JPH06234881A - 液晶性セルロース溶液 - Google Patents

液晶性セルロース溶液

Info

Publication number
JPH06234881A
JPH06234881A JP2300693A JP2300693A JPH06234881A JP H06234881 A JPH06234881 A JP H06234881A JP 2300693 A JP2300693 A JP 2300693A JP 2300693 A JP2300693 A JP 2300693A JP H06234881 A JPH06234881 A JP H06234881A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cellulose
oxide
solution
water
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2300693A
Other languages
English (en)
Inventor
Norifumi Hirota
憲史 廣田
Teruyuki Yamada
輝之 山田
Takemoto Kamata
健資 鎌田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2300693A priority Critical patent/JPH06234881A/ja
Publication of JPH06234881A publication Critical patent/JPH06234881A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶性を有するセルロース溶液を提供する。 【構成】 セルロース、第三級アミンN−オキシドおよ
び水からなる溶液において、水/第三級アミンN−オキ
シドのモル比が1.0〜1.5であり、液晶性を示すこ
とを特徴とするセルロース溶液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセルロース繊維の製造等
に適した液晶性セルロース溶液に関する。
【0002】
【従来の技術】第三級アミンN−オキシドと水の混合溶
媒系がセルロースを溶解することは古くから知られてお
り、特にN−メチルモルホリンN−オキシドと水とから
なる溶媒系はセルロースの溶解力が高いため、セルロー
スの繊維やフィルムの製造に適した溶媒系として有力視
されている。水とN−メチルモルホリンN−オキシドの
混合溶媒系は水/N−メチルモルホリンN−オキシドの
モル比が2以下の領域でセルロースを溶解する。この溶
媒系でセルロース溶液は一定の条件下で液晶相を示すこ
とが報告されている(H.Chanzy et a
l.,J.Polym.Sci:Polym.Phy
s.Ed.,18,1137(1980))。これによ
るとセルロース溶液の液晶性は、水/N−メチルモルホ
リンN−オキシドのモル比が0.3〜0.8で、セルロ
ースの重合度DPと濃度に依存する。即ち、モル比0.
4の場合、DP=600で20〜35%、DP=130
で25〜35%、DP=35で45〜55%の範囲で液
晶性を示すことが開示されている。また、セルロース溶
液が液晶性を示す類似の溶媒系としてはジメチルスルホ
キシドとテトラアルキルアンモニウム塩とN−メチルモ
ルホリンN−オキシドもしくはトリエチルアミンN−オ
キシドとの溶媒系が知られている(特開平1−1933
38号公報)が、溶媒系が複雑であり、セルロース製品
を製造した後の溶媒回収が難しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、N−メチル
モルホリンN−オキシドは工業的には四水和物程度の水
和物として生産されているので、水/N−メチルモルホ
リンN−オキシド系の溶媒は通常その四水和物を脱水し
て使用される。
【0004】しかしながらChanzy等のセルロース
液晶溶液を得るためには水/N−メチルモルホリンN−
オキサイドのモル比を0.8以下にすること、即ち、N
−メチルモルホリンN−オキシド水和物から多量の水を
脱水する必要があり、そのコストがかかりすぎるのが問
題である。
【0005】又、水/N−メチルモルホリンN−オキシ
ドのモル比が小さい溶媒は融点が高いので、溶媒として
用いるためには溶媒温度を高くせざるを得ない。そし
て、溶媒温度が高いとセルロースの分解が促進されるの
で、安定なセルロース溶液の調製が困難である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、セルロース、第
三級アミンN−オキシドおよび水とからなる溶液におい
て、水/第三級アミンN−オキシドのモル比が1以上の
系で液晶性を有する溶液を見出した。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、セルロース、
第三級アミンN−オキシドおよび水からなり水/第三級
アミンN−オキシドのモル比が1.0〜1.5である液
晶相を示すセルロース溶液にある。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明において溶媒としては第三級アミン
N−オキシドと水との混合溶媒が用いられる。第三級ア
ミンN−オキシドとしてはN−メチルモルホリンN−オ
キシド、ジメチルメタノールアミンN−オキシド等が挙
げられる。溶媒の成分として第三級アミンN−オキシ
ド、水以外の第三成分を含んでもよく、第三成分として
はメタノール、エタノール等の水素結合能を有する溶媒
が挙げられる。第三成分の量は、多くなるとセルロース
の溶解性に悪影響をおよぼすため溶媒全体の10重量%
以下であることが望ましい。
【0010】本発明のセルロース溶液において水/第三
級アミンN−オキシドのモル比は1.0〜1.5の範囲
である。
【0011】溶媒中の水/第三級アミンN−オキシドの
モル比はセルロースの溶解性および溶液の液晶性に大き
く影響する。モル比が2以上になるとセルロースは溶解
しない。このためモル比は小さい方が良いが、モル比が
小さくなると溶媒の融点が上昇して安定な溶液の調製が
困難になる。又溶媒中の水分量を低下させるためのコス
トが増大する。
【0012】本発明においてセルロースとしては溶解パ
ルプ、パルプフロック等が用いられ、これらのパルプに
はヘミセルロースやリグニン等が含まれていてもよい。
これらの中で特に好ましいのはα−セルロース分が90
%以上のパルプである。このパルプとしては、シート
状、粉末状、繊維状等さまざまな形状のものが用いられ
る。セルロースの重合度DP(グルコース環1個を1単
位とする)は、大きすぎると溶液の粘度が高くなりすぎ
るため均一な溶解が困難になり、小さすぎると粘度は低
下するものの液晶性は低下する。均一な溶液を調製する
ためのDPの値は100〜2000程度であり、液晶性
を考慮すると400〜2000程度であることが好まし
い。
【0013】本発明のセルロース溶液中のセルロース濃
度は特に限定されないが、安定な液晶状態の発現や溶液
の均一性確保を考慮すると、およそ15〜30重量%程
度であることが好ましい。
【0014】本発明の液晶性セルロース溶液は、以下の
方法により調製することができる。
【0015】第三級アミンN−オキシドと水又は更に第
三成分を混合し、必要があれば高温でのセルロースの分
解を防止するための安定剤を添加し、110〜120℃
程度の温度で加熱、撹拌して均一な溶媒を得る。
【0016】次いでこの加熱溶媒中にセルロースを入れ
て撹拌し、ほぼ均一に溶解した後、冷却して溶液を固化
させる。ここで用いるセルロースは予め50〜100℃
で真空乾燥したものであることが好ましい。
【0017】次いでこの固化物を粉砕し、押し出し機中
で加熱・混練することによってセルロースが均一に溶解
したセルロース溶液を得ることができる。
【0018】本発明においてセルロース溶液が液晶性を
有するとは50〜150℃程度の温度範囲において溶液
が流動性を示し、かつ、光学的に異方性を有することを
意味する。これはホットステージと偏光顕微鏡を組み合
わせて観察することにより容易に調べることができる。
【0019】
【実施例】以下実施例により本発明を更に説明する。
【0020】実施例においてセルロースの重合度DPは
B.DALBE,A.PEGUYらのCELLULOS
E CHEMISTRY AND TECHNOLOG
YのVlo.24 No.3 P327−331(19
90)に開示されている方法に従って測定し決定した。
より具体的にはセルロースの溶媒としてN−メチルモル
フォリンN−オキシドの一水和物/ジメチルスルフォキ
シド/没食子酸プロピルをそれぞれ重量比で100/1
50/1の割合で混合したものを用いた。このセルロー
ス溶液をウベローデ型稀釈粘度計を用いて固有粘度を測
定し以下に示す粘度式を基にセルロースの重合度を決定
した。
【0021】〔η〕=1.99×(DP)V 0.79 なお〔η〕は固有粘度、(DP)V はセルロースの重合
度である。
【0022】溶媒としては、N−メチルモルフォリンN
−オキシド1水和物、または必要に応じてこれに水また
はN−メチルモルフォリンN−オキシド無水物を適宜添
加したものを用いた。セルロース濃度は溶媒とセルロー
スの合計量に対する値で表示した。
【0023】溶液の液晶状態の有無は、セルロース溶液
をホットステージにのせて偏光顕微鏡で複屈折を観察す
ることにより調べた。
【0024】実施例1 セルロースとして山陽国策パルプ(株)製 KCフロッ
ク W−300(DP=400)を用いた。水/N−メ
チルモルフォリンN−オキシドのモル比が1.0ある溶
媒80重量部に没食子酸プロピルを0.5重量部添加
し、120℃に加熱した。
【0025】この加熱溶媒中にあらかじめ乾燥しておい
たセルロース20重量部を入れて撹拌し、ほぼ均一に溶
解した後、冷却し固化させた。次いで固化した溶液を粉
砕し、押し出し機中にて溶解し均一溶液とした。
【0026】この溶液の温度を変化させて状態を観察し
たところ、68〜91℃の範囲で液晶性を示し、68℃
より低温では固体であり、91℃より高温では等方性の
液体であった。
【0027】実施例2 セルロースとして山陽国策パルプ(株)製 NDPT
(DP=970)を用い、セルロース濃度をそれぞれ
5、10、15、20及び25重量%とし、それ以外の
条件は実施例1と同様にしてセルロース溶液を調製し
た。各濃度の溶液について温度を変化させて状態を観察
しその結果を図1に示した。
【0028】実施例3 セルロースとして山陽国策パルプ(株)製 アセタニア
パルプ(DP=1950)を用い、セルロース濃度をそ
れぞれ5、10、15、20、25及び30重量%と
し、それ以外の条件は実施例1と同様にしてセルロース
溶液を調製した。各濃度の溶液について温度を変化させ
て状態を観察しその結果を図2に示した。
【0029】実施例4 セルロースとして重合度の異なる4種類のパルプ、即
ち、山陽国策パルプ(株)製のKCフロックW−300
(DP=400)、KCフロックW−100(DP=7
20)、NDPT(DP=970)、及びアセタニアパ
ルプ(DP=1950)を用い、セルロース濃度を20
重量%とし、それ以外の条件は実施例1と同様にしてセ
ルロース溶液を調製した。各濃度について温度を変化さ
せて状態を観察しその結果を図3に示した。
【0030】実施例5 セルロースとしてNDPT(DP=970)を用い、水
/N−メチルモルフォリンN−オキシドのモル比を1.
15とし、それ以外の条件は実施例1と同様にしてセル
ロース溶液を調製した。この溶液の温度を変化させて状
態を観察したところ、50〜102℃の範囲で液晶性を
示し、50℃より低温では固体であり、102℃より高
温では等方性の液体であった。
【0031】
【発明の効果】本発明の液晶性セルロース溶液は低コス
トで提供可能であり、110〜120℃程度の低温で調
製できるので溶液の安定性が優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2におけるセルロース溶液の相図であ
る。
【図2】実施例3におけるセルロース溶液の相図であ
る。
【図3】実施例4におけるセルロース溶液の相図であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース、第三級アミンN−オキシド
    および水からなる溶液において、水/第三級アミンN−
    オキシドのモル比が1.0〜1.5であり、液晶性を示
    すことを特徴とするセルロース溶液。
JP2300693A 1993-02-10 1993-02-10 液晶性セルロース溶液 Pending JPH06234881A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2300693A JPH06234881A (ja) 1993-02-10 1993-02-10 液晶性セルロース溶液

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2300693A JPH06234881A (ja) 1993-02-10 1993-02-10 液晶性セルロース溶液

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06234881A true JPH06234881A (ja) 1994-08-23

Family

ID=12098416

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2300693A Pending JPH06234881A (ja) 1993-02-10 1993-02-10 液晶性セルロース溶液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06234881A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6210801B1 (en) 1996-08-23 2001-04-03 Weyerhaeuser Company Lyocell fibers, and compositions for making same
US6221487B1 (en) 1996-08-23 2001-04-24 The Weyerhauser Company Lyocell fibers having enhanced CV properties
US6306334B1 (en) 1996-08-23 2001-10-23 The Weyerhaeuser Company Process for melt blowing continuous lyocell fibers
US6331354B1 (en) 1996-08-23 2001-12-18 Weyerhaeuser Company Alkaline pulp having low average degree of polymerization values and method of producing the same
US6471727B2 (en) 1996-08-23 2002-10-29 Weyerhaeuser Company Lyocell fibers, and compositions for making the same
US6511930B1 (en) 1996-08-23 2003-01-28 Weyerhaeuser Company Lyocell fibers having variability and process for making

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6210801B1 (en) 1996-08-23 2001-04-03 Weyerhaeuser Company Lyocell fibers, and compositions for making same
US6221487B1 (en) 1996-08-23 2001-04-24 The Weyerhauser Company Lyocell fibers having enhanced CV properties
US6306334B1 (en) 1996-08-23 2001-10-23 The Weyerhaeuser Company Process for melt blowing continuous lyocell fibers
US6331354B1 (en) 1996-08-23 2001-12-18 Weyerhaeuser Company Alkaline pulp having low average degree of polymerization values and method of producing the same
US6471727B2 (en) 1996-08-23 2002-10-29 Weyerhaeuser Company Lyocell fibers, and compositions for making the same
US6511930B1 (en) 1996-08-23 2003-01-28 Weyerhaeuser Company Lyocell fibers having variability and process for making
US7067444B2 (en) 1996-08-23 2006-06-27 Weyerhaeuser Company Lyocell nonwoven fabric

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103502344B (zh) 用于多糖类的溶解的溶剂、使用该溶剂的成型体和多糖类衍生物的制造方法
JP3214706B2 (ja) N―メチルモルホリン―n―オキシドを使用する均質セルロース溶液の製造方法
EP2097563B1 (en) Composite fiber of cellulose-polyvinylalcohol and preparation method thereof
JP2009203467A (ja) セルロースを溶解する溶媒及びセルロース溶液からの成形体
GB2481824A (en) Fabrication of cellulose article from dope comprising ionic liquid and aprotic co-solvent
US4028132A (en) Cellulose solutions and products prepared therefrom
GB2483427A (en) Process for dissolving cellulose and casting films
JP2011074113A (ja) セルロース混合エステルおよびその製造方法
JPH06234881A (ja) 液晶性セルロース溶液
CN111718425B (zh) 一种可熔融加工的纤维素酯及其制备方法与应用
CN109666142B (zh) 聚酰胺酸溶液及制备方法及应用
JP2807702B2 (ja) ポリ(パラフエニレンテレフタルアミド)酸クラムの安定した溶液
JP2000504071A (ja) 紡糸可能な、等方性のセルロース溶液を調製する方法
JP2000516278A (ja) セルロース性成形体の製造法
TWI547609B (zh) 高濃度纖維素紡絲液的製備方法及不織布的製作方法
US4284545A (en) Composition and process for making precipitated nylon-polyvinyl alcohol biconstituent composition
JPS5835540B2 (ja) 芳香族ポリアミド・ド−プ
JP2909458B1 (ja) 低粘度セルロース粘液の製法
JPH0723471B2 (ja) コレステリツク液晶組成物
JPS6355523B2 (ja)
US4247688A (en) Composition and process for making precipitated hydroxyethylcellulose
JP3765004B2 (ja) 多糖物質溶液
JPH04258648A (ja) セルロースドープ
KR20220055479A (ko) 2-에틸헥사노일 치환된 셀룰로스 에스터
JPS5920762B2 (ja) 芳香族ポリアミド紡糸原液調製方法