JPH06233639A - ユリなどの液体リン片培養方法及び培養装置 - Google Patents

ユリなどの液体リン片培養方法及び培養装置

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JPH06233639A
JPH06233639A JP4226326A JP22632692A JPH06233639A JP H06233639 A JPH06233639 A JP H06233639A JP 4226326 A JP4226326 A JP 4226326A JP 22632692 A JP22632692 A JP 22632692A JP H06233639 A JPH06233639 A JP H06233639A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡便で、その操作も容易なリン片液体培養装
置を用い、ユリなどのリン片の大量増殖を可能とする。 【構成】 培養容器の中央胴部付近から底部にかけての
形状を、鋭角状に絞ったほぼ逆円錐台状とし、該容器の
底部から通気を行うようにした培養容器を用いて、ユリ
などのリン片を培養液中、流動化状態で、大量増殖培養
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、培養液を用いて、ユリ
などのリン片を培養する方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ユリは、種子、木子或いはリン片で増殖
させるが、その増殖効率は極めて低い。特に、ヤマユリ
は自家受精で種子を採取しても、種子は上子葉休眠現象
を有し、播種から発芽までに1年半ほどかかるため、開
花までに少なくとも4年はかかる。近年、ユリの優良品
種の選抜及び新品種の開発に伴い、作出したユリの大量
増殖の必要性から種々の増殖方法が開発されている。ユ
リの大量増殖方法としては、主として組織培養による増
殖法が用いられるが、組織培養による増殖法には、小球
根のリン片を分割して新しい培地に移植して球根を形成
させる方法とカルスを誘導して増殖し、球根を再分化さ
せる方法とがある。
【0003】カルスを誘導する方法は、カルス細胞を大
量に増殖できる利点を有するが、カルスの継代に伴なう
分化能の低下等が見られ、リン片を用いる方法は、球根
の分化が確実で、変異もほとんど見られないが、寒天培
地上で増殖しているため高い増殖効率を望むには難があ
った。そこで、これらの問題を解決するため液体培地を
用いたリン片の大量増殖方法が検討された。
【0004】液体培地を用いたリン片の大量増殖方法と
しては、液体振とう培養による方法(特開昭55−11
8319号、特公昭60−15286号)、ジャーファ
メンターを用いた方法、横型回転培養槽を用いた方法
(特開昭60−232088号)などが行なわれてお
り、更に、攪伴による植物組織の損傷を回避する目的か
ら、通気槽と培養槽を独立して設けた培養槽を用いた大
量増殖方法(特開昭62−179383号)及び側壁内
面の通気装置を設けた横型培養槽を用いた大量増殖法
(特開昭63−192382号)などの改良された増殖
方法が開発されている。
【0005】一方、円筒状培養容器の底部から通気して
培養する装置は、植物細胞の増殖には用いられていたが
(特開平2−261373号、特開平3−160983
号)、従来のこれらの装置は、培養容器の底部の傾斜面
が比較的緩やかで、これらの装置をユリのリン片の増殖
に適用することは不向な面があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】液体培養によるリン片
の培養増殖方法は、通気攪伴による酸素供給が良好で
生育が速い、培地との接触面が広く、養分の吸収効率
が良い、大量培養が可能になるなどの種々の利点を有
するものであるが、従来の装置は、その設備も大変で、
その培養技術にも種々の検討を要した。そこで、本発明
は簡便で、その操作も容易なリン片液体培養装置を用
い、ユリなどのリン片の大量増殖を行なう方法及びその
装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の培養方法は、培養容器中の培養液に、リン
片を浸漬し、通気攪伴しながら培養するユリなどのリン
片液体培養方法において、培養容器の中央胴部付近から
底部にかけての形状を、鋭角状に絞ったほぼ逆円錐台状
とし、該容器の底部から通気を行なうことにより、リン
片を流動化状態で培養することを特徴とする方法であ
り、更に、本発明の培養装置は、培養容器、給気装置、
排気装置を設けたユリなどのリン片液体培養装置におい
て、培養容器の中央胴部付近から底部にかけての形状
を、鋭角状に絞ったほぼ逆円錐台状とし、該容器の底部
を気泡発生多孔質体、有孔隔壁、エアー拡散室から形成
した空気噴出部とすることにより、リン片を流動化状態
で培養するようにしたことを特徴とする装置である。
【0008】なお、ここで、「培養容器の中央胴部付近
から底部にかけての形状を、鋭角状に絞った」という意
味は、培養容器の中央胴部付近から垂直に垂した垂線
と、培養容器の中央胴部付近から底部にかけての容器の
側壁との間で形成される角度のことであり(図1の
α)、15度〜30度、特に17度付近が望ましい。ま
た、培養容器底部において、エアー拡散室を区画する有
効隔壁は、リン片(5mm程度)が落ちない程度の孔が
少なくとも3個以上形成されたものであることが望まし
い。
【0009】
【作用】本発明の培養方法及び培養装置においては、培
養容器の形状を上記特定の形状にすることにより、培養
液中のリン片が容器の底部に沈澱することなく培養液と
ともに浮遊流動化しており、更に培養液の円滑な流れが
形成できるためリン片が培養容器の壁面に衝突すること
なく、したがって培養組織を損傷することなくリン片を
培養増殖することが可能である。
【0010】また、本発明の培養装置においては、空気
噴出部を、気泡発生多孔体、有孔隔壁、エアー拡散室か
ら形成したため、気泡発生多孔体で発生した泡を、エア
ー拡散室で均一に拡散し、これを有孔隔壁の孔から噴出
することにより培養容器の底部全体にわたって空気を噴
出することを可能とし、リン片が培養容器のいずれの場
所にも沈澱することを防止する。本発明の装置は、従来
装置のような振とう装置、回転装置を必要とすることな
く、非常に簡便な構造となっており、その操作も通気の
コントロールで済むため容易なものとなっており、更に
リン片の浮遊流動により、培養液とリン片の接触を効率
よく行なえるために、養分及び酸素を均一に供給できる
という作用効果を持つ。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1は、本発明の培養装置を示す図であ
る。図1において、培養容器1は支持フレーム4により
支持され、底部は空気噴出孔9を有する空気噴出部8で
形成されている。 培養容器1は、透明なガラスで形成
される。 空気噴出部8は、給気管7により、除菌フィ
ルター6を介してエアーポンプ10に連通し、給気装置
2を形成する。 培養容器1には、空気噴出部8を貫通
して排気管10が伸長し、その先端の排気口11は、培
養容器1内の培養液13の液面より上部に開口する。
排気管10は、
【0012】水滴除去装置15及び除菌フィルター14
を介して培養装置外へ開口し、排気装置3を形成する。
本発明の培養装置は、除菌フィルター6及び14によ
り、装置内が無菌状態に保持される。本発明の空気噴出
部8は、図2において、気泡発生多孔質体16、エアー
拡散室17及び有孔隔壁18から形成され、気泡発生多
孔質体16で発生した空気の泡は、エアー拡散室17で
均一に拡散し、有孔隔壁18の空気噴出孔9から培養装
置の底部全体に噴出される。 気泡発生多孔質体には、
エアーストーンが用いられる。
【0013】本発明の培養容器は、中央胴部付近から底
部にかけての形状が、鋭角状に絞ったほぼ逆円錐台状と
され、この実施例では、培養容器の中央胴部付近から底
部にかけての容器の側壁と、培養容器の中央胴部付近か
ら垂直に垂した垂線との間で形成される角度(図1の
α)が、約17度に形成されている。なお、培養容器底
部における空気噴出孔9、排気管10、及びエアースト
ーンの実施例における位置関係は、図3のとおりであ
る。 この実施例で、排気管は、培養容器の底部を貫通
して設けられているが、培養容器の上部より容器内に挿
入して排気する構造とすることができる。
【0014】次に、このような構造からなる培養装置を
用いてユリ、特にヤマユリのリン片を培養する方法につ
いて説明する。ユリのリン片は、そのまま培養すること
もできるが、この実施例では、あらかじめ固体培養し、
増殖したものを用いた。 リン片を、小片1個づつに分
割し、表面を殺菌処理(次亜塩素酸ソーダ又はエチルア
ルコール)した後、ムラシゲ・スクーグ氏培地で固体培
養した。 リン片は、約3〜4カ月で、1〜3個の子球
(5〜1.3ミリ、平均0.8ミリ)が分化してくる。
このリン片を、5〜10ミリの小片とし、上記本発明の
液体培養装置で培養した。 培養液は、ムラシゲ・スク
ーグ氏培地から寒天を除き、ショ糖の添加量を60〜9
0g/1リットルとしたものを用いた。
【0015】小型培養容器(1リットル)を用い、容器
に前記培養液0.7リットル、ヤマユリの小リン片約5
0個を投入した。 通気は、エアーポンプ5を駆動し、
毎分2.5リットルの空気を送入した。 培養は、室温
(20〜30℃)で、約60日間行なった。培養によ
り、約1.0〜1.6ミリに、急速に成長したヤマユリ
の球塊約1gを得た。
【0016】
【発明の効果】本発明の培養方法及び培養装置は、従来
の培養方法及び培養装置のような振とう或いは回転装置
を用いることなく、非常に簡便な構造のもとで、リン片
の大量増殖が可能であり、その操作も、通気コントロー
ルを行なうだけで培養の管理が行なえるから、非常に容
易なものとなっている。 また、本発明においては、特
定構造の培養容器を用いたことにより、培養液の円滑な
流れが形成されて、リン片が底部に沈澱することなく浮
遊、流動し、効率的な培養液との接触により、リン片の
急速な成長を促すことができる。 更に、培養容器の形
状から、培養中のリン片が容器の壁面に衝突することが
なく、したがって培養組織の損傷を生ずることがないな
どの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の培養装置の概略図である。
【図2】図2は、図1に示した培養容器の空気噴出部の
概略図を示す。
【図3】図3は、図1に示した培養容器の底部における
空気噴出孔、排気管、エアーストーンの位置関係につい
ての実施例を示す。
【符号の説明】
1 培養容器 5 エアーポンプ 6 除菌フィルター 7 給気管 8 空気噴出部 9 空気噴出孔 10 排気管 14 除菌フィルター 15 水滴除去装置 16 気泡発生多孔質体 17 エアー拡散室 18 有孔隔壁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】培養容器中の培養液に、リン片を浸漬し、
    通気攪伴しながら培養するユリなどのリン片液体培養方
    法において、培養容器の中央胴部付近から底部にかけて
    の形状を、鋭角状に絞ったほぼ逆円錐台状とし、該容器
    の底部から通気を行なうことにより、リン片を流動化状
    態で培養することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】培養容器、給気装置、排気装置を設けたユ
    リなどのリン片液体培養装置において、培養容器の中央
    胴部付近から底部にかけての形状を、鋭角状に絞ったほ
    ぼ逆円錐台状とし、該容器の底部を気泡発生多孔質体、
    有孔隔壁、エアー拡散室から形成した空気噴出部とする
    ことにより、リン片を流動化状態で培養するようにした
    ことを特徴とする装置。
JP4226326A 1992-07-13 1992-07-13 ユリなどの液体リン片培養方法及び培養装置 Expired - Lifetime JPH0814B2 (ja)

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