JPH06245643A - 植物栽培用培養土 - Google Patents

植物栽培用培養土

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JPH06245643A
JPH06245643A JP5054859A JP5485993A JPH06245643A JP H06245643 A JPH06245643 A JP H06245643A JP 5054859 A JP5054859 A JP 5054859A JP 5485993 A JP5485993 A JP 5485993A JP H06245643 A JPH06245643 A JP H06245643A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、生薬を抽出及び/又は搾り出した
残滓を用いることにより、堆肥時間が短く、しかも植物
に必要な多量養分元素及び微量養分元素のバランスが良
く、且つ保水性が良好で、植物の成長を促進して、収穫
量の増大、及び品質の優れた農産物が得られる植物栽培
用培養土を提供することを目的とする。 【構成】 本発明の植物栽培用培養土は、生薬を抽出及
び/又は搾り出した残滓の堆肥資材を主成分とするもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、畑地(果樹栽培用を含
む。)、水田、ハウス土壌、育苗用培土、鉢土又はベッ
ド栽培用培土等に好適に用いられる植物栽培用培養土に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、農作物等の植物を栽培するための
培養土としては、腐葉土或いはこの腐葉土に天然の土壌
を混合したものを主として用いられているが、保水性が
悪く、植物の育成に際し、頻繁に水を与えなければなら
ず、大変煩わしいものであった。
【0003】そこで、最近では以下のものが提案されて
いる。 粉末粘度と吸水性合成樹脂との混合体より成る顆粒
状培養土が提案されている(特開昭63ー279724
号公報)。
【0004】又、 完熟堆肥又はビートモス腐植酸質
資材の微粉末と、永久陰電荷を有するアルミノ硅酸塩鉱
物の微粉末とを主成分とし、これらに粘土質資材の微粉
末、及びモンモリロナイト、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリビニルアルコール、リグニンのいずれかからな
るバインダーとを加え、混練、造粒してなる作物栽培用
用土が提案されている(特開昭62ー79714号公
報)。
【0005】更に、 スギ及び/又はヒノキの皮層の
細切物に界面活性剤を添加した人工培土が提案されてい
る(特開平3ー139215号公報)。 そして、この場合、この人工培土に、更に多孔体粒子、
バーミキュライト又は保水材を加えることが開示されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
のものは、粉末粘度を主成分とし、これに吸水性合成樹
脂を混合したものであるが、これでは植物の成長に必要
な養分が不足し、施肥が必要になる。
【0007】この場合、窒素、りん、カリウム、カルシ
ウム又はマグネシウム等の多量養分元素、又は塩素、ホ
ウ素、鉄、マンガン、亜鉛又は銅等の微量養分元素のバ
ランスを配慮するだけでなく、養分過剰に伴う濃度過剰
症にも配慮する必要があった。
【0008】又、このように粉末粘土と吸水性合成樹脂
からなる培養土の場合、植物の成育に際し、施水と乾燥
が繰り返されることによって、培養土が硬化し、この結
果、根の成長を妨げたり、水の浸透を悪くし、必ずし
も、植物の栽培に適しているとはいえないのである。
【0009】特に、最近では、大都市において、粉末粘
土の入手が困難となり、粉末粘土の価格が高騰し、至極
不経済である。
【0010】上記のものは、完熟堆肥を用いるもので
あるが、この完熟堆肥についての具体的な記載はない
が、その全体の記載より、敷料又は糞尿に、オガ屑やモ
ミ殻などを加えた通常の資材を完熟堆肥したものと解さ
れる。
【0011】このような完熟堆肥は植物の成育に好まし
いものであるが、このような通常の資材の完熟には長時
間を要し、至極不経済である上、大量に製造すると、周
囲に悪臭を放散し、都市圏での製造が困難であった。
【0012】又、ビートモス腐植酸質資材の微粉末は水
ごけ泥炭を乾燥、粉砕したものであるが、そのままでは
強酸性なので、使用に際し、石灰を加えて中和する必要
があり、この中和に相当の注意を要するのである。
【0013】上記のものはスギ及び/又はヒノキの皮
層の細切物を主成分とするものであり、このスギ及び/
又はヒノキの皮層の細切物は繊維が絡み合っているの
で、根の成長を妨げるのである。
【0014】又、スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物
を主成分とするものは植物の成長に必要な養分が不足
し、施肥が必要になるので、上記の場合と同様の課題
がある。
【0015】本発明は、上記技術的課題を解決するため
に完成されたものであって、生薬を抽出及び/又は搾り
出した残滓を用いることにより、堆肥時間が短く、しか
も植物に必要な多量養分元素及び微量養分元素のバラン
スが良く、且つ保水性が良好で、植物の成長を促進し
て、収穫量の増大、及び品質の優れた農産物が得られる
植物栽培用培養土を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の植物栽培用培養
土は、上記目的を達成するために、生薬を抽出及び/又
は搾り出した残滓の堆肥資材を主成分とするものであ
る。
【0017】最近、日増しに伝えられる、合成医薬品に
よる薬害や副作用によって、薬用の植物、動物又は鉱物
などの自然物から得られる漢方薬や民間薬が、いわゆる
薬害や副作用の無い薬として、漢方薬や民間薬が見直さ
れ、その関心が高まっている。
【0018】生薬とは、薬用に供する目的をもって、植
物、動物、鉱物などの自然物の一部を乾燥し、又は、簡
単な加工をしたもの(全形生薬)、これを粗切、中切又
は細切したもの(切断生薬)、全形生薬又は切断生薬を
粗末、中末、細末又は微末としたもの(粉末生薬)及び
細胞内容物、分泌物又はそれらの抽出物などがある。生
薬には、大きく分けると西洋生薬と和漢生薬に分類され
る。
【0019】本発明において、生薬を抽出或いは搾り出
した残滓とは、以下のものが挙げられる。即ち、 薬
用に供する目的をもって、植物、動物又は鉱物などの天
然物の全部或いは一部、或いは動植物の成長したもの、
更にこれらの乾燥物や細片物を水又は温水或いはエチル
アルコール、アセトン、エーテル、アセトン変性エチル
アルコール又は酢酸エチル等の有機溶剤に浸し、更に、
この有機溶剤に酸又はアルカリを加えたものに浸して薬
効成分を抽出した残滓が挙げられる。
【0020】又、 薬用に供する目的をもって、植
物、動物又は鉱物などの天然物の全部或いは一部、或い
は動植物の成長したもの、更にこれらの乾燥物や細片物
から薬効成分を搾り出した残滓、或いは植物、動物又は
鉱物などの天然物の全部或いは一部、或いは動植物の成
長したもの、更にこれらの乾燥物や細片物を抽出剤に浸
し、これから薬効成分を搾り出した残滓が挙げられる。
【0021】そして、本発明者は、最近、薬用の植物、
動物又は鉱物などの自然物から生薬を抽出及び/又は搾
り出した残滓が多量の副産物として得られ、しかもこの
残滓には多量の有効成分が残留しているほか、通常植物
を堆肥するのに比較して、堆肥時間が短いだけでなく、
植物の成長に必要な多量養分元素及び微量養分元素のバ
ランスが良く、且つ保水性が良好で、植物の成長を促進
することに着目して長年にわたって植物栽培用培養土に
ついて検討を重ねてきた。
【0022】その結果、農産物等の収穫量が大幅に増大
する上、品質の優れた農産物が得られるだけでなく、従
来、産業廃棄物として処分していた薬用の植物、動物又
は鉱物などの自然物から生薬を抽出及び/又は搾り出し
た残滓を有効に利用できる上、堆肥の製造の際、周囲に
殆ど悪臭が発生することがないので都市圏でも堆肥の製
造が可能であり、しかも安価に植物栽培用培養土を製造
できることを見いだした。
【0023】又、本発明の植物栽培用培養土は、自然の
黒土に似た状態であり、しかも臭いが殆ど感じられず、
至極取り扱い易いものである。
【0024】ところで、本発明の植物栽培用培養土にお
いて、「主成分とする」とは、生薬を抽出及び/又は搾
り出した残滓の堆肥資材が植物栽培用培養土全体の30
重量%以上、好ましくは50重量%以上含有されている
意味であり、従って、植物栽培用培養土がこの堆肥資材
のみからなる場合を含む意味で有る。
【0025】この植物栽培用培養土中の堆肥資材の含有
量が30重量%未満になると、植物の栽培に適した堆肥
を得るのが困難であるうえ、堆肥を得る際、悪臭が発生
したり、得られた培養土の保水性が低下したり、植物に
長時間にわたって栄養を補給できなくなる場合があるな
どの理由より、好ましくなく、従って、特に50重量%
以上含有されているものが望ましい。
【0026】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明においては、堆肥資材が、薬用植物から生薬を抽出及
び/又は搾り出した残滓から得られたものが、植物栽培
用培養土として、農産物等の植物を成育するうえで至極
優れた効果が得られるので有益である。
【0027】上記薬用植物としては漢方薬或いは民間薬
を問わず薬用に供されるものであれば特に限定されるも
のではなく、具体的には、例えば以下のものが挙げられ
る。
【0028】薬用植物をその利用状況より分類すると以
下のとおりである。 即ち、(1)全草又は茎葉を用いるものであり、具体的に
は、例えばドクダミ、ゲンノショウコ、クコ、ヨモギ、
スイカズラ又はカキ等が挙げられる。
【0029】(2)花や蕾を用いるものであり、具体的
には、例えばスイカズラの花、ベニバナの花弁、リョウ
リギク、コブシの花蕾、オグルマの花又はチョウジの花
蕾等が挙げられる。
【0030】(3)種子、果実、果皮を用いるものであ
り、具体的には、例えばコショウの果実、ダイダイの果
実、キササゲの果実、オオバコの果実、ゴシュユの果
実、ミョウガの種子、アサクラザンショウの果実、シソ
の種子、中国産ビンロウの果皮、ミカンの果皮、ウイキ
ョウの果実、サンショウの果実、クチナシの果実、ウ
メ、トウガの種子又はキカラスウリの種子等が挙げられ
る。
【0031】(4)根又は根茎を用いるものであり、具体
的には、例えばテッセン、テンダイ鳥薬の根、コガネバ
ナ、キキョウ、オウレン、イトヒメハギ、クズ、キカラ
スウリ、ショウガ、カンゾウ、シシウド、クララ、コマ
ノハグサ、ミシマサイコ、ウスバサイシン、シオン、ア
カヤジオウ、シャクヤク、オケラ、サラシナショウマ、
ヤマイモ、センキュウ、サルトリイバラ、チョウセンニ
ンジン、オミナエシ、オキナグサ、ヨロイグサ、トリカ
ブト、オオツヅラフシ、ボウフウ、タンポポ、ボタン、
インド産キク科植物、メハジキ、リンドウ、中国産コウ
リョウキョウ、ノダケ、トチバニンジン、ハナスゲ、テ
ンナンショウ、オニノヤガラ、クサスギカズラ又はトウ
キ等が挙げられる。
【0032】(5)木部、樹皮を用いるものであり、具体
的には、例えばキハダ、サクラ、ホウノキ、インド産の
マメ科植物シタン、東インド産の沈丁科植物、熱帯産ス
オウ、トチュウ、クヌギ、ナラ、カシワ又はアケビ等が
挙げられる。
【0033】本発明の植物栽培用培養土においては、こ
れらの薬用植物から上述の方法で生薬を取り出した残滓
が用いられる。
【0034】ところで、このように薬用植物は多種にわ
たており、しかも薬用植物の利用箇所が異なり、従っ
て、種々の残滓が得られるが、生薬の製造会社、或いは
工場毎によって原料が決まっており、これらを収集し、
混合して堆肥の原料が得られる。
【0035】又、本発明者の実験結果によると、薬用植
物の残滓に偏りがあっても、これを堆肥にすると、植物
の成育には何等問題がないことが認められた。
【0036】本発明の植物栽培用培養土においては、上
記薬用植物の残滓から得られた堆肥資材(A)に、薬用の
動物及び/又は鉱物から生薬を抽出及び/又は搾り出し
た残滓から得られた堆肥資材(B)を含有させたものも至
極有益である。
【0037】このように構成することによって、多量養
分元素や微量養分元素が一層豊富になるだけでなく、植
物の成育に必要な他の栄養素も豊富になり、しかも植物
の成育に、即効性を発現するものと遅効性を発現するも
のの混合状態のものが一層得易いので有益である。
【0038】この場合、上記の(A)と(B)の配合割合
は、この(A)と(B)の全体に対し、(B)が1〜15重量
%、特に5〜10重量%の範囲とするのが望ましく、
(B)の配合割合が1重量%未満では効果が乏しく加える
意味がなく、一方、15重量%を超えると植物の成育に
必要な栄養のバランスが悪くなるだけでなく、保水性が
低下するなどの理由より、好ましくない。
【0039】本発明で用いられる薬用の動物又は鉱物か
ら生薬を抽出或いは搾り出した残滓としては、主として
牛皮から作ったニカワの残滓、天然の鉱石から含水珪酸
マグネシウムを取り出した残滓、天然の石膏から含水硫
酸カルシウムを取り出した残滓又は天然のぼう硝から硫
酸ナトリウムの結晶を取り出した残滓等が挙げられる。
【0040】本発明の植物栽培用培養土においては、所
望により、粘土粉末、イナわら、ムギわら、籾殻、米
糠、キレート化合物、魚カス、油カス、製造カス、おが
屑、籾殻、樹皮細片物、鶏糞、馬糞又は骨粉から選ばれ
た少なくとも1種の資材(C)が配合されてもよいのであ
る。
【0041】この場合、これらの資材(C)は、堆肥資材
を製造後、そのまま配合しても良く、或いは、薬用の動
物又は鉱物から生薬を抽出或いは搾り出した残滓に混合
し、同時に堆肥にしても良く、これは、用いる用途、成
育する植物、更に使用される季節等によって適宜、選択
決定すれば良いのである。
【0042】そして、これらの資材(C)の配合割合は、
堆肥資材に対し、(C)が1〜30重量%、特に5〜20
重量%の範囲とするのが望ましく、(C)の配合割合が1
重量%未満では効果が乏しく加える意味がなく、一方、
30重量%を超えると植物の成育に必要な栄養のバラン
スが悪くなるだけでなく、保水性が低下する場合がある
などの理由より、好ましくない。
【0043】本発明で用いられるキレート化合物として
はキレート結合を発現するものであれば特に限定される
ものではないが、特にポリアミノカルボン酸類が無機質
栄養素を固定し、その流亡を防ぐので望ましい。
【0044】このポリアミノカルボン酸類の具体的な代
表例としては、エチレンジアミン四酢酸やそのカルシウ
ム塩、鉄塩、マグネシウム塩又はカリウム塩等の金属
塩、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン四酢
酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン二
酢酸、3,6−ジオキサ−1,6−オクタンジアミン四
酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン
三酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸、
トリエチレンテトラミン六酢酸或いはそれらのカルシウ
ム塩、鉄塩、マグネシウム塩又はカリウム塩等の金属塩
が挙げられるのである。
【0045】本発明で用いられる油カスとしては植物の
種子から採油した残滓であり、具体的には、例えばヤシ
油カス、ツバキ油カス、大豆油カス又はナタネ油カス等
が挙げられる。
【0046】又、本発明で用いられる製造カスとして
は、食品の製造或いは醸造で生じる残滓が挙げられる。
【0047】更に、本発明で用いられる樹皮細片物とし
ては、広葉樹或いは針葉樹の樹皮の細片物が挙げられ
る。
【0048】本発明の植物栽培用培養土においては、上
述の堆肥資材に、更に繊維資材、パルプ、高吸水性樹
脂、無機質吸水剤又は陽イオン界面活性剤、陰イオン界
面活性剤又は非イオン界面界面などの界面活性剤から選
ばれた少なくとも1種の資材(D)を配合しても良いの
である。
【0049】この場合、これらの資材(D)は、堆肥資材
を製造後、そのまま配合しても良く、或いは、薬用の動
物又は鉱物から生薬を抽出或いは搾り出した残滓に混合
し、堆肥にしても良く、これは、用いる用途、成育する
植物、更に使用される季節等によって適宜、選択決定す
れば良いのであるが、通常、堆肥にしたものが望まし
い。
【0050】そして、これらの資材(D)の配合割合は、
堆肥資材に対し、(D)が1〜30重量%、特に5〜20
重量%の範囲とするのが望ましく、(D)の配合割合が1
重量%未満では効果が乏しく加える意味がなく、一方、
30重量%を超えると植物の成育に必要な栄養のバラン
スが悪くなるだけでなく、保水性が低下する場合がある
などの理由より、好ましくない。
【0051】本発明で用いられる繊維資材としては、天
然繊維又は人造繊維が挙げられるのであり、又、この天
然繊維には植物繊維、動物繊維又はロックウール又は石
綿等の鉱物繊維が挙げられる。
【0052】上記植物繊維や動物繊維の具体例として
は、例えば木綿、カポック、マニラ麻、サイザル麻、
絹、ラクダ、アルパカ、羊毛、モヘア又はカシミヤなど
が挙げられる。
【0053】又、人造繊維としては再生繊維、半合成繊
維又は合成繊維が挙げられるが、このうち、再生繊維と
しては、例えばビスコースレーヨン又は銅アンモニアレ
ーヨン等が挙げられるのであり、又、半合成繊維として
は、例えばアセテートが挙げられるのであり、更に、合
成繊維としては、例えばポリアミド系合成繊維、ポリエ
ステル系合成繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維、
ポリ塩化ビニル系合成繊維、ポリ塩化ビニリデン系合成
繊維、アクリル系合成繊維、モダクリル系合成繊維、ポ
リオレフィン系合成繊維、フルオロカーボン系合成繊維
又はポリウレタン系合成繊維等が挙げられる。
【0054】本発明で用いられるパルプとしては特に限
定されるものではなく、具体的には、例えば古紙、紙
屑、パルプ残滓又はパルプ屑等が挙げられる。
【0055】又、本発明で用いられる高吸水性樹脂とし
ては、例えばデンプン・アクリル酸グラフト重合体、ポ
リアクリル酸塩系樹脂、酢酸ビニル・アクリル酸塩共重
合体、アクリル酸メチル・酢酸ビニル共重合体、ポリア
クリル酸架橋樹脂、ポリビニルアルコール・アクリルエ
ステル樹脂、アクリル酸ビニルアルコール系樹脂、イソ
ブチレン・無水マレイン酸共重合体、PVA・無水マレ
イン酸共重合体、デンプン・アクリロニトリルグラフト
重合体、ポリエチレンオキサイド系樹脂、デンプン・ア
クリル酸グラフト重合体、ポリアクリロニトリル加水分
解物、カルボキシメチルセルロース架橋物等である。
【0056】更に、本発明で用いられる無機質吸水剤と
しては特に限定されるものではないが、例えばバーミキ
ュライト、シリカ粉、クレー、タルク、ベントナイト、
パーライト又はゼオライト等が挙げられる。
【0057】ところで、上記界面活性剤は堆肥資材に親
水性を付与し、保水性を改善させるためのものである。
【0058】本発明の植物栽培用培養土においては、バ
ーク堆肥及び/又はピートモス、或いは植物の成長に必
要な栄養素を含む肥効物質などの資材(E)を配合してな
るものも有益である。
【0059】このバーク堆肥とは、広葉樹或いは針葉樹
の樹皮の細片物に、鶏ふんや尿素などの窒素源を加え、
長期間発酵腐熟させたものであり、樹種や添加物の種類
や量、堆積期間などによって種々のものが挙げられる。
【0060】又、ピートモスとは水ごけ泥炭(草炭)を
水洗いし乾燥、粉砕したものであるが、そのままでは、
強酸性なので、本発明においては、消石灰を用いて中和
されたものが配合される。
【0061】本発明で用いられる肥効物質としては、肥
料取締法で定められている普通肥料や特殊肥料が挙げら
れる。
【0062】これらの資材(E)の配合割合は、堆肥資材
に対し、(E)が0.1〜20重量%、特に0.25〜15
重量%の範囲とするのが望ましく、(E)の配合割合が
0.1重量%未満では効果が乏しく加える意味がなく、
一方、20重量%を超えると他の成分とのバランスが悪
くなるので好ましくない。
【0063】本発明の植物栽培用培養土においては、土
壌改良資材(F)を、堆肥資材に対し、5〜25重量%、
特に10〜20重量%の範囲で配合しても良く、(F)の
配合割合が5重量%未満では効果が乏しく加える意味が
なく、一方、25重量%を超えると他の成分とのバラン
スが悪くなるので好ましくない。
【0064】この土壌改良資材(F)としては、泥炭、
草炭、亜炭或いは化石類等の植物物質、培養微生物、天
然鉱物、鉱滓、微粉炭燃焼灰、焼成岩石又は石膏などの
鉱物物質、合成化合物、りん鉱石又は石灰岩等が挙げら
れる。
【0065】ところで、本発明においては、上述の植物
栽培用培養土を造粒し、乾燥して、取扱性を向上させた
り、等級が直ちに判別できるようにするのが望ましい。
【0066】この場合、粒径が0.1〜25mm、特に
1〜15mmの範囲に調整されているものが、取扱性、
或いは他の成分との配合等が至極容易になし得るので望
ましい。
【0067】本発明においては、所望により、例えば塩
化カルシウム、酸化アルミニウム、塩化第二鉄、酸化ケ
イ素、酸化マグネシウム、酸化チタン、シリカゲル、活
性炭、塩化マグネシウム又は塩化亜鉛などの配合剤を配
合しても良いのである。
【0068】本発明においては、上記残滓及び/又は資
材を用い、植物栽培用培養土を製造する方法としては特
に限定されるものではなく、堆積方法により、普通堆肥
(水積み堆肥)、速成堆肥又は特殊堆肥のいずれも採用で
きるのである。
【0069】そして、この場合、堆肥が出来上がってい
るか否かの判断は生薬独特の匂いが無くなったり、或い
は色の変化によって判断される。
【0070】堆肥が出来上がるまでの期間は、用いられ
る残滓や資材の種類、その成分比、堆肥方法、時季(温
度)等によって異なるが、大体、2週間〜6ケ月であ
る。
【0071】
【作用】本発明の植物栽培用培養土は、生薬を抽出及び
/又は搾り出した残滓の堆肥資材を主成分とする。
【0072】そして、この植物栽培用培養土を用いる
と、農作物等の植物の生育に優れた効果を発現する理由
は明確ではないが、生薬を抽出及び/又は搾り出した残
滓には、通常の植物に比較して、窒素、りん、カリウ
ム、カルシウム又はマグネシウム等の多量養分元素、又
は塩素、ホウ素、鉄、マンガン、亜鉛又は銅等の微量養
分元素が大量に含まれており、しかもこの残滓には、生
薬の成分や他の栄養素を豊富に含んでおり、これらの栄
養素が植物に効果的に吸収されてると共にこれらの栄養
素が相乗的に作用し合って植物の成長を著しく促進する
ものと解される。
【0073】又、生薬を抽出及び/又は搾り出した残滓
を用いると、堆肥が出来上がるまでの期間が短い理由は
明確ではないが、この残滓の中には、上述のごとく、多
種多様の成分を含んでおり、しかもこの成分は極めて活
性な成分も含まれており、又、残滓中の金属成分が触媒
として作用し、更に残滓中の水分、空気中の酸素等が作
用して堆肥化が促進されるものと解される。。
【0074】更に、生薬を抽出及び/又は搾り出した残
滓を用いると、堆肥が出来上がるまでの間、生薬の匂い
が僅かに感じられることがあるが、悪臭が殆ど感じられ
ない理由は明確ではないが、この悪臭物質が残滓中の活
性成分(物質)と化学的に結合して悪臭物質の放散が抑制
されたり、生薬の匂いと相殺されたためと解される。
【0075】そして、本発明の植物栽培用培養土は、親
水性の繊維質が腐熟した成分を多量に含み、この繊維質
の腐熟成分が保水性が大であるので、通常の植物を資材
として製造した堆肥に比較して、水の保持力が大であ
り、このため、植物の成育に際し、施水をさ程繰り返す
必要が無くなるのであり、又、上記繊維質の腐熟成分は
植物の根の成長や活力を促進し、植物の成長を活発にす
る作用を有するのである。
【0076】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 全草又は茎葉から生薬を抽出及び/又は搾り出した残滓
25重量%、花や蕾から生薬を抽出及び/又は搾り出し
た残滓15重量%、種子、果実、果皮から生薬を抽出及
び/又は搾り出した残滓30重量%、根又は根茎から生
薬を抽出及び/又は搾り出した残滓20重量%及び木
部、樹皮から生薬を抽出及び/又は搾り出した残滓10
重量%からなる資材を混合し、水をかけて7日間仮積み
し資材を軟化した。
【0077】次いで、この軟化した資材をくずして2.
5m2程度の枠内に本積みすると、40日後には生薬の
匂いが無くなり、黒土状の植物栽培用培養土が得られ
た。
【0078】尚、この堆肥を製造する際、殆ど悪臭は感
じられなかった。
【0079】実施例2 全草又は茎葉から生薬を抽出及び/又は搾り出した残滓
100重量部に消石灰5重量部を混合し、水をかけて仮
積みすると、5日間で資材が軟化した。
【0080】次いで、この軟化した資材をくづして硫酸
アンモニウム0.3重量部を加え、2.5m2程度の枠内
に本積みし、2週間後に切返し、更に硫酸アンモニウム
0.1重量部を加えると、2週間後には生薬の匂いが無
くなり、黒土状の植物栽培用培養土が得られた。
【0081】尚、この堆肥を製造する際、殆ど悪臭は感
じられなかった。
【0082】比較例 イナわら、落葉及び野菜などの通常の資材100重量部
に消石灰5重量部を混合し、水をかけて仮積みすると、
10日間で資材が軟化した。
【0083】次いで、この軟化した資材を10日後に切
りくづして硫酸アンモニウム0.3重量部を加え、2.5
2程度の枠内に本積みした。
【0084】1カ月後に硫酸アンモニウム0.1重量部
を加えながら切返しを行う。次いで、1カ月後に切返
し、更に1カ月して完熟堆肥を得た。
【0085】得られた完熟堆肥55重量部に、アルミノ
硅酸塩鉱物の微粉末35重量部及び粘土質資材の微粉末
10重量部を加え、これらを混練し、造粒、乾燥させ
て、仕上がり水分率を10重量%程度にした。得られた
製品の粒の大きさは1〜5mm程度とした。
【0086】ところで、この場合においては、この堆肥
を製造する際、悪臭が感じられた。
【0087】農作物の栽培試験 上記各実施例及び比較例を用い、畑地とし、ジャガ芋及
びトマトを栽培し、その収穫量を調査した。
【0088】この1株(平均値)当たりの収穫量を、実
施例1を100として、比較すると、実施例2は10
2.5、比較例は85.8であった。
【0089】又、得られたジャガ芋及びトマトの大きさ
は、実施例1と実施例2のものは同程度であったが、こ
れらのものに比べて、比較例のものは稍小さく、しかも
バラツキが大であった。
【0090】
【発明の効果】本発明の植物栽培用培養土は、上記構成
を有し、堆肥時間が短く、しかも植物に必要な多量養分
元素及び微量養分元素のバランスが良く、且つ保水性が
良好で、植物の成長を促進して、収穫量の増大、及び品
質の優れた農産物が得られる効果を有するのである。
【0091】又、本発明の植物栽培用培養土は、堆肥が
出来上がるまでの間、悪臭が殆ど感じられないので、都
市圏でも製造できるのであり、この結果、輸送コスト
等、立地条件を配慮して最適値で製造できるのであり、
至極経済的である。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生薬を抽出及び/又は搾り出した残滓の
    堆肥資材を主成分とする植物栽培用培養土。
  2. 【請求項2】 堆肥資材が、薬用植物から生薬を抽出及
    び/又は搾り出した残滓から得られたものである請求項
    1に記載の植物栽培用培養土。
  3. 【請求項3】 堆肥資材が、薬用の動物及び/又は鉱物
    から生薬を抽出及び/又は搾り出した残滓から得られた
    堆肥を含有するものである請求項1又は2に記載の植物
    栽培用培養土。
  4. 【請求項4】 粘土粉末、イナわら、ムギわら、籾殻、
    米糠、キレート化合物、魚カス、油カス、製造カス、お
    が屑、籾殻、樹皮細片物、鶏糞、馬糞又は骨粉から選ば
    れた少なくとも1種が配合されている請求項1ないし3
    のいずれかに記載の植物栽培用培養土。
  5. 【請求項5】 繊維資材、パルプ、高吸水性樹脂、無機
    質吸水剤又は界面活性剤から選ばれた少なくとも1種が
    配合されている請求項1ないし4のいずれかに記載の植
    物栽培用培養土。
  6. 【請求項6】 繊維資材が天然繊維又は人造繊維で形成
    されている請求項5に記載の植物栽培用培養土。
  7. 【請求項7】 天然繊維が植物繊維、動物繊維又は鉱物
    繊維である請求項6に記載の植物栽培用培養土。
  8. 【請求項8】 人造繊維が再生繊維、半合成繊維又は合
    成繊維である請求項6に記載の植物栽培用培養土。
  9. 【請求項9】 バーク堆肥及び/又はピートモスが配合
    されている請求項1ないし8のいずれかに記載の植物栽
    培用培養土。
  10. 【請求項10】 肥効物質を配合してなる請求項1ない
    し9のいずれかに記載の植物栽培用培養土。
  11. 【請求項11】 土壌改良資材を配合してなる請求項1
    ないし10のいずれかに記載の植物栽培用培養土。
  12. 【請求項12】 土壌改良資材が泥炭、草炭、亜炭或い
    は化石類等の植物物質、培養微生物、鉱物物質、合成化
    合物、鉱滓、りん鉱石又は石灰岩である請求項11に記
    載の植物栽培用培養土。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし12のいずれかに記載
    の植物栽培用培養土を造粒し、乾燥して成る植物栽培用
    培養土。
  14. 【請求項14】 粒径が1〜25mmの範囲に調整され
    ている請求項13に記載の植物栽培用培養土。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006254902A (ja) * 2005-02-18 2006-09-28 Iris Ohyama Inc 粒状培養土
JP2008092955A (ja) * 2007-11-22 2008-04-24 Kao Corp 人工培養土

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