JPH06235605A - 被測定体の表面にある凹状又は凸状マークの間隔測定方法及び測定装置 - Google Patents

被測定体の表面にある凹状又は凸状マークの間隔測定方法及び測定装置

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JPH06235605A
JPH06235605A JP4434493A JP4434493A JPH06235605A JP H06235605 A JPH06235605 A JP H06235605A JP 4434493 A JP4434493 A JP 4434493A JP 4434493 A JP4434493 A JP 4434493A JP H06235605 A JPH06235605 A JP H06235605A
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JP
Japan
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mark
measured
beach
measuring
concave
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JP4434493A
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English (en)
Inventor
Tadashi Ishikawa
忠 石川
Koichi Nakagawa
紘一 中川
Mitsuaki Tamanoi
光昭 玉ノ井
Hirotada Abe
啓正 安部
Kazuyuki Rikimaru
和幸 力丸
Kazuhiro Wake
一広 和気
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 破面のビーチマークとその他の部分の境界部
の識別性を向上させることができ、その測定を短時間で
正確に行うことができる、疲労亀裂伝播速度測定装置を
提供するものである。 【構成】 疲労破壊試験片2のビーチマークBMを観察
するための双眼実体顕微鏡3と、上記ビーチマークBM
にレーザ光Lを照射して目印を施すためのレーザマーカ
装置4と、上記疲労破壊試験片2を支持する顕微鏡支持
台3aの移動量を測定するためのカウント装置5とを具
備するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は被測定体表面の凹状また
は凸状マーク、例えばビーチマーク、疵等の間隔測定方
法及びその測定装置に係り、特に双眼実体顕微鏡を使用
したビーチマークの間隔測定方法及びその測定装置の改
良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、航空機や大型タンカー等の破損事
故原因の一つとして、疲労破壊現象が注目されている。
特に、厚板製造分野における高疲労強度鋼の開発の要請
は高く、高疲労強度鋼の探索研究が進められている。こ
の厚板における疲労強度は、疲労寿命特性と伝播寿命特
性とから評価される。特に、応力集中が生じ易い溶接部
・溶接熱影響部における疲労強度は、伝播寿命特性を向
上させることが有効であると考えられる。従って、この
伝播寿命特性を向上させるべく、鋼板の組織制御を行っ
て、疲労亀裂伝播速度を遅くするための研究が種々成さ
れている。
【0003】このような研究に際して、疲労亀裂伝播速
度を評価しなければならないが、そのためには伝播中の
亀裂長さを測定しなければならない。その方法として、
亀裂進展に伴う試験片のコンプライアンス変化を背面ゲ
ージにより検出する方法や、亀裂進展に伴う電気抵抗変
化を検出する方法等がある。しかし、これらの方法で
は、板表面から板厚方向へ伝播する半楕円亀裂の測定は
困難であった。このため、半楕円亀裂の伝播過程を検出
するには、従来より、疲労試験時に、その試験片に発生
するビーチマークの間隔を測定することが行われてい
る。
【0004】このビーチマークに基づく疲労亀裂伝播速
度の測定方法は、以下のように成されていた。即ち、先
ず、厚板の疲労試験を行い、図8に示すように、ビーチ
マークBMの現れた試験片を採取する。次に、この破面
Bの破面写真を撮影し、これを等倍に焼き付けた後、投
影機により10倍に拡大する。そして、この10倍に拡
大した試験片破面Bのビーチマーク間隔MBをノギスで
測定していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のビー
チマーク間隔の測定方法にあっては、試験片破面Bのビ
ーチマーク間隔Dが狭過ぎると、このビーチマークMB
とそうでない部分の境界部が見えず、又、この境界部を
拡大し過ぎるとその境界が曖昧になり、識別性に劣ると
いう問題があった。
【0006】このように識別性に劣るビーチマーク間隔
Dをノギスにより手動で測定していたので、測定に約2
40分/本の長時間を要するという問題があった。
【0007】本発明の目的は、上記課題に鑑み、ビーチ
マークと、そうでない部分の境界部の識別性を向上させ
ることができ、その測定を短時間で正確に行うことがで
きる、ビーチマーク間隔測定方法及びその測定装置を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明に係
る被測定体の表面にある凹状または凸状マークの間隔測
定方法によれば、被測定体を双眼実体顕微鏡に設けた移
動可能な支持台上に載置し、双眼実体顕微鏡が形成する
双眼の両観察光軸を結ぶ直線の2等分線上の位置から、
マーカー用レーザ光を照射し、前記支持台を移動してそ
のマーカー用レーザ光を前記被測定体の表面にある凹状
又は凸状マークの所定位置に照射し、次いで次の前記凹
状又は凸状マークの所定位置にマーカー用レーザ光が照
射された時点での前記支持台の移動量を検知することに
より被測定体の表面にある凹状または凸状マーク間の距
離を測定することにより、達成される。
【0009】また上記目的は、本発明に係る被測定体の
表面にある凹状または凸状マークの間隔測定装置によれ
ば、移動可能な支持台上に被測定体を載置し、その載置
した被測定体の表面にある凹状又は凸状マークを観察す
る双眼実体顕微鏡と、該双眼実体顕微鏡が形成する双眼
の両観察光路軸を結ぶ直線の2等分線上の位置から、マ
ーカー用レーザ光を前記被測定体の表面にある凹状また
は凸状マークに照射するレーザマーカ装置と、前記支持
台の移動量を測定するカウント装置を具備することによ
り達成される。
【0010】さらに、前記被測定体の表面にある凹状ま
たは凸状マークの間隔測定装置において、好ましくは前
記レーザマーカ装置に、そのレーザ光の幅を縮小するた
めの絞り手段が具備されていることにより達成される。
【0011】好ましくは、上記レーザマーカ装置が、そ
のレーザ光を上記ビーチマークに垂直に照射するように
設けられていることにより、達成される。
【0012】また、この絞り手段がスリットプレートに
より形成されていることにより、達成される。
【0013】さらに、好ましくは、上記カウント装置
に、そのカウント値を変換処理するためのデータ処理装
置が具備されていることにより、達成される。
【0014】
【作用】上記ビーチマークの間隔測定装置の構成によれ
ば、疲労破壊試験片破面のビーチマークを観察するため
の双眼実体顕微鏡を具備している。上記試験片の破面は
起伏が大きく、この起伏面に発生しているビーチマーク
を通常の単眼顕微鏡で観察すると、その被写界深度が浅
く焦点距離が狭いので、視野内の極一部分にしか焦点が
定まらない。従って、起伏の大きい破面に発生している
ビーチマークを解析するための手段として、双眼実体顕
微鏡を採用するものである。この双眼実体顕微鏡によれ
ば、被写界深度が深く焦点距離が広いので、多少の起伏
があっても焦点が広い範囲で明瞭に合うことになる。
【0015】そこで、上記ビーチマークの間隔測定装置
は、上記ビーチマークにレーザ光を照射して目印を施す
ためのレーザマーカ装置を具備している。このレーザ光
は指向性が良いことでから観察対象体との距離が大きく
変化しても、光が散乱して拡大することがないのでみ目
印としては適している。従って、上記ビーチマークにレ
ーザ光による目印を施せば、上記双眼実体顕微鏡による
ビーチマーク間隔の測定が可能になるものである。
【0016】さらに、上記ビーチマーク間隔測定装置
は、上記疲労破壊試験片を支持する顕微鏡支持台の移動
量を測定するためのカウント装置を具備している。従っ
て、上記破面の或るビーチマークにレーザ光による目印
を当て、次のビーチマークにレーザ光による目印が当た
るように上記顕微鏡支持台を移動させれば、上記双眼実
体顕微鏡の視野内を観察しているだけで、このカウント
装置により該顕微鏡支持台の移動量が測定されるもので
ある。
【0017】また、上記レーザマーカ装置が発生するレ
ーザ光の光路を、上記双眼実体顕微鏡の双方の観察光軸
を結ぶ直線上で、かつ、両観察光軸が視点で交わってな
す角度を2等分する線上位置に設定している。これは、
上記双眼実体顕微鏡では、左眼用と右眼用とのそれぞれ
に独立した光軸を確保しつつ観察するが、各光路の視野
は左右で僅かに異なっており、上記位置(両観察光軸を
結ぶ直線上で、かつ、両光軸がなす角度を2等分する線
上以外の位置)にレーザ光による目印を入れ込むと、そ
の位置は上記試験片破面の起伏の大小でずれが生じる。
【0018】このため、このレーザ光の光路を上記双眼
実体顕微鏡の双方の観察光軸を結ぶ直線上で、かつ、両
光軸が視点で交わってなす角度を2等分する直線上、つ
まり等角度の位置に設定すれば、これら観察光軸の中央
部にレーザ光の光軸が位置されることになるので、この
レーザ光軸と垂直に交わる平面上に投影した距離とし
て、ビーチマークの間隔を読み取ることが出来、上記ビ
ーチマークの起伏の大小によるずれは解消されるもので
ある。
【0019】そして、上記レーザマーカ装置を、そのレ
ーザ光が上記ビーチマークに垂直に照射されるように設
けることにより、該レーザ光の目印幅は更に小さくな
り、観察しやすくなるものである。
【0020】また、上記レーザマーカ装置に、そのレー
ザ光の幅を縮小するための絞り手段を具備すれば、この
絞り手段によりレーザ光の指向性が向上するもので好ま
しい。特に、この絞り手段をスリットプレートにより形
成すれば、レーザ光の目印の形状が線状になり、上記破
面のビーチマーク間隔が狭くても、そのビーチマークに
精度良く目印が施されることになる。
【0021】さらに、上記カウント装置に、そのカウン
ト値を変換処理するためのデータ処理装置を具備すれ
ば、測定した値の解析や評価が容易になるものである。
【0022】一方、上記ビーチマーク間隔の測定方法の
構成によれば、起伏の大きい試験片破面に発生している
ビーチマークにレーザ光の指向性を利用して目印を施す
ので、マーキング操作が容易である。また、この目印を
施したビーチマークを双眼実体顕微鏡により観察するの
で、多少の起伏があっても焦点が広い範囲で明瞭に合
い、該目印の位置が容易に観察される。さらに、この目
印を基準としてビーチマークの間隔を測定するので、写
真等に撮影せずに直接ビーチマークを観察・測定するこ
とができ、測定作業が容易でその精度が極めて良いもの
である。
【0023】
【実施例】以下、本発明に係るビーチマーク間隔の測定
装置及びその測定方法の好適な実施例を詳細に説明す
る。図1は、本発明に係るビーチマーク間隔の測定装置
の一実施例を示すものである。図示されているように、
本実施例のビーチマーク間隔の測定装置1には、疲労破
壊試験片2破面Bのビーチマークを観察するための双眼
実体顕微鏡3と、上記ビーチマークBMにレーザ光を照
射して目印を施すためのレーザマーカ装置4と、上記疲
労破壊試験片2を支持する顕微鏡支持台3aの移動量を
測定するためのカウント装置5と、該カウント装置のカ
ウント値を変換処理するためのデータ処理装置6とが具
備されている。
【0024】上記双眼実体顕微鏡3には、図2に示すよ
うに、左眼用光学系7と右眼用光学系8とが備えてられ
ている。これら光学系7,8の下方には、上記疲労破壊
試験片2を支持するための顕微鏡支持台3aが配置され
ている。この顕微鏡支持台3aには、送りハンドル3b
が具備されており、これを回転操作することにより該顕
微鏡支持台3aが水平方向へに移動するようになってい
る。
【0025】また、上記光学系7,8には、図3に示す
ように、投光器9から反射鏡10を介して上記疲労破壊
試験片2上に照射された散乱光の反射光がレンズを通し
て入射されるようになっている。
【0026】さらに、上記投光器9と反射鏡10との間
には、蛍光灯や自然光等の周辺の光を遮蔽してビーチマ
ークBMの識別を容易にするための遮蔽壁11が設置さ
れている。この遮蔽壁11により、約450〜800ル
クスの必要な照度が得られ、約20〜90度の照射角度
が確保されるものである。そして、上記左眼用光学系7
と右眼用光学系8とには、それぞれ独立した観察光軸
X,Yが設定されている。
【0027】また、上記レーザマーカ装置4は、上記双
眼実体顕微鏡3の側方に配置されており、その光源を該
双眼実体顕微鏡3へ臨ませるように水平に支持されてい
る。このレーザマーカ装置4が発生するレーザ光Lの光
軸Zは、上記双眼実体顕微鏡3の双方の観察光軸X,Y
と異なる位置に設定されている。即ち、このレーザ光L
の光軸Zは、上記双眼実体顕微鏡3の双方の観察光軸
X,Yを結ぶ直線Q1 上を2等分線上、つまり両観察光
軸X,Yが視点a1 で形成する角度の2等分線Q2 上の
位置に設定されており、同一平面上でこれら観察光軸
X,Yの中心線上に位置している。具体的には、上記レ
ーザマーカ装置4から発射されたレーザ光Lは、上記中
心線上に設けられた45度に傾斜した反射鏡12によっ
て反射され、上記顕微鏡支持台3a上に載置された疲労
破壊試験片2のビーチマークBMに垂直に照射されるよ
うに成っている。
【0028】さらに、このレーザマーカ装置4の光源の
直前には、この光源から発射されるレーザ光Lの幅を縮
小するための絞り手段13が備えられている。本実施例
にあっては、この絞り手段13は、図4に示すようなス
リットプレート14により形成されている。即ち、この
スリットプレート14は、円板14aにレーザ光Lの幅
以下のスリット14bを開口したものである。尚、この
スリットプレート14は、上記レーザマーカ装置4の本
体に回転自在に支持されている。
【0029】また、上記カウント装置5は、上記顕微鏡
支持台3aに具備されており、該顕微鏡支持台3aの移
動量を測定するようになっている。
【0030】さらに、上記データ処理装置6は上記カウ
ント装置5に接続されている。このデータ処理装置6
は、上記カウント装置5のカウント値を電気信号に変換
する変換器6aと、該変換器6aからの電気信号をデー
タ入力するインターフェイス6bと、そのデータを演算
・処理する中央処理装置(CPU)6cと、該CPU6
cによる処理結果を記録するためのプリンタ6dとから
成っている。上記変換器6aには、読み取りボタン6e
が装備されており、この読み取りボタン6eを押してい
る時のみ、上記カウント装置5のカウント値を電気信号
に変換するように成っている。また、上記CPU6cに
は、ビーチマークBMの測定に適したプログラムが入力
されている。
【0031】次に、上記実施例における作用を、本発明
に係るビーチマークの間隔測定方法の一実施例を説明す
る。本実施例のビーチマークの間隔の測定方法は、先
ず、複数本のビーチマークBMの現れた疲労破壊試験片
2を準備する。この疲労破壊試験片2を作製するに際し
て、従来のような試行錯誤による試験条件の決定を防止
すべく、下記表1に示すような試験条件を実験により求
めた。この表1における各種の数値は図5に基づいて設
定されたものである。このように試験条件を実験により
求め、予め条件を決定することにより、試験条件決定に
要する時間を極めて短縮することができた。 尚、このような試験条件を設定するに際して、ビーチマ
ークが細かいこと、ビーチマークが鮮明であること、ビ
ーチマークが8〜10本以上であることなどに留意し
た。
【0032】次に、上記疲労破壊試験片2を顕微鏡支持
台3a上に載置固定し、上記双眼実体顕微鏡3を覗い
て、送りハンドル3bを操作し、レーザマーカ装置4か
ら発射されるレーザ光Lの目印を、図8に示したよう
に、ビーチマーク起点の初期位置0に合わせる。
【0033】そして、送りハンドル3bを操作して顕微
鏡指示台3aを移動して、試験片2aを矢印方向に動か
し、上記目印をビーチマークMB1 に合わせる。この状
態で、上記変換器6aの読み取りボタン6eを押し、上
記カウント装置5のカウント値を電気信号に変換して、
そのデータ信号を上記CPU6cへ入力する。さらに、
送りハンドル3bを操作し、上記目印をビーチマークM
B2 に合わせる。この状態で、上記変換器6aの読み取
りボタン6eを元に戻す、このボタン6eを押している
期間を上記カウント装置5のカウント値を電気信号に変
換して、そのデータ信号を上記CPU6cへ入力する。
以上の操作は、全てのビーチマークMB2 〜MB4 の測
定を完了するまで繰り返して行うものである。全てのビ
ーチマークMB1 〜MB4 の測定が完了すると、上記C
PU6cによりデータ解析を行うものである。
【0034】即ち、本実施例の測定方法によれば、前記
起伏の大きい試験片破面BのビーチマークMBにレーザ
光Lの指向性を利用して目印を施すので、マーキング操
作を容易に行うことができる。また、この目印を施した
ビーチマークBMを上記双眼実体顕微鏡3により観察す
るので、多少の起伏があっても焦点が広い範囲で明瞭に
合い、該目印の位置を容易に観察することができる。さ
らに、この目印を基準としてビーチマークBMの亀裂間
隔Dを測定するので、従来のように写真等に撮影せず
に、ビーチマークBMを直接観察・測定することができ
るため、測定作業を容易に行うことができ、且つ、その
精度を極めて向上させることができるものである。
【0035】本実施例のビーチマークBM間隔測定方法
に採用する上記ビーチマーク間隔測定装置1は上記双眼
実体顕微鏡3を具備しており、この双眼実体顕微鏡3に
よって上記疲労破壊試験片2のビーチマークBMを観察
している。このビーチマークBMには起伏があり、上記
双眼実体顕微鏡3の焦点合わせを行うと視差が生じる。
具体的には、図6(a)に示すように、双眼実体顕微鏡
3での片目測定では、高さがΔhずれると、Δc=Δh
・tanθの視差を生じる。従って、図6(b)に示す
ように、同一光路Lのa1 点とb点とがずれて視認され
ることになるものである。
【0036】そこで、上記ビーチマーク間隔測定装置1
には、上記ビーチマークBMにレーザ光Lを照射して目
印を施すためのレーザマーカ装置4が具備されている。
即ち、図2に示したように、このレーザマーカ装置4に
より発射されたレーザ光Lは、上記中心線上に設けられ
た反射鏡12によって反射され、上記顕微鏡支持台3a
上に載置された疲労破壊試験片2のビーチマークBMに
垂直に照射されて目印が施される。従って、a1 点とa
2 点とがΔhずれた場合でもレーザ光Lによる目印位置
を測定すれば、誤差が生じない。このように、ビーチマ
ークBMにレーザ光Lによる目印を施せば、上記双眼実
体顕微鏡3によるビーチマーク間隔Dの測定を極めて容
易に行うことができるものである。
【0037】ところで、上記レーザマーカ装置4が発生
するレーザ光Lの光軸Zを、上記双眼実体顕微鏡3の双
方の観察光軸と異なる位置に設定している。これは、上
記双眼実体顕微鏡3では、左眼用と右眼用とのそれぞれ
に独立した光軸X,Yを確保しつつ観察するが、各光軸
X,Yの視野は左右で僅かに異なっており、いずれかの
観察光軸X,Y内にレーザ光Lによる目印を入れ込む
と、その位置は上記ビーチマークBMの起伏の大小でず
れが生じるので、このずれを解消するためである。
【0038】図7に基づいて、上記双眼実体顕微鏡3の
視野内にレーザ光Lの光軸Zを入れた場合の不具合を、
具体的に説明する。図示されているように、この双眼実
体顕微鏡3で遠近感をもって観察できるのは、人間がθ
1 とθ2 との差を認識できるからである。しかし、レー
ザ光Lの光軸Zは固定されたままであり、観察対象物が
Vの場合にはレーザ光Lの目印はS1 に当たり、観察対
象物がWの場合にはレーザ光Lの目印はS2 に当たる。
しかし、観察したい位置はY1 ,Y2 の部位である。こ
れらY1 ,Y2 は同一位置(x,y座標上)にある。従
って、同一位置を視点にしているにもかかわらず、双眼
実体顕微鏡3の視野内にレーザ光Lの光軸Zを用いれ
ば、視点S1 と視点S2 との差であるΔSだけずれが生
じ、視点の位置決めを行うことができないものである。
【0039】この不具合を解決するには、双眼実体顕微
鏡3の観察光軸とは独立に、観察しようとする座標系
(xy面)に垂直にレーザ光Lの目印を当てることで、
z座標が変化しても、常に、所定の視点(x,y)座標
を追跡することができるものである。
【0040】本実施例にあっては、このレーザ光Lの光
軸Zは、上記双眼実体顕微鏡3の双方の観察光軸X,Y
から等角度の位置に設定されており、同一平面上でこれ
ら観察光軸X,Yの中心線上に位置している。さらに、
ビーチマークBMに対して垂直に照射されている。従っ
て、上記ビーチマークBMの起伏の大小によるずれを解
消することができ、その識別性を向上させることができ
るものである。
【0041】また、上記レーザマーカ装置4の光源の直
前に、そのレーザ光Lの幅を縮小するための絞り手段1
3が設けられており、本実施例にあっては、この絞り手
段13がスリットプレート14により形成されているの
で、レーザ光Lの目印の形状が線状になり、上記ビーチ
マークBMの亀裂間隔Dが狭くても、そのビーチマーク
BMに精度良く目印を当てることができる。さらに、こ
のスリットプレート14は上記レーザマーカ装置4の本
体に回転自在に支持されているので、線状目印の方向を
変換することができる。従って、上記顕微鏡支持台3a
上に載置固定した疲労破壊試験片2の方向を換え、固定
し直す必要がない。
【0042】そして、上記ビーチマーク間隔測定装置1
は、上記疲労破壊試験片2を支持する顕微鏡支持台3a
の移動量を測定するためのカウント装置5を具備してお
り、そのカウント値を変換処理するためのデータ処理装
置6が具備されているので、測定した値の解析や評価を
極めて容易に行うことができ、上記ビーチマークBMの
間隔測定を40分/本という短時間で正確に行うことが
できるものである。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係るビーチ
マーク間隔測定方法及びその測定装置によれば、試験片
破面のビーチマークの識別性を向上させることができ、
その間隔測定を短時間で正確に行うことができる、とい
う優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るビーチマーク間隔測定装置の一実
施例を示す概略図である。
【図2】本実施例における双眼実体顕微鏡を示す概略図
である。
【図3】本実施例における双眼実体顕微鏡の光源を示す
概略図である。
【図4】本実施例におけるスリットプレートを示す概略
図である。
【図5】本実施例における試験条件を示す概略図であ
る。
【図6】図6は双眼実体顕微鏡での片目測定による視差
を示し、(a)は視差要因の説明図、(b)は視野内の
視差状況の概略図である。
【図7】双眼実体顕微鏡の視野内にレーザ光の光路を入
れた場合の不具合を示す説明図である。
【図8】疲労破壊試験片破面のビーチマークを示す概略
図である。
【符号の説明】
1 疲労亀裂伝播速度測定装置 2 疲労破壊試験片 3 双眼実体顕微鏡 3a 顕微鏡支持台 4 レーザマーカ装置 5 カウント装置 B 破面 BM ビーチマーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安部 啓正 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本製 鐵株式会社大分製鐵所内 (72)発明者 力丸 和幸 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本製 鐵株式会社大分製鐵所内 (72)発明者 和気 一広 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本製 鐵株式会社大分製鐵所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定体を双眼実体顕微鏡に設けた移動
    可能な支持台上に載置し、双眼実体顕微鏡が形成する双
    眼の両観察光軸を結ぶ直線の2等分線上の位置から、マ
    ーカー用レーザ光を照射し、前記支持台を移動してその
    マーカー用レーザ光を前記被測定体の表面にある凹状又
    は凸状マークの所定位置に照射し、次いで次の前記凹状
    又は凸状マークの所定位置にマーカー用レーザ光が照射
    された時点での前記支持台の移動量を検知することによ
    り被測定体の表面にある凹状または凸状マーク間の距離
    を測定することを特徴とする被測定体の表面にある凹状
    または凸状マークの間隔測定方法。
  2. 【請求項2】 移動可能な支持台上に被測定体を載置
    し、その載置した被測定体の表面にある凹状又は凸状マ
    ークを観察する双眼実体顕微鏡と、該双眼実体顕微鏡が
    形成する双眼の両観察光路軸を結ぶ直線の2等分線上の
    位置から、マーカー用レーザ光を前記被測定体の表面に
    ある凹状または凸状マークに照射するレーザマーカ装置
    と、前記支持台の移動量を測定するカウント装置を設け
    たことを特徴とする被測定体の表面にある凹状または凸
    状マークの間隔測定装置。
  3. 【請求項3】 前記レーザマーカ装置に、そのレーザ光
    の幅を縮小するための絞り手段が具備されていることを
    特徴とする請求項2に記載の被測定体の表面にある凹状
    または凸状マークの間隔測定装置。
JP4434493A 1993-02-10 1993-02-10 被測定体の表面にある凹状又は凸状マークの間隔測定方法及び測定装置 Withdrawn JPH06235605A (ja)

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