JPH0622763B2 - 放電加工装置 - Google Patents

放電加工装置

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JPH0622763B2
JPH0622763B2 JP15325287A JP15325287A JPH0622763B2 JP H0622763 B2 JPH0622763 B2 JP H0622763B2 JP 15325287 A JP15325287 A JP 15325287A JP 15325287 A JP15325287 A JP 15325287A JP H0622763 B2 JPH0622763 B2 JP H0622763B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電極と被加工物間で放電を発生させ、この放
電エネルギで被加工物を切削加工する放電加工装置に関
するものである。
[従来の技術] 従来、この種の放電加工装置には、被加工物を棒状電極
で穴加工するものと、被加工物にあらかじめドリルであ
けた初孔にワイヤ電極を通し、このワイヤ電極と被加工
物を相対的に移動させて被加工物を切断加工するものと
がある。
以下、この放電加工装置の概要を、第20図に示すワイ
ヤ電極使用の放電加工装置を例に説明する。図におい
て、1は被加工物で、その初孔1aに通されたワイヤ電
極2との間に絶縁性の液3を供給介在させている。
上記絶縁性の液3を以下「加工液」と記述する。加工液
は、タンク4からポンプ5により吸い上げられ、パイプ
6の先端に取り付けられたノズル7から被加工物1とワ
イヤ電極2の間隙(極間間隙)に噴射し供給される。
被加工物1とワイヤ電極2との間の相対運動は、被加工
物1を載せているテーブル12の移動により行われる。
テーブル12の移動は、X軸駆動モータ13とY軸駆動
モータ14をそれぞれ回転制御することにより行われ
る。以上の構成により、被加工物1と電極2の相対運動
は互いに直交するX,Y軸平面内において2次元平面の
運動となる。
ワイヤ電極2は、ワイヤ供給リール8より供給され、順
に下部ワイヤガイド9A,被加工物1中を通過して上部
ワイヤガイド9Bに達し、電気エネルギ給電部10を介
してワイヤ巻取り兼テンシヨンローラ11により巻き取
られる。
上記X,Y軸の駆動モータ13,14の駆動および制御
を行う制御装置15は、数値制御装置(NC制御装置)
や倣い装置、あるいは電算機を用いた制御装置が用いら
れている。
電気エネルギを供給する加工電源16は、例えば、直流
電源16a,スイツチング素子16b,電流制限抵抗1
6cおよびスイツチング素子16bを制御する制御回路
16dによつて構成されている。
次に、従来装置の動作について説明する。加工電源16
からは高周波パルス電圧が被加工物1とワイヤ電極2間
に印加され、1つのパルスによる放電爆発により被加工
物1の一部を溶融飛散させる。この場合、極間間隙は高
温によつてガス化およびイオン化しているため、次のパ
ルス電圧を印加するまでには一定の休止時間を必要と
し、この休止時間が短すぎると極間状態が十分に絶縁回
復しないうちに、再び同一場所にて放電が集中しワイヤ
電極2の溶断を発生させる。
したがつて、通常の加工電源では被加工物の種類、板厚
等により加工電源16の休止時間等の電気条件をワイヤ
電極切れを生じさせない程度の十分な余裕を持つた条件
で加工するのが普通である。したがつて、加工速度は理
論的限界値より相当低くならざるを得ない。さらにワイ
ヤ電極2が均一でなく太さが変化する場合、もしくはワ
イヤ電極の一部に突起やキズ等があり放電が集中した場
合にはワイヤ電極2の溶断すなわち断線は避けられな
い。
[発明が解決しようとする問題点] 以上のように従来のワイヤカツト放電加工装置では、ワ
イヤ電極2の断線を引き起こさないようにするため、加
工電源16の出力エネルギを少なくする等、仮に放電の
集中がワイヤ電極2の一点に集中しても断線しないよう
にしていたため、加工速度が著しく低いという問題点が
あつた。
そこで、従来、加工状態の良否あるいは電極の損傷直前
状態を判別し、この判別結果に基づいて自動的に正常加
工状態に復帰させ、あるいは電極の損傷を回避させるよ
うな安全対策を施して、加工速度を低下させないように
することが行われている。
この場合、加工状態の良否あるいはワイヤ電極の断線の
直前状態を判別するのに最も一般的な手段は、上記極間
電圧値の平均値を観測することである。すなわち、平均
電圧値が低い時は、極間間隙のインピーダンスが低い場
合であつて、短絡あるいはスラツジとか加工粉の滞留に
より、放電のための絶縁破壊が起こりやすくなり放電集
中(ワイヤ切断の最大原因)が発生していることを示す
からである。
しかし、狭ギヤツプでの加工(精度の良い加工に不可
欠)においては、正常な極間状態でも短絡が頻発するの
で、この短絡を検知して安全対策を施していたのでは、
やはり加工能率が著しく低下するという問題点があつ
た。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもの
で、加工速度を低下させることなく適確に加工状態の良
否を判別し、電極の損傷事故を未然に防止することので
きる放電加工装置を得ることを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明に係る放電加工装置は、電極と被加工物間での放
電により加工された被加工物の単位時間あたりの除去量
(重量加工速度であるが、以下、単に「加工速度」と記
述することもある。)を、平均加工電流で除した値を評
価値として極間状態を判定するものである。以下、この
値を「電流効率」と呼称する。
そして、該電流効率の値を、あらかじめ設定した基準値
との大小関係の比較結果に基づいて極間状態を判別する
極間間隙状態判別手段を設け、この判別手段の出力に基
づいて電流効率を自動的に設定値に復帰させる制御手段
を備えたものである。
さらに、本発明において、電流効率Jは、短絡に近い値
をJ,加工液と電流波形及び電極と被加工物の種類に
よって決まる実験値であってその加工条件において安定
加工を行うときの電流効率の最大値をJとし、その最
大電流効率Jの1/2〜2/3の値をJとすると
き、J>Jで、かつ、J<Jとなるように制御され
る。
また、この電流効率を制御する各種の態様は、以下の説
明で明らかにされる。
[作用] 本発明においては、上記電流効率を求めることにより極
間状態の良否の判定が可能となる。すなわち、電流効率
とは、加工電流中の加工に寄与している電流の割合を示
すものであり、電極と被加工物の短絡電流や極間のスラ
ツジを通して流れる電流、あるいは加工の際の発熱(6
000℃〜8000℃)によつて生じた生成物を流れる
電流とか熱分解によるガス中を流れる電流のような加工
に寄与しない電流を除いたものである。一般的には、放
電電流のピーク値や幅あるいは加工液の種類によつて電
流効率は異なる。例えば、水を加工液とし、電極が銅、
被加工物が鉄で放電電流のピーク値が100〜1000
A,そのパルス幅が1〜10μsecの時には0.5mg/se
c・A程度であり、加工液がケロシンで、電流ピーク値
が5〜100A,パルス幅が10〜500μsecの時は
0.8mg/sec・A程度である。加工液と電流波形および
電極と被加工物の種類によつて電流効率の最大値は定ま
り、最大電流効率は実験により求められ、その加工条件
において安定加工を行うときの電流効率の最大値であ
り、この電流効率の値を評価値として加工中の電流効率
を比較することにより、極間状態を判別できる。すなわ
ち、極間状態が正常もしくは良好の時には電流効率は高
くなり、異常もしくは悪い時には低下する。極間状態が
異常もしくは悪い時とは、極間間隙にスラツジやイオン
性の物質が堆積し、あるいは滞留している場合とか、ガ
ス中での放電(放電集中により一点で何回も放電すると
加工液がガス化する)や短絡等が発生する場合である。
本発明では、上記電流効率の値を複数段にわたつて検出
し、その検出結果を、あらかじめ設定された基準値と比
較し、この比較結果に基づいて極間状態を判別し、制御
手段が判別手段から異常判別信号を受けたときには、極
間状態を回復させるように制御することにより加工速度
を低下させることのないようにしたものである。
[実施例] 以下、本発明の実施例について図により説明する。
第1図は本発明の実施例の概略構成図である。図におい
て、符号1〜16は第20図に示すものと同一である。
17は加工電源16により極間間隙に供給されるパルス
電流を検出するための電流検出器、18は制御指令信号
発生装置で、電流検出器17からの検出電流受入れ手
段、該電流の平均化手段、加工速度の検出手段および加
工速度を平均加工電流で除算する手段、さらにこれによ
り得られた電流効率を基準値と比較する比較手段、およ
びこの比較手段の出力に基づいて極間状態を判別する極
間間隙状態判別手段等を有し、制御手段15、加工電源
16等に制御指令信号を供給するように構成されてい
る。
第2図は制御指令信号発生装置18の内部構成を示すブ
ロツク図である。図に示すように、制御指令信号発生装
置18は、電流検出器17より得られた電流検出信号を
平均化する平滑回路20(1次遅れ回路で、抵抗Rとコ
ンデンサCによつて構成されている)、この平均化信号
Iを演算コンピユータ(CPU)21の信号バスライン
22にデイジタル信号化して送り込むためのアナログデ
イジタルコンバータ(A/Dコンバータ)23、外部よ
り演算データとして入力するため数値入力キーボード2
4およびこれを信号バスライン22と接続するためのイ
ンターフエイス25とから構成され、キーボード24か
らは被加工物厚さデータW,ワイヤ径データd,加工速
度データFを入力するようにしている。26は制御指令
発生装置18による電流効率データをデイジタル出力す
るための出力ポートで、電流効率ηによる極間状態の良
否に応動するデイジタル出力SとSが発生し、か
つ、デイジタルアナログコンバータ(D/Aコンバー
タ)27よりアナログ出力Sを得るようになつてい
る。28は記憶回路で、上記の各種データおよび本シス
テムの制御プログラムが記憶されている。
第3図は制御指令信号発生装置17の制御アルゴリズム
を示すフローチヤートであり、以下詳細に説明する。
まず、被加工物の重量加工速度K(g/sec)を求める
手順は、被加工物の厚さW(cm),ワイヤ電極の径d(c
m),ワイヤ電極による切断速度F(cm/sec),被加工物の
比重B(g/cm3)およびワイヤ電極と被加工物の間の
放電ギヤツプ長G(cm)より、 K=W×(d+G)×F×B……(1) が求められる。上式におけるW,d,Fの各パラメータ
は、キーボード24によりあらかじめ入力されており、
演算は演算装置(CPU)21によつて行われる。
また、ワイヤ電極による切断速度Fは、定速加工の時は
固定値であり、キーボード24により入力するが、極間
間隙サーボの場合は、サーボ機能を有するNC装置15
のF値出力を用いる。
次に、電流効率J(g/sec・A)は、平均加工電流
(A)と、重量加工速度K(g/sec)より、 J=K/……(2) として求められる。
このJの値を判定基準の値と比較して極間状態の良否を
判定する。
判定基準Jは短絡に近い値であり、電流は流れるが、
ほとんど加工に寄与しない値、すなわち0.05mg/sec
・A以下を示し、J1は最大電流効率J2の1/2〜2
/3程度の値であつて、0.2〜0.3mg/sec・Aであ
る。
よつて、これにより得られた2つの信号、短絡信号S
と加工危険信号Sおよび電流効率Jのアナログ出力S
Mを得ている。
実験によれば、電流効率Jが0.4mg/sec・A以上の
時、すなわちJより大の時、但し被加工物は鉄、ワイ
ヤ電極は黄銅、加工のピーク電流値は400A,パルス
幅は2μsecの場合であるが、放電そのものが液中にお
けるアーク柱の発生とこれに伴う高熱の発生(6000
〜8000℃)およびピンチ効果の発生が順調に行われ
ている場合であり、被加工物に十分な放電エネルギが投
入されていることを示すことが判明した。
また、電流効率Jが0.2mg/sec・A以下、すなわちJ
より小の時には、火花放電は確かに極間に存在する
が、電極と被加工物間に直接存在しているのではなく、
電極→スラッジ→被加工物とか電極→金属イオン→被加
工物といつた放電であり、いずれにしても十分に被加工
物に放電エネルギが分配されず単にワイヤ電極を損傷さ
せるような放電状態であることが判明した。したがつ
て、このような放電状態は直ちに除去しないとワイヤ電
極の損傷断線が発生することになつてしまう。
一方、一般的には不具合と考えられている短絡の場合す
なわちJより小の場合は、ワイヤ電極の損傷という見
解によれば別段害はなく、単に加工間隙を拡大すればよ
いということも判明した。
よつて、J<Jとなるように加工状態を制御すれば、
ワイヤ電極の損傷断線を防ぐことができる。
したがつて、上記電流効率Jの値はそのまま極間状態の
モニタ出力となり、Jより小の時は極間状態が異常な
いし不良、Jより大の時は正常ないし良好と判断でき
る。そして、ワイヤ電極の断線に至る直前の危険検出信
号Sを出力し、この信号に基づいて極間状態改善のた
めの制御を行うことができる。また、D/Aコンバータ
27による電流効率Jのアナログ出力Sを用いて極間
状態モニタとすることができる。
以下、上記検出信号Sに基づいて極間状態の改善のた
めの制御を行う具体的方法について詳細に説明する。
まず、第1の方法は、極間における加工液の比抵抗を制
御する方法であり、これを第4図について説明する。
第4図に示すように、タンク4には比抵抗の低い加工液
3aと高い加工液3bとが仕切壁4aにより分けて入れ
られており、それぞれポンプ5a,5bによりノズル7
に供給されるようになつている。そして、ポンプ5aお
よび5bには危険信号SAを受けて作動するポンプ制御
回路100a,100bがそれぞれ接続されており、ポ
ンプ制御回路100aと100bとは反転回路101に
よつて切り替えられるようになつている。
したがつて、S=0の時、すなわち正常放電の時に
は、反転回路101を介し、ポンプ制御回路100bに
よつてポンプ5bを動作せしめ、比抵抗の高い加工液3
bがノズル7より極間に噴射供給される。そして一旦、
加工状態が悪化しワイヤ電極の断線の前駆状態となる
と、S=1となり、ポンプ制御回路100aからポン
プ5aへと切り替えて動作させ、比抵抗の低い加工液3
aを噴射する。これにより、放電ギヤツプが広くても放
電が発生しやすくなる。すなわち、それまでの極間の一
部でスラツジ等による比抵抗の低下が発生し局部的放電
集中があつたのを、全放電領域に対して一様に比抵抗を
下げることにより放電を分散させることができ、ワイヤ
電極の断線を防ぐことができる。したがつて、放電のし
やすさは全面的に拡大・増大し、広いギヤツプで放電す
るようになるため短絡も減少し(ワイヤ電極の振動幅だ
けで接触していたのを20〜50μm広げられる)安定
加工状態となる。但し、このように低比抵抗の状態で加
工を続けると、加工ギヤツプが広がりすぎて高精度のワ
イヤカツトができなくなるため、安全に復帰すると元の
高い比抵抗に戻す必要があり、そのためSが再び0に
なると、高比抵抗の加工液3bを用い、加工ギヤツプの
狭い加工を高精度下に行うものである。
なお、この実施例では、比抵抗の異なる2種類の加工液
を用いる場合で説明したが、第2図の出力ポート26の
出力に応動した、より多種類の加工液を使用する比抵抗
制御を連続的に設定していくことも当然可能である。
次に、第2の方法は、極間に対する加工液の噴出圧力を
制御するものであり、第5図にその構成の概要を示す。
この実施例では、加工液噴射ノズル7にタンク4から加
工液3を供給するパイプ6の中間に電磁バルブ102と
手動バルブ104とを並列に接続したもので、加工液の
噴出圧力はパイプ6に接続した液圧メータリレー103
により観測され、所定圧力を越えたときはフイードバツ
ク信号Sが出力されて電磁バルブ102のコントロー
ラ105にフイードバツクされ、適切な設定圧力を維持
するようになつている。また、手動バルブ104は電磁
バルブ102が動作しないときの最低圧力を維持するた
めのものである。
正常時、タンク4内の加工液3は、ポンプ5により手動
バルブ104を通じてパイプ6先端のノズル7から極間
に噴射供給されている。加工状態が悪化し、極間間隙に
加工粉が滞留すると、検出信号Sが出力され、この検
出信号Sはバルブコントローラ105に入力されるた
め、電磁バルブ102は開放となり、液圧メータリレー
103から信号Sがフイードバツクされるまで開き続
ける。したがつて、この強い噴出圧力によつて極間間隙
に存在していた加工粉はすみやかに除去されて極間状態
は回復する。極間状態が回復すると、検出信号Sは出
力されなくなり、電磁バルブ102は閉じ、手動バルブ
104のみで設定された弱い圧力に戻る。
ところで、このように2種類の圧力が必要な理由につい
て述べると、一般に、0.05kg/cm2程度の圧力のとき
最も極間インピーダンスが適切で(適度に汚れている方
が放電しやすく、加工の安定性がよい。)、また0.5
kg/cm2以上となると、極間インピーダンスが高くなりす
ぎて放電のための間隙長が狭くなりすぎ、短絡が発生し
やすくなつて加工が不安定になる等の不具合がある。そ
こで、通常は0.05kg/cm2以下で加工するのが望まし
く、極間が汚れすぎたり、加工のスラツジが一部に滞留
したときのみ、高圧の液流を必要とするためである。
なお、この実施例では、加工液の噴出、噴射の場合につ
いて説明したが、吸引による加工の場合も同様である。
第3の方法は、前記出力ポート26の内容により極間に
対する加工液の噴出量を制御するものであり、第6図に
その構成の概要を示す。この実施例では、ポンプ5でタ
ンク4から吸い上げられた加工液3は、パイプ6を通
り、パイプ6の中間に並列に接続された流量可変のバル
ブV,V,V3,V4を介してノズル7へ供給され
る。この加工液の流量はバルブV,V,V,V
の開閉状態によつて変化する。
バルブV,V,V,Vはそれぞれ出力ポート2
6の出力2〜2によつて開閉制御される。この実施
例では、V1が100cc/分、Vが200cc/分、V
が400cc/分、Vが800cc/分のバルブとなつ
ているので、極間状態の良否に相応する液量が極間に噴
射される。例えば、出力ポート26の内容が2、すな
わち64以上のとき、2の出力が「1」となつている
から、Vが開となり100cc/分の流量が、出力ポー
ト26の内容が2すなわち192のときには、2
の出力が「1」となつているから、VとVが開
となり300cc/分の流量という具合に加工液が極間に
供給される。
そして、きわめて値が大きいとき、例えば210すなわ
ち1024以上のときにはORゲート106を介して強
制噴流バルブVを開とし、数1000cc/分もの液量
を与えるようにしている。逆に、差が少ないときは、通
常の加工に使用されるような適当量の微少流を手動バル
ブVによつて極間間隙に与える。
第4の方法は、ワイヤ電極の送り速度を制御する方法で
あり、第7図にその構成の概要を示す。図に示すよう
に、この実施例のワイヤ電極の送り機構は、供給リール
8、テンシヨンリール108および補助リール109に
巻回されたワイヤ電極2に対し所定の張力を付与するテ
ンシヨンモータ110、加工間隙を通過したワイヤ電極
2の引張りキヤプスタン111およびキヤプスタンロー
ラ112、引張りキヤプスタン111の駆動用キヤプス
タンモータ113および巻取りリール11から構成され
ている。
さて、極間状態が悪化して放電集中やワイヤ電極断線の
前駆状態が検出されると、前記検出回路18より電圧S
が出力され、この電圧は増幅器114で増幅され、制
御トランジスタ115のベース電圧として出力される。
エミツタ抵抗116をRとし、キヤプスタンモータ11
3を流れる電流をIとすると、 なお、SはD/Aコンバータ27によるキヤプスタン
モータ113の制御電圧であり、VBEは約0.6Vと微
弱一定であるためほぼ無視することができ、キヤプスタ
ンモータ113の電流は、Sにより制御されるが、S
Mは電圧増となり、モータ電流が増加してワイヤ電極の
送り速度は速くなる。このため、ワイヤ電極の高速走行
により放電点は強制的に移動して分散し、放電集中がな
くなるとともに、ワイヤ単位長あたりの電極消耗量を減
少させ、ワイヤ電極を切れにくくする。
ワイヤ電極の送り速度は速いほどスラツジの排出作用も
良くなつて短絡も減少し、加工速度も増大するが、逆に
ワイヤ電極の消費量が増加して経済的ではない。そこ
で、危険なときのみ速く送り、状態が良ければ遅く送る
ように制御する。また、無加工状態のときにも同様に遅
く送りワイヤ電極の消費量を少なくするようにしてい
る。
また、第5の方法として、上記出力Sによりワイヤ電
極の張力を制御するようにしてもよい。すなわち、第8
図に示すように、この場合はモータ制御電流Iをテンシ
ヨンモータ110に通電するようにする。したがつて、
が低下すると、テンシヨンモータ110の電流が減
少してワイヤ電極の張力が減少するので、ワイヤ電極の
消耗(放電集中による異常消耗)により耐張力の弱まっ
たワイヤ電極を切断から防ぐことができる。そして、極
間状態が良好になれば徐々に張力を増加させるのであ
る。
次に、第6の方法は、前記検出回路18の出力に基づい
て極間間隙に通電するパルス電流のピーク値を主電流回
路の電圧を変化させて制御する方法であり、これを第9
図の回路図と第10図のタイムチヤートに従つて説明す
る。
電気エネルギ給電部10には、2系統のパルス電流供給
回路が接続されており、その1つの回路は、固定電圧電
源120と、スイツチング素子121、電流制限インピ
ーダンス素子122、逆流防止ダイオード123および
スイツチング制御回路124により構成されている。そ
して、スイツチング制御回路124の出力に従い一定の
休止時間と放電時間にかけて印加され、所定時間放電す
ると再び休止時間を持つように制御されている。パルス
電流の幅や休止時間等はスイツチング制御回路124に
より制御されている。
次に、他の1つの電流供給回路は、可変電圧電源125
と、スイツチング素子126、電流制限インピーダンス
素子127、逆流防止ダイオード128およびスイツチ
ング制御回路129により構成されている。そして、極
間間隙にパルス電流が流れ出すと電流を供給し、上記ス
イツチング制御回路124が休止時間になると、スイツ
チング制御回路124もオフ状態となるようになつてい
る。可変電圧電源125はD/Aコンバータ27の出力
に応動して電圧が変化する。このときの放電ピーク
電流値Iは、以下のように制御される。すなわち、固
定電圧電源120の電圧E1,電流制限インピーダンス
素子122,127の値をそれぞれZ,Zとし、可
変電圧電源125の電圧をEとすると、Iは以下の
ようになる。
但し、Vは放電中のアーク電圧であり、20〜35V
程度である。
よつて、この方法によれば、極間状態が悪化してきて出
力ポート26より信号Sが出力されると、D/Aコン
バータ27の出力Sに応じて可変電圧電源125の電
圧Eを低下させ、電流ピーク値Iを下げる。
第10図のタイムチヤートに示したように、極間開放電
圧は固定電圧電源120の電圧Eが印加され、放電パ
ルス電流ピーク値Iのみが可変電圧電源125の電圧
によつて制御される。異常検出信号Sが0の時、
すなわち加工状態が良好の時は、電流ピーク値Iは高
ピーク値IP1であり、一旦異常となりSが1となる
と、電流ピーク値Iは低ピーク値IP2となる。ワイヤ
カツト放電においては、電流ピーク値Iの大なる時は
加工速度も大であるが、ワイヤ電極の電極消耗量も大で
あるため、ワイヤ電極の断線となりやすい。逆に、電流
ピーク値Iの小なる時は、電極消耗量が減少し(電流
ピーク値にほぼ比例する)断線を防ぐことができる。ま
た、電流ピーク値のみを変化させているわけは、加工面
の面性状が実験的に電流ピーク値の変化のみの場合影響
を受け難く、加工速度と電極消耗量に大きな影響を有し
ているからである。
なお、この実施例では、電圧を変化させて電流ピーク値
の制御を行っているが、電流制限インピーダンス1
27の変化によつても同様に行えることはいうまでもな
い。
第7の方法は、前記検出回路18によつて得られた出力
に基づいてパルス電流のパルス幅を変化させる方法であ
り、第11図によつて説明する。
パルス幅を変化させると結果的にパルス幅と電流ピーク
値を同時に制御し、相乗的に放電エネルギを制御するこ
とができ、これによりワイヤ電極の断線を防止できる。
第11図において、131はRSフリツプフロツプであ
り、この出力Q=0の時、すなわち=1の時、増幅ア
ンプ132を介してスイツチング素子16bはオンとな
る。すなわちオン時間である。またQ=1の時はオフ時
間である。Q=1の時、ANDゲート133はオン時間
・オフ時間設定カウンタ134のオフ時間設定出力τ
が「1」になるまでの間出力は「0」であるが、τ
「1」になると、フリツプフロツプ131をリセツトす
るのでQ=0となり、オン時間となる。このとき同時に
ANDゲート133の出力はORゲート135を介して
発振器(OSC)136および時間設定用カウンタ13
4をリセツトするのでカウントは最初から行われる。
さて、=1となると、Q=1となるから、ANDゲー
ト137の一方のゲートすなわちORゲート138の出
力が「1」になるまでは出力「1」は出ない。ORゲー
ト138およびANDゲート139,140は2系統の
オン時間の設定の制御を行つており、前記信号S
「0」の時はτを、「1」の時はτを設定するよう
にしている。すなわち、正常放電中ではτ,異常のと
きはτのオン時間で加工することになり、異常放電と
みなすと、急激にパルス幅を狭くするとともに、電流ピ
ーク値も減少させ、よつて放電エネルギを減少させ、ワ
イヤ電極の放電による消耗を防ぎ断線を防止する。な
お、電流ピーク値も低くなる理由は、以下のためであ
る。
放電ピーク電流値Iは、電源電圧E,電流制御抵抗の
値をRとし、フイーダ線のインダクタンスをLとする
と、 と表わされ、パルス幅tが大となるとIも大となるこ
とがわかる。なお、Vはアーク電圧で、通常20〜3
5Vである。Lは通常0.5〜1μH程度である。
なお、上記実施例では、パルス幅をτとτの2通り
としたが、出力ポート26の内容に伴つて連続的にオフ
時間を設定していくことによつても、同様の効果が得ら
れた。
第8の方法は、前記検出回路18の出力に基づいて極間
間隙の印加電圧を変化させる方法である。第12図にそ
の制御回路図を示す。放電開始電圧を低下させれば、放
電はし難くなり、同一極間間隙での放電集中を防ぐこと
ができる。また、放電集中がない場合には、極間間隙の
印加電圧を上げることにより、同一極間間隙における放
電のしやすさを増すことができる。
第12図において、142は反転増幅器であつて、出力
ポート26の出力に応じたアナロオグ電圧S(なお、
アナロオグ電圧Sは出力ポート26のデイジタル出力
をD/Aコンバータ27に接続して得られる)を反転し
てPNPトランジスタ143のベースに加えるための回
路である。
さて、極間間隙に印加されるVは以下のような値とな
る。
=−I・R……(6) また、Iはトランジスタ143のエミツタフオロア負
荷Rに流れる電流にほぼ等しく(99%程度)、この
は、 と表わされる。よつて、Vは、式(6)と(7)によ
となる。ここで、R=30KΩ,R=1KΩ,E=
300VとするとVは0〜10Vの変化により、0〜
300Vの変化をする。
これにより放電集中が発生し、出力ポート26の内容が
増加すると、反転増幅器142の出力が減少し、極間電
圧Vは減少することになり放電集中はなくなる。
なお、この実施例では、放電集中を検出する出力ポート
26の内容に応じて連続的に極間間隙への印加電圧を変
えているが、必ずしも出力ポート26の内容と電圧は比
例関係を持たせる必要はなく、より級数的な比率で変化
するほうがワイヤ電極の断線移行を防ぐ意味では効果が
ある。
第9の方法は、前記検出回路18の出力に基づいて極間
印加電圧の時間あたりの傾きdV/dtを変化させるこ
とにより制御する方法で、極間状態が悪い場合にはゆる
く立ち上がらせて放電をし難くし、放電集中を防ぎ、良
好な状態のときには急速に立ち上がらせて放電をしやす
くし加工能率を向上させるものである。これを第13図
の回路図および第14図のタイムチヤートによつて説明
する。
図中、145は反転増幅器であり、出力ポート26に応
じたアナログ電圧S(なお、アナログ電圧Sは出力
ポート26のデイジタル出力をD/Aコンバータ27に
接続して得られる)を反転してPNPトランジスタ14
6のベースに加えるための回路である。
さて、極間に印加される電圧Vは以下のような値とな
る。
但し、Iはトランジスタ146のコレクタ電流、tは
パルス電圧印加後の経過時間、Cはコンデンサ147の
容量である。
次に、Iはトランジスタ146のエミツタフオロア負
荷抵抗148に流れる電流にほぼ等しく(99%程
度)、このIは負荷抵抗148の値をRとすれば、
以下のように表わされる。
但し、Vはトランジスタ146のエミツタ電圧、V
はベース電圧である。よつて、極間印加電圧Vは式
(9)と(10)より、 となる。ここで、R=5Ω,C=0.01μF,V
=0〜10Vとすると、電圧傾斜dV/dtは、0〜2
00V/μsの範囲で変化するようになる。なお、反転
増幅器145は、入力0Vの時,出力10V,入力10
Vの時,出力0Vとなるように設計されているので、検
出器出力Vが大となるほど、すなわち極間状態が悪く
なるほど、印加電圧の傾きdV/dtは減少する。ま
た、抵抗149はコンデンサ147に蓄積された電荷を
放電時に加工に影響しないようにデイスチヤージするた
めのものであり、ダイオード150は加工用のスイツチ
ングトランジスタ16bからの電流がコンデンサ147
に逆流するのを防いでいる。さらに、トランジスタ16
bは極間で放電が発生してから所定時間オンとなる。反
転増幅器145の内部ゲートは、パルス幅休止幅制御回
路16dのSによつても制御されており、休止時間中
に極間に電圧が印加されることを防いでいる。第14図
のタイムチヤートは上記の具体的説明のためのもので、
検出電圧Sとコンデンサ充電電流Iの関係およびト
ランジスタ相互のオン、オフの状態が「1」,「0」の
ロジツクレベルで示されている。
この実施例により、放電の集中やワイヤ電極断線の前駆
状態となると、検出回路の出力ポート26の出力が増加
し、反転増幅器145の出力は減少して印加電圧の傾き
dV/dtは鈍くなり、放電し難くなつて放電が集中す
ることはなくなり、極間状態は回復する。
なお、この実施例では、検出回路の出力ポート26の内
容に応じて連続的に印加電圧の傾きを制御しているが、
必ずしも連続的にする必要はなく、折れ線的あるいは数
段の切換によりもしくは級数的に変化させてもよい。
第10の方法は、前記検出回路の出力に基づいてスイツ
チング素子16bのオフ時間を延ばすことによる制御方
法であり、第15図にその制御回路図を示す。これによ
つて放電と放電の間の期間を延長させることができ、消
イオン効果を得ることができ、放電集中の一要因を解消
することができる。
第15図において、152はRSフリツプフロツプで、
この出力Q=1の時増幅アンプ153を介してスイツチ
ング素子16bはオンとなる。すなわちオン時間であ
り、Q=0の時はオフ時間である。Q=1の時、AND
ゲート154はオン時間・オフ時間設定カウンタ155
のオン時間設定出力τが「1」になるまでの間出力は
「0」であるが、τ、が「1」になるとフリツプフロ
ツプ152をリセツトするので、Qは「0」となり、オ
フ時間となる。このとき同時にANDゲート154の出
力はORゲート156を介して発振器(OSC)157
および時間設定用カウンタ155をリセツトするのでカ
ウンタは最初から行われる。
さて、Q=0となると、=1となるからANDゲート
158の一方のゲートすなわちORゲート159の出力
が「1」になるまでは出力1は出ない。ORゲート15
9およびANDゲート160,161は2系統のオフ時
間の設定の制御を行つており、前記信号Sが「0」の
時はτを、Sが「1」の時にはτを設定するよう
にしている。すなわちこの実施例によれば、正常放電中
にはτ,異常の時にはτのオフ時間で加工すること
になり、異常放電とみなすと急速に休止時間を延ばして
消イオン効果を持たせることにより放電集中を防ぎ、ワ
イヤ断線を防ぐのである。
なお、上記の説明ではオフ時間をτとτの2通りと
したが、出力ポート26の内容に伴つて連続的にオフ時
間を設定していくことによつても同様の効果が得られ
る。
第11の方法は、前記検出信号Sに基づいて極間に対
するパルス電圧の連続印加または断続印加によつて制御
する方法であり、第16図にその制御回路図を示す。
極間の加工状態が正常である時には、パルス電圧を極間
に印加して放電が発生するまでは、スイツチング素子1
6bをオフとしないようにして無駄な休止時間を設け
ず、極間の加工状態が悪化すると、放電が発生しなくて
も、一旦休止時間を設けて、完全な消イオンを行わし
め、放電集中の一要因を解消するという動作を行うもの
である。
第16図において、164はRSフリツプフロツプで、
この出力Q=1の時、増幅器165を介してスイツチン
グ素子16bをオンとする。このQ=1の時ANDゲー
ト166は、カウンタ167のオン時間設定出力τ
「1」になるまで出力は「0」であるが、τが「1」
になると、フリツプフロツプ164をリセツトするので
Q=0となりオフ時間となる。
この時、同時にANDゲート166の出力は、ORゲー
ト168を介して発振器(OSC)169とカウンタ1
67をリセツトするので、カウンタは最初から行われ
る。
一方、Q=0となると、=1となるからANDゲート
170の一方のゲートの入力すなわちオフ時間設定端子
τが「1」になるまでこのオフ状態を保ち、τ
「0」から「1」になるまでの所定時間オフ時間とな
る。
この第16図の回路においては、カウンタ167の入力
ゲート171は発振器169の出力をそのまま通過させ
て、上記のオン・オフ制御をするかどうかを決定する
が、入力ゲート171の入力はNANDゲート172に
より制御される。すなわち、出力ポート26からの信号
が「1」の時、すなわち加工状態が悪化した時か、
短絡、放電、休止等で極間電圧Vが低い時に、発振器
169の出力がカウンタ167でカウントされる。
なお、R,Rは極間電圧Vの分圧回路、173は
電圧コンパレータで、電源174とボリユームVRによ
り基準電圧Vを設定し、極間電圧Vが高く分圧回路
の端子電圧Vが基準電圧Vより高い時には出力
が「1」となり、上記信号Sが「0」であればNAN
Dゲート172の出力は「0」となつてカウントしな
い。
よつて、極間電圧Vが高い時はカウントせず、短絡、
放電、休止及び加工状態悪化の時カウントして、スイツ
チング素子16bのオン・オフを繰り返す。
ところで、上記説明では、ワイヤ電極を用いるワイヤカ
ツト放電加工装置に利用する場合について述べたが、棒
状電極を用いる型彫り放電加工装置にも利用できること
はいうまでもない。
第12の方法は、前記検出信号Sに基づいて極間間隙
制御、すなわち極間サーボ電圧の基準値V変化させる
制御方法であり、第17図によつてこれを説明する。
この方法によれば、異常の際には基準電圧を大きくし、
これによつて平均極間電圧が増加するように制御される
ため間隙長が広がり、放電し難くなつて集中放電を防ぐ
ことができるものである。
上記信号Sが「1」の時、すなわち極間に異常が発生
した場合、インバータ176の出力は「0」であるの
で、アナログスイツチ177,178はスイツチ177
がオン、スイツチ178がオフとなる。よつて、積分回
路(オペアンプ179、抵抗R10′ゼナダイオードZD
で構成されている。)の入力電圧eiは、ei=−eと
なり、サーボ基準電圧Vは、以下のように表わされ
る。
但し、Vはt=0における初期値 よつて、信号Sが「1」であるかぎり、基準電圧V
は増加し続け、これに応動して極間間隙の平均電圧V
も負に増加するので、オペアンプ180、抵抗r,r
よりなる出力回路181の出力変化によつて極間間隙
は拡大方向に向う。
次に、信号Sが「0」すなわち放電集中や極間間隙に
異常がない時には入力電圧eiが0となり、積分コンデ
ンサC10の電圧は放電してしまう。よつて、基準電圧V
は減少して極間間隙は狭くなる方向に制御されるよう
になり、放電頻度は増加し加工速度も増す。積分の時定
数を決定する抵抗R10′コンデンサC10は、この場合、
数十秒程度のオーダーとなるような値であつて、あまり
短時間に基準電圧Vを変更制御しても、極間間隙の間
隙長変化が急激となり、ハンチング現象や電極の振動と
いつた不具合が生じて好ましくない。
また、基準電圧Vの値はゼナダイオードZDによつ
て、+方向はゼナー電圧まで、−方向は0で抑えられ制
御範囲に制限を設けている。また、電源V,ボリユー
ムRは手動による設定のためであつて、この設定値を
中心として自動的に極間間隙制御を行うようにしてい
る。オペアンプ182、抵抗r,rは極間間隙の平
均電圧Vを基準電圧Vと加算制御するための反転回
路および減衰器の役割を持つている。
なお、この実施例では、信号Sを積分して基準電圧V
を変化させるようにしているが、出力ポート26の内
容をデイジタル値からアナログ値に変換し、大きな時定
数の一次遅れ回路を介することにより、より細かな制御
が可能となる。また、この方法は、ワイヤカツト放電加
工装置だけでなく棒状電極を使用する放電加工装置にも
利用できることはいうまでもない。
第13の方法は、前記出力ポート26の内容に基づいて
極間間隙を制御するサーボゲイン、すなわち感度を変化
させる方法であり、第18図によつてこれを説明する。
この方法によれば、サーボゲインを変化させることによ
り、短絡や開放状態、あるいはワイヤ電極の断線直前状
態を回復させることができる。
すなわち上記のように悪い極間状態の場合、サーボゲイ
ンを増加させ、間隙の開離と接近の速度を増加させるこ
とにより、速やかに機械的な悪化状態からの回避ができ
るようになり、極間状態を回復させることができる。
第18図において、27は乗算型のデイジタルアナログ
コンバータで、前記出力ポート26の出力に従い速度指
令電圧Fxに乗算した形式で出力できる素子であつて、
入力信号に対してボリユームの働きをさせるものであ
る。そしてこのボリユームの値が出力ポート26の出力
(デイジタル値)によつて変化する。
よつて、この方法によれば、極間状態の悪化に従ってサ
ーボゲインがD/Aコンバータ27により増加し、抵抗
185,186とオペアンプ187によつて構成される
増幅器184を介し、本来上記速度指令電圧Fが、直
接入力されていた制御装置15の中のモータ駆動アンプ
188の入力端を、上記増幅器184の出力端に接続す
ることにより、テーブル送りモータMの速度は変化す
る。
なお、この実施例では、極間状態の悪さに比例してほぼ
直線的にサーボゲインを増加させているが、必ずしも直
線的に変化させる必要はなく、2次関数的あるいは折れ
線的変化によつてもよい。また、出力ポート26の検出
信号を用い2段階の制御を行う場合、容易でかつ低価格
となる。
また、実験によれば、極間状態が悪化した時、少なくと
も20mm/分以上の速度がないと、ワイヤ電極の断線に
移行し、多量の加工粉が極間間隙に滞留した時は、20
0mm/分程度の速度が必要であることが判明している。
また、安定な加工の際は、面粗度15μRmax以下の仕
上加工において5〜10mm/分の速度の時加工能率が高
いということも確認されており、おおむねこれらの領域
で速度設定が必要と考察される。
なお、この実施例の制御方法の場合でも、ワイヤカツト
放電加工装置のみならず棒状電極を使用する放電加工装
置に利用できるものである。
第14の方法は、前記短絡信号Sに基づいてワイヤ電
極と被加工物に短絡が生じた際、ワイヤ電極によりカツ
テイングされた軌跡を逆行する、いわゆる短絡バツク軌
跡を戻る際の速度を変化させる制御方法である。第19
図によりこれを説明する。
第19図において、190X,190Yは各々X,Y軸
の送りに伴い発生するパルス列のメモリで、軌跡のXY
位置関係を記憶している。通常1〜5mm程度まどの記憶
量を有している。191は上記メモリのアドレスカウン
タで、アドレスを加算するとバツクしていく時のXY軌
跡がメモリ出力x,yにあらわれ、減算するとバツ
クした軌跡を再び前進方向に戻るようにメモリ出力
,yが発生するようになつている。よつて、アド
レスカウンタ191の加減算の周波数がバツクと再前進
の速度を決定することになる。192はバツクメモリ1
90X,190Yのアドレスバスで、仮に2048μm
(ただし記憶単位1μm)の容量のバツクメモリが使用
されていると、12ビツトのバスラインとなる。193
はアドレスカウンタ191の内容が減算のすえ0とな
り、バツクの開始位置にあるかどうかを決定するカウン
タ内容判別回路で、この実施例では、例えばデイジタル
コンパレータを用いて構成されている。すなわち動作と
しては、短絡までの間、XYの軌跡パルスX,Y
出力され、順次その値は、バツクメモリx,yに記
憶されているが、一旦短絡が発生すると、短絡信号S
が「1」となり、ANDゲート194,195のうち1
95を介して前記の極間状態を表わす電流効率信号(出
力ポート26の出力)により周波数制御されるパルス発
生器196に不安定度合に合致した周波数の加算信号が
アドレスカウンタ191に入力される。すなわち、不安
定時は高周波数で、安定時は低周波数である。短絡が解
消され、Sが0となると、ANDゲート194を介し
カウンタ191を減算するようになり、カウンタが0す
なわちバツク軌跡が元の位置になると減算を中止する。
よつて、この制御方法により、加工内容が不安定となり
極間状態が悪化してくると、短絡時、逆軌跡を戻る時の
速度量が刻々変化し、短絡が発生するとその直前の加工
状態に応じた速度でバツクする。すなわち、極めて悪い
加工状態の時は、高速でバツクしその単位時間あたりに
バツクする距離は大きく、それほど悪くなければバツク
する量も少ない。
短絡は、実際にワイヤ電極が被加工物に接触して起きる
以外に極間にスラツジが溜りインピーダンスが低下する
場合にも発生する。また、放電の集中により、無負荷時
間がほとんどない状態で放電している時も発生するの
で、短絡発生とワイヤ断線の直前の状態というのは、極
めて深い関係があり、このような時には、できるだけ早
めにバツクさせてワイヤ断線の危険を回避させるのが望
ましいわけで、この方法はこのようなワイヤ断線を効果
的に防ぐことができる。
なお、この実施例では、ハードウエアによる構成で示し
たが、現在の通常のNC装置ではほとんどCNC(コン
ピユータライズドNC)であるので、NC指令のF値
(速度指令)に対し、加工状態に応じたバツク速度を演
算決定して同様の効果が得られる。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明によれば、加工時における
電流効率から極間状態が正常か、それとも危険な状態に
あるか否かを検出し判別することができるものであり、
この電流効率を所定の設定値に復帰させるように適確に
制御することにより、加工速度を低下させることなく放
電加工を遂行することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の概略構成図、第2図は本発明
の要部のブロツク図、第3図は第2図の装置の制御方法
を説明するためのフローチヤート、第4図は該制御方法
の第1例を示す概略構成図、第5図は同第2例を示す概
略構成図、第6図は同第3例を示す概略構成図、第7図
は同第4例を示す概略構成図、第8図は同第5例を示す
概略構成図、第9図および第10図は同第6例を示す回
路図とタイムチヤート、第11図は同第7例を示す回路
図、第12図は同第8例を示す回路図、第13図および
第14図は同第9例を示す回路図とタイムチヤート、第
15図は同第10例を示す回路図、第16図は同第11
例を示す回路図、第17図は同第12例を示す回路図、
第18図は同第13例を示す回路図、第19図は同第1
4例を示す回路図、第20図は従来例の概略構成図であ
る。 1……被加工物 2……ワイヤ電極 3……加工液 4……タンク 5……ポンプ 6……パイプ 7……ノズル 8……ワイヤ供給リール 9A……下部ワイヤガイド 9B……上部ワイヤガイド 10……電気エネルギ給電部 11……ワイヤ巻取り兼テンシヨンローラ 12……テーブル 13……X軸駆動モータ 14……Y軸駆動モータ 15……制御装置 16……加工電源 17……電流検出器 18……制御指令信号発生装置 なお、図中、同一符号は同一、または相当部分を示す。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極と被加工物とを絶縁性加工液を介在さ
    せて対向させ、その電極と被加工物間に放電を発生さ
    せ、その放電エネルギで被加工物を加工する放電加工装
    置において、該加工時における平均加工電流と単位時間
    当たりの被加工物の除去量である重量加工速度から該重
    量加工速度を平均加工電流で除算した値すなわち電流効
    率を検出する検出手段と、この電流効率とあらかじめ設
    定した基準値との大小関係を比較する比較手段と、該比
    較手段の出力信号に基づいて極間状態の良否を判定する
    判定信号を出力する極間状態判別手段と、この判別手段
    の出力に基づいて前記電流効率を設定値に復帰させる制
    御手段とを具備したことを特徴とする放電加工装置。
  2. 【請求項2】電流効率が、短絡に近い値をJ,加工液
    と電流波形及び電極と被加工物の種類によって決まる実
    験値であってその加工条件において安定加工を行うとき
    の電流効率の最大値をJ2とし、その最大電流効率J
    の1/2〜2/3の値をJとするとき、J<Jで、
    かつ、J<Jとなるように制御することを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の放電加工装置。
  3. 【請求項3】比抵抗の異なる複数種類の加工液の供給手
    段を設け、該加工液供給手段を前記制御手段により切り
    替えることにより前記電流効率を制御する構成としたこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の放電加工装
    置。
  4. 【請求項4】加工液供給手段に液圧変更手段を設け、該
    液圧変更手段を前記制御手段により切り替えることによ
    り前記電流効率を制御する構成としたことを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の放電加工装置。
  5. 【請求項5】加工液供給手段に流量変更手段を設け、該
    流量変更手段を前記制御手段により切り替えることによ
    り前記電流効率を制御する構成としたことを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の放電加工装置。
  6. 【請求項6】ワイヤ電極の送り速度を制御することによ
    り前記電流効率を制御する構成としたことを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の放電加工装置。
  7. 【請求項7】ワイヤ電極の張力を制御することにより前
    記電流効率を制御する構成としたことを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の放電加工装置。
  8. 【請求項8】極間間隙に通電するパルス電流のピーク値
    を制御することにより前記電流効率を制御する構成とし
    たことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の放電加
    工装置。
  9. 【請求項9】極間間隙に通電するパルス電流のパルス幅
    を制御することにより前記電流効率を制御する構成とし
    たことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の放電加
    工装置。
  10. 【請求項10】極間間隙に印加するパルス電圧の高さを
    制御することにより前記電流効率を制御する構成とした
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の放電加工
    装置。
  11. 【請求項11】極間間隙に印加するパルス電圧の立上り
    を制御することにより前記電流効率を制御する構成とし
    たことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の放電加
    工装置。
  12. 【請求項12】極間間隙に印加するパルス電圧の休止時
    間を制御することにより前記電流効率を制御する構成と
    したことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の放電
    加工装置。
  13. 【請求項13】極間間隙に印加するパルス電圧の連続印
    加または断続印加により前記電流効率を制御する構成と
    したことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の放電
    加工装置。
  14. 【請求項14】電極と被加工物の間隙長サーボを行う際
    のサーボ基準電圧を制御することにより前記電流効率を
    制御する構成としたことを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の放電加工装置。
  15. 【請求項15】電極と被加工物の間隙長サーボを行う際
    のサーボゲインを制御することにより前記電流効率を制
    御する構成としたことを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の放電加工装置。
  16. 【請求項16】電極と被加工物が短絡した際に軌跡をバ
    ックするバック速度と復帰速度を制御することにより前
    記電流効率を制御する構成としたことを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の放電加工装置。
JP15325287A 1987-06-22 1987-06-22 放電加工装置 Expired - Lifetime JPH0622763B2 (ja)

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