JPH0933684A - 予防保全方法及び予防保全装置 - Google Patents

予防保全方法及び予防保全装置

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JPH0933684A
JPH0933684A JP18024895A JP18024895A JPH0933684A JP H0933684 A JPH0933684 A JP H0933684A JP 18024895 A JP18024895 A JP 18024895A JP 18024895 A JP18024895 A JP 18024895A JP H0933684 A JPH0933684 A JP H0933684A
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maintenance
damage
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plant
crack
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Haruo Fujimori
治男 藤森
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラントの機器の損傷発生防止に最適な予防
保全計画を立案する。 【構成】 機器の損傷発生の可能性を示す損傷発生可能
性指標と、機器の損傷発生がプラントの安全性に及ぼす
影響を示す機器重要度指標とにより、保全を適用すべき
プラント機器の優先度を順位付けし、保全対策のコスト
と難易度とを示す経済性評価指標と損傷発生可能性指標
とから適用すべき保全対策の優先度を順位付けし、更
に、対策の前後での亀裂の発生/進展挙動の比較によ
り、対策による改善効果と対応までの時間的裕度を定量
評価し、定期検査スケジュールとの整合をとって、安全
性と経済性の高いプラント機器の予防保全計画を立案す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力発電プラントや
火力発電プラント等のプラントにおける機器の損傷発生
を未然に防止する予防保全方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プラントを構成する機器に関しては、材
料,環境,応力等の種々の因子に影響されて確率的に生
じる亀裂発生現象の評価指標が未確立であった。このた
め、予防保全を優先すべき機器の摘出や予防保全効果の
把握に必要なプラント機器の寿命予測を行なうことがで
きなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、亀裂
の発生可能性の評価手法及び亀裂の発生/進展挙動を予
測して機器の寿命を評価する手法を確立し、プラント機
器の最適な予防保全計画を立案することを可能にするこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、プラン
トを構成する複数の各機器について保全の優先度を順位
付けして対策する予防保全において、損傷発生の可能性
の大きさに関する損傷発生可能性指標と損傷発生時のプ
ラントへの影響の大きさに関する機器重要度指標に基づ
いて安全性を評価して保全を適用すべき機器の優先度を
順位付けし、保全を適用すべき各機器について、予防保
全と事後保全の経済性の指標を比較して保全対策の優先
度を順位付けし、これらの優先度に基づき保全計画の素
案を作成し、現状及び対策後の機器の寿命の予測結果の
比較に基づいて各機器についての最適な保全計画を立案
することにある。
【0005】確率的挙動を示す亀裂発生/進展挙動を、
確率論的に取扱う亀裂発生期と、決定論的に取扱う亀裂
進展期との2つに分けて評価し、亀裂の発生確率に対応
して予防保全の優先度を位置付けし、亀裂の発生/進展
挙動から機器の寿命を予測する。
【0006】前記機器の寿命の予測は、亀裂が定常的な
進展を開始するまでの亀裂潜伏時間を、材料,水質及び
応力に関する影響因子と基準条件における亀裂潜伏時間
との積として定量し、亀裂潜伏期間と定常的な進展にお
ける亀裂進展速度とから亀裂長さの経時変化を予測し、
亀裂長さが当該機器を使用することが可能な限界亀裂長
さに到達する時点までを予測することを特徴とする。
【0007】
【作用】亀裂発生は、確率的に生じる。影響因子とし
て、例えば、高温水中のステンレス鋼の場合、粒界Cr
濃度,降伏応力,導電率,pH,腐食電位,残留応力等
がある。これらの影響因子は、一般的には独立ではなく
相互に影響し合うが、材料因子(粒界Cr濃度等),環
境因子(導電率,pH,腐食電位等)及び応力因子(残
留応力,降伏応力等)は独立と見なせる。これらの影響
因子による亀裂発生への影響の度合(材料因子の影響度
合=Fmat,環境因子の影響度合=Fenv,応力因子の影
響度合=Fstr)を基準条件の亀裂潜伏時間の実験デー
タT0の係数として求めておくと、プラントの任意条件
における亀裂潜伏時間Tは、基準条件での亀裂潜伏期間
とこれらの影響因子の積として求めることができる。
【0008】T=T0×(Fmat×Fenv×Fstr) ここで、亀裂潜伏時間Tとは、定常的な亀裂進展挙動に
移行する境界の亀裂深さa0に到達するまでの時間であ
る。この亀裂潜伏時間Tそのもの、あるいは材料,環
境,応力因子の積は、亀裂発生可能性を表す指標として
利用することができる。亀裂潜伏時間Tに達した後(t
≧T)の亀裂進展挙動a(t)は、前記影響因子を構成
する各種パラメータを入力とする亀裂進展速度da/d
tを用いて決定論的に予測できる。
【0009】a(t)=a0+(da/dt)dt 従って、亀裂発生/進展挙動は、前記手法で予測でき
る。機器を使用可能な限界の亀裂長さ(限界亀裂長さ)
は破壊靱性等から決定できるので、これと亀裂長さの予
測挙動との比較により機器の寿命を予測でき、プラント
機器の最適な予防保全計画の立案することを可能とな
る。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0011】図1は、予防保全計画立案のフローを示し
ている。評価フローは、安全性評価110と経済性評価
120に大別している。安全性評価110は、更に、万
一損傷が発生した場合のプラントへの影響度を示す機器
重要度の評価ステップ111と、損傷発生の可能性を示
す損傷発生可能性の評価ステップ112に分けられてい
る。
【0012】図2は、前記機器重要度評価ステップ11
1における機器重要度指標Sの評価フローを示してい
る。加圧水型原子炉あるいは沸騰水型原子炉を用いた原
子力発電プラントにおいては、核燃料物質を含む原子炉
圧力容器等の圧力境界を構成する機器の健全性が最も重
要であり、次いで、万一の異常事態発生に対応する緊急
炉心冷却系等の安全保護系が重要である。また、通常運
転時のプラントの健全性は運転制御系によって確保され
る。これらの機器のプラント健全性及び安全性への影響
の大きさ(万一損傷が発生した場合のプラント健全性へ
の影響)を尺度にランク分けする指標Sが作成される。
例えば、沸騰水型原子炉圧力容器の再循環水入口ノズル
には指標S=5,緊急炉心冷却用の高圧スプレイ配管及
び制御棒スクラム駆動系には指標S=4,制御棒精密駆
動系には指標S=3等、6段階のS値分類に対してS=
0〜5の指標値を与えてランク付けする。この場合、指
標Sの値が大きいほど安全性への影響が大きい機器であ
る。定期検査等による点検で十分に対応できる機器等の
ように安全上特に問題にならない機器については指標S
=0とし、通常の定期検査以外の予防保全対策は不要と
判断する値とする。
【0013】損傷発生可能性評価処理112において
は、前述した亀裂潜伏時間の定量手法に準じ、亀裂潜伏
時間そのものか、あるいは材料,環境(水質)及び応力
の影響因子の積を指標Fとする。山内等が提案(第38
回腐食防食討論会A−103,1991年)している寿
命指数も利用できる。これに、他のプラント等での損傷
事例がある場合には、その重み付けを行なう。原子力発
電プラントの炉内機器のように中性子照射の影響を無視
できない場合には、中性子照射量が高い場合等に対応し
て、更に重み付けを行なってもよい。これらを加味した
指標を、損傷発生可能性指標F*とする。
【0014】図3は、前記損傷発生可能性指標F*の評
価フローの一例を示している。先ず、任意の機器を選択
し、指標F評価の入力データとなる材料特性等の劣化因
子データ、例えば、ステンレス鋼中の炭素濃度,溶接残
留応力等の値を該当機器に関する設計値を利用して求め
る。損傷事例がある場合には、損傷原因の分析に基づ
き、前記評価データを適宜見直す。また、適切な実測デ
ータがある場合にも評価データを見直し、劣化因子を求
める。その結果得られた指標Fに基づいて該当機器のラ
ンク分類を行なう。損傷事例がある場合には、損傷発生
確率についても、該事例に基づき評価し、損傷事例の重
みをランク付けし、これを加味した損傷発生可能性指標
*を求める。例えば、先ず、F値に関しては、その大
きさに応じて変数fFを以下のように求める。
【0015】F<10の場合、 fF=3 10≦F<100の場合、 fF=2 100≦F<1000の場合、fF=1 F≧1000の場合、 fF=0 また、該当機器に関して他のプラントにおいて損傷事例
がある場合には、その原因分析(構造,材質,施工,環
境,運転条件等に分類)に基づいて同じ原因による損傷
発生可能性のあるプラント機器を対象に発生確率を評価
し、例えば、損傷発生確率に関する変数fPを以下のよ
うに決める。
【0016】発生確率P≧50%の場合、fP=3 25%≦P<50%の場合、fP=2 5%≦P<25%の場合、 fP=1 P<5%の場合、 fP=0 ここで、損傷発生確率を評価するための情報が不足する
場合には、安全側の評価とするために、fP=3とお
く。中性子照射が劣化原因となる原子力発電プラントの
炉内機器に対しては、例えば、中性子照射量に関する変
数fNを以下のように決めて、その影響を加味する。
【0017】 照射量D≧0.5dpaの場合、 fN=2 0.1≦D<0.5dpaの場合、fN=1 D<0.1dpaの場合、 fN=0 以上の変数を用いて、例えば、以下の関係式から損傷発
生可能性指標F*を数値化することができる。
【0018】F*=10×{(fF/3)+(fP/3)
+(fN/2)} この関係式では、損傷発生可能性が指標F*=0〜30
の範囲の値に分類されることになり、この値が大きいほ
ど損傷発生の可能性が高い。例えば、F*<5の場合に
は、損傷発生可能性が工学的な意味においてゼロと見な
し、図1に示すように、保全対策は不要と判断して通常
の定期検査に供すればよい。一方、F*>20の場合に
は、損傷が発生する可能性がかなり高いと判断するが、
この場合にも、該当機器がプラント安全上全く問題なけ
れば、監視のみを行なって、損傷が顕在化した段階で交
換/補修を適用すればよい。
【0019】ステップ113における機器重要度判断に
おいて、安全上重要であり、且つステップ114におけ
る損傷発生可能性判断で損傷発生の可能性を無視できな
い機器については、ステップ115において機器重要度
指標と損傷発生可能性指標の積の大小等を利用し、機器
重要度指標S及び損傷発生可能性指標F*に応じた予防
保全の優先度を順位付けする。例えば、この機器重要度
指標S及び損傷発生可能性指標F*に対しては、M=S
×F*=0〜150であり、この値が大きい順に保全対
策を検討/準備する。
【0020】経済性評価処理ステップ120に関して
は、予防保全及び監視/事後保全のコストと開発難易度
の指標とから経済性指標を作成し、対策の優先度を順位
付けする。監視/事後保全は、機器重要度の指標が小さ
い機器に対する保全対策の選択肢の1つとなり得る。ま
た、監視/事後保全の組み合わせの他に監視/予防保全
の組み合わせもある。
【0021】図4は、経済指標Eの評価フローを示して
いる。先ず、該当機器、次いで対策の種類を選択する。
事後保全及び予防保全について施工コストを評価する。
ここには、保全工法の開発費及び施工中に停止するプラ
ント損失も計上する。図1に示した開発の難易度は、開
発費に含まれる。事後保全の場合には、損傷発生から対
策着工までの施工準備期間のプラント損失も計上する。
更に、事後保全及び予防保全の場合には、材料特性等が
改善されるので、これらに対応した評価データを見直
し、改善後の劣化因子を求めておく。これらの劣化因子
は、図1に示したフローにあるように、改善後の損傷発
生可能性指標F*を求めるのに使用する。一方、状態監
視に移行する場合には、モニタ類の施工コストを監視/
点検コストに含めたフローとなっている。これらの評価
結果を基に、経済性指標Eを求める。経済性指標Eとし
ては、コストそのものが直接的指標として好適である。
【0022】ステップ121では、経済性指標Eの小さ
い順に対策/保全工法の優先度を決定して順位付けす
る。
【0023】ステップ122,123では、経済性指標
Eで優先度の順位付けを行なった対策/工法について、
適用した場合の損傷発生可能性指標を求め、対策前と比
較して、損傷発生可能性を工学的な意味でゼロと見なせ
る程度に十分改善されることを確認する。損傷発生可能
性指標が十分に改善されない場合には、その工法を不適
当として除外し、次の順位の工法について、再び損傷発
生可能性を検討して改善効果の大なる対策を摘出する。
このように、保全の優先度と対策の優先度とから、予防
保全計画の素案を作成する。
【0024】そして、前記手法で絞り込まれた保全対象
機器に対する保全対策の有効性については、更に亀裂の
発生/進展挙動評価により定量的に評価する。
【0025】ステップ116,117においては、対策
前、すなわち現状での亀裂発生/進展挙動を予測し、前
述した寿命の考え方に基づいて対策を何時までに実施す
べきかを把握する。万一、亀裂が存在している場合に
は、検査で得られた亀裂長さ等の測定結果を利用して亀
裂進展挙動を予測する。
【0026】また、ステップ124,125において
は、対策の効果について、万一亀裂が発生しても該亀裂
の進展が十分に遅く、工学的な意味で亀裂の進展を無視
できるかどうかを確認する。
【0027】ステップ130では、以上の結果から、機
器毎の予防保全計画を立案することができる。予防保全
工事は、一般的にはプラントを停止して行なわれる。こ
のため、予防保全計画は、プラントの定期検査スケジュ
ールとの整合をとり、可能な限り該定期検査期間中を外
れての保全工事を避けてプラントの稼働率の向上を図
り、予防保全計画を最適化する。定期検査スケジュール
は、定期検査に必要な機材及び人員確保の状況を合わせ
て考慮して設定する。
【0028】以上の各ステップを計算機を利用して処理
するようにすることにより、所望のプラント及び機器に
ついての最適な予防保全計画を一層容易に作成すること
ができる。安全性評価に必要な材料,環境,応力等の入
力データ及び経済性評価に必要な保全工法のコスト等の
入力データは、プラントの各機器毎にデータベース化し
ておき、適宜更新するようにする。また、損傷事例は、
材料,環境,応力等の損傷発生可能性評価及び寿命評価
に必要なデータを含めて随時追加する。プラント,機器
の選択及び予防保全計画の評価結果は、計算機と接続し
た表示装置に表示して対話型で処理し、評価結果を確認
しながら条件を変えて繰り返し処理することもできるよ
うにする。
【0029】図5は、このような予防保全計画の立案を
支援する予防保全装置の一例を示している。この予防保
全装置は、データベース記憶装置1,データ処理装置
2,入力装置3及び出力装置4を備える。データベース
記憶装置1としては、磁気ディスク等のコンピュータ用
記憶装置を用いる。データ処理装置2としては、ワーク
ステーションやパーソナルコンピュータ等のコンピュー
タを用いる。入力装置3としては、キーボード,マウ
ス,ペンタブレット等を用いる。複数種類の入力装置3
を用意して目的に応じて使い分けると便利である。出力
装置4としては、CRTディスプレイ,プリンタ等を用
いる。複数種類の出力装置4を用意して目的に応じて使
い分けると便利である。特に、予防保全計画を策定する
過程における対話型処理のための出力装置4としては、
CRTディスプレイまたは液晶ディスプレイ等の図形/
文字表示装置が好適である。一方、最終的な予防保全計
画6の確認/保存用には、プリンタが好適である。
【0030】データベース記憶装置1には、前述したよ
うに、プラント及び機器に対する入力データ5が記憶さ
れており、且つ必要に応じて随時更新される。保全計画
を検討したいプラントをマウス等の入力装置3で指示す
ると、データ処理装置2は、図1に示したフローに従っ
て、各機器の優先度及び対策の優先度を出力装置4とし
ての表示装置上に表示さにる。機器の優先度に関して
は、プラントの模式図上に損傷発生可能性指標を疑似カ
ラーマッピングすることにより、直感的に把握できるよ
うにする。機器及び対策の優先度については、必要に応
じて、データ処理装置2の出力結果を変更して引き続く
処理を実行させることができるようにする。引き続く亀
裂発生/進展挙動の評価結果は、亀裂長さの経時変化を
機器毎にグラフで表示するか、損傷発生可能性指標の場
合のように、例えば、設計上の寿命時点における亀裂長
さの大小を疑似カラーマッピングにより確認できるよう
にする。対策による改善効果も、同様に、表示装置を使
って直感的に確認できるようにする。保全対策の実施時
期とプラント定期検査スケジュールとの整合/干渉につ
いては、例えば、定期検査スケジュールと亀裂進展挙動
との並列表示を実行することにより、容易に確認できる
ようにする。データ処理装置2の内部では、定期検査ス
ケジュールも勘案して、最適な対策の種類及び時期を評
価して出力する。出力結果は、必要に応じて、データベ
ース記憶装置1に記憶することができるようにする。
【0031】図6は、材料因子を粒界Cr欠乏の指標で
ある電気化学的再活性化率の関数、環境因子を腐食電位
及び導電率の関数、応力因子を負荷応力及び残留応力の
関数として表した場合の、損傷発生可能性指標Fと応力
腐食割れ発生開始時間との相関を示す。これらの影響因
子での整理は、原子力発電プラントのように、高温水中
のステンレス鋼の損傷発生可能性評価に有効である。最
短の亀裂潜伏時間に対する各種影響因子の関数形は、図
7に示すように、応力腐食割れ実験における亀裂発生の
指数分布プロット{ハザード関数H(t)(供試した全
試料数と時間tにおいて健全な状態で残っている試料数
との比の対数)を時間tに対してプロットしたもの}の
時間軸切片(例えば、t1,t2,t3)の各パラメータ
(例えば、x)に対する依存性として得られる。同様な
データ整理を、損傷発生可能性指標に影響を与える総て
のパラメータy,z,…について行なう。
【0032】図8は、応力腐食割れの亀裂発生までの時
間と、損傷発生可能性指標との相関を示している。亀裂
の発生は、損傷発生可能性指標での予測よりも後に発生
しており、損傷発生可能性指標が安全側の評価指標とな
っている。図8において、表面改質による損傷発生可能
性指標の変化は約2倍であり、予防保全工法の候補とし
て摘出される。
【0033】図9は、表面改質の有無による亀裂発生/
進展挙動を比較しており、亀裂進展が十分遅く、予防保
全工法として適していることを示している。また、対策
前の亀裂潜伏時間は、対策までの時間的裕度を示してい
る。これらの対策前後の亀裂発生/進展挙動の評価結果
は、対策の有効性を確認する好適な手段として利用する
ことができる。
【0034】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
損傷発生可能性指標と機器重要度指標に基づいて保全を
適用すべきプラント機器の優先度を順位付けすると共に
予防保全と事後保全の経済性の指標を比較して保全対策
の優先度を順位付けし、更に、亀裂発生/進展挙動予測
により対策の効果の定量的な把握と対応までの時間的裕
度を把握することにより、プラント機器毎に最適な予防
保全計画を立案して実行することが可能となり、プラン
トの安全性と経済性を一層向上することができる効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる予防保全計画立案のフローチャー
トである。
【図2】図1に示した本発明になる予防保全計画立案の
フローにおける機器重要度評価ステップの機器重要度指
標Sの評価フローチャートである。
【図3】図1に示した本発明になる予防保全計画立案の
フローにおける損傷発生可能性評価ステップの損傷発生
可能性指標F*の評価フローチャートである。
【図4】図1に示した本発明になる予防保全計画立案の
フローにおける経済性評価ステップの経済指標Eの評価
フローチャートである。
【図5】本発明になる予防保全計画の立案を支援する予
防保全装置のブロック図である。
【図6】損傷発生可能性指標Fと応力腐食割れ発生開始
時間との相関を示す特性図である。
【図7】最短の亀裂潜伏時間に対する各種影響因子の関
数形を示す特性図である。
【図8】応力腐食割れの亀裂発生までの時間と損傷発生
可能性指標との相関を示す特性図である。
【図9】表面改質の有無による亀裂発生/進展挙動を比
較する特性図である。
【符号の説明】
110 安全性評価処理 111 機器重要度評価ステップ 112 損傷発生可能性評価ステップ 113 機器重要度判断ステップ 114 損傷発生可能性判断ステップ 115 予防保全優先度付けステップ 116 現状での亀裂発生/進展挙動予測ステップ 117 対策の時間的裕度評価ステップ 120 経済性評価処理 121 対策/保全工法優先度付けステップ 124 対策後の亀裂発生/進展挙動予測ステップ 130 予防保全計画立案ステップ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラントを構成する複数の各機器につい
    て保全の優先度を順位付けして対策する予防保全方法に
    おいて、 損傷発生の可能性の大きさに関する損傷発生可能性指標
    と損傷発生時のプラントへの影響の大きさに関する機器
    重要度指標に基づいて安全性を評価して保全を適用すべ
    き機器の優先度を順位付けし、保全を適用すべき各機器
    について、予防保全と事後保全の経済性の指標を比較し
    て保全対策の優先度を順位付けし、これらの優先度に基
    づき保全計画の素案を作成し、現状及び対策後の機器の
    寿命の予測結果の比較に基づいて各機器についての最適
    な保全計画を立案することを特徴とする予防保全方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記経済性の指標
    は、コスト及び難易度に基づいて作成することを特徴と
    する予防保全方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記機器の寿命の予
    測は、亀裂が定常的な進展を開始するまでの亀裂潜伏時
    間を、材料,水質及び応力に関する影響因子と基準条件
    における亀裂潜伏時間との積として定量し、亀裂潜伏期
    間と定常的な進展における亀裂進展速度とから亀裂長さ
    の経時変化を予測し、亀裂長さが当該機器を使用するこ
    とが可能な限界亀裂長さに到達する時点までを予測する
    ことを特徴とする予防保全方法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、機器に発生する損傷
    現象は、原子力発電プラントにおける圧力腐食割れを対
    象とすることを特徴とする予防保全方法。
  5. 【請求項5】 プラントを構成する複数の機器の材料,
    施工条件及び運転条件等の損傷発生可能性指標の評価用
    データ,各種対策工法のコスト及び難易度等の経済性指
    標の評価用データ及び機器重要度指標の評価データをデ
    ータベースとして記憶する記憶装置と、プラントを構成
    する機器の選択範囲の入力並びに保全計画の検討結果の
    出力を行なう入出力/表示装置と、入出力を対話型で前
    記データを処理するデータ処理装置を備え、 前記複数の機器について、損傷発生の可能性の大きさに
    関する損傷発生可能性指標と損傷発生時のプラントへの
    影響の大きさに関する機器重要度指標とから安全性を評
    価して保全を適用すべき機器の優先度を順位付けし、保
    全を適用すべき各機器について、予防保全と事後保全の
    経済性の指標を比較して保全対策の優先度を順位付け
    し、これらの優先度に基づいて保全計画の素案を作成
    し、現状及び対策後の機器の寿命の予測結果の比較に基
    づいて最適な保全計画を立案するようにしたことを特徴
    とする予防保全装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、機器に発生する損傷
    現象は、原子力発電プラントにおける応力腐食割れを対
    象とすることを特徴とする予防保全装置。
JP18024895A 1995-07-17 1995-07-17 予防保全方法及び予防保全装置 Pending JPH0933684A (ja)

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