JPH0622785A - アルファ−1−アンチトリプシンの発現のための安定なdna構造物 - Google Patents

アルファ−1−アンチトリプシンの発現のための安定なdna構造物

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JPH0622785A
JPH0622785A JP4277637A JP27763792A JPH0622785A JP H0622785 A JPH0622785 A JP H0622785A JP 4277637 A JP4277637 A JP 4277637A JP 27763792 A JP27763792 A JP 27763792A JP H0622785 A JPH0622785 A JP H0622785A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 宿主細胞における欠陥を補う遺伝子を含むD
NA構造物において、該欠陥が複合培養基での正常細胞
増殖のために必要な機能にあり、DNA配列がα−1−
アンチトリプシンをコードするDNA構造物。 【効果】 本発明に従い、α−1−アンチトリプシンを
発現できかつ特別の選択培養基を要せずに高いコピー数
で維持されるDNA構造物及び適当な宿主細胞が提供さ
れる。そのような条件における増殖は、より速い増殖、
より大きい細胞密度及び低減された生産コストをもたら
す。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 組換えDNA技術を利用する有用なポリペプチド生成物
の生産のための微生物の使用は、工業として確立されて
きている。外来遺伝子物質が微生物の培養菌中に導入さ
れることが出来、適当な細胞内及び細胞外条件を与える
と望む生成物が外来遺伝子から合成されうる。そのよう
な遺伝子物質は一般に、プラスミドの形で微生物中に導
入され、これは自律的に複製する染色体外要素である。
形質転換された細胞培養物内にプラスミドを維持するこ
とを保証するために、これら細胞を特別の条件下で成育
することが必要であった。そのような条件の欠除のもと
では、本質的に不安定であろうプラスミドは維持され
ず、細胞群は形質転換されていない状態に戻るであろ
う。プラスミド安定性の増大及びコピー数の増大は、プ
ラスミドでコードされる蛋白質の生産を常に高いレベル
に維持する手段として生物技術工業にとって重要であ
る。プラスミド安定性を増すための従来報告された試み
は、産業的利用のために最適であるとは見えない。安定
性を高めながらAR′S含有プラスミド中に酵母動原体
を導入することは、プラスミドコピー数を著しく低減す
ることが判っている(クラーケ(clarke)とカー
ボン(carbon),ネイチア(Nature),
87:504−509,1980,及びスティンクコム
(stinchcomb)ら、ジャーナル オブ モレ
キュラー バイオロジー(J.Molec.Bio
l.),158:157−179.1982)。線形動
原体酵母プラスミドは同様に、安定性とコピー数の間の
逆比例関係を示す(マリー(Hurry)とスゾスタク
(Szostak),ネイチア,305:189−19
3,1983)。プラスミドは典型的には、選択マーカ
ーとて知られている遺伝子配列を含み、これは宿主細胞
の抗生物質耐性又は補助栄養要求をコードする。そのよ
うなプラスミドの存在について選択するために、形質転
換された細胞は、選択剤を含む又は特定の栄養素を除か
れた特別の培養基で生育されなければならない。これら
培養基要件は高価であり、かつ大規模醗酵プロセスの間
の最適細胞生長速度を禁止する。そのようなプラスミド
の多くが、文献に報告されている。抗生物質耐性遺伝子
を含むこれらとしては、pBR322(ボリバー(Bo
livar)ら、ジーン(Gene):95−11
3,1977)及びその誘導体たとえばpUCベクター
(ビエイラ(vieira)とメッシング(Messi
ng),ジーン,19:259−268,1982)
(これはアンピシリン耐性を持つ)及びpBR 325
(プレントキ(Prntki)ら、ジーン,14:28
9,1981)(これはアンピシリン,テトラサイクリ
ン及びクロラムフェニコールに対する耐性遺伝子を持
つ)が挙げられる。宿主栄養要求を補うプラスミドとし
ては、酵母ベクターYEp 13(ブローチ(Broa
ch)ら、ジーン,:121−133,1979)
(これはLEU2遺伝子を持つ)、及びYRp 7′
(スティンクコムら、ネイチア,282:39,197
9)(これはTRP1遺伝子を持つ)が挙げられる。ア
ルファ−1−アンチトリプシンは、プロテアーゼインヒ
ビターであり、その主な機能は幅広いスペクトルのプロ
テアーゼであるエラスタ−ゼを抑制することである。哺
乳動物の肺組織は、エラスターゼによる攻撃に特に弱
く、従ってα−1−アンチトリプシンの欠損又は不活性
化は肺組織弾性の喪失及び従って気腫を結果しうる。α
−1−アンチトリプシン活性の損失又は減少は、タバコ
の煙を含む環境汚染物によるα−1−アンチトリプシン
の酸化の結果である。α−1−アンチトリプシンの欠損
は、いくつかの遺伝的欠陥の一つから起りうる。ガデッ
ク(Gadek),ジエームスJame)E.及びR.
D.クリスタル(Crystal),「α−1−アンチ
トリプシン欠損」.遺伝病の代謝的基礎、スタンブリー
(stanbury),J.B.ら編、マグロウーヒ
ル,ニューヨーク(1982),pp1450−146
7;及びキャロル(Carroll)ら,ネイチア,
988,329−334(1982)参照。従って、α
−1−アンチトリプシンをコードするDNA配列、及び
選択マーカーとして、その生成物が複合培養基上で宿主
細胞の生育性又は正常増殖のために必須であるところの
遺伝子配列を含むDNA構造物を提供することが本発明
の目的である。本発明の別の目的は、複合媒体上での増
殖により選択できかつα−1−アンチトリプシンを発現
しうるプラスミドを含む微生物の形質転換株を提供する
ことである。さらに本発明の別の目的は、必須機能にお
いて欠陥を持ち、これら欠陥的必須機能を補いかつα−
1−アンチトリプシンを発現できる遺伝子配列を持つD
NA構造物のための宿主として働きうる微生物株を提供
することである。本発明の別の目的は、形質転換微生物
中でα−1−アンチトリプシンを作る方法において、α
−1−アンチトリプシンが、選択マーカーとして宿主微
生物における必須遺伝子の欠陥を補う遺伝子配列を含む
DNA構造物上に含まれる遺伝子の生成物である方法を
提供することである。本発明の別の目的は、当業者にと
って明らかであろう。
本発明のまとめ 本発明に従い、α−1−アンチトリプシンを発現できか
つ特別の選択培養基を要せずに高いコピー数で維持され
るDNA構造物及び適当な宿主細抱が提供される。その
ような条件における増殖は、より速い増殖、より大きい
細胞密度及び低減された生産コストをもたらす。本発明
は更に、複合培養基での正常細胞増殖のために必要な機
能における欠陥を持つ宿主細胞においてα−1−アンチ
トリプシンを作る方法であって、この欠陥を補う遺伝子
及びα−1−アンチトリプシンをコードする配列を含む
DNA分子により宿主細胞を形質転換の段階を含む方法
を提供することである。本明細書において、DNA構造
物という言葉は、分子中のヌクレオチド配列が自然に作
られた配列と同じでないように人により修飾された任意
のDNA分子を意味する。DNA構造物という言葉はま
た、そのように修飾されたDNA分子のクローンをも包
含する。発現ベクターという言葉は、複製の自律部位、
転写開始部位及び宿主生物において発現されるべき蛋白
質をコードする少くとも一つの構造的遺伝子を含むDN
A構造物として定義される。発現ベクターはまた通常、
宿主生物における蛋白質の発現を制御するプロモーター
及びターミネーターのような適当な制御領域をも含むで
あろう。本発明に従う発現ベクターはまた、本明細書で
述べる必須遺伝子を含む選択マーカーをも含むであろ
う。プラスミドという言葉は、その普通に用いられる意
味、すなわち自津的に複製し、通常閉じたループのDN
Aを意味する。添付した図面において:第1図は、プラ
スミドpB4の構造を示す。第2図は、プラスミドpB
5の構造を示す。第3図は、プラスミドpB15Lの構
造を示す。第4図は、プラスミドpB5及びpB15L
で共形質転換されたS.セレビシエ(cerevisi
ae)株A2.7.CからのDNAのサザーンブロット
を示す。このブロットは、ゲノムCDC4座の崩壊につ
いてテストするためにCDC4の5′フランキング領域
からの2.5kb Bam H I−HindIIIフ
ラグメントでプローブされた。レーンaは、pB5単独
で形質転換された細胞からのDNAを含む;レーンbは
形質転換されていない細胞;レーンc〜hは共形質転換
体を含む。矢印は、プローブにハイブリットするゲノム
フラグメントを示す。第5図は、S.ポンベ(pomb
e)POT1及びS.セレビシエTPI 1遺伝子の配
列を、各々の推定された蛋白質配列とともに示す。S.
ポンベTPI蛋白質配列の全体が与えられる。S.セレ
ビシエ蛋白質の配列は、それがS・ポムベ配列と異る個
所のみ示される。S.セレビシエ蛋白質配列における位
置1におけるメチオニンは、天然蛋白質には存在しな
い。第6図は、プラスミドpCPOTの構造を示す。第
7図は、プラスミドpFATPOTの構造を示す。第8
図は、プラスミドpTPI−LEU2の構造を示す。
詳細な説明 本発明は、必須遺伝子がα−1−アンチトリプシンを発
現できるプラスミドのようなDNA構造物上の選択マー
カーとして用いられうるという発見に部分的に基づく。
必須遺伝子という言葉は、複合培養基での細胞生育又は
正常増殖のために必要な機能をコードする任意の遺伝子
と定義される。複合培養基は、その中において栄養素
が、組成が良く定義されない生成物たとえば粗細胞エキ
ス、肉エキス、果汁、血清、蛋白質加水分解物などから
導かれる培養基である。従って、本発明に従う望む形質
転換体を選択するために、選択増殖培養基は単に慣用の
複合増殖養基であり、非形質転換宿主細胞に致命的な比
較的高価な抗生物質、金属拮抗剤、又は他の剤を含む、
又は非形質転換宿主に必要な一以上の特定の栄養素を欠
く特別の培養基ではない。必須遺伝子としては、細胞分
割、膜生合成、細胞壁生合成、細胞小器官生合成、蛋白
質合成、炭素源利用、RNA転写及びDNA複製のため
に必要な遺伝子を包含するがこれらに限定されない。D
NA構造物たとえばプラスミド上の選択マーカーとして
必須遺伝子を用いるために、適当な突然変異宿主細胞株
を提供することが必須である。ロスステイン(Roth
stein)の一段階遺伝子崩壊法(Heth.in
Enzymology 101:202−210.19
83)又は本明細書で述べる共形質転換手順を用いて、
ゲノムにおいて適当な必須遺伝子の欠失を有する適当な
宿主株が構成されうる。そのような欠失突然変異体は、
突然変異がプラスミドに担持される遺伝子物質によりコ
ードされる機能によって補われるときに増殖する。宿主
のゲノムの必須遺伝子(単数又は複数)における欠失
は、コード領域及び/又はフランキング領域の主要なセ
グメントを含むことが好ましい。必須遺伝子における突
然変異が点突然変異のみにより達成される様式で行われ
るなら、突然宿主細胞が突然変異又は組換修復メカニズ
ムによって野性種に戻り、それによりプラスミド担持遺
伝子の使用により達成されうる選択性を低減又は除去す
ることがありうる。必須遺伝子は、多重コピー(たとえ
ばヒストン又はリボソームRNA遺伝子)中に及び/又
は遺伝子ファミリーと呼ばれる多重の関速した形(たと
えば種々のヘキソキナーゼ遺伝子、又は種々のDNAポ
リメラーゼ遺伝子)中にしばしば存する。そのような場
合、これら重複した機能は、所定の必須機能について多
重に欠陥のある宿主細胞を作るために次々と突然変異さ
れうる。しかし、遺伝子の活性を増すために高コピー数
プラスミドを用いることによって、プラスミド上の単一
の必須遺伝子が多重の宿主細胞欠陥を補いうる。高コピ
ー数プラスミドは、クローニングされた外来遺伝子のコ
ピー数の増加がこの遺伝子によりコードされる蛋白質生
成物の産生の増加を結果するので望ましい。必須遺伝子
を持つプラスミドの高コピー数を含む形質転換体の選択
は、各プラスミド担持必須遣伝子の発現レベルを低下さ
せることにより及び/又はプラスミド担持選択マーカー
によりコードされる遺伝子生成物の活性を低下させるこ
とにより達成されうる。一つのアプローチは、必須遺伝
子を突然変異して、遺伝子の転写及び/又は翻訳速度が
低減される又は遺伝子生成物がより低い特異的活動を持
つよう変えられることである。選択マーカーとして用い
られる必須遺伝子の発現レベルを下げるための別の方法
は、宿主細胞における欠陥を補うために別の生物からの
遺伝子を用いることである。そのような外来遺伝子は、
宿主細胞における発現について自然に欠陥的でありう
る。なぜなら転写及び/又は翻訳のためのシグナルは別
の種において最適より低いであろうからである。又は遺
伝子生成物は低減した活性又は安定性を持つかも知れな
い。なぜならそれは異質の細胞環境にあるからである。
複合培養基における細胞生育又は正常増殖のために必要
な幅広い範囲の機能が存在する。必要遺伝子における欠
陥又は欠失は、致死、細胞分割の速度の低下、細胞分割
の終止、DNA、RNA又は蛋白合成の停止、膜合成の
停止、細胞壁合成の停上、細胞小器官合成の停止、蔗糖
代謝における欠陥などを結果しうる。必須遺伝子の例と
しては、酵母サッカロミケス セレビシエのCDC(細
胞分割サイクル)遺伝子(プリングル(Pring1
e)とハートウェル(Hartwell),「サッカロ
ミケス セレビシエ細胞サイクル」ストラサーン(St
rathern)ら編の酵母サフカロミケス ライフサ
イクル及び遺伝の分子生物学、57−142中、コール
ド スプリング ハーバー(coldSpringHa
rbor ),1981),S.セレビシエ及びエシェ
リヒア コリ 解糖経路の機能をコードする遺伝子、及
びS.セレビシエのSEC(ノビック(Novick)
とシェクマン(Schekman),プロシージングズ
オブ ナショナルアカデミーオブ サイエンスUSA
(Proc.Nat.Acad.Sic.USA)7
6:1856−1862,1979、及びノビックら、
セル(Cell)21:205−215,1980)及
INO(カルバートソン(culbertson)と
ヘンリー(Henry),ジェネティクス(Genet
ics)80:23−40,1975)遺伝子が挙げら
れる。必須遺伝子欠陥の宿主細胞の一つの好ましいクラ
スは、cdc突然変異として知られるCDC遺伝子にお
ける欠陥を含み、これは細胞分割サイクルの段階特異的
阻止をもたらす。多くのcdc突然変異は、特定のCD
遺伝子生成物の合成又は機能に影響することによっ
て、細抱サイクルに必須の事象の完全な妨害を起す。そ
のような突然変異は、生化学的に又は形態学的に観察さ
れうる事象に対する効果によって同定されうる。多くの
既知のcdc突然変異は、環境条件的致死性(すなわち
温度敏感な)突然変異であり、これは制限的条件下で増
殖された突然変異細胞の正常な成長の終止を結果する。
しかし、cdc突然変異から生じた主な欠陥は、段階特
異的機能における欠陥自体である必要はない。たとえ
ば、連続的に合成された遺伝子生成物は段階特異的機能
を持ちうる;酵母解糖遺伝子PYK1における(酵素ピ
ルベートキナーゼに対する)欠陥が細胞分割サイクル突
然変異cdc 19(カワサキ,博士論文,ワシントン
大学,1979)に対して対立的である。この突然変異
は、典型的酵母複合培養基YEPD(1%酵母エキス、
2%バクトペプトン、及び2%デキストロース)中でイ
ンキュベートされた細胞のG1相における細胞サイクル
停止を結果する。すなわち、cdc突然変異が段階特異
的機能における欠陥を結果するか又はそれが段階特異的
機能を持つ遺伝子生成物の抑制又は不能化突然変異を起
すかに拘らず、欠陥の効果は、モニターされうる。プリ
ングルとハートウエル(上述)は、いくつかの51CD
遺伝子の機能を記述している。本発明を実施するに用
いるために、そのような遺伝子は、望む突然変異を持つ
株における補償によって遺伝子ライブラリーから分離さ
れうる。遺伝子ライブラリーは、公知の手順で構成され
うる(たとえばナスミス(Nasmyth)とリード
(Reed),Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA77:2119−2123,1980;及び
ナスミスとタチェル(Tatchell),セル19:
753−764,1980)。望む cdc突然変異を
持つ株は、本明細書で述べられるように作られ、又は公
共的に入手できる寄託機関たとえばATCC及びバーク
レー イースト ストック センターから入手できる。
必須遺伝子の第二の好ましいクラスは、解糖経路に関係
する生成物をコードするものであり、代謝酵素及び調節
機能をコードする遺伝子を包含する。同定されたS.セ
レビシエにおける解糖経路遺伝子の例は、解糖調節遺伝
GCR1及び酵素トリオース ホスフェート イソメ
ラーゼ,ヘキソキナーゼ1,ヘキソキナーゼ2,ホフホ
グルコース イソメラーゼ,ホスホグリセラートキナー
ゼ,ホスホフラクトキナーゼ,エノラーゼ,フラクトー
ス1,6−ビスホスフェート デハイドロゲナーゼ,及
びグリセ ラルデヒド3−ホスフェート デハイドロゲ
ナーゼをコードする遺伝子である。上述したように、ピ
ルベート キナーゼ遺伝子は、カワサキにより同定さ
れ、記述された。酵母ホスホ グリセラートキナーゼ遺
伝子を含み、調節シグナルを伴うプラスミドは、ヒッツ
ェマン(Hitzeman)ら、(ジャーナル オブ
バイオロジィー アンド ケミストリー(J.Bio
l.Chem.)225:12073−12080,1
980)により記述された。酵母トリオース ホスフェ
ートの分離及び配列決定は、アルバー(Alber)と
カワサキ(ジャーナル オブ モレキュラー アンド
アプライドジェネティクス)(J.Mol.Appl.
Genet.)1:419−434,1982)及びカ
ワサキとフレンケル(Fraenkel)(バイオケム
バイオフィズ リス コム(Biochem.Biop
hys.Res.Comm.)108:1107−11
12, 1982)により記述される。特に好ましい解
糖遺伝子は、TPI1であり、これは、グリセラルヒド
−3−ホスフェート及びジヒドロキシアセトン−3−ホ
スフェートの相互転化を触媒し従って解糖及びグリコネ
オゲネシスのために必須の酵素、酵母トリオース ホス
フェト イソメラーゼをコードする。S.セレビシエに
おいて、第一遺伝子座TPI1は、この機能を暗号す
る。TPI1における突然変異を有する細胞は、グルコ
ース上で増殖せず、他の炭素源上で少ししか増殖しな
い。S. セレビシエ TPI1遺伝子は、tpi1
然変異の補償により分離された(アルバーとカワサキ
(上述)、及びカワサキとフレンケル(上述))。分裂
酵母シゾサッカロミケス ホンベからのトリオース ホ
スフェート イソメラーゼ遺伝子(P0T1)が同じ
S. セレビシエ突然変異の補償により分離され、第5
図に示すように配列決定された。POT1と名付けられ
S. ポンベ遺伝子の配列は、S. ポンベTPI蛋
白質がS. セレビシエのTPI蛋白質と相同であるこ
とを示した。通常の場合、DNA構造物(プラスミド)
において用いられる必須遺伝子は宿主種からの野生タイ
プ遺伝子であろうが、ある場合には宿主細胞にとって外
来の必須遺伝子を用いることが好ましい。なぜなら外来
遺伝子は自然に欠陥的であり、それによって高プラスミ
ドコピー数に対して選択可能であるからである。用いら
れるそのような外来必須遺伝子の例として、ここでの例
の一つは、S. ポンベ POT1遺伝子がS. セレ
ビシエ宿主における選択マーカーとして有効に用いられ
ることを示す。選択マーカーとして必須遺伝子を含む本
発明に従うDNA構造物は、必須遺伝子の機能において
欠陥のある突然変異宿主細胞中に形質転換されよう。適
当に突然変異された宿主細胞が作られなければならない
か、又は公共寄託機関から容易に入手できる。適当な突
然変異体を得るために野生タイプの細胞の突然変異化
は、慣用の方法で達成されうる。たとえば、野生タイプ
細胞が、慣用の突然変異化剤たとえばエタン メチルス
ルホネートにより処理され、補償が起るコロニーを同定
するために必須遺伝子を含むプラスミドで形質転換され
る。あるいは、ゲノムが崩壊されて、特定の突然変異を
作る(ロススティン、上述)。宿主細胞中に必須遺伝子
を含むプラスミドの安定性は、宿主細胞における相同の
必須遺伝子配列の不存在に依存しうる。宿主における遺
伝欠陥は、プラスミドが維持されることを保証する。な
ぜなら、宿主細胞の増殖は必須遺伝子機能の欠除により
起らず又は厳しく制限されるであろうからである。加え
て、プラスミド自体の完全性は、プラスミド担持必須遺
伝子と宿主ゲノム中の対応する座の間の相同性の不存在
に依存するであろう。なぜなら、各プラスミドとゲノム
座の間の組換えは突然変異及びプラスミドの両者の細胞
を治ゆするであろうからである。すなわち、ゲノム必須
遺伝子を不活性化する宿主細胞ゲノム中の突然変異が本
質的に自然であること、即ち欠失が染色体遺伝子のコー
ド領部及び/又はフランキング領域の DNA配列から
成ることが好ましい。これが達成されると、組換えによ
るゲノム突然変異の治ゆは、あまり起きなくなる。本発
明のフランキングは、適当な突然変異宿主細胞中に維持
されるとき、予期せぬことに安定である。好ましい宿主
細胞は酵母である;しかし他の真核細胞ならびに原核細
胞も用いうる。酵母細胞の場合、本発明に従うフランキ
ングの安定性は、動原体を含む酵母プラスミドのそれを
さえ越えるようである。環状動原体プラスミドは、酵母
について従来報告された最も安定なプラスミドに含まれ
るが、しかし極端に低いコピー数が欠点である(クラー
ケとカーボン、上述、とスティンクコムら、1982、
上述)。線形動原体酵母プラスミドは、プラスミド長に
依存して、不安定であるか低コピー数で依存する(ハー
レイとスゾスタク、上述)。従って、必須遺伝子を担持
するプラスミドの改善された安定性が達成されること
は、予期せぬ利点である。POT1及びCDC4遺伝子
は、発現ベクター上の選択マーカーとしての必須遺伝子
の利用の二つの例である。これら二つの遺伝子は、複合
培養基上での細胞増殖のために必要な幅広いクラスの遺
伝子に属する。他の必須遺伝子の使用は、複合増殖条件
を含む植物又は動物組織培養株におけるプラスミド選択
を可能にし、また極端には、血、血清、又は生きた動物
又は植物からの液汁から栄養を受ける細胞中でのプラス
ミドの維持を可能にする。本明細書で述べるプラスミド
を用いる実験から得たデータは、ヒトα−1−アンチト
リプシン(AT)産生が選択マーカーとしてS. ポン
ベPOT1遺伝子の使用によって、従来の栄養要求性選
択マーカーLEU2を含む類似のプラスミドにより得ら
れるAT産生に比べて二倍にされることを示す。これら
の結果は、POTl含有プラスミドが、これらがそれか
ら誘導されたところの非POT1プラスミドよりもコピ
ー数において機能的により大きいことを示す。本発明に
従うDNA構造物すなわち特にプラスミドを作るために
用いられる手法は、慣用の方法を含む。DNA構造物に
おいて用いられる必須遺伝子は、もし遺伝子の構造が知
られているなら、ラベルされたDNAプローベを用いて
ライブラリーから分離される、又はDNAライブラリー
のセグメントを普通のベクターに結合し、このベクター
を特定の必須遺伝子において欠陥の突然変異細胞中に形
質転換し、そして補償された株をさがすことによって同
定される。必須遺伝子を含む適当なDNAフラグメント
が同定されると、それは発現されるであろう構造的蛋白
質をコードするDNA配列を含むベクターに結合され
る。必須遺伝子は、宿主生物内での発現に必要なそれ自
身のプロモーター及び他の対照と共に用いられうる。あ
るいは、必須遺伝子の発現を増す又は減らすために、異
種プロモーターが用いられうる。DNAフラグメントの
結合の方法は、実施するに十分に記載されており、当業
者にとって十分である。DNA構造物の調製後に、それ
は形質転換条件下に宿主生物中に形質転換される。原核
細胞及び真核細胞(組織培養細胞を含め)を形質転換す
るための方法は、文献で知られている。上述したよう
に、宿主生物は、プラスミド上の必須遺伝子の選択のた
めの必須機能において欠陥を持たねばならない。突然変
異宿主株は、通常の寄託機関から入手でき、又は突然変
異化及び適当な突然変異を持つ突然変異体をスクリーニ
ングすることにより野生タイプから慣用の手段により作
られうる。形質転換された宿主は、次に慣用の複合培養
基上での増殖により選択されうる。酵母の場合、YEP
D(1%酵母エキス、2%バクトペプチン及び2%デキ
ストロース)のような慣用の培養基が用いられうる。本
発明に従う必須遺伝子を含む選択マーカーが、DNA構
成に適当である場合にはいっでもマーカーとして使用で
き、そして従って本発明に従う必須遺伝子選択マーカー
を含む構造物は多くの用途を持つことが認められよう。
下記の実施例は、そのような用途の例示のための示さ
れ、制限のためではない。別記なき限り、標準分子生物
学的手法が用いられた。酵素は、ベセスダ(Bethe
sda)研究所、ニューイングランドバイオラブズ、及
びボーリンガー(Boehringer)マンハイム
バイオケミカルズから得られ、製造者により指示された
ように又はマニアチス(Maniatis)ら(モレキ
ュラークローニング:A実験室マニュアル、コールド
スプリング ハーバー ラボラトリー,1982)によ
り記載されたように用いられた。大腸菌培養物は、マニ
アチスら(上述)に開示されるように塩化カルシウム法
によって形質転換された。酵母培養菌は、ベッグズ(B
eggs)の方法を本明細書で述べるように修正して用
いて形質転換された。
実施例 1 選択マーカーとしてのS・ セレビシエ CDC4遺伝
子A安定なCDC4含有プラスミドの構成 酵母ゲノム ライブラリーは、San3Aによる酵母D
NAの部分的消化、蔗糖勾配によりサイズ選択、及びB
amHIで予め消化された酵母ベクターYRp7中への
選択されたフラグメントの挿入により構成された(ナス
ミス(Nasmyth)とリード(Reed)、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA.77:21
19−2123,1980)。CDC4遺伝子を含む組
換えプラスミドが、酵母株GEB5(MATA cdc
4−4 leu2 trp1 lys 1 ura1
及びGEB7(MATa cdc 4−3 leu 2
trp1 lyi1)をライブラリーによる形質転換に
より分離された。これらの株は、株A364Acdc
4−3及びA364Acdc 4−4(ハートウエル
ら、ジェネティクス74:267−286, 197
5)から、高頓度で形質転換すると知られた株(K79
MATαlou2 trp1〕(ナスミスら、ネイチ
ア289:244−250,1981:タッチェルら、
セル27: 25−35,1981)との交配及び続い
ての高形質転換株(K79及びK80〔MATa lo
u2 trp1 lys1〕)への戻し交配により望む
遺伝的背景(lou2 trp1)でcdc4−3及び
cdc4−4突然変異を得ることによって誘導された。
トリプトファン原栄養性及び制限的温度(37゜)で増
殖する能力についての形質転換体の選択は、ゲノム中に
組込まれCDC4座にマップすると判った一つのそのよ
うなプラスミド(pJY35と名付けられた)を同定し
た。自発的プラスミド組込み体は、それらの選択的増殖
利点に基づいて同定された。この生長利点は、元のプラ
スミド上での CDC4を結合された遺伝子の存在によ
り、これは高コピー数で存在するとき(すなわちプラス
ミドが宿主ゲノム中に組込まれなかったとき)に細胞増
殖にとって有害である。組込み体において、TRP1
プラスミドマーカーは、SUPI1に遺伝子的に結合さ
れることが見られ、これは染色体VI上のCDC4に結
合される(モルチマー(Mortimer)とシルド
(Shild),「サッカロミケス セレビシエの遺伝
子マップ」,ストラサーンら編、酵母サッカロミケス
セレビシエ ライフサイクルと遺伝の分子生物学,64
1−651,コールド スプリング ハーバー198
1)。cdc4−3補償領域は6.4kbB amHI
フラグメントとして精製され、T4DNAリガーゼを用
いて、Bam HIで予め開裂されたベクターYRp7
(ストルール(Struhl)ら、Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 76:1035−10
39,1979)に結合された。この構造物はpJY5
1として知られ、第1図に示される。第1図において、
CDC4コード領域が下記の方法でフランキング ゲノ
ムDNA配列から精製された。プラスミドpJY51が
Hindmで開裂され、CDC4領域を含む3.6kb
フラグメントがバクテリア プラスミドpBR322中
でサブクローンされた。この構造物は、Bam HIで
完全に消化され、HincIIで部分的に消化され、約
2.3kbのCDC4含有フラグメントが精製された。
HincIIフラグメント末端は、リンカー配列(配
列:5′CCGGATCCGG3′、コラボラティブリ
サーチから得られた)の付加及び続いて過剰のリンカー
除去のためのBam HIでの消化によって、Bam
HI末端に転化された。CDC4遺伝子の約1.9kb
を含む得たフラグメントは、プラスミドpJY70を作
るためにYRp7のBam HI部位中に挿入された。
このプラスミドは、上述のcdc4−3突然変異を捕う
ように見えた。この1.9kbフラグメントは CDC
遺伝子の5′−及び3′−コード領域の両者の小さな
部分を欠くが、それは驚ろくことに温度感性欠陥を補
う。たぶん、CDC4配列の転写及び翻訳はプラスミド
のpBR322領域中に位置する配列により制御され、
機能的遺伝子生成物の産生を可能にする。プラスミドp
JY70は酵母TRP1及びARS1配列を除くための
EcoRIで開裂され、そして再び結合されてpBR3
22及びCDC4配列を含むハイブリッド プラスミド
を与えた。このプラスミドはpJY71として知られ、
第1図に示される。1.9kb酵母配列は、Bam H
I−HindIIIフラグメントとしてpJY71から
精製された。このフラグメントは、Bam HIとHi
ndIIIでの消化により線形化されたpBR322に
結合されてプラスミドpB4を作った。これは第1図に
示される。CDC4領域は、高コパー数酵母ベクター中
への挿入のためにpB4から再び分離された。そのよう
なベクターは、酵母2μプラスミドの複製のオリジン、
及び興味ある外来遺伝子のためのクローニング部位とし
て働く一以上の制限酵素開裂部位を含むであろう。好ま
しくは、そのような部位はプラスミド上のユニーク部位
であろう。好ましいベクターはMW5であり、これは酵
母2μプラスミド複製オリジンとユニークEcoRIと
Bam HIクローニング部位を含む。第2図におい
て、プラスミドMW5は、プラスミドYRp7′(ステ
ィンクコムら、ネイチア282:39−43、197
9)から、EcoRIで部分的開裂により平均分子当り
二つのEcoRI部位の一つを開裂することによって誘
導された。線形分子の得た非対末端は、DNAポリメラ
ーゼを用いて満たされ、得られたプラント末端はT4
DNAリガーゼを用いて再結合された。ARS1配列に
近接するEcoRI部位を保持する得たプラスミドを次
に選択した。ARS1配列はPstIと EcoRIで
の消化により除かれ、酵母2μDNAの複製オリジーン
を含むプラスミドYEp13(ブローチ(Broac
h)ら、ジーン(Gene)8:121−133,19
79)のPstI−EcoRIフラグメントで置き代え
られた。MW5と呼ばれる得たプラスミドを第2図に示
す。CDC4領域は、高コピー数酵母ベクター中への挿
入のためにpB4から再び分離された。そのようなベク
ターは、酵母2 プラスミドの複製のオリジン、及び興
味ある外来遺伝子のためのクローニング部位として働く
一以上の制限酵素開裂部位を含むであろう。好ましく
は、そのような部位はプラスミド上のユニーク部位であ
ろう。好ましいベクターはMW5であり、これは酵母2
ラスミド複製オリジンとユニークEcoRIと Ba
m HIクローニング部位を含む。第2図において、プ
ラスミドMW5は、プラスミドYR7′(スティンクコ
ムら、ネイチア282:39−43、1979)から、
EcoRIで部分的開裂により平均分子当り二つのEc
o RI部位の一つを開裂することによって誘導され
た。線形分子の得た非対末端は、DNAポリメラーゼを
用いて満たされ、得られたブラント末端はT4 DNA
リガーゼを用いて再結合された。ARS1配列に近接す
るEll RI部位を保持する得たプラスミドをつぎに
選択した。ARS1配列はPst1とEll RIでの
消化により除かれ、酵母2μDNAの複製オリジンを含
むプラスミドYEp13(ブローチ(Broach)
ら、ジーン(Gene)8:121−133,197
9)のPstRIフラグメントで置きかえられた。MW
5と呼ばれる得たプラスミドを第2図に示す最終的な
DC4含有安定プラスミドを構成するために、MW5は
EcoRIとBamHIで開裂された。CDC4フラグ
メントは、プラスミドpB4から、プラスミドをBam
HIとEco RIで消化することにより精製された。
T4DNA リガーゼを用いて二つのフラグメントを結
合し、そのようにして作ったキメラ分子を大腸菌株RR
I(ナスミスとリード、上述)中に形質転換し、アンピ
シリン耐性、テトラサイクリン感応性のコロニーについ
て選択した。一つのそのようなコロニーから分離された
プラスミドpB5(第2図に示す)は、酵母2μ複製オ
リジン、pBR322プラスミド配列、選択マーカーT
RP1、酵母CDC4コード配列の19kb,及びユニ
ークEcoRクローニング部位を含む。
B.宿主CDC4遺伝子の崩壊のためのプラスミドの構
成 本発明に従うCDC4含有プラスミドの、形質転換され
た宿主における安定性は、宿主における機能性CDC4
遺伝子の欠損に依存する。プラスミドと染色DNAの間
の組換えを除くために、宿主ゲノムとCDC4含有安定
プラスミドの間に相同性が存在しないことが更に望まし
い。適当に除去されたCDC4座を持つ酵素株を得るた
めに、野性型CDC4遺伝子を含む酵母宿主は、崩壊さ
れた“CDC4遺伝子”(ロスステイン、上述)を持つ
線形化されたプラスミドフラグメントにより形質転換さ
れうる。線形化されたプラスミドフラグメントは、フラ
グメントの自由末端が CDC領域内での組換えを高め
るであろう故に、好ましい形質転換剤である。そのよう
なプラスミドフラグメントは、完全なゲノムCDC4
との組換えを促進するためにその求端で完全なCDC4
フランキング領域を持つであろう。プラスミド フラン
キングのCDC4フランキング領域の間に挿入された遺
伝子物質は、形質転換された宿主中で選択されうる表型
的特徴(TRP1又はLEU2のような選択マーカー)
をコードするであろう。崩壊するプラスミドは好ましく
はまた、宿主ゲノム中への崩壊されたCDC4選択マー
カー配列の組込みについて選択するために、複製の酵母
オリジンを欠くであろう。線形化されたプラスミドでの
形質転換に続いて、遺伝子組換えは宿主のゲノム配列の
代りに崩壊された配列の置換を結果する。CDC4遺伝
子が今や除去された細胞は次に、崩壊において用いられ
たマーカーに従って選択できる。宿主ゲノムの一段階崩
壊のための方法は、ロスステイン(上述)により記述さ
れている。上述のように、宿主株を完全な安定プラスミ
ドと線形プラスミドによる共形質転換の追加的改善によ
り崩壊が行われて、宿主ゲノムの崩壊の達成に加えて宿
主の安定プラスミドの形質転換もまた行われる。宿主
DC4 座の崩壊のための好ましいプラスミドは、pB
15Lであり、第3図に示される。それは、CDC4
フランキング領域とベクターpUC 13(ビエイラ
(vieira)とメッシング(hessing),ジ
ーン19:259−268,1982,及びメッシン
グ,メセッド イン エンザイモロジー101:20ー
77,1983)の間に挿入された酵母LEU2遺伝子
を含む。酵母とベクター配列の結合点で線形化されそし
て適当な酵母宿主株中に形質転換されるとき、プラスミ
ドはCDC4 領域のためのLEU2配列の置換から得
られた宿主ゲノムにおけるCDC4の欠失を作る。宿主
株において、ロイシン栄養要求性の崩壊された形質転換
体は次に、ロイシン原栄養性に基づいて選択されうる。
プラスミドpB15Lを構成するために、CDC4
伝子及びその5′−及び3′−フランキング領域を含む
6.4kbフラグメントが、pJY51のBamHI消
化物から精製された。このフラグメントは、プラスミド
pB14を作るためにBamHI消化されたpUC13
中に挿入された。CDC4 コード領域の多くが、pB
14をClaIで消化し、pUC13とCDC4 フラ
ンキング配列を含む比較的大きなフラグメントを精製す
ることにより除去された。フラグメント末端は、xho
I(Bgl II)スマートリンカー(ワーシングトン
ダイアゴノスチック(worthington Dia
gonostic)の付加により修飾され、YEp 1
3の2.8kbBgl IILEU2フラグメント(ブ
ローチら、ジーン8:121−133.1979)が得
られた粘性末端に結合された。そのように作られたDN
Aは、大腸菌株RRIを形質転換するために用いられ
た。形質転換体は、酵母LEU2配列が大腸菌宿主中の
leu B欠陥を補うきで、ロイシン原栄養性に基づい
て選択された。プラスミドpB15Lが、そのような形
質転換された一つのコロニーから精製された。プラスミ
ドpB15Lは、5′及び3′フランキング配列に加え
CDC4コード配列の5′末端の僅か約50塩基対を
含む。プラスミドpB5とpB15Lのマップの比較
は、それらの各々のCDC4配列の間の相同性の欠除を
示す。なぜならpB15LのCDC4−LEU2遺伝子
融合の結合点がpB5中に存在するCDCフラグメント
の領域の外に位置しているからである。この相同性の欠
除は、pB5と宿主細胞における崩壊されたCDC4
座の間の組換えを除く。
C.S.セレビシエの共形質転換 同時的に、ゲノムCDC4 遺伝子を除去しかつプラス
ミドpB5を導入するために、酵母細胞がBamHI開
裂されたpB15Lと完全なプラスミドpB5により共
形質転換された。形質転換において用いられるべき宿主
株は、プラスミドpB5とゲノムCDC4 崩壊の同時
選択のために、トリプトファンとロイシンについて栄養
要求性でなければならない。株A2(MATα leu
2−2,112 his 3−11,15 can
;スゾスタク,メソッド インエンザイモロジー10
1:245− 252,1983)の株GEB7(実施
例1A 参照)の交配から得られた株A2.7.c(
ATα cdc4−3 trp1 leu2−1,112
lys1 his3−11,15 can1)が用い
られた。典型的な共形質転換実験において、対数増殖相
のS.セレビシエA2.7.cの培養物の10mlが、
約6μgのBamHI消化されたpB15L,1μgp
B5及び担体としての10μg子ウシ胸腺DNAにより
形質転換された。形質転換条件は、ベッグズ(上述)に
記述された通りである。細胞は、ロイシンとトリプトフ
ァンを欠く培地上に置かれた。それらは、22゜で一夜
増殖され、37゜に移された。約30のコロニーが得ら
れた。pB5単独での対照の形質転換及びトリプトファ
ン原栄養性についての選択は、約1000の形質転換体
を作った。六つの共形質転換されたコロニーは、CDC
座の崩壊を検証し、そしてpB5プラスミドの安定性
をテストするために分析された。ゲノムDNAは、アブ
ラハム(Abraham)ら(コールド スプリング
ハーバー シンポジングクオンタムバイオロジー47:
989−998,1983)による方法により共形質転
換体から分離され、EcoRIとBamHIで消化さ
れ、アガロースゲル上で電気泳動され、ニトロセルロー
スに移された(サザーン,J.Mol.Biol.9
8:503−517,1975)。ブロットは、pB1
5Lに存在しpB5に存在しないCDC4 の5′フラ
ンキング領域からの2.5kb BamHI−Hind
IIIフラグメントによりプローベされた。第4図は、
プローべが非形質転換細胞からのDNAの6.4kbフ
ラグメントにハイブリッドしたことを示す。(レーン
b);この6.4kb BamHIフラグメント内にE
coRI部位はない。LEU2 配列がEcoRI部位
を含むので、CDC4 座の崩壊はハイブリッド化帯の
サイズの減少を結果する(第4図で矢印で示す)。これ
は、レーンc,d.f,g及びhにおいて示された形質
転換体の場合である。レーンeは、いく分異るパターン
を示し、ゲノムサイズ帯を保持し、ゲノムCDC4
欠失が起きなかったことを示す。(レーンc〜hに見ら
れる比較的小さな帯は、レーンaとbにおける対照のパ
ターンにより示されるように、ゲル精製されたプローベ
の汚染による。)六つの共形質転換体が、複合培地(Y
EPD)上で増殖することによりプラスミド安定性をテ
ストされる。細胞は、液状YEPD中で25゜で30世
代に亘って増殖され、次にYEPD上で25゜でプレー
トされ、そして37゜のYEPD.トリプトファン欠除
培地及びロイシン欠除培地上にレプリカ プレートされ
た。表1にまとめた結果は、#3を除く総ての共形質転
換体は、複合培地上でプラスミドマーカーについて10
0%安定であったことを示す。(分離番号3は、第4図
のレーンeに示された同じ共形質転換体である。)二つ
の共形質転換体、番号1及び2.についてさらに安定性
テストが実施された。テストは、各々663と681の
コロニーについて行われた。30゜でYEPD上での3
0世代の増殖後に、総てのコロニーはトリプトファンと
ロイシンに対して原栄養性であった。共形質転換体#1
は、22゜で増殖速度をテストされ、非形質転換のA
2.7.c対照と同じ速度で増殖することが判った。共
形質転換体#1は、BELL1と名付けられた。それ
は、ATCCに寄託番号20698として寄託された。
実施例 2 シゾサッカロミケス ポンベPOT1遺伝子 A.選択マーカーとしてのS.ポンベPOT1遺伝子 サッカロミケス セレビシエ TPI1遺伝子は、トリ
オースホスフェートイソメラーゼ蛋白質をコードし、
pi1 欠陥を補うことにより得られた(カワサキとフ
レンケル,上述;アルバーとカワサキ,上述)。驚くべ
きことに、S. ポンベ からの相同遺伝子は、同じ
S.セレビシエtpi1 突然変異を補うことにより分
離された。POT1pombriose ph
osphate isomerase)と名付けられた
S.ポンベ TPI遺伝子は、Sau3Aにより部分的
に消化されベクターYEp13中に挿入されたゲノム
S.ポンベ DNAを含むところの、ラッセル(Rus
sell)とホール (Hall),(J.Biol.
Chem.258;143−149,1983)により
記述されたライブラリーからクローンされた。予備的D
NA配列(マキサム(Maxam)とギルバート(Gi
lbert)Meth,in Enzymology
65;497−559,1980 の方法による)は、
POT1 遺伝子がTPI蛋白質をコードし、該蛋白質
は他の生物からのTPI蛋白質と相同であることを示し
た(アルバーとカワサキ、上述)。このPOT1 DN
A配列は、S.セレビシエ TPI1DNA配列及び各
蛋白質配列と共に第5図に示される。S.ポンベ PO
T1遺伝子は、S.セレビシエにおける選択マーカーと
してS.セレビシエ TPI1 遺伝子よりも、この実
施例で好まれる。S.セレビシエにおけるPOT1
ような外来遺伝子は、異る宿主細胞中では良好に機能せ
ず、従って宿主細胞欠陥を補うためにより高いコピー数
を必要とするかも知れない。また酵母プラスミド上の選
択しうるPOT1 遺伝子は、同じベタター上の産業上
重要な遺伝子の発現のために内在TPI1 プロオータ
ー及びTPI1ターミネーター(POT1 との相同性
を示さない対照領域)の使用を可能にする。POT1
及びTPI1のフランキング領域は相同性を示さないの
で、分子内組換え及び結果としてのプラスミド不安定性
が低減される。最後に、POT1遺伝子はS.セレビシ
エ染色体DNAと組換わらないようである。なぜなら、
それは、TPI1配列とDNAレベルで少ししか相同性
を共有せず、TPI遺伝子の多くは宿主株において除去
された。すなわち、POT1 含有プラスミドは、酵母
において産業的に興味ある外来遺伝子の高められた発現
のために望ましい高いコピー数を保持しうる。POT1
遺伝子を含むプラスミドは、S.セレビシエ株N58
7−2D(カワサキとフレンケル、上述)におけるtp
i1 突然変異の補償によりラッセルとホール(上述)
のS.ポンベ から同定された。このプラスミドpPO
Tの制限地図を第6図に示す。pPOTはベクターYE
p13を含むので、それは本来的に不安定である。なぜ
なら、それは酵母において2μプラスミドの維持のため
に必要な複製機能を欠くからである。従って、POT1
遺伝子は、より有能なベクターたとえばC1/1及び完
全な2μプラスミド配列を含む関連ベクター中に動かさ
れうる。プラスミドC1/1は、pJDB248(ベッ
グズ,ネイチア275:104−109,1978)及
びpBR322から本明細書の実施例3に記載されるよ
うに誘導された。それは、酵母2μプラスミドDNA,
選択しうるLEU2遺伝子及びpBR322配列の総て
を含む。POT1遺伝子は、約3400塩基対のBam
HI−XbaI制限フラグメントとしてpPOTから分
離され、pUC13の対応するポリソンカー部位中に挿
入された。得たプラスミドは、pUCPOTであり、そ
の部分的制限地図を第6図に示す。pUCPOTプラス
ミドは、S.ポンベとS.セレビシエDNAの約180
0塩基対を除去するためにSa1Iで切断され、そして
再リゲートされる。この得たpUCPOT−Sa1プラ
スミドは、第6図に示される。POT1遺伝子は、以下
の方法でC1/1中に入れられた。C1/1及びpUC
POT−Sa1の両者は、アンピシリン耐性遺伝子中に
Bg1I部位、及びどこか他の位置にユニークBamH
Iを有すので、pUCPOT−Sa1のPOT1フラグ
メントは、C1/1のpBR322領域の一部に置き代
わりうる。C1/1はBg1I及びBamHIで切断さ
れて、amp遺伝子の一部、2μDNAの総て、及び
LEU2遺伝子を含む約7700塩基対の大きなフラグ
メントを遊離した。同様に、pUCPOT−Sa1はB
g1I及びBamHIで切断され、amp遺伝子の別
の一部及びPOT1遺伝子を含む約3400塩基対のフ
ラグメントを遊離した。これら二つのフラグメントをリ
ゲートしてpCPOTを形成し、これは回復された選択
しうるamp遺伝子、POT1遺伝子、LRU2遺伝
子、総ての2μDNA、及びpUC13からの複製領域
のバクテリアオリジンを含む(pUC13からのバクテ
リアオリジン領域は、rBR322のオリジン領域が行
うよりもより高いプラスミドコピー数を可能にする)。
pCPOTで形質転換された大腸菌株HB101は、寄
託番号39685としてATCCに寄託された。POT
遺伝子はまた、同様の構成によりC1/1誘導ベクタ
ー中に挿入されうる。たとえば、プラスミドpFAT5
(第7図)は、C1/1に挿入されたヒトα−1−アン
チトリプシン(AT)の産生のための発現ユニットを含
む。この発現ユニットは、実施例4で述べるように作ら
れ、TPI1プロモーター、ATcDNA配列、及び
PI1転写ターミネーターより成る。pFAT5の制限
地図は、第7図に示される。pFAT5は、Bg1 I
とBamHIにより切断され、AT遺伝子とTPI1
ーミネーターを含むフラグメント(2200塩基対)を
遊離した。また、上述したようにC1/1Bg1I−B
amHIフラグメントと同一のBg1I−BamHIフ
ラグメントが遊離される。但し、pFAT5からのフラ
グメントは、TPI1プロモーターを含むさらに900
の塩基対を含む。この後者のpFAT5片及びpUCP
OT−Sa1 3400bp Bg1 I−Bam H
Iフラグメント(上述した)は、プラスミドpFPOT
を形成するためにリゲートされ、これは第7図に示す制
限地図を持つ。ベクターpFAT5はユニークBamH
I部位で切断され、2200塩基対AT遺伝子及びpF
AT5からのTPI1ターミネーターフラグメントの挿
入を可能にする。pFPOT中への適当な定位の220
0bpフラグメントのクローニングは、この酵母ベクタ
ー中のヒトATの発現を許す。適当にリゲートされた生
成物は、pFATPOTと名付けられ、その制限地図を
第7図に与える。
B 宿主TPI 遺伝子の崩壊サッカロミケース セレビシエ TPI1 遺伝子がク
ローンされ、配列決定された(カワサキとフレンケル、
上述、及びアルバートカワサキ、上述)。TPI蛋白質
のための構造遺伝子を含むプラスミドpTPIC10
は、アルバーとカワサキ(上述)に記載されている。B
g1II部位が、TPI1 コード領域のDNA位置2
95に存在し、もう一つのBg1 II部位が5′フラ
ンキング領域において約1200塩基対離れて位置す
る。これらBg1 II部位は、TPI1 遺伝子の一
部を除去するため及び別の遺伝子たとえば酵母LEU
遺伝子を挿入するために慣用のクローニング部位であ
る。そのような構造物は、形質転換された宿主における
ゲノムTPI1 座の崩壊を作るために用いられうる。
TPI1の5′フランキング領域における約−1800
は、Pst1部位である。従ってpTPIC10におい
TPI1 遺伝子が、5′側でPst1部位によりそ
して3′側でSal I部位(tet遺伝子におけ
る)によりフランクされる。TPI1を含むこのPst
I−Sal Iフラグメントが、PstI及びSal
I部位でpUC13に挿入されてpUCTP1を作っ
た。PstI−Sal I挿入物(pUC13への)の
制限マップを、第8図に示す。次にプラスミドにpUC
TPIがBgl IIで切断され、二つのDNAフラグ
メントが電気泳動により分離された。比較的大きなプラ
スミドが精製され、自己結合を防ぐためにホスホァター
ゼ分解された。このDNAのBgl II部位中に酵母
LEU2遺伝子がリゲートされ、これはBgl IIフ
ラグメントとしてプラスミドYEp 13(ブローチ
ら、ジーン8:121−133,1979)から除去さ
れたものである。得られたプラスミドは、pUCTPI
−LEU2であり、これはTPI1の部分的欠失及び
EU2 の挿入を有する。pUCTPI−LEU2を第
8図に示す。プラスミドpUCTPI−LEU2は、D
NAを線形化するためにPst1とBamHIで切断さ
れた。次に酵母配列が、電気泳動及びゲル精製によりp
UC13配列から分離された。第8図に示される酵母D
NA部分は、TPI1染色体遺伝子(ロスステイン、上
述)を「崩壊する」ために、LEU2 について欠陥の
あるS. セレビシエ株E2−7B(ATCC No.
20689)を形質転換するために用いられる。leu
形質転換体は、3%グリセロール、1%ラクテート
(pH7に中和された)、1Mソルビトール及びロイシ
ン不含の合成(修正ウィッケラムの)培地(モルチマー
とホーソーン著、ローズとハリソン編、ザイーストvo
l.1、385−460、アカデミックプレス、196
9)上で選択された。形質転換体は、YEP−デキスト
ロース上でのその増殖不能によりTPI欠陥についてス
クリーンされた。初めの 99のスクリーンされた形質
転換体のうち一つのtpi性質転換対が見い出され
た。この株は、E2−7BΔtpi#29(以下、Δ
tpi #29と云う)と名付けられた。Δtpi#2
9は、YEP−3%グリセロール−1%ラクテート上で
増殖したが、YEP−デキストロース上で増殖しなかっ
た。粗細胞抽出物で酵素評価(クリフトン(clift
on)ら、ジェネティクス 88:1−11,198
0)か行われ、Δtpi #29が、検出できるレベル
のトリオースホスファートイソメラーゼ活性を欠くこと
が確認された。Δtpi #29は、tpi欠失につ
いてヘテロ接合性である二倍体を形成するために、他の
酵母株に交配されうる。そのような二培体は、トリロー
ス ホスフェート イソメラーゼについて欠陥的な他の
株が発生されうるように、胞子形成されうる。たとえ
ば、Δtpi #29は、E8−10A(Matα
eu2)(雑種E2−7BXGK100〔ATCC20
669〕の胞子分離体)に交配されて、二培体E11を
形成した。この二培体は胞子形成されて、半数体子孫E
11−3Cを発生した。これは次のゲノタイプを持つ:
Matα pep4−3 tpi1。E11−3CがΔ
tpi #29に戻し交配されて二培体E18を形成し
た。これはtpi1欠失についてホモ接合性である。E
18、アミノ酸要求を持たず、より大きな細胞を持ち、
より速く増殖するので、プラスミドのための宿主株とし
てΔtpi #29より好ましい。これらtpi
は、解糖機能をコードする遺伝物質について欠失してお
り、従って戻らない(すなわち安定な)突然変異体であ
ると考えられる。
C.S.セレビシエ tpi欠失株へのPOT1遺伝
子の形質転換 プラスミドpFPOT及びpFATPOTが、Δtpi
#29及び関連するtpi欠失株に形質転換された。
この酵母突然変異体は、30゜でYEP−2%ガラクト
ース中で対数相後期まで一夜好気的に増殖された。形質
転換条件は、ベッグズ(上述)により記載された通りで
あったが、但し細胞は、上部寒天にプレートされる前に
YEP−デキストロースの代りに1Mソルビトールを含
むYEP−3%グリセロールー1%ラクテート又はYE
P−2%ガラクトース中で1〜2時間30゜で回復する
のを許された。上部寒天及びプレートは、1Mソルビト
ール及び2%デキストロースを含む合成の、修正ウィッ
カラム培地を含んだ。30゜で3日後に、形質転換体は
見え、YEPDへのレプートのために寒天から取り離さ
れた。その後、形質転換体は、YEPD又はデキストロ
ースを含む他の複合培地上で維持された。pFATPO
Tで形質転換された株E18は、ZYM−3と名付けら
れた。それは、寄託番号20699でATCCに寄託さ
れた。
複合培地上でのpFPOT及びpFATPOTの安定性 プラスミド安定性を研究するために、単一細胞からのコ
ロニーを、YEPDを含む試験管に接種し、合計10
細胞(約30分裂)まで増殖を許した。酵母細胞を音波
処理して塊を破壊し、適当倍希釈し、tpi細胞(
OT1遺伝子を担持するプラスミドあり又はなし)の増
殖を許すYEP−2%ガラクトース又はYEP−2%グ
リセロールー1%ラクテート上にプレートされた。YE
P一ガラクトース上で生じたコロニーは次に、プラスミ
ドの欠損についてスクリーンするためにYEPD上にレ
プリカプレートされた(すなわち、POT1含有プラス
ミドを失ったtpi細胞はデキストロース上で増殖し
ないであろう)。表2にまとめた結果は、pFPOTと
pFATPOTプラスミドが、酵母tpi欠失株にお
いて安定であることを示す。それらは驚ろくべきこと
に、動原体を含む酵母プラスミドよりはるかに安定であ
る動原体を持つプラスミド(これはコピー数が小さい)
は、酵母について報告された最も安定なプラスミドの一
つであり、複合培地での一回の分裂当り約1%の細胞の
確率で一般に失われる(マーレイとスゾスタク、上述、
を動原体プラスミド安定性の総説として参照された
い)。表2に示すように、ここで述べるPOT1プラス
ミドは、tpi欠失株において複合培地での30回分
裂後に1%未満の確率で失われる。
D.POT1プラスミドを用いるS. セレビシア
おけるヒトα−1−7ンチトリプシンの発現 形質転換された酵母における異種蛋白質の発現を高める
ためのPOT1プラスミドの使用をテストするために、
プラスミドpFATPOT及びpFAT5を、各々S.
セレビシア株Δtpi #29及びE2−7Bを形質
転換するために用いた。形質転換された細胞は、デキス
トロースを含むロイシン不含培地で選択された。培養菌
は、30゜で3〜4のO.D.600まで増殖された細
胞抽出物を調製し、実施例5記載のようにATについて
評価した。pFATPOT/Δtpi #29により作
られたとき4〜6%の合計可溶蛋白質を示した。pFA
T5/E2−7Bにより作られたとき2〜3%の合計可
溶蛋白質を示した。プラスミドコピー数は正確に測定し
平均個体数を表わすことが困難であるが、遺伝子生成物
量の経験的観察は、相対的プラスミドレベルの指標を与
え、発現ユニット(プロモーター、興味の遺伝子、ター
ミネーター)は変わらないことを示す。従ってpFAT
POTは、これがそれから誘導されたところのpFAT
5よりも機能的に数がより大きいようである。二つの形
質転換株は遺伝的にほぼ同一であり(Δtpi #29
はプラスミドに向けられた突然変異化によりE2−7B
から誘導された)、同じ条件下で増殖されたので、これ
らの結果は従来記載されるベクターを上向る本明細書記
載の安定なプラスミド発現系の値を示す。
実施例 3 プラスミドC1/1の調整 C1/1が、プラスミドpJDB248(ベッグズ、
J.,ネイチア275、104−109、1978)か
ら作られた。pMB9配列が、EcoRIによる部分的
消化によってpJDB248から除かれ、EcoRIで
切断されたpBR322DNAにより置代えられた。C
1/1の制限地図を第6図に示す。C1/1プラスミド
は、EcoRI部位でのpBR322挿入を伴い、酵母
S.セレビシエ)からの全2μDNAを含む。それは
また、LEU2 遺伝子を含む。
実施例 4 プラスミドpFAT5の調整 ヒトα−1−アンチトリプシン(AT)の主な形をコー
ドする遺伝子が、DNAハイプリダイゼーションプロー
べとしてヒヒ配列を用いる慣用の方法によりヒト肝臓c
DNAライブラリーから分離された(クラチら、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA78:682
6−6830、1980;及びチャンドラら、Bioc
hem.Biophys.Res.Comm.103:
751−758、1981)。このライブラリーは、ヒ
ト肝臓cDNAをプラスミドpBR322のPstI部
位に挿入することにより構造された(ボリバーら、ジー
ン2:95−113.1977)。AT遺伝子は、15
00塩基体(bp) PstIフラグメントとしてライ
ブラリーから分離された。このフラグメントは、プラス
ミドpUCα1を作るために、pUC13のPstI部
位に挿入された。pUCα1において、AT配列は、ポ
リリンカーにおいてXbaI及びEcoRI部位により
3′末端でフランクされた。TPIターミネーターが、
約700bpのXbaI−EcoRIフラグメントとし
てプラスミドpFG1(アルバーとカワサキ、上述)か
ら精製され、XbaIとEcoRIで開裂されたpUC
α1中に挿入された。この構造物は次に、EcoRIで
切断され、オリゴヌクレオチド リンカー(配列:AA
TTCATGGAG GTACCTCCTAG)が多重
リンクされたコピーで付加されて、TPIターミネータ
ーの3′末端にBamHI部位を与える。得たプラスミ
ドはBAT5として知られる。TPIプロモーターフラ
グメントがプラスミドpTPlC10(アルバーとカワ
サキ、上述)から得られた。このプラスミドは、ユニー
クKpnI部位で切断され、TPIコード領域をBa1
31エキソヌクレアーゼにより除去し、EcoRIリン
カー(配列:GGAATTCC)がプロモーターの3′
末端に付加された。BglII及びEcoRIでの消化
は、BglII及びEcoRI粘性末端を持つTPIプ
ロモーターフラグメントを与えた。このフラグメントは
次に、BglIIとEcoRIで切断したプラスミドY
Rp7′(スティンクコムら、ネイチア282:39−
43、1979)に結合された。得たプラスミドTE3
2を、テトラサイクリン耐性遺伝子の一部を除去するた
めにEcoRIとBamHIで開裂した。線形化された
プラスミドは次に、プラスミドTEA32を作るため
に、上述のEcoRI−BamHIリンカー付加により
再線形化された。次にTEA32は、BglIIとBa
mHIで開裂され、TPIプロモーターは約900bp
のフラグメントとして精製された。プラスミドpFAT
5を構造するために、プラスミドC1/1をBamHI
で線形化し、TEA32からの900bpTPIプロモ
ーターフラグメントに結合した。プラスミドFとして知
られる得た構造物は、TPIプロモーターの3′末端に
位置するユニークBamHI部位を持つ。このプラスミ
ドはBamHIで切断され、ATコード領域とTPIタ
ーミネーターを含む2200bpBamHIフラグメン
トがBAT5から精製され、BamHI部位中に挿入さ
れた。pFAT5として知られる得たプラスミドは、第
7図に示される。
実施例 5 α−1−アンチトリプシンについての評価 対照として、100μg/mlトリプシン溶液の10μ
l(1μg)、ウシ血清アルプミンの100μg(10
0μl)及び1mMベンゾイルアルギニフイル−p−ニ
トロアニリドを含むpH8.0の緩衝液0.05M T
RISの100μlを混合し、405nmでの吸光度の
増加を分光光度計で経時測定した。この溶液の吸光度値
は、100%トリプシン活性の標準として用いられた。
総ての評価されだサンプルは、同じ濃度の基質及びウシ
血清アルブミンを含む。
【図面の簡単な説明】
第1図は、プラスミドpB4の構造を示す。 第2図は、プラスミドpB5の構造を示す。 第3図は、プラスミドpB15Lの構造を示す。 第4図は、プラスミドpB5及びpB15Lで共形質転
換されたS.セレビシエ(cerevisiae)株A
2.7.cからのDNAのサザーンブロフトを示す。 第5図は、S.ポンベ(pombe)POT1及びS.
セレビシエTPI1遺伝子の配列を、各々の推定された
蛋白質配列とともに示す。 第6図は、プラスミドpCPOTの構造を示す。 第7図は、プラスミドpFATPOTの構造を示す。 第8図は、プラスミドpTPI−LEU2の構造を示
す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスミドpB4の構造を示す。
【図2】プラスミドpB5の構造を示す。
【図3】プラスミドpB15Lの構造を示す。
【図4】プラスミドpB5及びpB15Lで共形質転換
されたS.セレビシエ(cerevisiae)株A
2.7.cからのDNAのサザーンブロットを示す。
【図5】S.ポンベ(pombe)POT1及びS.セ
レビシエTPI1遺伝子の配列を、各々の推定された蛋
白質配列とともに示す。
【図6】S.ポンベ(pombe)POT1及びS.セ
レビシエTPI1遺伝子の配列を、各々の推定された蛋
白質配列とともに示す。
【図7】S.ポンベ(pombe)POT1及びS.セ
レビシエTPI1遺伝子の配列を、各々の推定された蛋
白質配列とともに示す。
【図8】S.ポンベ(pombe)POT1及びS.セ
レビシエTPI1遺伝子の配列を、各々の推定された蛋
白質配列とともに示す。
【図9】プラスミドpCPOTの構造を示す。
【図10】プラスミドpFATPOTの構造を示す。
【図11】プラスミドpTPI−LEU2の構造を示
す。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【図5】
【図1】
【図2】
【図3】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/15 // C12N 9/99 9161−4B (C12P 21/00 C12R 1:865) (C12N 1/19 C12R 1:865) (C12N 1/21 C12R 1:19) (72)発明者 グレン カワサキ アメリカ合衆国 ワシントン州 98112 シアトル イースト シックスティーンス アベニュー 1547 (72)発明者 レスリー ベル アメリカ合衆国 ワシントン州 98102 イースト シアトル ボイアー アベニュ ー 2518

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 宿主細胞における欠陥を補う遺伝子を含
    むDNA構造物において、該欠陥が複合培養基での正常
    細胞増殖のために必要な機能にあり、DNA配列がα−
    1−アンチトリプシンをコードするDNA構造物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のDNA構造物を含む形質
    転換体株。
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