JPH0623910A - 断面材とガラスの接着方法及びその方法で得られたガラス - Google Patents

断面材とガラスの接着方法及びその方法で得られたガラス

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JPH0623910A JP5111713A JP11171393A JPH0623910A JP H0623910 A JPH0623910 A JP H0623910A JP 5111713 A JP5111713 A JP 5111713A JP 11171393 A JP11171393 A JP 11171393A JP H0623910 A JPH0623910 A JP H0623910A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有害な塩素を実質的に含まない処理剤を用い
て、ガラス、特に自動車用のガラスと断面材とを高い強
度と持続性を有して接着させる方法及びその方法によっ
て得られたガラス材を提供する 【構成】 断面材で被覆されるガラスの面をオルガノシ
ラン助剤、及び塩素化ポリオレフィンを基礎とする組成
物で処理した後、断面材をガラス上に注型する。断面材
はオレフィン系熱可塑性樹脂、中でも充填材入りアセチ
レンプロピレンジエンモノマー系ポリプロピレンが、塩
素化ポリオレフィンの分子量は1000〜300000、中でも10
000 〜100000が、オルガノシラン助剤はエポキシシラン
を含むことがそれぞれ好ましい。更に、処理剤を堆積さ
せた後にガラスを80℃より高い温度に上げること、また
熱可塑性樹脂の注入の際にガラスを80℃より高い温度に
保持することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性樹脂断面材(the
rmoplastic profile) のガラスへの接着方法に関する。
この断面材は種々の方法、例えば封入(encapsulate) 、
押出によって得ることができる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】熱可塑
性樹脂断面材は、特にガラスの周囲に形成することがで
きるが、ガラスの任意の他の箇所で、例えば駆動ミラー
のベースとの接合のためにも使用することができる。本
発明は幅広い用途や特性を有するが、ここでは熱可塑性
樹脂断面材(またはジョイント)によるガラスの封入ま
たは被覆成形(overmoulding)の方法の場合について特に
検討した。
【0003】ガラス、特に自動車用ガラスは2つの方法
で封入できる。1つの方法は反応射出成形法(RIM法)で
あり、ガラスの周囲に熱硬化性ポリマーを形成するため
に、2成分の反応性混合物を型に注入することよりな
る。例えば、ポリオール成分とイソシアネート成分を注
入して、封入ジョイントとしてのポリウレタンを形成す
る。この方法はかなり高度に複雑な型を必要とする欠点
があり、かなり高い製造コストにつながる。
【0004】もう1つの方法は、熱可塑性材料の注入に
よりガラスの上に被覆成形断面材を形成することよりな
る。この製造コストは RIM法のコストよりも安い。しか
しながら熱可塑性樹脂の射出成形は高い圧力を必要とす
る。このためこの方法は大きなガラス、例えば自動車の
リヤウインド、フロントガラスにはあまり適さず、その
高い圧力の作用によって損傷することがある。しかし、
小さいガラス、例えば自動車のサイドウインドには極め
て適切である。
【0005】現在のところ使用されている熱可塑性樹脂
はポリ塩化ビニル(PVC) である。しかしながら、 PVC封
入ジョイントの中の塩素の存在は、特にプラスチック材
料をリサイクルする必要があるときに問題となることが
ある。また、PVC に含まれる可塑剤が或る車体の塗料を
劣化させることがある。本発明はこの方法の改良に関係
し、詳しくは熱可塑性樹脂での被覆成形断面材の形成を
含んでなる。本発明はPVC とは異なるタイプの熱可塑性
樹脂の使用を提案する。この熱可塑性樹脂はエラストマ
ー、より詳しくはオレフィンの熱可塑性樹脂(またはオ
レフィンマトリックスを有する)、例えば充填剤入りEP
IM(アセチレンプロピレンジエンモノマー)系ポリプロ
ピレンに関係する。
【0006】これらの熱可塑性樹脂は非極性であり、他
の材料、特にガラスと親和性が乏しい欠点がある。従っ
て本発明は、詳しくはオレフィンマトリックス、具体的
には充填剤入りEPIM系ポリプロピレンを有する熱可塑性
樹脂の注入によって封入ジョイントの接着を可能にする
ガラスの封入のための方法に関係する。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用効果】本発明にし
たがうと、少なくとも封入ジョイントで覆われるべきガ
ラスの面の上に、少なくとも1種のオルガノシランを基
礎にした処理と、少なくとも1種の塩素化ポリオレフィ
ンを基礎にした組成物(以降は「下塗り組成物」と称
す)での処理を行う。このタイプのポリオレフィンはオ
レフィンの熱可塑性樹脂と親和性を有し、オルガノシラ
ンを用いることによって、一方で封入ジョイントとの、
他方でガラスまたは所望によりガラスを覆うエナメル層
(enamelled layer) との十分な永続性のある結合をもた
らす。
【0008】本発明にしたがうと、他の材料との乏しい
親和性を有するオレフィン熱可塑性樹脂によって生じた
問題は、熱可塑性樹脂断面材をガラス、特に自動車ガラ
スに接着するための方法によって結果的に解決し、この
方法は、少なくとも覆われるべきガラスの面を、オルガ
ノシラン助剤と、分子量が1000〜300000、好ましくは10
000 〜100000の塩素化ポリオレフィンを基礎にした組成
物で処理することを含んでなる。
【0009】本発明による1つの態様において処理は2
段階で行う。即ち、最初の段階で熱可塑性樹脂断面材を
受けるガラスの部分の上に少なくとも1種のオルガノシ
ランを基礎にした層を堆積させ、次の段階でこの最初の
層の上に少なくとも1種の塩素化ポリオレフィンを基礎
にした組成物を堆積させる。本発明による別の有益な態
様において、ガラス(一般にガラスの周囲)の断面材を
受ける部分の上に、塩素化ポリオレフィンを基礎にして
オルガノシランを含む組成物を堆積させることによる1
つだけの段階の処理を行う。
【0010】本発明の特徴によると、下塗り組成物の堆
積は周囲温度で行い、次いで少なくとも80℃の温度で熱
処理する。好ましい態様によると、熱可塑性樹脂を注入
したときにガラスを80℃より高い温度に保つ。このため
ガラスと断面材との接着は更に改良される。本発明によ
る方法は、同様な接着剤のタイプによくあるようなイソ
シアネートを取り扱う操作を必要としない長所がある。
【0011】本発明はさらに、例えばガラスの周囲全体
にわたる封入ジョイント(または断面材)を有し、この
ジョイントまたは断面材はエラストマー熱可塑性樹脂、
好ましくはオレフィン系熱可塑性樹脂であるガラス材、
特には自動車用ガラスを提案する。本発明の好ましい態
様によると、この封入ジョイントは充填剤入りEPIM系ポ
リプロピレンである。
【0012】このようにして得られたガラス材は、封入
ジョイントが塩素を含まないため、ガラス材の全ての可
能性のあるリサイクルの際またはその分解の際に、環境
を害することがない長所を有する。下塗りは塩素を含ん
だとしても堆積の際に添加するその量は実質的に無視す
ることができ、環境に対する危険がない。また可塑剤を
含まないため、ジョイントは特定の塗料の劣化の原因と
はならない。またこのタイプのジョイントは紫外線に対
する良好な特性を有する。
【0013】最終的に、本発明はガラス処理のための下
塗り組成物を提案する。本発明にしたがうと、下塗り組
成物は塩素化ポリオレフィンを基礎とし、好ましくは O
H/COOHタイプの反応座を有する改良塩素化ポリオレフィ
ンである。より詳しくは、本発明にしたがう下塗り組成
物は無水マレイン酸によってグラフト化したアイソタク
チック塩素化ポリプロピレンを基礎とする。
【0014】下塗り組成物に含まれる塩素は堆積の間の
湿潤性を確保するために十分な多い量で存在する必要が
ある。しかしその量は、接着作用を害さないように多過
ぎてはならない。本発明にしたがうと、塩素の含有率は
下塗り組成物に対して10〜40重量%、好ましくは25〜30
重量%である。
【0015】塩素化ポリオレフィンの分子量は1000〜30
0000、好ましくは10000 〜100000である。前記のように
処理工程は2段階で行うことができ、また下塗り組成物
は第2段階でオルガノシランを基礎にした層の上に堆積
させることができる。1つだけの段階の工程の場合に
は、オルガノシランは下塗り組成物の中に含まれる。
【0016】オルガノシランは好ましくはエポキシシラ
ンであり、下塗り組成物に対して0.01〜10重量%、好ま
しくは約1重量%の量で存在する。本発明の更なる特徴
と長所は次の例から理解されるであろう。
【0017】
【実施例】例1 自動車用の封入したガラスであるサイドウインドを、ガ
ラスの周囲に熱可塑性樹脂を注入することによって製造
した。この熱可塑性樹脂は充填剤入りEPIM系ポリプロピ
レンであった。
【0018】ガラスは最初、その周囲全体にわたってエ
ナメルを塗布した面を有した。無水マレイン酸でグラフ
トしたアイソタクチック塩素化ポリプロピレンを基礎と
した下塗り組成物を調製した。また、この組成物は1重
量%のグリシジル-3- オキシプロピルトリメトキシシラ
ンを有した。断面材で覆われるべきガラスのエナメルを
塗布した面を、周囲温度にてこの溶液を塗布した。次い
でガラスの温度を 140℃に上げた。次いで熱可塑性樹脂
を約200 ℃で80℃の型に注入した。熱可塑性樹脂の注入
の間、ガラスは 140℃の温度に保ち、次いでガラスを徐
冷した。
【0019】24時間後に90℃で剥離することによって接
着強度を測定した。結果はH0の記号で示す。2番目の測
定H7を、飽和湿度条件下の70℃にて7日間のエージング
の後に行った。目標値はH0では40N/cm、H7では10N/cmを
越える値である。測定値はH0では90N/cm、H7では60N/cm
であった。例2 熱可塑性樹脂の注入の際にガラスの温度を80℃を越える
温度に保持しなかった他は例1の手順を繰り返した。測
定値はH0では50N/cm、H7では30N/cmであった。
【0020】結果は依然として十分であるが、例1と比
較すると、熱可塑性樹脂注入の際にはガラスを高温に保
つことが好ましいことが分かる。例3 下塗り塗布の後にガラス温度を高くしなかった他は例2
の手順を繰り返した。H0とH7の値はいずれも10N/cmを越
えたが、目標値に対しては不十分な結果であった。例4 ガラスの周囲に熱可塑性樹脂材料を押出成形することに
よって自動車のリヤウインド用ガラスを製造した。熱可
塑性樹脂材料は充填剤入りEPIM系ポリプロピレンであっ
た。
【0021】例1に示した方法にしたがって、押出成形
の前に下塗り組成物を堆積させた。測定結果は満足でき
る値であった。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂断面材をガラス、特には自
    動車用ガラスに接着する方法であって、少なくとも被覆
    されるべき該ガラスの面をオルガノシラン助剤、及び10
    00〜300000の分子量の塩素化ポリオレフィンを基礎とす
    る組成物で処理し、熱可塑性樹脂断面材を成形すること
    を特徴とする熱可塑性樹脂断面材のガラスへの接着方
    法。
  2. 【請求項2】 被覆されるべき該ガラスの面にオルガノ
    シランを基礎とする層を堆積させ、該層を塩素化ポリオ
    レフィンを基礎とする組成物で覆うことを特徴とする請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 該ガラスの周囲にオルガノシランを含む
    塩素化ポリオレフィンを基礎とする組成物を堆積させる
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 堆積を周囲温度で行い、次いでガラスの
    温度を80℃より高い温度に上げることを特徴とする前記
    請求項のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂の注入の際にガラスを80℃
    より高い温度に保持することを特徴とする請求項4記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂材料がオレフィンマトリッ
    クス熱可塑性樹脂であることをことを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂材料が充填剤入りEPIM系ポ
    リプロピレンであることを特徴とする請求項6に記載の
    方法。
  8. 【請求項8】 ガラス、特には前記請求項1〜7のいず
    れか1項による方法の実施によって得られた断面材を有
    する自動車用ガラスであって、該断面材がエラストマー
    の熱可塑性樹脂、好ましくはオレフィン系熱可塑性樹脂
    であることを特徴とするガラス。
  9. 【請求項9】 断面材が充填剤入りEPIM系ポリプロピレ
    ンであることを特徴とする請求項8に記載のガラス。
  10. 【請求項10】 断面材が封入ジョイントであることを
    特徴とする請求項8または9に記載のガラス。
  11. 【請求項11】 断面材が押出によって得られたことを
    特徴とする請求項8または9に記載のガラス。
  12. 【請求項12】 請求項1〜7のいずれか1項のガラス
    に熱可塑性樹脂材料を接着させるための下塗り組成物で
    あって、該組成物は塩素化ポリオレフィンを基礎とし、
    分子量が1000〜300000であることを特徴とする下塗り組
    成物。
  13. 【請求項13】 下塗り組成物が改良塩素化ポリオレフ
    ィン、好ましくは無水マレイン酸でグラフト化したアイ
    ソタクチック塩素化ポリプロピレンを基礎とすることを
    特徴とする請求項12に記載下塗り組成物。
  14. 【請求項14】 塩素化ポリプロピレン中の塩素の含有
    量が、下塗り組成物の10〜40重量%、好ましくは25〜30
    重量%であることを特徴とする請求項12または13に
    記載下塗り組成物。
  15. 【請求項15】 塩素化ポリオレフィンの分子量が1000
    〜300000、好ましくは10000 〜100000であることを特徴
    とする請求項12〜14のいずれか1項に記載の下塗り
    組成物。
  16. 【請求項16】 更にオルガノシラン、好ましくはエポ
    キシシランを含むことを特徴とする請求項12〜15の
    いずれか1項記載の下塗り組成物。
  17. 【請求項17】 オルガノシランの含有量が0.01〜10
    %、好ましくは約1%であることを特徴とする請求項1
    6に項記載の下塗り組成物。
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