JPH0623752A - 組成の異なる積層複合樹脂の分別方法とその装置 - Google Patents

組成の異なる積層複合樹脂の分別方法とその装置

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JPH0623752A
JPH0623752A JP20188292A JP20188292A JPH0623752A JP H0623752 A JPH0623752 A JP H0623752A JP 20188292 A JP20188292 A JP 20188292A JP 20188292 A JP20188292 A JP 20188292A JP H0623752 A JPH0623752 A JP H0623752A
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Tsuneo Masuda
恒男 増田
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Masuko Sangyo Co Ltd
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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 積層構造を有する複合樹脂材からリサイクル
可能な樹脂部材と、その他の不要部材とを分別する装置
を開発すること。 【構成】 複数の構成部材を積層してなる複合樹脂材料
を粉砕して積層樹脂片を得る粉砕機(1)(2)と、外
周平坦部間に一定のクリアランスを有して対向するリン
グ状固定砥石及びリング状回転砥石を備え、該外周平坦
部間に水と共に通過させた上記積層樹脂片を構成部材に
分離する摩砕機(4)(13)と、分離した構成部材のう
ち再利用目的の構成部材を水への浮揚又は沈降の差を利
用して分別する水分離槽(7)(14)とからなる積層複
合樹脂の分別装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は組成の異なる積層複合樹
脂、特に自動車等に装置されているダッシュボードやバ
ンパー等から再利用可能な樹脂を分離する分別方法とそ
の装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年のモータリゼーションにより車の普
及は年々増加の一途をたどり、それにつれて廃車の台数
も年々膨大な数量になっており、これに伴ない廃棄物の
量も激増している。しかしながら資源の再利用の観点か
らみると、自動車に使用されている樹脂についてはほと
んどリサイクルされていないのが現状である。
【0003】このような車輌に使用されている樹脂とし
ては現在約20種類あるが、それらの中でも使用量の多い
ものは次の表1に示した7種類である。そして量的に最
も多く用いられているのが、ダッシュボードに使用され
ているポリ塩化ビニル(PVC)と、バンパーに使用さ
れているアクリロニトリルブタジエンスチレン(AB
S)である。
【0004】
【表1】
【0005】しかしこれら樹脂製のダッシュボードやバ
ンパーなどは、複数の樹脂との積層により複合化されて
おり、又は樹脂に硬質の塗料が焼付けられていて、これ
らが分離できないため、リサイクル資源として活用する
方法が見出せなかった。そのため廃棄物として埋立て、
場合によっては海洋投棄など不法処理されていて、重大
な社会問題となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記ダッシュボードの
構成は図1に示すように硬質のポリ塩化ビニル(PV
C)(40)と比較的軟質の発泡樹脂(発泡ポリウレタ
ン)(42)とを接着剤(41)で強力に接合した積層構造
である。また上記バンパーは図2に示すように、ビニル
樹脂成分の長所である硬さ及び強さと、合成ゴムのタフ
ネスや耐衝撃性とが良好に組合わされた素材であるアク
リロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)
(43)の表面に焼付塗装して塗料層(44)を設けた、や
はり積層構造を有するものである。
【0007】このようにこれらダッシュボード及びバン
パーは、構成する層の厚さこそ異なっているが、積層構
造である。これらの積層樹脂を必要な部分を残し、不要
な部分を削り取ることができれば資源として回収が可能
となる筈である。そしてダッシュボードの場合はPVC
が、バンパーの場合はABSがリサイクル資源として有
効である。しかしながら不要部の削り取りが不完全だと
その部分がコンタミとして残留し資源としての品質が低
下してしまう。通常このコンタミの許容量は2%以下で
あるので削りとりは寸法的に極めてきびしいものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はこれに鑑み検討
の結果、積層構造を有する複合樹脂の不要部分を完全に
取り除くことを可能にし、有用な資源のリサイクルを実
現させる積層複合樹脂の分別方法とその装置を開発した
ものである。
【0009】即ち本発明の方法は、複数の構成部材を積
層してなる複合樹脂材料を粉砕して得られる積層樹脂片
を、一定のクリアランスを有して対向するリング状固定
砥石及びリング状回転砥石の外周平坦部間で水と共に通
過摩砕せしめた後、摩砕により分離した上記積層樹脂片
のうち再利用目的の構成部材を比重選別することを特徴
とするもので、この際比重選別として水への浮沈の差を
用いるのは有効である。
【0010】また本発明の装置は、複数の構成部材を積
層してなる複合樹脂材料を粉砕して積層樹脂片を得る粉
砕機と、外周平坦部間に一定のクリアランスを有して対
向するリング状固定砥石及びリング状回転砥石を備え、
該外周平坦部間に水と共に通過させた上記積層樹脂片を
構成部材に分離する摩砕機と、分離した構成部材のうち
再利用目的の構成部材を比重により分別する比重分離槽
とからなることを特徴とするものであり、比重分離槽と
して水を用いた分離槽を備え、さらに脱水乾燥機を備え
たり、また摩砕機を複数台設置し、第1摩砕機で積層樹
脂片を粗摩砕してその構成部材同士を粗分離し、第2以
降の摩砕機で仕上げ分離するのは効果が大きい。
【0011】
【実施例】次に本発明を実施例により詳細に説明する。
【0012】(実施例1) ダッシュボード積層樹脂材
料の分別 図1に示すダッシュボードを構成している積層複合樹脂
材料からPVC(40)をリサイクル資源として回収する
装置の一例を図3に示す。
【0013】先ずダッシュボード樹脂材料を粗粉砕クラ
ッシャー(1)及び中粉砕カッターミル(2)にて図4
(a)(b)に示すような数mm角の通常トリムチップと称する
積層樹脂片(45)に粉砕する。この時このダッシュボー
ドトリムチップは、PVC片に発泡樹脂がもとのまま付
着しているもの、発泡樹脂が半分程度削り取られている
もの、または発泡樹脂がほとんど削り取られているもの
に大別できる。次にこれら積層樹脂片(45)を垂直コン
ベヤ(3)にて水タンク(5)から送水される水(6)
と共に第1摩砕機(4)に投入し、これら樹脂片(45)
の発泡樹脂(42)を取り除く。
【0014】ここで使用した摩砕機の構造について説明
する。この摩砕機は図5に示すように中央に供給ホッパ
ー(30)を設けた上蓋(31)の下面に外周部に平坦摩砕
面を形成したリング状の固定砥石(32)を固定し、該固
定砥石(32)に対向して、同じく外周部に平坦摩砕面を
形成したリング状の回転砥石(33)を図示していないモ
ーターに連結した回転軸(34)の上部に固定した回転盤
(35)に押え金具(36)により固定したものである。
【0015】なお上記固定砥石としては、図6(a)
(b)に示すように中央に材料を供給する孔(50)を有
するリング状で、さらに最も負荷のかかる摩砕面である
外周平坦部(51)と、該平坦部(51)に連続する内側に
摩砕凹溝群(52)を付設した中くぼみ状の截頭円錐形状
部とからなっているものを用いる。また回転砥石として
は図7(a)(b)に示すように中央に上記回転軸(3
4)挿入用孔(53)と上記押え金具(36)用段部(54)
を有するリング状で、さらに上記固定砥石と同様外周平
坦部(51)と摩砕凹溝部(52)を有する中くぼみ状の截
頭円錐形状部からなっているものを用いる。そしてこれ
ら砥石の材質としては通常の多孔質ビトリファイド砥石
やその空孔をポリマーで充填したノンポーラスな複合砥
石でもよいが、より望ましくは上記外周平坦部が超硬質
砥粒(図6及び図7で(55)で示す)からなるセラミッ
クス砥石や、内側の摩砕凹溝部がファインセラミック砥
石、ビトリファイド砥石、ビトリファイド砥石とポリマ
ーの複合体などの砥石からなり、その外側に摩砕平坦面
に該内側の砥石より硬度の大きいダイヤモンド、窒化ホ
ウ素研摩剤をコーティングした金属ホイールを設置して
組合わせた複合砥石(特公平3−1061号公報)などが好
適である。
【0016】そして第1摩砕機においては、上記固定砥
石(32)と回転砥石(33)の外周平坦摩砕面間を適当な
クリアランスに調整しておき、供給ホッパー(30)に水
と共に樹脂片を投入して、該樹脂片を上記両砥石の平坦
摩砕面間を通過させる。この際樹脂片は砥石の回転によ
り強力な摩擦力を受けるので発熱して溶け出すことのな
いよう水を共存させている。
【0017】このように処理された樹脂片と剥ぎ取られ
た発泡樹脂等は水と共に第1水分離槽(7)に落下させ
る。この槽(7)内では軟質で微細化した発泡樹脂や接
着剤は比重が水より小さいので水に浮き、一方PVC片
は水より比重が大きいため沈降する。従って浮いた発泡
樹脂や接着剤は分離槽(7)で水と共にオーバーフロー
(8)せしめて振動篩機(9)へ送り、水と分離させて
ゴミタンク(10)へ集める。一方振動篩機(9)で得ら
れた水はレシーブタンク(11)で受けて水タンク(5)
に戻して再利用する。
【0018】他方第1水分離槽(7)に落下して沈降し
た主としてPVC片からなる樹脂片は第1スクリューコ
ンベヤ(12)にて、第2以降の摩砕機(13)に送り、図
5と同じ構成で外周平坦摩砕面間のクリアランスを再調
整した固定砥石と回転砥石間に水と共に通過させる。こ
の第2以降の摩砕機により第1摩砕機で取り除かれなか
った残留発泡樹脂はほぼ完全にPVC片から取り除かれ
てこのPVC片と共に第2水分離槽(14)に落下する。
この第2水分離槽(14)内では前記第1水分離槽(7)
で分別させられたのと同様に、水に浮く接着剤や発泡樹
脂等の微細なゴミ類はオーバーフロー(8)して振動篩
機(9)で分けられてゴミタンク(10)へ、一方水はレ
シーブタンク(11)から水タンク(5)へ戻って再利用
される。
【0019】さらに第2水分離槽(14)内に沈降したP
VC片は第2スクリューコンベヤ(15)で集められて連
続熱風乾燥機(16)に送られ、付着している水を4%以
下まで乾燥除去した後リサイクル資源として再利用され
る。
【0020】以下に原料としてダッシュボードトリムチ
ップ 166kg(比重0.35)を、固定砥石と回転砥石のクリ
アランスを1mmとした第1摩砕機に通過させた場合の回
収PVCの重量と、この第1摩砕機で得られた回収PV
C(表2の 110kg)をさらにクリアランスを 0.7mmとし
た第2摩砕機に通過させた場合の回収PVC重量の実測
値を示す。
【0021】
【表2】
【0022】(実施例2) バンパー用積層樹脂材料の
分別 前記図2のように自動車バンパーは通常ABS板(43)
の表面に塗料層(44)が形成されている積層複合樹脂材
料である。そしてこの樹脂材料から塗料層を除去してA
BSをリサイクルのため回収する装置を図8に示す。
【0023】先ずバンパーを図示していない粉砕機で細
かく粉砕してABS片と塗料層とからなる積層樹脂片と
し、これをフレキシブルコンテナ(17)等で原料供給用
スクリューコンベヤ(18)に投入する。該スクリューコ
ンベヤ(18)からこれら樹脂片を図3と同様の第1摩砕
機(4)の供給ホッパーに水(6)と共に送り込むこと
により、まだ多少塗料層が付着した状態の樹脂片と、剥
離された塗料材が水と混合した状態で排出され、そのま
まとい(19)を通って第2摩砕機(13)に投入される。
この第2摩砕機(13)の固定砥石と回転砥石の平坦面間
のクリアランスはより小さいので樹脂片から塗料層はほ
ぼ完全に除かれ、一方、上記塗料材はこの平坦面間をそ
のまま通過し、これらは水と共に水分離槽(20)に排出
される。
【0024】水分離槽(20)内では、ABS片は比重が
水より小さく、塗料材の比重は水より大きいのでリサイ
クルに供されるABS片は槽(20)の上部に浮揚し、不
要の塗料材は槽(20)の下部に沈降する。そして沈降し
た塗料材は不要物回収スクリューコンベヤ(21)でゴミ
タンク(10)に集められる。他方分離槽(20)の上部の
ABS片は水と共にオーバーフロー、又はポンプで汲み
上げて振動篩機(9)に送る。この振動篩機(9)では
水とABS片とを分離し、水は清水タンク(22)を経て
水タンク(5)に集められて再利用に供せられ、一方A
BS片は連続熱風乾燥機(16)に送って付着している水
を乾燥除去し、再利用原料とする。なお水分離槽(20)
で分離できずにABS樹脂片に付着などして振動篩機
(9)まで送られた塗料材は該振動篩機(9)によりA
BS片と分離させられてゴミタンク(10)に排出され
る。なおこのバンパー積層樹脂材料を分別する図8に示
す装置は、前記ダッシュボードに対する図3に示す装置
の配置を一部変更するだけで兼用が可能である。
【0025】
【発明の効果】このように本発明によれば、従来分離す
るのが非常に困難であったために、リサイクルされてい
なかった自動車のダッシュボードを形成している積層複
合樹脂材を構成するPVCや、バンパーを形成している
塗料層を有する積層複合樹脂材であるABSが容易に単
体で分離、分別できるので再利用資源として有効に活用
でき、環境衛生上及び省資源上大きな効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車のダッシュボードの断面構成を示す説明
図である。
【図2】自動車のバンパーの断面構成を示す説明図であ
る。
【図3】本発明装置の一例を示す説明図である。
【図4】粉砕機で粉砕されたダッシュボード樹脂片を示
すもので、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図5】本発明装置の用いる摩砕機を示す即断面図であ
る。
【図6】摩砕機の固定砥石を示すもので(a)は平面
図、(b)は中央側断面図である。
【図7】摩砕機の回転砥石を示すもので(9)は平面
図、(b)は中央側断面図である。
【図8】本発明装置の他の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 粗粉砕クラッシャー 2 中粉砕カッターミル 3 垂直コンベヤ 4 第1摩砕機 5 水タンク 6 水 7 第1水分離槽 8 オーバーフロー 9 振動篩機 10 ゴミタンク 11 レシーブタンク 12 第1スクリューコンベヤ 13 第2摩砕機 14 第2水分離槽 15 第2スクリューコンベヤ 16 連続熱風乾燥機 17 フレキシブルコンテナ 18 原料供給用スクリューコンベヤ 19 とい 20 水分離槽 21 不要物回収スクリューコンベヤ 22 清水タンク 30 供給ホッパー 31 上蓋 32 リング状固定砥石 33 リング状回転砥石 34 回転軸 35 回転盤 36 押え金具 40 ポリ塩化ビニル(PVC) 41 接着剤 42 発泡樹脂 43 ABS 44 塗料層 45 積層樹脂片 50 供給孔 51 外周平坦部 52 摩砕凹溝群 53 挿入用孔 54 段部 55 超硬質砥粒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:26

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の構成部材を積層してなる複合樹脂
    材料を粉砕して得られる積層樹脂片を、一定のクリアラ
    ンスを有して対向するリング状固定砥石及びリング状回
    転砥石の外周平坦部間で水と共に通過摩砕せしめた後、
    摩砕により分離した上記積層樹脂片のうち再利用目的の
    構成部材を比重選別することを特徴とする組成の異なる
    積層複合樹脂の分別方法。
  2. 【請求項2】 比重選別として水への浮沈の差を用いて
    選別された再利用目的の構成部材から水を除去する請求
    項1記載の分別方法。
  3. 【請求項3】 複数の構成部材を積層してなる複合樹脂
    材料を粉砕して積層樹脂片を得る粉砕機と、外周平坦部
    間に一定のクリアランスを有して対向するリング状固定
    砥石及びリング状回転砥石を備え、該外周平坦部間に水
    と共に通過させた上記積層樹脂片を構成部材に分離する
    摩砕機と、分離した構成部材のうち再利用目的の構成部
    材を比重により分別する比重分離槽からなることを特徴
    とする組成の異なる積層複合樹脂の分別装置。
  4. 【請求項4】 比重分離槽として、水への浮揚と沈降の
    差を利用した水分離槽を用い、さらに分別された構成部
    材から水分を除去する脱水乾燥機を備えた請求項3記載
    の組成の異なる積層複合樹脂の分別装置。
  5. 【請求項5】 摩砕機を複数台設置し、第1摩砕機で積
    層樹脂片を粗摩砕してその構成部材同士を粗分離し、第
    2以降の摩砕機で仕上げ分離する請求項3又は4記載の
    分別装置。
JP20188292A 1992-07-07 1992-07-07 組成の異なる積層複合樹脂の分別方法とその装置 Pending JPH0623752A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008086916A (ja) * 2006-10-02 2008-04-17 Kotobuki Sangyo Kk ロール粉砕機及びロール粉砕システム
US20220371063A1 (en) * 2019-11-06 2022-11-24 Solar Frontier K.K. Method for separating laminate structure

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JP2008086916A (ja) * 2006-10-02 2008-04-17 Kotobuki Sangyo Kk ロール粉砕機及びロール粉砕システム
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