JPH06246156A - 細胞吸着体およびそれを用いる細胞の分離法 - Google Patents

細胞吸着体およびそれを用いる細胞の分離法

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JPH06246156A
JPH06246156A JP5035565A JP3556593A JPH06246156A JP H06246156 A JPH06246156 A JP H06246156A JP 5035565 A JP5035565 A JP 5035565A JP 3556593 A JP3556593 A JP 3556593A JP H06246156 A JPH06246156 A JP H06246156A
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JP
Japan
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cell
lysozyme
cells
immobilized
adsorbent
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Application number
JP5035565A
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English (en)
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Takaaki Oohara
高秋 大原
Toru Sumiya
徹 角谷
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 リゾチームを水不溶性担体に固定化した細胞
吸着体、ならびにその吸着体に細胞含有液を接触させる
ことを特徴とする細胞含有液からの細胞の分離法であ
る。 【効果】 細胞含有液から有効に細胞を分離することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細胞吸着体およびそれ
を用いる細胞の分離法に関する。
【0002】
【従来の技術】リゾチーム(EC 3.2.1.17)
は、ムラミダーゼとも呼ばれる細菌細胞壁溶解酵素であ
る。バクテリオファージ、植物、卵白、涙、尿、乳ある
いは唾液などに広く分布しているが、よく研究されてい
るニワトリ卵白リゾチームは、分子量約14,300の
一本鎖ポリペプチドで、分子内に4つのS−S結合を有
している。リゾチームに関しては、その酵素タンパク質
としての研究が多く行われている。しかしながら、今ま
でに本願明細書に記載されているリゾチームを固定化し
た細胞吸着体およびそれを用いた細胞の分離法に関して
は、知られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、細胞吸着力
にすぐれた細胞吸着体、ならびに細胞の分離法を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、リゾチームを
固定化した吸着体ならびにその吸着体に細胞含有液を接
触させることを特徴とする細胞含有液からの細胞の分離
法に関する。
【0005】
【実施例】本発明者らは、リゾチームを固定化した水不
溶性担体に培養細胞を接触させると細胞を強固に吸着す
ることを見いだし、さらに多くの研究を重ねることによ
り本発明を完成するに至った。
【0006】本発明の細胞吸着体に使用できるリゾチー
ムは、担体に固定化したばあいに細胞との親和性があれ
ばどのようなものであってもよい。かかるリゾチームの
具体例としては、たとえばニワトリ卵白リゾチームや七
面鳥卵白リゾチームなどのように鳥類由来のもの、人乳
リゾチームや牛乳リゾチームのように哺乳類由来のリゾ
チームがあげられる。また、リゾチームの遺伝子を用い
て遺伝子組換えの技術により大腸菌、酵母あるいは動物
培養細胞で生産させた組換えリゾチームがあげられる。
さらに、通常のリゾチームのみならず、そのアミノ酸配
列1つ以上のアミノ酸の置換、欠失または挿入などの変
異が導入されているものでもよい。このような変異を有
するリゾチームは、遺伝子組換えの技術により、設計し
生産することができる。本発明の細胞吸着体に固定化さ
れるリゾチームは一種類でもよいし、二種類以上でもよ
い。
【0007】本発明の細胞吸着体には、リゾチームだけ
でなくリゾチーム以外の物質が固定化されていてもよ
い。かかるリゾチーム以外の物質としては、ウシやヒト
などのタンパク質たとえばアルブミン、グロブリンなど
のヒト血清に存在するタンパク質があげられる。これら
はリゾチームに親和性を有する細胞に対する担体の細胞
吸着活性に影響を与えうる。
【0008】固定化に用いる水不溶性担体としては、タ
ンパク質を固定化しうるものであって水に不溶性の担体
であれば何でも用いられる。かかる担体の具体例として
は、プラスチックビーズ、プラスチック板、プラスチッ
クシャーレ、プラスチックマイクロタイタープレート、
ファイバー、不織布、親水性ゲルビーズなどがあげられ
る。
【0009】またリゾチームは、疎水結合、共有結合、
イオン結合などの結合によって吸着体に固定化すること
ができる。
【0010】ここで疎水結合による固定化とは、タンパ
ク質を疎水性が強い担体、たとえばポリスチレンからな
る担体に疎水的相互作用を利用して固定することをい
う。共有結合による固定化とは、たとえばカルボジイミ
ドを用いて、カルボキシル基とアミノ基またはカルボキ
シル基と水酸基との間で脱水縮合反応させて共有結合的
にタンパクを固定化することをいう。イオン結合による
固定化とは、たとえばタンパク質をイオン交換体への静
電的相互作用を利用して固定することをいう。
【0011】リゾチームを固定化した吸着体は、リゾチ
ームをプラスチックマイクロタイタープレートに固定化
したばあいなどそのままで用いることもできるが、たと
えばリゾチームを固定化したビーズをカラムに充填する
など、その用途に応じた適当なハウジングにおさめて使
用することができる。
【0012】つぎに本発明の細胞吸着体を用いる細胞の
分離法について説明する。
【0013】本発明の細胞吸着体を用いる細胞の分離法
を適用することのできる細胞としては、リゾチームに親
和性を有する細胞であれば、いずれのものでもよい。か
かる細胞の具体例としては、たとえばヒトの末梢血リン
パ球、ヒトT細胞系株化細胞であるJurkat細胞
(シュナイダー、ユー(Schneider, U.) ら、インターナ
ショナル ジャーナル オブ キャンサー(Int. J. Can
cer)1977年、19巻、621頁参照)などがあげら
れる。
【0014】リゾチームに親和性を有する細胞を含有す
る細胞含有溶液を調製し、この細胞含有液を本発明の吸
着体に接触させる。接触時間および温度などの条件は、
細胞吸着体および細胞の種類によって異なる。
【0015】これによりリゾチームに親和性を有する細
胞の、吸着体への吸着が行われる。具体的には、たとえ
ばマイクロタイタープレートを用いるばあいには細胞含
有液を適切な時間、たとえば1〜120分、適切な温
度、たとえば0〜40℃、好ましくは0〜37℃にてリ
ゾチームを固定化したマイクロタイタープレート中でイ
ンキュベートすることにより、またカラムを用いるばあ
いには細胞含有液を適切な流速、適切な温度で流すこと
などにより行いうる。
【0016】リゾチームに親和性を有する細胞が前記吸
着体に吸着したのちに、細胞の分離を行うことができ
る。
【0017】リゾチームに親和性を有する細胞を含有す
る細胞含有液としては、前記細胞が血漿、血清、あるい
は緩衝液または培地などに懸濁されたものがあげられ
る。また、ヒト血液、輸血用血液、自己免疫疾患患者の
血液または白血病患者の血液などもあげられる。
【0018】つぎに本発明のリゾチームを固定化した細
胞吸着体およびそれを用いた細胞の分離法を実施例に基
づいて説明するが、本発明はもとよりかかる実施例のみ
に限定されるものではない。
【0019】実施例1 リゾチームをコーティングした
プラスチックへの細胞の吸着 ニワトリ卵白リゾチーム(生化学工業社製)、七面鳥卵
白リゾチーム(シグマ社製)、ヒト乳リゾチーム(シグ
マ社製)および組換えウシリゾチーム(シグマ社製)そ
れぞれの溶液0.1ml(10mg/ml、等張リン酸
緩衝液(以下PBSという)に溶解)に、0.15M
NaClを含む0.1Mグリシン緩衝液(pH8.2)
(以下GBSという)を5ml加えリゾチーム溶液を調
製した。その溶液を96穴マイクロタイタープレート
(コースター社製、カタログ番号3590)に1ウェル
あたり100μl加え、4℃でオーバーナイトでインキ
ュベートし、リゾチームをコーティング、すなわち固定
化した。各ウェルからリゾチーム溶液を除いたのち、G
BSに溶かした1%ウシ血清アルブミン200μlを各
ウェルに加え、37℃、1時間処理し、ウシ血清アルブ
ミンの溶液を除いた。
【0020】各ウェルに2種類の溶液(50%ヒト血漿
を含むPBS、および5%ウシ血清アルブミン、1%グ
ルコースを含むPBS)に懸濁した細胞2×105 細胞
(100μl)を加え、室温で30分間インキュベート
した。各ウェルをPBSで3回洗浄後、ウェルの底に吸
着されている細胞を観察した。試験に供した細胞は、J
urkat細胞、ヒト末梢血リンパ球およびヒト赤血球
である。
【0021】その結果、それぞれ2種類の溶液に懸濁し
たJurkat細胞とヒト末梢血リンパ球は、いずれの
リゾチームをコーティングしたウェルの底にも吸着され
たが、ウシ血清アルブミン処理をしただけのウェルの底
には吸着されなかった。ヒト赤血球は、リゾチームをコ
ーティングしたウェルおよびウシ血清アルブミン処理を
しただけのウェルのいずれの底にも吸着されなかった。
【0022】実施例2 リゾチームを固定化したプラス
チックビーズへの細胞の吸着 ニワトリ卵白リゾチーム(生化学工業社製)の溶液2.
5ml(0.2mg/ml、PBSに溶解)を2.5m
lのGBSに懸濁した500mgのポリスチレンビーズ
(直径0.2mm、鐘淵化学工業株式会社製)に加え、
37℃、1時間振とうを加えながらインキュベートし、
リゾチームをビーズに固定化した。つぎに終濃度1%に
なるようにウシ血清アルブミンを加え、さらに37℃、
1時間処理した。
【0023】リゾチームを固定化したビーズを直径10
mmのガラスカラムに詰め、10%のウシ胎児血清を含
むRPMI1640培地で洗浄した。つぎに同培地に懸
濁したJurkat細胞(1.5×106 細胞/2m
l)を流速0.1ml/分で室温にて通過させ、同培地
5mlでカラムを洗浄した。
【0024】その結果、Jurkat細胞はリゾチーム
を固定化したビーズのカラムに吸着され、カラム通過液
および洗浄液には検出されなかった。しかし、ウシ血清
アルブミンで処理しただけのビーズのカラムにおいて
は、Jurkat細胞は素通りした。
【0025】実施例3 リゾチームを固定化したガラス
への細胞の吸着 ガラスを6N塩酸に24時間浸漬し、洗浄、乾燥後、1
%の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン水溶
液(pH3.5)で90℃、2時間シリル化した。つぎ
にガラスを乾燥アセトンで洗浄し、ニルソンらの方法
(ケイ ニルソン(K. Nilsson)ら(1983年)アナリ
ティカル バイオケミストリー(Analytical Biochemist
ry) 、134巻、60頁参照)によって、ガラスに導入
したグリコール基をトレシル化した。0.1N塩酸、つ
いでPBSで洗浄し、PBSに溶解したニワトリ卵白リ
ゾチーム(生化学工業社製)(1mg/ml)を室温で
2.5時間カップリングさせ、リゾチーム固定化ガラス
を作製した。
【0026】このリゾチーム固定化ガラスの表面に、5
%ウシ血清アルブミン、1%グルコースを含むPBSに
懸濁したJurkat細胞5×105 細胞(250μ
l)を滴下し、室温で30分間インキュベートした。ガ
ラスをPBSで3回洗浄後、ガラスに吸着されている細
胞を観察した。
【0027】その結果、リゾチーム固定化ガラスの表面
にはJurkat細胞が吸着されたが、ウシ血清アルブ
ミンを固定化したガラスには細胞が吸着されなかった。
【0028】
【発明の効果】本発明の細胞吸着体および細胞分離法に
より、細胞含有液から有効に細胞を分離しうる。たとえ
ば血液からの白血球の分離、血液からの白血球の除去を
容易に行いうる。すなわち、輸血用の血液からの白血球
の除去および白血病の患者血液から白血病細胞の除去を
行いうる。また、リウマチなどの自己免疫疾患患者の血
液からの病気の原因となっているリンパ球の除去を行い
うる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リゾチームを水不溶性担体に固定化した
    細胞吸着体。
  2. 【請求項2】 リゾチームが鳥類および哺乳類由来であ
    る請求項1記載の細胞吸着体。
  3. 【請求項3】 リゾチームが組換えリゾチームである請
    求項1または2記載の細胞吸着体。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載の細胞吸着体
    に細胞含有液を接触させることを特徴とする細胞含有液
    からの細胞の分離法。
JP5035565A 1993-02-24 1993-02-24 細胞吸着体およびそれを用いる細胞の分離法 Pending JPH06246156A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9649424B2 (en) 2009-06-30 2017-05-16 Kaneka Corporation Blood component separation system and separation material
CN113046343A (zh) * 2019-12-28 2021-06-29 常州天地人和生物科技有限公司 一种溶菌酶亲和填料制备及应用方法

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