JPH0622482Y2 - スリット圧延用ローラ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、圧延材をスリット圧延における圧延材切り
裂き用の刃付ローラに正確に案内するためのスリット圧
延用ローラ装置に関する。

（従来の技術） 従来、スリット圧延用ローラ装置として、特開昭５１−
１１９５８３号公報記載のものがある。この従来例は、
ガイドボックスであるフレームに、一対の側面肩部を形
成するように円周上を斜めにそがれたブレードを有する
切り裂き用の刃付ローラである円形ナイフを設け、この
円形ナイフに対向して圧延材の押し向け部材である支持
ローラを設け、圧延材を切り裂くものである。

（考案が解決しようとする課題） 従来例は、円形ナイフと圧延材との常時接触を、この円
形ナイフに設けたブレードの肩部で行うことにより、円
形ナイフの摩耗を減少させようとするものであるが、圧
延材が切り裂かれる場合の捩れを防止することができな
いことから、円形ナイフのブレードに無理な力が加わる
問題があった。また圧延材切り裂き部分（薄肉部分）を
円形ナイフのブレードに常に位置合せできない欠点があ
り、圧延材の位置がずれると、円形ナイフで圧延材の肉
厚部分を切り裂くことがあり、円形ナイフの摩耗を十分
に防止することは不可能であった。

この考案の目的は、圧延材を切り裂く場合に発生する圧
延材のねじれを防止することであり、他の目的は圧延材
の切り裂き部分を正確に刃付ローラに案内することであ
り、さらに他の目的は圧延材を正確に同じ寸法に切り裂
いて圧延材の寸法精度を向上させると共に、刃付ローラ
の摩耗を減少させることである。

（課題を解決するための手段） この考案のスリット圧延用ローラ装置において、一対の
圧延材切り裂き用の刃付ローラと、一対のセンタリング
ガイドローラとをそれぞれ設けている。刃付ローラとセ
ンタリングガイドローラとは、ガイドボックスに軸を中
心として回転自在に設けられている。上記センタリング
ガイドローラは上記刃付ローラと直交する方向に配設さ
れ、かつ圧延材の切り裂き部分を上記刃付ローラに案内
するものである。一対のセンタリングガイドローラは、
圧延ロールにより圧延された圧延材の肩部と同一の孔型
を有することが望ましい。

この考案のスリット圧延用ローラ装置には、一対の刃付
ローラの間隔を調整するための装置を設けてもよい。こ
のローラ調整装置では、一対の刃付ローラを支持する軸
を偏心軸としており、上記偏心軸に設けたローラ間隔調
整用のウォームと、ウォームと噛合するねじのリードが
互いに逆なローラ間隔調整用のピニオンとを備えている
ものである。

またの考案のスリット圧延用ローラ装置には、一対のセ
ンタリングローラの間隔を調整するための装置を設けて
もよい。ローラ間隔調整装置としては、一対のセンタリ
ングローラを偏心軸でガイドボックスに軸支し、上記偏
心軸に設けたローラ間隔調整用のウォームと、ウォーム
と噛合するねじのリードが互いに逆なローラ間隔調整用
のピニオンとを備えているものである。

（作用） 圧延ロールで圧延された圧延材は、この圧延材の肩部の
形状と同一のセンタリングガイドローラによって圧延材
の切り裂き部分を刃付ローラの中心に案内されて、圧延
材の切り裂き部分は正確に刃付ローラに案内されて左右
均等に切り裂かれる。

刃付ローラの間隔調整用のウォームを回すことにより一
対の刃付ローラの刃の隙間を調整できる。

センタリングガイドローラの間隔調整用のウォームを回
すことにより一対のセンタリングガイドローラの間隔が
圧延材の寸法に合せた調整が可能となる。

（実施例） この考案の実施例を図面を参照して説明する。

第１図〜第４図に示すように、ガイドボックス１には、
上下一対の圧延材切り裂き用の刃付ローラ２，３が、こ
のガイドボックスに水平に軸支されている偏心軸４，４
を中心として回転自在に取付けられている。刃付ローラ
２，３は、第３図及び第４図に示すようにその外周全周
に断面Ｖ字状に刃２ａ，３ａを突出してあり、刃２ａと
刃３ａとはその刃先が互いに対向している。偏心軸４，
４は、ガイドボックス１の一端側（第１図左端側）に配
置されている圧延ロール６，６の軸と平行に設けられて
いる。

また第１図、第２図及び第５図に示すように、刃付ロー
ラ２，３と圧延ロール６，６との間には、一対のセンタ
リングガイドローラ７，８がガイドボックス１に偏心軸
であるローラピン９，９を中心として回転自在に設けら
れている。一対のセンタリングガイドローラ７，８の孔
型は圧延ロール６，６により圧延された圧延材の肩部と
同一の孔型としている。センタリングガイドローラ７，
８はデリバリーガイド５から送られてくる圧延材の切り
裂き部分を上記刃付ローラ２，３に案内するものであ
る。ローラピン９，９は、刃付ローラ２，３の偏心軸
４，４と直交する方向に設けられている。このため、セ
ンタリングガイドローラ７，８は上記刃付ローラ２，３
と直交する方向に配設されていることになる。

またガイドボックス１には、刃付ローラ２，３のローラ
間隔調整装置と、センタリングガイドローラ７，８のロ
ーラ間隔調整装置とをそれぞれ設けてある。

まず、刃付ローラ２，３の間隔調整装置を第１図〜第４
図を参照して説明する。

刃付ローラ２，３の偏心軸４，４の一端（第４図下端）
にはローラ間隔調整用のウォーム１０，１１を取付けて
ある。ウォーム１０，１１は、軸受１２で軸支されてい
るピニオンシャフト１３に形成されかつねじのリードが
互いに逆な軸一体のピニオン１４，１５に噛合してい
る。ピニオンシャフト１３を回すことにより、その回転
力はピニオン１４，１５を経てウォーム１０，１１に伝
えられ、偏心軸４が回転することにより、一対の刃付ロ
ーラ２，３の間隔が調整される。

またセンタリングガイドローラ７，８の間隔調整装置を
第１図、第２図及び第５図を参照して説明する。

センタリングガイドローラ７，８のローラピン９，９の
一端（第５図上端）にはローラ間隔調整用のウォーム１
６，１７を取付けてある。ウォーム１６，１７は、軸受
１８で軸支されているピニオンシャフト１９に形成され
かつねじのリードが互いに逆な軸一体のピニオン２０，
２１に噛合している。ピニオンシャフト１９を回すこと
により、その回転力はピニオン２０，２１を経てウォー
ム１６，１７に伝えられ、ローラピン９，９が回転する
ことにより、一対のセンタリングガイドローラ７，８の
間隔が調整される。

２２はセパレートガイドである（第３図）。

次に、作用を説明する。

まず、ピニオンシャフト１９を回すことにより、センタ
リングガイドローラ７，８の間隔を圧延材の寸法に合せ
て調整する。次にピニオンシャフト１３を回すことによ
り、一対の刃付ローラ２，３の間隔を調整して、刃２
ａ，３ａの隙間を所望の寸法に調整しておく。

これらの調整を行った後、本装置を圧延機に取付けて使
用する。圧延ロール６，６で圧延された圧延材は、まず
デリバリーガイド５でセンタリングガイドローラ７，８
に補助誘導され、ついで圧延材はこの圧延材の肩部の形
状と同一のセンタリングガイドローラ７，８により所望
の切り裂き部分を刃付ローラ２，３にセンタリングされ
て案内されるから、圧延材の切り裂き部分は正確に刃付
ローラに案内されて、左右均等に切り裂かれる。このよ
うに圧延材が左右均等に切り裂かれることによりそれぞ
れの圧延材の寸法精度が正確に圧延される。切り裂かれ
たそれぞれの圧延材はセパレートガイド２３を経て装置
外に送られる。

ピニオンシャフト１３，１９に駆動機を連動させて、自
動的に遠隔操作によってローラ間隔の調整を行ってもよ
い。

（考案の効果） この考案によれば、一対のセンタリングガイドローラを
設けているので、圧延材を切り裂く場合に発生する圧延
材のねじれを防止することができ、圧延材の切り裂き部
分を正確に刃付ローラに案内することができ、圧延材を
正確に同じ寸法に切り裂いて圧延材の寸法精度を向上さ
せると共に、刃付ローラの摩耗を減少させることがで
き、これらの効果はローラ間隔調整装置を設けることに
よってより一層達成される。

【図面の簡単な説明】

第１図は正面図、 第２図は平面図、 第３図は側面図、 第４図は刃付ローラの取付け状態を示す断面図、 第５図はセンタリングガイドローラの取付け状態と、こ
のセンタリングガイドローラの位置関係をそれぞれ示す
断面図である。 １……ガイドボックス、２，３……刃付ローラ、 ２ａ，３ａ……刃、４……偏心軸、 ６，……圧延ロール、 ７，８……センタリングガイドローラ、 ９……偏心軸（ローラピン）、 １０，１１……ウォーム、 １３……ピニオンシャフト、 １４，１５……ピニオン、１６，１７……ウォーム、 １９……ピニオンシャフト、 ２０，２１……ピニオン。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ガイドボックスに一対の圧延材切り裂き用
   の刃付ローラを回転自在に設けると共に一対のセンタリ
   ングガイドローラを回転自在に設けてあり、 上記センタリングガイドローラは上記刃付ローラと直交
   する方向に配設され、かつ圧延材の切り裂き部分を上記
   刃付ローラに案内するものである ことを特徴とするスリット圧延用ローラ装置。
2. 【請求項２】一対のセンタリングガイドローラは、圧延
   ロールにより圧延された圧延材の肩部と同一の孔型を有
   することを特徴とする請求項１記載のスリット圧延用ロ
   ーラ装置。
3. 【請求項３】一対の刃付ローラは偏心軸によりガイドボ
   ックスに軸支されており、上記偏心軸に設けたローラ間
   隔調整用のウォームと、ウオームと噛合するねじのリー
   ドが互いに逆なローラ間隔調整用のピニオンとを備えた
   ローラ間隔調整装置を設けていることを特徴とする請求
   項１記載のスリット圧延用ローラ装置。
4. 【請求項４】一対のセンタリングガイドローラは偏心軸
   によりガイドボックスに軸支されており、上記偏心軸に
   設けたローラ間隔調整用のウォームと、ウォームと噛合
   するねじのリードが互いに逆なローラ間隔調整用のピニ
   オンとを備えたローラ間隔調整装置を設けていることを
   特徴とする請求項３記載のスリット圧延用ローラ装置。