JPH06237927A - 放射線画像撮影装置 - Google Patents

放射線画像撮影装置

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Publication number
JPH06237927A
JPH06237927A JP5025360A JP2536093A JPH06237927A JP H06237927 A JPH06237927 A JP H06237927A JP 5025360 A JP5025360 A JP 5025360A JP 2536093 A JP2536093 A JP 2536093A JP H06237927 A JPH06237927 A JP H06237927A
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JP
Japan
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collimator
dimensional
image
radiation image
pinhole
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Application number
JP5025360A
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English (en)
Inventor
Keiji Umetani
啓二 梅谷
Takeshi Ueda
健 植田
Hisatake Yokouchi
久猛 横内
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Original Assignee
Hitachi Medical Corp
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Publication date
Application filed by Hitachi Medical Corp filed Critical Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像検出器自体の空間解像度以上の解像度の
画像を撮影することができ、被写体からの散乱X線によ
るコントラストの低下がなく、X線源であるX線管の焦
点の大きさに全く影響されず、高コントラストで超高解
像度の画像を高速、高感度で撮影できるようにする。 【構成】 放射線発生源と画像検出器との間に、2次元
ピンホ−ル配列を有する前段および後段コリメ−タを具
備し、多重放射線ペンシルビ−ムにより放射線画像の撮
影を行う。前段コリメ−タと後段第1コリメ−タの後に
被写体を設け、全コリメ−タを同期して移動させること
により各位置で被写体を撮影し、これらの撮影画像を合
成して、2次元放射線画像検出器に固有の空間解像度を
超える解像度の画像を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射線源から放射され
る放射線を被写体に照射して、被写体の透過像を撮影す
る装置に関し、特に高い空間解像度と高いコントラスト
が要求される医学診断用の放射線画像撮影装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線画像撮影装置、特に医学診
断用X線画像撮影装置においては、X線管から放射され
るX線を被写体に照射してX線透過像を画像検出器で画
像化し、それにより得られた被写体の内部構造を解剖学
的構造に見立て、それにより医学的診断を行っていた。
しかしながら、従来のX線画像撮影装置では、撮影され
るX線画像の空間解像度が画像検出器の解像度で決定さ
れてしまうため、高解像度画像を撮影しようとする場
合、画像検出器の解像度を高めることを先ず考える必要
があり、それには自ら限界があった。また、従来のX線
画像撮影装置においては、画像検出器が被写体のX線透
過像を検出するのみならず、被写体により散乱された散
乱X線をも画像検出器が検出するので、撮影画像のコン
トラストが低くなるという問題があった。さらに、従
来、被写体からの散乱X線を画像検出器に入射させない
ようにするため、鉛の薄膜を木やアルミニウムを支持体
としてブラインド状に配置したグリッドを、画像検出器
の入力面の前面に配置して、グリッドにより散乱X線を
吸収する方法がある。しかしながら、このようなグリッ
ドを用いた場合でも、散乱X線がかなりの割合で画像検
出器に入射してしまうという問題があった。なお、上記
の方法では、グリッド内のブラインド状の鉛の薄膜の密
度を増大させれば、散乱X線をグリッドで吸収する割合
が増加するため、その分だけ散乱X線が画像検出器に入
射する量を減少させることができる。しかしながら、こ
のようなグリッドでは、信号成分である透過X線成分を
グリッドが吸収する割合も増加する。従って、高画質の
画像を得るためには、画像検出器における透過X線成分
の検出量を増加させるとともに、X線量子ノイズの影響
を低減するために被写体に対する照射X線量を増大させ
る必要がある。しかし、このように被写体への照射X線
量を増大させると、被検者が被曝するX線量も増大し、
危険が増すという問題がある。なお、従来の類似する放
射線画像撮影装置としては、例えば、特開昭61−25
4837号公報に記載されたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のX
線画像撮影装置においては、X線画像の空間解像度が画
像検出器の解像度で決定されるため、高解像度の画像を
得るには限界があった。また、被写体により散乱された
X線も画像検出器が検出してしまうため、撮影画像のコ
ントラストが低くなっていた。さらに、従来のX線画像
撮影装置においては、X線源であるX線管の焦点の大き
さが0.1mmから0.8mmもあって大き過ぎるた
め、画像検出器自体の空間解像度を向上させても、X線
管焦点サイズの影響により撮影画像の解像度は向上しな
いという問題があった。さらに、被写体をX線管に近づ
けて撮影する拡大撮影法もあるが、X線管焦点サイズの
影響が著しいので、X線管に近づけると空間解像度が大
幅に劣化するという問題があった。また、上記の問題を
解決するために、従来、細い幅の線状のX線ペンシルビ
−ムと、このX線ペンシルビ−ムのみを検出する1個の
X線検出器を用いたX線撮影装置があった。このペンシ
ルビ−ムを用いたX線撮像装置では、X線ペンシルビ−
ムとX線検出器とを同期させて2次元的にX線ペンシル
ビ−ムで走査することによって2次元画像を撮影する。
しかしながら、この装置では、2次元走査に時間がかか
り過ぎるので、特に人体のように生体組織の不随意的な
動きが大きい場合には使用できないという問題があっ
た。本発明の目的は、これら従来の課題を解決し、特に
医学診断用X線画像を得るため、被写体からの散乱X線
によるコントラストの低下がなく、かつX線源であるX
線管の焦点の大きさの影響を受けず、画像検出器自体の
空間解像度以上の高解像度で、かつ高画質な画像を撮影
することが可能な放射線画像撮影装置を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の放射線画像撮影装置は、(イ)放射線を発
生する手段(4)、放射線を検出する2次元放射線画像
検出器(7)、および放射線発生手段(4)と2次元放
射線画像検出器(7)の間に設けられた被写体(6)と
を配置した放射線画像撮影装置において、2次元ピンホ
−ル配列を具備した1個ないし複数個のコリメ−タ
(1)を、放射線発生手段(4)と被写体(6)との間
と、被写体(6)と2次元放射線画像検出器(7)との
間に、それぞれ配置したことを特徴としている。また、
(ロ)2次元ピンホ−ル配列からなる1個ないし複数個
のコリメ−タ(1,2,3)のピンホ−ル配列のパタ−
ンと、2次元放射線画像検出器(7)の画像を検出する
最小基本単位である検出素子(8)の配列パタ−ンとが
同一であり、各コリメ−タのピンホ−ル配列中の各ピン
ホ−ル相互およびピンホ−ルと2次元放射線画像検出器
(7)の検出素子配列中の各検出素子(8)とが1対1
に対応していることも特徴としている。また、(ハ)2
次元ピンホ−ル配列を具備した1個ないし複数個のコリ
メ−タ(1,2,3)のピンホ−ル配列内のピンホ−ル
数に比べて、2次元放射線画像検出器(7)の画像を検
出する最小基本単位である検出素子(8)配列内の検出
素子数が、ピンホ−ル数よりも多く、ピンホ−ル配列の
構造が2次元放射線画像検出器(7)の検出素子配列の
構造に含まれていることも特徴としている。また、
(ニ)2次元ピンホ−ル配列を具備した少なくとも1個
のコリメ−タ(1,2,3)のピンホ−ル配列内のピン
ホ−ル数に比べて、2次元放射線画像検出器(7)の画
像を検出する最小基本単位である検出素子配列内の検出
素子数が、ピンホ−ル数よりも少なく、2次元放射線画
像検出器(7)の検出素子配列の構造がピンホ−ル配列
の構造に含まれていることも特徴としている。また、
(ホ)2次元ピンホ−ル配列を具備したコリメ−タに
は、2種類のコリメ−タが存在し、そのうちの1種類は
コリメ−タ(1,,3)のピンホ−ル配列のパタ−ンと
2次元放射線画像検出器(7)の画像を検出する最小基
本単位である検出素子(8)の配列パタ−ンとが同一で
あるコリメ−タ(1,2,3)であり、他の1種類はコ
リメ−タに対してピンホ−ル数が整数倍あり、コリメ−
タ内のピンホ−ル配列のパタ−ンと2次元放射線画像検
出器(7)の検出素子配列のパタ−ンとが同一であるよ
うなピンホ−ル配列の組み合わせを複数組持っているコ
リメ−タ(12,13)であることも特徴としている。
また、(ヘ)2次元ピンホ−ル配列を具備したコリメ−
タ1個ないし複数個を、2次元放射線画像検出器(7)
の画像検出面と平行な方向の面に対し、互いに直角をな
す2つの方向(1−1〜3−2)に移動して、各移動位
置毎に画像撮影を行い、その都度得られた1枚ずつの画
像(21〜24)を合成して、2次元放射線画像検出器
(7)の検出素子配列で決定される空間解像度より高い
空間解像度の画像(20)を撮影することも特徴として
いる。また、(ト)2種類のコリメ−タのうち、コリメ
−タ内のピンホ−ル配列のパタ−ンと2次元放射線画像
検出器(7)の画像を検出する最小基本単位である検出
素子(8)の配列パタ−ンとが同一であるピンホ−ル配
列の組み合わせを複数組有するコリメ−タ(12,1
3)に対しては静止したままで画像撮影を行い、コリメ
−タとは別種類で、コリメ−タのピンホ−ル配列と2次
元放射線画像検出器(7)の検出素子配列との組み合わ
せが1組だけであるコリメ−タ(1,2,3)に対して
は、2次元放射線画像検出器(7)の画像検出面に平行
な方向の面上において、互いに直角の2つの方向に移動
させて(1−1〜3−2)、移動位置毎に撮影を行い、
得られた複数枚の各移動位置毎の画像(21〜24)を
合成して、2次元放射線画像検出器(7)の検出素子配
列で決定される空間解像度よりも高い空間解像度の画像
を撮影することも特徴としている。また、(チ)2次元
放射線画像検出器(7)の画像検出面に平行な方向の面
上で、互いに直角の2つの方向に移動するコリメ−タ
(1〜3)の移動量(1−1〜3−2)は、コリメ−タ
内のピンホ−ルを透過した放射線が入射する2次元放射
線画像検出器(7)の画像検出面上の検出素子(8)の
幅に対応するコリメ−タの移動量以下であることも特徴
としている。また、(リ)2次元ピンホ−ル配列を具備
したコリメ−タ(1,2,3)の構造は、放射線の透過
率が非常に小さい重元素から構成される板状であり、か
つコリメ−タ内のピンホ−ルの穴径は、ピンホ−ルを透
過した放射線が入射する2次元放射線画像検出器(7)
の画像検出面上の検出素子(8)の幅に対応する穴径以
下であることも特徴としている。また、(ヌ)2次元ピ
ンホ−ル配列を具備したコリメ−タは、その移動のため
の駆動装置として、印加電圧により移動距離を制御でき
るピエゾ素子、あるいは入力パルス数制御によるステッ
ピングモ−タによりマイクロメ−タを駆動した移動距離
の制御手段を用いることも特徴としている。また、
(ル)2次元放射線画像検出器(7)は、基板上に薄膜
光電変換素子と薄膜トランジスタアレイを形成した構造
上に、蛍光体膜層を形成して大面積密着型2次元センサ
を用い、密着型2次元センサの画像信号に同期してコリ
メ−タを移動し、移動したコリメ−タ位置で画像を撮影
することも特徴としている。さらに、(ワ)2次元放射
線画像検出器(7)は、X線イメ−ジインテンシファイ
ヤとビデオカメラを用いて構成され、ビテオカメラの画
像信号に同期してコリメ−タを移動し、移動したコリメ
−タ位置で画像を撮影することも特徴としている。さら
に、(カ)ビデオカメラとしては、光導電膜内で入射光
信号に対するアバランシェ倍増機能を有する撮像管、あ
るいは撮像素子からなるアバランシェ増倍型撮像カメラ
を用いることも特徴としている。さらに、(ヨ)放射線
を発生する手段としては、X線を放射するX線管、α線
やβ線やγ線を放射する放射性同位元素、あるいは加速
器、各種粒子線を放射する加速器、あるいは原子炉、の
いずれかを用いることも特徴としている。
【0005】
【作用】本発明においては、X線源と2次元X線画像検
出器との間に2次元ピンホ−ル配列からなるコリメ−タ
を組み込み、このピンホ−ル配列により各ピンホ−ル毎
にX線ペンシルビ−ムを生成して多重X線ペンシルビ−
ムによる撮影装置を実現する。さらに、ピンホ−ル配列
からなるコリメ−タを画像検出器の画像検出面に対して
平行な方向の面上で、直角2方向にコリメ−タを移動し
て、移動位置毎に画像を撮影する。得られた複数枚の各
移動位置毎の画像を合成することにより、画像検出器自
体の空間解像度を越える高解像度の画像を得る。これに
より、空間解像度はX線ペンシルビ−ムの走査ピッチに
より決定されるので、限度なく空間解像度を向上でき
る。また、画像検出器はX線ペンシルビ−ム内のX線成
分しか検出しないため、散乱X線成分は検出されず、そ
の結果、散乱X線を含まない画像を撮影することができ
る。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面により詳細に
説明する。図1は、本発明の一実施例を示すX線画像撮
影装置の全体構成斜視図である。図1において、4はX
線発生源であるX線管、5−11〜5−41はX線ペン
シルビ−ム、1は前段コリメ−タ、6は被写体、2は後
段の第1コリメ−タ、3は後段の第2コリメ−タ、7は
2次元放射線画像検出器、8は2次元放射線画像検出器
7の検出素子である。X線管4から放射されたX線は、
前段コリメ−タ1により多重X線ペンシルビ−ムとなる
が、ここでは簡単のために多重X線ペンシルビ−ムのう
ちの4本のX線ペンシルビ−ム5−11,5−21,5
−31,5−41のみを示している。X線管4からのX
線は、前段コリメ−タ1により多重X線ペンシルビ−ム
となり、被写体6に照射される。被写体6を透過した各
X線ペンシルビ−ムは、後段の第1コリメ−タ2および
後段の第2コリメ−タ3の各対応するピンホ−ルを透過
して、2次元放射線画像検出器7を構成する各検出素子
8により対応する各X線ペンシルビ−ムが検出される。
例えば、X線ペンシルビ−ム5−11は、前段コリメ−
タ1、後段の第1コリメ−タ2および後段の第2コリメ
−タ3の各々左から2列目で上から2段目のピンホ−ル
を透過して、2次元放射線画像検出器7の左から2列目
で上から2段目の検出素子8により検出される。このよ
うに、本実施例では、コリメ−タ1,2,3のピンホ−
ル配列が2次元放射線画像検出器7の画像を検出する最
小基本単位である検出素子の素子配列と同じであって、
ピンホ−ル配列中の各ピンホ−ルと2次元放射線画像検
出器7の素子配列中の各画素とが1対1に対応してい
る。従って、各X線ペンシルビ−ムは、これらのピンホ
−ル配列中の各ピンホ−ルおよび2次元放射線画像検出
器7の素子配列中の各検出素子と1対1に対応する。
【0007】図1において、各コリメ−タのピンホ−ル
配列と2次元放射線画像検出器7の素子配列とが完全に
一致しなくても問題はない。例えば、2次元放射線画像
検出器7の素子配列中の素子数が各コリメ−タ1,2,
3のピンホ−ル数より多く、2次元放射線画像検出器7
の素子配列内にピンホ−ル配列が含まれてしまうような
構成にすることも可能である。また、これとは逆に、2
次元放射線画像検出器7の素子配列中の素子数が各コリ
メ−タ1,2,3のピンホ−ル数よりも少なく、各ピン
ホ−ル配列内に2次元放射線画像検出器7の素子配列が
含まれてしまうような構成にすることも可能である。本
実施例においては、前段コリメ−タ1を構成しているピ
ンホ−ルにより多重X線ペンシルビ−ムが生成される。
この多重X線ペンシルビ−ムを構成する各X線ペンシル
ビ−ムのビ−ム径は、2次元放射線画像検出器7の検出
素子面上でX線管4の焦点サイズに比例した大きさとな
る。これは、ピンホ−ル写真器の原理に基づくもので、
X線管4の焦点の画像がピンホ−ル画像として2次元放
射線画像検出器7の検出素子面上に投影されるためであ
る。従って、空間解像度を向上させるためには、2次元
放射線画像検出器7の検出素子面上におけるX線ペンシ
ルビ−ムのビ−ム径を制御することが必要となってく
る。後段のコリメ−タ2,3が、この役割を果してい
る。すなわち、後段の第1コリメ−タ2および後段の第
2コリメ−タ3の各ピンホ−ル径を決定すれば、それら
の径によってX線ペンシルビ−ムのビ−ム径が決まるの
で、結局、第1および第2コリメ−タ2,3により2次
元放射線画像検出器7の検出素子面上でのX線ペンシル
ビ−ムのビ−ム径が制御されることになる。
【0008】次に、2次元放射線画像検出器7の空間解
像度は、画像を検出する最小基本単位である検出素子8
の幅によって決定される。また、X線系の空間解像度
は、前述のように、2次元放射線画像検出器7の検出素
子面上におけるX線ペンシルビ−ムのビ−ム径を制御す
る後段コリメ−タ2,3のピンホ−ルの径で決定され
る。その結果、撮影されるX線画像の空間解像度は、2
次元放射線画像検出器7の検出素子8の幅、または後段
コリメ−タ2,3のピンホ−ルの径で決定される。具体
的には、後段コリメ−タ2,3のピンホ−ル径と2次元
放射線画像検出器7の検出素子8の径(幅)のうちの径
の大きい方で決まることになる。すなわち、後段コリメ
−タ2,3のピンホ−ルの径が大きく、2次元放射線画
像検出器7の検出素子面上に照射するX線ペンシルビ−
ムの径が素子の幅よりも大きい場合には、大きい方の
径、つまりX線画像の空間解像度は後段コリメ−タ2,
3のピンホ−ルの径により決定される。逆に、後段コリ
メ−タ2,3のピンホ−ルの径が小さく、2次元放射線
画像検出器7の検出素子面上に照射するX線ペンシルビ
−ムの径が素子の幅よりも小さい場合には、X線画像の
空間解像度は2次元放射線画像検出器7の素子幅で決定
される。従って、空間解像度の高いX線画像を得るため
には、2次元放射線画像検出器7の検出素子面上に照射
されるX線ペンシルビ−ムの径が素子の幅よりも小さく
なるように、後段コリメ−タ2,3のピンホ−ルの径を
調整する。
【0009】次に、後段コリメ−タとして、後段第1の
コリメ−タ2と後段第2のコリメ−タ3の2個を用いる
理由を説明する。これは、被写体6から生じた散乱X線
成分の2次元放射線画像検出器7に対する入射を抑制す
るためである。すなわち、被写体6から生じた散乱X線
成分のうち、後段の第1コリメ−タ2のピンホ−ルを透
過した散乱X線に対して、散乱X線の2次元放射線画像
検出器7への入射を後段第2コリメ−タ3により防止す
る。これによって、撮影されるX線画像に散乱X線が混
入しなくなるため、高いコントラストのX線画像を得る
ことができる。結局、本発明の要点は、ピンホ−ル配列
を有するコリメ−タの使用により、2次元放射線画像検
出器7の検出素子サイズよりも小さな分解能を得るとと
もに、被写体より後に2個のコリメ−タを使用すること
により、散乱線を除去する点にある。さらに本実施例に
おいては、2次元放射線画像検出器7で検出されるX線
画像の空間解像度がX線管4の焦点サイズの影響を全く
受けずに、後段のコリメ−タ2,3のピンホ−ル径によ
ってのみ決定されるため、高空間解像度のX線画像撮影
が可能となる。さらに、空間解像度がX線管4の焦点サ
イズの影響を全く受けないので、被写体位置を画像検出
器7から離して、相対的に被写体位置をX線管4に近づ
けて撮影する拡大撮影においても、焦点サイズの影響を
受けることなく、空間解像度の劣化のない高解像度の画
像を撮影することができる。拡大撮影においては、一般
に被写体のX線透過像が拡大されて、2次元放射線画像
検出器に投影され、拡大画像を撮影するので、被写体画
像の解像度は向上する。本実施例においては、拡大効果
を十分に活用することができるので、この拡大効果とX
線管の焦点サイズの影響を全く受けないことにより、極
めて高解像度の画像撮影を行うことができる。
【0010】図2は、図1における2次元放射線画像検
出器の部分拡大図である。ここでの目的は、2次元放射
線画像検出器7の検出素子8の幅で決まる空間解像度以
上の空間解像度を画像撮影の空間解像度として得ること
である。なお、図2では、2次元放射線画像検出器7の
一部の検出素子8付近の構造のみを示しており、特にX
線ペンシルビ−ム5−11が照射する左上部分7−1の
みを切断して示している。図2における2次元放射線画
像検出器7の検出素子8は、図1の2次元放射線画像検
出器7の左から2列目で上から2段目の検出素子であ
る。すなわち、図2において図1の2次元放射線画像検
出器7の検出素子8に相当する部分は、実線で囲まれた
枠内の範囲であって、破線は空間解像度を示すための実
際には見えない線である。すなわち、検出素子8の幅
は、実線の枠の幅であって、破線は無関係である。X線
ペンシルビ−ム5−11は、前段コリメ−タ1,後段第
1コリメ−タ2、および後段第2コリメ−タ3の各々左
から2列目で上から2段目のピンホ−ルを透過したX線
ペンシルビ−ムであって、2次元放射線画像検出器7中
の検出素子8により検出される。前述のように、各コリ
メ−タ2,3のピンホ−ル径を調整することにより、2
次元放射線画像検出器7の検出素子面上に照射するX線
ペンシルビ−ムの径を変化することができる。いま、ピ
ンホ−ル径を調整することにより、2次元放射線画像検
出器7の検出素子面上に照射するX線ペンシルビ−ムの
径を2次元放射線画像検出器7の検出素子幅の1/2に
設定する。2次元放射線画像検出器7の検出素子面上に
照射するX線ペンシルビ−ムの径を、2次元放射線画像
検出器7の検出素子の幅の1/2以下にした場合に、X
線ペンシルビ−ム5−11は、図2では、2次元放射線
画像検出器7中の検出素子8の中の左上の1/4の領域
に照射される。
【0011】次に、図1において、コリメ−タ1,2,
3を同時に水平方向に移動させると(矢印1−2,2−
2,3−2)、X線ペンシルビ−ム5−11は図2にお
けるX線ペンシルビ−ム5−12の位置に変化して、2
次元放射線画像検出器7の検出素子8の中の右上の1/
4の領域に照射される。次に、コリメ−タ1,2,3を
同時に垂直方向に移動させると(矢印1−1,2−1,
3−1)、X線ペンシルビ−ム5−12はX線ペンシル
ビ−ム5−13の位置に変化し、2次元放射線画像検出
器7の検出素子8の中の右下の1/4の領域に照射され
る。次に、コリメ−タ1,2,3を水平方向に同時に移
動させると(矢印1−2,2−2,3−2)、X線ペン
シルビ−ム5−13はX線ペンシルビ−ム5−14の位
置に変化し、2次元放射線画像検出器7の検出素子8の
中の左下の1/4の領域に照射される。これらの4本の
X線ペンシルビ−ムは、全て同一の2次元放射線画像検
出器7の中の検出素子8により検出されるが、X線ペン
シルビ−ムが被写体6を透過する位置はそれぞれ異なっ
ており、かつX線ペンシルビ−ムは被写体6の空間的に
異なる位置のX線透過に関するX線強度信号を有してい
る。前段コリメ−タ1、後段第1コリメ−タ2および後
段第2コリメ−タ3を同時に移動して、撮影する方法に
おいて、図2のX線ペンシルビ−ム5−11を作成する
3個で1組のコリメ−タ1,2,3の位置を第1コリメ
−タ位置とする。同じようにして、Xペンシルビ−ム5
−12を作成する1組のコリメ−タ1,2,3の位置を
第2コリメ−タ位置とする。同じく、Xペンシルビ−ム
5−13、5−14を作成するコリメ−タ1,2,3の
位置を第3および第4のコリメ−タ位置とする。
【0012】図3は、本発明の一実施例を示すX線画像
撮影での画像合成方法の説明図である。図3において、
21は前述の第1コリメ−タ位置での撮影画像、22は
第2コリメ−タ位置での撮影画像、23は第3コリメ−
タ位置での撮影画像、24は第4コリメ−タ位置での撮
影画像、20は各コリメ−タ位置での撮影画像を基にし
た合成画像である。これらの画像21,22,23,2
4,20は、2次元放射線画像検出器7自体の空間解像
度で決まる解像度の画像である。以下、各コリメ−タ位
置における撮影画像を基にした図3に示す合成画像20
の作成方法を述べる。第1コリメ−タ位置、第2コリメ
−タ位置、第3コリメ−タ位置および第4コリメ−タ位
置の順序で、各コリメ−タ1,2,3を同時に移動させ
ることにより、X線ペンシルビ−ムはコリメ−タ位置の
移動に伴って、図1の2次元放射線画像検出器7のX線
入射面上で第1コリメ−タ位置から水平方向の右、垂直
方向の下、水平方向の左の順に移動する。このような移
動位置に合わせて、第1コリメ−タ位置における撮影画
像を中心に考える。先ず、第1コリメ−タ位置での撮影
画像21の任意画素の右側に、第2コリメ−タ位置での
撮影画像の対応する列および段の画素を配置する(図3
の20参照)。次に、全く同じようにして、第3コリメ
−タ位置での撮影画像の対応する列および段の画素を、
第1コリメ−タ位置での撮影画像の画素の右下に配置
し、次に第4コリメ−タ位置での撮影画像の画素を、第
1コリメ−タ位置での撮影画像の画素の下に配置する。
この操作を全ての画素について順次行い、全ての画素を
配列すると、合成画像20が実現される。
【0013】図2および図3の実施例においては、X線
ペンシルビ−ムの径を2次元放射線画像検出器7の検出
素子8の幅の1/2以下に設定している。従って、第
1、第2、第3および第4コリメ−タ位置での画像の各
々の対応する画素は、それぞれ同一の2次元放射線画像
検出器7中の検出素子8で検出される。しかし、被写体
6中の空間的なX線の透過率に関しては、それぞれX線
ペンシルビ−ムの透過位置が異なっているため、異なる
空間的な情報を有している。すなわち、2次元放射線画
像検出器7の検出素子8の数が4倍になり、空間解像度
が2倍になったことを意味している。図3の実施例で
は、第1から第4のコリメ−タ位置の4つの位置におけ
る4枚の撮影画像を基にして、高空間解像度の合成画像
20を得る方法を述べた。この方法を拡大して、さらに
X線ペンシルビ−ムの径を小さくし、コリメ−タ位置を
4位置以上に設定すれば、4枚以上の撮影画像から合成
画像を作成することができるので、より高空間解像度の
画像を得ることが可能である。例えば、2次元放射線画
像検出器7の検出素子8の幅を3分割するとともに、第
1、第2、第3コリメ−タの移動位置を左上、中上、右
上、右中、中中、左中、左下、中下、右下の9つにする
ことにより、9枚の撮影画像から合成画像を作成するこ
とができるので、空間解像度が3倍になったことにな
る。本実施例の撮影方法を用いれば、撮影されるX線画
像に散乱X線が混入しないので、高コントラストのX線
画像が得られる。また、X線管の焦点サイズの影響によ
る空間解像度の低下がなく、しかも2次元放射線画像検
出器自体の空間解像度以上の高解像度の画像撮影が可能
となる。
【0014】図4は、本発明の他の実施例を示すX線画
像撮影装置の全体斜視図である。図4の構成において、
図1の構成と異なる点は、後段の第1コリメ−タ12と
後段の第2コリメ−タ13のピンホ−ル数が多いこと
と、これらの後段第1および第2コリメ−タ12,13
を移動させることなく、固定型にすることである。この
ように、固定型後段コリメ−タ12,13は、図1の後
段コリメ−タ2,3とは異なって、全く移動せずに常に
固定している。これに対して、前段の第1コリメ−タ1
は、図1の場合と同じく移動するとともに、ピンホ−ル
数も図1のものと同じである。固定型後段コリメ−タ1
2,13には、前段コリメ−タ1の移動位置に伴うX線
ペンシルビ−ムの通過位置毎にピンホ−ルを備えてい
る。ここでは、前段コリメ−タ1の第1から第4コリメ
−タ位置に対して、固定型後段コリメ−タ12,13の
ピンホ−ル数は前段コリメ−タ1のピンホ−ル数に比べ
て4倍である。すなわち、前段コリメ−タ1の第1から
第4コリメ−タ位置により移動するX線ペンシルビ−ム
の通過位置の各々に対して、固定型後段コリメ−タ1
2,13はピンホ−ルを具備している。本実施例では、
移動型コリメ−タは前段のコリメ−タ1のみであるた
め、撮影装置の構造を格段に簡素化することができる。
さらに、図1の実施例と同じく、撮影画像の画質を高画
質にすることができる。すなわち、図4においても、2
次元放射線画像検出器7の検出素子数は4倍となるの
で、空間解像度を2倍にすることができる。さらに、X
線ペンシルビ−ムの径を小さくするとともに、前段コリ
メ−タ1のコリメ−タ位置を4位置以上に設定し、対応
する固定型後段コリメ−タ12,13のピンホ−ル数を
前段コリメ−タ1のピンホ−ル数の4倍以上にすること
により、4枚以上の撮影画像から合成画像を作成するこ
とができ、2倍以上の空間解像度にすることが可能であ
る。
【0015】以下、本発明のさらに他の実施例について
説明する。前述の実施例では、1個の前段コリメ−タ1
と2個の後段コリメ−タ2,3(12,13)を用いた
が、後段コリメ−タを1個にしても、高画質の画像を撮
影することができ、かつ装置をさらに簡素化できる。ま
た、実施例では、1個の前段コリメ−タ1を用いている
が、前段コリメ−タを複数個用いることにより、生成す
るX線ペンシルビ−ムさらに絞れるので、ビ−ムの形状
を広がりのない線状に形成することができ、さらに高画
質の画像に撮影することができる。次に、コリメ−タの
材質について述べる。ピンホ−ル配列を具備したコリメ
−タは、ピンホ−ルによりX線ペンシルビ−ムを生成す
るので、コリメ−タの材質としてはX線を透過し難い物
質からなるプレ−トにピンホ−ルを設けたものが望まし
い。X線の透過率は、物質のX線吸収係数と物質の厚さ
により決定されるので、コリメ−タを構成するプレ−ト
材料にはX線吸収係数が大きいもの、例えばタングステ
ン、タンタル、モリブデン、またはこれらの元素を含む
合金、金合金、白金合金等を用いればよい。また、真
鍮、ステンレス(SUS)等のX線吸収係数の小さな物
質を用いるときには、プレ−トの厚さを大きくすればよ
い。なお、プレ−トへのピンホ−ルの形成方法として
は、ドリル径の小さなドリルによる機械的な加工、微小
ビ−ム径レ−ザ−を用いたレ−ザ−加工、あるいは放電
加工、エッチング加工等により形成する方法がある。
【0016】図1および図4において、コリメ−タを各
コリメ−タ位置に移動する方法としては、ピエゾ素子ア
クチュエ−タを用いた素子に印加する電圧を調整するこ
とにより、移動位置を制御する。また、他の方法として
は、マイクロメ−タをステッピングモ−タやサ−ボモ−
タにより駆動して、移動位置を制御する方法もある。な
お、ステッピングモ−タやサ−ボモ−タは、モ−タに入
力するパルス信号のパルス数により回転数が制御され、
これによってマイクロメ−タによるコリメ−タの位置制
御が行われる。また、図1および図4における2次元放
射線画像検出器7の構造は、密着型2次元センサ上に蛍
光体膜を形成したものが使用される。密着型2次元セン
サは、薄膜トランジスタアレイを基板上に形成して、画
像信号読み出し用ドライバ−として用いる。2次元セン
サの構造は、2次元的に配列された薄膜光電変換素子を
構成するフォトダイオ−ドまたはフォトトランジスタに
より光電変換された画素信号を順次読み出す光センサ構
造を有している。2次元放射線画像検出器7は、入射さ
れたX線を蛍光体膜で吸収し、X線のエネルギ−を可視
光に変換して、これを密着型2次元センサで検出する。
また、2次元放射線画像検出器7の画素配列は、図1お
よび図4に示すように碁盤目状の配列であるため、コリ
メ−タ中のピンホ−ル配列とそれぞれ対応関係を有し、
各ピンホ−ルに対応するX線ペンシルビ−ムを検出す
る。
【0017】本発明で用いられる2次元放射線画像検出
器7の他の実施例としては、X線イメ−ジインテンシフ
ァイアとビデオカメラの組み合わせを用いることができ
る。イメ−ジインテンシファイアに入射されたX線は、
先ずX線イメ−ジインテンシファイアの入力蛍光体膜で
吸収された後、可視光に変換される。次に、可視光を光
電変換膜で光電子に変換して、この光電子を電子光学系
で出力蛍光膜上に静電加速し、収束することにより光電
子のエネルギ−を可視光に変換した後、高揮度の可視光
出力にする。この可視光を、光学的結像レンズ系を経由
してビデオカメラにより画像撮影を行う。このように、
X線イメ−ジインテンシファイアにおいては、X線像の
入力に対して輝度増幅された可視光像を出力するのであ
る。この実施例の2次元放射線画像検出器の場合には、
検出素子の配列がビテオカメラの画素構成で決定される
ので、X線入力面上におけるX線イメ−ジインテンシフ
ァイアの検出素子の配列は、ビデオカメラの画素配列を
X線イメ−ジインテンシファイアのX線入力面上に逆投
影した配列となる。また、X線イメ−ジインテンシファ
イアのX線入力面上の検出素子配列は、X線イメ−ジイ
ンテンシファイアの電子光学系の収差のためにビデオカ
メラの画素配列と相似していない。従って、X線イメ−
ジインテンシファイアのX線入力面上の検出素子配列
は、密着型2次元センサ上に蛍光体膜を形成した構造の
画像検出器のように碁盤目状の配列とはならない。しか
しながら、X線イメ−ジインテンシファイアのX線入力
面の配列は、近似的にはコリメ−タのピンホ−ル配列と
対応関係を有しており、各ピンホ−ルに対応するX線ペ
ンシルビ−ムを検出する。
【0018】前述のように、ビデオカメラの画素配列を
X線イメ−ジインテンシファイアのX線入力面上に逆投
影したX線イメ−ジインテンシファイアのX線入力面上
での検出素子配列は、碁盤目状の配列にはならない。し
かしながら、コリメ−タ中のピンホ−ル数をX線入力面
上での検出素子数よりも多くすれば、X線入力面上での
検出素子配列と1対1に対応するようなピンホ−ルの組
み合わせを、ピンホ−ル配列の中に作ることができる。
従って、2次元放射線画像検出器7にX線イメ−ジイン
テンシファイアを用いた場合にも、検出素子配列とコリ
メ−タ中のピンホ−ルの組み合わせに、1対1の対応を
維持させることができる。逆に、2次元放射線画像検出
器のX線入力面上での検出素子数をコリメ−タ中のピン
ホ−ル数よりも多くすれば、コリメ−タ中のピンホ−ル
配列と1対1に対応するような検出素子の組み合わせ
が、X線入力面上での検出素子配列中に形成できる。そ
の結果、コリメ−タ中のピンホ−ル配列と2次元放射線
画像検出器の検出素子配列の組み合わせに、1対1の対
応関係を維持することができる。一方、ビデオカメラの
画素配列をX線イメ−ジインテンシファイアのX線入力
面上に逆投影した配列を基準として、コリメ−タ中のピ
ンホ−ル配列をこれら合わせると、各X線ペンシルビ−
ムは、これらのピンホ−ル配列中の各ピンホ−ルおよび
2次元放射線画像検出器の検出素子配列中の各検出素子
と完全に1対1に対応させることができる。従って、本
実施例においては、画像検出部にビデオカメラを用いて
いるので、ピンホ−ル配列を備えたコリメ−タによる高
画質な画像を高速に撮影することができる。
【0019】上記実施例に用いられるビデオカメラとし
ては、通常の撮像管カメラやCCDカメラを使用する他
に、アバランシェ増倍型撮像管カメラも使用することが
できる。アバランシェ増倍型撮像管カメラは、撮像管の
光電変換膜に通常よりも高い電界を印加して、光電変換
膜内で電荷が電界により移動する際にアバランシェ増倍
を発生させ、高い信号電流を得る構造である。従って、
本実施例においては、低いX線の入射量に対しても高感
度な画像撮影が可能であって、被曝線量を低減したX線
低線量撮影が可能である。すなわち、本実施例のアバラ
ンシェ増倍型撮像管カメラを用いれば、ピンホ−ル配列
を具備したコリメ−タによる高画質の画像を高速、高感
度で撮影することができる。次に、2次元放射線画像検
出器を用いてコリメ−タを各コリメ−タ位置に移動しな
がら撮影する方法、すなわち図3に示した方法を説明す
る。本実施例では、各コリメ−タ位置毎に画像を撮影し
て、これらの画像から合成画像を作成して高解像度画像
を得る。このためには、2次元放射線画像検出器が画像
検出し、これを撮影する画像撮影制御信号に同期して、
コリメ−タを各コリメ−タ位置に移動することにより、
各コリメ−タ位置毎に画像撮影する。密着型2次元セン
サ上に蛍光体膜を形成した構造の2次元放射線画像検出
器の場合には、画像撮影制御信号として画像信号読み出
し用ドライバ−の薄膜トランジスタアレイの駆動信号を
用いる。これに対して、X線イメ−ジインテンシファイ
アとビデオカメラの組み合わせを用いる場合には、画像
撮影制御信号としてビデオカメラの同期信号を用いる。
【0020】以上の実施例では、放射線を発生する手段
として医学診断用X線管を用い、放射線を検出する手段
として2次元放射線画像検出器を用いていた。しかし、
本発明においては上記実施例に限定されない。その他に
も、例えば、X線管電圧の高いX線発生装置を用いるこ
とによりエネルギ−の高いX線を発生するので、工業用
材料や各種製品の非破壊検査に用いることができる。ま
た、放射線を発生する手段として、各種の放射性同位元
素、加速器、原子炉等を用いれば、α線、β線、γ線、
各種の粒子線を検出することができる。さらに、中性子
線に関しては、2次元放射線画像検出器の放射線検出素
子に対中性子反応物質を混入することにより、2次元放
射線画像検出器で中性子線を検出することができる。こ
の理由は、中性子線と対中性子反応物質とが核反応を起
し、反応物質としてα線、β線、γ線、各種の粒子線等
を放出するので、これらの放射線を検出すれば、間接的
に中性子線を検出できるためである。この結果、本実施
例では、各種の放射線による画像を高解像度で撮影する
ことが可能である。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
画像検出器自体の空間解像度以上の解像度の画像を撮影
することができ、被写体からの散乱X線によるコントラ
ストの低下がなく、X線源であるX線管の焦点の大きさ
に全く影響されず、高コントラストで超高解像度の画像
を高速、高感度で撮影することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すX線画像撮影装置の構
造斜視図である。
【図2】図1における2次元放射線画像検出器の部分拡
大図である。
【図3】本発明の一実施例を示す画像合成のX線画像撮
影方法の説明図である。
【図4】本発明の他の実施例を示すX線画像撮影装置の
構造斜視図である。
【符号の説明】
1 前段コリメ−タ、 2,12 後段第1コリメ−タ 3,13 後段第2コリメ−タ 4 X線管 6 被写体 7 2次元放射線画像検出器 8 検出素子 20 合成画像の画素配置 21 第1コリメ−タ位置での撮影画像 22 第2コリメ−タ位置での撮影画像 23 第3コリメ−タ位置での撮影画像 24 第4コリメ−タ位置での撮影画像 1−1〜3−2 コリメ−タの移動方向 5−11〜5−41 X線ペンシルビ−ム 7−1 2次元放射線画像検出器の一部分

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線を発生する手段、該放射線を検出
    する2次元放射画像検出器、および該放射線発生手段と
    2次元放射線画像検出器の間に設けられた被写体とを配
    置した放射線画像撮影装置において、2次元ピンホ−ル
    配列を具備した1個ないし複数個のコリメ−タを、該放
    射線発生手段と被写体との間と、該被写体と2次元放射
    線画像検出器との間に、それぞれ配置したことを特徴と
    する放射線画像撮影装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の放射線画像撮影装置に
    おいて、前記2次元ピンホ−ル配列からなる1個ないし
    複数個のコリメ−タのピンホ−ル配列のパタ−ンと、前
    記2次元放射線画像検出器の画像を検出する最小基本単
    位である検出素子の配列パタ−ンとが同一であり、各コ
    リメ−タのピンホ−ル配列中の各ピンホ−ル相互および
    該ピンホ−ルと該2次元放射線画像検出器の検出素子配
    列中の各検出素子とが1対1に対応していることを特徴
    とする放射線画像撮影装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の放射線画像撮影装置に
    おいて、前記2次元ピンホ−ル配列を具備した1個ない
    し複数個のコリメ−タのピンホ−ル配列内のピンホ−ル
    数に比べて、前記2次元放射線画像検出器の画像を検出
    する最小基本単位である検出素子配列内の検出素子数
    が、該ピンホ−ル数よりも多く、該ピンホ−ル配列の構
    造が該2次元放射線画像検出器の検出素子配列の構造に
    含まれていることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の放射線画像撮影装置に
    おいて、前記2次元ピンホ−ル配列を具備した少なくと
    も1個のコリメ−タのピンホ−ル配列内のピンホ−ル数
    に比べて、前記2次元放射線画像検出器の画像を検出す
    る最小基本単位である検出素子配列内の検出素子数が、
    該ピンホ−ル数よりも少なく、該2次元放射線画像検出
    器の検出素子配列の構造が該ピンホ−ル配列の構造に含
    まれていることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の放射線画像撮影装置に
    おいて、前記2次元ピンホ−ル配列を具備したコリメ−
    タには、2種類のコリメ−タが存在し、そのうちの1種
    類はコリメ−タのピンホ−ル配列のパタ−ンと前記2次
    元放射線画像検出器の画像を検出する最小基本単位であ
    る検出素子の配列パタ−ンとが同一であるコリメ−タで
    あり、他の1種類は上記コリメ−タに対してピンホ−ル
    数が整数倍あり、該コリメ−タ内のピンホ−ル配列のパ
    タ−ンと上記2次元放射線画像検出器の検出素子配列の
    パタ−ンとが同一であるようなピンホ−ル配列の組み合
    わせを複数組持っているコリメ−タであることを特徴と
    する放射線画像撮影装置。
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項4に記載の放射線
    画像撮影装置において、前記2次元ピンホ−ル配列を具
    備したコリメ−タ1個ないし複数個を、前記2次元放射
    線画像検出器の画像検出面と平行な方向の面に対し、互
    いに直角をなす2つの方向に移動して、各移動位置毎に
    画像撮影を行い、その都度得られた1枚ずつの画像を合
    成して、該2次元放射線画像検出器の検出素子配列で決
    定される空間解像度より高い空間解像度の画像を撮影す
    ることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の放射線画像撮影装置に
    おいて、前記2種類のコリメ−タのうち、コリメ−タ内
    のピンホ−ル配列のパタ−ンと2次元放射線画像検出器
    の画像を検出する最小基本単位である検出素子の配列パ
    タ−ンとが同一であるピンホ−ル配列の組み合わせを複
    数組有するコリメ−タに対しては静止したままで画像撮
    影を行い、該コリメ−タとは別種類で、コリメ−タのピ
    ンホ−ル配列と該2次元放射線画像検出器の検出素子配
    列との組み合わせが1組だけであるコリメ−タに対して
    は、該2次元放射線画像検出器の画像検出面に平行な方
    向の面上において、互いに直角の2つの方向に移動させ
    て移動位置毎に撮影を行い、得られた複数枚の各移動位
    置毎の画像を合成して、該2次元放射線画像検出器の検
    出素子配列で決定される空間解像度よりも高い空間解像
    度の画像を撮影することを特徴とする放射線画像撮影装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項6または請求項7に記載の放射線
    画像撮影装置において、前記2次元放射線画像検出器の
    画像検出面に平行な方向の面上で、互いに直角の2つの
    方向に移動するコリメ−タの移動量は、該コリメ−タ内
    のピンホ−ルを透過した放射線が入射する該2次元放射
    線画像検出器の画像検出面上の検出素子の幅に対応する
    コリメ−タの移動量以下であることを特徴とする放射線
    画像撮影装置。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の放射線画像撮影装置に
    おいて、前記2次元ピンホ−ル配列を具備したコリメ−
    タの構造は、放射線の透過率が非常に小さい重元素から
    構成される板状であり、かつ該コリメ−タ内のピンホ−
    ルの穴径は、該ピンホ−ルを透過した放射線が入射する
    2次元放射線画像検出器の画像検出面上の検出素子の幅
    に対応する穴径以下であることを特徴とする放射線画像
    撮影装置。
  10. 【請求項10】 請求項6または請求項7に記載の放射
    線画像撮影装置において、前記2次元ピンホ−ル配列を
    具備したコリメ−タは、その移動のための駆動装置とし
    て、印加電圧により移動距離を制御できるピエゾ素子、
    あるいは入力パルス数制御によるステッピングモ−タに
    よりマイクロメ−タを駆動した移動距離の制御手段を用
    いることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  11. 【請求項11】 請求項6または請求項7に記載の放射
    線画像撮影装置において、前記2次元放射線画像検出器
    は、基板上に薄膜光電変換素子と薄膜トランジスタアレ
    イを形成した構造上に、蛍光体膜層を形成した大面積密
    着型2次元センサを用い、該密着型2次元センサの画像
    信号に同期してコリメ−タを移動し、移動したコリメ−
    タ位置で画像を撮影することを特徴とする放射線画像撮
    影装置。
  12. 【請求項12】 請求項6または請求項7に記載の放射
    線画像撮影装置において、前記2次元放射線画像検出器
    は、X線イメ−ジインテンシファイヤとビデオカメラを
    用いて構成され、該ビテオカメラの画像信号に同期して
    コリメ−タを移動し、移動したコリメ−タ位置で画像を
    撮影することを特徴とする放射線画像撮影装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の放射線画像撮影装
    置において、前記ビデオカメラとしては、光導電膜内で
    入射光信号に対するアバランシェ倍増機能を有する撮像
    管、あるいは撮像素子からなるアバランシェ増倍型撮像
    カメラを用いることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載の放射線画像撮影装置
    において、前記放射線を発生する手段としては、X線を
    放射するX線管、α線やβ線やγ線を放射する放射性同
    位元素、あるいは加速器、各種粒子線を放射する加速
    器、あるいは原子炉、のいずれかを用いることを特徴と
    する放射線画像撮影装置。
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