JPH06234867A - 摺動材料 - Google Patents

摺動材料

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JPH06234867A
JPH06234867A JP5044648A JP4464893A JPH06234867A JP H06234867 A JPH06234867 A JP H06234867A JP 5044648 A JP5044648 A JP 5044648A JP 4464893 A JP4464893 A JP 4464893A JP H06234867 A JPH06234867 A JP H06234867A
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JP
Japan
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sliding material
filler
sliding
stator
resin
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP5044648A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Taniguchi
芳久 谷口
Takenao Fujimura
毅直 藤村
Tomoki Funakubo
朋樹 舟窪
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超音波モータ等の摺動部分において、超音波
振動や押圧力を付加しても、撓んだり、クリープを起こ
したりすることなく、超音波振動を有効に回転トルクに
変換する。 【構成】 樹脂系の摺動材料を、母材5aとカーボンフ
ァイバ5bとから構成する。母材5aは、例えば熱可塑
性グレードのポリイミドなどにより形成する。また、カ
ーボンファイバ5bの配向はほぼ一定に揃える。さら
に、カーボンファイバ5bの代表長さは、ロータ基材3
1に貼り付ける時の摺動材料の厚さ(摺動材料層5の厚
さ)よりも十分長く形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械要素の摺動部分に
用いる摺動材料に係り、特に超音波モータの摺動部分に
用いる樹脂系摺動材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、超音波モータが提唱されている。
その原理を、図を用いて説明する。図4は、円環型超音
波モータの概念斜視図である。同図において、1は進行
性の正弦波を生むステータであり、その底面には、進行
波を生じさせるための圧電板2が貼付されている。3は
トルクを取り出すためのロータである。ロータ3は、不
図示の付勢手段によってステータ1に押圧され、該ステ
ータ1の表面に生じる進行波の作用を受けて回転する。
【0003】図5は、図4における圧電板2の底面図で
ある。圧電板2の少なくとも陽極は、少なくとも2つの
領域の電極2a.2bに分割されている。電極2a,2
bのそれぞれに、周波数が同一で位相が互いに90°ず
れた正弦波を、信号源4a,4bから印加すると、ステ
ータ1の表面に生じた正弦波状の歪が、円環上を循環す
る。その様子を図6に示す。
【0004】ロータ3がステータ1の進行波の作用を受
けて回転する原理を、図7を用いて説明する。同図はス
テータ1の進行波の振幅を誇張して表してある。ステー
タ1の表面の任意の1点Aの動きに着目すると、同図の
(a)〜(d)に示す如く、点Aは進行波の通過に伴っ
て楕円Bに沿って動く。そこで、ステータ1に押圧され
ているロータ3は、前記楕円Bの頂点でステータ1と接
し、進行波の進行方向と逆の方向に駆動力を受け、回転
する。
【0005】以上の説明から理解されるように、超音波
モータの摺動面には、衝撃性の荷重と摩擦力が動的に作
用し、極めて過酷な使用条件下におかれる。したがっ
て、該摺動部分に用いる摺動材料の性質の適否が、超音
波モータの特性や寿命を決定づける鍵になる。該摺動材
料には大別してアルマイト等の無機系材料と、樹脂等の
有機系材料とがある。量産性の点で、有機系材料の方が
若干優れていることは、言うまでもない。
【0006】従来、樹脂系の摺動材料としては、例えば
特開平3−285573号公報に開示されるように、母
材の樹脂にカーボンファイバ等の硬度の高い素材を充填
材として分散させたものが用いられていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の樹
脂系摺動材料は、巨視的には堅牢でも、実際に相手材に
接触する微視的な領域に着目すると、極めて柔軟であ
り、微小領域で塑性変形を起こし易く、またクリープの
現象も生じるものであった。
【0008】図8は、従来の樹脂系摺動材料の第1の問
題点を説明するための摺動部分の断面図であり、ステー
タ1の表面進行波の振幅を誇張して示してある。ロータ
基材31の底面に設けられた摺動材料層32は、樹脂か
らなる母材32a中に摺動材料層32の厚さより短い長
さのカーボンファイバ等の充填材32bが混入されて形
成されている。同図から明らかなように、樹脂系摺動材
料は柔軟なために、摺動に際してステータ1の振動を吸
収してしまい、モータとしての電気機械変換効率が著し
く低下したり、極端な場合には、ステータ1の振動が完
全に吸収されて、ロータ3が回転しなくなるといった問
題点があった。
【0009】図9は、従来の樹脂系摺動材料の第2の問
題点を説明するための摺動部分の断面図である。一般
に、樹脂材料の顕著な現象として、クリープがある。超
音波モータは、ロータ3をステータ1に常時押圧してお
くために、クリープにより、摺動材料層32の表面に、
ステータ1の歯の接触するところに対応する歯形が生
じ、その歯形の段差が進行波の振幅よりも大きくなっ
て、超音波モータが起動できなくなるという問題点があ
った。
【0010】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので、超音波モータ等の摺動部分において、超
音波振動や押圧力を付加しても、撓んだり、クリープを
起こしたりすることなく、超音波振動を有効に回転トル
クに変換することができる樹脂系の摺動材料を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、母材と充填材とからなる樹脂系の摺動材
料において、この摺動材料の使用時の厚さ方向に沿った
充填材の代表寸法を、その厚さよりも大きく構成した。
【0012】本発明において、前記充填材は、摺動材料
の厚さ方向に配向したカーボンファイバや、カーボンビ
ーズを用いると良い。また、前記充填材の他に、代表寸
法がその第1の充填材の代表寸法よりも小さい第2の充
填材を含有し、充填材の合計の体積含有率を高めると良
い。前記第2の充填材は、第1の充填材よりも小径のカ
ーボンビーズを用いると良い。
【0013】
【作用】上記構成の本発明の摺動材料によれば、充填材
の多くが、使用時の摺動材料の厚さを貫通し、ステータ
からの超音波振動や押圧力を、ロータ基材に直接伝達す
るために、摺動材料の母材には力がかからない。したが
って、摺動材料が超音波振動を吸収してしまったり、押
圧力によってクリープが生じて歯形がつくといった現象
を回避できるものである。
【0014】
【実施例1】 (構成)本実施例では、図1(a)に示すように、樹脂
系の摺動材料を、母材5aとカーボンファイバ5bとか
ら構成した。母材5aは、例えば熱可塑性グレードのポ
リイミドなどにより形成されている。また、カーボンフ
ァイバ5bの配向はほぼ一定に揃えられている。さら
に、カーボンファイバ5bの代表長さは、ロータ基材3
1に貼り付ける時の摺動材料の厚さ(摺動材料層5の厚
さ)よりも十分長く形成されている。ここで、代表長さ
とは、カーボンファイバ5bの長さが統計的に分布して
一定でないために、その代表的な長さを表現する指標で
ある。具体的には、長さの平均値を代表長さとするのが
一般的である。しかし、本発明の目的に鑑みて、使用時
に充填材の多くが摺動材料層5を貫通していれば良く、
必ずしも平均値を用いる必要はない。例えば、平均値か
ら分散の整数倍を差し引いたものや、原料の混練前の長
さの平均値等のうち、製造条件の管理に便利な指標を代
表長さとして用いれば良い。
【0015】以上のようにして製造した樹脂系摺動材料
のバルクから、図1(a)にて破線で示すように、板状
の部材を切り出し、これを同図(b)に示すように、ロ
ータ3のロータ基材31に貼付し、所定の厚さに研磨し
て、摺動材料層5を得る。
【0016】(作用)上記構成の本実施例の摺動材料に
おいては、図1(b)に示すように、カーボンファイバ
5bの多くが摺動材料層5を貫通して分布する。これに
より、ステータ1からの力はカーボンファイバ5bを通
して直接ロータ基材31に伝達され、母材5aには力が
かからない。したがって、ステータ1の超音波振動が柔
らかい母材5aに吸収されることがない。また、押圧力
もカーボンファイバ5bが担持するから、母材5aがク
リープを起こして摺動面に歯形が付くということもな
い。
【0017】(効果)以上のように、本実施例によれ
ば、カーボンファイバ5bという最も一般的な充填材の
長さを管理するだけで、撓んだり、クリープを起こすこ
とが防止できる。
【0018】
【実施例2】 (構成)本実施例では、図2(a)に示すように、樹脂
の母材6a中にカーボンビーズ6bを添加した。その代
表長さ、例えば直径の平均値を、ロータ基材31に貼付
する摺動材料層6の厚さよりも十分に大きくすること
は、前記実施例1と同様である。以下、実施例1と同様
に、摺動材料のバルクから板材を切り出し、ロータ基材
31の底面に貼付し、所定の厚さに研磨して、摺動材料
層6を得る。
【0019】(作用)図2(b)に示すように、カーボ
ンビーズ6bの多くが摺動材料層6を貫通しており、ス
テータ1からの力がカーボンビーズ6bを通して直接ロ
ータ基材31に伝達される点は、実施例1と同様であ
る。これにより、超音波振動が母材6aに吸収された
り、母材6aのクリープによって摺動表面にステータ1
の歯形が付いたりすることがない。
【0020】(効果)以上のように、本実施例によれ
ば、充填材としてカーボンビーズ6bを用いているの
で、摺動材料の製造時に充填材の配向を特に制御する必
要がないという効果がある。また、充填材は、体積含有
率が同一ならば、針状より球状の方が、表面に露出する
断面の比率が大きく、母材の露出面積の割合が減る。し
たがって、充填材の表面が優先的にステータ1と摺動す
るために、摩耗の量が減り、母材6aの移着膜の成長が
抑止されるという効果もある。
【0021】
【実施例3】 (構成)本実施例では図3(a)および(b)に示すよ
うに、前記実施例2の第1の充填材(カーボンビーズ6
b)に加え、第2の充填材として小径のカーボンビーズ
6cを含有させた。この第2の充填材であるカーボンビ
ーズ6cは、硬度の高い充填材で、その粒度のオーダ
を、前記第1の充填材(カーボンビーズ6b)の粒度よ
りも2桁程度小さくしてある。したがって、第2の充填
材であるカーボンビーズ6cは、粒度の大きい第1の充
填材であるカーボンビーズ6bの間を埋めるように充填
される。
【0022】(作用)実施例2と同様である。
【0023】(効果)以上のように、本実施例によれ
ば、カーボンビーズ6bの粒度を大きくしていっても、
粒度の小さいカーボンビーズ6cが、カーボンビーズ6
bの間を埋めるので、充填材の合計の体積含有率が下が
らない。そのために、母材6aの撓みとクリープが更に
小さくなって、電気機械変換効率が向上し、寿命が伸び
るという効果がある。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明の摺動材料によれ
ば、超音波モータ等の摺動部分において、超音波振動や
押圧力を付加しても、撓んだり、クリープを起こしたり
することなく、超音波振動を有効に回転トルクに変換す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の製造工程を示す縦断面図で
ある。
【図2】本発明の実施例2の製造工程を示す縦断面図で
ある。
【図3】本発明の実施例3の製造工程を示す縦断面図で
ある。
【図4】円環型超音波モータを示す概念斜視図である。
【図5】図4におけるステータの底面図である。
【図6】図4のステータの表面に生じた正弦波の歪が円
環上を循環する様子を示す斜視図である。
【図7】ロータがステータの進行波の作用を受けて回転
する原理を説明するための図である。
【図8】従来の問題点を説明するための摺動部分の縦断
面図である。
【図9】従来の問題点を説明するための摺動部分の縦断
面図である。
【符号の説明】
1 ステータ 2 圧電板 3 ロータ 31 ロータ基材 5,6 摺動材料層 5a,6a,32a 母材 5b,32b カーボンファイバ 6b,6c カーボンビーズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02N 2/00 C 8525−5H // C10N 20:06 Z 8217−4H B 8217−4H 40:02 50:08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材と充填材とからなる樹脂系の摺動材
    料において、この摺動材料の使用時の厚さ方向に沿った
    充填材の代表寸法が、その厚さよりも大きいことを特徴
    とする摺動材料。
  2. 【請求項2】 前記充填材は、摺動材料の厚さ方向に配
    向したカーボンファイバであることを特徴とする請求項
    1記載の摺動材料。
  3. 【請求項3】 前記充填材は、カーボンビーズであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の摺動材料。
  4. 【請求項4】 前記充填材の他に、代表寸法がその第1
    の充填材の代表寸法よりも小さい第2の充填材を含有
    し、充填材の合計の体積含有率を高めたことを特徴とす
    る請求項1、2または3記載の摺動材料。
  5. 【請求項5】 前記第2の充填材は、第1の充填材より
    も小径のカーボンビーズであることを特徴とする請求項
    4記載の摺動材料。
JP5044648A 1993-02-09 1993-02-09 摺動材料 Withdrawn JPH06234867A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008035685A (ja) * 2006-02-13 2008-02-14 Nikon Corp モータ、レンズ鏡筒、カメラシステム、及びモータの製造方法
CN103911118A (zh) * 2014-04-01 2014-07-09 南京航空航天大学 旋转型超声电机用聚酰亚胺摩擦材料及其制备方法

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