JPH06237143A - 弾性表面波装置 - Google Patents

弾性表面波装置

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JPH06237143A
JPH06237143A JP2242693A JP2242693A JPH06237143A JP H06237143 A JPH06237143 A JP H06237143A JP 2242693 A JP2242693 A JP 2242693A JP 2242693 A JP2242693 A JP 2242693A JP H06237143 A JPH06237143 A JP H06237143A
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JP
Japan
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surface acoustic
semiconductor substrate
electrode
drain electrode
source electrode
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Application number
JP2242693A
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English (en)
Inventor
Tomonori Kimura
友則 木村
Yasuyuki Ito
康之 伊藤
Shiyuuzou Wakou
修三 和高
Koichiro Misu
幸一郎 三須
Tsutomu Nagatsuka
勉 永塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 増幅機能を備えた効率の高い弾性表面波装置
を得る。 【構成】 半導体基板と、半導体基板上に直接または絶
縁体層を介して形成された圧電体層を備え、上記圧電体
層の一面に、少なくとも1対の入力トランスデューサ
を、上記各対の入力トランスデューサから励振された弾
性表面波が互いに作用し合って伝搬するように設け、上
記弾性表面波が互いに作用し合う領域の上記圧電体層の
面上にゲート電極を設け、上記半導体基板にソース電極
とドレイン電極を設け、上記ソース電極とドレイン電極
の間に所定のバイアス電圧を印加し、上記ソース電極ま
たはドレイン電極から出力信号を取り出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、増幅機能を有する弾
性表面波装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は、皆川、坪内、御子柴、「ZnO
/Si SAW コンボルバ」、電子情報通信学会、ス
ペクトル拡散通信研究会、1987年8月、資料番号S
S87−18、第4頁に記載されている従来のこの種の
弾性表面波装置を示す構成図である。
【0003】図7において、1は半導体基板、2は絶縁
体薄膜、3は圧電体薄膜であり、それぞれ、Si、Si
2 、ZnOが使用されている。4および5は入力トラ
ンスデューサ、6はゲート電極、7は接地電極である。
【0004】次に、図7に示した従来の弾性表面波装置
の動作について説明する。入力トランスデューサ4およ
び5に、それぞれ、角周波数ωの電気信号を入力する。
これらの電気信号は、それぞれ、入力トランスデューサ
4および5により、角周波数ωの弾性表面波に変換され
る。これらの弾性表面波は、それぞれ、ゲート電極6に
向かって伝搬する。ゲート電極6に到達した弾性表面波
が互いにすれちがった際、半導体の非線形作用により、
これらの弾性表面波の積の信号、すなわち、角周波数2
ωの信号が生じる。この角周波数2ωの信号は、ゲート
電極6と接地電極7との間に電流として流れ、ゲート電
極6により空間的に積分され、ゲート電極6から電気信
号として出力される。この出力電気信号は、入力トラン
スデューサ4および5に、それぞれ、入力された2つの
電気信号のコンボリューションになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の弾性表面波装置
では、上述したように、角周波数2ωの電流が、ゲート
電極6と接地電極7との間に流れて、空間的に加算され
てゲート電極6からコンボリューション出力として取り
出される。しかし、このコボリューション出力の大きさ
は、弾性表面波装置自体に増幅作用がないので、小さ
く、交率が低いという問題点があった。
【0006】この発明は、このような問題点を解決する
ためになされたものであり、増幅機能を有する効率の高
い弾性表面波装置を得ることを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係わる弾性表
面波装置は、半導体基板と、半導体基板上に直接または
絶縁体層を介して形成された圧電体層を備え、上記圧電
体層の一面に、少なくとも1対の入力トランスデューサ
を、上記各対の入力トランスデューサから励振された弾
性表面波が互いに作用し合って伝搬するように設け、上
記弾性表面波が互いに作用し合う領域の上記圧電体層の
面上にゲート電極を設け、上記半導体基板にソース電極
とドレイン電極を設け、上記ソース電極とドレイン電極
の間に所定のバイアス電圧を印加し、上記ソース電極ま
たはドレイン電極から出力信号を取り出すものである。
【0008】請求項2に係わる弾性表面波装置は、半導
体基板と、半導体基板上に直接または絶縁体層を介して
形成された圧電体層を備え、上記圧電体層の一面に、少
なくとも1対の入力トランスデューサを、上記各対の入
力トランスデューサから励振された弾性表面波が互いに
作用し合って伝搬するように設け、少なくとも上記弾性
表面波が互いに作用し合う領域に対向する上記半導体基
板にソース電極とドレイン電極を設けるとともにゲート
電極を設け、上記ソース電極とドレイン電極の間に所定
のバイアス電圧を印加し、上記ソース電極またはドレイ
ン電極から出力信号を取り出すものである。
【0009】請求項3に係わる弾性表面波装置は、半導
体基板と、半導体基板上に直接または絶縁体層を介して
形成された圧電体層を備え、上記圧電体層の一面に、少
なくとも1対の入力トランスデューサを、上記各対の入
力トランスデューサから励振された弾性表面波が互いに
作用し合って伝搬するように設け、上記弾性表面波が互
いに作用し合う領域の上記圧電体層の面上または少なく
とも上記弾性表面波が互いに作用し合う領域に対向する
上記半導体基板にゲート電極を設け、上記半導体基板に
少なくとも部分的に電気的に分離された複数対のソース
電極とドレイン電極を設け、上記複数対のソース電極と
ドレイン電極の間にそれぞれの対毎に所定のバイアス電
圧を印加し、上記ソース電極またはドレイン電極から出
力信号を取り出すものである。
【0010】請求項4に係わる弾性表面波装置は、半導
体基板と、半導体基板上に直接または絶縁体層を介して
形成された圧電体層を備え、上記圧電体層の一面に、少
なくとも1対の入力トランスデューサを、上記各対の入
力トランスデューサから励振された弾性表面波が互いに
作用し合って伝搬するように設け、上記弾性表面波が互
いに作用し合う領域の上記圧電体層または上記半導体基
板にゲート電極を設け、上記半導体基板にソース電極と
ドレイン電極を設け、かつ、少なくとも上記半導体基板
に設ける電極は入力トランスデューサから励振された弾
性表面波が伝搬する方向に合わせて形成し、上記ソース
電極とドレイン電極の間に所定のバイアス電圧を印加
し、上記ソース電極またはドレイン電極から出力信号を
取り出すものである。
【0011】
【作用】請求項1または請求項2の発明によれば、弾性
表面波が互いに作用し合う領域の圧電体層の面上にゲー
ト電極を設けるとともに、半導体基板にソース電極とド
レイン電極を設け、ソース電極とドレイン電極の間に所
定のバイアス電圧を印加してソース電極またはドレイン
電極から出力信号を取り出すので、ゲート電極に発生す
るコンボリューション出力は増幅されてソース電極また
はドレイン電極から取り出される。
【0012】請求項3の発明によれば、弾性表面波が互
いに作用し合う領域の圧電体層の面上または少なくとも
弾性表面波が互いに作用し合う領域に対向する半導体基
板にゲート電極を設けるとともに、半導体基板に少なく
とも部分的に電気的に分離された複数対のソース電極と
ドレイン電極を設け、上記複数対のソース電極とドレイ
ン電極の間にそれぞれの対毎に所定のバイアス電圧を印
加してソース電極またはドレイン電極から出力信号を取
り出すので、位置によりソース電極とドレイン電極の間
のバイアス電圧を調整でき、ゲート電極に発生するコン
ボリューション出力の位置による特性のばらつきや弾性
表面波の伝搬減衰によって生じる出力信号への悪影響を
補償する。
【0013】請求項4の発明によれば、少なくとも半導
体基板に設ける電極は入力とらんすデューサから励振さ
れた弾性表面波が伝搬する方向に合わせて形成したの
で、ソース電極およびドレイン電極などによる圧電体層
から半導体基板へ漏れ出して伝搬する弾性表面波の散乱
を低減する。
【0014】
【実施例】
実施例1 図1(a)、(b)および(c)は、この発明の一実施
例を示す構成図である。図1(a)、(b)および
(c)において、1は半導体基板、2は絶縁体薄膜、3
は圧電体薄膜、4および5は入力トランスデューサ、6
はゲート電極、7は接地電極、8はソース電極、9はド
レイン電極である。なお、図1(b)は、図1(a)に
おいて半導体基板1の絶縁体薄膜2に接する境界面を示
す図であり、図1(c)は、図1(a)中のAA断面図
である。
【0015】図1(a)、(b)および(c)に示すこ
の発明に係わる弾性表面波装置では、半導体基板1、絶
縁体薄膜2、圧電体薄膜3、入力トランスデューサ4お
よび5、および、接地電極7は、図7に示した従来の弾
性表面波装置と同様の構成である。
【0016】しかし、図1(a)、(b)および(c)
に示すこの発明に係わる弾性表面波装置では、従来と異
なり、半導体基板1と絶縁体薄膜2の境界面の半導体基
板1側に、ソース電極8、および、ドレイン電極9を設
けている。
【0017】次に、動作について説明する。ゲート電極
6を設けた領域では、金属/酸化膜/半導体の順に積重
ねられたMOS(Metal/Oxide/Semic
onductor)形のトランジスタ構造になってい
る。ここで、金属はゲート電極6に対応し、酸化膜は圧
電体薄膜3と絶縁体薄膜2とに対応し、半導体は半導体
基板1に対応する。
【0018】したがって、例えば、文献「半導体工
学」、深海登世司監修、東京電機大学出版局、昭和62
年発行、頁123〜167に示されているように、半導
体基板1を弱いp形とし、ゲート電極6にソース電極8
に対して正のバイアス電圧Vgを印加し、このバイアス
電圧Vgを次第に増加していくと、酸化膜に接する半導
体基板1の表面近傍の正孔は追い払われ空乏層が形成さ
れる。バイアス電圧Vgをさらに大きくすると、空乏層
の酸化膜に接する部分の電位が上昇し電子に対するポテ
ンシャルエネルギーが低下して、そこに電子が集まって
反転層ができnチャンネルが形成される。nチャンネル
中の電子密度はバイアス電圧Vgによって制御されるの
でソース電極8とドレイン電極9間を流れる電流の大き
さをバイアス電圧Vgによって制御できる。
【0019】ドレイン電極9にソース電極8に対して正
のバイアスをかけて、ソース電極8とドレイン電極9間
を流れる電流を、ソース電極8またはドレイン電極9か
ら、出力信号として外部に取り出す。この出力信号は、
ゲート電極6に印加するバイアス電圧Vgの増加に対し
て非線形なかたちで増加し、かつ、バイアス電圧Vgの
微小な変化に対して大きく変化する。したがって、バイ
アス電圧Vgに交流電気信号を重畳させておけば、交流
電気信号を増幅した形で取り出すことができる。
【0020】ところで、入力トランスデューサ4および
5によって励振された弾性表面波信号はそれぞれ電気ポ
テンシャルを伴って伝搬してくるので、ゲート電極6を
設けたMOS構造の領域において、2つの交流電気信号
を与える。
【0021】このとき、ソース電極8、または、ドレイ
ン電極9から取り出される出力信号には、上述した非線
形性により、入力トランスデューサ4および5によって
励振された弾性表面波信号の積の信号が増幅したかたち
で含まれる。
【0022】このようにして、入力トランスデューサ4
および5によって励振された弾性表面波信号がゲート電
極6を設けたMOS構造の領域において互いにすれちが
った際、積の信号が生じ、この積の信号は空間的に積分
されて、ソース電極8、または、ドレイン電極9から増
幅されたかたちで出力信号として取り出される。すなわ
ち、この出力信号は、入力トランスデューサ4および5
に入力した2つの電気信号のコンボリューション出力と
なっているとともに増幅されて取り出されている。
【0023】以上のように、図1(a)、(b)、およ
び(c)に示したこの発明に係わる弾性表面波装置は、
図7に示した従来の弾性表面波装置とは異なり、コンボ
リューション出力を得るのみならず、ゲート電極6の領
域をMOS形のトランジスタ構造としたため、従来に比
べ、コンボリューション出力を増幅したかたちで得られ
るので、従来に比べ高い効率を得られる効果がある。さ
らに、コンボリューション出力を半導体基板1と絶縁体
薄膜2の境界面に沿った横方向で取り出すので、半導体
基板1を厚さ方向に横切って出力を取り出す構造の従来
の弾性表面波装置と比較して、半導体基板1のバルク抵
抗の悪影響を受けない利点がある。このため従来に比べ
さらに効率の良い弾性表面波装置を得ることができる効
果がある。
【0024】なお、以上は、半導体基板1がp形の場合
について説明したが、この発明は、これに限らず、半導
体基板1にn形の基板を用いても、同様の原理でpチャ
ンネルを形成できるので、弾性表面波装置として同様の
動作を実現できるとともに同様の作用効果を得ることが
できる。
【0025】また、実施例1で示した構造では、通常の
MOS形トランジスタ構造に比べ、酸化膜の厚さが、圧
電体薄膜3がある分だけ厚い。このため、分極が生じに
くく、ゲート電極6へ印加するバイアス電圧が大きくな
り問題となる場合には、半導体基板1へ可動イオンを注
入することによりこれを避けることができる。
【0026】実施例2 この発明の第2の実施例を図2に示す。図2において
は、説明を簡単にするため、実施例1における図1
(b)に対応する図のみを示してある。図2に示す実施
例2は、図1に示した実施例1におけるソース電極8お
よびドレイン電極9を、各々、切り離して独立して配列
したものである。図2に示した構成において、ソース電
極8およびドレイン電極9をそれぞれ外部で電気的に結
線すれば実施例1と同様の作用効果が得られる。さら
に、各々分離独立させたソース電極8およびドレイン電
極9ごとに個別にバイアス回路も含んだ制御回路を設け
た後で結線すれば、制御回路ごとに異なった振幅および
位相重み付けを行うことができる。したがって、場所ご
とに変化させた振幅および位相重み付けを行うことがで
きるので、例えば、場所による特性のばらつきなどを補
償できる効果が得られる。さらに、弾性表面波を長距離
伝搬させると伝搬に伴う減衰が問題となるが、この減衰
によって生じる積の成分の場所による変動も補償できる
効果が得られる。
【0027】実施例3 この発明の第3の実施例を図3に示す。図3において
も、説明を簡単にするため、実施例1における図1
(b)に対応する図のみを示してある。図3に示す実施
例3は、実施例1における図1(b)と比較して、ソー
ス電極8およびドレイン電極9を、弾性表面波の伝搬方
向に沿った方向に配列したものである。実施例3におい
ても、実施例1と同様の作用効果が得られる。さらに、
実施例3では、ソース電極8およびドレイン電極9を、
弾性表面波の伝搬方向に沿った方向に配列しているの
で、弾性表面波の伝搬方向に垂直な方向に沿って配列し
た実施例1および2に比べ、ソース電極8およびドレイ
ン電極9による弾性表面波の散乱が生じにくい利点があ
る。なお、実施例3においても、ソース電極8およびド
レイン電極9を、各々、切り離して独立して配列すれ
ば、実施例2と同様の作用効果を得ることができる。
【0028】実施例4 この発明の第4の実施例を図4(a)、(b)および
(c)に示す。図4(b)は、図4(a)において半導
体基板1の絶縁体薄膜2に接する境界面を示す図であ
り、図4(c)は、図4(a)中のAA断面図である。
図4(a)、(b)および(c)に示す実施例4では、
上述した実施例1と比較して、ゲート電極6を圧電体薄
膜3の表面に設けるのではなく、ソース電極8およびド
レイン電極9と同様に、半導体基板1と絶縁体薄膜2の
境界面の半導体基板1側に設けている。その他の構成
は、図1に示した実施例1と同様である。
【0029】次に、動作について説明する。図4
(a)、(b)および(c)に示す実施例4では、ゲー
ト電極6、ソース電極8およびドレイン電極9を半導体
基板1と絶縁体薄膜2の境界面の半導体基板1側に設
け、pn接合でゲート部を構成した接合形トランジスタ
構造としている。したがって、例えは、文献「半導体工
学」、深海登世司監修、東京電機大学出版局、昭和62
年発行、頁123〜167に示されているように、半導
体基板1をp+ 形としnチャンネルとなるn層を絶縁体
薄膜2に接する面側に形成し、さらにゲート電極6の下
部にP+ 領域を形成して、ゲート電極6にソース電極8
に対して負のバイアス電圧Vgを印加するとゲートpn
接合部に空乏層が形成される。この空乏層の厚さはバイ
アス電圧Vgによって制御でき、ソース電極8とドレイ
ン電極9間を流れる電流をバイアス電圧Vgによって制
御できる。
【0030】さて、実施例4においても、ドレイン電極
9にソース電極8に対して正のバイアスをかけて、ソー
ス電極8とドレイン電極9間を流れる電流を、ソース電
極8またはドレイン電極9から、出力信号として外部に
取り出す。この出力信号は、実施例1の場合と同様に、
ゲート電極6に印加するバイアス電圧Vgの増加に対し
て非線形なかたちで増加し、かつ、バイアス電圧Vgの
微小な変化に対して大きく変化する。
【0031】入力トランスデューサ4および5によって
励振された弾性表面波信号に伴って伝搬してくる電気ポ
テンシャルが、上述した接合形トランジスタ構造とした
領域において、2つの交流電気信号を与える。
【0032】このとき、ソース電極8またはドレイン電
極9から取り出される出力信号には、上述した非線形性
により、入力トランスデューサ4および5によって励振
された弾性表面波信号の積の信号が増幅したかたちで含
まれる。
【0033】このようにして、入力トランスデューサ4
および5によって励振された弾性表面波信号が接合形ト
ランジスタ構造とした領域において互いにすれちがった
際、積の信号が生じ、この積の信号は空間的に積分され
て、ソース電極8、または、ドレイン電極9から増幅さ
れたかたちで出力信号として取り出される。すなわち、
この出力信号は、実施例1と同様に、入力トランスデュ
ーサ4および5に入力した2つの電気信号のコンボリュ
ーション出力となっているとともに増幅されて取り出さ
れている。
【0034】したがって、図4(a)、(b)、および
(c)に示す実施例4では、上述した実施例1と同様
に、図7に示した従来の弾性表面波装置とは異なり、コ
ンボリューション出力を得るのみならず、弾性表面波信
号がすれちがう領域を接合形トランジスタ構造としたた
め、従来に比べ、コンボリューション出力を増幅したか
たちで得られるので、従来に比べ高い効率を得られる効
果がある。さらに、コンボリューション出力を半導体基
板1と絶縁体薄膜2の境界面に沿った横方向で取り出す
ので、半導体基板1を厚さ方向に横切って出力を取り出
す構造の従来の弾性表面波装置と比較して、半導体基板
1のバルク抵抗の悪影響を受けない利点がある。このた
め従来に比べさらに効率の良い弾性表面波装置を得るこ
とができる効果がある。
【0035】なお、以上は、半導体基板1がp形の場合
について説明したが、この発明は、これに限らず、半導
体基板1にn形の基板を用いても、同様の原理でpチャ
ンネルを形成できるので、弾性表面波装置として同様の
動作を実現できるとともに同様の作用効果を得ることが
できる。また、実施例4では、弾性表面波信号がすれち
がう領域を接合形トランジスタ構造とした場合について
説明したが、ゲート部は、pn接合の代わりに、金属−
半導体接触によるショットキーバリアを利用したMES
(Metal Semiconductor)形トラン
ジスタ構造にしても同様の作用効果が得られる。
【0036】実施例5 この発明の第5の実施例を図5に示す。図5において
は、説明を簡単にするため、実施例4における図4
(b)に対応する図のみを示してある。図5に示す実施
例5は、図4に示した実施例4において、ゲート電極
6、ソース電極8およびドレイン電極9を、各々、切り
離して独立して配列したものである。図5に示した構成
において、ゲート電極6、ソース電極8およびドレイン
電極9をそれぞれ外部で電気的に結線すれば実施例4と
同様の作用効果が得られる。さらに、各々分離独立させ
たゲート電極6、ソース電極8およびドレイン電極9ご
とに個別にバイアス回路も含んだ制御回路を設けた後で
結線すれば、実施例2と同様に制御回路により場所によ
り変化させた振幅および位相重み付けを行うことが可能
となり、場所による特性のばらつきや弾性表面波の減衰
によって生じる積の成分の場所による変動などを補償で
きる効果が得られる。
【0037】実施例6 この発明の第6の実施例を図6に示す。図6において
も、説明を簡単にするため、実施例4における図4
(b)に対応する図のみを示してある。図6に示す実施
例6は、実施例4における図4(b)と比較して、ゲー
ト電極6、ソース電極8およびドレイン電極9を、弾性
表面波の伝搬方向に沿った方向に配列したものである。
実施例6においても、実施例4と同様の作用効果が得ら
れる。さらに、実施例6では、ゲート電極6、ソース電
極8およびドレイン電極9を、弾性表面波の伝搬方向に
沿った方向に配列しているので、弾性表面波の伝搬方向
に垂直な方向に沿って配列した実施例4および5に比
べ、ゲート電極6、ソース電極8およびドレイン電極9
による弾性表面波の散乱が生じにくい利点がある。な
お、実施例6においても、ゲート電極6、ソース電極8
およびドレイン電極9を、各々、切り離して独立して配
列すれば、実施例5と同様の作用効果を得ることができ
る。
【0038】なお、以上の実施例においては、入力トラ
ンスデューサ4、5およびゲート電極6を圧電体薄膜3
の表面に設けた場合について説明したが、この発明はこ
れに限らず、入力トランスデューサ4、5およびゲート
電極6は、圧電体薄膜3に裏面に設けた場合について適
用することもできる。また、絶縁体薄膜2は設けなくて
も構わない。
【0039】また、この発明は、基本伝搬モード、高次
伝搬モードのいずれの伝搬モードを使用する弾性表面波
装置に適用しても構わない。
【0040】
【発明の効果】請求項1または請求項2の弾性表面波装
置は、出力信号を増幅して得られる効果がある。
【0041】請求項3の弾性表面波装置は、位置による
特性のばらつきや弾性表面波の伝搬減衰によって生じる
出力信号への悪影響を補償できる効果がある。
【0042】請求項4の弾性表面波装置は、ソース電極
およびドレイン電極などによる弾性表面波の散乱を低減
できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示す構成図である。
【図2】この発明の実施例2を示す構成図である。
【図3】この発明の実施例3を示す構成図である。
【図4】この発明の実施例4を示す構成図である。
【図5】この発明の実施例5を示す構成図である。
【図6】この発明の実施例6を示す構成図である。
【図7】従来の弾性表面波装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1 半導体基板 2 絶縁体薄膜 3 圧電体薄膜 4,5 入力トランスデューサ 6 ゲート電極 7 接地電極 8 ソース電極 9 ドレイン電極
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【作用】請求項1または請求項2の発明によれば、弾性
表面波が互いに作用し合う領域の圧電体層の面上または
半導体基板にゲート電極を設けるとともに、半導体基板
にソース電極とドレイン電極を設け、ソース電極とドレ
イン電極の間に所定のバイアス電圧を印加してソース電
極またはドレイン電極から出力信号を取り出すので、ゲ
ート電極に発生するコンボリューション出力は増幅され
てソース電極またはドレイン電極から取り出される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】請求項4の発明によれば、少なくとも半導
体基板に設ける電極は入力トランスデューサから励振さ
れた弾性表面波が伝搬する方向に合わせて形成したの
で、ソース電極およびドレイン電極などによる圧電体層
から半導体基板へ漏れ出して伝搬する弾性表面波の散乱
を低減する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三須 幸一郎 鎌倉市大船五丁目1番1号 三菱電機株式 会社電子システム研究所内 (72)発明者 永塚 勉 鎌倉市大船五丁目1番1号 三菱電機株式 会社電子システム研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と、半導体基板上に直接また
    は絶縁体層を介して形成された圧電体層を備え、上記圧
    電体層の一面に、少なくとも1対の入力トランスデュー
    サを、上記各対の入力トランスデューサから励振された
    弾性表面波が互いに作用し合って伝搬するように設け、
    上記弾性表面波が互いに作用し合う領域の上記圧電体層
    の面上にゲート電極を設け、上記半導体基板にソース電
    極とドレイン電極を設け、上記ソース電極とドレイン電
    極の間に所定のバイアス電圧を印加し、上記ソース電極
    またはドレイン電極から出力信号を取り出すことを特徴
    とする弾性表面波装置。
  2. 【請求項2】 半導体基板と、半導体基板上に直接また
    は絶縁体層を介して形成された圧電体層を備え、上記圧
    電体層の一面に、少なくとも1対の入力トランスデュー
    サを、上記各対の入力トランスデューサから励振された
    弾性表面波が互いに作用し合って伝搬するように設け、
    少なくとも上記弾性表面波が互いに作用し合う領域に対
    向する上記半導体基板にソース電極とドレイン電極を設
    けるとともにゲート電極を設け、上記ソース電極とドレ
    イン電極の間に所定のバイアス電圧を印加し、上記ソー
    ス電極またはドレイン電極から出力信号を取り出すこと
    を特徴とする弾性表面波装置。
  3. 【請求項3】 半導体基板と、半導体基板上に直接また
    は絶縁体層を介して形成された圧電体層を備え、上記圧
    電体層の一面に、少なくとも1対の入力トランスデュー
    サを、上記各対の入力トランスデューサから励振された
    弾性表面波が互いに作用し合って伝搬するように設け、
    上記弾性表面波が互いに作用し合う領域の上記圧電体層
    の面上または少なくとも上記弾性表面波が互いに作用し
    合う領域に対向する上記半導体基板にゲート電極を設
    け、上記半導体基板に少なくとも部分的に電気的に分離
    された複数対のソース電極とドレイン電極を設け、上記
    複数対のソース電極とドレイン電極の間にそれぞれの対
    毎に所定のバイアス電圧を印加し、上記ソース電極また
    はドレイン電極から出力信号を取り出すことを特徴とす
    る弾性表面波装置。
  4. 【請求項4】 半導体基板と、半導体基板上に直接また
    は絶縁体層を介して形成された圧電体層を備え、上記圧
    電体層の一面に、少なくとも1対の入力トランスデュー
    サを、上記各対の入力トランスデューサから励振された
    弾性表面波が互いに作用し合って伝搬するように設け、
    上記弾性表面波が互いに作用し合う領域の上記圧電体層
    または上記半導体基板にゲート電極を設け、上記半導体
    基板にソース電極とドレイン電極を設け、かつ、少なく
    とも上記半導体基板に設ける電極は入力トランスデュー
    サから励振された弾性表面波が伝搬する方向に合わせて
    形成し、上記ソース電極とドレイン電極の間に所定のバ
    イアス電圧を印加し、上記ソース電極またはドレイン電
    極から出力信号を取り出すことを特徴とする弾性表面波
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022266102A1 (en) * 2021-06-14 2022-12-22 Soundskrit Inc. Mems transducer
RU2804238C1 (ru) * 2022-04-01 2023-09-26 Шэньчжэнь Шокз Ко., Лтд. Акустические устройства

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