.526gとエチレングリコールジメタクリ
レート0.186gとtert.−ブチル−パーオキシ
−2−エチルヘキサノエート0.018gを1,4−ジ
オキサン10mlに溶解させ、実施例1と同様に重合、
洗浄してN−イソプロピルアクリルアミド94重量%、
N−ビニルピロリドン5重量%、エチレングリコールジ
メタクリレート1重量%の組成の膜状のハイドロゲル
(IV5膜)を得た。
【0075】次に、エチレングリコールジメタクリレー
ト0.378g、tert.−ブチル−パーオキシ−2
−エチルヘキサノエート0.011gをメタノール10
mlに溶解させ、10分間窒素ガスでバブリングした溶
液に上記IV5膜を減圧乾燥させた膜を一昼夜浸し、実
施例1と同様に重合、洗浄して交互浸潤網目高分子構造
体のハイドロゲル膜を得た。これについて、実施例1と
同様に相転移温度、膨潤度、破断強度を測定した。結果
を表1に示す。
【0076】実施例3 エチレングリコールジメタクリレート0.189g、t
−ブチル−パーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.
005gをメタノール10mlに溶解させ、10分間窒
素ガスでバブリングした溶液に、減圧乾燥させた実施例
2のIV5膜を一昼夜浸し、実施例1と同様に重合、洗
浄して交互浸潤網目高分子構造体のハイドロゲル膜を得
た。これについて、実施例1と同様に相転移温度、膨潤
度、破断強度を測定した。結果を表1に示す。
【0077】実施例4〜14 表2−1及び表2−2に示す調製条件以外は実施例1と
同様の方法で交互浸潤網目高分子構造体ハイドロゲル膜
を得た。これらの膜の膨潤度および破断強度を実施例1
と同様の方法で測定した。結果をまとめて表3に示す。
【0078】実施例15 N−イソプロピルアクリルアミド10gとN,N−ジメ
チルアクリルアミド0.811gとエチレングリコール
ジメタクリレート0.188gとt−ブチル−パーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート0.018gを1,4−
ジオキサン10mlに溶解させ、実施例1と同様に重
合、洗浄してN−イソプロピルアクリルアミド91.5
重量%、N、N−ジメチルアクリルアミド7.5重量
%、エチレングリコールジメタクリレート1重量%の組
成の膜状のハイドロゲル(ID7.5膜)を得た。
【0079】次に、n−ブチルメタクリレート0.53
0g、エチレングリコールジメタクリレート0.062
g、t−ブチル−パーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト0.019gをメタノール10mlに溶解させ、10
分間窒素ガスでバブリングした溶液に減圧乾燥させた上
記ID7.5膜を一昼夜浸し、実施例1と同様の方法で
交互浸潤網目高分子構造体のハイドロゲル膜を得た。こ
れについて、実施例1と同様に相転移温度、膨潤度、破
断強度を測定した。結果を表1に示す。
【0080】次に、ジャケット付ガラス製2チャンバー
セルにこのハイドロゲル膜を挟み、それぞれのチャンバ
ーにPH7.4のリン酸緩衝液を入れた後、一方のチャ
ンバーにニトログリセリンを入れ懸濁させた。もう一方
のチャンバーから経時的にサンプリングしてニトログリ
セリンの濃度をHPLCによって測定した。温度を39
℃と32℃で段階的に変化させたときのニトログリセリ
ンの累積透過量の経時変化を表4に示す。累積透過量か
ら求めた透過係数は、39℃では6.1×10-6cm/
secであり、32℃では2.8×10-5cm/sec
であった。
【0081】比較例1 実施例2のIV5膜について、実施例1と同様の方法で
相転移温度、膨潤度、破断強度を測定した。結果をまと
めて表1に示した。また、実施例15と同様の方法でニ
トログリセリンの累積透過量の経時変化を測定しその結
果を表4に示す。累積透過量から求めた透過係数は、3
9℃では1.3×10-7cm/secであり、32℃で
は4.8×10-6cm/secであった。
【0082】
【表1】 表1 相転移温度 膨潤度(g/g) 破断強度 (℃) 32℃ 39℃ (kg/cm2) 実施例1 29.0 0.3 0.2 31.5 実施例2 36.0 1.8 0.3 13.1 実施例3 36.5 3.0 0.4 11.0 実施例15 37.0 3.2 0.3 15.6 比較例 36.5 7.3 0.4 0.5
【0083】
【表2】 表2−1 交互浸潤網目高分子構造体にする前のゲル膜の組成(wt%) 実施例 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 IPAAm 94 94 94 94 94 94 94 94 94 94 94 VP 5 5 5 5 5 5 5 5 BMA 5 5 5 EGDMA 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
【0084】
【表3】 表2−2 交互浸潤網目高分子構造体にするための単量体の仕込み濃度(mmol/ml ) 実施例 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 IPAAm 10 10 VP 10 0.5 HEMA 10 DMAA 10 10 5 3.3 EGDMA 0.5 1 1 1 1 1 1 1 1 PEG(200)DA 1 PEG(400)DA 1
【0085】表2−1,2−2の略号の説明 IPAAm;N−イソプロピルアクリルアミド VP;N−ビニルピロリドン BMA;n−ブチルメタクリレート HEMA;2−ヒドロキシエチルメタクリレート DMAA;N,N−ジメチルアクリルアミド EGDMA;エチレングリコールジメタクリレート PEG(200)DA;ポリエチレングリコール(200)ジアク
リレート PEG(400)DA;ポリエチレングリコール(400)ジアク
リレート
【0086】
【表4】
【0087】
【表5】
【0088】
【発明の効果】本発明の例えば交互浸潤網目高分子構造
体で構成される温度応答型ハイドロゲルは、環境の温度
変化に応答して膨潤収縮することにより薬剤の可逆的な
放出制御が可能となり、高強度の実用性のある自己制御
型製剤を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−アルキルもしくはN−アルキレン置換
    (メタ)アクリルアミド単量体(但し、アルキレンはエ
    ーテル結合で中断されていてもよい)を主成分として重
    合して得られる水に不溶性の重合体を含み、相転移温度
    以下の温度における水に対する平衡膨潤時での破断強度
    が1.0kg/cm2 以上である温度応答型ハイドロゲ
    ル。
  2. 【請求項2】N−アルキルもしくはN−アルキレン置換
    (メタ)アクリルアミド単量体(但し、アルキレンはエ
    ーテル結合で中断されていてもよい)を主成分として重
    合して得られる水に不溶性の重合体と、ビニル系単量体
    を重合成分とする水に不溶性の重合体とから構成される
    交互浸潤網目高分子構造体である温度応答型ハロイドロ
    ゲル。
  3. 【請求項3】N−アルキルもしくはN−アルキレン置換
    (メタ)アクリルアミド単量体が式(I)で示される化
    合物及び/または式(2)で示される化合物 【化1】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 及びR3
    は水素原子または低級アルキル基を示し、R2 及びR3
    は同一であっても異なっていても良いが少なくとも何れ
    か一方は低級アルキル基を示す。) 【化2】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基、Aは(C
    2 )n でnは4〜6または(CH2 2 O(CH2
    2 を示す。)である請求項1又は2記載の温度応答型ハ
    イドロゲル。
  4. 【請求項4】薬剤放出制御用の請求項1、2、又は3記
    載の温度応答型ハイドロゲル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002020318A (ja) * 2000-07-07 2002-01-23 Mitsuo Okano 温度応答性の薬物キャリヤー
NL1023720C2 (nl) * 2003-06-23 2004-12-28 Univ Eindhoven Tech Werkwijze voor het wijzigen van de transporteigenschappen van een materiaal, werkwijze voor het vrijmaken van een werkstof uit een implantaat, evenals implantaat met werkstof.

Cited By (3)

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NL1023720C2 (nl) * 2003-06-23 2004-12-28 Univ Eindhoven Tech Werkwijze voor het wijzigen van de transporteigenschappen van een materiaal, werkwijze voor het vrijmaken van een werkstof uit een implantaat, evenals implantaat met werkstof.
WO2004113422A3 (en) * 2003-06-23 2005-03-03 Univ Eindhoven Tech Drug delivery device comprising an active compound and method for releasing an active compound from a drug delivery device

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