JPH06241897A - 分光装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 連続移動するシート状対象物９０の全面につ
いて正確にオンラインで自動的に色彩検査をする。 【構成】 複数個のレンズ１１と、複数個のスリット１
２と、各スリット１２を通過した各光線を反射する第１
凹面鏡１３と、第１凹面鏡１３が反射した各光線が入射
する各部分には回折格子面１４ａがそれぞれ形成された
多段回折格子１４と、多段回折格子１４から出た各回折
光を反射する第２凹面鏡１５と、第２凹面鏡１５が反射
した各回折光を受光検出する２次元イメージセンサ１６
と、２次元イメージセンサ１６が検出した情報を処理す
る情報処理装置とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、連続して移動するシ
ート状対象物に印刷または塗付されている色材の色彩の
オンライン検査などに用いられる分光装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】図３及び図４は従来のオンライン色彩検
査装置を示す。図４は、連続移動するシート状対象物９
０の表面をＣＣＤカメラ５０で全幅に亙って連続撮影
し、その映像からＲ（赤），Ｇ（緑），Ｂ（青）の３原
色成分を求め、対象物９０の色彩を調べるものである。
図３はスポット分光装置３０による色彩検査装置であ
る。図３（Ｃ）に示すように、連続移動するシート状対
象物９０の表面のある一箇所から出る光を、図３（Ａ）
に示すように、レンズ３１で集光し、スリット３２を通
過した光を第１凹面鏡３３で反射させ、図３（Ｂ）に示
すような回折格子３４に当て、その回折分光を第２凹面
鏡３５で反射させて１次元イメージセンサ３６にそのス
ペクトルを受光させて分光特性を測定して色彩を調べ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の色彩検査装置又
は分光装置は上記のようであるが、図４に示す装置は、
ＣＣＤカメラ５０によりシート状対象物９０の全面をオ
ンラインで色彩検査することができるが、ＲＧＢの色情
報から判断するものであるので色彩判定精度が不十分で
ある。また、図３に示す装置は、分光してスペクトルの
各波長の光度を調べるので正確であるが、シート状対象
物９０のある１箇所の情報だけで全面の情報が得られな
いというような課題があった。

【０００４】この発明は上記のような課題を解消するた
めになされたもので、連続移動するシート状対象物の全
面について正確にオンラインで自動的に色彩検査をする
ことができる分光装置を得ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明に係る分光装置
は、対象物の幅方向の各点から出る光をそれぞれ集光す
る複数個のレンズと、この各レンズを通過した各光線を
それぞれ通過させる複数個のスリットと、この各スリッ
トを通過した各光線を反射する第１凹面鏡と、この第１
凹面鏡が反射した各光線が入射する各部分には回折格子
面がそれぞれ形成された多段回折格子と、この多段回折
格子の各回折格子面から出射した各回折光を反射する第
２凹面鏡と、この第２凹面鏡が反射した各回折光を受光
検出する２次元イメージセンサと、この２次元イメージ
センサが検出した情報を処理する情報処理装置とを具備
するものである。

【０００６】

【作用】この発明による分光装置において、複数個の各
スリットは、対象物の幅方向の各点から出て対応する各
レンズを通過した光線をそれぞれ通過させる。第１凹面
鏡は、各スリットを通過した各光線を反射して多段回折
格子に導く。多段回折格子の各回折格子面は、入射した
各光線を回折分光して各回折光を出射する。第２凹面鏡
は、この各回折光を反射して２次元イメージセンサに導
く。２次元イメージセンサは、この各回折光を受光して
各回折光の各波長について光度情報を検出する。情報処
理装置は、２次元イメージセンサが検出した各回折光の
各波長における光度情報、すなわち、前記対象物の各点
に対する色彩の情報を処理する。

【０００７】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図１はこの発明による分光装置の構成を示し、図
２はこの発明による分光装置の適用例を示す。図２にお
いて、９０はシート状の長い対象物、１０はこの発明に
よる分光装置である。対象物９０は流れるように連続移
動しており、レンズ列１１及びスリット列１２を有する
この分光装置１０は、この対象物９０の全幅にわたる各
点毎に光を収集してそれぞれ分光し、各スペクトルにつ
いて波長毎に光度を測定することにより、対象物９０の
全面について正確にオンラインで色彩を検査するもので
ある。

【０００８】図１（Ａ）に示すように、この分光装置に
おいて、レンズ列１１は複数個のレンズ（非球面マイク
ロレンズ）を一列に並べた状態に形成されている。スリ
ット列１２も、レンズ列１１のレンズの個数と同じ複数
個のスリットを並べたものである。スリット列１２の各
スリットは、レンズ列１１の対応する各レンズを通過し
てシート状対象物９０の幅方向の対応する各点から来る
各光線がそれぞれ集光する位置、すなわち、レンズ列１
１の対応する各レンズにより、対象物９０の対応する各
点の実像ができる箇所に設けられている。第１凹面鏡１
３は、スリット列１２を通過した各光線を反射して多段
回折格子１４に導くように設けられ、第２凹面鏡１５
は、多段回折格子１４で回折分光された各回折光を反射
して２次元イメージセンサ１６に導くように設けられて
いる。

【０００９】多段回折格子１４は、図１（Ｂ）及び
（Ｃ）に示すように、スリット列１２のスリット数と同
じ数の複数個の格子面１４ａが形成され、各格子面１４
ａの間には所定の幅の平坦な凹部１４ｃが形成されてい
る。多段回折格子１４はガラス等の透明材で作られ、格
子面１４ａには、細い線が１mm当り数百本というような
正確な間隔で切られて回折格子が形成されている。

【００１０】第１凹面鏡１３，多段回折格子１４，第２
凹面鏡１５及び２次元イメージセンサ１６の形状及び関
係位置及び姿勢は、図１（Ａ）において、スリット列１
２の１個のスリットを通過した光線について例示した
が、他のスリットを通過した光線も、この例示した光線
経路にほぼ平行な同様な経路となるように、形成され、
設置されている。すなわち、スリット列１２の各スリッ
トを通過した各光線は、第１凹面鏡１３で反射されて、
多段回折格子１４の対応する各格子面１４ａに所定の角
度でそれぞれ入射し、各格子面１４ａにより、光の波長
によって決まる異なる角度で出射する回折光が、２次元
イメージセンサ１６の各対応範囲に波長の順に並ぶよう
にそれぞれ入射して、２次元イメージセンサ１６の面に
各スリットを通過した光線毎にそれぞれスペクトルを形
成するようになっている。

【００１１】次に、この分光装置の動作について説明す
る。図２（Ａ）又は（Ｂ）に示すように、高速で流れる
ように移動する長いシート状対象物９０は、図示しない
上流側（図では左方）で連続して着色または図柄等が印
刷され、図の右方で例えば巻き取られる。分光装置１０
は、この連続移動する対象物９０の表面に印刷された図
柄等が所定の色彩であるか否かをオンラインで検査し
て、若し、所定の色彩から離れていれば直ちに所要の処
置をとるようにするものである。

【００１２】そのため、図２において、対象物９０の表
面を例えば標準的な所定の光度で均一に照明をして運転
をする。図２（Ａ）又は（Ｂ）に示すように、対象物９
０の全幅にわたる各箇所から出る光がレンズ列１１の各
レンズによって集光される。スリット列１２の各スリッ
トは、対応するレンズ列１１の各レンズについて対象物
９０の表面の対応する各箇所の実像ができる位置に設け
られているので、対応する各箇所からの光が、他の方向
からの光より格段に強くスリットに当ることになり、レ
ンズ列１１の各レンズで集光された対象物９０の対応す
る各箇所から出る光のみがスリット列１２の各スリット
をそれぞれ通過するといってよい。

【００１３】図１（Ａ）において、レンズ列１１のある
レンズで集光された対応する対象物９０のある箇所から
出た光のみがスリット列１２の対応するスリットを通過
し、ほぼレンズ列１１のレンズ幅に対する角度で広がる
光線となって第１凹面鏡１３に当たる。第１凹面鏡１３
は、凹面鏡であるので、入射した光線を集束させる傾向
で反射し、多段回折格子１４の格子面１４ａに当てる。
図示のように例えば、レンズ列１１の最上部のレンズか
らスリット列１２の最上部のスリットを通過した光線
は、多段回折格子１４の最上部の格子面１４ａに当たる
ように配置されている。

【００１４】多段回折格子１４の各格子面１４ａに所定
の角度で入射した各光線は、所定の均一な間隔で細い線
が切られた各格子面１４ａで回折を生じて波長によって
異なる一定の角度で各格子面１４ａから出射する。各格
子面１４ａから異なる一定の角度で出射した各回折光
は、第２凹面鏡１５に当たって反射して２次元イメージ
センサ１６に当たる。第１凹面鏡１３及び第２凹面鏡１
５の凹面の曲率は、スリット列１２の実像が２次元イメ
ージセンサ１６の受光面に形成されるように形成されて
配置されているので、多段回折格子１４の各格子面１４
ａで分光された各回折光は、２次元イメージセンサ１６
の受光面で波長に従って並ぶ各スペクトルとなる。２次
元イメージセンサ１６はこの各スペクトルを受光して波
長毎の光度を検出する。

【００１５】各光線が多段回折格子１４の各格子面１４
ａに当たって回折分光されるとき、隣接する格子面１４
ａの間には所定の幅で凹部１４ｃが形成されており、隣
接する光線の境界部のものはこの凹部１４ｃに当たっ
て、図１（Ｃ）に示すように、ガラス等の透明体である
多段回折格子１４を通過してしまうので、隣接する光線
の境界部は除去され、各格子面１４ａで回折分光されて
出射するとき、各回折光の間の隣接する不鮮明な部分は
除去され、２次元イメージセンサ１６は、対象物９０の
各箇所のスペクトルを鮮明に受光する。

【００１６】図示しない情報処理装置は、２次元イメー
ジセンサ１６が検出した各スペクトルの波長毎の光度の
検出値を処理してデータとし、予めこの情報処理装置内
に記憶させておいた色彩の波長毎の光度のデータと比較
して差異を算出する。例えば、算出した差異が許容範囲
外になりそうな場合は、例えば、直ちに印刷色材の調整
をするというような処置をとる。

【００１７】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、複数
個のレンズ及びスリットが、対象物の全幅にわたる各箇
所から出る各光線をそれぞれ取り入れ、多段回折格子の
各格子面でそれぞれ分光し、２次元イメージセンサで各
回折光を受光して波長毎の光度を検出するようにしたの
で、対象物の全幅にわたり正確に自動的にオンラインで
色彩を検査することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例による分光装置を示し、
（Ａ）は構成図、（Ｂ）は多段回折格子の斜視図、
（Ｃ）は多段回折格子の動作を示す斜視図である。

【図２】この発明の一実施例による分光装置の適用例を
示し、（Ａ）はその一例の斜視図、（Ｂ）は他の一例の
斜視図である。

【図３】従来の分光装置を示し、（Ａ）は構成図、
（Ｂ）は回折格子の斜視図、（Ｃ）は全体斜視図であ
る。

【図４】従来のＣＣＤカメラによる色彩検査装置の全体
斜視図である。

【符号の説明】

１０：分光装置、１１：レンズ列、１２：スリット列、
１３：第１凹面鏡、１４：多段回折格子、 １４ａ：格
子面、 １４ｃ：凹部、１５：第２凹面鏡、１６：２次
元イメージセンサ、９０：対象物。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 対象物の幅方向の各点から出る光をそれ
   ぞれ集光する複数個のレンズと、この各レンズを通過し
   た各光線をそれぞれ通過させる複数個のスリットと、こ
   の各スリットを通過した各光線を反射する第１凹面鏡
   と、この第１凹面鏡が反射した各光線が入射する各部分
   には回折格子面がそれぞれ形成された多段回折格子と、
   この多段回折格子の各回折格子面から出射した各回折光
   を反射する第２凹面鏡と、この第２凹面鏡が反射した各
   回折光を受光検出する２次元イメージセンサと、この２
   次元イメージセンサが検出した情報を処理する情報処理
   装置とを具備する分光装置。