JPH06237933A - 特性計測装置 - Google Patents
特性計測装置Info
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- JPH06237933A JPH06237933A JP5030312A JP3031293A JPH06237933A JP H06237933 A JPH06237933 A JP H06237933A JP 5030312 A JP5030312 A JP 5030312A JP 3031293 A JP3031293 A JP 3031293A JP H06237933 A JPH06237933 A JP H06237933A
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- JP
- Japan
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- vibration
- measured
- point
- impedance
- velocity
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- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
- Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】例えば生体内の骨の特性をin−vivoで計
測する。 【構成】骨を伝搬する振動の位相速度cを、c=4・f
|xmax −xmin |に従って求め、特性インピーダンス
Z0 に対する端部の機械的インピーダンスZa の比率Z
a /Z0 を、Za /Z0 ={1−j・(vxmax/
vxmin)・tan(βx min )}/{(vxmax/
vxmin)−j・tan(βxmin )}、但し、β=2π
/(4・|xmax −xmin |)に従って求める。ただし
xmax は振動最大の点でx=0に最も近い点、xmin は
振動最小の点の中でx=0に最も近い点、vxmax,v
xminはそれぞれ点xmax ,xmin における振動速度であ
る。
測する。 【構成】骨を伝搬する振動の位相速度cを、c=4・f
|xmax −xmin |に従って求め、特性インピーダンス
Z0 に対する端部の機械的インピーダンスZa の比率Z
a /Z0 を、Za /Z0 ={1−j・(vxmax/
vxmin)・tan(βx min )}/{(vxmax/
vxmin)−j・tan(βxmin )}、但し、β=2π
/(4・|xmax −xmin |)に従って求める。ただし
xmax は振動最大の点でx=0に最も近い点、xmin は
振動最小の点の中でx=0に最も近い点、vxmax,v
xminはそれぞれ点xmax ,xmin における振動速度であ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所定方向に一次元的に
延びる被測定体の特性、即ち、被測定体中を伝搬する曲
げ波の速度や被測定体のインピーダンス特性を計測する
特性計測装置に関し、特に生体中の骨の特性をin−v
ivoで(その生体を破壊することなく生きたまま)計
測するに適した特性計測装置に関する。
延びる被測定体の特性、即ち、被測定体中を伝搬する曲
げ波の速度や被測定体のインピーダンス特性を計測する
特性計測装置に関し、特に生体中の骨の特性をin−v
ivoで(その生体を破壊することなく生きたまま)計
測するに適した特性計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より例えば建物の柱や梁等一次元的
に延びる被測定体の特性を計測する手法が種々提案され
ている。ここでは種々の提案のうち、人体の骨の特性の
計測を試みた種々の従来例についてその概略を説明す
る。骨は、身体の内部支持機能とともに頭蓋骨や胸部内
部の器官を保護する機能を有する。またこれらの機械的
機能に加えて、骨は血中や体液中のカルシウム濃度の平
衡調節にとって必要なカルシウムの動的貯蔵庫として重
要な代謝上の役割を演じている(William Bl
oom, Don W. Fawcett:A TEX
TBOOK OF HISTOLOGY, W.B.
Saunders Company 参照)。また、古
い骨は吸収(破壊)され、同じ量の新しい骨と置き換わ
っていくのである。そのバランスがとれていれば問題は
ないが、年をとるにしたがって骨の吸収と形成のバラン
スが崩れ、骨を構成する成分であるカルシウム、リン、
コラーゲンが減っていく。このような状態が長く続く
と、骨がスカスカになってしまう。これが最近注目を集
めている骨粗鬆症(Osteoporosis)と呼ば
れる病気である。アメリカでは千五百万人〜二千万人が
この病気になり、年間百二十万人が大腿骨頚部骨折を起
している。日本では、「厚生省シルバーサイエンス研究
老人性骨粗鬆症の予防及び治療法に関する総合的研究
班」が行った初の全国調査(87年)によると、新しく
生じた患者数は五万三千二百人になると推計されてい
る。さらに日本には四百万人〜五百万人の骨粗鬆症の患
者がいると考えられている。今後、老人人口が増えるに
つれ、患者数が増加していくことは確実である。
に延びる被測定体の特性を計測する手法が種々提案され
ている。ここでは種々の提案のうち、人体の骨の特性の
計測を試みた種々の従来例についてその概略を説明す
る。骨は、身体の内部支持機能とともに頭蓋骨や胸部内
部の器官を保護する機能を有する。またこれらの機械的
機能に加えて、骨は血中や体液中のカルシウム濃度の平
衡調節にとって必要なカルシウムの動的貯蔵庫として重
要な代謝上の役割を演じている(William Bl
oom, Don W. Fawcett:A TEX
TBOOK OF HISTOLOGY, W.B.
Saunders Company 参照)。また、古
い骨は吸収(破壊)され、同じ量の新しい骨と置き換わ
っていくのである。そのバランスがとれていれば問題は
ないが、年をとるにしたがって骨の吸収と形成のバラン
スが崩れ、骨を構成する成分であるカルシウム、リン、
コラーゲンが減っていく。このような状態が長く続く
と、骨がスカスカになってしまう。これが最近注目を集
めている骨粗鬆症(Osteoporosis)と呼ば
れる病気である。アメリカでは千五百万人〜二千万人が
この病気になり、年間百二十万人が大腿骨頚部骨折を起
している。日本では、「厚生省シルバーサイエンス研究
老人性骨粗鬆症の予防及び治療法に関する総合的研究
班」が行った初の全国調査(87年)によると、新しく
生じた患者数は五万三千二百人になると推計されてい
る。さらに日本には四百万人〜五百万人の骨粗鬆症の患
者がいると考えられている。今後、老人人口が増えるに
つれ、患者数が増加していくことは確実である。
【0003】従来から骨の機械的特性の診断法について
様々な研究がある。Jouristは、尺骨(Uln
a)の共振周波数を測定することによって骨の弾性応答
をin−vivoで評価した。尺骨の共振周波数と長さ
の積はこの骨の音の速度に比例する。ここで、音の速度
は密度に対するヤング率の1/2乗に比例する。ヤング
率が正常の場合と骨粗鬆症の場合で異なることを示した
(J.M.Jurist: Invivo deter
mination of the elastic r
esponse of bone I. Method
of ulnar resonant freque
ncy determination,PHY.ME
D.BIOL. vol.15, No.3 PP41
7−426)(以下「文献1」と称する)参照)。また
Thompsonは、正弦的な加振による骨の応答をモ
ニタするため、振動の駆動点における力を測定すること
によって骨の機械的な性質を評価した(G.A.Tho
mpson: In vivo determinat
ion of bone properties fr
om mechanical impeadance
measurements: Reprints, A
nnu. Sci. Meeting Aerosp.
Med. Ass., Las. Vegas, N
V, May1973, PP133−134(以下
「文献2」と称する)参照)。
様々な研究がある。Jouristは、尺骨(Uln
a)の共振周波数を測定することによって骨の弾性応答
をin−vivoで評価した。尺骨の共振周波数と長さ
の積はこの骨の音の速度に比例する。ここで、音の速度
は密度に対するヤング率の1/2乗に比例する。ヤング
率が正常の場合と骨粗鬆症の場合で異なることを示した
(J.M.Jurist: Invivo deter
mination of the elastic r
esponse of bone I. Method
of ulnar resonant freque
ncy determination,PHY.ME
D.BIOL. vol.15, No.3 PP41
7−426)(以下「文献1」と称する)参照)。また
Thompsonは、正弦的な加振による骨の応答をモ
ニタするため、振動の駆動点における力を測定すること
によって骨の機械的な性質を評価した(G.A.Tho
mpson: In vivo determinat
ion of bone properties fr
om mechanical impeadance
measurements: Reprints, A
nnu. Sci. Meeting Aerosp.
Med. Ass., Las. Vegas, N
V, May1973, PP133−134(以下
「文献2」と称する)参照)。
【0004】また、古渡千桂はインパルス衝撃法によっ
て骨折の治癒過程を定量的に評価する方法に関して述べ
た。ここでは、頚骨の長さと固有振動数から得られる、
骨密度に対するヤング率の比の値を骨の力学的特性を表
わす指標とした(C.Kowatari, Y.Nak
atuchi, A.Nomura, S.Shimo
mura, F.Kobayashi, Y.Sait
o, T.kano:The evaluation
of healing of a longbone
fracture and measurement
of mechanical properties
of tibia in vivoby impuls
e response method, 電子情報通信
学会,MEとバイオサイバネティックス研究会資料 M
BE92−51(1992−09)(以下「文献3」と
称する)参照)。
て骨折の治癒過程を定量的に評価する方法に関して述べ
た。ここでは、頚骨の長さと固有振動数から得られる、
骨密度に対するヤング率の比の値を骨の力学的特性を表
わす指標とした(C.Kowatari, Y.Nak
atuchi, A.Nomura, S.Shimo
mura, F.Kobayashi, Y.Sait
o, T.kano:The evaluation
of healing of a longbone
fracture and measurement
of mechanical properties
of tibia in vivoby impuls
e response method, 電子情報通信
学会,MEとバイオサイバネティックス研究会資料 M
BE92−51(1992−09)(以下「文献3」と
称する)参照)。
【0005】さらに、Katzは、共振周波数が5MH
zの2つのトランスデューサを用いて(22±1)°の
温度で大腿骨の縦波の伝搬時間を測定し、超音波伝搬速
度を求めた。ここで、超音波速度に対する周波数の範囲
は1MHz〜10MHzである。求めた伝搬速度を用い
て骨の異常の診断の可能性を示した(J.L.Kat
z, A.Meunier, H.S.Yoon,
P.K.Das, L.Biro, R.Mahari
dge, F.Vosburgh, P.Christ
el: An in vitro study of
normal and pathological h
uman femora, Biomechanics
in China, Japan, and U.
S.A.(1984) SCIENCE PRESS,
BEI−JING, CHINA(以下「文献4」と
称する)参照)。
zの2つのトランスデューサを用いて(22±1)°の
温度で大腿骨の縦波の伝搬時間を測定し、超音波伝搬速
度を求めた。ここで、超音波速度に対する周波数の範囲
は1MHz〜10MHzである。求めた伝搬速度を用い
て骨の異常の診断の可能性を示した(J.L.Kat
z, A.Meunier, H.S.Yoon,
P.K.Das, L.Biro, R.Mahari
dge, F.Vosburgh, P.Christ
el: An in vitro study of
normal and pathological h
uman femora, Biomechanics
in China, Japan, and U.
S.A.(1984) SCIENCE PRESS,
BEI−JING, CHINA(以下「文献4」と
称する)参照)。
【0006】Heaneyは、比較的海綿骨が多い膝蓋
骨を取り上げて研究を進めている。これは音の見かけ上
の伝搬速度(AVU)が、その経路上の骨密度と構造及
び材料特性によって影響されることに着目し、膝蓋骨の
両側にトランスデューサを取付け、100KHz〜60
0KHzの超音波が1つの検知器からもう1つの検知器
まで伝わるのにかかる時間を計測するものである。その
結果、AVUが骨粗鬆症患者と健康な女性との間で明瞭
な差異を示すことを報告した(R.Heaney,
L.Avioli, C.Chesnut III,
J.Lappe,R.Recker, G.Brand
enburger: Osteporotic bon
e fragility, JAMA, Vol.26
1, No.20(1989)(以下「文献5」と称す
る)参照)。
骨を取り上げて研究を進めている。これは音の見かけ上
の伝搬速度(AVU)が、その経路上の骨密度と構造及
び材料特性によって影響されることに着目し、膝蓋骨の
両側にトランスデューサを取付け、100KHz〜60
0KHzの超音波が1つの検知器からもう1つの検知器
まで伝わるのにかかる時間を計測するものである。その
結果、AVUが骨粗鬆症患者と健康な女性との間で明瞭
な差異を示すことを報告した(R.Heaney,
L.Avioli, C.Chesnut III,
J.Lappe,R.Recker, G.Brand
enburger: Osteporotic bon
e fragility, JAMA, Vol.26
1, No.20(1989)(以下「文献5」と称す
る)参照)。
【0007】Brandenburgerは、2つのト
ランスデューサの距離と伝搬時間を測定し、超音波の伝
搬速度を求めた。これを用いて骨粗鬆症により骨の折れ
やすさを評価した(G.Brandenburger,
L.Avioli, C.Chesnut III,
R.Heaney, R.Poss, G. Pra
tt, R.Pecker: In vivo mea
surement of osteoporotic
bone fragility with appar
ent velocity of ultrasoun
d, Ultrasonics Symposium
PP.1023−1027(1989)(以下「文献
6」と称する)参照)。
ランスデューサの距離と伝搬時間を測定し、超音波の伝
搬速度を求めた。これを用いて骨粗鬆症により骨の折れ
やすさを評価した(G.Brandenburger,
L.Avioli, C.Chesnut III,
R.Heaney, R.Poss, G. Pra
tt, R.Pecker: In vivo mea
surement of osteoporotic
bone fragility with appar
ent velocity of ultrasoun
d, Ultrasonics Symposium
PP.1023−1027(1989)(以下「文献
6」と称する)参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように骨の特性
測定が従来より種々試みられているが、上述した文献1
〜文献3で提案された手法を用いて骨の特性をin−v
ivoで計測しようとすると、骨を覆っている筋肉や皮
膚の影響が避けられず、したがって正確な計測は困難で
ある。また上述した文献4〜文献6で提案された手法で
は、骨を伝搬させる音波(超音波)の周波数が極端に高
すぎるため、音波の減衰が激しく、このためS/Nが悪
く、したがってやはり正確な計測は困難である。
測定が従来より種々試みられているが、上述した文献1
〜文献3で提案された手法を用いて骨の特性をin−v
ivoで計測しようとすると、骨を覆っている筋肉や皮
膚の影響が避けられず、したがって正確な計測は困難で
ある。また上述した文献4〜文献6で提案された手法で
は、骨を伝搬させる音波(超音波)の周波数が極端に高
すぎるため、音波の減衰が激しく、このためS/Nが悪
く、したがってやはり正確な計測は困難である。
【0009】本発明は、上記事情に鑑み、所定方向に延
びる被測定体の特性を正確に計測することができ、例え
ば生体内の骨の特性の計測に適用した場合であっても正
確な計測を行うことのできる特性計測装置を提供するこ
とを目的とする。
びる被測定体の特性を正確に計測することができ、例え
ば生体内の骨の特性の計測に適用した場合であっても正
確な計測を行うことのできる特性計測装置を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の第1の特性計測装置は、 (1)所定方向に延びる被測定体の所定点を前記所定方
向と直交する直交方向に加振する加振器 (2)被測定体の、上記所定方向の各点における上記直
交方向への振動の速度を検出するセンサ (3)上記センサで検出された振動の速度分布に基づい
て被測定体を伝搬する曲げ波の速度を求める曲げ波速度
算出手段を備えたことを特徴とする。
の本発明の第1の特性計測装置は、 (1)所定方向に延びる被測定体の所定点を前記所定方
向と直交する直交方向に加振する加振器 (2)被測定体の、上記所定方向の各点における上記直
交方向への振動の速度を検出するセンサ (3)上記センサで検出された振動の速度分布に基づい
て被測定体を伝搬する曲げ波の速度を求める曲げ波速度
算出手段を備えたことを特徴とする。
【0011】上記曲げ波速度算出手段では、被測定体の
直交方向への振動の周波数をf、被測定体の直交方向へ
の周波数fの振動の速度が極大および極小となる、互い
に隣接する2つの点の座標をそれぞれxmax ,xmin と
したとき、曲げ波の速度cが、 c=4・f・|xmax −xmin | ……(1) に従って算出される。
直交方向への振動の周波数をf、被測定体の直交方向へ
の周波数fの振動の速度が極大および極小となる、互い
に隣接する2つの点の座標をそれぞれxmax ,xmin と
したとき、曲げ波の速度cが、 c=4・f・|xmax −xmin | ……(1) に従って算出される。
【0012】尚、本発明には(1)式と実質的に等価な
他の演算式が含まれることは言うまでもなく、また本発
明は(1)式もしくはこれと実質的に等価な他の演算式
に基づく演算の実現形態、例えばハードウェア的に実現
するか、コンピュータソフトウェアで実現するか等を問
うものでもない。また、上記目的を達成するための本発
明の第2の特性計測装置は、 (4)所定方向に延び両端がそれぞれ同一のもしくは互
いに異なる第2のインピーダンスで終端された、第1の
インピーダンスを有する被測定体の所定点を上記所定方
向と直交する直交方向に加振する加振器 (5)被測定体の、上記所定方向の各点における上記直
交方向への振動の速度を検出するセンサ (6)上記センサで検出された振動の速度分布に基づい
て上記第1のインピーダンスと上記第2のインピーダン
スとの比を算出するインピーダンス比算出手段を備えた
ことを特徴とする。
他の演算式が含まれることは言うまでもなく、また本発
明は(1)式もしくはこれと実質的に等価な他の演算式
に基づく演算の実現形態、例えばハードウェア的に実現
するか、コンピュータソフトウェアで実現するか等を問
うものでもない。また、上記目的を達成するための本発
明の第2の特性計測装置は、 (4)所定方向に延び両端がそれぞれ同一のもしくは互
いに異なる第2のインピーダンスで終端された、第1の
インピーダンスを有する被測定体の所定点を上記所定方
向と直交する直交方向に加振する加振器 (5)被測定体の、上記所定方向の各点における上記直
交方向への振動の速度を検出するセンサ (6)上記センサで検出された振動の速度分布に基づい
て上記第1のインピーダンスと上記第2のインピーダン
スとの比を算出するインピーダンス比算出手段を備えた
ことを特徴とする。
【0013】上記インピーダンス算出手段では、被測定
体の所定の一端と振動の速度が極小となる第1の点との
間の距離をxmi n 、この第1の点における振動の速度を
vxmin、上記所定の一端と振動の速度が極大となる、上
記第1の点に隣接する第2の点との間の距離をxmax 、
この第2の点における振動の速度をvxmax、被測定体を
伝搬する曲げ波の位相定数をβとしたとき、上記所定の
一端を終端する第2のインピーダンスZa の、上記第1
のインピーダンスZ0 に対する比Za /Z0 が、式 Za /Z0 ={1−j・(vxmax/vxmin)・tan(βxmin )} /{(vxmax/vxmin)−j・tan(βxmin )} ……(2) 但し、β=2π/(4・|xmax −xmin |) に従って算出される。
体の所定の一端と振動の速度が極小となる第1の点との
間の距離をxmi n 、この第1の点における振動の速度を
vxmin、上記所定の一端と振動の速度が極大となる、上
記第1の点に隣接する第2の点との間の距離をxmax 、
この第2の点における振動の速度をvxmax、被測定体を
伝搬する曲げ波の位相定数をβとしたとき、上記所定の
一端を終端する第2のインピーダンスZa の、上記第1
のインピーダンスZ0 に対する比Za /Z0 が、式 Za /Z0 ={1−j・(vxmax/vxmin)・tan(βxmin )} /{(vxmax/vxmin)−j・tan(βxmin )} ……(2) 但し、β=2π/(4・|xmax −xmin |) に従って算出される。
【0014】尚、(1)式の場合と同様に、本発明には
(2)式と実質的に等価な他の演算式も含まれ、また、
その演算の実現形態を問うものでもない。また、上記セ
ンサは、被測定体の直交方向への振動の速度を、この振
動に起因するドップラー効果を利用して測定するもので
あることをが好ましく、特に、被測定体に向けて超音波
を送信するとともに被検査体で反射した超音波を受信す
る超音波振動子を備えたいわゆる超音波ドプラであるこ
とが好ましい。
(2)式と実質的に等価な他の演算式も含まれ、また、
その演算の実現形態を問うものでもない。また、上記セ
ンサは、被測定体の直交方向への振動の速度を、この振
動に起因するドップラー効果を利用して測定するもので
あることをが好ましく、特に、被測定体に向けて超音波
を送信するとともに被検査体で反射した超音波を受信す
る超音波振動子を備えたいわゆる超音波ドプラであるこ
とが好ましい。
【0015】また、本発明における被測定体は、例えば
生体の骨であってもよい。以下に、上記(1)式,
(2)式の算出について、生体中の骨を被測定体として
説明する。 (骨の分布定数線路モデル)1つの骨の両端の機械的な
インピーダンスをZa ,Zb として、分布定数線路モデ
ルを用いて定在波に関する位相速度と両端の機械的なイ
ンピーダンスを求める原理について述べる。
生体の骨であってもよい。以下に、上記(1)式,
(2)式の算出について、生体中の骨を被測定体として
説明する。 (骨の分布定数線路モデル)1つの骨の両端の機械的な
インピーダンスをZa ,Zb として、分布定数線路モデ
ルを用いて定在波に関する位相速度と両端の機械的なイ
ンピーダンスを求める原理について述べる。
【0016】まず、1本の骨を、機械的な特定インピー
ダンスZ0 の均一な梁と近似し、骨の分布定数線路モデ
ルを図1のように表わす。即ち、点x=0で骨の径方向
の振動を励振ための大型の加振器を設置することを想定
し、その際の骨表面の径方向の速度分布を超音波ドプラ
ー装置を用いて測定するものとする。ここで速度を電
圧、力を電流に対応させ、大型の加振器を、内部インピ
ーダンスが零の定電圧源と近似する。
ダンスZ0 の均一な梁と近似し、骨の分布定数線路モデ
ルを図1のように表わす。即ち、点x=0で骨の径方向
の振動を励振ための大型の加振器を設置することを想定
し、その際の骨表面の径方向の速度分布を超音波ドプラ
ー装置を用いて測定するものとする。ここで速度を電
圧、力を電流に対応させ、大型の加振器を、内部インピ
ーダンスが零の定電圧源と近似する。
【0017】受電端電圧V0 ,電流I0 によって、任意
点xの電圧Vx ,電流Ix を表せば、 Vx =V0 +exp(γx)+V0 -exp(−γx) Z0 Ix =V0 +exp(γx)−V0 -exp(−γx) ……(3) となる(喜安善市,斉藤伸自 電気回路 第8,9章
朝倉書店 1977年)(以下、「文献7」と称する)
参照)。ここで、V0 +とV0 -は、各々、点x=0におけ
る入射波電圧と反射電圧を表わす。従って、点x=0に
おいては、次式が成り立つ。
点xの電圧Vx ,電流Ix を表せば、 Vx =V0 +exp(γx)+V0 -exp(−γx) Z0 Ix =V0 +exp(γx)−V0 -exp(−γx) ……(3) となる(喜安善市,斉藤伸自 電気回路 第8,9章
朝倉書店 1977年)(以下、「文献7」と称する)
参照)。ここで、V0 +とV0 -は、各々、点x=0におけ
る入射波電圧と反射電圧を表わす。従って、点x=0に
おいては、次式が成り立つ。
【0018】 V0 =V0 ++V0 - Z0 I0 =V0 +−V0 - ……(4) ここで用いたZ0 は特性インピーダンス、γ(=α+j
β)は伝送定数、αは減衰定数、βは位相定数である。
また、両端の機械的なインピーダンスZa ,Zbを用い
て、両端における電圧は各々次のように表わされる。
β)は伝送定数、αは減衰定数、βは位相定数である。
また、両端の機械的なインピーダンスZa ,Zbを用い
て、両端における電圧は各々次のように表わされる。
【0019】 V0 =Za ・I0 ……(5) Vd =−Zb・Id ……(6) (位相速度の算出)図2は図1の分布定数線路モデルに
おける電圧分布(骨の振動分布)の一例を示した図であ
る。
おける電圧分布(骨の振動分布)の一例を示した図であ
る。
【0020】骨表面上で測定した速度分布の定在波の波
長λとその定在波の周波数fを求めることによって位相
速度cを次式によって計算することができる。 c=λ・f =4・f・|xmax −xmin | ……(7) ここで、図2に示すように、xmax は電圧最大の点の中
でx=0に最も近い点、xmin は電圧最小の点の中でx
=0に最も近い点である。この(7)式は前述した
(1)式そのものである。
長λとその定在波の周波数fを求めることによって位相
速度cを次式によって計算することができる。 c=λ・f =4・f・|xmax −xmin | ……(7) ここで、図2に示すように、xmax は電圧最大の点の中
でx=0に最も近い点、xmin は電圧最小の点の中でx
=0に最も近い点である。この(7)式は前述した
(1)式そのものである。
【0021】(両端の機械インピーダンスの算出)図1
のモデルを用いて、まず分布定数線路の左端の機械的な
インピーダンスを求める原理を述べる。式(4)から点
x=0における入射波電圧と反射波電圧V 0 +,V0 -は次
のように得られる。
のモデルを用いて、まず分布定数線路の左端の機械的な
インピーダンスを求める原理を述べる。式(4)から点
x=0における入射波電圧と反射波電圧V 0 +,V0 -は次
のように得られる。
【0022】
【数1】
【0023】ここで式(8)を式(3)に代入すると
【0024】
【数2】
【0025】が得られる。さらに双曲線関数の公式
【0026】
【数3】
【0027】を用いれば式(9)は次のように変形でき
る。
る。
【0028】
【数4】
【0029】となる。式(10)と式(5)から点xに
おけるインピーダンスを求めると、
おけるインピーダンスを求めると、
【0030】
【数5】
【0031】である。従って、電圧最小の点xmin にお
けるインピーダンスZxminは次式で与えられる。
けるインピーダンスZxminは次式で与えられる。
【0032】
【数6】
【0033】ここで、定在波の定在波比uは、電圧最大
の点xmax における電圧値をvxmaxとし、電圧最小の点
xmin における電圧値をvxminとすれば、次式で定義さ
れる。 u=vxmax/vxmin ……(13) また、Zxminに関しては次式が成立する(前述した文献
7参照)。
の点xmax における電圧値をvxmaxとし、電圧最小の点
xmin における電圧値をvxminとすれば、次式で定義さ
れる。 u=vxmax/vxmin ……(13) また、Zxminに関しては次式が成立する(前述した文献
7参照)。
【0034】
【数7】
【0035】この式に(13)の定在波比uを代入すれ
ばZxminは次式で表わすことができる。 Zxmin=Z0 /u ……(15) 式(15)を式(12)に代入すると
ばZxminは次式で表わすことができる。 Zxmin=Z0 /u ……(15) 式(15)を式(12)に代入すると
【0036】
【数8】
【0037】となる。これをZa に関して整理すると
【0038】
【数9】
【0039】ここで、定在波比u、左端x=0から電圧
の最小の点までの距離xmin は、各々定在波分布から決
定することができる。また、伝送定数γ=α+jβに関
しては、減衰定数αを十分小さいものと仮定し、位相定
数βに関しては、
の最小の点までの距離xmin は、各々定在波分布から決
定することができる。また、伝送定数γ=α+jβに関
しては、減衰定数αを十分小さいものと仮定し、位相定
数βに関しては、
【0040】
【数10】
【0041】となる関係を用いれば、同様に定在波分布
からβを決定できる。ここで、式(19)のγにjβを
代入することによって、分布定数線路の特性インピーダ
ンスZ o に対する左端の機械的インピーダンスZa の比
の値を、次式によって算出できる。
からβを決定できる。ここで、式(19)のγにjβを
代入することによって、分布定数線路の特性インピーダ
ンスZ o に対する左端の機械的インピーダンスZa の比
の値を、次式によって算出できる。
【0042】
【数11】
【0043】すなわち、x=0の負荷から電圧最小点ま
での距離xmin と定在波比uを測定すれば、左端の正規
化機械インピーダンスZa /Z0 を求めることができ
る。この(19)式は、前述した(2)式そのものであ
る。同様に、右端の正規化機械インピーダンスZb /Z
0 は、右端x=dと右端からみたときの電圧最小点x’
min (x’min <d)までの距離(d−x’min )と定
在波比を用いて次式で表わすことができる。
での距離xmin と定在波比uを測定すれば、左端の正規
化機械インピーダンスZa /Z0 を求めることができ
る。この(19)式は、前述した(2)式そのものであ
る。同様に、右端の正規化機械インピーダンスZb /Z
0 は、右端x=dと右端からみたときの電圧最小点x’
min (x’min <d)までの距離(d−x’min )と定
在波比を用いて次式で表わすことができる。
【0044】
【数12】
【0045】この(20)式も、d−x’min →xmin
と置き換えれば、即ち座標の取り方を変更すれば前述し
た(2)式そのものとなる。尚ここでは生体の骨を被測
定体とした場合であるが、被測定体は生体の骨に限られ
るものではなく、例えば建物の梁などであってもよい。
と置き換えれば、即ち座標の取り方を変更すれば前述し
た(2)式そのものとなる。尚ここでは生体の骨を被測
定体とした場合であるが、被測定体は生体の骨に限られ
るものではなく、例えば建物の梁などであってもよい。
【0046】
【作用】本発明は、上述したように被測定体を分布定数
線路モデルに置き換えて算出した(1),(2)式、も
しくはこれらの式と実質的に等価な式に基づいて被測定
体の特性を計測するものであり、後述する実施例に示す
ように、被測定体の特性を高精度に計測することができ
る。特にセンサとして超音波ドプラを採用すると、体内
の骨の振動を体外からin−vivoで高精度に検出す
ることができる。
線路モデルに置き換えて算出した(1),(2)式、も
しくはこれらの式と実質的に等価な式に基づいて被測定
体の特性を計測するものであり、後述する実施例に示す
ように、被測定体の特性を高精度に計測することができ
る。特にセンサとして超音波ドプラを採用すると、体内
の骨の振動を体外からin−vivoで高精度に検出す
ることができる。
【0047】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。こ
こでは先ず、レーザドプラ振動計を用いて加振時(白色
雑音)の梁(黄銅)表面における速度分布を測定し、次
に超音波ドプラ装置を用いて加振時(白色雑音)の骨表
面における速度分布を測定する。ここでは、梁と骨の表
面における速度分布の定在波の波長から算出される位相
速度と、特性インピーダンスに対する両端に存在する機
械的なインピーダンスの比を前述した測定原理を用いて
計算する。
こでは先ず、レーザドプラ振動計を用いて加振時(白色
雑音)の梁(黄銅)表面における速度分布を測定し、次
に超音波ドプラ装置を用いて加振時(白色雑音)の骨表
面における速度分布を測定する。ここでは、梁と骨の表
面における速度分布の定在波の波長から算出される位相
速度と、特性インピーダンスに対する両端に存在する機
械的なインピーダンスの比を前述した測定原理を用いて
計算する。
【0048】図3に、長さ30cm、直径2mmの梁
(黄銅)表面の速度分布をレーザドプラ法によって計測
するシステムのブロック図を示す。両端を単純支持した
梁の中心を白色雑音u(t)を用いた加振器で加振す
る。図4は、図3に示す各点における周波数特性を示し
た図である。その加振点で、入力すなわち白色雑音u
(t)とレーザドプラ法によって計測した出力y(t;
x)がほぼ同じパワースペクトルになるようにイコイラ
イザを用いて調節する。これによって梁の各点での振動
をレーザドプラ振動計を用いて計測した際に加わる加振
器やレーザドプラの周波数特性を白色と近似することが
できる。
(黄銅)表面の速度分布をレーザドプラ法によって計測
するシステムのブロック図を示す。両端を単純支持した
梁の中心を白色雑音u(t)を用いた加振器で加振す
る。図4は、図3に示す各点における周波数特性を示し
た図である。その加振点で、入力すなわち白色雑音u
(t)とレーザドプラ法によって計測した出力y(t;
x)がほぼ同じパワースペクトルになるようにイコイラ
イザを用いて調節する。これによって梁の各点での振動
をレーザドプラ振動計を用いて計測した際に加わる加振
器やレーザドプラの周波数特性を白色と近似することが
できる。
【0049】図3の測定システムで、その梁の左端の位
置(x=0)からレーザドプラを1cmずつ移動しなが
ら各位置x点における加振信号u(t)から梁の振動y
(t;x)への伝達関数H(f;x)、コヒーレンス関
数γ2 (f;x)を次のように求める。入力u(t)と
出力y(t;x)のフーリエスペクトルをそれぞれU
(f),Y(f;x)とすれば、伝達関数H(f;x)
は次式によって決定される。
置(x=0)からレーザドプラを1cmずつ移動しなが
ら各位置x点における加振信号u(t)から梁の振動y
(t;x)への伝達関数H(f;x)、コヒーレンス関
数γ2 (f;x)を次のように求める。入力u(t)と
出力y(t;x)のフーリエスペクトルをそれぞれU
(f),Y(f;x)とすれば、伝達関数H(f;x)
は次式によって決定される。
【0050】
【数13】
【0051】一方、コヒーレンス関数は次式で表わされ
る。
る。
【0052】
【数14】
【0053】ここで求めた速度分布H(f;x)から定
在波比uを得ることによって、梁の位相速度cと両端の
インピーダンスZa ,Zb を求めることができる。曲げ
波の伝搬速度と波長は、周波数と板の厚みに関係し、次
の式で示される(子安勝,中野有朋,五十嵐寿一,橋秀
樹,時田保夫:音響工学講座騒音・振動(下),日本音
響学会編,コロナ社(1982) 参照)。ここで、こ
の曲げ波は板の曲げ変化に対する応力で生ずる波であっ
て屈曲波とも呼ばれる。
在波比uを得ることによって、梁の位相速度cと両端の
インピーダンスZa ,Zb を求めることができる。曲げ
波の伝搬速度と波長は、周波数と板の厚みに関係し、次
の式で示される(子安勝,中野有朋,五十嵐寿一,橋秀
樹,時田保夫:音響工学講座騒音・振動(下),日本音
響学会編,コロナ社(1982) 参照)。ここで、こ
の曲げ波は板の曲げ変化に対する応力で生ずる波であっ
て屈曲波とも呼ばれる。
【0054】 cB =√(1.8cL hf) ……(23) λB =√{(1.8cL h)/f} ……(24) 但しλB >6hである。ここで、cB は曲げ波の伝搬速
度、cL は縦波の伝搬速度、fは周波数、hは板の厚み
である。この方法で点x=14cmに関して測定したレ
ーザドプラの出力y(f;x)のパワースペクトルを図
5(a)に示す。ここで求めた135Hzのピーク周波
数を用いて測定した、梁(黄銅)における速度分布H
(f;x)の絶対値|H(f;x)|を図5(b)に示
す。図5(c)はこの際のコヒーレンス関数γ2 (f;
x)を示している。コヒーレンス関数の値はほぼ1であ
り、計測が信頼できることがわかる。ここで求められた
特性インピーダンスに対する両端の機械インピーダンス
Za /Z0 ,Zb /Z0 と、速度分布の定在波の波長か
ら算出される位相速度cと、曲げ波の伝搬速度cB の値
は次のようになる。
度、cL は縦波の伝搬速度、fは周波数、hは板の厚み
である。この方法で点x=14cmに関して測定したレ
ーザドプラの出力y(f;x)のパワースペクトルを図
5(a)に示す。ここで求めた135Hzのピーク周波
数を用いて測定した、梁(黄銅)における速度分布H
(f;x)の絶対値|H(f;x)|を図5(b)に示
す。図5(c)はこの際のコヒーレンス関数γ2 (f;
x)を示している。コヒーレンス関数の値はほぼ1であ
り、計測が信頼できることがわかる。ここで求められた
特性インピーダンスに対する両端の機械インピーダンス
Za /Z0 ,Zb /Z0 と、速度分布の定在波の波長か
ら算出される位相速度cと、曲げ波の伝搬速度cB の値
は次のようになる。
【0055】 Za /Z0 =0.039 Zb /Z0 =0.029 c=40.50m/s cB =40.04m/s (f=135Hz) ここで、梁(黄銅)の縦波の伝搬速度は3300m/s
である。速度を電圧と対応させているから、求めた両端
のインピーダンスの値は図1のモデルと対応しているこ
とがわかる。
である。速度を電圧と対応させているから、求めた両端
のインピーダンスの値は図1のモデルと対応しているこ
とがわかる。
【0056】図6(a)は点x=14cmに関して測定
したレーザドプラの出力y(t;x)のパワースペクト
ルを示す。ここで求めた295Hzのピーク周波数を用
いて測定した梁における速度分布H(f;x)の絶対値
|H(f;x)|を図6(b)に示す。図6(c)はこ
の際のコヒーレンス関数γ2 (f;x)を示している。
相関の値はほぼ1であり、計測が信頼できることがわか
る。ここで求めた特性インピーダンスに対する両端の機
械インピーダンスZa /Z0 ,Zb /Z0 と、速度分布
の定在波の波長から算出される位相速度cと、曲げ波の
伝搬速度cB の値は次のようになる。
したレーザドプラの出力y(t;x)のパワースペクト
ルを示す。ここで求めた295Hzのピーク周波数を用
いて測定した梁における速度分布H(f;x)の絶対値
|H(f;x)|を図6(b)に示す。図6(c)はこ
の際のコヒーレンス関数γ2 (f;x)を示している。
相関の値はほぼ1であり、計測が信頼できることがわか
る。ここで求めた特性インピーダンスに対する両端の機
械インピーダンスZa /Z0 ,Zb /Z0 と、速度分布
の定在波の波長から算出される位相速度cと、曲げ波の
伝搬速度cB の値は次のようになる。
【0057】 Za /Z0 =0.058 Zb /Z0 =0.026 c=59.00m/s cB =59.20m/s (f=295Hz) ここで求めた両端の機械インピーダンスの値も図1のモ
デルと対応している。 (骨表面の速度分布測定)超音波ドプラ法による骨表面
の速度分布のin−vivo計測のブロック図を図7に
示す。白色雑音u(t)を用いて大型加振器で左手の尺
骨の手首部分を加振した。手首を加振したのは他の部分
より肉の影響が少く加振しやすいためである。その手首
の反対側の撓骨の位置をx=0とし、そこから超音波プ
ローブを2cmずつひじ方向へ移動しながら撓骨の径方
向の振動y(t;x)の計測を行い、黄銅の梁の場合と
同様にu(t)からy(t;x)への伝達関数H(f;
x)、コヒーレンス関数γ2 (f;x)を求める。
デルと対応している。 (骨表面の速度分布測定)超音波ドプラ法による骨表面
の速度分布のin−vivo計測のブロック図を図7に
示す。白色雑音u(t)を用いて大型加振器で左手の尺
骨の手首部分を加振した。手首を加振したのは他の部分
より肉の影響が少く加振しやすいためである。その手首
の反対側の撓骨の位置をx=0とし、そこから超音波プ
ローブを2cmずつひじ方向へ移動しながら撓骨の径方
向の振動y(t;x)の計測を行い、黄銅の梁の場合と
同様にu(t)からy(t;x)への伝達関数H(f;
x)、コヒーレンス関数γ2 (f;x)を求める。
【0058】(レーザドプラ法と超音波ドプラ法の比
較)図7と同様な条件で、レーザドプラ法と超音波ドプ
ラ法を用いて30〜350Hzの白色雑音による加振時
の撓骨上の位置xにおける皮膚表面と骨表面の振動y
(t;x)を各々計測した。図8(a)と(b)は各々
レーザドプラ法と超音波ドプラ法で伝達関数H(f;
x)を測定した際の加振器の入力信号u(t)と計測さ
れた振動y(t;x)との間のコヒーレンス関数γ2
(f;x)を示している。この実験結果から骨表面の振
動は超音波ドプラ法を用いて測定する方が有効であると
言える。また、50Hzから250Hzの帯域における
振動はin−vivoでも十分計測可能であることがわ
かる。
較)図7と同様な条件で、レーザドプラ法と超音波ドプ
ラ法を用いて30〜350Hzの白色雑音による加振時
の撓骨上の位置xにおける皮膚表面と骨表面の振動y
(t;x)を各々計測した。図8(a)と(b)は各々
レーザドプラ法と超音波ドプラ法で伝達関数H(f;
x)を測定した際の加振器の入力信号u(t)と計測さ
れた振動y(t;x)との間のコヒーレンス関数γ2
(f;x)を示している。この実験結果から骨表面の振
動は超音波ドプラ法を用いて測定する方が有効であると
言える。また、50Hzから250Hzの帯域における
振動はin−vivoでも十分計測可能であることがわ
かる。
【0059】(骨表面の速度分布のin−vivoでの
測定)図9(a)は被験者Aに対する点x=14cmに
関して測定した超音波ドプラの出力y(t;x)のパワ
ースペクトルを示す。ここで求めた111.25Hzの
ピーク周波数を用いて得られた撓骨における速度分布H
(f;x)の絶対値|H(f;x)|を図9(b)に示
す。図9(c)はこの際のコヒーレンス関数γ 2 (f;
x)を示している。コヒーレンス関数の値はほぼ1であ
り、計測が信頼できることがわかる。ここで求めた特性
インピーダンスに対する両端のインピーダンスZa /Z
0 ,Zb /Z0 と、速度分布の定在波の波長から算出さ
れる位相速度cと、曲げ波の伝搬速度cB の値は次のよ
うになる。
測定)図9(a)は被験者Aに対する点x=14cmに
関して測定した超音波ドプラの出力y(t;x)のパワ
ースペクトルを示す。ここで求めた111.25Hzの
ピーク周波数を用いて得られた撓骨における速度分布H
(f;x)の絶対値|H(f;x)|を図9(b)に示
す。図9(c)はこの際のコヒーレンス関数γ 2 (f;
x)を示している。コヒーレンス関数の値はほぼ1であ
り、計測が信頼できることがわかる。ここで求めた特性
インピーダンスに対する両端のインピーダンスZa /Z
0 ,Zb /Z0 と、速度分布の定在波の波長から算出さ
れる位相速度cと、曲げ波の伝搬速度cB の値は次のよ
うになる。
【0060】 Za /Z0 =2.76+j4.57 Zb /Z0 =−0.098−j0.202 c=86.78m/s cB =87.23m/s (f=111.25Hz) ここで、骨の縦波の伝搬速度を1900m/sとしてい
る。なお、この実験において、上記f=111.25H
zのxmax 点における骨の径方向の振動速度は0.08
4mm/sであった。
る。なお、この実験において、上記f=111.25H
zのxmax 点における骨の径方向の振動速度は0.08
4mm/sであった。
【0061】図10(a)は被験者Bに対する点x=1
4cmに関して測定した超音波ドプラの出力y(t;
x)のパワースペクトルを示す。ここで求めた131.
25Hzのピーク周波数を用いて得られた撓骨における
速度分布H(f;x)の絶対値|H(f;x)|を図1
0(b)に示す。図10(c)はこの際のコヒーレンス
関数γ2 (f;x)を示している。コヒーレンス関数の
値はほぼ1であり、計測が信頼できることがわかる。求
めた特性インピーダンスに対する両端のインピーダンス
Za /Z0 ,Zb /Z0 と、速度分布の定在波の波長か
ら算出される位相速度cと、曲げ波の伝搬速度cB の値
は次のようになる。
4cmに関して測定した超音波ドプラの出力y(t;
x)のパワースペクトルを示す。ここで求めた131.
25Hzのピーク周波数を用いて得られた撓骨における
速度分布H(f;x)の絶対値|H(f;x)|を図1
0(b)に示す。図10(c)はこの際のコヒーレンス
関数γ2 (f;x)を示している。コヒーレンス関数の
値はほぼ1であり、計測が信頼できることがわかる。求
めた特性インピーダンスに対する両端のインピーダンス
Za /Z0 ,Zb /Z0 と、速度分布の定在波の波長か
ら算出される位相速度cと、曲げ波の伝搬速度cB の値
は次のようになる。
【0062】 Za /Z0 =0.2966−j0.085 Zb /Z0 =0.357−j0.447 c=89.25m/s cB =94.75m/s (f=131.25Hz) ここでも縦波の伝搬速度を1900m/sとしている。
なお、この実験において、上記f=131.25Hzの
xmax 点における骨の径方向の振動速度は0.139m
m/sであった。なお、加振器の振幅は0.679μm
である。
なお、この実験において、上記f=131.25Hzの
xmax 点における骨の径方向の振動速度は0.139m
m/sであった。なお、加振器の振幅は0.679μm
である。
【0063】上記のように、ここでは梁と骨の表面にお
ける速度分布を測定し、速度分布の定在波の波長から算
出される位相速度と、特性インピーダンスに対する両端
に存在する機械的なインピーダンスの比を求めた例を示
した。いずれの場合も精度の高い測定結果が得られた。
ける速度分布を測定し、速度分布の定在波の波長から算
出される位相速度と、特性インピーダンスに対する両端
に存在する機械的なインピーダンスの比を求めた例を示
した。いずれの場合も精度の高い測定結果が得られた。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
被測定体を伝搬する曲げ波の速度ないしインピーダンス
比が高精度に計測され、特に生体の骨のin−vivo
での計測にも有効である。
被測定体を伝搬する曲げ波の速度ないしインピーダンス
比が高精度に計測され、特に生体の骨のin−vivo
での計測にも有効である。
【図1】骨の分布定数線路モデルを示した図である。
【図2】図1の分布定数線路モデルにおける電圧分布
(骨の振動分布)の一例を示した図である。
(骨の振動分布)の一例を示した図である。
【図3】レーザドプラ法による梁の振動計測システムを
示した図である。
示した図である。
【図4】図3に示す各点における周波数特性を示した図
である。
である。
【図5】梁表面の振動の、レーザドプラ法による測定結
果を示した図である。
果を示した図である。
【図6】梁表面の振動の、レーザドプラ法による測定結
果を示した図である。
果を示した図である。
【図7】超音波ドプラ法による骨振動計測システムを示
した図である。
した図である。
【図8】レーザドプラ法と超音波ドプラ法の比較を表わ
した図である。
した図である。
【図9】骨表面の振動の、超音波ドプラ法による測定結
果を表わした図である。
果を表わした図である。
【図10】骨表面の振動の、超音波ドプラ法による測定
結果を表わした図である。
結果を表わした図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 29/18 8105−2J (72)発明者 金井 浩 宮城県仙台市青葉区中山4丁目18−1− 301 (72)発明者 朴 茂薫 宮城県仙台市青葉区三条町19−1 国際交 流会館B棟606号
Claims (7)
- 【請求項1】 所定方向に延びる被測定体の所定点を前
記所定方向と直交する直交方向に加振する加振器と、 前記被測定体の、前記所定方向の各点における前記直交
方向への振動の速度を検出するセンサと、 前記センサで検出された前記振動の速度分布に基づいて
前記被測定体を伝搬する曲げ波の速度を求める曲げ波速
度算出手段とを備えたことを特徴とする特性計測装置。 - 【請求項2】 前記曲げ波速度算出手段が、前記被測定
体の前記直交方向への振動の周波数をf、前記被測定体
の前記直交方向への周波数fの振動の速度が極大および
極小となる、互いに隣接する2つの点の座標をそれぞれ
xmax ,xmi n としたとき、前記曲げ波の速度cを、 c=4・f・|xmax −xmin | に従って算出するものであることを特徴とする請求項1
記載の特性計測装置。 - 【請求項3】 所定方向に延び両端がそれぞれ同一のも
しくは互いに異なる第2のインピーダンスで終端され
た、第1のインピーダンスを有する被測定体の所定点を
前記所定方向と直交する直交方向に加振する加振器と、 前記被測定体の、前記所定方向の各点における前記直交
方向への振動の速度を検出するセンサと、 前記センサで検出された前記振動の速度分布に基づいて
前記第1のインピーダンスと前記第2のインピーダンス
との比を算出するインピーダンス比算出手段とを備えた
ことを特徴とする特性計測装置。 - 【請求項4】 前記インピーダンス算出手段が、前記被
測定体の所定の一端と前記振動の速度が極小となる第1
の点との間の距離をxmin 、前記第1の点における前記
振動の速度をvxmin、前記所定の一端と、前記振動の速
度が極大となる、前記第1の点に隣接する第2の点との
間の距離をxmax 、前記第2の点における前記振動の速
度をvxmax、前記被測定体を伝搬する曲げ波の位相定数
をβとしたとき、前記所定の一端を終端する第2のイン
ピーダンスZa の、前記第1のインピーダンスZ0 に対
する比Za /Z0 を、式 Za /Z0 ={1−j・(vxmax/vxmin)・tan(βxmin )} /{(vxmax/vxmin)−j・tan(βxmin )} 但し、β=2π/(4・|xmax −xmin |) に従って算出するものであることを特徴とする請求項3
記載の特性計測装置。 - 【請求項5】 前記センサが、前記被測定体の前記直交
方向への振動の速度を、該振動に起因するドップラー効
果を利用して測定するものであることを特徴とする請求
項1又は4記載の特性計測装置。 - 【請求項6】 前記センサが、前記被測定体に向けて超
音波を送信するとともに該被検査体で反射した超音波を
受信する超音波振動子を備えたものであることを特徴と
する請求項5記載の特性計測装置。 - 【請求項7】 前記被測定体が、生体の骨であることを
特徴とする請求項1又は4記載の特性計測装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5030312A JPH06237933A (ja) | 1993-02-19 | 1993-02-19 | 特性計測装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5030312A JPH06237933A (ja) | 1993-02-19 | 1993-02-19 | 特性計測装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06237933A true JPH06237933A (ja) | 1994-08-30 |
Family
ID=12300276
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008539884A (ja) * | 2005-05-05 | 2008-11-20 | ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア | 骨折リスクを査定するための方法および器具 |
JP2011191202A (ja) * | 2010-03-15 | 2011-09-29 | Tobishima Corp | 非破壊検出システムおよび非破壊検出方法 |
-
1993
- 1993-02-19 JP JP5030312A patent/JPH06237933A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008539884A (ja) * | 2005-05-05 | 2008-11-20 | ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア | 骨折リスクを査定するための方法および器具 |
JP4918086B2 (ja) * | 2005-05-05 | 2012-04-18 | ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア | 骨を査定するための診断器具 |
JP2011191202A (ja) * | 2010-03-15 | 2011-09-29 | Tobishima Corp | 非破壊検出システムおよび非破壊検出方法 |
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