JPH0622789U - 復水器の冷却管清掃具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷却管の清掃時に、冷却管の内面を破損させ
ずに、冷却管内部の不純物を押出しながら冷却管内面の
硬質スケールを効率良く確実に除去し、しかも冷却管内
の不純物や硬質スケール等の残留物を完全に押出可能に
し、更に清掃作業の能率向上を著しく図る。 【構成】 芯体３の先端部側外周面に冷却管Ａ内の不純
物Ｂ押出用の数枚の羽根６が適宜間隔に突設された合成
ゴム製の清掃具本体１を形成し、この清掃具本体１の芯
体３の基端部外周面に冷却管Ａ内面の硬質スケールＣ除
去用の特殊ナイロン繊維製の圧縮不織布８を嵌着し、清
掃具本体１の芯体３の基端には、少なくとも後部に略円
錐台筒状のスカート部１１を有する冷却管Ａ内の前記不
純物Ｂや硬質スケールＣ等の残留物押出用のクリーナー
１２を固着する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として原子力発電所や火力発電所等で排出される蒸気を水で冷却 して復水する復水器の性能維持を図るために、冷却管内部のヘドロや砂等の不純 物を押出しながら冷却管の内面に付着した水垢や貝類等の硬質スケールを除去す るのに好適な復水器の冷却管清掃具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の冷却管清掃具としては、二つ折りした金属製の芯杆の間に毛を 挟着した刷子を設け、この刷子の芯杆先端部に冠帽体を一体に取付けるように形 成されており、そして、この清掃具を冷却管内に挿入した後、空気又は水を高圧 で送り込んで、清掃具を冷却管内の一方端から他方端へ走行させて、刷子で冷却 管内部のヘドロや砂等の不純物を押出しながら同じ刷子で冷却管の内面に付着し た水垢や貝類等の硬質スケールを削り取るようにしていた。（例えば、実公昭３ ７−２４１２１号公報）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、冷却管の清掃時に、清掃具の刷子で冷却管内部のヘドロや砂等 の不純物を押出しながら同じ刷子で冷却管の内面に付着した水垢や貝類等の硬質 スケールを削り取っていたため、冷却管内面の硬質スケールを効率良く確実に除 去することができないばかりでなく、芯杆が金属製であるため、冷却管の清掃時 に冷却管内を走行させた際に、芯杆が冷却管の内面に当って冷却管の内面を破損 させる虞があった。

【０００４】 しかも、清掃具の 1個の刷子で冷却管内部のヘドロや砂等の不純物の押出しと 、冷却管内面の水垢や貝類等の硬質スケールの削り取りとを行っているため、こ の 1個の刷子で押出されなかった冷却管内部の不純物や、その刷子で削り取られ なかった冷却管内面の硬質スケール等の残留物が冷却管内に残る欠点があった。 更に、刷子は着色することが不可能であるため、必要な冷却管への使い分けが できず、清掃作業の能率を低下させていた。

【０００５】 そこで、本考案は、上述のような課題を解決するために案出されたもので、冷 却管の清掃時に、冷却管の内面を破損させずに、冷却管内部のヘドロや砂等の不 純物を押出しながら冷却管内面の水垢や貝類等の硬質スケールを効率良く確実に 除去できるようにするばかりでなく、刷子で押出し或いは削り取られなかった冷 却管内の不純物や硬質スケール等の残留物を完全に押出せるようにし、更に、必 要な冷却管への使い分けができ、清掃作業の能率向上を著しく図れるような復水 器の冷却管清掃具を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上述のような目的を達成するために、本考案にあっては、先端に閉塞部を有す る筒状の芯体の先端部側外周面に、外径が冷却管外径と略同一で冷却管内部のヘ ドロや砂等の不純物押出用の数枚の環状の羽根が適宜間隔に突設された合成ゴム 製の清掃具本体を形成し、この清掃具本体の芯体の基端部外周面に、外径が冷却 管内径より若干大径の筒状で且つ吸水性を有する特殊ナイロン繊維製で冷却管内 面の水垢や貝類等の硬質スケール除去用の圧縮不織布を嵌着し、前記清掃具本体 の芯体の基端には、少なくとも後部に後方へラッパ状に突設された略円錐台筒状 のスカート部を有する、冷却管内の前記不純物や硬質スケール等の残留物押出用 のクリーナーを固着したことを特徴とする。

【０００７】 また、クリーナーは、外径が芯体内径より若干大径の筒状の嵌入部と、この嵌 入部の後端から直角に外側方へ突設された支持片と、後端部外径が芯体内径より 若干大径になるように嵌入部の後端から後方へラッパ状に突設された略円錐台筒 状のスカート部とからなり、この嵌入部が芯体の基端部内に後方から半強制的に 嵌入され且つ支持片が芯体及び圧縮不織布の基端面に当接されるように固着する ことが好ましい。

【０００８】

【作用】

そして、上述のような技術的手段により、冷却管の清掃時に、本考案の冷却管 清掃具を冷却管内に清掃具本体先端の閉塞部側から挿入して、背後から空気又は 水を高圧で送り込んで圧力をかけることにより、合成ゴム製の清掃具本体が膨脹 して芯体の先端部側外周面の各羽根が冷却管内面に密着しながら冷却管内の一方 端から他方端へ走行させて、清掃具本体の芯体の先端部側外周面の各羽根で冷却 管内部のヘドロや砂等の不純物を押出しながら芯体の基端部外周面の圧縮不織布 で冷却管内面の水垢や貝類等の硬質スケールを削り取るようにし、また、清掃具 本体の芯体基端のクリーナーで、清掃具本体の芯体の先端部側外周面の各羽根で 押出すことができなかった冷却管内部の不純物や、芯体の基端部外周面の圧縮不 織布で削り取ることができなかった冷却管内面の硬質スケール等の残留物を押出 すようにする。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

【００１０】 図１及び図２において、符号１はＳＢＲ等の合成ゴム製の清掃具本体であって 、この清掃具本体１は、軸心に空洞２を有する筒状の芯体３の先端に、外径が冷 却管Ａ内径と略同一で冷却管Ａ内部のヘドロや砂等の不純物Ｂ押出用の鍔片４付 き閉塞部５を設け、且つ芯体３の先端及び基端部を若干除いた外周面には、外径 が冷却管Ａ外径と略同一で冷却管Ａ内部のヘドロや砂等の不純物Ｂ押出用の数枚 の環状の羽根６を適宜間隔に突設し、更に芯体３の基端部近傍の外周面には、外 径が冷却管Ａ内径と略同一の環状の支持片７を突設するように形成されている。

【００１１】 そして、前述のように形成された清掃具本体１の芯体３の基端部外周面に、外 径が冷却管Ａ内径より若干大径の筒状で且つ吸水性を有する特殊ナイロン繊維製 で冷却管Ａ内面の水垢や貝類等の硬質スケールＣ除去用の圧縮不織布８を、前端 が前記支持片７に支持され且つ後端が前記芯体３の基端と面一になるように接着 手段等にて嵌着し、前記清掃具本体１の芯体３の基端には、外径が前記芯体３内 径より若干大径の筒状の嵌入部９と、この嵌入部９の後端から直角に外側方へ突 設された支持片１０と、後端部外径が前記芯体３内径より若干大径になるように 嵌入部９の後端から後方へラッパ状に突設された略円錐台筒状のスカート部１１ とからなる、冷却管Ａ内の前記不純物Ｂや硬質スケールＣ等の残留物押出用のＰ Ｓゴム製のクリーナー１２を、嵌入部９が前記芯体３の基端部内に後方から半強 制的に嵌入され且つ支持片１０が前記芯体３及び前記圧縮不織布８の基端面に当 接されるように接着手段等にて固着したものである。

【００１２】 また、前記圧縮不織布８は、吸水性を有する特殊ナイロン繊維で成形して、冷 却管Ａ内面の水垢や貝類等の硬質スケールＣを除去するように説明されているが 、これに何等限定されることなく、吸水性を有する特殊ナイロン繊維に研磨材８ を混入して、必要に応じて冷却管Ａ内部の酸化鉄等の硬質スケールを除去するよ うにしても良い。

【００１３】

【考案の効果】

本考案の冷却管清掃具は、上述のように、先端に閉塞部５を有する筒状の芯体 ３の先端部側外周面に、外径が冷却管Ａ外径と略同一で冷却管Ａ内部のヘドロや 砂等の不純物Ｂ押出用の数枚の環状の羽根６が適宜間隔に突設された合成ゴム製 の清掃具本体１を形成し、この清掃具本体１の芯体３の基端部外周面に、外径が 冷却管Ａ内径より若干大径の筒状で且つ吸水性を有する特殊ナイロン繊維製で冷 却管Ａ内面の水垢や貝類等の硬質スケールＣ除去用の圧縮不織布８を嵌着したか ら、冷却管の清掃時に、図２に示すように本考案の冷却管清掃具を冷却管Ａ内に 清掃具本体１先端の閉塞部５側から挿入して、背後から空気又は水を高圧で送り 込んで圧力をかけることにより、合成ゴム製の清掃具本体１が膨脹して芯体３の 先端部側外周面の各羽根６が冷却管Ａ内面に密着しながら冷却管Ａ内の一方端か ら他方端へ走行するため、清掃具本体１の芯体３の先端部側外周面の各羽根６で 冷却管Ａ内部のヘドロや砂等の不純物Ｂを押出しながら芯体３の基端部外周面の 圧縮不織布８で冷却管Ａ内面の水垢や貝類等の硬質スケールＣを削り取ることが できることと、清掃具本体１が合成ゴム製であるため、芯体３の各羽根６が弾力 性を有することとによって、冷却管Ａの内面を破損させずに、冷却管Ａ内部のヘ ドロや砂等の不純物Ｂを押出しながら冷却管Ａ内面の水垢や貝類等の硬質スケー ルＣを効率良く確実に除去することができる。

【００１４】 しかも、清掃具本体１の芯体３の基端に、少なくとも後部に後方へラッパ状に 突設された略円錐台筒状のスカート部１１を有する冷却管Ａ内の前記不純物Ｂや 硬質スケールＣ等の残留物押出用のクリーナー１２を固着したから、この清掃具 本体１の芯体３基端のクリーナー１２で、清掃具本体１の芯体３の先端部側外周 面の各羽根６で押出すことができなかった冷却管Ａ内部の不純物Ｂや、芯体３の 基端部外周面の圧縮不織布８で削り取ることができなかった冷却管Ａ内面の硬質 スケールＣ等の残留物を完全に押出すことができる。

【００１５】 また、清掃具本体１の芯体３の基端部外周面に特殊ナイロン繊維製の圧縮不織 布８を嵌着したことによって、従来の刷子では着色が不可能であったものが圧縮 不織布８では着色が可能であるため、種類が異なる冷却管清掃具を色分けして必 要な冷却管Ａへの使い分けができ、清掃作業の能率向上を著しく図ることができ る。

【００１６】 更に、クリーナー１２として、外径が芯体３内径より若干大径の筒状の嵌入部 ９と、この嵌入部９の後端から直角に外側方へ突設された支持片１０と、後端部 外径が芯体３内径より若干大径になるように嵌入部９の後端から後方へラッパ状 に突設された略円錐台筒状のスカート部１１とからなり、この嵌入部９が芯体３ の基端部内に後方から半強制的に嵌入され且つ支持片１０が芯体３及び圧縮不織 布８の基端面に当接されるように固着することにより、クリーナー１２を清掃具 本体１の芯体３の基端に堅固に固着することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す側面図である。

【図２】図１の使用状態を示す縦断側面図である。 １ 清掃具本体 ２ 空洞 ３ 芯
体 ４ 鍔片 ５ 閉塞部 ６ 羽
根 ７ 支持片 ８ 圧縮不織布 ９ 嵌
入部 １０ 支持片 １１ スカート部 １２
クリーナー Ａ 冷却管 Ｂ 不純物 Ｃ 硬
質スケール

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 先端に閉塞部を有する筒状の芯体の先端
   部側外周面に、外径が冷却管外径と略同一で冷却管内部
   のヘドロや砂等の不純物押出用の数枚の環状の羽根が適
   宜間隔に突設された合成ゴム製の清掃具本体を形成し、
   この清掃具本体の芯体の基端部外周面に、外径が冷却管
   内径より若干大径の筒状で且つ吸水性を有する特殊ナイ
   ロン繊維製で冷却管内面の水垢や貝類等の硬質スケール
   除去用の圧縮不織布を嵌着し、前記清掃具本体の芯体の
   基端には、少なくとも後部に後方へラッパ状に突設され
   た略円錐台筒状のスカート部を有する、冷却管内の前記
   不純物や硬質スケール等の残留物押出用のクリーナーを
   固着したことを特徴とする復水器の冷却管清掃具。
2. 【請求項２】 クリーナーは、外径が芯体内径より若干
   大径の筒状の嵌入部と、この嵌入部の後端から直角に外
   側方へ突設された支持片と、後端部外径が芯体内径より
   若干大径になるように嵌入部の後端から後方へラッパ状
   に突設された略円錐台筒状のスカート部とからなり、こ
   の嵌入部が芯体の基端部内に後方から半強制的に嵌入さ
   れ且つ支持片が芯体及び圧縮不織布の基端面に当接され
   るように固着した請求項１記載の復水器の冷却管清掃
   具。