JPH0622573B2 - 人工軟骨素材及びその製造法 - Google Patents
人工軟骨素材及びその製造法Info
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- JPH0622573B2 JPH0622573B2 JP63096779A JP9677988A JPH0622573B2 JP H0622573 B2 JPH0622573 B2 JP H0622573B2 JP 63096779 A JP63096779 A JP 63096779A JP 9677988 A JP9677988 A JP 9677988A JP H0622573 B2 JPH0622573 B2 JP H0622573B2
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- alkali
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、人工軟骨素材及びその製造法に関するもので
ある。
ある。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題] 骨置換材料として生体親和性の優れた硬材料の研究が数
多くなされているが、軟骨組織に代用される人工材料の
検討は殆どなされていない。それは、機械的強度に劣る
という重要な欠点が第一に挙げられる。機械的強度は、
弾性、伸び率、引っ張り強度で代表される。人工軟骨素
材として、更に重要なことは、生体適合性があること、
軟骨細胞と親和性があること、軟骨細胞が増殖する環境
にあることである。
多くなされているが、軟骨組織に代用される人工材料の
検討は殆どなされていない。それは、機械的強度に劣る
という重要な欠点が第一に挙げられる。機械的強度は、
弾性、伸び率、引っ張り強度で代表される。人工軟骨素
材として、更に重要なことは、生体適合性があること、
軟骨細胞と親和性があること、軟骨細胞が増殖する環境
にあることである。
ポリビニルアルコールを用いるヒドロゲルの製造法につ
いて、多くの方法が報告されている。即ち、 a.アルデヒド類、ジアミン類の化学処理によるもの、 b.ポリビニルアルコール水溶液のコバルト照射による
もの(特開昭50−55647号公報)、 c.ポリビニルアルコール水溶液の冷却によるもの、 d.ポリビニルアルコール水溶液の凍結乾燥又は脱水に
よるもの(特開昭57−130543号公報、同58−
36630号公報)、 e.その他 があるが、その中でも、d.によるゲルは、比較的丈夫
で用途により充分に実用的である。
いて、多くの方法が報告されている。即ち、 a.アルデヒド類、ジアミン類の化学処理によるもの、 b.ポリビニルアルコール水溶液のコバルト照射による
もの(特開昭50−55647号公報)、 c.ポリビニルアルコール水溶液の冷却によるもの、 d.ポリビニルアルコール水溶液の凍結乾燥又は脱水に
よるもの(特開昭57−130543号公報、同58−
36630号公報)、 e.その他 があるが、その中でも、d.によるゲルは、比較的丈夫
で用途により充分に実用的である。
しかしながら、人工軟骨として用いるには機械的強度の
面からは不充分である。例えば、このゲルは、50〜6
0℃以上の水溶液中ですぐに軟弱なゲルになってしま
い、100℃で簡単に溶解してしまう。このことは、生
医学的材料として用いるときの滅菌や長時間生体内埋植
したときの強度に不安を残す。更に、重要なことはゲル
の生体適合性にはヒアルロン酸が必須であることを考慮
すると、長時間にわたってヒアルロン酸が微量であって
もゲルの表面に存在する必要がある。機械的強度や温度
に対する強度が小さいとヒアルロン酸が簡単に溶出され
てしまい長期間生体内に埋植する人工軟骨素材としては
不適である。
面からは不充分である。例えば、このゲルは、50〜6
0℃以上の水溶液中ですぐに軟弱なゲルになってしま
い、100℃で簡単に溶解してしまう。このことは、生
医学的材料として用いるときの滅菌や長時間生体内埋植
したときの強度に不安を残す。更に、重要なことはゲル
の生体適合性にはヒアルロン酸が必須であることを考慮
すると、長時間にわたってヒアルロン酸が微量であって
もゲルの表面に存在する必要がある。機械的強度や温度
に対する強度が小さいとヒアルロン酸が簡単に溶出され
てしまい長期間生体内に埋植する人工軟骨素材としては
不適である。
そこで、本発明者らは、人工軟骨を開発するにあたり、
ゲルの機械的強度のみならず、生体適合性、軟骨細胞と
の親和性、即ち、軟骨細胞のこのゲルへの接着及び増殖
を検討し、生体適合性を有し、かつ抗劣化性のある安全
で新規な人工軟骨素材を開発することに成功し、本発明
を完成するに至った。
ゲルの機械的強度のみならず、生体適合性、軟骨細胞と
の親和性、即ち、軟骨細胞のこのゲルへの接着及び増殖
を検討し、生体適合性を有し、かつ抗劣化性のある安全
で新規な人工軟骨素材を開発することに成功し、本発明
を完成するに至った。
[課題を解決するための手段] 本発明は、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、ハイ
ドロキシアパタイト及びコラーゲン(タイプII)をアル
カリ処理してなることを特徴とする人工軟骨素材に関す
るものである。
ドロキシアパタイト及びコラーゲン(タイプII)をアル
カリ処理してなることを特徴とする人工軟骨素材に関す
るものである。
本発明に用いるポリビニルアルコール(以下「PVA」
という)としては、粘度平均重合度が1000以上のも
のが好ましい。PVAの粘度平均重合度が1000未満
であると、機械的強度や温度に対する強度が小さくな
る。
という)としては、粘度平均重合度が1000以上のも
のが好ましい。PVAの粘度平均重合度が1000未満
であると、機械的強度や温度に対する強度が小さくな
る。
ヒアルロン酸(以下「HA」)という)としては、平均
分子量が、好ましくは10万以上、更に好ましくは50
万以上のものを用いる。かかるHAとしては、好ましく
はその塩、通常、ナトリウム塩を用いるが、カリウム塩
等を用いてもよい。HAの平均分子量が10万未満であ
ると、ゲルからのHAの溶出速度が早くなり、不適当で
ある。
分子量が、好ましくは10万以上、更に好ましくは50
万以上のものを用いる。かかるHAとしては、好ましく
はその塩、通常、ナトリウム塩を用いるが、カリウム塩
等を用いてもよい。HAの平均分子量が10万未満であ
ると、ゲルからのHAの溶出速度が早くなり、不適当で
ある。
ハイドロキシアパタイト(以下「HAP」という)とし
ては、粒径が、好ましくは1〜1000μm、更に好ま
しくは10〜50μmのものを用いる。粒径が1μm未
満であると、ゲル表面への軟骨細胞の接着性が悪くな
り、1000μmを超えると、ゲルのHAPの均一性が
悪くなる。
ては、粒径が、好ましくは1〜1000μm、更に好ま
しくは10〜50μmのものを用いる。粒径が1μm未
満であると、ゲル表面への軟骨細胞の接着性が悪くな
り、1000μmを超えると、ゲルのHAPの均一性が
悪くなる。
コラーゲンとしては、タイプIIに相当するものであれ
ば、特に制限はない。
ば、特に制限はない。
本発明において、HAPとコラーゲンは、軟骨細胞がゲ
ル上に接着し更に増殖するために必要である。
ル上に接着し更に増殖するために必要である。
前述したPVA、HA、HAP及びコラーゲン(タイプ
II)をアルカリ処理することにより、本発明の人工軟骨
素材を製造することができる。
II)をアルカリ処理することにより、本発明の人工軟骨
素材を製造することができる。
例えば、PVAの水溶液に、HAの水溶液を加えて攪拌
した後、HAP及びコラーゲン(タイプII)を加え、ア
ルカリ処理することにより製造することができる。
した後、HAP及びコラーゲン(タイプII)を加え、ア
ルカリ処理することにより製造することができる。
PVAの水溶液の濃度は、好ましくは1%以上、更に好
ましくは5〜10%である。該濃度が、1%未満である
と、ゲル化時、HAPの均一性が悪くなったり、軟骨細
胞がゲルの中に入り込むための適当な気泡を作りにくく
なる。
ましくは5〜10%である。該濃度が、1%未満である
と、ゲル化時、HAPの均一性が悪くなったり、軟骨細
胞がゲルの中に入り込むための適当な気泡を作りにくく
なる。
HAの水溶液の濃度は、好ましくは0.1〜1.0%で
ある。HAの量は、PVAに対して0.1〜10%であ
ることが好ましい。この割合が0.1%未満であると、
生体適合性が悪くなり、10%を超えると、ゲルの機械
的強度が小さくなる。
ある。HAの量は、PVAに対して0.1〜10%であ
ることが好ましい。この割合が0.1%未満であると、
生体適合性が悪くなり、10%を超えると、ゲルの機械
的強度が小さくなる。
攪拌時の回転数は、好ましくは500rpm以上、更に
好ましくは1000〜10000rpmであり、500
rpm未満であると、ゲルの中に均一に気泡が入りにく
くなる。特に、約1000rpmで攪拌すると、生じた
気泡が安定であるので、凍結乾燥、温風乾燥後でもゲル
の中に存在しゲル自体がスポンジ状になる。スポンジ状
であることは、軟骨細胞をゲルの中に入り込み易くさ
せ、いわゆる周囲の軟骨組織との一体化に役立つ。
好ましくは1000〜10000rpmであり、500
rpm未満であると、ゲルの中に均一に気泡が入りにく
くなる。特に、約1000rpmで攪拌すると、生じた
気泡が安定であるので、凍結乾燥、温風乾燥後でもゲル
の中に存在しゲル自体がスポンジ状になる。スポンジ状
であることは、軟骨細胞をゲルの中に入り込み易くさ
せ、いわゆる周囲の軟骨組織との一体化に役立つ。
アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム
等のアルカリ土類水酸化物等が挙げられる。これらのア
ルカリは、pHが9以上になる量を用いることが好まし
い。
カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム
等のアルカリ土類水酸化物等が挙げられる。これらのア
ルカリは、pHが9以上になる量を用いることが好まし
い。
以上のようにしてアルカリ処理した後、充分に気泡を形
成させる。これを成形し凍結乾燥するか(以下「凍結乾
燥法」という)、15時間以上凍結した後、融解しアル
カリを水洗して除去した後、20〜50℃の温風で乾燥
する(以下「温風乾燥法」という)。未重合のPVA、
HA、コラーゲン、HAP及びアルカリを水洗して除去
することにより、本発明の人工軟骨素材を得ることがで
きる。
成させる。これを成形し凍結乾燥するか(以下「凍結乾
燥法」という)、15時間以上凍結した後、融解しアル
カリを水洗して除去した後、20〜50℃の温風で乾燥
する(以下「温風乾燥法」という)。未重合のPVA、
HA、コラーゲン、HAP及びアルカリを水洗して除去
することにより、本発明の人工軟骨素材を得ることがで
きる。
以上のようにして得られる本発明の人工軟骨素材は、通
常、引っ張り強度50kg/cm2以上、動的弾性率3.0〜
5.5×105N/m2、含水率50〜95重量%、伸
び率300〜500%である。添加されたHAは、水中
にゲルを浸しておくと非常にゆっくりと溶出されるが、
無機塩やアルカリ、未重合のPVA等の低分子量の物質
は簡単に溶出される。また、本発明の人工軟骨素材は、
室温で水に3カ月浸していても含水率、引っ張り強度に
変化はない。更に、50℃の水に数十時間浸していても
変化は認められない。
常、引っ張り強度50kg/cm2以上、動的弾性率3.0〜
5.5×105N/m2、含水率50〜95重量%、伸
び率300〜500%である。添加されたHAは、水中
にゲルを浸しておくと非常にゆっくりと溶出されるが、
無機塩やアルカリ、未重合のPVA等の低分子量の物質
は簡単に溶出される。また、本発明の人工軟骨素材は、
室温で水に3カ月浸していても含水率、引っ張り強度に
変化はない。更に、50℃の水に数十時間浸していても
変化は認められない。
一方、従来法、即ち、アルカリ処理をしないで得たゲル
は、50℃の水に数時間浸しておいただけで非常に軟弱
なゲルになり、100℃、30分で溶解してしまう。
は、50℃の水に数時間浸しておいただけで非常に軟弱
なゲルになり、100℃、30分で溶解してしまう。
従来法によるゲルと本発明の人工軟骨素材との溶解性や
機械的強度のこの差はゲルからのHAの溶出速度にも密
接な関係があり、37℃の水への溶出速度を見ると、本
発明の人工軟骨素材は90日間でゲル中のHAの4%し
か溶出しないのに対して、従来法によるゲルは殆ど溶出
されてしまう。
機械的強度のこの差はゲルからのHAの溶出速度にも密
接な関係があり、37℃の水への溶出速度を見ると、本
発明の人工軟骨素材は90日間でゲル中のHAの4%し
か溶出しないのに対して、従来法によるゲルは殆ど溶出
されてしまう。
以上のように、アルカリ処理、好ましくはpHを9以上に
することは機械的強度を大きく、即ち、PVAとHAと
の分子の絡みを密にする作用を有していると考えられ
る。このことは、PVAとHAの混合液にアルカリを加
えていくと次第に粘性を増加させ、更にアルカリを加え
るとゲル化を起こしてしまうことからも推定される。前
記の現象は、凍結乾燥法でも温風乾燥法でも同様に起こ
る。アルカリでなく、中性の無機、有機の塩では粘性の
上昇は見られても、決してゲルにはならない。
することは機械的強度を大きく、即ち、PVAとHAと
の分子の絡みを密にする作用を有していると考えられ
る。このことは、PVAとHAの混合液にアルカリを加
えていくと次第に粘性を増加させ、更にアルカリを加え
るとゲル化を起こしてしまうことからも推定される。前
記の現象は、凍結乾燥法でも温風乾燥法でも同様に起こ
る。アルカリでなく、中性の無機、有機の塩では粘性の
上昇は見られても、決してゲルにはならない。
なお、本発明の人工軟骨素材は、PVA、HA、HA
P、コラーゲンの他、コンドロイチン硫酸(以下「C
S」という)、ヘパリン(以下「Hep」という)、デ
ルマタン硫酸(以下「DS」という)等を含んでいても
よい。
P、コラーゲンの他、コンドロイチン硫酸(以下「C
S」という)、ヘパリン(以下「Hep」という)、デ
ルマタン硫酸(以下「DS」という)等を含んでいても
よい。
[実施例] 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、こ
れらの実施例は本発明の範囲を何ら制限するものではな
い。
れらの実施例は本発明の範囲を何ら制限するものではな
い。
実施例1 凍結乾燥法 重合度(DP)2000のPVA1.5gに水10mlを
加えて120℃で溶解し、この水溶液に1%HA(分子
量100万)水溶液10mlを加えて、1000rpmで
攪拌した。これにHAP(直径10μm)1gとコラー
ゲン(3mg/ml)酢酸水溶液15mlを加え、攪拌しつつ
10N−NaOH0.05mlを加えた。4.6×9.5
×0.1cmの長方形に流し込み成形し、凍結乾燥した。
凍結乾燥品を精製水に浸して、洗浄し洗浄液中にHAが
溶出されなくなった時点で本発明品を得る。このように
して得られたゲル(ロット1)とアルカリ処理しないで
調製したゲル(コントロール1)の物性を表1に比較し
た。
加えて120℃で溶解し、この水溶液に1%HA(分子
量100万)水溶液10mlを加えて、1000rpmで
攪拌した。これにHAP(直径10μm)1gとコラー
ゲン(3mg/ml)酢酸水溶液15mlを加え、攪拌しつつ
10N−NaOH0.05mlを加えた。4.6×9.5
×0.1cmの長方形に流し込み成形し、凍結乾燥した。
凍結乾燥品を精製水に浸して、洗浄し洗浄液中にHAが
溶出されなくなった時点で本発明品を得る。このように
して得られたゲル(ロット1)とアルカリ処理しないで
調製したゲル(コントロール1)の物性を表1に比較し
た。
生体適合性は次のようにして調べた。
成猫(雌雄2.5−3.5kg)の胸又は腹部の皮下に
1.0×1.0×0.1cmの板状検体を1検体当たり1
2匹に埋植する。2,4,8及び12週間後に3匹ずつ
屠殺し埋植片及び周囲の組織の病理組織所見を観察し
た。2週間で毛細血管の増生と線維芽細胞の増殖が見ら
れたものは×、マクロファージの出現があっても、8週
間後には完全に消失しているものを〇とした。8週間後
マクロファージの存在は認めても、12週間後には完全
に消失しているものを△とした。
1.0×1.0×0.1cmの板状検体を1検体当たり1
2匹に埋植する。2,4,8及び12週間後に3匹ずつ
屠殺し埋植片及び周囲の組織の病理組織所見を観察し
た。2週間で毛細血管の増生と線維芽細胞の増殖が見ら
れたものは×、マクロファージの出現があっても、8週
間後には完全に消失しているものを〇とした。8週間後
マクロファージの存在は認めても、12週間後には完全
に消失しているものを△とした。
軟骨細胞の接着、増殖性は次のようにして調べた。
ウサギ軟骨細胞(105cell/ml)にゲル(5.0
×5.0×0.1mm)を入れて、3日間培養し、ゲル上
の軟骨細胞の接着性(細胞数)、集落形成(細胞どうし
が部分的に集まり、集塊(aggregate)を起こ
し、このような時には細胞増殖は見られない)、ネット
ワーク形成(細胞どうしの集塊(aggregate)
はなく一定の距離をもってネットワーク状になってい
る。このような時に細胞増殖が見られた。)を走査型電
顕で観察した。
×5.0×0.1mm)を入れて、3日間培養し、ゲル上
の軟骨細胞の接着性(細胞数)、集落形成(細胞どうし
が部分的に集まり、集塊(aggregate)を起こ
し、このような時には細胞増殖は見られない)、ネット
ワーク形成(細胞どうしの集塊(aggregate)
はなく一定の距離をもってネットワーク状になってい
る。このような時に細胞増殖が見られた。)を走査型電
顕で観察した。
同じ組成であるがAHの含量の差、ゲルからのHAの溶
出される速度の差(コントロール1は非常に速く溶出さ
れるが本発明品は37℃の水に90日間浸していても4
%しか溶出されない。)が生体適合性、軟骨細胞の新和
性、増殖性の差に現われたと判断できる。
出される速度の差(コントロール1は非常に速く溶出さ
れるが本発明品は37℃の水に90日間浸していても4
%しか溶出されない。)が生体適合性、軟骨細胞の新和
性、増殖性の差に現われたと判断できる。
実施例2 実施例1に準じて検体を調製した。調整条件を表2に示
した。それらの分析値を表3に示した。
した。それらの分析値を表3に示した。
実施例3 温風乾燥法 重合度(DP)2000のPVA1.5gに水10mlを
加えて、120℃でオートクレーブにかけ溶解した。こ
の水溶液に1%のHA(分子量100万)水溶液10ml
を加え、1000rpmで攪拌しつつHAP(直径10μ
m)1g、コラーゲン(タイプII,3mg/ml)溶液5ml
を加えた。10N−NaOH0.05mlでアルカリ性に
して、充分に気泡を形成した後、成形し−20℃で30
時間凍結した。融解し精製水に浸してアルカリを除去し
た後、50℃の温風で乾燥し再度精製水に浸して未重合
のPVA,HA,HAP及びコラーゲンを除去して本発
明品(ロット50)を得た。同様の組成でアルカリ処理
をしないものを(コントロール50)対照に物性を比較
し表4に示した。
加えて、120℃でオートクレーブにかけ溶解した。こ
の水溶液に1%のHA(分子量100万)水溶液10ml
を加え、1000rpmで攪拌しつつHAP(直径10μ
m)1g、コラーゲン(タイプII,3mg/ml)溶液5ml
を加えた。10N−NaOH0.05mlでアルカリ性に
して、充分に気泡を形成した後、成形し−20℃で30
時間凍結した。融解し精製水に浸してアルカリを除去し
た後、50℃の温風で乾燥し再度精製水に浸して未重合
のPVA,HA,HAP及びコラーゲンを除去して本発
明品(ロット50)を得た。同様の組成でアルカリ処理
をしないものを(コントロール50)対照に物性を比較
し表4に示した。
生体適合性、軟骨細胞の親和性、増殖性の差は実施例1
と同じ理由によるものと考えられる。
と同じ理由によるものと考えられる。
[発明の効果] 本発明によれば、生体適合性を有し、かつ抗劣化性のあ
る完全で新規な人工軟骨を提供することができる。
る完全で新規な人工軟骨を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳安 清親 東京都東大和市立野3丁目1253番地 生化 学工業株式会社東京研究所内 (72)発明者 蛯原 正臣 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)発明者 澄田 政哉 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、ハ
イドロキシアパタイト及びコラーゲン(タイプII)をア
ルカリ処理してなることを特徴とする人工軟骨素材。 - 【請求項2】アルカリがアルカリ金属水酸化物又はアル
カリ土類水酸化物である請求項1記載の人工軟骨素材。 - 【請求項3】ポリビニルアルコールの水溶液に、ヒアル
ロン酸の水溶液を加えて攪拌した後、ハイドロキシアパ
タイト及びコラーゲン(タイプII)を加え、アルカリ処
理することを特徴とする人工軟骨素材の製造法。 - 【請求項4】アルカリがアルカリ金属水酸化物又はアル
カリ土類水酸化物である請求項3記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63096779A JPH0622573B2 (ja) | 1988-04-21 | 1988-04-21 | 人工軟骨素材及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63096779A JPH0622573B2 (ja) | 1988-04-21 | 1988-04-21 | 人工軟骨素材及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01268559A JPH01268559A (ja) | 1989-10-26 |
JPH0622573B2 true JPH0622573B2 (ja) | 1994-03-30 |
Family
ID=14174123
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63096779A Expired - Fee Related JPH0622573B2 (ja) | 1988-04-21 | 1988-04-21 | 人工軟骨素材及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0622573B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01305959A (ja) * | 1988-06-03 | 1989-12-11 | Arusu Japan:Kk | 人工軟骨材 |
JP4859315B2 (ja) * | 2001-09-26 | 2012-01-25 | 京セラ株式会社 | 関節軟骨欠損修復材およびこれを用いた関節欠損修復部材 |
-
1988
- 1988-04-21 JP JP63096779A patent/JPH0622573B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01268559A (ja) | 1989-10-26 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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