JPH06230108A - レーダ絶対校正装置 - Google Patents

レーダ絶対校正装置

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Publication number
JPH06230108A
JPH06230108A JP5020080A JP2008093A JPH06230108A JP H06230108 A JPH06230108 A JP H06230108A JP 5020080 A JP5020080 A JP 5020080A JP 2008093 A JP2008093 A JP 2008093A JP H06230108 A JPH06230108 A JP H06230108A
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JP
Japan
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radar
absolute calibration
calibration device
synthetic aperture
antenna
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Application number
JP5020080A
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English (en)
Inventor
Hirokazu Tanaka
宏和 田中
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
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Publication of JPH06230108A publication Critical patent/JPH06230108A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可変レーダ断面積を有する能動型のレーダ絶
対校正装置を得る。 【構成】 受信用アンテナ、送信用アンテナ、受信信号
増幅用の増幅器及び送信電力コントロール用の可変抵抗
減衰器とを具備している。 【効果】 装置が小型化できるにも拘わらず、大きなレ
ーダ断面積が実現できる。又、レーダ断面積を可変にす
ることができる為、同一の装置であるにも拘わらず、異
なるレーダ基準散乱体として動作させ得る。更に、装置
が小型化できる為、取り扱いが容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、人工衛星等の飛翔体
に搭載して地球表面等を観測する合成開口レーダのレー
ダ画像の絶対校正に用いられるレーダ絶対校正装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図16は、人工衛星等の飛翔体に搭載し
て地球表面等を観測する合成開口レーダのレーダ画像を
絶対校正する際に用いられているレーダ絶対校正装置を
示す図であり、レーダ絶対校正装置としてコーナリフレ
クタが用いられた例である。図において1は人工衛星等
の飛翔体に搭載された合成開口レーダ、2は地球表面、
3は地球表面2に設置されたコーナリフレクタである。
コーナリフレクタ3は、3a、3b、及び3cの同一形
状の直角二等辺三角形からなる金属反射板から構成され
ており、これらの二等辺三角形の短辺同士が互いに接合
された構造となっている。
【0003】次に動作について図16を用いて説明す
る。人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開口レーダ1
から放射された電波は地球表面2で反射された後、その
一部が前記合成開口レーダ1で受信される。合成開口レ
ーダ1で受信される電力は、合成開口レーダ1が有する
瞬時視野内からの反射電力によるものであり、この瞬時
視野の大きさは例えば100km2 程度である。一方、
前記合成開口レーダ1が有する地球表面2の分解能は瞬
時視野に比べてはるかに小さく、例えば5m(アジマス
方向)×15m(レンジ方向)であり、この5m×15
mが1分解能セルに相当する。したがって、瞬時視野内
には前記分解能セルが多数存在することになり、この各
分解能セルからの反射電力の和が前記瞬時視野内からの
受信電力に対応することになる。尚、アジマス方向とは
合成開口レーダ1を搭載する飛翔体の飛翔方向であり、
レンジ方向とは飛翔方向に直交する方向である。
【0004】合成開口レーダ1の瞬時視野内における地
球表面2の各分解能セルの後方散乱係数をσ0 とする
と、各分解能セル当たりのレーダ断面積σG
【0005】
【数1】
【0006】で表される。ここでAill は各分解能セル
の大きさである。したがって、合成開口レーダ1で観測
されたレーダ画像は、各分解能セル当たりのレーダ断面
積、換言すれば各分解能セル当たりの後方散乱係数をマ
ッピングしたものと見做すことができる。この場合、マ
ッピングされた後方散乱係数の絶対強度を知ることが、
合成開口レーダのレーダ画像に対して物理的解釈を加
え、資源情報等の抽出を行なう上で必要不可欠となって
いる。この後方散乱係数の絶対強度を求めることが合成
開口レーダのレーダ画像に対する絶対校正であり、通常
この絶対校正は合成開口レーダの瞬時視野内にレーダ断
面積が既知のレーダ絶対校正装置を複数個設置して行な
われる。
【0007】図16は前記レーダ絶対校正装置としてコ
ーナリフレクタが用いられた例である。コーナリフレク
タは構造が簡単であるため、レーダ断面積が既知のレー
ダ基準散乱体としてこれまでにもよく使用されている。
図16に示すコーナリフレクタ3のレーダ断面積σR
【0008】
【数2】
【0009】で表される。ここでaは同一形状の二等辺
三角形からなる金属反射板3a、3b及び3cの短辺の
長さ、λは合成開口レーダ1の使用周波数から定まる波
長であり、これらは何れも既知の値である。したがっ
て、コーナリフレクタ3のレーダ断面積σR もまた既知
の値となる。尚、コーナリフレクタ3の後方散乱係数σ
0 とレーダ断面積σR との間には次の関係がある。
【0010】
【数3】
【0011】ここで、SC はコーナリフレクタ3の開口
面積である。合成開口レーダ1が観測するレーダ画像の
絶対校正を行なうに際しては、通常レーダ断面積σR
異なる複数のコーナリフレクタ3を合成開口レーダ1の
瞬時視野内に設置し、合成開口レーダ1のレーダ画像内
に現われる複数の既知の輝度レベル、即ち既知の後方散
乱係数σ0 から校正したい画像部分の輝度レベル、即ち
未知の後方散乱係数σ0 を補間によって求めるのが一般
的である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来のレーダ絶対校正
装置は以上のように構成されているので、コーナリフレ
クタの寸法でレーダ断面積が一義的に決まってしまう受
動型のレーダ絶対校正装置であった。そのため、異なる
レーダ断面積を得ようとするとその都度異なる寸法のコ
ーナリフレクタを製作して対処しなければならないとい
う問題点があった。又、Lバンド以下の比較的低い周波
数帯でレーダ絶対校正装置としてコーナリフレクタを使
用する場合は、コーナリフレクタを構成する金属反射板
の短辺の寸法が例えば3m程度となってしまう為、コー
ナリフレクタの全体寸法が大きくなり、テストサイトへ
の運搬上やテストサイトでの設置上からも取り扱いが不
便であるという問題点があった。又テストサイトの制約
等から、レーダ絶対校正装置として使用するコーナリフ
レクタのレーダ断面積がコーナリフレクタを設置したテ
ストサイト周辺のレーダ断面積に比べて同程度あるいは
それ以下であった場合は、合成開口レーダの画像内に現
われるコーナリフレクタの輝度レベルが周囲の輝度レベ
ルと同程度あるいはそれ以下となるため、画像上での識
別が困難となり、レーダ画像の絶対校正が困難になると
いう問題点があった。更に飛翔体に搭載された合成開口
レーダの送信波及び受信波の偏波が、例えば水平/水
平、垂直/垂直、水平/垂直及び垂直/水平のように複
数偏波の組み合わせで同時観測ができるポラリメトリッ
ク合成開口レーダの場合は、従来のコーナリフレクタの
ようなレーダ絶対校正装置ではポラリメトリックな絶対
校正ができないという問題点があった。又、人工衛星等
の飛翔体に搭載された合成開口レーダは、そのアンテナ
の寸法が例えば2m×15mと長大なものである為、地
上のシステム試験で当該合成開口レーダのレーダ特性が
十分に把握できにくいという問題点があった。加えて、
合成開口レーダを搭載した飛翔体の飛翔パスに応じてレ
ーダ絶対校正装置の方向調整をその都度行なわなければ
ならないという問題点があった。
【0013】この発明は上記のような課題を解消するた
めになされたもので、レーダ断面積が可変であると共に
可搬性及び設置性に優れた能動型のレーダ絶対校正装置
を得ることを目的としており、更にレーダ絶対校正装置
の見掛け上の位置を移動させることによって、テストサ
イトの制約等を受けることなくレーダ画像の絶対校正を
可能ならしめるレーダ絶対校正装置を提供することを目
的としている。又、レーダ絶対校正装置の見掛け上の位
置をそれぞれ異なる位置に移動させることによって、等
価的に複数個のレーダ絶対校正装置の提供ができること
を目的としている。更に、ポラリメトリック合成開口レ
ーダに対するポラリメトリックな絶対校正が可能なレー
ダ絶対校正装置の提供を目的としている。又、飛翔時の
合成開口レーダが有するアンテナの放射パターンや送信
電力等のレーダ特性がモニタできるレーダ絶対校正装置
の提供をも目的としている。加えて、飛翔体の飛翔パス
に応じてビーム方向の調整が可能なレーダ絶対校正装置
の提供も目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明に係わるレーダ
絶対校正装置は、能動型のレーダ絶対校正装置を得るた
めに、送受共用アンテナ、送受分波器、増幅器及び可変
抵抗減衰器とを具備したものである。
【0015】この発明に係わるレーダ絶対校正装置は、
能動型のレーダ絶対校正装置を得るために、受信用アン
テナ、送信用アンテナ、増幅器及び可変抵抗減衰器とを
具備したものである。
【0016】この発明に係わるレーダ絶対校正装置は、
レーダ断面積の向上を図った能動型のレーダ絶対校正装
置を得るために、受信用アンテナ、送信用アンテナ、電
波吸収材、増幅器及び可変抵抗減衰器とを具備したもの
である。
【0017】この発明に係わるレーダ絶対校正装置は、
レーダ断面積の一層の向上を図った能動型のレーダ絶対
校正装置を得るために、受信用アンテナ、送信用アンテ
ナ、カップリング消去回路、増幅器及び可変抵抗減衰器
とを具備したものである。
【0018】この発明に係わるレーダ絶対校正装置は、
レーダ絶対校正装置の見掛け上の位置を合成開口レーダ
のアジマス方向に移動させるために、受信用アンテナ、
送信用アンテナ、増幅器、可変抵抗減衰器、可変移相器
及び移相器コントローラとを具備したものである。
【0019】この発明に係わるレーダ絶対校正装置は、
合成開口レーダのアジマス方向に等価的に複数個のレー
ダ絶対校正装置を得るために、受信用アンテナ、送信用
アンテナ、増幅器及び擬似ドプラシフト発生回路とを具
備したものである。
【0020】この発明に係わるレーダ絶対校正装置は、
レーダ絶対校正装置の見掛け上の位置を合成開口レーダ
のレンジ方向に移動させるために、受信用アンテナ、送
信用アンテナ、増幅器、可変抵抗減衰器及び遅延線とを
具備したものである。
【0021】この発明に係わるレーダ絶対校正装置は、
合成開口レーダのレンジ方向に等価的に複数個のレーダ
絶対校正装置を得るために、受信用アンテナ、送信用ア
ンテナ、増幅器、可変抵抗減衰器及び遅波回路とを具備
したものである。
【0022】この発明に係わるレーダ絶対校正装置は、
合成開口レーダのポラリメトリックな絶対校正を可能な
らしめるために、偏波共用の受信用アンテナ、偏波共用
の送信用アンテナ、偏分波器及びポラリメトリック信号
発生器とを具備したものである。
【0023】この発明に係わるレーダ絶対校正装置は、
飛翔時の合成開口レーダのレーダ特性がモニタできるレ
ーダ絶対校正装置を得るために、受信用アンテナ、送信
用アンテナ、増幅器、可変抵抗減衰器とを具備すると共
に、レーダ特性モニタ用として方向性結合器、スペクト
ラムアナライザ及びレコーダとを具備したものである。
【0024】この発明に係わるレーダ絶対校正装置は、
飛翔体の飛翔パスに応じてレーダ絶対校正装置の方向が
ステップ制御できるように、複数個の送受共用アンテ
ナ、送受分波器、増幅器、可変抵抗減衰器、多極スイッ
チ及びスイッチドライバとを具備したものである。
【0025】この発明に係わるレーダ絶対校正装置は、
飛翔体の飛翔パスに応じてレーダ絶対校正装置の方向が
連続制御できるように、複数個の送受共用アンテナ、送
受分波器、増幅器、可変抵抗減衰器、複数個の移相器、
移相器コントローラ及びトーナメント給電回路とを具備
したものである。
【0026】この発明に係わるレーダ絶対校正装置は、
前述のレーダ絶対校正装置が有する各機能を複数個具備
したものである。
【0027】
【作用】この発明におけるレーダ絶対校正装置は、送受
共用アンテナ、送受分波器、増幅器及び可変抵抗減衰器
とを用いることで、レーダ絶対校正装置のレーダ断面積
を可変にすることができる。
【0028】この発明におけるレーダ絶対校正装置は、
受信用アンテナ、送信用アンテナ、増幅器及び可変抵抗
減衰器とを用いることで、レーダ絶対校正装置のレーダ
断面積を可変にすることができると共に、前記レーダ絶
対校正装置に比べてより大きいレーダ断面積が実現でき
る。
【0029】この発明におけるレーダ絶対校正装置は、
受信用アンテナ、送信用アンテナ、電波吸収材、増幅器
及び可変抵抗減衰器とを用いることで、レーダ絶対校正
装置のレーダ断面積を可変にすることができると共に、
前記何れのレーダ絶対校正装置よりも更に大きいレーダ
断面積が実現できる。
【0030】この発明におけるレーダ絶対校正装置は、
受信用アンテナ、送信用アンテナ、カップリング消去回
路、増幅器及び可変抵抗減衰器とを用いることで、レー
ダ絶対校正装置の断面積を可変にすることができると共
に、前記全てのレーダ絶対校正装置に比べて最も大きい
レーダ断面積が実現できる。
【0031】この発明におけるレーダ絶対校正装置は、
受信用アンテナ、送信用アンテナ、増幅器、可変抵抗減
衰器、可変移相器及び移相器コントローラとを用いるこ
とで、レーダ絶対校正装置のレーダ断面積を可変にする
ことができると共に、レーダ絶対校正装置の見掛け上の
位置をアジマス方向に移動できる。
【0032】この発明におけるレーダ絶対校正装置は、
受信用アンテナ、送信用アンテナ、増幅器及び擬似ドプ
ラシフト発生回路とを用いることで、レーダ絶対校正装
置のレーダ断面積を可変にすることができると共に、合
成開口レーダのアジマス方向に等価的に複数個のレーダ
絶対校正装置を得ることができる。
【0033】この発明におけるレーダ絶対校正装置は、
受信用アンテナ、送信用アンテナ、増幅器、可変抵抗減
衰器及び遅延線とを用いることで、レーダ絶対校正装置
のレーダ断面積を可変にすることができると共に、レー
ダ絶対校正装置の見掛け上の位置をレンジ方向に移動で
きる。
【0034】この発明におけるレーダ絶対校正装置は、
受信用アンテナ、送信用アンテナ、増幅器、可変抵抗減
衰器及び遅延回路とを用いることで、レーダ絶対校正装
置のレーダ断面積を可変にすることができると共に、合
成開口レーダのレンジ方向に等価的に複数個のレーダ絶
対校正装置を得ることができる。
【0035】この発明におけるレーダ絶対校正装置は、
受信用アンテナ、送信用アンテナ、偏分波器、及びポラ
リメトリック信号発生器とを用いることで、レーダ絶対
校正装置のレーダ断面積を可変にすることができると共
に、ポラリメトリック合成開口レーダのポラリメトリッ
クな絶対校正ができる。
【0036】この発明におけるレーダ絶対校正装置は、
受信用アンテナ、送信用アンテナ、増幅器、可変抵抗減
衰器、方向性結合器、スペクトラムアナライザ及びレー
ダとを用いることで、レーダ絶対校正装置のレーダ断面
積を可変にすることができる共に、人工衛星等の飛翔体
に搭載された合成開口レーダの飛翔時におけるレーダ特
性がモニタできる。
【0037】この発明におけるレーダ絶対校正装置は、
送受共用アンテナ、送受分波器、増幅器、可変抵抗減衰
器、多極スイッチ及びスイッチドライバとを用いること
で、合成開口レーダを搭載した飛翔体の飛翔パスに応じ
て、レーダ絶対校正装置のビーム方向がステップ制御で
きる。
【0038】この発明におけるレーダ絶対校正装置は、
送受共用アンテナ、送受分波器、増幅器、可変抵抗減衰
器、移相器、移相器コントローラ及びトーナメント型給
電回路とを用いることで、合成開口レーダを搭載した飛
翔体の飛翔パスに応じて、レーダ絶対校正装置のビーム
方向が連続制御できる。
【0039】この発明におけるレーダ絶対校正装置は、
前述のレーダ絶対校正装置が有するそれぞれの機能の中
から所定の機能を複数組み合わせることによって、複合
機能が発揮できるレーダ絶対校正装置として作用する。
【0040】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの発明に係わるレーダ絶対校正装置の構
成を示す図であり、図1において4は送受共用アンテ
ナ、5は送受分波器、6は受信信号増幅用の増幅器、7
は送信電力コントロール用の可変抵抗減衰器である。
【0041】次にこの発明の動作について図1を用いて
説明する。人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開口レ
ーダから放射された電波は送受共用アンテナ4で受信さ
れた後、送受分波器5を経て受信信号増幅用の増幅器6
に導かれる。増幅器6で増幅された受信信号は、可変抵
抗減衰器7及び送受分波器5を経て送受共用アンテナ4
から前記合成開口レーダに向かって放射される。この場
合可変抵抗減衰器7は、送受共用アンテナ4から前記合
成開口レーダに向けて放射される送信電力が所定の値と
なるようにコントロールする役割を有している。
【0042】この発明のレーダ絶対校正装置をレーダ基
準散乱体として使用した場合のレーダ断面積σA
【0043】
【数4】
【0044】で表される。ここで、Gant は送受共用ア
ンテナ4の利得、λは波長、Gampは増幅器6の利得、
Lは可変抵抗減衰器7の減衰量である。又、この発明の
レーダ絶対校正装置の後方散乱係数σ0 とレーダ断面積
σA との間には次の関係がある。
【0045】
【数5】
【0046】ここでSA は送受共用のアンテナ4の開口
面積であり、この開口面積は送受共用のアンテナ4の開
口寸法から一義的に定まる値である。
【0047】人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開口
レーダの絶対校正を行なうに当たり、従来のコーナリフ
レクタのような受動型のレーダ絶対校正装置を用いた場
合は、金属反射板の寸法で全体寸法及びレーダ断面積σ
R が一義的に決まってしまうに対し、この発明の能動型
のレーダ絶対校正装置をレーダ基準散乱体として用いた
場合は、送受共用アンテナ4の利得Gant 及び増幅器6
の利得Gamp の組み合わせ方によってレーダ断面積σA
を決定することができる為、レーダ断面積σAの決定に
対する自由度が増すことになる。したがって、例えば送
受共用アンテナ4の利得Gant を低く、一方、増幅器6
の利得Gamp を高くして所定のレーダ断面積σA を得た
場合は、送受共用アンテナ4の開口寸法が小さくて済む
為、この発明のレーダ絶対校正装置の全体寸法を小さく
抑えることができる。又、可変抵抗減衰器7の減衰量L
を変化させることによって、送信電力がコントロールで
きる為、換言すれば増幅器6の利得Gamp を実効的に変
化させることができる為、この発明のレーダ絶対校正装
置のレーダ断面積σA を変化させることができる。
【0048】この発明のレーダ絶対校正装置において
は、増幅器6の利得Gamp は送受分波器5のアイソレー
ションレベルの絶対値以上に設定することはできない。
例えば送受分波器5のアイソレーションレベルが−25
dBである場合、増幅器6の利得Gamp は25dB以下
でなければならない。仮にこの増幅器6の利得Gamp
25dB以上に設定した場合は、当該レーダ絶対校正装
置が自己発振を起こし、レーダ基準散乱体としての機能
を損なうことになる。
【0049】この発明のレーダ絶対校正装置は、前述の
とおり増幅器6の利得Gamp に制約が存在する。したが
って、当該レーダ絶対校正装置のレーダ断面積σA をあ
げる場合は、送受共用アンテナ4の利得Gant を高めて
対応することになる。しかし、送受共用アンテナ4の利
得Gant を高くし過ぎると送受共用アンテナ4の寸法が
大きくなる為、当該レーダ絶対校正装置の全体寸法が大
きくなり、取り扱いが不便なレーダ絶対校正装置になっ
てしまう。同時に、送受共用アンテナ4のビーム幅が狭
くなり過ぎてしまう為、人工衛星等の飛翔体に搭載され
た合成開口レーダの絶対校正試験を行なう際、当該レー
ダ絶対校正装置の所定方向への方向調整が困難となり、
設置にあたっての制約が大きくなる。その為、送受共用
アンテナ4のビーム幅は30゜以上であることが実用上
望ましいことになり、この結果、送受共用アンテナ4の
利得Gant は15dB程度以下に抑えることが必要とな
る。したがってこの発明のレーダ絶対校正装置では、可
変レーダ断面積が要求され、且つ最大でも40dBm2
程度のレーダ断面積があれば合成開口レーダの絶対校正
試験が可能な場合のレーダ絶対校正装置として適してい
る。
【0050】実施例2.次に、この発明の他の実施例を
図について説明する。図2はこの発明の第2の実施例に
係わるレーダ絶対校正装置の構成を示す図であり、図2
において4aは受信用アンテナ、4bは送信用アンテ
ナ、6は受信信号増幅用の増幅器、7は送信電力コント
ロール用の可変抵抗減衰器である。
【0051】次にこの発明の動作について図2を用いて
説明する。人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開口レ
ーダから放射された電波は、受信用アンテナ4aで受信
された後、受信信号増幅用の増幅器6に導かれる。増幅
器6で増幅された受信信号は、可変抵抗減衰器7を経て
送信用のアンテナ4bから前記合成開口レーダに向かっ
て放射される。
【0052】この発明のレーダ絶対校正装置において
は、増幅器6の利得Gamp は受信用アンテナ4aと送信
用アンテナ4b間のカップリングレベルの絶対値以上に
設定することはできない。しかし、このカップリングレ
ベルは実施例1のレーダ絶対校正装置におけるアイソレ
ーションレベルよりも低い−40dB程度の値に抑える
ことができる為、増幅器6の利得Gamp は40dB程度
まで増幅度をあげることができる。したがってこの発明
のレーダ絶対校正装置では、可変レーダ断面積が要求さ
れ、且つ最大でも55dBm2 程度のレーダ断面積があ
れば合成開口レーダの絶対校正試験が可能な場合のレー
ダ絶対校正装置として適している。
【0053】実施例3.次に、この発明の他の実施例を
図について説明する。図3はこの発明の第3の実施例に
係わるレーダ絶対校正装置の構成を示す図であり、図3
において4aは受信用アンテナ、4bは送信用アンテ
ナ、6は受信信号増幅用の増幅器、7は送信電力コント
ロール用の可変抵抗減衰器、8は電波吸収材である。
【0054】次にこの発明の動作について図3を用いて
説明する。人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開口レ
ーダから放射された電波は、受信用アンテナ4aで受信
された後、受信信号増幅用の増幅器6に導かれる。増幅
器6で増幅された受信信号は、可変抵抗減衰器7を経て
送信用のアンテナ4bから前記合成開口レーダに向かっ
て放射される。
【0055】この発明のレーダ絶対校正装置において
は、増幅器6の利得Gamp は受信用アンテナ4aと送信
用アンテナ4b間のカップリングレベルの絶対値以上に
設定することはできない。しかし、この発明のレーダ絶
対校正装置におけるカップリングレベルは、実施例2の
レーダ絶対校正装置におけるカップリングレベルに比べ
更に低減化を図ることができる。これは受信用アンテナ
4aと送信用アンテナ4bとの間に設置された電波吸収
材8が、受信用アンテナ4aと送信用アンテナ4b間の
カップリングを弱める働きをする為であり、通常このカ
ップリングレベルは−55dB程度の低い値に抑えるこ
とができる。その為、増幅器6の利得Gamp は55dB
程度まで増幅度をあげることができる。したがってこの
発明のレーダ絶対校正装置では、可変レーダ断面積が要
求され、且つ最大でも70dBm2程度のレーダ断面積
があれば合成開口レーダの絶対校正試験が可能な場合の
レーダ絶対校正装置として適している。
【0056】実施例4.次に、この発明に他の実施例を
図について説明する。図4はこの発明の第4の実施例に
係わるレーダ絶対校正装置の構成を示す図であり、図4
において4aは受信用アンテナ、4bは送信用アンテ
ナ、6は受信信号増幅用の増幅器、7は送信電力コント
ロール用の可変抵抗減衰器、9はカップリング消去回路
であり、カップリング消去回路9は、小信号発生器9
a、可変抵抗減衰器9b、可変移相器9c及び方向性結
合器9dから構成されている。
【0057】次にこの発明の動作について図4を用いて
説明する。人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開口レ
ーダから放射された電波は、受信用アンテナ4aで受信
された後、受信信号増幅用の増幅器6に導かれる。増幅
器6で増幅された受信信号は、可変抵抗減衰器7を経て
送信用のアンテナ4bから前記合成開口レーダに向かっ
て放射される。
【0058】この発明のレーダ絶対校正装置において
は、増幅器6の利得Gamp は受信用アンテナ4aと送信
用アンテナ4b間のカップリングレベルの絶対値以上に
設定することはできない。しかしこの発明のレーダ絶対
校正装置においては、カップリング消去回路9を動作さ
せることによって、受信用アンテナ4aと送信用アンテ
ナ4b間のカップリングを見掛け上零に抑えることがで
きる。図5はカップリングの消去原理を示したものであ
る。図5において、受信用アンテナ4aと送信用アンテ
ナ4b間のカップリング信号に対する振幅及び位相はそ
れぞれAc 及びφc で表している。一方、カップリング
消去回路9内の小信号発生器9aは、適当な振幅及び位
相を有するRF信号を発生する。このRF信号は、可変
抵抗減衰器9b及び可変移相器9cとを経由して方向性
結合器9dに向かう。ここで、方向性結合器9dを通過
後のRF信号の振幅レベルがAc に等しくなるよう可変
抵抗減衰器9bをコントロールする。同時に、方向性結
合器9dを通過後のRF信号の位相がφc +180゜つ
まり逆位相となるように可変移相器9cをコントロール
する。このようにすることによって、受信用アンテナ4
aと送信用アンテナ4b間のカップリング信号に対し、
振幅が等しく且つ位相が逆位相のカップリング消去信号
が生成できる為、両者のベクトル和は零となる。この結
果、受信用アンテナ4aと送信用アンテナ4b間のカッ
プリングレベルは見掛け上零に抑えられ、増幅器6の利
得Gamp に対する制約が解消されることなる。したがっ
てこの発明のレーダ絶対校正装置では、可変レーダ断面
積が要求され、且つ70dBm2以上の大きなレーダ断
面積を必要とする合成開口レーダの絶対校正試験の際の
レーダ絶対校正装置として適している。
【0059】実施例5.次に、この発明の他の実施例を
図について説明する。図6はこの発明の第5の実施例に
係わるレーダ絶対校正装置の構成を示す図であり、図6
において4aは受信用アンテナ、4bは送信用アンテ
ナ、6は受信信号増幅用の増幅器、7は送信電力コント
ロール用の可変抵抗減衰器、10は可変移相器及び11
は移相器コントローラである。
【0060】次にこの発明の動作について図6を用いて
説明する。人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開口レ
ーダから放射された電波は、受信用アンテナ4aで受信
された後、受信信号増幅用の増幅器6に導かれる。増幅
器6で増幅された受信信号は、可変移相器10及び可変
抵抗減衰器7を経て送信用アンテナ4bから前記合成開
口レーダに向かって放射される。
【0061】人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開口
レーダから放射された電波は地球表面で反射された後、
その一部が前記合成開口レーダで受信される。この場
合、前記合成開口レーダは速度vで飛翔している為、地
球表面で反射された前記合成開口レーダからの信号はド
プラシフトを受ける。このドプラシフトは、前記合成開
口レーダと地球表面までの距離Rによって一義的に定ま
るが、前記合成開口レーダの瞬時視野内の各点で距離R
が異なる為、ドプラシフトもまた前記各点に対応して異
なった値となる。
【0062】この発明のレーダ絶対校正装置において
は、可変移相器10は0゜から360゜の位相範囲を繰
り返して変化させることのできる無限移相器である。可
変位相器10の位相を図7に示すように毎秒f0 回の割
合で連続して変化させることにより、受信用アンテナ4
aで受信された受信信号に対してf0 の周波数偏移を与
えることができる。f0 の周波数偏移を与えられた受信
信号は、送信用アンテナ4bから人工衛星等の飛翔体に
搭載された合成開口レーダに向かって送信される。この
場合、前記合成開口レーダからみてこの発明のレーダ絶
対校正装置から送信されてくる信号の周波数はf0 の偏
移を有している為、この発明のレーダ絶対校正装置があ
たかもf0 のドプラシフトを与えたかのような効果を発
揮させることができる。この擬似ドプラシフトは、この
発明のレーダ絶対校正装置を見掛け上Sa だけアジマス
方向に移動させることになる。このアジマス方向への移
動量Sa は次式で与えられる。
【0063】
【数6】
【0064】ここでf0 は前述の周波数偏移、λは波
長、Rは前記合成開口レーダとこの発明のレーダ絶対校
正装置までの距離、vは前記合成開口レーダを搭載した
飛翔体の飛翔速度である。
【0065】実施例6.次に、この発明の他の実施例を
図について説明する。図8はこの発明の第6の実施例に
係わるレーダ絶対校正装置の構成を示す図であり、図8
において4aは受信用アンテナ、4bは送信用アンテ
ナ、6は受信信号増幅用の増幅器、12、13及び14
は擬似ドプラシフト発生回路であり、これらは方向性結
合器12a、12e、13a、13e、14a及び14
e、可変移相器12b、13b及び14b、移相器コン
トローラ12c、13c及び14c、及び可変抵抗減衰
器12d、13d及び14dから構成されている。
【0066】次にこの発明の動作について図8を用いて
説明する。人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開口レ
ーダから放射された電波は、受信用アンテナ4aで受信
された後、受信信号増幅用の増幅器6に導かれる。増幅
器6で増幅された受信信号は、擬似ドプラシフト発生回
路12内の方向性結合器12aによって一部の受信信号
が分離されて可変移相器12bに向かう。その後、可変
抵抗減衰器12d及び方向性結合器12eを経て送信用
アンテナ4bから前記合成開口レーダに向かって放射さ
れる。一方、方向性結合器12aを通過して擬似ドプラ
シフト発生回路13内の方向性結合器13aに向かった
受信信号は、方向性結合器13aによって一部の受信信
号が分離されて可変移相器13bに向かう。その後、可
変抵抗減衰器13d及び方向性結合器13eを経た後、
送信用アンテナ4bから放射される。方向性結合器13
aを通過して擬似ドプラシフト発生回路14に向かった
受信信号は、方向性結合器14aによって一部の受信信
号が分離されて可変移相器14bに向かう。その後、可
変抵抗減衰器14d及び方向性結合器14eを経た後、
送信用アンテナ4bから放射される。方向性結合器14
aを通過した残りの受信信号は方向性結合器14e、1
3e及び12eを経た後、送信用アンテナ4bから放射
される。
【0067】この発明のレーダ絶対校正装置において
は、人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開口レーダか
ら放射された電波は、受信用アンテナ4aで受信されて
受信信号となった後、擬似ドプラシフト発生回路12、
13及び14内のそれぞれの可変移相器12b、13b
及び14bによって、例えばそれぞれf0 、2f0 及び
3f0 といった周波数偏移が与えられるように各移相器
コントローラ12c、13c及び14cを動作させるこ
とができる。又、周波数偏移を受けなかった受信信号
は、そのまま送信用アンテナ4bら前記合成開口レーダ
に向かって送信される。したがって、この発明のレーダ
絶対校正装置では、人工衛星等の飛翔体に搭載された合
成開口レーダからの受信信号に対して、同時に異なる複
数の擬似ドプラシフトを与えることができる為、それぞ
れ異なったアジマス方向の位置にレーダ絶対校正装置の
見掛け上の位置を移動させることができる。その結果、
前記合成開口レーダのアジマス方向に等価的に複数個の
レーダ絶対校正装置を得ることができる。この場合、各
等価レーダ絶対校正装置のアジマス方向の移動量Sa
次式で与えられる。
【0068】
【数7】
【0069】ここでmi は前述の周波数偏移f0 に対す
る倍数であり、この発明のレーダ絶対校正装置では0、
1、2及び3の各値をとる。λは波長、Rは前記合成開
口レーダとこの発明のレーダ絶対校正装置までの距離、
vは前記合成開口レーダを搭載した飛翔体の飛翔速度で
ある。
【0070】実施例7.次に、この発明の他の実施例を
図について説明する。図9はこの発明の第7の実施例に
係わるレーダ絶対校正装置の構成を示す図であり、図9
において4aは受信用アンテナ、4bは送信用アンテ
ナ、6は受信信号増幅用の増幅器、7は送信電力コント
ロール用の可変抵抗減衰器、15は遅延線である。
【0071】次にこの発明の動作について図9を用いて
説明する。人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開口レ
ーダから放射された電波は、受信用アンテナ4aで受信
された後、受信信号増幅用の増幅器6に導かれる。増幅
器6で増幅された受信信号は、遅延線15及び可変抵抗
減衰器7を経て送信用のアンテナ4bから前記合成開口
レーダに向かって放射される。
【0072】人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開口
レーダから放射された電波は地球表面で反射された後、
その一部が前記合成開口レーダで受信される。この場
合、前記合成開口レーダから放射された電波が再び前記
合成開口レーダで受信されるまでの受信時間は、前記合
成開口レーダと地球表面までのレンジ方向の距離、即ち
スラントレンジによって一義的に定まるが、前記合成開
口レーダの瞬時視野内のレンジ方向の各点でスラントレ
ンジが異なる為、受信時間もまた前記各点に対応して異
なった値となる。
【0073】この発明のレーダ絶対校正装置において
は、遅延線15は電気長1を有するRF線路であり、例
えば同軸ケーブルであってもよい。遅延線15は、受信
用アンテナ4aで受信された受信信号に対してt0 の時
間遅れを与えることができる。t0 の時間遅れが与えら
れた受信信号は、送信用アンテナ4bから人工衛星等の
飛翔体に搭載された合成開口レーダに向かって送信され
る。この場合、前記合成開口レーダからみてこの発明の
レーダ絶対校正装置から送信されてくる信号はt0 の時
間遅れを有している為、この発明のレーダ絶対校正装置
を見掛け上Sr だけレンジ方向に移動できる。このレン
ジ方向の移動量Sr は次式で与えられる。
【0074】
【数8】
【0075】ここでは1は前述の電気長、λは波長、θ
i はこの発明のレーダ絶対校正装置が設置された位置に
おける前記合成開口レーダから放射された電波の入射角
である。
【0076】実施例8.次に、この発明の他の実施例を
図について説明する。図10はこの発明の第8の実施例
に係わるレーダ絶対校正装置の構成を示す図であり、図
10において4aは受信用アンテナ、4bは送信用アン
テナ、6は受信信号増幅用の増幅器、7は送信電力コン
トロール用の可変抵抗減衰器、16は遅波回路であり、
遅波回路16は、方向性結合器16a及び16c及び遅
延線16bから構成されている。
【0077】この発明のレーダ絶対校正装置において
は、遅波回路16内の遅延線16bは電気長1を有する
RF線路であり、例えば同軸ケーブルであってもよい。
人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開口レーダから放
射された電波は、受信用アンテナ4aで受信された後、
増幅器6及び可変抵抗減衰器7を経由して遅波回路16
に向かう。遅波回路16を通過した一部の受信信号はそ
のまま送信用アンテナ4bから前記合成開口レーダに向
かって送信される。一方、遅波回路16内の方向性結合
器16aによって一部の受信信号が分離されt遅延線1
6bに向かう。遅延線16bによってt0 の時間遅れを
受けた受信信号は、方向性結合器16cを経由して再び
増幅器6及び可変抵抗減衰器7を経た後、遅波回路16
に戻ってくる。この戻ってきたt0 の時間遅れを有する
受信信号の一部はそのまま送信用アンテナ4bから送信
される。しかし、戻ってきたt0 の時間遅れを有する残
る一部の受信信号は、方向性結合器16aによって分離
されて遅延線16bに向かう。遅延線16bによって更
にt0 の時間遅れを受けた受信信号は、方向性結合器1
6cを経由して再び増幅器6及び可変抵抗減衰器7を経
た後、遅波回路16に戻り、以下同様の動作を繰り返
す。したがって、この発明のレーダ絶対校正装置では、
人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開口レーダからの
受信信号に対して複数の時間遅れを与えることができる
為、それぞれ異なったレンジ方向の位置にレーダ絶対校
正装置の見掛け上の位置を移動させることができる。そ
のため、前記合成開口レーダのレンジ方向に等価的に複
数個のレーダ絶対校正装置を得ることができる。尚、こ
の場合の各等価レーダ絶対校正装置のレンジ方向の移動
量Sr は次式で与えられる。
【0078】
【数9】
【0079】ここでnは0、1、2・・・の各値をとる
整数である。又、1は電気長、λは波長、θi はこの発
明のレーダ絶対校正装置が設置された位置における前記
合成開口レーダから放射された電波の入射角である。
【0080】実施例9.次に、この発明の他の実施例を
図について説明する。図11はこの発明の第9の実施例
に係わるレーダ絶対校正装置の構成を示す図であり、図
11において4aは偏波共用の受信用アンテナ、4b1
及び4b2は偏波共用の送信用アンテナ、17は偏分波
器、18及び19はポラリメトリック信号発生器であ
り、これらは分配器18a及び19a、増幅器18b
1、18b2、19b1及び19b2、可変抵抗減衰器
18c1、18c2、19c1及び19c2、偏波変換
器18d及び19d及び偏分波器18e及び19eから
構成されている。
【0081】次にこの発明の動作について図11を用い
て説明する。人工衛星等の飛翔体に搭載されたポラリメ
トリック合成開口レーダから放射された電波は、偏波共
用の受信用アンテナ4aで受信された後、偏分波器17
で偏波分離が行なわれる。次に偏波分離されたそれぞれ
の受信信号はそれぞれポラリメトリック信号発生器18
及び19に向かう。ポラリメトリック信号発生器18に
向かった一方の偏波を有する受信信号はポラリメトリッ
ク信号発生器18内の分配器18aによって二分配され
る。これら分配された各受信信号はそれぞれ増幅器18
bl及び18b2に向かう。増幅器18b1に向かった
受信信号は、増幅器18b1で増幅された後、可変抵抗
減衰器18clで所定の信号レベルとなるようにコント
ロールされてから偏分波器18eに向かう。一方、増幅
器18b2に向かった受信信号は、増幅器18b2で増
幅された後、可変抵抗減衰器18c2で所定の信号レベ
ルとなるようにコントロールされる。更に偏波変換器1
8dで偏波変換が行なわれてから偏分波器18eに向か
う。偏分波器18eでは互いに偏波の異なる前述の2種
類の受信信号の偏波合成が行なわれた後、偏波共用の送
信用アンテナ4b1から前述ポラリメトリック合成開口
レーダに向かって送信される。一方、ポラリメトリック
信号発生器19に向かった他方の偏波を有する受信信号
はポラリメトリック信号発生器19内の分配器19aに
よって二分配された後、前述のポラリメトリック信号発
生器18内の動作と同様の動作が行なわれた後、偏波共
用の送信用アンテナ4b2から前記ポラリメトリック合
成開口レーダに向かって送信される。
【0082】人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開口
レーダの送信波及び受信波の偏波が、例えば水平偏波送
信/水平偏波受信、垂直偏波送信/垂直偏波受信、水平
偏波送信/垂直偏波受信、垂直偏波送信/水平偏波受信
のように複数偏波の組み合わせで同時観測ができるポラ
リメトリック合成開口レーダの場合は、地上に設置され
たレーダ絶対校正装置も前記複数偏波の組み合わせに対
応できるレーダ絶対校正装置である必要がある。この発
明のレーダ絶対校正装置においては、ポラリメトリック
合成開口レーダからの受信信号に対して、各受信偏波毎
に異なるレーダ断面積を有し、且つ直交する偏波組み合
わせで前記ポラリメトリック合成開口レーダに向けて送
信可能である為、ポラリメトリック合成開口レーダに対
する絶対校正試験が可能である。
【0083】実施例10.次に、この発明の他の実施例
を図について説明する。図12はこの発明の第10の実
施例に係わるレーダ絶対校正装置の構成を示す図であ
り、図12において4aは受信用アンテナ、4bは送信
用アンテナ、6は受信信号増幅用の増幅器、7は送信電
力コントロール用の可変抵抗減衰器、20は方向性結合
器、21はスペクトラムアナライザ及び22はレコーダ
である。
【0084】次にこの発明の動作について図12を用い
て説明する。人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開口
レーダから放射された電波は、受信用アンテナ4aで受
信された後、受信信号増幅用の増幅器6に導かれる。増
幅器6で増幅された受信信号は、可変抵抗減衰器7で所
定のレベルにコントロールされた後、方向性結合器20
に向かう。方向性結合器20を通過した受信信号は、送
信用アンテナ4bから前記合成開口レーダに向かって放
射される。又、方向性結合器20によって分離された受
信信号は、スペクトラムアナライザ21によって受信信
号の波形及び振幅レベルがモニタされると同時にこれら
がレコーダ22に記録される。この受信信号の波形から
軌道上における飛翔時の合成開口レーダのアンテナ放射
パターンが評価できる。又、受信信号の振幅レベルの最
大値から合成開口レーダの送信電力が評価できる。
【0085】この発明のレーダ絶対校正装置において
は、人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開口レーダの
絶対校正試験を行なう際、可変レーダ断面積を有するレ
ーダ基準散乱体として機能させると共に、同時に前記合
成開口レーダのレーダ特性がモニタできる装置として機
能させることができる。特に人工衛星に搭載して地球表
面等を観測する合成開口レーダにあっては、通常そのア
ンテナの寸法が例えば2m×15mと長大なものであ
る。その大きさの故に地上のシステム試験では当該合成
開口レーダの放射パターンが十分に把握できにくい為、
軌道上で実際に得られる放射パターン等のモニタ装置が
しばしば必要となっていた。したがって、この発明のレ
ーダ絶対校正装置では、可変レーダ断面積が要求され、
且つ、飛翔時の合成開口レーダが有するアンテナの放射
パターンや送信電力等のレーダ特性を同時にモニタする
必要がある場合のレーダ絶対校正装置として適してい
る。
【0086】実施例11.次に、この発明の他の実施例
を図について説明する。図13はこの発明の第11の実
施例に係わるレーダ絶対校正装置の構成を示す図であ
り、図13において4はn個の送受共用アンテナ、5は
送受分波用の送受分波器、6は受信信号増幅用の増幅
器、7は送信電力コントロール用の可変抵抗減衰器、2
3は多極スイッチ、24はスイッチドライバである。
【0087】次にこの発明の動作について図13を用い
て説明する。図において、n個の送受共用アンテナ4
a、4b・・・4nのビーム方向は、それぞれ合成開口
レーダを搭載した人工衛星等の飛翔体の飛翔パスに対応
して所定の異なる方向を向くようにあらかじめ設定され
ている。前記合成開口レーダから放射された電波は、送
受共用アンテナ4a、4b・・・4nの内から飛翔パス
に応じて選択された1個のアンテナで受信された後、送
受分波器5を経て受信信号増幅用の増幅器6に導かれ
る。増幅器6で増幅された受信信号は、可変抵抗減衰器
7で所定のレベルにコントロールされた後、送受分波器
5を経て送受共用アンテナ4a、4b・・・4nの選択
された前記アンテナから前記合成開口レーダに向かって
放射される。
【0088】この発明のレーダ絶対校正装置において
は、多極スイッチ23はn個の送受共用アンテナ4a、
4b・・・4nのいずれか1個を選択するために用いら
れるスイッチであるが、この選択はスイッチドライバ2
4からの指令に基づいて行なわれる。したがって、多極
スイッチ23の切り替えスイッチドライバ24の切り替
え制御によって行なうことにより、飛翔体の飛翔パスに
応じて送受共用アンテナ4のビーム方向をステップ制御
することができる。
【0089】実施例12.次に、この発明の他の実施例
を図について説明する。図14はこの発明の第12の実
施例に係わるレーダ絶対校正装置の構成を示す図であ
り、図14において4はn個の送受共用アンテナ、5は
送受分波用の送受分波器、6は受信信号増幅用の増幅
器、7は送信電力コントロール用の可変抵抗減衰器、2
5はn個の移相器、26は移相器コントローラ、27は
トーナメント型給電回路である。
【0090】次にこの発明の動作について図14を用い
て説明する。人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開口
レーダから放射された電波は、送受共用アンテナ4で受
信された後、送受分波器5を経て受信信号増幅用の増幅
器6に導かれる。増幅器6で増幅された受信信号は、可
変抵抗減衰器7で所定のレベルにコントロールされた
後、送受分波器5を経て送受共用アンテナ4から前記合
成開口レーダに向かって放射される。
【0091】この発明のレーダ絶対校正装置において
は、n個の送受共用アンテナ4a、4b・・・4nはn
個の移相器25a、25b・・・25nに接続されてい
る。この場合、n個の移相器25a、25b・・・25
nのそれぞれの位相量は移相器コントローラ26によっ
てコントロールされる。又、n個の移相器25a、25
b・・・25nはトーナメント型給電回路27に接続さ
れている。したがって、n個の移相器25a、25b・
・・25nの各位相量を移相器コントローラ26の位相
コントロールによって行なうことにより、飛翔体の飛翔
パスに応じて送受共用アンテナ4のビーム方向を連続制
御することができる。
【0092】実施例13.次に、この発明の他の実施例
を図について説明する。図15はこの発明の第13の実
施例に係わるレーダ絶対校正装置の構成を示す図であ
り、図15において4aは受信用アンテナ4bは送信用
アンテナ、6は受信信号増幅用の増幅器、7は送信電力
コントロール用の可変抵抗減衰器、8は電波吸収材、1
0は可変移相器、11は移相器コントローラ、20は方
向性結合器、21はスペクトラムアナライザ及び22は
レコーダである。
【0093】次にこの発明の動作について図15を用い
て説明する。人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開口
レーダから放射された電波は、受信用アンテナ4aで受
信された後、受信信号増幅用の増幅器6に導かれる。増
幅器6で増幅された受信信号は、可変抵抗減衰器7で所
定のレベルにコントロールされた後、可変移相器10に
よって周波数偏移が与えられる。次に方向性結合器20
を通過した受信信号は、送信用アンテナ4bから前記合
成開口レーダに向かって放射される。又、方向性結合器
20によって分離された受信信号は、スペクトラムアナ
ライザ21によって受信信号の波形及び振幅レベルがモ
ニタされると同時にレコーダ22に記録される。尚、受
信用アンテナ4aと送信用アンテナ4b間のカップリン
グレベルを低減し、レーダ断面積の向上を図る目的で前
記両アンテナ4a及び4b間に電波吸収材8を設置して
いる。
【0094】この発明のレーダ絶対校正装置において
は、人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開口レーダの
絶対校正試験を行なう際、可変レーダ断面積を有するレ
ーダ絶対校正装置として機能させる共に、擬似ドプラシ
フトを与えることによってレーダ絶対校正装置の見掛け
上の位置をアジマス方向にシフトさせ、且つ前記合成開
口レーダの放射特性がモニタできる装置として機能させ
ることができる。この発明のレーダ絶対校正装置におい
ては、前述の実施例3、5及び10が有するそれぞれの
機能を有機的に組み合わせ、複合機能の実現を図った例
である。尚、これ以外の組み合わせによって複合機能の
実現が図れることは勿論である。
【0095】
【発明の効果】以上のように、この発明によればレーダ
絶対校正装置を送受共用アンテナ4、送受分波用の送受
分波器5、受信信号増幅用の増幅器6及び送信電力コン
トロール用の可変抵抗減衰器7とから構成したので、装
置が小型化できるにも拘わらず大きいレーダ断面積が実
現できる効果がある。又、レーダ断面積を可変にするこ
とができる為、同一の装置であるにも拘わらず、異なる
レーダ基準散乱体として動作させ得る効果がある。更
に、装置が小型化できる為、テストサイトへの運搬やテ
ストサイトでの設置が簡易という取り扱いが容易となる
効果がある。
【0096】以上のように、この発明によればレーダ絶
対校正装置を受信用のアンテナ4a、送信用のアンテナ
4b、受信信号増幅用の増幅器6及び送信電力コントロ
ール用の可変抵抗減衰器7とから構成したので、装置が
小型化できるにも拘わらずより大きいレーダ断面積が実
現できる効果がある。又、レーダ断面積を可変にするこ
とができる為、同一の装置であるにも拘わらず、異なる
レーダ基準散乱体として動作させ得る効果がある。更
に、装置が小型化できる為、取り扱いが容易となる効果
がある。
【0097】以上のように、この発明によればレーダ絶
対校正装置を受信用のアンテナ4a、送信用のアンテナ
4b、受信信号増幅用の増幅器6、送信電力コントロー
ル用の可変抵抗減衰器7及び電波吸収材8とから構成し
たので、装置が小型化できるにも拘わらず更により一層
大きいレーダ断面積が実現できる効果がある。又、レー
ダ断面積を可変にすることができる為、同一の装置であ
るにも拘わらず、異なるレーダ基準散乱体として動作さ
せ得る効果がある。更に、装置が小型化できる為、取り
扱いが容易となる効果がある。
【0098】以上のように、この発明によればレーダ絶
対校正装置を受信用のアンテナ4a、送信用のアンテナ
4b、受信信号増幅用の増幅器6、送信電力コントロー
ル用の可変抵抗減衰器7及びカップリング消去回路9と
から構成したので、装置が小型化できるにも拘わらず最
も大きいレーダ断面積が実現できる効果がある。又、レ
ーダ断面積を可変にすることができる為、同一の装置で
あるにも拘わらず、異なるレーダ基準散乱体として動作
させ得る効果がある。更に、装置が小型化できる為、取
り扱いが容易となる効果がある。
【0099】以上のように、この発明によればレーダ絶
対校正装置を受信用のアンテナ4a、送信用のアンテナ
4b、受信信号増幅用の増幅器6、送信電力コントロー
ル用の可変抵抗減衰器7、可変移相器10及び移相器コ
ントローラ11とから構成したので、装置をアジマス方
向の海面や湖面等の輝度レベルの低い部分に見掛け上移
動できる効果がある。又、装置が小型化できるにも拘わ
らず大きいレーダ断面積が実現できる効果がある。更
に、レーダ断面積を可変にすることができる為、同一の
装置であるにも拘わらず、異なるレーダ基準散乱体とし
て動作させ得る効果がある。加えて、装置が小型化でき
る為、取り扱いが容易となる効果がある。
【0100】以上のように、この発明によればレーダ絶
対校正装置を受信用のアンテナ4a、送信用のアンテナ
4b、受信信号増幅用の増幅器6、擬似ドプラシフト発
生回路12、13及び14とから構成したので、装置を
アジマス方向に見掛け上複数個実現できる効果がある。
又、装置が小型化できるにも拘わらず大きいレーダ断面
積が実現できる効果がある。更に、見掛け上複数個設置
されたそれぞれのレーダ断面積を可変にすることができ
る為、同一の装置であるにも拘わらず、異なるレーダ基
準散乱体として動作させ得る効果がある。加えて、装置
が小型化できる為、取り扱いが容易となる効果がある。
【0101】以上のように、この発明によればレーダ絶
対校正装置を受信用のアンテナ4a、送信用のアンテナ
4b、受信信号増幅用の増幅器6、送信電力コントロー
ル用の可変抵抗減衰器7及び遅延線15とから構成した
ので、装置をレンジ方向の海面や湖面等の輝度レベルの
低い部分に見掛け上移動できる効果がある。又、装置が
小型化できるにも拘わらず大きいレーダ断面積が実現で
きる効果がある。更に、レーダ断面積を可変にすること
ができる為、同一の装置であるにも拘わらず、異なるレ
ーダ基準散乱体として動作させ得る効果がある。加え
て、装置が小型化できる為、取り扱いが容易となる効果
がある。
【0102】以上のように、この発明によればレーダ絶
対校正装置を受信用のアンテナ4a、送信用のアンテナ
4b、受信信号増幅用の増幅器6、送信電力コントロー
ル用の可変抵抗減衰器7及び遅波回路16とから構成し
たので、装置をレンジ方向に見掛け上複数個実現できる
効果がある。又、装置に小型化できるにも拘わらず大き
いレーダ断面積が実現できる効果がある。更に、見掛け
上複数個設置されたそれぞれのレーダ断面積を可変にす
ることができる為、同一の装置出あるにも拘わらず、異
なるレーダ基準散乱体として動作させ得る効果がある。
加えて、装置が小型化できる為、取り扱いが容易となる
効果がある。
【0103】以上のように、この発明によればレーダ絶
対校正装置を偏波共用の受信用アンテナ4a、偏波共用
の送信用アンテナ4b1及び4b2、偏分波器17及び
ポラリメトリック信号発生器18及び19とから構成し
たので、ポラリメトリックなレーダ基準散乱体が実現で
きる効果がある。又、装置が小型化できるにも拘わらず
大きいレーダ断面積が実現できる効果がある。更に、送
信偏波毎にレーダ断面積を可変にすることができる効果
がある。加えて、装置が小型化できる為、取り扱いが容
易となる効果がある。
【0104】以上のように、この発明によればレーダ絶
対校正装置を受信用のアンテナ4a、送信用のアンテナ
4b、受信信号増幅用の増幅器6、送信電力コントロー
ル用の可変抵抗減衰器7、方向性結合器20、スペクト
ラムアナライザ21及びレコーダ22とから構成したの
で、装置を飛翔時の合成開口レーダが有するレーダ特性
のモニタ装置として使用できる効果がある。又、装置が
小型化できるにも拘わらず大きいレーダ断面積が実現で
きる効果がある。更に、レーダ断面積を可変にすること
ができる為、同一の装置であるにも拘わらず、異なるレ
ーダ基準散乱体として動作させ得る効果がある。
【0105】以上のように、この発明によればレーダ絶
対校正装置をn個の送受共用アンテナ4、送受分波用の
送受分波器5、受信信号増幅用の増幅器6、送信電力コ
ントロール用の可変抵抗減衰器7、多極スイッチ23及
びスイッチドライバ24とから構成したので、送受共用
アンテナ4のビーム方向を飛翔体の飛翔パスに応じてス
テップ制御できる効果がある。又、装置が小型化できる
と共に、異なるレーダ基準散乱体として動作させ得る効
果がある。更に、装置が小型化できる為、取り扱いが容
易となる効果がある。
【0106】以上のように、この発明によればレーダ絶
対校正装置をn個の送受共用アンテナ4、送受分波用の
送受分波器5、受信信号増幅用の増幅器6、送信電力コ
ントロール用の可変抵抗減衰器7、n個の移相器25、
移相器コントローラ26及びトーナメント型給電回路2
7とから構成したので、送受共用アンテナ4のビーム方
向を飛翔体の飛翔パスに応じて連続制御できる効果があ
る。又、装置が小型化できると共に、異なるレーダ基準
散乱体として動作させ得る効果がある。更に、装置が小
型化できる為、取り扱いが容易となる効果がある。
【0107】以上のように、この発明によればレーダ絶
対校正装置を受信用のアンテナ4a、送信用のアンテナ
4b、受信信号増幅用の増幅器6、送信電力コントロー
ル用の可変抵抗減衰器7、電波吸収材8、可変移相器1
0、移相器コントローラ11、方向性結合器20、スペ
クトラムアナライザ21及びレコーダ22とから構成し
たので、装置をアジマス方向の海面や湖面等の輝度レベ
ルの低い部分に見掛け上移動できると共に、装置を飛翔
時の合成開口レーダが有するレーダ特性のモニタ装置と
して使用できる複合効果がある。又、装置が小型化でき
るにも拘わらず大きいレーダ断面積が実現できる効果が
ある。更に、レーダ断面積を可変にすることができる
為、同一の装置であるにも拘わらず、異なるレーダ基準
散乱体として動作させ得る効果がある。加えて、装置が
小型化できる為、取り扱いが容易となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1におけるレーダ絶対校正装
置の構成を示す図である。
【図2】この発明の実施例2におけるレーダ絶対校正装
置の構成を示す図である。
【図3】この発明の実施例3におけるレーダ絶対校正装
置の構成を示す図である。
【図4】この発明の実施例4におけるレーダ絶対校正装
置の構成を示す図である。
【図5】この発明の実施例4におけるレーダ絶対校正装
置のアンテナ間のカップリング消去原理を示す図であ
る。
【図6】この発明の実施例5におけるレーダ絶対校正装
置の構成を示す図である。
【図7】この発明の実施例5におけるレーダ絶対校正装
置の周波数偏移の方法を示す図である。
【図8】この発明の実施例6におけるレーダ絶対校正装
置の構成を示す図である。
【図9】この発明の実施例7におけるレーダ絶対校正装
置の構成を示す図である。
【図10】この発明の実施例8におけるレーダ絶対校正
装置の構成を示す図である。
【図11】この発明の実施例9におけるレーダ絶対校正
装置の構成を示す図である。
【図12】この発明の実施例10におけるレーダ絶対校
正装置の構成を示す図である。
【図13】この発明の実施例11におけるレーダ絶対校
正装置の構成を示す図である。
【図14】この発明の実施例12におけるレーダ絶対校
正装置の構成を示す図である。
【図15】この発明の実施例13におけるレーダ絶対校
正装置の構成を示す図である。
【図16】従来の実施例におけるレーダ絶対校正装置を
示す図である。
【符号の説明】 1 合成開口レーダ 2 地球 3 コーナリフレクタ 4 送受共用アンテナ 5 送受分波器 6 増幅器 7 可変抵抗減衰器 8 電波吸収材 9 カップリング消去回路 10 可変移相器 11 移相器コントローラ 12 擬似ドプラシフト発生回路 13 擬似ドプラシフト発生回路 14 擬似ドプラシフト発生回路 15 遅延線 16 遅波回路 17 偏分波器 18 ポラリメトリック信号発生器 19 ポラリメトリック信号発生器 20 方向性結合器 21 スペクトラムアナライザ 22 レコーダ 23 多極スイッチ 24 スイッチドライバ 25 移相器 26 移相器コントローラ 27 トーナメント型給電回路

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開
    口レーダからの電波を受信するため及び前記合成開口レ
    ーダに向けて電波を送信するための送受共用アンテナ
    と、送信電波と受信電波とを分離するための送受分波器
    と、前記送受共用アンテナで受信された受信信号を増幅
    するための増幅器と、前記合成開口レーダに向けての送
    信電力をコントロールするための可変抵抗減衰器とを具
    備して、可変レーダ断面積を有する能動型のレーダ絶対
    校正装置を構成し、且つレーダ断面積の最大値を前記送
    受分波器のアイソレーションレベルで規定される所定の
    値に設定したことを特徴とするレーダ絶対校正装置。
  2. 【請求項2】 人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開
    口レーダからの電波を受信するための受信用アンテナ
    と、この受信用アンテナで受信された受信信号を増幅す
    るための増幅器と、前記合成開口レーダに向けての送信
    電力をコントロールするための可変抵抗減衰器と、前記
    合成開口レーダに向けて電波を送信するための送信用ア
    ンテナとを具備して、可変レーダ断面積を有する能動型
    のレーダ絶対校正装置を構成し、且つレーダ断面積の最
    大値を前記受信用アンテナと送信用アンテナ間のカップ
    リングレベルで規定される所定の値に設定したことを特
    徴とするレーダ絶対校正装置。
  3. 【請求項3】 レーダ絶対校正装置の受信用アンテナと
    送信用アンテナ間のカップリングを低減するために、レ
    ーダ絶対校正装置の受信用アンテナと送信用アンテナと
    の間に電波吸収材を設けたことを特徴とする請求項2記
    載のレーダ絶対校正装置。
  4. 【請求項4】 レーダ絶対校正装置の受信用アンテナと
    送信用アンテナ間のカップリングを消去するために、レ
    ーダ絶対校正装置にカップリング消去回路を付加したこ
    とを特徴とする請求項2記載のレーダ絶対校正装置。
  5. 【請求項5】 レーダ絶対校正装置の見掛け上の位置を
    人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開口レーダのアジ
    マス方向に移動させるため、レーダ絶対校正装置に可変
    移相器及び移相器コントローラとを付加して、前記合成
    開口レーダからの受信信号に対して擬似ドプラシフトを
    与えるようにしたことを特徴とする請求項2記載のレー
    ダ絶対校正装置。
  6. 【請求項6】 人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開
    口レーダからの電波を受信するための受信用アンテナ
    と、受信用アンテナで受信された受信信号を増幅するた
    めの増幅器と、この増幅された受信信号に複数の擬似ド
    プラシフトを与えるための擬似ドプラシフト発生回路
    と、前記合成開口レーダに向けて電波を送信するための
    送信用アンテナとを具備して可変レーダ断面積を有する
    能動型のレーダ絶対校正装置を構成し、且つアジマス方
    向に等価的に複数個のレーダ絶対校正装置を得たことを
    特徴とするレーダ絶対校正装置。
  7. 【請求項7】 レーダ絶対校正装置の見掛け上の位置を
    人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開口レーダのレン
    ジ方向に移動させるために、レーダ絶対校正装置に遅延
    線を付加して、前記合成開口レーダからの受信信号に対
    して時間遅れを与えたことを特徴とする請求項2記載の
    レーダ絶対校正装置。
  8. 【請求項8】 人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開
    口レーダのレンジ方向に等価的に複数個のレーダ絶対校
    正装置を得るために、レーダ絶対校正装置に遅波回路を
    付加して前記合成開口レーダからの受信信号に対して複
    数の時間遅れを与えたことを特徴とする請求項2記載の
    レーダ絶対校正装置。
  9. 【請求項9】 人工衛星等の飛翔体に搭載された合成開
    口レーダからの電波を受信するための偏波共用の受信用
    アンテナと、受信された受信信号を偏波分離するための
    偏分波器と、偏波分離された受信信号毎に直交二偏波の
    信号を生成するためのポラリメトリック信号発生器と、
    ポラリメトリック信号発生器で生成された信号を前記合
    成開口レーダに向けて送信するための偏波共用の送信用
    アンテナとを具備し、前記合成開口レーダに対するポラ
    リメトリックな絶対校正を可能ならしめたことを特徴と
    するレーダ絶対校正装置。
  10. 【請求項10】 人工衛星等の飛翔体に搭載された合成
    開口レーダの飛翔時のレーダ特性を同時にモニタするた
    めに、レーダ絶対校正装置に前記合成開口レーダからの
    受信信号を分離するための方向性結合器と、受信信号の
    波形及び振幅レベルをモニタするためのスペクトラムア
    ナライザとモニタされた受信信号の波形及び振幅レベル
    を記録するためのレコーダとを付加して、前記合成開口
    レーダの軌道上におけるレーダ特性がモニタできるよう
    にしたことを特徴とする請求項2記載のレーダ絶対校正
    装置。
  11. 【請求項11】 人工衛星等の飛翔体に搭載された合成
    開口レーダからの電波を受信及び前記合成開口レーダに
    向けて送信するための複数個の送受共用アンテナと、送
    信電波と受信電波とを分離するための送受分波器と、前
    記送受共用アンテナで受信された受信信号を増幅するた
    めの増幅器と、前記合成開口レーダに向けて送信電力を
    コントロールするための可変抵抗減衰器と、送受共用ア
    ンテナのビーム方向を制御するための多極スイッチ及び
    スイッチドライバとを具備して、可変レーダ断面積を有
    する能動型のレーダ絶対校正装置を構成し、且つ送受共
    用アンテナのビーム方向がステップ制御できるようにし
    たことを特徴とするレーダ絶対校正装置。
  12. 【請求項12】 人工衛星等の飛翔体に搭載された合成
    開口レーダからの電波を受信及び前記合成開口レーダに
    向けて送信するための複数個の送受共用アンテナと、こ
    れら複数個の送受共用アンテナの位相を個別に制御する
    ための複数個の移相器と、複数個の移相器に接続された
    トーナメント型給電回路と、送信電波と受信電波とを分
    離するための送受分波器と、前記送受共用アンテナで受
    信された受信信号を増幅するための増幅器と、前記合成
    開口レーダに向けて送信電力をコントロールするための
    可変抵抗減衰器と、送受共用アンテナのビーム方向を制
    御するための移相器コントローラとを具備して、可変レ
    ーダ断面積を有する能動型のレーダ絶対校正装置を構成
    し、且つ送受共用アンテナのビーム方向が連続制御でき
    るようにしたことを特徴とするレーダ絶対校正装置。
JP5020080A 1993-02-08 1993-02-08 レーダ絶対校正装置 Pending JPH06230108A (ja)

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