JPH06234827A - プラスチゾル組成物 - Google Patents
プラスチゾル組成物Info
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- JPH06234827A JPH06234827A JP5021479A JP2147993A JPH06234827A JP H06234827 A JPH06234827 A JP H06234827A JP 5021479 A JP5021479 A JP 5021479A JP 2147993 A JP2147993 A JP 2147993A JP H06234827 A JPH06234827 A JP H06234827A
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- JP
- Japan
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- vinyl chloride
- plastisol composition
- chloride copolymer
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 低温加熱で十分な物性(強度)を有し、かつ
軽量化のため1.5〜3倍の発泡が可能で、油面鋼板又
は電着塗装鋼板に対する接着性が良好な耐チッピング性
塗膜を与えるようなプラスチゾル組成物を提供する。 【構成】 分子内に水酸基を有し、平均重合度が300
〜1000の範囲にあるような、ペースト形成可能な塩
化ビニル共重合体、またはその一部を分子内に水酸基は
有していないがエステル結合を有するペースト形成可能
な塩化ビニル系共重合体、例えば塩化ビニル/酢酸ビニ
ル共重合体等で置き換えてなる塩化ビニル共重合体混合
物に可塑剤、化学発泡剤、ブロック化ポリイソシアネー
トを配合してなる、プラスチゾル組成物、及びこのプラ
スチゾル組成物からなる自動車床裏コーティング剤。
軽量化のため1.5〜3倍の発泡が可能で、油面鋼板又
は電着塗装鋼板に対する接着性が良好な耐チッピング性
塗膜を与えるようなプラスチゾル組成物を提供する。 【構成】 分子内に水酸基を有し、平均重合度が300
〜1000の範囲にあるような、ペースト形成可能な塩
化ビニル共重合体、またはその一部を分子内に水酸基は
有していないがエステル結合を有するペースト形成可能
な塩化ビニル系共重合体、例えば塩化ビニル/酢酸ビニ
ル共重合体等で置き換えてなる塩化ビニル共重合体混合
物に可塑剤、化学発泡剤、ブロック化ポリイソシアネー
トを配合してなる、プラスチゾル組成物、及びこのプラ
スチゾル組成物からなる自動車床裏コーティング剤。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車の床裏コーティン
グに適した、耐チッピング性塗料を与える塩化ビニル系
プラスチゾル組成物に関する。
グに適した、耐チッピング性塗料を与える塩化ビニル系
プラスチゾル組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のボディ下面、サイドシル、タイ
ヤハウス等の部分の、走行中の石ハネによる塗膜の損傷
・剥離(”チッピング”)及びこれに起因する発錆・腐
食を防ぐため、床裏コーティング剤として塩ビ系プラス
チゾルからなる塗料が広く用いられてきた。
ヤハウス等の部分の、走行中の石ハネによる塗膜の損傷
・剥離(”チッピング”)及びこれに起因する発錆・腐
食を防ぐため、床裏コーティング剤として塩ビ系プラス
チゾルからなる塗料が広く用いられてきた。
【0003】この塩ビ系プラスチゾル塗料は従来は非発
泡タイプであったが、近年自動車の軽量化が進むととも
に、塗料についてもより軽量な発泡タイプのものが求め
られるようになった。発泡タイプのプラスチゾル塗料と
しては、特開昭62−141074、特開昭64−29
472、特開昭64−81864等において、中空充填
剤又は中空を形成せしめる発泡剤を含有する事による軽
量タイプのものが、特開昭63−43967には厚塗り
可能なポリウレタン樹脂に基づくものが、それぞれ提案
されている。
泡タイプであったが、近年自動車の軽量化が進むととも
に、塗料についてもより軽量な発泡タイプのものが求め
られるようになった。発泡タイプのプラスチゾル塗料と
しては、特開昭62−141074、特開昭64−29
472、特開昭64−81864等において、中空充填
剤又は中空を形成せしめる発泡剤を含有する事による軽
量タイプのものが、特開昭63−43967には厚塗り
可能なポリウレタン樹脂に基づくものが、それぞれ提案
されている。
【0004】しかしながら、プラスチック中空充填剤を
添加する方法(特開昭62−141074)において
は、熱伝導性が劣るため低温での成型加工では塗膜に十
分な物性を与える事が困難である上、作業性が劣り、中
空充填剤の価格が高く、従って塗料用のゾルの価格も高
価なものとなってしまう、という問題点があった。ま
た、ポリウレタン系の厚塗り塗膜(特開昭63−439
67)では物性は十分であっても、ポリウレタン自体の
特性として耐加水分解性・耐候性が劣り、またコスト面
でも高く、汎用性の点では不十分であった。
添加する方法(特開昭62−141074)において
は、熱伝導性が劣るため低温での成型加工では塗膜に十
分な物性を与える事が困難である上、作業性が劣り、中
空充填剤の価格が高く、従って塗料用のゾルの価格も高
価なものとなってしまう、という問題点があった。ま
た、ポリウレタン系の厚塗り塗膜(特開昭63−439
67)では物性は十分であっても、ポリウレタン自体の
特性として耐加水分解性・耐候性が劣り、またコスト面
でも高く、汎用性の点では不十分であった。
【0005】ペースト形成可能な塩化ビニル系重合体
(以下、共重合体を含めて”ペーストレジン”と総称)
を用いるプラスチゾルで発泡を利用した発明(特開昭6
4−29472)においては、塩化ビニル単独重合体に
基づくペーストレジンを主に用いているが、この場合は
低温での溶融性が劣るため発泡性も不十分で、耐チッピ
ング性の良好なセル構造を持つ発泡塗膜が安定して得ら
れず、かつ基材として近年特に多用されている電着塗装
鋼板(いわゆるED板)との接着性も十分ではなかっ
た。この発明と同趣旨でベースポリマーを特殊な共重合
樹脂(共役ジオレフィンと芳香族ビニル単量体を含有す
る共重合樹脂)に変更した発明(特開昭64−8186
4)は、ベースポリマーの価格が高く経済性で問題が有
り、満足できるものとは言いがたい状況であった。
(以下、共重合体を含めて”ペーストレジン”と総称)
を用いるプラスチゾルで発泡を利用した発明(特開昭6
4−29472)においては、塩化ビニル単独重合体に
基づくペーストレジンを主に用いているが、この場合は
低温での溶融性が劣るため発泡性も不十分で、耐チッピ
ング性の良好なセル構造を持つ発泡塗膜が安定して得ら
れず、かつ基材として近年特に多用されている電着塗装
鋼板(いわゆるED板)との接着性も十分ではなかっ
た。この発明と同趣旨でベースポリマーを特殊な共重合
樹脂(共役ジオレフィンと芳香族ビニル単量体を含有す
る共重合樹脂)に変更した発明(特開昭64−8186
4)は、ベースポリマーの価格が高く経済性で問題が有
り、満足できるものとは言いがたい状況であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の塗
料の欠点のない、低温加熱で十分な物性(強度)を有
し、かつ軽量化のため1.5〜3倍の発泡が可能で、油
面鋼板又は電着塗装鋼板に対する接着性が良好な耐チッ
ピング性塗膜を与えるようなプラスチゾル組成物の提
供。
料の欠点のない、低温加熱で十分な物性(強度)を有
し、かつ軽量化のため1.5〜3倍の発泡が可能で、油
面鋼板又は電着塗装鋼板に対する接着性が良好な耐チッ
ピング性塗膜を与えるようなプラスチゾル組成物の提
供。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は特定の共重合ペ
ーストレジンを使用し、これに可塑剤、化学発泡剤、ブ
ロック化ポリイソシアネートを組み合わせた塩化ビニル
系プラスチゾル組成物からなる、軽量で耐チッピング性
の良好な自動車床裏コーティング用塗料に関するもの
で、その要旨は、 (A)分子内に水酸基を有し、平均重合度が300〜1
000であるペースト形成可能な塩化ビニル共重合体 (B)可塑剤 (C)化学発泡剤 (D)ブロック化ポリイソシアネート を含有する事を特徴とするプラスチゾル組成物に存す
る。本組成物には、金属との接着性、耐熱性等を向上さ
せるため、更にエポキシ化合物を含有させるのが好まし
い。
ーストレジンを使用し、これに可塑剤、化学発泡剤、ブ
ロック化ポリイソシアネートを組み合わせた塩化ビニル
系プラスチゾル組成物からなる、軽量で耐チッピング性
の良好な自動車床裏コーティング用塗料に関するもの
で、その要旨は、 (A)分子内に水酸基を有し、平均重合度が300〜1
000であるペースト形成可能な塩化ビニル共重合体 (B)可塑剤 (C)化学発泡剤 (D)ブロック化ポリイソシアネート を含有する事を特徴とするプラスチゾル組成物に存す
る。本組成物には、金属との接着性、耐熱性等を向上さ
せるため、更にエポキシ化合物を含有させるのが好まし
い。
【0008】次に本発明をより詳細に説明する。(A)
成分の、分子内に水酸基を有するペースト形成可能な塩
化ビニル共重合体としては、塩化ビニル単量体と、これ
と共重合可能な水酸基を含有するコモノマー、例えば、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート、等との混合物を乳化重合
又は微細懸濁重合して得られるものが挙げられる。
成分の、分子内に水酸基を有するペースト形成可能な塩
化ビニル共重合体としては、塩化ビニル単量体と、これ
と共重合可能な水酸基を含有するコモノマー、例えば、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート、等との混合物を乳化重合
又は微細懸濁重合して得られるものが挙げられる。
【0009】この共重合体の平均重合度は、低温発泡性
の点で300〜1000の範囲である必要がある。重合
度が300未満では得られたプラスチゾル組成物の粘度
安定性が著しく劣り、また1000を越えると、特に低
温加熱の場合、良好な発泡体が得られなくなる。この範
囲内では、一般に重合度は低いほど発泡性が良好となる
傾向があり、かつ重合度は低くても架橋により最終塗膜
の物性は確保されるが、上述のゾルの粘度安定性、未架
橋部分の耐久性、塩化ビニル共重合体としての製造上の
難易を考慮すると、好適な平均重合度範囲としては50
0〜1000、より好ましくは700〜1000である
と言える。
の点で300〜1000の範囲である必要がある。重合
度が300未満では得られたプラスチゾル組成物の粘度
安定性が著しく劣り、また1000を越えると、特に低
温加熱の場合、良好な発泡体が得られなくなる。この範
囲内では、一般に重合度は低いほど発泡性が良好となる
傾向があり、かつ重合度は低くても架橋により最終塗膜
の物性は確保されるが、上述のゾルの粘度安定性、未架
橋部分の耐久性、塩化ビニル共重合体としての製造上の
難易を考慮すると、好適な平均重合度範囲としては50
0〜1000、より好ましくは700〜1000である
と言える。
【0010】また、(A)成分の一部を置き換えて使用
し得る(A’)成分、即ち分子内に水酸基は有していな
いが、エステル結合を有するペーストレジンとしては、
塩化ビニル単量体と、これと共重合可能な、エステル結
合を含有するコモノマー、例えば酢酸ビニルその他のビ
ニルエステル類、あるいは(メタ)アクリル酸エステル
類、マレイン酸エステル類等との乳化共重合体及び/又
は微細懸濁共重合体を挙げる事ができる。中でも、塩化
ビニルと酢酸ビニルとの共重合体が、溶融性及び入手の
しやすさ等の点で好適である。塩化ビニルと酢酸ビニル
との共重合体の酢酸ビニル含量としては、6〜10重量
%のものが、低温溶融性が良好であり、低温加工を考え
る場合好適である。
し得る(A’)成分、即ち分子内に水酸基は有していな
いが、エステル結合を有するペーストレジンとしては、
塩化ビニル単量体と、これと共重合可能な、エステル結
合を含有するコモノマー、例えば酢酸ビニルその他のビ
ニルエステル類、あるいは(メタ)アクリル酸エステル
類、マレイン酸エステル類等との乳化共重合体及び/又
は微細懸濁共重合体を挙げる事ができる。中でも、塩化
ビニルと酢酸ビニルとの共重合体が、溶融性及び入手の
しやすさ等の点で好適である。塩化ビニルと酢酸ビニル
との共重合体の酢酸ビニル含量としては、6〜10重量
%のものが、低温溶融性が良好であり、低温加工を考え
る場合好適である。
【0011】(A)成分と、この(A’)成分との混合
比率としては、(A)/(A’)の重量比で、100/
0〜10/90が用いられるが、90/10〜30/7
0が好適である。混合比率が30/70を下回ると、架
橋密度が低くなり過ぎるためか、所望の発泡セル構造が
得られにくく、耐チッピング性も低下する傾向となり、
接着性も劣る結果となりやすい。低温加工条件での発泡
性と接着性のバランスを配慮すると、50/50前後が
特に好ましい。
比率としては、(A)/(A’)の重量比で、100/
0〜10/90が用いられるが、90/10〜30/7
0が好適である。混合比率が30/70を下回ると、架
橋密度が低くなり過ぎるためか、所望の発泡セル構造が
得られにくく、耐チッピング性も低下する傾向となり、
接着性も劣る結果となりやすい。低温加工条件での発泡
性と接着性のバランスを配慮すると、50/50前後が
特に好ましい。
【0012】(B)成分である可塑剤としては、塩化ビ
ニル重合体用に通常用いられる公知の可塑剤、例えばジ
2−エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジイソノニ
ルフタレート、アルキルベンジルフタレート等のフタル
酸ジエステル類、トリオクチルトリメリテート、その他
のトリメリット酸トリエステル類、ジオクチルアジペー
ト等のアジピン酸ジエステル類、またはフタル酸、アジ
ピン酸等とジオール類とを重縮合させて得られるポリエ
ステル可塑剤等の一種もしくは二種類以上の混合物が使
用できる。中でも、ジ2−エチルヘキシルフタレート、
ジイソノニルフタレート等のジアルキルフタレート類及
びアルキルベンジルフタレート類が好適である。
ニル重合体用に通常用いられる公知の可塑剤、例えばジ
2−エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジイソノニ
ルフタレート、アルキルベンジルフタレート等のフタル
酸ジエステル類、トリオクチルトリメリテート、その他
のトリメリット酸トリエステル類、ジオクチルアジペー
ト等のアジピン酸ジエステル類、またはフタル酸、アジ
ピン酸等とジオール類とを重縮合させて得られるポリエ
ステル可塑剤等の一種もしくは二種類以上の混合物が使
用できる。中でも、ジ2−エチルヘキシルフタレート、
ジイソノニルフタレート等のジアルキルフタレート類及
びアルキルベンジルフタレート類が好適である。
【0013】(C)成分の化学発泡剤としては、アゾジ
カルボンアミド及びこれに尿素等の助剤を加えた複合発
泡剤を含むアゾ化合物、トルエンスルホン酸ヒドラジ
ド、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジ
ド等のヒドラジド系化合物、その他の公知の化学発泡剤
を挙げることができる。また、これに必要に応じ亜鉛華
(酸化亜鉛)等の分解促進助剤を併用する事も可能であ
り、加工温度に応じた分解温度を有する化学発泡剤を選
択する事で、より良好な結果を得ることができる。
カルボンアミド及びこれに尿素等の助剤を加えた複合発
泡剤を含むアゾ化合物、トルエンスルホン酸ヒドラジ
ド、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジ
ド等のヒドラジド系化合物、その他の公知の化学発泡剤
を挙げることができる。また、これに必要に応じ亜鉛華
(酸化亜鉛)等の分解促進助剤を併用する事も可能であ
り、加工温度に応じた分解温度を有する化学発泡剤を選
択する事で、より良好な結果を得ることができる。
【0014】(D)成分のブロック化ポリイソシアネー
トとしては、トルイレンジイソシアネート(TDI)、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、
イソホロンジイソシアネート(IPDI)等のポリイソ
シアネート類と、多官能アルコール類、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレン
グリコール等のグリコール類、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオ
ール、等のトリオール類、その他の多価アルコール類と
のウレタンプレポリマーをアルキルフェノール、安息香
酸エステル類、メチルエチルケトオキシム(MEK
O)、ラクタム類を用いてブロック化したものが挙げら
れる。
トとしては、トルイレンジイソシアネート(TDI)、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、
イソホロンジイソシアネート(IPDI)等のポリイソ
シアネート類と、多官能アルコール類、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレン
グリコール等のグリコール類、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオ
ール、等のトリオール類、その他の多価アルコール類と
のウレタンプレポリマーをアルキルフェノール、安息香
酸エステル類、メチルエチルケトオキシム(MEK
O)、ラクタム類を用いてブロック化したものが挙げら
れる。
【0015】本発明の組成物に更にエポキシ化合物を含
有させることは、接着性の向上、耐熱性の改良に有効で
あり、自動車用塗料として焼付加工の際に有利である。
エポキシ化合物としては、ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル型のエポキシ樹脂、そのダイマー酸変性エポ
キシ樹脂、及び脂肪酸ポリグリシジルエーテルエポキシ
樹脂等のエポキシ樹脂類、またはエポキシ化大豆油等の
植物油のエポキシ化物が挙げられる。中でも、エポキシ
樹脂系のものが接着性の点で好適である。
有させることは、接着性の向上、耐熱性の改良に有効で
あり、自動車用塗料として焼付加工の際に有利である。
エポキシ化合物としては、ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル型のエポキシ樹脂、そのダイマー酸変性エポ
キシ樹脂、及び脂肪酸ポリグリシジルエーテルエポキシ
樹脂等のエポキシ樹脂類、またはエポキシ化大豆油等の
植物油のエポキシ化物が挙げられる。中でも、エポキシ
樹脂系のものが接着性の点で好適である。
【0016】本発明の組成物には、更に、塩化ビニル系
プラスチゾルに通常使用される、重質及び/または軽質
の炭酸カルシウム、生石灰等の充填剤、微粉状シリカ他
のゲル化剤、チタン白(酸化チタン)その他の顔料・着
色剤、塩化ビニル用安定剤、ケロシン等の希釈剤、その
他を加える事ができる。本発明の組成物は自動車の車体
等の基材面に塗布した後、例えば140〜160℃×2
0〜30分間等の、通常用いられているよりも低温の加
熱条件で処理することにより、耐チッピング性が良好な
被膜とすることができる。以下に実施例を用いて本発明
を説明するが、本発明の内容はその要旨を越えない限
り、実施例により限定されるものではない。
プラスチゾルに通常使用される、重質及び/または軽質
の炭酸カルシウム、生石灰等の充填剤、微粉状シリカ他
のゲル化剤、チタン白(酸化チタン)その他の顔料・着
色剤、塩化ビニル用安定剤、ケロシン等の希釈剤、その
他を加える事ができる。本発明の組成物は自動車の車体
等の基材面に塗布した後、例えば140〜160℃×2
0〜30分間等の、通常用いられているよりも低温の加
熱条件で処理することにより、耐チッピング性が良好な
被膜とすることができる。以下に実施例を用いて本発明
を説明するが、本発明の内容はその要旨を越えない限
り、実施例により限定されるものではない。
【0017】
【実施例】下記の配合にてプラスチゾル組成物を調製
し、6〜7hPaで5分間、ガラス鐘中で真空ポンプを
用いて脱泡した。このゾルを電着塗装鋼板に0.25mm
厚で塗布し、150℃のオーブン中で30分間加熱発泡
させた。得られた鋼板付発泡体について、以下の評価を
行った。なお、説明中の%、部は全て純分ベースの重量
基準である。 <配合>
し、6〜7hPaで5分間、ガラス鐘中で真空ポンプを
用いて脱泡した。このゾルを電着塗装鋼板に0.25mm
厚で塗布し、150℃のオーブン中で30分間加熱発泡
させた。得られた鋼板付発泡体について、以下の評価を
行った。なお、説明中の%、部は全て純分ベースの重量
基準である。 <配合>
【0018】
【表1】 ペーストレジン(表参照) 100 部 可塑剤(ジイソノニルフタレート) 100 充填剤(炭酸カルシウム) 100 化学発泡剤(アゾジカルボンアミド、ユニホームAZM3W) 5 安定剤(亜鉛華3号) 6 エポキシ化合物(エピコート828) 5 ブロック化ポリイソシアネート 10 (イソホロンジイソシアネート/トリメチロールプロパンの ノニルフェノールブロック体) 希釈剤(ミネラルスピリット) 10
【0019】<評価方法> (1)平均重合度 JIS−K6721の方法に従い、粘度法で測定した。 (2)発泡倍率 発泡部分について、発泡後と発泡前の厚さの比をとり、
発泡倍率とした。
発泡倍率とした。
【0020】(3)発泡体断面 発泡体の断面を目視で観察し、表皮層の有無、発泡セル
の構造(セルの大きさ、大きさの分布の均一性)につい
て判定した。 (4)接着性 発泡体端部を爪で引き起こし、手指でゆっくり剥離させ
る。このとき、発泡層が破壊されて剥離が起こるものを
接着性良好と、また、鋼板と発泡層の接着界面が剥離す
るものを接着性不良と、それぞれ判定した。
の構造(セルの大きさ、大きさの分布の均一性)につい
て判定した。 (4)接着性 発泡体端部を爪で引き起こし、手指でゆっくり剥離させ
る。このとき、発泡層が破壊されて剥離が起こるものを
接着性良好と、また、鋼板と発泡層の接着界面が剥離す
るものを接着性不良と、それぞれ判定した。
【0021】(5)耐摩耗性(耐チッピング性) 自動車規格(JASO)M306−88記載の、”5.
21耐摩耗性試験(B法)”によった。即ち、45°の
角度にセットした試験片に、垂直に立てた径20mm×長
さ2mの塩ビパイプの下端を当て、このパイプの上端か
らJIS−M4ナットを落下させ、これを試験片の素地
(鋼板面)が露出するまで繰り返す、という方法によっ
た。試験結果は落下させたナットの総重量で示す。
21耐摩耗性試験(B法)”によった。即ち、45°の
角度にセットした試験片に、垂直に立てた径20mm×長
さ2mの塩ビパイプの下端を当て、このパイプの上端か
らJIS−M4ナットを落下させ、これを試験片の素地
(鋼板面)が露出するまで繰り返す、という方法によっ
た。試験結果は落下させたナットの総重量で示す。
【0022】<評価結果>表−1で示す通り、本発明の
組成物に基づく発泡体(実施例)は、従来処方の組成物
に基づく発泡体(比較例)に比べ耐チッピング性、鋼板
との接着性ともに良好である事が認められる。特に実施
例2に示す、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合ペーストレ
ジンを50%含む系は、発泡倍率で優れており、軽量化
に有利である。
組成物に基づく発泡体(実施例)は、従来処方の組成物
に基づく発泡体(比較例)に比べ耐チッピング性、鋼板
との接着性ともに良好である事が認められる。特に実施
例2に示す、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合ペーストレ
ジンを50%含む系は、発泡倍率で優れており、軽量化
に有利である。
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明の特定のプラスチゾルを用いるこ
とにより、次のような効果が得られる。
とにより、次のような効果が得られる。
【表3】 (1)加工条件:140〜160℃×20〜30分間で
十分良好な発泡被膜が得られ、従来の180℃(以上)
×20〜30分間に比べて低温での加工が可能となっ
た。 (2)接着性: 従来のプラスチゾル塗料では接着性が
不十分であった、油面鋼板・電着塗装鋼板のような表面
平滑性の極めて高い基材に対しても強固に接着し、防錆
性能が向上する。 (3)軽量化: 良好な被膜を従来以上の発泡倍率で得
られるため、塗膜の軽量化が可能である。
十分良好な発泡被膜が得られ、従来の180℃(以上)
×20〜30分間に比べて低温での加工が可能となっ
た。 (2)接着性: 従来のプラスチゾル塗料では接着性が
不十分であった、油面鋼板・電着塗装鋼板のような表面
平滑性の極めて高い基材に対しても強固に接着し、防錆
性能が向上する。 (3)軽量化: 良好な被膜を従来以上の発泡倍率で得
られるため、塗膜の軽量化が可能である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 101:00)
Claims (5)
- 【請求項1】 (A)分子内に水酸基を有し、平均重合
度が300〜1000であるペースト形成可能な塩化ビ
ニル共重合体 (B)可塑剤 (C)化学発泡剤 (D)ブロック化ポリイソシアネート を含有する事を特徴とするプラスチゾル組成物。 - 【請求項2】 エポキシ化合物を含有する事を特徴とす
る請求項1記載のプラスチゾル組成物。 - 【請求項3】 (A)成分の一部を、(A’)分子内に
水酸基は有していないが、エステル結合を有するペース
ト形成可能な塩化ビニル共重合体で置き換えてなる請求
項1又は2記載のプラスチゾル組成物。 - 【請求項4】 (A’)成分である分子内に水酸基は有
していないが、エステル結合を有するペースト形成可能
な塩化ビニル共重合体が、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体であって、(A)/(A’)の混合比率(重量比)
が90/10〜30/70であるような、請求項3記載
のプラスチゾル組成物。 - 【請求項5】 請求項1記載のプラスチゾル組成物から
なる自動車床裏コーティング剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5021479A JPH06234827A (ja) | 1993-02-09 | 1993-02-09 | プラスチゾル組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5021479A JPH06234827A (ja) | 1993-02-09 | 1993-02-09 | プラスチゾル組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06234827A true JPH06234827A (ja) | 1994-08-23 |
Family
ID=12056114
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5021479A Pending JPH06234827A (ja) | 1993-02-09 | 1993-02-09 | プラスチゾル組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06234827A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005017045A1 (ja) * | 2003-08-13 | 2005-02-24 | Sunstar Giken Kabushiki Kaisha | 2液硬化性組成物 |
JP2018502205A (ja) * | 2015-09-14 | 2018-01-25 | エルジー・ケム・リミテッド | 塩化ビニルービニルアセテート共重合体及びその製造方法 |
WO2024190561A1 (ja) * | 2023-03-10 | 2024-09-19 | 株式会社カネカ | 塩化ビニル系ペースト樹脂、それを含む塩化ビニル系ペースト樹脂組成物、およびその製造方法 |
-
1993
- 1993-02-09 JP JP5021479A patent/JPH06234827A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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