JPH06242289A - プラント運転制御方法ならびにその制御装置 - Google Patents

プラント運転制御方法ならびにその制御装置

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JPH06242289A
JPH06242289A JP5025633A JP2563393A JPH06242289A JP H06242289 A JPH06242289 A JP H06242289A JP 5025633 A JP5025633 A JP 5025633A JP 2563393 A JP2563393 A JP 2563393A JP H06242289 A JPH06242289 A JP H06242289A
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JP
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Pending
Application number
JP5025633A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Yamauchi
清 山内
Takenori Shindou
丈典 進藤
Shigeo Hattori
成雄 服部
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Hitachi Ltd
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】実用性の高いプラント運転制御方法ならびに装
置を提供する。 【構成】機器構成材料の現象に及ぼす各種影響因子のそ
れぞれについて、任意の影響因子に着目して、他の影響
因子の度合いを一定とし、その着目した影響因子の大き
さと現象の程度の間の第1の関数を求め、各種影響因子
の基準の度合いを決めて、各種影響因子が前記基準値を
とるときの現象の程度の第2の関数を求め、前記第1の
関数と第2の関数の比を演算して、着目した影響因子の
細分化指数の関数とし、つぎに前記各影響因子の細分化
指数の関数の積に補正係数を掛け合わせて、前記現象が
起こり得る可能性を表すF−指数を式2より求め、この
F−指数のマトリツクスの各要素が、式1を満足するよ
う環境の制御運転を行う。 F≧h(t,r) 式(1) [F:F−指数,t:材料の環境助長割れ寿命,r:信
頼水準,h:関数] [Fj〔Xj(t)〕:影響因子jの細分化指数,Fz
i:細分化機器固有指数]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば原子炉などのプ
ラントの運転制御方法ならびにその制御装置に係り、特
に機器構成材料の環境助長割れを防ぐのに好適なプラン
ト運転制御方法ならびにその制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】材料の環境助長割れなどを防止するため
に、例えば特公昭63−19838号、特公平2−25
435号、特開昭63−231298号、特開昭64−
84189号特開昭64−84192号、特開平1−1
02396号などに記載された提案がある。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】これらの従来の提案で
は、総じて次のような問題がある。
【0004】(1)環境助長割れ防止において、水素注
入量を制御する際の目安となる応力腐食割れと溶存酸素
の関係あるいは応力腐食割れと腐食電位の関係は、試験
片を用い、応力や材料の鋭敏化などを加速して求めた実
験データに基づくものである。従って該当プラントの応
力腐食割れポテンシャル箇所に対しては過剰すぎること
があり、最適な水素量注入制御とは言えない。
【0005】(2)前述の提案による環境規制は、例え
ば、溶存酸素が60ppbになった場合、または腐食電
位が−230mV以上になった場合、大量に水素を注入
することになってしまうが、これも過剰制御運転であ
り、副作用の心配がある。
【0006】それは現在の既設プラントも含めて溶存酸
素が180〜300ppb、腐食電位が0〜+100m
Vで運転されており(特開平1−127999号参
照)、既設プラントは約20年を経過している。これら
のプラントに対して規準の溶存酸素量や基準の腐食電位
を越えたからと言って、大量に水素を注入するのは、そ
の規制条件が不完全であるため過剰制御運転になり易い
と言える。
【0007】(3)水素注入量の制御が、タービン側へ
の放射性窒素酸化物の抑制との適正化が図られる必要が
ある。
【0008】本出願人は、先に「機器構成材料の特性信
頼性の評価方法」を提案した(特開平4−305155
号)。この発明は、機器構成材料の現象に及ぼす各種影
響因子の度合いを知って、その機器構成材料の特性に対
する信頼性を評価する方法で、前記各種影響因子のそれ
ぞれについて、任意の影響因子に着目して、他の影響因
子の度合いを一定とし、その着目した影響因子の大きさ
と現象の程度の間の第1関数を求め、各種影響因子の基
準の度合いを決めて、各種影響因子が基準値をとるとき
の現象の程度の第2関数を求める。
【0009】そして前記第1関数と第2関数の比を演算
して、着目した影響因子の細分化指数の関数とし、次に
各種影響因子の細分化指数の関数の積に補正係数を掛け
合わせて、前記現象が起こり得る可能性を表す指数とす
ることを特徴とするものである。
【0010】本発明は、この提案にさらに改良を加え、
実用性の高いプラント運転制御方法ならびにその制御装
置ムを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、機器構成材料の腐食損傷防止のためのプ
ラント運転制御方法において、前記機器構成材料の現象
に及ぼす各種影響因子のそれぞれについて、任意の影響
因子に着目して、他の影響因子の度合いを一定とし、そ
の着目した影響因子の大きさと現象の程度の間の第1の
関数を求めて、各種影響因子の基準の度合いを決めて、
各種影響因子が前記基準値をとるときの現象の程度の第
2の関数を求め、前記第1の関数と第2の関数の比を演
算して、着目した影響因子の細分化指数の関数とし、つ
ぎに前記各影響因子の細分化指数の関数の積に補正係数
を掛け合わせて、前記現象が起こり得る可能性を表すF
−指数を求め、この指数と材料の環境助長割れ寿命の相
関関係より、健全条件領域を求め、 F≧h(t,r) 式(1) F:F−指数 t:材料の環境助長割れ寿命 r:信頼水準 h:関数 当該プラントの機器部位自体のF−指数の経過状況を表
わす関係において、少なくとも、1つ以上の影響因子に
着目した場合、その影響因子の大きさの変数Xjを時間
の関数として表し、 Xj(t) その影響因子jの細分化指数Fjをその変数Xj(t)
の関数として表し、 Fj〔Xj(t)〕 さらに前記制御対象物固有の静的データに基づく機器部
位特有の指数を機器固有指数とし、細分化機器固有指数
をFziとすると、全体のF−指数は次に式(2)のよ
うに表せ、そのF−指数を演算する。
【0012】
【数2】
【0013】このF−指数のマトリツクスの各要素が、
前記式(1)を満足するよう環境の制御運転を行うこと
を特徴とするものである。
【0014】上記目的を達成するため、さらに本発明
は、機器構成材料の腐食損傷防止のためのプラント運転
制御装置において、前記機器構成材料の周囲の環境を検
出する各種センサと、その機器構成材料の腐食損傷防止
に関する情報を入力する入力手段と、前記各種センサと
入力手段とによつて入力された情報に基づいて、演算、
指令する制御手段とを備え、その制御手段が、現象に及
ぼす各種影響因子のそれぞれについて、任意の影響因子
に着目して、他の影響因子の度合いを一定とし、その着
目した影響因子の大きさと現象の程度の間の第1の関数
を求めて、各種影響因子の基準の度合いを決めて、各種
影響因子が前記基準値をとるときの現象の程度の第2の
関数を求め、前記第1の関数と第2の関数の比を演算し
て、着目した影響因子の細分化指数の関数とし、つぎに
前記各影響因子の細分化指数の関数の積に補正係数を掛
け合わせて、前記現象が起こり得る可能性を表すF−指
数を求め、この指数と材料の環境助長割れ寿命の相関関
係より、健全条件領域を求め、 F≧h(t,r) 式(1) F:F−指数 t:材料の環境助長割れ寿命 r:信頼水準 h:関数 当該プラントの機器部位自体のF−指数の経過状況を表
わす関係において、少なくとも、1つ以上の影響因子に
着目した場合、その影響因子の大きさの変数Xjを時間
の関数として表し、 Xj(t) その影響因子jの細分化指数Fjをその変数Xj(t)
の関数として表し、 Fj〔Xj(t)〕 さらに前記制御対象物固有の静的データに基づく機器部
位特有の指数を機器固有指数とし、細分化機器固有指数
をFziとすると、全体のF−指数は次に式(2)のよ
うに表せ、そのF−指数を演算する。
【0015】
【数2】
【0016】このF−指数のマトリツクスの各要素が、
前記式(1)を満足するよう環境の制御運転を行うよう
に構成されていることを特徴とするものである。
【0017】
【作用】本発明によれば、機器材料の応力腐食割れの度
合を現わすF−指数(以下、F−indexと記す)に
より、プラントの運転制御を行うので、材料の環境助長
割れ防止のための制御がより適正化される。
【0018】
【実施例】次に本発明の実施例を図とともに説明する。
図1は実施例に係るプラント運転制御方法を説明するた
めのフローチヤート、図2はその実施例に係るプラント
運転制御装置のブロツク図である。
【0019】まず、図2を用いてプラント運転制御装置
の全体構成について説明する。原子炉圧力容器1の炉心
で生成した水蒸気は主蒸気管2を通り、高圧タービン3
及び低圧タービン4に導かれて発電を行う。発電後の蒸
気は復水器5を経由して、復水ポンプ・脱塩装置8を通
った後、再び給水ポンプ・給水加熱系9を通って原子炉
圧力容器1に送り込まれる。なお、復水器5で脱気され
た排ガスは、排ガス処理装置及びスタック7を通じて排
出される。
【0020】再循環系10の途中には、応力腐食割れ影
響因子の各情報を検知するための各種センサー群18が
設けてある。また炉浄化系13ならびに圧力容器1の炉
心にも同様なセンサー群12、19をダブルチェックの
ために設けてある。さらにタービン系には線量計20が
設置されている。
【0021】制御システム本体16のコンピュータに
は、各センサー群12、18、19から情報変換器17
を通じて、応力腐食割れ影響因子の各情報が入力され
る。制御システム本体16は水素ガス・NOX ガスの注
入制御系15に接続されている。なお、図中の11は炉
水浄化系、14は水素ガス・NOX ガス源、21は各種
データを入力するキーボードなどの入力装置である。
【0022】次に図1を用いて水素ガス,NOX ガスの
注入制御につてい説明する。
【0023】応力腐食割れ寿命に及ぼす各種影響因子を
環境データと、材料・応力データと、制御対象物固有の
静的データとに大分する。
【0024】前記環境データとしては、例えば炉水中の
溶存酸素、溶存過酸化水素、溶存水素、導電率、温度、
酸化窒素、腐食電位、亀裂発生・進展の状態量、PHな
どがある。
【0025】前記材料・応力データとしては、例えば機
器構成材料のサイズ、化学成分、材料の機械的強度、硬
さ、機器構成材料に作用する応力、熱応力、歪み、残留
応力、応力集中係数、リラクゼーション、結晶粒径、析
出物などの治金的知識の状態量などがある。
【0026】前記制御対象物固有の静的データとして
は、例えば他のプラントの事例有無、補修有無、隙間先
端構造の状態などがある。
【0027】これら環境データ、材料・応力データ、制
御対象物固有の静的データは、各種センサー群12、1
8、19から情報変換器17を通して、あるいは入力装
置21を通して制御システム本体16に入力される。
【0028】前記各種影響因子のそれぞれについて、任
意の影響因子に着目して、他の影響因子の度合いを一定
とし、その着目した影響因子の大きさと現象の程度の間
の第1の関数を求める。
【0029】各種影響因子の基準の度合いを決めて、各
種影響因子が前記基準値をとるときの現象の程度の第2
の関数を求める。
【0030】そして前記第1の関数と第2の関数の比を
演算して、着目した影響因子の細分化指数の関数とし、
つぎに前記各影響因子の細分化指数の関数の積に補正係
数を掛け合わせて、前記現象が起こりえる可能性を表す
F−indexという指数とし、この指数と材料の環境
助長割れ寿命の相関関係より、健全条件領域を求める。
【0031】 F≧h(t,r) 式(1) F:F−index t:材料の環境助長割れ寿命 r:信頼水準 h:関数 一方、当該プラントの機器部位自体のF−indexの
経過状況を表わす関係において、少なくとも、1つ以上
の影響因子に着目した場合、その影響因子の大きさの変
数Xjを時間の関数として表し、 Xj(t) その影響因子の細分化指数Fjをその変数Xj(t)の
関数として表し、 Fj〔Xj(t)〕 さらに前記制御対象物固有の静的データに基づく機器部
位特有の指数を機器固有指数とし、細分化機器固有指数
をFziとすると、全体のF−indexは次に式
(2)のように表せ、そのF−indexを演算する。
【0032】
【数2】
【0033】このF−index計算のための入力、計
算、判断(判定)を刻々と行うと共に、タービン系の線
量を線量計20で計測し、同様に刻々と計算、判断す
る。Rは線量を示し、R=l(t)は線量の経時変化を
表わし、このRが、段階mに応じて設定される許容線量
f(m)以下を満足するか否かを判定し、許容線量f
(m)を超えていなければ水素ガスやNOX ガスの注入
量を決定して、ガス注入制御系より水素ガスやNOX
スを注入するシステムになっている。
【0034】図3は、F−indexと応力腐食割れ
(SCC)開始時間との関係を図示したものである。
【0035】機器材料の応力腐食割れに対する信頼度の
評価方法として、応力腐食割れ寿命に及ぼす各種影響因
子の重畳度と寿命裕度の関係を表すものとして、F−i
ndexは応力腐食割れ寿命と各種影響因子の重畳度合
いの間の関係を定量的を指数で表したものである。図3
において、斜線部分はF<h(t,r)の関係にあり、
応力腐食割れ(SCC)が発生する領域を示し、白い部
分がF≧h(t,r)の関係にあって応力腐食割れ(S
CC)が発生しない健全領域を示している。
【0036】F−indexの定式化は、図4に示す手
順で行なう。
【0037】S1:機器構成材料の応力腐食割れに影響
する各因子について、影響因子iの大きさXiと損傷寿
命tiとの関係式を求める。この方法は信頼度の高い実
験データ・理論式などを用いてパラメトリック最小二乗
法や多項式回帰で決定する。
【0038】S2:基準寿命系Rを設定する。基準寿命
系Rには、構成している影響因子の度合いやその寿命挙
動が解明できる寿命系を選ぶ。この基準寿命系Rでの影
響因子iの大きさXiと損傷寿命tiとの関係式を求め
る。
【0039】S3:各影響因子iの細分化指数を導出す
る。着目した影響因子iについての前記S1の関係式の
寿命時間を基準寿命系Rの影響因子iの大きさのときの
寿命時間で割る。すなわち、影響因子iの大きさXiが
基準寿命系Rと同じになるとき、細分化指数が1になる
ようノーマライズする。
【0040】S4:全影響因子の細分化指数の積をF−
indexとして、そのF−indexを求める。
【0041】
【数3】
【0042】F:F−index Fi :影響因子iの細分化指数 θ:補正係数 S5:信頼水準rをもったF−indexと応力腐食割
れ開始時間の相関関係より、目標時間trに対応する目
標のF−index(Ft)を得る。前述のようにF−
indexの指数と材料の環境助長割れ寿命の相関関係
より、健全条件領域を求める。
【0043】 F≧h(t,r) 式(1) F:F−index t:材料の環境助長割れ寿命 r:信頼水準 h:関数 一方、当該プラントの機器部位自体のF−indexの
経過状況を表わす関係において、少なくとも、1つ以上
の影響因子に着目した場合、その影響因子の大きさの変
数Xjを時間の関数として表し、 Xj(t) その影響因子jの細分化指数Fjをその変数Xj(t)
の関数として表し、 Fj〔Xj(t)〕 さらに前記制御対象物固有の静的データに基づく機器部
位固有の指数を機器固有指数とし、細分化機器固有指数
をFziとすると、全体のF−indexは次に式
(2)のように表せ、そのF−indexを演算する。
【0044】
【数2】
【0045】このF−indexのクトリツクスの各要
素が、前記式(1)を満足するよう環境の制御運転(例
えば水素ガスあるいはNOxガスの注入)を行う。
【0046】このシステムを用い、F−indexを多
数の試験片より得た応力腐食割れ試験データに適用し、
図3に示すようなF−indexと応力腐食割れ寿命の
解析結果に基づく、SCC開始時間の関係を得る。
【0047】前述の機器部位固有指数Fzの構成例を示
すと以下のようになる。下記のような簡便な関係式を導
入し、 h(x)=(1+x)/2 g(x)=(1−x)/2 但し、式中のxは±1のみの値とする。 a)他のプラントの事例有無の細分化部位固有指数:F
1 Fz1 =g(x) 他のプラントの事例有:x=+1 他のプラントの事例無:x=−1 他のプラントの事例がある場合、当該プラント部位に対
し、F−indexは自動的に零(0)になるように計
算し、F−indexによる応力腐食割れ(SCC)可
能性の評価に対して、注意を促しながら予防保全の見直
しを十分に行うものである。
【0048】b)補修有無の細分化部位固有指数:Fz
2 Fz2 =g(x)×10 10 他のプラントの補修有:x=+1 他のプラントの補修無:x=−1 他のプラントにおいて補修歴がある場合、すなわち損傷
に対する補修だけでなく、予防保全による補修の経歴が
ある場合、当該プラントにおける該当部位に対し、F−
indexを10 10 に表示し、予防保全の見直しを詳
細に行うものである。
【0049】c)隙間先端構造の細分化部位固有指数:
Fz3 Fz3 =g(x)×10 20 溶接構造 :x=+1 非溶接構造:x=−1 当該プラントの該当部位における隙間構造の先端が溶接
されている場合(片側開口)と、先端が溶接されておら
ず開口している場合(両側開口)では、隙間と言っても
応力腐食割れ(SCC)に及ぼす影響が異なる。そのた
め本指数を導入して、F−indexを10 20 と表示
すれば、F−indexの詳細計算を行い、場合によっ
ては隙間の細分化部位固有指数:Fz3 を隙間形状を含
む内容とすることもできる。隙間形状とは、隙間の接触
時の密着度、隙間の広さ、隙間の周辺長さにおける開口
部長さの割合などである。
【0050】図3に示されているように、F−inde
xの値が小さいほど応力腐食割れ(SCC)発生が短時
間で発生しやすい、すなわち、応力腐食割れ寿命が短い
ことを意味しており、F−indexと応力腐食割れ寿
命の間には相関性があることを示している。したがっ
て、図中の斜線部分は応力腐食割れ発生のポテンシャル
がある領域、反対に白い部分は健全領域である。式で表
せば、斜線以外の健全領域は、前述の式(1)で表され
る。
【0051】従って、図中の健全領域でプラントを運転
すれば良いことになる。例えば、当該プラントの機器の
うち、応力腐食割れ防止が必要な各箇所に対し、環境デ
ータ、材料・応力データならびに制御対象物固有の静的
データなどの情報をともに、F−indexを刻々と計
算し、当該プラントのF−indexの時間変化を求め
る。
【0052】この結果が図中のように、現時点がαの点
であるとする。そして、応力腐食割れ対策の面から、β
の点までF−indexの値を上げて長寿命化しようと
する場合、α点からβ点まで、健全領域にあるように運
転するならば、どのような経路であっても良いことにな
る。
【0053】なお図中に示す如く、α点からいきなり所
定量の水素ガスを注入して(ロ)の経路を辿るよりも、
(イ)の経路のように水素ガスを除々に注入してF−i
ndexを緩やかに上げて、β点に達するようにする方
が、水素注入に対するプラントのレスポンスを詳しく解
析しながら、注意深く環境変化を行うことができるの
で、プラント材料の環境助長割れを防止技術として優れ
ている。
【0054】本発明によるプラント運転方法の一例を図
5〜図7を用いて説明する。図5は炉水中の溶存酸素濃
度、溶存過酸化水素濃度、腐食電位、導電率の経時変化
と水素ガスの注入状態を示す図、図6はF−index
値の変化を示す図、図7はF−index値と応力腐食
割れ(SCC)開始時間との関係を示す特性図である。
【0055】当該プラントは図7に示す如く、応力腐食
割れ防止対象箇所(制御対象箇所)のうち、最小のF−
indexは10の値の場合であり、約1年間、水素ガ
スを注入せずに運転された事例を示している。
【0056】その後、図中に示す如く、浄化系の改造な
どにより、炉水の純度を高め、導電率を低減することに
より、F−indexの値を10から30に高めた場合
である(点1から点2へ変化)。次にβ点を目標に長寿
命化を図ることから、F−indexの値を30から5
0にするため(点2から点3にすること)、微量の水素
ガスを注入する。
【0057】しかし、図5に示す如く、F−index
の値を50以上に維持して運転している途中で、水質に
変動があったことを想定したものであるが、環境デー
タ、材料・応力データならびに制御対象物固有の静的デ
ータなどで決まるF−indexの値の経時変化は図6
の如くになる。このF−indexの経時変化を、図7
にプロットすると、点3→点4→点5→点6となる。こ
の図から明らかなように、これら水質変動があっても応
力腐食割れを発生しない健全領域にあることが分る。
【0058】したがって、本発明では水素ガス注入制御
法として、当該プラントの応力腐食割れ対策が必要な箇
所のうちの最も応力腐食割れの可能性の大きな所に着目
して、その箇所のF−indexの値を制御するように
水質を変化させるようにしたものであり、より現実的な
制御となっている。
【0059】また、タービン側の線量のコントロールと
組合せているので、プラントの運転制御がシステマテッ
ク化されて容易となる。すなわち、本発明によれば、過
剰に水素を注入することなく、また、タービン側の線量
も増大することなく、プラントを健全に運転できる。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、機器材料の応力腐食割
れの度合を現わすF−indexという指数により、プ
ラントの運転制御を行うので、材料の環境助長割れ防止
のための制御がより適正化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るプラント運転制御方法を
説明するためのフローチヤートである。
【図2】その実施例に係る原子力発電設備におけるプラ
ント運転制御装置のブロツク図である。
【図3】F−indexとSCC開始時間との関係を示
す特性図である。
【図4】F−indexの算出の手順を示すフローチャ
ートである。
【図5】影響因子の経時変化と水素ガスの注入状態を示
す図である。
【図6】F−indexの経時変化を示す図である。
【図7】F−indexとSCC開始時間との関係を示
す特性図である。
【符号の説明】
1 原子炉圧力容器 10 再循環系 12、18、19 センサー群 13 炉浄化系 14 水素ガス、NOx源 15 ガス注入制御系 16 制御システム本体 17 情報変換器 20 線量計 21 入力装置
フロントページの続き (72)発明者 服部 成雄 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機器構成材料の腐食損傷防止のためのプ
    ラント運転制御方法において、 前記機器構成材料の現象に及ぼす各種影響因子のそれぞ
    れについて、任意の影響因子に着目して、他の影響因子
    の度合いを一定とし、その着目した影響因子の大きさと
    現象の程度の間の第1の関数を求めて、 各種影響因子の基準の度合いを決めて、各種影響因子が
    前記基準値をとるときの現象の程度の第2の関数を求
    め、 前記第1の関数と第2の関数の比を演算して、着目した
    影響因子の細分化指数の関数とし、 つぎに前記各影響因子の細分化指数の関数の積に補正係
    数を掛け合わせて、前記現象が起こり得る可能性を表す
    F−指数を求め、この指数と材料の環境助長割れ寿命の
    相関関係より、健全条件領域を求め、 F≧h(t,r) 式(1) F:F−指数 t:材料の環境助長割れ寿命 r:信頼水準 h:関数 当該プラントの機器部位自体のF−指数の経過状況を表
    わす関係において、少なくとも、1つ以上の影響因子に
    着目した場合、その影響因子の大きさの変数Xjを時間
    の関数として表し、 Xj(t) その影響因子jの細分化指数Fjをその変数Xj(t)
    の関数として表し、 Fj〔Xj(t)〕 さらに前記制御対象物固有の静的データに基づく機器部
    位特有の指数を機器固有指数とし、細分化機器固有指数
    をFziとすると、 全体のF−指数は次に式(2)のように表せ、そのF−
    指数を演算する。 【数2】 このF−指数のマトリツクスの各要素が、前記式(1)
    を満足するよう環境の制御運転を行うことを特徴とする
    プラント運転制御方法。
  2. 【請求項2】 機器構成材料の腐食損傷防止のためのプ
    ラント運転制御装置において、 前記機器構成材料の周囲の環境を検出する各種センサ
    と、 その機器構成材料の腐食損傷防止に関する情報を入力す
    る入力手段と、 前記各種センサと入力手段とによつて入力された情報に
    基づいて、演算、指令する制御手段とを備え、 その制御手段が、 現象に及ぼす各種影響因子のそれぞれについて、任意の
    影響因子に着目して、他の影響因子の度合いを一定と
    し、その着目した影響因子の大きさと現象の程度の間の
    第1の関数を求めて、 各種影響因子の基準の度合いを決めて、各種影響因子が
    前記基準値をとるときの現象の程度の第2の関数を求
    め、 前記第1の関数と第2の関数の比を演算して、着目した
    影響因子の細分化指数の関数とし、 つぎに前記各影響因子の細分化指数の関数の積に補正係
    数を掛け合わせて、前記現象が起こり得る可能性を表す
    F−指数を求め、この指数と材料の環境助長割れ寿命の
    相関関係より、健全条件領域を求め、 F≧h(t,r) 式(1) F:F−指数 t:材料の環境助長割れ寿命 r:信頼水準 h:関数 当該プラントの機器部位自体のF−指数の経過状況を表
    わす関係において、少なくとも、1つ以上の影響因子に
    着目した場合、その影響因子の大きさの変数Xjを時間
    の関数として表し、 Xj(t) その影響因子jの細分化指数Fjをその変数Xj(t)
    の関数として表し、 Fj〔Xj(t)〕 さらに前記制御対象物固有の静的データに基づく機器部
    位特有の指数を機器固有指数とし、細分化機器固有指数
    をFziとすると、 全体のF−指数は次に式(2)のように表せ、そのF−
    指数を演算する。 【数2】 このF−指数のマトリツクスの各要素が、前記式(1)
    を満足するよう環境の制御運転を行うように構成されて
    いることを特徴とするプラント運転制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004526243A (ja) * 2001-03-01 2004-08-26 フィッシャー−ローズマウント システムズ, インコーポレイテッド プロセスプラント内の指標の作成と表示
KR100868179B1 (ko) * 2001-03-28 2008-11-12 웨스팅하우스 일렉트릭 컴퍼니 엘엘씨 보수 디스플레이
JP2010038789A (ja) * 2008-08-06 2010-02-18 Toshiba Corp 原子炉構造材の腐食抑制方法

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