JPH06234827A - プラスチゾル組成物 - Google Patents

プラスチゾル組成物

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JPH06234827A
JPH06234827A JP5021479A JP2147993A JPH06234827A JP H06234827 A JPH06234827 A JP H06234827A JP 5021479 A JP5021479 A JP 5021479A JP 2147993 A JP2147993 A JP 2147993A JP H06234827 A JPH06234827 A JP H06234827A
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JP
Japan
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vinyl chloride
plastisol composition
chloride copolymer
paste
molecule
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JP5021479A
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English (en)
Inventor
Go Sugino
郷 杉野
Osamu Ito
督 伊藤
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Mitsubishi Kasei Vinyl Co
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Vinyl Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温加熱で十分な物性(強度)を有し、かつ
軽量化のため1.5〜3倍の発泡が可能で、油面鋼板又
は電着塗装鋼板に対する接着性が良好な耐チッピング性
塗膜を与えるようなプラスチゾル組成物を提供する。 【構成】 分子内に水酸基を有し、平均重合度が300
〜1000の範囲にあるような、ペースト形成可能な塩
化ビニル共重合体、またはその一部を分子内に水酸基は
有していないがエステル結合を有するペースト形成可能
な塩化ビニル系共重合体、例えば塩化ビニル/酢酸ビニ
ル共重合体等で置き換えてなる塩化ビニル共重合体混合
物に可塑剤、化学発泡剤、ブロック化ポリイソシアネー
トを配合してなる、プラスチゾル組成物、及びこのプラ
スチゾル組成物からなる自動車床裏コーティング剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車の床裏コーティン
グに適した、耐チッピング性塗料を与える塩化ビニル系
プラスチゾル組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のボディ下面、サイドシル、タイ
ヤハウス等の部分の、走行中の石ハネによる塗膜の損傷
・剥離(”チッピング”)及びこれに起因する発錆・腐
食を防ぐため、床裏コーティング剤として塩ビ系プラス
チゾルからなる塗料が広く用いられてきた。
【0003】この塩ビ系プラスチゾル塗料は従来は非発
泡タイプであったが、近年自動車の軽量化が進むととも
に、塗料についてもより軽量な発泡タイプのものが求め
られるようになった。発泡タイプのプラスチゾル塗料と
しては、特開昭62−141074、特開昭64−29
472、特開昭64−81864等において、中空充填
剤又は中空を形成せしめる発泡剤を含有する事による軽
量タイプのものが、特開昭63−43967には厚塗り
可能なポリウレタン樹脂に基づくものが、それぞれ提案
されている。
【0004】しかしながら、プラスチック中空充填剤を
添加する方法(特開昭62−141074)において
は、熱伝導性が劣るため低温での成型加工では塗膜に十
分な物性を与える事が困難である上、作業性が劣り、中
空充填剤の価格が高く、従って塗料用のゾルの価格も高
価なものとなってしまう、という問題点があった。ま
た、ポリウレタン系の厚塗り塗膜(特開昭63−439
67)では物性は十分であっても、ポリウレタン自体の
特性として耐加水分解性・耐候性が劣り、またコスト面
でも高く、汎用性の点では不十分であった。
【0005】ペースト形成可能な塩化ビニル系重合体
(以下、共重合体を含めて”ペーストレジン”と総称)
を用いるプラスチゾルで発泡を利用した発明(特開昭6
4−29472)においては、塩化ビニル単独重合体に
基づくペーストレジンを主に用いているが、この場合は
低温での溶融性が劣るため発泡性も不十分で、耐チッピ
ング性の良好なセル構造を持つ発泡塗膜が安定して得ら
れず、かつ基材として近年特に多用されている電着塗装
鋼板(いわゆるED板)との接着性も十分ではなかっ
た。この発明と同趣旨でベースポリマーを特殊な共重合
樹脂(共役ジオレフィンと芳香族ビニル単量体を含有す
る共重合樹脂)に変更した発明(特開昭64−8186
4)は、ベースポリマーの価格が高く経済性で問題が有
り、満足できるものとは言いがたい状況であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の塗
料の欠点のない、低温加熱で十分な物性(強度)を有
し、かつ軽量化のため1.5〜3倍の発泡が可能で、油
面鋼板又は電着塗装鋼板に対する接着性が良好な耐チッ
ピング性塗膜を与えるようなプラスチゾル組成物の提
供。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は特定の共重合ペ
ーストレジンを使用し、これに可塑剤、化学発泡剤、ブ
ロック化ポリイソシアネートを組み合わせた塩化ビニル
系プラスチゾル組成物からなる、軽量で耐チッピング性
の良好な自動車床裏コーティング用塗料に関するもの
で、その要旨は、 (A)分子内に水酸基を有し、平均重合度が300〜1
000であるペースト形成可能な塩化ビニル共重合体 (B)可塑剤 (C)化学発泡剤 (D)ブロック化ポリイソシアネート を含有する事を特徴とするプラスチゾル組成物に存す
る。本組成物には、金属との接着性、耐熱性等を向上さ
せるため、更にエポキシ化合物を含有させるのが好まし
い。
【0008】次に本発明をより詳細に説明する。(A)
成分の、分子内に水酸基を有するペースト形成可能な塩
化ビニル共重合体としては、塩化ビニル単量体と、これ
と共重合可能な水酸基を含有するコモノマー、例えば、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート、等との混合物を乳化重合
又は微細懸濁重合して得られるものが挙げられる。
【0009】この共重合体の平均重合度は、低温発泡性
の点で300〜1000の範囲である必要がある。重合
度が300未満では得られたプラスチゾル組成物の粘度
安定性が著しく劣り、また1000を越えると、特に低
温加熱の場合、良好な発泡体が得られなくなる。この範
囲内では、一般に重合度は低いほど発泡性が良好となる
傾向があり、かつ重合度は低くても架橋により最終塗膜
の物性は確保されるが、上述のゾルの粘度安定性、未架
橋部分の耐久性、塩化ビニル共重合体としての製造上の
難易を考慮すると、好適な平均重合度範囲としては50
0〜1000、より好ましくは700〜1000である
と言える。
【0010】また、(A)成分の一部を置き換えて使用
し得る(A’)成分、即ち分子内に水酸基は有していな
いが、エステル結合を有するペーストレジンとしては、
塩化ビニル単量体と、これと共重合可能な、エステル結
合を含有するコモノマー、例えば酢酸ビニルその他のビ
ニルエステル類、あるいは(メタ)アクリル酸エステル
類、マレイン酸エステル類等との乳化共重合体及び/又
は微細懸濁共重合体を挙げる事ができる。中でも、塩化
ビニルと酢酸ビニルとの共重合体が、溶融性及び入手の
しやすさ等の点で好適である。塩化ビニルと酢酸ビニル
との共重合体の酢酸ビニル含量としては、6〜10重量
%のものが、低温溶融性が良好であり、低温加工を考え
る場合好適である。
【0011】(A)成分と、この(A’)成分との混合
比率としては、(A)/(A’)の重量比で、100/
0〜10/90が用いられるが、90/10〜30/7
0が好適である。混合比率が30/70を下回ると、架
橋密度が低くなり過ぎるためか、所望の発泡セル構造が
得られにくく、耐チッピング性も低下する傾向となり、
接着性も劣る結果となりやすい。低温加工条件での発泡
性と接着性のバランスを配慮すると、50/50前後が
特に好ましい。
【0012】(B)成分である可塑剤としては、塩化ビ
ニル重合体用に通常用いられる公知の可塑剤、例えばジ
2−エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジイソノニ
ルフタレート、アルキルベンジルフタレート等のフタル
酸ジエステル類、トリオクチルトリメリテート、その他
のトリメリット酸トリエステル類、ジオクチルアジペー
ト等のアジピン酸ジエステル類、またはフタル酸、アジ
ピン酸等とジオール類とを重縮合させて得られるポリエ
ステル可塑剤等の一種もしくは二種類以上の混合物が使
用できる。中でも、ジ2−エチルヘキシルフタレート、
ジイソノニルフタレート等のジアルキルフタレート類及
びアルキルベンジルフタレート類が好適である。
【0013】(C)成分の化学発泡剤としては、アゾジ
カルボンアミド及びこれに尿素等の助剤を加えた複合発
泡剤を含むアゾ化合物、トルエンスルホン酸ヒドラジ
ド、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジ
ド等のヒドラジド系化合物、その他の公知の化学発泡剤
を挙げることができる。また、これに必要に応じ亜鉛華
(酸化亜鉛)等の分解促進助剤を併用する事も可能であ
り、加工温度に応じた分解温度を有する化学発泡剤を選
択する事で、より良好な結果を得ることができる。
【0014】(D)成分のブロック化ポリイソシアネー
トとしては、トルイレンジイソシアネート(TDI)、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、
イソホロンジイソシアネート(IPDI)等のポリイソ
シアネート類と、多官能アルコール類、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレン
グリコール等のグリコール類、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオ
ール、等のトリオール類、その他の多価アルコール類と
のウレタンプレポリマーをアルキルフェノール、安息香
酸エステル類、メチルエチルケトオキシム(MEK
O)、ラクタム類を用いてブロック化したものが挙げら
れる。
【0015】本発明の組成物に更にエポキシ化合物を含
有させることは、接着性の向上、耐熱性の改良に有効で
あり、自動車用塗料として焼付加工の際に有利である。
エポキシ化合物としては、ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル型のエポキシ樹脂、そのダイマー酸変性エポ
キシ樹脂、及び脂肪酸ポリグリシジルエーテルエポキシ
樹脂等のエポキシ樹脂類、またはエポキシ化大豆油等の
植物油のエポキシ化物が挙げられる。中でも、エポキシ
樹脂系のものが接着性の点で好適である。
【0016】本発明の組成物には、更に、塩化ビニル系
プラスチゾルに通常使用される、重質及び/または軽質
の炭酸カルシウム、生石灰等の充填剤、微粉状シリカ他
のゲル化剤、チタン白(酸化チタン)その他の顔料・着
色剤、塩化ビニル用安定剤、ケロシン等の希釈剤、その
他を加える事ができる。本発明の組成物は自動車の車体
等の基材面に塗布した後、例えば140〜160℃×2
0〜30分間等の、通常用いられているよりも低温の加
熱条件で処理することにより、耐チッピング性が良好な
被膜とすることができる。以下に実施例を用いて本発明
を説明するが、本発明の内容はその要旨を越えない限
り、実施例により限定されるものではない。
【0017】
【実施例】下記の配合にてプラスチゾル組成物を調製
し、6〜7hPaで5分間、ガラス鐘中で真空ポンプを
用いて脱泡した。このゾルを電着塗装鋼板に0.25mm
厚で塗布し、150℃のオーブン中で30分間加熱発泡
させた。得られた鋼板付発泡体について、以下の評価を
行った。なお、説明中の%、部は全て純分ベースの重量
基準である。 <配合>
【0018】
【表1】 ペーストレジン(表参照) 100 部 可塑剤(ジイソノニルフタレート) 100 充填剤(炭酸カルシウム) 100 化学発泡剤(アゾジカルボンアミド、ユニホームAZM3W) 5 安定剤(亜鉛華3号) 6 エポキシ化合物(エピコート828) 5 ブロック化ポリイソシアネート 10 (イソホロンジイソシアネート/トリメチロールプロパンの ノニルフェノールブロック体) 希釈剤(ミネラルスピリット) 10
【0019】<評価方法> (1)平均重合度 JIS−K6721の方法に従い、粘度法で測定した。 (2)発泡倍率 発泡部分について、発泡後と発泡前の厚さの比をとり、
発泡倍率とした。
【0020】(3)発泡体断面 発泡体の断面を目視で観察し、表皮層の有無、発泡セル
の構造(セルの大きさ、大きさの分布の均一性)につい
て判定した。 (4)接着性 発泡体端部を爪で引き起こし、手指でゆっくり剥離させ
る。このとき、発泡層が破壊されて剥離が起こるものを
接着性良好と、また、鋼板と発泡層の接着界面が剥離す
るものを接着性不良と、それぞれ判定した。
【0021】(5)耐摩耗性(耐チッピング性) 自動車規格(JASO)M306−88記載の、”5.
21耐摩耗性試験(B法)”によった。即ち、45°の
角度にセットした試験片に、垂直に立てた径20mm×長
さ2mの塩ビパイプの下端を当て、このパイプの上端か
らJIS−M4ナットを落下させ、これを試験片の素地
(鋼板面)が露出するまで繰り返す、という方法によっ
た。試験結果は落下させたナットの総重量で示す。
【0022】<評価結果>表−1で示す通り、本発明の
組成物に基づく発泡体(実施例)は、従来処方の組成物
に基づく発泡体(比較例)に比べ耐チッピング性、鋼板
との接着性ともに良好である事が認められる。特に実施
例2に示す、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合ペーストレ
ジンを50%含む系は、発泡倍率で優れており、軽量化
に有利である。
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明の特定のプラスチゾルを用いるこ
とにより、次のような効果が得られる。
【表3】 (1)加工条件:140〜160℃×20〜30分間で
十分良好な発泡被膜が得られ、従来の180℃(以上)
×20〜30分間に比べて低温での加工が可能となっ
た。 (2)接着性: 従来のプラスチゾル塗料では接着性が
不十分であった、油面鋼板・電着塗装鋼板のような表面
平滑性の極めて高い基材に対しても強固に接着し、防錆
性能が向上する。 (3)軽量化: 良好な被膜を従来以上の発泡倍率で得
られるため、塗膜の軽量化が可能である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 101:00)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)分子内に水酸基を有し、平均重合
    度が300〜1000であるペースト形成可能な塩化ビ
    ニル共重合体 (B)可塑剤 (C)化学発泡剤 (D)ブロック化ポリイソシアネート を含有する事を特徴とするプラスチゾル組成物。
  2. 【請求項2】 エポキシ化合物を含有する事を特徴とす
    る請求項1記載のプラスチゾル組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分の一部を、(A’)分子内に
    水酸基は有していないが、エステル結合を有するペース
    ト形成可能な塩化ビニル共重合体で置き換えてなる請求
    項1又は2記載のプラスチゾル組成物。
  4. 【請求項4】 (A’)成分である分子内に水酸基は有
    していないが、エステル結合を有するペースト形成可能
    な塩化ビニル共重合体が、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
    合体であって、(A)/(A’)の混合比率(重量比)
    が90/10〜30/70であるような、請求項3記載
    のプラスチゾル組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のプラスチゾル組成物から
    なる自動車床裏コーティング剤。
JP5021479A 1993-02-09 1993-02-09 プラスチゾル組成物 Pending JPH06234827A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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