JPH06242511A - 投射表示用スクリーン - Google Patents
投射表示用スクリーンInfo
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- JPH06242511A JPH06242511A JP5055148A JP5514893A JPH06242511A JP H06242511 A JPH06242511 A JP H06242511A JP 5055148 A JP5055148 A JP 5055148A JP 5514893 A JP5514893 A JP 5514893A JP H06242511 A JPH06242511 A JP H06242511A
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- screen
- liquid crystal
- gain
- projection
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- Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】高性能多用途の投射表示用スクリーンを得る。
【構成】第1のスクリーン2と液晶固化物複合体1から
なる液晶光学機能層とが密着して複合スクリーンが形成
され、その総合スクリーンゲインが電圧印加手段6によ
り可変され、視角がαの時に観察者4だけに、視角がβ
の時に観察者4と5の両者に投射型表示装置3の投射光
による画像が視認される。
なる液晶光学機能層とが密着して複合スクリーンが形成
され、その総合スクリーンゲインが電圧印加手段6によ
り可変され、視角がαの時に観察者4だけに、視角がβ
の時に観察者4と5の両者に投射型表示装置3の投射光
による画像が視認される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、投射表示に用いられる
高機能のスクリーンに関する。なかでも、多用途の投射
表示に用いることのできる可変型のスクリーンに関す
る。
高機能のスクリーンに関する。なかでも、多用途の投射
表示に用いることのできる可変型のスクリーンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、投射表示に用いられるスクリーン
としては、そのスクリーン表面を拡散状態としたものや
微細なレンズ構造を設けたものなどがある。これらは、
用途や使用環境に応じて適した光の指向性特性(配光特
性)を得ようとするためであり、各種の機能を有するス
クリーンがある。OHP(オーバーヘッドプロジェクタ
ー)などに用いられるスクリーンでは、広い視野角での
表示を行う場合には、拡散性が高く指向性の低いスクリ
ーンゲインのものが用いられ、また、視野角は狭いが高
輝度での表示を行う場合には指向性の高いスクリーンゲ
インの高いものが用いられる。
としては、そのスクリーン表面を拡散状態としたものや
微細なレンズ構造を設けたものなどがある。これらは、
用途や使用環境に応じて適した光の指向性特性(配光特
性)を得ようとするためであり、各種の機能を有するス
クリーンがある。OHP(オーバーヘッドプロジェクタ
ー)などに用いられるスクリーンでは、広い視野角での
表示を行う場合には、拡散性が高く指向性の低いスクリ
ーンゲインのものが用いられ、また、視野角は狭いが高
輝度での表示を行う場合には指向性の高いスクリーンゲ
インの高いものが用いられる。
【0003】投射表示用スクリーンとしては、スクリー
ンに対し観察者と投射型表示装置が同じ側にある前方投
射の場合と、スクリーンに対し観察者と投射型表示装置
が反対側にある後方投射の場合とがあり、それぞれの型
式に応じて各種のスクリーンが実用化されている。
ンに対し観察者と投射型表示装置が同じ側にある前方投
射の場合と、スクリーンに対し観察者と投射型表示装置
が反対側にある後方投射の場合とがあり、それぞれの型
式に応じて各種のスクリーンが実用化されている。
【0004】例えば、前方投射型の場合には、スクリー
ンゲインの低い拡散性のマットスクリーン、中程度のス
クリーンゲインを有するアルミニウムなどの金属の反射
性を用いたメタリッククリーン、高い指向性(スクリー
ンゲイン)を有するガラスビーズを用いたビーズスクリ
ーンなどがある。
ンゲインの低い拡散性のマットスクリーン、中程度のス
クリーンゲインを有するアルミニウムなどの金属の反射
性を用いたメタリッククリーン、高い指向性(スクリー
ンゲイン)を有するガラスビーズを用いたビーズスクリ
ーンなどがある。
【0005】一方、後方投射型としては、スクリーンゲ
インの低いマットスクリーンや、フレネルレンズとレン
チキュラーレンズを用い光の指向性を持たせたスクリー
ンなどが用いられている。
インの低いマットスクリーンや、フレネルレンズとレン
チキュラーレンズを用い光の指向性を持たせたスクリー
ンなどが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のスク
リーンにおいてはスクリーンゲインが固定のため、一つ
のスクリーンを異なる用途に用いることは困難であり、
用途に応じて複数のスクリーンを必要としていた。
リーンにおいてはスクリーンゲインが固定のため、一つ
のスクリーンを異なる用途に用いることは困難であり、
用途に応じて複数のスクリーンを必要としていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するべくなされたもので、光量を損なうことなくスクリ
ーンゲイン(配光特性)を印加電圧などの制御によって
可変することのできる投射表示用スクリーンを提供する
ものである。
するべくなされたもので、光量を損なうことなくスクリ
ーンゲイン(配光特性)を印加電圧などの制御によって
可変することのできる投射表示用スクリーンを提供する
ものである。
【0008】具体的には、投射画像を表示するスクリー
ンであって、第1のスクリーンと透過散乱型の液晶光学
機能層とが組み合わされて複合スクリーンが形成され、
その総合スクリーンゲインが可変されることを特徴とす
る投射表示用スクリーン(1)を提供する。
ンであって、第1のスクリーンと透過散乱型の液晶光学
機能層とが組み合わされて複合スクリーンが形成され、
その総合スクリーンゲインが可変されることを特徴とす
る投射表示用スクリーン(1)を提供する。
【0009】また、上記の投射表示用スクリーン(1)
において、液晶光学機能層が対向電極間に液晶が固化物
中に分散保持された液晶固化物複合体層であることを特
徴とする投射表示用スクリーン(2)を提供する。
において、液晶光学機能層が対向電極間に液晶が固化物
中に分散保持された液晶固化物複合体層であることを特
徴とする投射表示用スクリーン(2)を提供する。
【0010】また、上記の投射表示用スクリーン(1)
または(2)において、2以上のスクリーンゲインを有
する第1のスクリーンに液晶光学機能層が密着せしめら
れてなることを特徴とする投射表示用スクリーン(3)
を提供する。
または(2)において、2以上のスクリーンゲインを有
する第1のスクリーンに液晶光学機能層が密着せしめら
れてなることを特徴とする投射表示用スクリーン(3)
を提供する。
【0011】また、上記の投射表示用スクリーン(1)
〜(3)のいずれか1つの投射表示用スクリーンにおい
て、液晶光学機能層への印加電圧を可変する手段が設け
られ、印加電圧の変化によって液晶光学機能層の光の透
過率が変化せしめられ、投射画像の光が液晶光学機能層
を通過し、第1のスクリーンで反射されて得られる総合
スクリーンゲインが可変されることを特徴とする投射表
示スクリーンを提供する。
〜(3)のいずれか1つの投射表示用スクリーンにおい
て、液晶光学機能層への印加電圧を可変する手段が設け
られ、印加電圧の変化によって液晶光学機能層の光の透
過率が変化せしめられ、投射画像の光が液晶光学機能層
を通過し、第1のスクリーンで反射されて得られる総合
スクリーンゲインが可変されることを特徴とする投射表
示スクリーンを提供する。
【0012】近年、液晶パネルやCRTを用いた投射型
表示装置(プロジェクター)は広く用いられているが、
投射型表示装置からの光を、任意の状況下で適切に表示
できるスクリーンは得られていなかった。投射型の表示
特性においては、投射型表示装置の特性とスクリーンの
特性の両方が反映される。そのため、投射型表示装置に
は輝度調整などの各種調整機能が通常付加される。しか
し、スクリーンは固定機能のものしか用いられてなく、
表示品位の向上を阻害する要因となっていた。
表示装置(プロジェクター)は広く用いられているが、
投射型表示装置からの光を、任意の状況下で適切に表示
できるスクリーンは得られていなかった。投射型の表示
特性においては、投射型表示装置の特性とスクリーンの
特性の両方が反映される。そのため、投射型表示装置に
は輝度調整などの各種調整機能が通常付加される。しか
し、スクリーンは固定機能のものしか用いられてなく、
表示品位の向上を阻害する要因となっていた。
【0013】本発明は、既存の方式のプロジェクターを
用いても、より高品位の表示を得ることのできるスクリ
ーンを提供するものであり、スクリーンゲインを印加電
圧により可変できることを特徴とする。具体的には、従
来のスクリーンの近傍に液晶が固化物マトリクス中に分
散保持された液晶固化物複合体からなる液晶光学機能層
を配置し、外部からの電圧信号により液晶固化物複合体
の光の散乱特性を変化させ、所望のスクリーン特性を得
るものである。
用いても、より高品位の表示を得ることのできるスクリ
ーンを提供するものであり、スクリーンゲインを印加電
圧により可変できることを特徴とする。具体的には、従
来のスクリーンの近傍に液晶が固化物マトリクス中に分
散保持された液晶固化物複合体からなる液晶光学機能層
を配置し、外部からの電圧信号により液晶固化物複合体
の光の散乱特性を変化させ、所望のスクリーン特性を得
るものである。
【0014】
【作用】本発明によれば、印加電圧の制御によりスクリ
ーンゲインを可変とできる投射表示用スクリーンが得ら
れ、外光強度や、視野角などの投射環境、投射目的に応
じてスクリーン特性を調整することが可能である。ま
た、本発明では、外部信号との同期でスクリーンを動作
させることにより表示コントラストの向上や、複数情報
の同時表示なども可能となる。
ーンゲインを可変とできる投射表示用スクリーンが得ら
れ、外光強度や、視野角などの投射環境、投射目的に応
じてスクリーン特性を調整することが可能である。ま
た、本発明では、外部信号との同期でスクリーンを動作
させることにより表示コントラストの向上や、複数情報
の同時表示なども可能となる。
【0015】以下、具体的に本発明を説明する。本発明
の投射表示用スクリーンでは、従来のスクリーンの観察
者側に密着させて液晶固化物複合体を配置する。一般
に、液晶固化物複合体からなる液晶光学機能層そのもの
を単独のスクリーンとして用いた場合、その散乱状態
(電圧オフ状態)でのスクリーンゲインの範囲は、広い
もので1から5程度であり、多くの場合、1から3程度
である。そして、用いる液晶固化物複合体自体のスクリ
ーンゲインよりも大きなゲインをもつ従来の方式の第1
のスクリーンと液晶光学機能層(液晶固化物複合体を主
体とする光学機能層)とを組み合わせることがより効果
を高めることとなる。
の投射表示用スクリーンでは、従来のスクリーンの観察
者側に密着させて液晶固化物複合体を配置する。一般
に、液晶固化物複合体からなる液晶光学機能層そのもの
を単独のスクリーンとして用いた場合、その散乱状態
(電圧オフ状態)でのスクリーンゲインの範囲は、広い
もので1から5程度であり、多くの場合、1から3程度
である。そして、用いる液晶固化物複合体自体のスクリ
ーンゲインよりも大きなゲインをもつ従来の方式の第1
のスクリーンと液晶光学機能層(液晶固化物複合体を主
体とする光学機能層)とを組み合わせることがより効果
を高めることとなる。
【0016】具体的には、第1のスクリーンとしては、
ゲイン2以上のものが望ましい。これと液晶光学機能層
とを組み合わせて複合スクリーンを形成する。この組み
合わせにおいて、原理的には、第1のスクリーンのゲイ
ンG1と液晶光学機能層のゲインG2の間の範囲で、総
合スクリーンゲインを可変とすることができる。
ゲイン2以上のものが望ましい。これと液晶光学機能層
とを組み合わせて複合スクリーンを形成する。この組み
合わせにおいて、原理的には、第1のスクリーンのゲイ
ンG1と液晶光学機能層のゲインG2の間の範囲で、総
合スクリーンゲインを可変とすることができる。
【0017】総合スクリーンゲインを変化させる手段と
しては、液晶固化物複合体を挟持するように電極手段を
設け、電圧を液晶固化物複合体に印加することにより液
晶固化物複合体の光散乱状態を変化させて、第1のスク
リーンと一体化された複合スクリーンとしての総合スク
リーンゲインを変化させることができる。
しては、液晶固化物複合体を挟持するように電極手段を
設け、電圧を液晶固化物複合体に印加することにより液
晶固化物複合体の光散乱状態を変化させて、第1のスク
リーンと一体化された複合スクリーンとしての総合スク
リーンゲインを変化させることができる。
【0018】前方投射型スクリーンとしては、反射機能
をもつようにメタルコート層、マットシート層、ガラス
ビーズ層など従来の技術を用いて高ゲインスクリーン層
を形成し、その上に透明電極に挟持された液晶固化物複
合体層を形成する。反射機能を持つ層には、レンズ効果
を持たせた凹凸コーティングなどを施し特定方向の光強
度を増大させるような指向性制御を行うことも可能であ
る。
をもつようにメタルコート層、マットシート層、ガラス
ビーズ層など従来の技術を用いて高ゲインスクリーン層
を形成し、その上に透明電極に挟持された液晶固化物複
合体層を形成する。反射機能を持つ層には、レンズ効果
を持たせた凹凸コーティングなどを施し特定方向の光強
度を増大させるような指向性制御を行うことも可能であ
る。
【0019】後方投射型スクリーンとしては、フレネル
レンズとレンチキュラーレンズを組み合わせた高ゲイン
スクリーン層などを形成し、その上に透明電極に挟持さ
れた液晶固化物複合体の層を形成する。用いるレンチキ
ュラーレンズ上にはコントラスト向上のためブラックス
トライプを形成するなどの従来手法を用いることができ
る。
レンズとレンチキュラーレンズを組み合わせた高ゲイン
スクリーン層などを形成し、その上に透明電極に挟持さ
れた液晶固化物複合体の層を形成する。用いるレンチキ
ュラーレンズ上にはコントラスト向上のためブラックス
トライプを形成するなどの従来手法を用いることができ
る。
【0020】図1は、前方投射型式の構成を示す。投射
型表示装置3からの投射画像の光は高スクリーンゲイン
を有する第1のスクリーン2の前面側、すなわち観察者
4側に配置された液晶固化物複合体層1の散乱状態に応
じて拡散性が変化する。
型表示装置3からの投射画像の光は高スクリーンゲイン
を有する第1のスクリーン2の前面側、すなわち観察者
4側に配置された液晶固化物複合体層1の散乱状態に応
じて拡散性が変化する。
【0021】その結果、電圧印加状態(液晶固化物複合
体層1はほぼ透明状態である)での視角αは、液晶固化
物複合体への印加電圧を減少させ光の散乱を強くするこ
とにより広くなり視角βとなる。
体層1はほぼ透明状態である)での視角αは、液晶固化
物複合体への印加電圧を減少させ光の散乱を強くするこ
とにより広くなり視角βとなる。
【0022】図2は、後方側に位置する電極付き基板1
0と前面側(観察者側)に位置する電極付き基板11、
フレネルレンズ8、レンチキュラーレンズ9、そして液
晶固化物複合体7より構成される後方投射型式の場合の
投射用表示スクリーンの一部断面を示す。
0と前面側(観察者側)に位置する電極付き基板11、
フレネルレンズ8、レンチキュラーレンズ9、そして液
晶固化物複合体7より構成される後方投射型式の場合の
投射用表示スクリーンの一部断面を示す。
【0023】解像度の観点からは、高スクリーンゲイン
を有する第1のスクリーンと液晶固化物複合体の層の間
の距離はできるだけ近いほうが望ましい。例えば、液晶
固化物複合体を挟持する電極付き基板として膜厚の薄い
(1mm以下が望ましい)フィルム基板などを用いるこ
とにより解像度の劣化を極力抑制できる。また、第1の
スクリーンの表面に直接透明電極を形成し、それを一方
の電極とすることもできる。この場合において、電極は
ITOなどの透明材料を用いる。
を有する第1のスクリーンと液晶固化物複合体の層の間
の距離はできるだけ近いほうが望ましい。例えば、液晶
固化物複合体を挟持する電極付き基板として膜厚の薄い
(1mm以下が望ましい)フィルム基板などを用いるこ
とにより解像度の劣化を極力抑制できる。また、第1の
スクリーンの表面に直接透明電極を形成し、それを一方
の電極とすることもできる。この場合において、電極は
ITOなどの透明材料を用いる。
【0024】また、駆動電圧は高くなるが、第1のスク
リーンのアルミニウム反射面などの部材を電極とするこ
とも可能である。迷光の影響やゴーストの発生を防ぐた
めには、第1のスクリーンと液晶固化物複合体層の間の
距離ができるだけ短いこと、両者の間に屈折率の大きく
異なるような反射層を持たないこと、などがあげられ
る。このため、2つの層を屈折率を合わせた接着部材な
どで密着させる手法などがあげられる。
リーンのアルミニウム反射面などの部材を電極とするこ
とも可能である。迷光の影響やゴーストの発生を防ぐた
めには、第1のスクリーンと液晶固化物複合体層の間の
距離ができるだけ短いこと、両者の間に屈折率の大きく
異なるような反射層を持たないこと、などがあげられ
る。このため、2つの層を屈折率を合わせた接着部材な
どで密着させる手法などがあげられる。
【0025】液晶固化物複合体の駆動方式としては、交
流電圧を印加し時間的に一定の散乱状態(透過率)を得
る振幅変調方式と、高速に液晶固化物複合体のオン/オ
フをスイッチングしオフ時間の割合により平均的な散乱
状態を決定する周波数変調方式、およびそれらの組み合
わせがあり、表示に用いる投射型表示装置の種類などに
より適当なものが用いられる。
流電圧を印加し時間的に一定の散乱状態(透過率)を得
る振幅変調方式と、高速に液晶固化物複合体のオン/オ
フをスイッチングしオフ時間の割合により平均的な散乱
状態を決定する周波数変調方式、およびそれらの組み合
わせがあり、表示に用いる投射型表示装置の種類などに
より適当なものが用いられる。
【0026】例えば、投射型表示装置の表示を形成する
素子がCRTである場合には、表示のフレーム内でCR
Tからの輝度が大きく変化するため、周波数変調方式で
はフリッカーを生ずる可能性があり、表示素子と液晶固
化物複合体の同期をとることか、あるいは液晶固化物複
合体の駆動を十分な高周波で行うことが望ましい。
素子がCRTである場合には、表示のフレーム内でCR
Tからの輝度が大きく変化するため、周波数変調方式で
はフリッカーを生ずる可能性があり、表示素子と液晶固
化物複合体の同期をとることか、あるいは液晶固化物複
合体の駆動を十分な高周波で行うことが望ましい。
【0027】また、振幅変調方式においても、時間的な
散乱状態の変動はフリッカーの発生につながるため、よ
り高周波での駆動が望ましい。具体的には、液晶固化物
複合体の駆動周波数(くり返しフレーム周波数)とし
て、(いずれの変調方式においても)60Hz以上、よ
り好ましくは100Hz以上とされる。
散乱状態の変動はフリッカーの発生につながるため、よ
り高周波での駆動が望ましい。具体的には、液晶固化物
複合体の駆動周波数(くり返しフレーム周波数)とし
て、(いずれの変調方式においても)60Hz以上、よ
り好ましくは100Hz以上とされる。
【0028】用いる液晶固化物複合体としては、電圧オ
フ時に散乱性が高く、電圧印加時の透過率の高いものが
望ましい。電圧オフ時において、透過型スクリーン(後
方投射型)としてゲインが2.5以下であり、電圧オン
時に透過率が70%以上のものが望ましい。駆動方式と
の関連では、振幅変調方式の場合には、透過率の時間的
変動が少ないことが望まれるため、通常の駆動フレーム
より遅い応答性を持つほうが望ましく、30ms以上、
より望ましくは60ms以上とされる。
フ時に散乱性が高く、電圧印加時の透過率の高いものが
望ましい。電圧オフ時において、透過型スクリーン(後
方投射型)としてゲインが2.5以下であり、電圧オン
時に透過率が70%以上のものが望ましい。駆動方式と
の関連では、振幅変調方式の場合には、透過率の時間的
変動が少ないことが望まれるため、通常の駆動フレーム
より遅い応答性を持つほうが望ましく、30ms以上、
より望ましくは60ms以上とされる。
【0029】ここで、応答時間は、オン状態からオフ状
態への遷移において光学変化(透過率変化)が90%と
なる時間で定義する。周波数変調においては、高速での
スイッチングが必要であり、上述した定義の応答時間と
しては、4ms以下、より望ましくは2ms以下とされ
る。ここで、オフ状態からオン状態への遷移時間は基本
的に電圧を高くすることにより高速化できるため、電圧
により調整することができる。
態への遷移において光学変化(透過率変化)が90%と
なる時間で定義する。周波数変調においては、高速での
スイッチングが必要であり、上述した定義の応答時間と
しては、4ms以下、より望ましくは2ms以下とされ
る。ここで、オフ状態からオン状態への遷移時間は基本
的に電圧を高くすることにより高速化できるため、電圧
により調整することができる。
【0030】周波数変調方式の場合、中間状態を用いず
高速で散乱状態と透過状態を切り替えるため、振幅変調
の場合よりもスクリーン面内の均一性が達成しやすいと
いう特徴をもつ。また、観察者の目には時間平均として
投射像が見えるのであるが実際には高速にスクリーンゲ
インが切り替わっているために、通常の画像情報以外の
情報の切り替えを同時に行うこともできる。
高速で散乱状態と透過状態を切り替えるため、振幅変調
の場合よりもスクリーン面内の均一性が達成しやすいと
いう特徴をもつ。また、観察者の目には時間平均として
投射像が見えるのであるが実際には高速にスクリーンゲ
インが切り替わっているために、通常の画像情報以外の
情報の切り替えを同時に行うこともできる。
【0031】例えば、裏面にアルミニウムなどのミラー
を配置しその観察者側に液晶固化物複合体を配置したス
クリーンにおいて、液晶固化物複合体が散乱状態におい
ては通常の低ゲインスクリーンとしての機能を果たす
が、透明状態においてはミラーとして働き正規反射を用
いた信号の伝達、画像情報への挿入が可能となる。
を配置しその観察者側に液晶固化物複合体を配置したス
クリーンにおいて、液晶固化物複合体が散乱状態におい
ては通常の低ゲインスクリーンとしての機能を果たす
が、透明状態においてはミラーとして働き正規反射を用
いた信号の伝達、画像情報への挿入が可能となる。
【0032】すなわち、特定方向の観察者に対してのみ
情報を伝達することが可能となる。この例で完全なミラ
ーを用いた場合には、完全な正規反射を利用することに
なるが、高ゲインスクリーンを用いた場合、挿入する別
情報のもとの画像情報に対する強度の割合がスクリーン
に対する角度に依存するようになる。
情報を伝達することが可能となる。この例で完全なミラ
ーを用いた場合には、完全な正規反射を利用することに
なるが、高ゲインスクリーンを用いた場合、挿入する別
情報のもとの画像情報に対する強度の割合がスクリーン
に対する角度に依存するようになる。
【0033】周波数変調方式の場合、上記と同様にし
て、蛍光燈などの外光による影響を低減することも可能
となる。従来のスクリーンの場合、ゲインが小さくなる
と視角は広がるが外光による影響が強く全体に白っぽく
浮いた画像になる。このため、ゲインの小さなスクリー
ンを用いる場合照明を暗くする必要があった。しかし本
発明のスクリーンにおいては、蛍光灯など外光の光強度
の振動周期に同期させてスクリーンゲインを変化させる
もので、外光の強度が強い場合には高ゲインに小さな場
合には低ゲインにして、高視角と照明光の中での高コン
トラストを両立することが可能となる。
て、蛍光燈などの外光による影響を低減することも可能
となる。従来のスクリーンの場合、ゲインが小さくなる
と視角は広がるが外光による影響が強く全体に白っぽく
浮いた画像になる。このため、ゲインの小さなスクリー
ンを用いる場合照明を暗くする必要があった。しかし本
発明のスクリーンにおいては、蛍光灯など外光の光強度
の振動周期に同期させてスクリーンゲインを変化させる
もので、外光の強度が強い場合には高ゲインに小さな場
合には低ゲインにして、高視角と照明光の中での高コン
トラストを両立することが可能となる。
【0034】本発明では、このように不必要な情報と必
要な情報との分離機能を有する高機能のスクリーンを得
ることができる。また、本発明においては、液晶固化物
複合体により光の指向性(散乱性)の制御を行っている
ため、光量を失うことなく、高い機能を得ることができ
る。
要な情報との分離機能を有する高機能のスクリーンを得
ることができる。また、本発明においては、液晶固化物
複合体により光の指向性(散乱性)の制御を行っている
ため、光量を失うことなく、高い機能を得ることができ
る。
【0035】本発明では、従来の高ゲイン型の第1のス
クリーンに密着させて、細かな孔の多数形成された固化
物マトリクスとその孔の部分に充填されたネマチック液
晶とからなる液晶固化物複合体からなる液晶光学機能層
を配置する。この液晶固化物複合体は、2枚の電極付き
基板の間に挟持されている。その電極間への電圧の印加
状態により、その液晶の屈折率が変化し、固化物マトリ
クスの屈折率と液晶の屈折率との関係が変化する。これ
ら両者の屈折率が一致したときには透過状態となり、屈
折率が異なったときには散乱状態となるような液晶光学
機能層が使用できる。
クリーンに密着させて、細かな孔の多数形成された固化
物マトリクスとその孔の部分に充填されたネマチック液
晶とからなる液晶固化物複合体からなる液晶光学機能層
を配置する。この液晶固化物複合体は、2枚の電極付き
基板の間に挟持されている。その電極間への電圧の印加
状態により、その液晶の屈折率が変化し、固化物マトリ
クスの屈折率と液晶の屈折率との関係が変化する。これ
ら両者の屈折率が一致したときには透過状態となり、屈
折率が異なったときには散乱状態となるような液晶光学
機能層が使用できる。
【0036】この細かな孔の多数形成された固化物マト
リクスとその孔の部分に充填された液晶とからなる液晶
固化物複合体は、マイクロカプセルのような液泡内に液
晶が封じ込められたような構造である。しかし、個々の
マイクロカプセルが完全に独立していなくてもよく、多
孔質体のように個々の液晶の液泡が細隙を介して連通し
ていてもよい。
リクスとその孔の部分に充填された液晶とからなる液晶
固化物複合体は、マイクロカプセルのような液泡内に液
晶が封じ込められたような構造である。しかし、個々の
マイクロカプセルが完全に独立していなくてもよく、多
孔質体のように個々の液晶の液泡が細隙を介して連通し
ていてもよい。
【0037】本発明の液晶固化物複合体の固化物とは、
液晶の分散状態を固定化できるものであればよいが、樹
脂を用いることが製法上、また特性上からも望ましい。
本発明の投射表示用スクリーンに用いる液晶樹脂複合体
の製造方法について以下に説明する。
液晶の分散状態を固定化できるものであればよいが、樹
脂を用いることが製法上、また特性上からも望ましい。
本発明の投射表示用スクリーンに用いる液晶樹脂複合体
の製造方法について以下に説明する。
【0038】ネマチック液晶と、樹脂マトリクスを構成
する材料とを混ぜ合わせて溶液状またはラテックス状に
する。次いで、これを光硬化、熱硬化、溶媒除去による
硬化、反応硬化等させて樹脂マトリクスを分離し、樹脂
マトリクス中にネマチック液晶が分散した状態をとるよ
うにすればよい。
する材料とを混ぜ合わせて溶液状またはラテックス状に
する。次いで、これを光硬化、熱硬化、溶媒除去による
硬化、反応硬化等させて樹脂マトリクスを分離し、樹脂
マトリクス中にネマチック液晶が分散した状態をとるよ
うにすればよい。
【0039】使用する樹脂を、光硬化または熱硬化タイ
プにすることにより、密閉系内で硬化できるため好まし
い。特に、光硬化タイプの樹脂を用いることにより、熱
による影響を受けなく、短時間で硬化させることができ
好ましい。具体的な製法としては、従来の通常のネマチ
ック液晶と同様にシール材を用いてセルを形成し、注入
口からネマチック液晶と樹脂マトリクスとの未硬化の混
合物を注入し、注入口を封止して後、光照射をするか加
熱して硬化させることもできる。
プにすることにより、密閉系内で硬化できるため好まし
い。特に、光硬化タイプの樹脂を用いることにより、熱
による影響を受けなく、短時間で硬化させることができ
好ましい。具体的な製法としては、従来の通常のネマチ
ック液晶と同様にシール材を用いてセルを形成し、注入
口からネマチック液晶と樹脂マトリクスとの未硬化の混
合物を注入し、注入口を封止して後、光照射をするか加
熱して硬化させることもできる。
【0040】本発明の場合には、大面積の液晶樹脂複合
体が要請される場合が多いため、シール材を用いなく、
例えば、透明電極を設けた基板上に、ネマチック液晶と
樹脂マトリクスとの未硬化の混合物を供給し、その後、
対向電極基板を重ねて、光照射等により硬化させること
もできる。もちろん、その後、周辺にシール材を塗布し
て周辺をシールしてもよい。この製法によれば、単にネ
マチック液晶と樹脂マトリクスとの未硬化の混合物をロ
ールコート、スピンコート、印刷、ディスペンサーによ
る塗布等の供給をすればよいため、工程が簡便であり、
生産性が極めてよい。
体が要請される場合が多いため、シール材を用いなく、
例えば、透明電極を設けた基板上に、ネマチック液晶と
樹脂マトリクスとの未硬化の混合物を供給し、その後、
対向電極基板を重ねて、光照射等により硬化させること
もできる。もちろん、その後、周辺にシール材を塗布し
て周辺をシールしてもよい。この製法によれば、単にネ
マチック液晶と樹脂マトリクスとの未硬化の混合物をロ
ールコート、スピンコート、印刷、ディスペンサーによ
る塗布等の供給をすればよいため、工程が簡便であり、
生産性が極めてよい。
【0041】また、これらのネマチック液晶と樹脂マト
リクスとの未硬化の混合物には、基板間隙制御用のセラ
ミック粒子、プラスチック粒子、ガラス繊維等のスペー
サー、顔料、色素、粘度調整剤、その他本発明の性能に
悪影響を与えない添加剤を添加してもよい。この素子
に、この硬化工程の際に特定の部分のみに充分高い電圧
を印加した状態で硬化させることにより、その部分を常
に光透過状態にすることができるので、固定表示したい
ものがある場合には、そのような常透過部分を形成して
もよい。
リクスとの未硬化の混合物には、基板間隙制御用のセラ
ミック粒子、プラスチック粒子、ガラス繊維等のスペー
サー、顔料、色素、粘度調整剤、その他本発明の性能に
悪影響を与えない添加剤を添加してもよい。この素子
に、この硬化工程の際に特定の部分のみに充分高い電圧
を印加した状態で硬化させることにより、その部分を常
に光透過状態にすることができるので、固定表示したい
ものがある場合には、そのような常透過部分を形成して
もよい。
【0042】なお、この液晶樹脂複合体を使用した液晶
表示素子の透過状態での透過率は高いほどよく、散乱状
態でのヘイズ値は80%以上であることが好ましい。本
発明では、電圧を印加している状態で、樹脂マトリクス
(硬化後の)の屈折率が、使用する液晶の常光屈折率
(no )とほぼ一致するようにされる。これにより、樹
脂マトリクスの屈折率と液晶の屈折率とが一致したとき
に光が透過し、一致しないときに光が散乱(白濁)する
ことになる。この素子の散乱性は、従来のDSモードの
液晶表示素子の場合よりも高い。
表示素子の透過状態での透過率は高いほどよく、散乱状
態でのヘイズ値は80%以上であることが好ましい。本
発明では、電圧を印加している状態で、樹脂マトリクス
(硬化後の)の屈折率が、使用する液晶の常光屈折率
(no )とほぼ一致するようにされる。これにより、樹
脂マトリクスの屈折率と液晶の屈折率とが一致したとき
に光が透過し、一致しないときに光が散乱(白濁)する
ことになる。この素子の散乱性は、従来のDSモードの
液晶表示素子の場合よりも高い。
【0043】本発明に用いられる液晶固化物(樹脂)複
合体としては、その散乱性の色分散特性、透過時の色分
散特性がスクリーン特性に悪影響を与えないようにする
ことが望ましい。このためには、用いる液晶の屈折率異
方性Δn、分散する液晶のサイズ(粒子状の場合はその
直径)R、電極間間隙dを、要求される特性に応じて最
適化することが重要である。散乱特性は、Δnと液晶の
サイズRにより決定されるため、0.2<Δn・R<
0.7であるときに散乱性は極大となる。
合体としては、その散乱性の色分散特性、透過時の色分
散特性がスクリーン特性に悪影響を与えないようにする
ことが望ましい。このためには、用いる液晶の屈折率異
方性Δn、分散する液晶のサイズ(粒子状の場合はその
直径)R、電極間間隙dを、要求される特性に応じて最
適化することが重要である。散乱特性は、Δnと液晶の
サイズRにより決定されるため、0.2<Δn・R<
0.7であるときに散乱性は極大となる。
【0044】散乱性はΔnが大きいほど高くなり、一
方、散乱性の波長依存性(色分散)は、一般にΔnが大
きいほど大きくなる傾向がある。このために、適切なΔ
nと、適切なRの設定がスクリーン特性向上のためには
求められる。これらの点を考慮して、Δnの範囲は、
0.13<Δn<0.28であることが望ましい。Rは
用いる液晶にたいして、散乱性を高めるように設定す
る。
方、散乱性の波長依存性(色分散)は、一般にΔnが大
きいほど大きくなる傾向がある。このために、適切なΔ
nと、適切なRの設定がスクリーン特性向上のためには
求められる。これらの点を考慮して、Δnの範囲は、
0.13<Δn<0.28であることが望ましい。Rは
用いる液晶にたいして、散乱性を高めるように設定す
る。
【0045】電極間間隙(ギャップ)dは、散乱性を決
定する重要な要素であるが駆動電圧にも強く関連する。
dが大きくなるほど散乱性は増大するが駆動電圧は高く
なる。駆動電圧が制限されない場合には、所望の散乱能
が達成されるレベルに設定することができるが、極力駆
動電圧の増大を抑えるためには、上記のようにΔnとR
のバランスを最適化しておくことが望ましい。
定する重要な要素であるが駆動電圧にも強く関連する。
dが大きくなるほど散乱性は増大するが駆動電圧は高く
なる。駆動電圧が制限されない場合には、所望の散乱能
が達成されるレベルに設定することができるが、極力駆
動電圧の増大を抑えるためには、上記のようにΔnとR
のバランスを最適化しておくことが望ましい。
【0046】dの範囲は、このように他の要件と関連し
て決まってくるが、上記のΔnに対応した範囲において
は、通常、10<d<50(μm)とされる。ただし、
この下限はRに依存し、少なくとも3・R<dの関係を
満たすことが必要である。
て決まってくるが、上記のΔnに対応した範囲において
は、通常、10<d<50(μm)とされる。ただし、
この下限はRに依存し、少なくとも3・R<dの関係を
満たすことが必要である。
【0047】
(実施例1)アルミニウムがメタリックコートされた反
射型(前方投射用:ゲイン3)スクリーンに密着させ
て、液晶固化物複合体フィルム素子を配置した。液晶固
化物複合体は、ネマチック液晶(メルク社製BL00
2)、2官能アクリレートオリゴマー、2−エチルヘキ
シルアクリレート、光重合開始剤を均一に溶解した溶液
に、直径20μのプラスチックビーズを混合し、それを
透明電極付きPET基板に挟みこんだのち、紫外線を約
1分間照射することにより作成した。
射型(前方投射用:ゲイン3)スクリーンに密着させ
て、液晶固化物複合体フィルム素子を配置した。液晶固
化物複合体は、ネマチック液晶(メルク社製BL00
2)、2官能アクリレートオリゴマー、2−エチルヘキ
シルアクリレート、光重合開始剤を均一に溶解した溶液
に、直径20μのプラスチックビーズを混合し、それを
透明電極付きPET基板に挟みこんだのち、紫外線を約
1分間照射することにより作成した。
【0048】得られた液晶固化物(樹脂)複合体素子
は、70Vで駆動しその時の透過率は75%であった。
応答時間は立ち上がり(オフからオン)が約1.5m
s、立ち下がり(オンからオフ)が約0.8msであっ
た。液晶樹脂複合体における液晶の分散構造は、歪んだ
粒子状の構造であり、そのサイズ(最大直径)は平均的
に約3μm程度であった。
は、70Vで駆動しその時の透過率は75%であった。
応答時間は立ち上がり(オフからオン)が約1.5m
s、立ち下がり(オンからオフ)が約0.8msであっ
た。液晶樹脂複合体における液晶の分散構造は、歪んだ
粒子状の構造であり、そのサイズ(最大直径)は平均的
に約3μm程度であった。
【0049】図1に本発明のスクリーンを用いて投射画
像を得る基本的な配置構成の一例を示す。これは、前方
投射型の場合のもので高スクリーンゲインを有する第1
のスクリーン2に密着させて液晶固化物複合体1を配置
し、この投射表示用スクリーンに投射型表示装置3より
画像が投影される。
像を得る基本的な配置構成の一例を示す。これは、前方
投射型の場合のもので高スクリーンゲインを有する第1
のスクリーン2に密着させて液晶固化物複合体1を配置
し、この投射表示用スクリーンに投射型表示装置3より
画像が投影される。
【0050】電圧印加手段6により電圧を液晶固化物複
合体1に印加した透明状態(高ゲイン状態:視角α)で
は、観察者4の場所で正常に画像が観察される。電圧を
印加しない散乱状態(低ゲイン状態:視角β)では、観
察者4および観察者5のいずれにおいても正常な画像が
観察される。
合体1に印加した透明状態(高ゲイン状態:視角α)で
は、観察者4の場所で正常に画像が観察される。電圧を
印加しない散乱状態(低ゲイン状態:視角β)では、観
察者4および観察者5のいずれにおいても正常な画像が
観察される。
【0051】図2は、背面投射用スクリーンの構成を示
したものである。フレネルレンズ8側から投射光12が
投射され、集光された後レンチキュラーレンズ9により
特定の方向に光が曲げられる。この指向性を持った光は
液晶固化物複合体7の散乱状態によって角度の変調を受
ける。電圧を印加した状態では、液晶固化物複合体は透
明状態であり、レンチキュラーレンズ9からの光は角度
変調されず高ゲイン状態となる。電圧を印加しない液晶
固化物複合体の散乱状態ではレンチキュラーレンズ9か
らの光は散乱され(角度変調され)低ゲイン状態とな
る。
したものである。フレネルレンズ8側から投射光12が
投射され、集光された後レンチキュラーレンズ9により
特定の方向に光が曲げられる。この指向性を持った光は
液晶固化物複合体7の散乱状態によって角度の変調を受
ける。電圧を印加した状態では、液晶固化物複合体は透
明状態であり、レンチキュラーレンズ9からの光は角度
変調されず高ゲイン状態となる。電圧を印加しない液晶
固化物複合体の散乱状態ではレンチキュラーレンズ9か
らの光は散乱され(角度変調され)低ゲイン状態とな
る。
【0052】この複合された投射表示用スクリーンは、
電圧を印加しない状態で、ゲイン1.2、電圧を印加し
た状態でゲイン2.8であり、前方投射型液晶プロジェ
クターを用いたところ視角の広さと正面方向の明るさが
電圧により変化した(振幅変調方式を用いた)。なお、
駆動は電圧範囲0Vから70V、周波数200Hzの矩
形波で行った。
電圧を印加しない状態で、ゲイン1.2、電圧を印加し
た状態でゲイン2.8であり、前方投射型液晶プロジェ
クターを用いたところ視角の広さと正面方向の明るさが
電圧により変化した(振幅変調方式を用いた)。なお、
駆動は電圧範囲0Vから70V、周波数200Hzの矩
形波で行った。
【0053】さらに、駆動方式を周波数変調とし、フレ
ーム周波数100Hz(周期10ms)でオン状態とオ
フ状態の時間比を変化させたところゲイン1.2から
2.8の間で連続的なスクリーンゲインを得ることがで
きた。周波数変調のまま、投射型表示装置を液晶プロジ
ェクターからCRTプロジェクターとしたところフリッ
カーが若干観測された。
ーム周波数100Hz(周期10ms)でオン状態とオ
フ状態の時間比を変化させたところゲイン1.2から
2.8の間で連続的なスクリーンゲインを得ることがで
きた。周波数変調のまま、投射型表示装置を液晶プロジ
ェクターからCRTプロジェクターとしたところフリッ
カーが若干観測された。
【0054】(実施例2)実施例1と同じ構成で、反射
型の第1のスクリーンをガラスビーズを用いたスクリー
ンゲインが約10のものとした。実施例1と同様に、振
幅変調で動作させ、ゲインを1.5となるように電圧を
調整した。実験室の蛍光燈を一部つけたまま液晶プロジ
ェクターで対角40インチの画像を投影したところ、白
黒のコントラスト比は約15:1であった。
型の第1のスクリーンをガラスビーズを用いたスクリー
ンゲインが約10のものとした。実施例1と同様に、振
幅変調で動作させ、ゲインを1.5となるように電圧を
調整した。実験室の蛍光燈を一部つけたまま液晶プロジ
ェクターで対角40インチの画像を投影したところ、白
黒のコントラスト比は約15:1であった。
【0055】同じ投射表示用クリーンを周波数変調で駆
動しゲインが1.5となるようにオン/オフの時間比を
調整した。ここで、フレームは蛍光燈の光強度変化と同
期をとり、光強度最大でゲイン2.8、光強度最小でゲ
イン1.2となるように設定した。液晶プロジェクター
により40インチの画像を投影したところ、白黒のコン
トラスト比は約20:1であった。
動しゲインが1.5となるようにオン/オフの時間比を
調整した。ここで、フレームは蛍光燈の光強度変化と同
期をとり、光強度最大でゲイン2.8、光強度最小でゲ
イン1.2となるように設定した。液晶プロジェクター
により40インチの画像を投影したところ、白黒のコン
トラスト比は約20:1であった。
【0056】(実施例3)実施例2とほぼ同様に、投射
表示装置系を設定し、実験室の照明をストロボ照明と
し、60Hzで駆動した。照明の駆動信号と同期させ
て、投射表示用スクリーンを動作させたところ白黒のコ
ントラスト比が約35:1に向上した。同期させない
で、この投射表示用スクリーンを駆動するとコントラス
トは約15:1に低下し、フリッカーが観測された。
表示装置系を設定し、実験室の照明をストロボ照明と
し、60Hzで駆動した。照明の駆動信号と同期させ
て、投射表示用スクリーンを動作させたところ白黒のコ
ントラスト比が約35:1に向上した。同期させない
で、この投射表示用スクリーンを駆動するとコントラス
トは約15:1に低下し、フリッカーが観測された。
【0057】(実施例4)CRTを投射管として用いた
後方投射型テレビの、フレネルレンズとブラックストラ
イプ付きレンチキュラーレンズを組み合わせた後方投射
用スクリーン(スクリーンゲインが5)観察者側に実施
例1と同様に液晶固化物複合体を透明接着層により接着
した。
後方投射型テレビの、フレネルレンズとブラックストラ
イプ付きレンチキュラーレンズを組み合わせた後方投射
用スクリーン(スクリーンゲインが5)観察者側に実施
例1と同様に液晶固化物複合体を透明接着層により接着
した。
【0058】200Hzの矩形波電圧(70V)を液晶
固化物複合体に印加した状態では、正面方向に視角を持
った表示が得られた。電圧を50Vに落としたところ、
正面方向での輝度は1/2に落ちたが、視角は広がっ
た。周波数を50Hzの正弦波(実効値:70V)とし
たところフリッカーが見られた。周波数を固定したま
ま、電圧を140Vとしたところフリッカーは大きく低
減した。
固化物複合体に印加した状態では、正面方向に視角を持
った表示が得られた。電圧を50Vに落としたところ、
正面方向での輝度は1/2に落ちたが、視角は広がっ
た。周波数を50Hzの正弦波(実効値:70V)とし
たところフリッカーが見られた。周波数を固定したま
ま、電圧を140Vとしたところフリッカーは大きく低
減した。
【0059】
【発明の効果】本発明では、投射表示用スクリーンとし
て、液晶が固化物中に分散保持された液晶固化物複合体
を電極間に挟持してなる液晶固化物複合体からなる液晶
光学機能層を、スクリーンゲインが2以上の第1のスク
リーンに密着して配置した複合されたスクリーン構成を
用いているため、液晶固化物複合体への電圧の印加によ
りスクリーンゲインを可変とできる投射表示用スクリー
ンが得られる。外光強度や、視野角などの投射環境、あ
るいは投射目的に応じてスクリーン特性を調整すること
が可能である。
て、液晶が固化物中に分散保持された液晶固化物複合体
を電極間に挟持してなる液晶固化物複合体からなる液晶
光学機能層を、スクリーンゲインが2以上の第1のスク
リーンに密着して配置した複合されたスクリーン構成を
用いているため、液晶固化物複合体への電圧の印加によ
りスクリーンゲインを可変とできる投射表示用スクリー
ンが得られる。外光強度や、視野角などの投射環境、あ
るいは投射目的に応じてスクリーン特性を調整すること
が可能である。
【0060】また、本発明では、外部信号との同期でス
クリーンを動作させることにより外光の表示への悪影響
を防ぎ表示コントラストを向上させたり、逆に通常に投
影される画像情報以外の情報を入れこむことにより複数
情報の同時表示または時分割表示なども可能となる。
クリーンを動作させることにより外光の表示への悪影響
を防ぎ表示コントラストを向上させたり、逆に通常に投
影される画像情報以外の情報を入れこむことにより複数
情報の同時表示または時分割表示なども可能となる。
【0061】さらに、液晶固化物複合体として固化物を
樹脂としたものを用いることにより、対角50インチを
超えるような大面積スクリーンも生産性よく製造でき、
用途に応じた液晶固化物複合体付き複合スクリーンを得
ることができる。
樹脂としたものを用いることにより、対角50インチを
超えるような大面積スクリーンも生産性よく製造でき、
用途に応じた液晶固化物複合体付き複合スクリーンを得
ることができる。
【0062】また、光透過性のよい液晶固化物複合体を
用いているために、本来の光量を損なうことなくスクリ
ーンゲインの電圧変調が可能であり、明るく視角が可変
であるスクリーンが提供される。本発明は、このほか、
本発明の効果を損しない範囲内で種々の応用が可能であ
る。
用いているために、本来の光量を損なうことなくスクリ
ーンゲインの電圧変調が可能であり、明るく視角が可変
であるスクリーンが提供される。本発明は、このほか、
本発明の効果を損しない範囲内で種々の応用が可能であ
る。
【図1】本発明の投射スクリーンであり、前方投射型の
場合の配置図。
場合の配置図。
【図2】本発明の投射スクリーンであり、背面投射用ス
クリーンの場合の配置図。
クリーンの場合の配置図。
1、7:液晶固化物複合体 2:第1のスクリーン 3:投射型表示装置 4、5:観察者 6:電圧印加手段 8:フレネルレンズ 9:レンチキュラーレンズ 10、11:電極付き基板 12:投射光
Claims (4)
- 【請求項1】投射画像を表示するスクリーンであって、
第1のスクリーンと透過散乱型の液晶光学機能層とが組
み合わされて複合スクリーンが形成され、その総合スク
リーンゲインが可変されることを特徴とする投射表示用
スクリーン。 - 【請求項2】請求項1の投射表示用スクリーンにおい
て、液晶光学機能層が対向電極間に液晶が固化物中に分
散保持された液晶固化物複合体層であることを特徴とす
る投射表示用スクリーン。 - 【請求項3】請求項1または2の投射表示用スクリーン
において、2以上のスクリーンゲインを有する第1のス
クリーンに液晶光学機能層が密着せしめられてなること
を特徴とする投射表示用スクリーン。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項の投射表示用
スクリーンにおいて、液晶光学機能層への印加電圧を可
変する手段が設けられ、印加電圧の変化によって液晶光
学機能層の光の透過率が変化せしめられ、投射画像の光
が液晶光学機能層を通過し、第1のスクリーンで反射さ
れて得られる総合スクリーンゲインが可変されることを
特徴とする投射表示スクリーン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5055148A JPH06242511A (ja) | 1993-02-19 | 1993-02-19 | 投射表示用スクリーン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5055148A JPH06242511A (ja) | 1993-02-19 | 1993-02-19 | 投射表示用スクリーン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06242511A true JPH06242511A (ja) | 1994-09-02 |
Family
ID=12990681
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5055148A Pending JPH06242511A (ja) | 1993-02-19 | 1993-02-19 | 投射表示用スクリーン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06242511A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000075410A (ja) * | 1998-08-31 | 2000-03-14 | Nikon Corp | プロジェクト用表示装置 |
US6392726B2 (en) | 1994-03-16 | 2002-05-21 | Fujitsu Limited | Screen and production display apparatus using the same |
US7035007B2 (en) | 2003-03-28 | 2006-04-25 | Olympus Corporation | Reflection screen apparatus and projection system using the same |
WO2012150703A1 (ja) * | 2011-05-02 | 2012-11-08 | シャープ株式会社 | 映像表示システム、投射型表示装置、指向性反射スクリーン及び画層表示装置 |
WO2016150112A1 (zh) * | 2015-03-23 | 2016-09-29 | 中兴通讯股份有限公司 | 一种调节显示屏亮度的方法及装置 |
JPWO2018164282A1 (ja) * | 2017-03-10 | 2020-01-09 | 大日本印刷株式会社 | 調光フィルム及び調光システム、調光部材 |
JPWO2020230258A1 (ja) * | 2019-05-14 | 2020-11-19 |
-
1993
- 1993-02-19 JP JP5055148A patent/JPH06242511A/ja active Pending
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JPWO2020230258A1 (ja) * | 2019-05-14 | 2020-11-19 | ||
WO2020230258A1 (ja) * | 2019-05-14 | 2020-11-19 | 日本電信電話株式会社 | 表示装置とその方法 |
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