JPH06223739A - 陰極線管用電子銃装置 - Google Patents
陰極線管用電子銃装置Info
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- JPH06223739A JPH06223739A JP917193A JP917193A JPH06223739A JP H06223739 A JPH06223739 A JP H06223739A JP 917193 A JP917193 A JP 917193A JP 917193 A JP917193 A JP 917193A JP H06223739 A JPH06223739 A JP H06223739A
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- focusing
- electron
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 静電4極レンズを備え、セルフコンバーゼン
スシステムで駆動する陰極線管用電子銃において、画面
周辺での偏向収差を補正するだけでなく、画面上のビー
ムスポットの形状が偏平に歪むことを軽減して、画面周
辺部の水平解像度の劣化やモアレの発生を押えると共
に、画面周辺のライディング地磁気裕度の劣化を防ぐ。 【構成】 高圧電極1と集束電極2間に形成される主電
子レンズ5Aに画面周辺での偏向磁界の偏向収差をキャ
ンセルする非点収差をもたせる。電子ビームの画面周辺
への偏向時に変調電圧を0にして集束電極2〜4を同電
位にし主電子レンズのみを作用させて電子ビームを画面
周辺でジャストフォーカスさせる。電子ビームの画面中
央への偏向時には変調電圧ΔEを発生することにより集
束電極2及び4と集束電極3間に電位差を発生して静電
4極レンズ6を形成しかつ高圧電極1と集束電極2間の
電位差を大きくして主電子レンズを強める。
スシステムで駆動する陰極線管用電子銃において、画面
周辺での偏向収差を補正するだけでなく、画面上のビー
ムスポットの形状が偏平に歪むことを軽減して、画面周
辺部の水平解像度の劣化やモアレの発生を押えると共
に、画面周辺のライディング地磁気裕度の劣化を防ぐ。 【構成】 高圧電極1と集束電極2間に形成される主電
子レンズ5Aに画面周辺での偏向磁界の偏向収差をキャ
ンセルする非点収差をもたせる。電子ビームの画面周辺
への偏向時に変調電圧を0にして集束電極2〜4を同電
位にし主電子レンズのみを作用させて電子ビームを画面
周辺でジャストフォーカスさせる。電子ビームの画面中
央への偏向時には変調電圧ΔEを発生することにより集
束電極2及び4と集束電極3間に電位差を発生して静電
4極レンズ6を形成しかつ高圧電極1と集束電極2間の
電位差を大きくして主電子レンズを強める。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、静電4極レンズを備
え、3原色に対応した3本の電子ビームを画面上にスポ
ット状に収束させる陰極線管用電子銃に関し、特に電子
ビームを偏向する偏向ヨークが作り出す偏向磁界の偏向
収差を補正することにより画面上のビームスポットの形
状を補正するセルフコンバーゼンスシステムで駆動する
陰極線管用電子銃に関する。
え、3原色に対応した3本の電子ビームを画面上にスポ
ット状に収束させる陰極線管用電子銃に関し、特に電子
ビームを偏向する偏向ヨークが作り出す偏向磁界の偏向
収差を補正することにより画面上のビームスポットの形
状を補正するセルフコンバーゼンスシステムで駆動する
陰極線管用電子銃に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来の静電4極レンズを備えた
インライン型電子銃を示す構成図である。1は図示しな
い陰極で発生する3本の電子ビームが通過する3つのア
パーチャ1aを有する高圧電極であり、図示しない陰極
線管のアノードから20〜35[kv]の高圧が印加さ
れて入射した電子ビームを加速する。
インライン型電子銃を示す構成図である。1は図示しな
い陰極で発生する3本の電子ビームが通過する3つのア
パーチャ1aを有する高圧電極であり、図示しない陰極
線管のアノードから20〜35[kv]の高圧が印加さ
れて入射した電子ビームを加速する。
【0003】2は同じく3つのアパーチャ2gを有する
と共に高圧電極1と対向する面のアパーチャ部に静電4
極レンズ電極2a〜2fを備えた集束電極であり、前記
高圧の20〜35%の電圧が印加される。
と共に高圧電極1と対向する面のアパーチャ部に静電4
極レンズ電極2a〜2fを備えた集束電極であり、前記
高圧の20〜35%の電圧が印加される。
【0004】3は集束電極2に対向する面のアパーチャ
部に静電4極レンズ電極3a〜3fを備えると共に反対
面のアパーチャ部に静電4極レンズ電極3g〜3lを備
えて前記高圧の20〜35%の電圧が印加される集束電
極、4は同様に集束電極3に対向する面のアパーチャ部
に静電4極レンズ電極4a〜4fを備えて前記高圧の2
0〜35%の電圧が印加される集束電極である。
部に静電4極レンズ電極3a〜3fを備えると共に反対
面のアパーチャ部に静電4極レンズ電極3g〜3lを備
えて前記高圧の20〜35%の電圧が印加される集束電
極、4は同様に集束電極3に対向する面のアパーチャ部
に静電4極レンズ電極4a〜4fを備えて前記高圧の2
0〜35%の電圧が印加される集束電極である。
【0005】対向する静電4極レンズ電極2a〜2fと
3a〜3f及び静電4極レンズ電極3g〜3lと4a〜
4fは、それぞれ2組ずつ互い違いに組み込んだ構成で
ある。
3a〜3f及び静電4極レンズ電極3g〜3lと4a〜
4fは、それぞれ2組ずつ互い違いに組み込んだ構成で
ある。
【0006】集束電極3には集束電圧EFが印加される
と共に、集束電極2と集束電極4には電子ビームを画面
全域に偏向する図示しない偏向ヨークに印加される偏向
電流に同期した変調電圧ΔEを集束電圧EFに重畳した
電圧EF+ΔEが印加される。これによって、高圧電極
1と集束電極2との間にその電位差により主電子レンズ
5を形成すると共に、集束電極2と集束電極3との間及
び集束電極3と集束電極4との間にそれぞれ電位差によ
り静電4極レンズ6を形成して、これらレンズの作用に
より3本の電子ビームを図示しない画面上に集束させ
る。
と共に、集束電極2と集束電極4には電子ビームを画面
全域に偏向する図示しない偏向ヨークに印加される偏向
電流に同期した変調電圧ΔEを集束電圧EFに重畳した
電圧EF+ΔEが印加される。これによって、高圧電極
1と集束電極2との間にその電位差により主電子レンズ
5を形成すると共に、集束電極2と集束電極3との間及
び集束電極3と集束電極4との間にそれぞれ電位差によ
り静電4極レンズ6を形成して、これらレンズの作用に
より3本の電子ビームを図示しない画面上に集束させ
る。
【0007】上述した構成において、静電4極レンズ6
を備えていない電子銃では、画面上のビームスポットの
形状は、図7に示すように、偏向角が小さい画面中央で
はセルフコンバーゼンスシステム用の偏向ヨークが作り
出す偏向磁界の偏向収差が小さいために円形になるが、
偏向角が大きい画面周辺では偏向収差が大きくなるため
に水平方向でジャストフォーカスが維持され垂直方向で
はオーバーフォーカス状態となってハローが発生してし
まい解像度が著しく劣化する。
を備えていない電子銃では、画面上のビームスポットの
形状は、図7に示すように、偏向角が小さい画面中央で
はセルフコンバーゼンスシステム用の偏向ヨークが作り
出す偏向磁界の偏向収差が小さいために円形になるが、
偏向角が大きい画面周辺では偏向収差が大きくなるため
に水平方向でジャストフォーカスが維持され垂直方向で
はオーバーフォーカス状態となってハローが発生してし
まい解像度が著しく劣化する。
【0008】この状態を、電子ビームの軌道の断面を示
す図8を用いて、画面中央での垂直方向及び水平方向
と、画面中央での垂直方向及び水平方向とに分けて説明
する。画面中央では、図8(a)に示すように、水平、
垂直方向ともジャストォーカスとなる。
す図8を用いて、画面中央での垂直方向及び水平方向
と、画面中央での垂直方向及び水平方向とに分けて説明
する。画面中央では、図8(a)に示すように、水平、
垂直方向ともジャストォーカスとなる。
【0009】画面周辺では、図8(b)に示すように、
偏向ヨークの作り出す偏向磁界が、垂直方向では凸レン
ズ、水平方向では凹レンズとして作用し、水平方向の凹
レンズは画面中央と画面周辺との間の主電子レンズ5か
ら画面までの距離の違いをちょうど補正するように作用
するためビームスポットの水平方向のフォーカス状態は
維持されるのに対し、垂直方向の凸レンズは上記のよう
に作用しないため、ビームスポットの形状を垂直方向で
大きくオーバーフォーカス状態つまりハロー状態にして
しまう。
偏向ヨークの作り出す偏向磁界が、垂直方向では凸レン
ズ、水平方向では凹レンズとして作用し、水平方向の凹
レンズは画面中央と画面周辺との間の主電子レンズ5か
ら画面までの距離の違いをちょうど補正するように作用
するためビームスポットの水平方向のフォーカス状態は
維持されるのに対し、垂直方向の凸レンズは上記のよう
に作用しないため、ビームスポットの形状を垂直方向で
大きくオーバーフォーカス状態つまりハロー状態にして
しまう。
【0010】そこで、従来の静電4極レンズ6を備えた
電子銃では、図9に示すような、偏向電流に同期する変
調電圧ΔEを画面中央でほぼ0にしかつ画面周辺にいく
ほど大きくして集束電圧FFに重畳した電圧を集束電極
2及び4に印加することにより、画画中央では集束電極
2〜4間の電位差を無くして主電子レンズ5のみの作用
で電子ビームを画面に集束させ、画面周辺では各集束電
極2〜4間に電位差を生じさせて静電4極レンズ6を形
成すると共に高圧電極1と集束電極2との間の電位差を
小さくして主電子レンズ5の強さを弱めることにより、
画面周辺でのハローの発生をなくしている。
電子銃では、図9に示すような、偏向電流に同期する変
調電圧ΔEを画面中央でほぼ0にしかつ画面周辺にいく
ほど大きくして集束電圧FFに重畳した電圧を集束電極
2及び4に印加することにより、画画中央では集束電極
2〜4間の電位差を無くして主電子レンズ5のみの作用
で電子ビームを画面に集束させ、画面周辺では各集束電
極2〜4間に電位差を生じさせて静電4極レンズ6を形
成すると共に高圧電極1と集束電極2との間の電位差を
小さくして主電子レンズ5の強さを弱めることにより、
画面周辺でのハローの発生をなくしている。
【0011】この状態を電子ビームの軌道の断面を示す
図10を用いて、画面中央での垂直方向及び水平方向
と、画面中央での垂直方向及び水平方向とに分けて説明
する。画面中央では、図10(a)に示すように、静電
4極レンズが形成されず主電子レンズのみの作用で、図
8(a)と同じ状態であり、即ちビームスポットの形状
は、水平、垂直方向ともジャストフォーカスとなる。
図10を用いて、画面中央での垂直方向及び水平方向
と、画面中央での垂直方向及び水平方向とに分けて説明
する。画面中央では、図10(a)に示すように、静電
4極レンズが形成されず主電子レンズのみの作用で、図
8(a)と同じ状態であり、即ちビームスポットの形状
は、水平、垂直方向ともジャストフォーカスとなる。
【0012】画面周辺では、図10(b)に示すよう
に、主電子レンズ5の強さを弱めると共に静電4極レン
ズ6を形成して、主電子レンズ5により電子ビームの水
平及び垂直方向に発散作用を与え、静電4極レンズ6に
より電子ビームの水平方向に集束作用を与えかつ垂直方
向に発散作用を与える。
に、主電子レンズ5の強さを弱めると共に静電4極レン
ズ6を形成して、主電子レンズ5により電子ビームの水
平及び垂直方向に発散作用を与え、静電4極レンズ6に
より電子ビームの水平方向に集束作用を与えかつ垂直方
向に発散作用を与える。
【0013】このような主電子レンズ5と静電4極レン
ズ6による作用により、画面周辺でのセルフコンバーゼ
ンスシステム用の偏向ヨークの作り出す偏向磁界の偏向
収差を補正して、図11に示すように、画面周辺のビー
ムスポットの垂直方向のハローをなくしていた。これに
よって、図11に示す画面周辺でのビームスポットの垂
直方向の径Vbは、図10に示す静電4極レンズを備え
ていない場合の径Vaよりも著しく小さくできて解像度
を改善することができた。
ズ6による作用により、画面周辺でのセルフコンバーゼ
ンスシステム用の偏向ヨークの作り出す偏向磁界の偏向
収差を補正して、図11に示すように、画面周辺のビー
ムスポットの垂直方向のハローをなくしていた。これに
よって、図11に示す画面周辺でのビームスポットの垂
直方向の径Vbは、図10に示す静電4極レンズを備え
ていない場合の径Vaよりも著しく小さくできて解像度
を改善することができた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図10(b)
に示すように、画面周辺で、従来の電子銃の静電4極レ
ンズ6、主電子レンズ5、偏向ヨークによる偏向磁界レ
ンズの構成にすると、水平方向の像倍率Mh2は、静電
4極レンズ6を備えていない図8(b)の場合の像倍率
Mh1に比べてMh2>Mh1となるため、画面周辺で
のビームスポットは図11に示すように水平方向の径H
bが静電4極レンズ6を備えていない図7の場合の径H
aに比べてHb>Haとなってしまうと共に、水平方向
では垂直方向の像倍率Mv2は図8(b)の場合のMv
1に比べて著しく小さくなってしまうので、画面周辺で
のビームスポットの形状は、図11に示すように、偏平
に歪んでしまう。
に示すように、画面周辺で、従来の電子銃の静電4極レ
ンズ6、主電子レンズ5、偏向ヨークによる偏向磁界レ
ンズの構成にすると、水平方向の像倍率Mh2は、静電
4極レンズ6を備えていない図8(b)の場合の像倍率
Mh1に比べてMh2>Mh1となるため、画面周辺で
のビームスポットは図11に示すように水平方向の径H
bが静電4極レンズ6を備えていない図7の場合の径H
aに比べてHb>Haとなってしまうと共に、水平方向
では垂直方向の像倍率Mv2は図8(b)の場合のMv
1に比べて著しく小さくなってしまうので、画面周辺で
のビームスポットの形状は、図11に示すように、偏平
に歪んでしまう。
【0015】この現象は、画面周辺の水平解像度の劣化
やモアレ現象の原因になると共に、図10に示すよう
に、画面周辺で主電子レンズ5内での電子ビームの口径
h2が図8(b)の場合の口径h1と比べh2>h1と
なるため画面周辺のランディング地磁気裕度の劣化の原
因になるという問題点があった。
やモアレ現象の原因になると共に、図10に示すよう
に、画面周辺で主電子レンズ5内での電子ビームの口径
h2が図8(b)の場合の口径h1と比べh2>h1と
なるため画面周辺のランディング地磁気裕度の劣化の原
因になるという問題点があった。
【0016】この発明はこのような問題点を解消するた
めになされたもので、画面中央でのビームスポットの形
状を劣化させることなく、画面周辺での偏向磁界の偏向
収差による影響を補正しかつ画面周辺でのビームスポッ
トの形状が偏平に歪むことを軽減することにより、画面
周辺の水平解像度の劣化やモアレの発生を押えると共
に、電子ビームの垂直方向の主電子レンズ内口径を小さ
くすることにより、画面周辺のランディング地磁気裕度
の劣化を防ぐことができる陰極線管用電子銃を得ること
を目的とする。
めになされたもので、画面中央でのビームスポットの形
状を劣化させることなく、画面周辺での偏向磁界の偏向
収差による影響を補正しかつ画面周辺でのビームスポッ
トの形状が偏平に歪むことを軽減することにより、画面
周辺の水平解像度の劣化やモアレの発生を押えると共
に、電子ビームの垂直方向の主電子レンズ内口径を小さ
くすることにより、画面周辺のランディング地磁気裕度
の劣化を防ぐことができる陰極線管用電子銃を得ること
を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明に係る陰極線管
用電子銃は、電子ビームを画面に集束させる集束電極を
少なくとも2分割し、分割された各集束電極内に静電4
極レンズ電極を備え、分割された一方の集束電極に集束
電圧を印加しかつ分割された他方の集束電極には偏向電
流に同期した変調電圧を集束電圧に重畳した電圧を印加
することにより、分割された各集束電極間に静電4極レ
ンズを形成すると共に、電子ビームを加速する高圧電極
と上記一方の集束電極との間に主電子レンズを形成する
陰極線管用電子銃において、電子ビームの画面周辺への
偏向時に上記変調電圧を0に設定して上記主電子レンズ
の水平方向の集束力と垂直方向の集束力との差である非
点収差量により画面周辺での偏向磁界の偏向収差をキャ
ンセルすると共に、電子ビームの画面中央への偏向時に
上記変調電圧を発生させて上記静電4極レンズを形成し
かつ上記主電子レンズを強めるものである。
用電子銃は、電子ビームを画面に集束させる集束電極を
少なくとも2分割し、分割された各集束電極内に静電4
極レンズ電極を備え、分割された一方の集束電極に集束
電圧を印加しかつ分割された他方の集束電極には偏向電
流に同期した変調電圧を集束電圧に重畳した電圧を印加
することにより、分割された各集束電極間に静電4極レ
ンズを形成すると共に、電子ビームを加速する高圧電極
と上記一方の集束電極との間に主電子レンズを形成する
陰極線管用電子銃において、電子ビームの画面周辺への
偏向時に上記変調電圧を0に設定して上記主電子レンズ
の水平方向の集束力と垂直方向の集束力との差である非
点収差量により画面周辺での偏向磁界の偏向収差をキャ
ンセルすると共に、電子ビームの画面中央への偏向時に
上記変調電圧を発生させて上記静電4極レンズを形成し
かつ上記主電子レンズを強めるものである。
【0018】
【作用】この発明においては、電子ビームを画面周辺に
偏向したときに、変調電圧を0に設定して主電子レンズ
のみを作用させその非点収差により画面周辺での偏向磁
界の偏向収差をキャンセルして、電子ビームを画面中央
ではなく画面周辺でジャストフォーカスさせる。このと
き、水平方向の像倍率が小さく、垂直方向の像倍率が大
いので、画面周辺でのビームスポットの形状が横長の偏
平になるという歪が軽減される。これと同時に、画面周
辺での、電子ビームの垂直方向の主電子レンズ内口径が
小さくなるため、ランディング地磁気裕度が向上する。
偏向したときに、変調電圧を0に設定して主電子レンズ
のみを作用させその非点収差により画面周辺での偏向磁
界の偏向収差をキャンセルして、電子ビームを画面中央
ではなく画面周辺でジャストフォーカスさせる。このと
き、水平方向の像倍率が小さく、垂直方向の像倍率が大
いので、画面周辺でのビームスポットの形状が横長の偏
平になるという歪が軽減される。これと同時に、画面周
辺での、電子ビームの垂直方向の主電子レンズ内口径が
小さくなるため、ランディング地磁気裕度が向上する。
【0019】また、電子ビームを画面中央に偏向したと
きには、上記変調電圧を発生することにより一方の集束
電極と他方の集束電極との間に電位差を発生して静電4
極レンズを形成し、かつ高圧電極と上記一方の集束電極
との間の電位差を大きくして主電子レンズを強める。こ
れにより、画面中央でのビームスポットのゆがみが補正
される。
きには、上記変調電圧を発生することにより一方の集束
電極と他方の集束電極との間に電位差を発生して静電4
極レンズを形成し、かつ高圧電極と上記一方の集束電極
との間の電位差を大きくして主電子レンズを強める。こ
れにより、画面中央でのビームスポットのゆがみが補正
される。
【0020】
実施例1.図1は、この発明の実施例1を示す構成図で
ある。同図において、主電子レンズ5Aは、電子ビーム
の画面周辺への偏向時に偏向磁界による偏向収差が電子
ビームに与える影響をキャンセルするような非点収差量
(水平方向の集束力と垂直方向の集束力との差)を有す
る。
ある。同図において、主電子レンズ5Aは、電子ビーム
の画面周辺への偏向時に偏向磁界による偏向収差が電子
ビームに与える影響をキャンセルするような非点収差量
(水平方向の集束力と垂直方向の集束力との差)を有す
る。
【0021】これを達成するには、集束電極2と高圧電
極1との対向するトラック部の形状を変えたり、アパー
チャ1a、2gの径を楕円にしたり、垂直に立つプレー
トなどを挿入するなど実に様々なやり方がある。要する
に、図5の高圧電極1の集束電極側部1aと集束電極2
の高圧電極側部2gを調整することにより、画面周辺で
偏向収差をキャンセルする非点収差特性を主電子レンズ
5にもたせる。なお、アパーチャ1a、2gの径を楕円
にした場合の一例を図2に示す。
極1との対向するトラック部の形状を変えたり、アパー
チャ1a、2gの径を楕円にしたり、垂直に立つプレー
トなどを挿入するなど実に様々なやり方がある。要する
に、図5の高圧電極1の集束電極側部1aと集束電極2
の高圧電極側部2gを調整することにより、画面周辺で
偏向収差をキャンセルする非点収差特性を主電子レンズ
5にもたせる。なお、アパーチャ1a、2gの径を楕円
にした場合の一例を図2に示す。
【0022】また、集束電極2及び4には、図3に示す
ような集束電圧EFに変調電圧ΔEを重畳した電圧を印
加する。即ち、集束電極2及び4に印加される電圧は、
画面中央では集束電極3に印加される集束電圧Eよりも
変調電圧ΔE分低くされ、画面周辺では集束電圧Eと同
電圧にされる。このことは、画面周辺では主電子レンズ
のみを作用させ、画面中央では静電4極レンズ6及び主
電子レンズ5Aを作用させることを意味している。
ような集束電圧EFに変調電圧ΔEを重畳した電圧を印
加する。即ち、集束電極2及び4に印加される電圧は、
画面中央では集束電極3に印加される集束電圧Eよりも
変調電圧ΔE分低くされ、画面周辺では集束電圧Eと同
電圧にされる。このことは、画面周辺では主電子レンズ
のみを作用させ、画面中央では静電4極レンズ6及び主
電子レンズ5Aを作用させることを意味している。
【0023】次に、主電子レンズ5A及び静電4極レン
ズ6による電子ビームへの作用について説明する。従来
電子銃とは異なり、集束電極2及び4に、図3に示すよ
うな集束電圧EFに変調電圧ΔEを重畳した電圧を印加
することによって、画面周辺では、集束電極2〜4が同
電位であるため、電子ビームの断面を示す図4(b)に
示すように、静電4極レンズ6は発生せず偏向磁界の偏
向収差は主電子レンズ5Aの非点収差のみで補正され
る。
ズ6による電子ビームへの作用について説明する。従来
電子銃とは異なり、集束電極2及び4に、図3に示すよ
うな集束電圧EFに変調電圧ΔEを重畳した電圧を印加
することによって、画面周辺では、集束電極2〜4が同
電位であるため、電子ビームの断面を示す図4(b)に
示すように、静電4極レンズ6は発生せず偏向磁界の偏
向収差は主電子レンズ5Aの非点収差のみで補正され
る。
【0024】この場合には、画面周辺での水平方向の像
倍率Mh3は、図8に示す従来の静電4極レンズを備え
ていない場合の像倍率Mh1及び図10の従来の静電4
極レンズを備えた場合の像倍率Mh2に比べて、Mh3
=Mh1<Mh2となり、また、垂直方向の像倍率Mv
3は図10の場合に比べてMv3>Mv2となる。
倍率Mh3は、図8に示す従来の静電4極レンズを備え
ていない場合の像倍率Mh1及び図10の従来の静電4
極レンズを備えた場合の像倍率Mh2に比べて、Mh3
=Mh1<Mh2となり、また、垂直方向の像倍率Mv
3は図10の場合に比べてMv3>Mv2となる。
【0025】これにより、図5に示すビームスポットの
水平方向の径Hcは、図8に示す従来の静電4極レンズ
を備えていない場合の径Ha及び図11の従来の静電4
極レンズを備えた場合の径Hbと比べて、Hc=Ha<
Hbとなると共に、垂直方向の径Vcは、図11に比べ
て、Vc>Vbとなり、画面周辺のビームスポットの形
状は円に近くなる。
水平方向の径Hcは、図8に示す従来の静電4極レンズ
を備えていない場合の径Ha及び図11の従来の静電4
極レンズを備えた場合の径Hbと比べて、Hc=Ha<
Hbとなると共に、垂直方向の径Vcは、図11に比べ
て、Vc>Vbとなり、画面周辺のビームスポットの形
状は円に近くなる。
【0026】また、図4(b)に示す画面周辺の垂直方
向の主電子レンズ5A内口径h3は、図10(図8)に
示す従来電子銃のh2に比べて、h2>h3(h1)と
小さくなる。
向の主電子レンズ5A内口径h3は、図10(図8)に
示す従来電子銃のh2に比べて、h2>h3(h1)と
小さくなる。
【0027】また、画面中央では、変調電圧ΔEが図3
のように重畳されるので、図4(a)に示すように、高
圧電極1と集束電極2との間の電圧差が大きくなること
により主電子レンズ5Aが強まると共に、集束電極2及
び4と集束電極3との間の電位差により静電4極レンズ
6が形成され、これらレンズの作用によりビームスポッ
トのゆがみが補正される。
のように重畳されるので、図4(a)に示すように、高
圧電極1と集束電極2との間の電圧差が大きくなること
により主電子レンズ5Aが強まると共に、集束電極2及
び4と集束電極3との間の電位差により静電4極レンズ
6が形成され、これらレンズの作用によりビームスポッ
トのゆがみが補正される。
【0028】実施例2.上記実施例1では、主電子レン
ズ5Aの形状を、図6に示すように3つのアパーチャ1
a、2gとそれを囲むトラック形状の電極からなるいわ
ゆる複合レンズにしているが、このトラック形状は、例
えば楕円のアパーチャの複合レンズ、アパーチャのみの
対向した単一レンズ、または補合レンズに非点収差補正
用のプレートを付加したレンズ等、どのようなものでも
かまわない。つまり、非点収差量を先に述べたように、
偏向磁界による偏向収差をキャンセルするようように構
成しさえすれば、この発明の作用効果を発揮できる。
ズ5Aの形状を、図6に示すように3つのアパーチャ1
a、2gとそれを囲むトラック形状の電極からなるいわ
ゆる複合レンズにしているが、このトラック形状は、例
えば楕円のアパーチャの複合レンズ、アパーチャのみの
対向した単一レンズ、または補合レンズに非点収差補正
用のプレートを付加したレンズ等、どのようなものでも
かまわない。つまり、非点収差量を先に述べたように、
偏向磁界による偏向収差をキャンセルするようように構
成しさえすれば、この発明の作用効果を発揮できる。
【0029】また、上記実施例1では、静電4極レンズ
6は、垂直、水平に立ったプレート状の静電4極レンズ
電極2a〜2f、3a〜3l及び4a〜4fを2組ずつ
互い違いに組み込んだ構成により形成されるが、これは
1組でもよくこの場合は集束電極は2つになる。
6は、垂直、水平に立ったプレート状の静電4極レンズ
電極2a〜2f、3a〜3l及び4a〜4fを2組ずつ
互い違いに組み込んだ構成により形成されるが、これは
1組でもよくこの場合は集束電極は2つになる。
【0030】また、プレートの代りに、縦長のスロット
と横長のスロットを組み合わせた構造の電極でもよく、
要するに、集束電極内に、主電子レンズ5Aにマッチン
グした(変調電圧ΔEによる主電子レンズ5Aの水平方
向の焦点距離の変動をキャンセルするように作用するよ
う設定すること)静電4極レンズ電極を挿入しさえすれ
ば、この発明の作用効果を発揮できる。
と横長のスロットを組み合わせた構造の電極でもよく、
要するに、集束電極内に、主電子レンズ5Aにマッチン
グした(変調電圧ΔEによる主電子レンズ5Aの水平方
向の焦点距離の変動をキャンセルするように作用するよ
う設定すること)静電4極レンズ電極を挿入しさえすれ
ば、この発明の作用効果を発揮できる。
【0031】
【発明の効果】以上のように、この発明は、電子ビーム
の画面周辺への偏向時に変調電圧を0に設定して主電子
レンズのみを作用させその非点収差により画面周辺での
偏向磁界の偏向収差をキャンセルすると共に、電子ビー
ムの画面中央への偏向時に上記変調電圧を発生させて静
電4極レンズを形成しかつ上記主電子レンズを強めるよ
うに構成したことによって、画面中央のビームスポット
の形状を劣化させることなく、画面周辺での偏向収差に
よる影響を補正できかつ画面周辺でビームスポットの形
状が偏平に歪むのを防ぐので、画面周辺の水平解像度を
改善できかつモアレの発生を防ぐことができるという効
果があると共に、画面周辺に偏向した場合の電子ビーム
の垂直方向の主電子レンズ内口径が小さくなるので、画
面周辺のランディング地磁気裕度が向上するという効果
がある。
の画面周辺への偏向時に変調電圧を0に設定して主電子
レンズのみを作用させその非点収差により画面周辺での
偏向磁界の偏向収差をキャンセルすると共に、電子ビー
ムの画面中央への偏向時に上記変調電圧を発生させて静
電4極レンズを形成しかつ上記主電子レンズを強めるよ
うに構成したことによって、画面中央のビームスポット
の形状を劣化させることなく、画面周辺での偏向収差に
よる影響を補正できかつ画面周辺でビームスポットの形
状が偏平に歪むのを防ぐので、画面周辺の水平解像度を
改善できかつモアレの発生を防ぐことができるという効
果があると共に、画面周辺に偏向した場合の電子ビーム
の垂直方向の主電子レンズ内口径が小さくなるので、画
面周辺のランディング地磁気裕度が向上するという効果
がある。
【図1】この発明の実施例1を示す構成図である。
【図2】この発明の実施例1のアパーチャを示す平面図
である。
である。
【図3】この発明の実施例1の変調電圧を説明するため
の図である。
の図である。
【図4】この発明の実施例1による電子ビームの軌道を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図5】この発明の実施例1によるビームスポットの形
状を示す平面図である。
状を示す平面図である。
【図6】従来の静電4極レンズ6を発生する陰極線管用
電子銃を示す構成図である。
電子銃を示す構成図である。
【図7】従来の静電4極電子レンズを発生しない陰極線
管用電子銃によるビームスポットの形状を示す平面図で
ある。
管用電子銃によるビームスポットの形状を示す平面図で
ある。
【図8】従来の静電4極レンズ6を発生する陰極線管用
電子銃による電子ビームの軌道を示す断面図である。
電子銃による電子ビームの軌道を示す断面図である。
【図9】従来の静電4極レンズを発生する陰極線管用電
子銃に印加する変調電圧を示す図である。
子銃に印加する変調電圧を示す図である。
【図10】従来の静電4極レンズを発生する陰極線管用
電子銃による電子ビームの軌道を示す断面図である。
電子銃による電子ビームの軌道を示す断面図である。
【図11】従来の静電4極レンズを発生する陰極線管用
電子銃によるビームスポットを示す平面図である。
電子銃によるビームスポットを示す平面図である。
1 高圧電極 2 集束電極 3 集束電極 4 集束電極 2a〜2f,3a〜3l,4a〜4f 静電4極レンズ
電極 5A 主電子レンズ 6 静電4極レンズ
電極 5A 主電子レンズ 6 静電4極レンズ
Claims (1)
- 【請求項1】 電子ビームを画面に集束させる集束電極
を少なくとも2分割し、分割された各集束電極内に静電
4極レンズ電極を備え、分割された一方の集束電極に集
束電圧を印加しかつ分割された他方の集束電極には偏向
電流に同期した変調電圧を集束電圧に重畳した電圧を印
加することにより、分割された各集束電極間に静電4極
レンズを形成すると共に、電子ビームを加速する高圧電
極と上記一方の集束電極との間に主電子レンズを形成す
る陰極線管用電子銃において、電子ビームの画面周辺へ
の偏向時に上記変調電圧を0に設定して上記主電子レン
ズの水平方向の集束力と垂直方向の集束力との差である
非点収差量により画面周辺での偏向磁界の偏向収差をキ
ャンセルすると共に、電子ビームの画面中央への偏向時
に上記変調電圧を発生させて上記静電4極レンズを形成
しかつ上記主電子レンズを強めることを特徴とする陰極
線管用電子銃装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP917193A JPH06223739A (ja) | 1993-01-22 | 1993-01-22 | 陰極線管用電子銃装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP917193A JPH06223739A (ja) | 1993-01-22 | 1993-01-22 | 陰極線管用電子銃装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06223739A true JPH06223739A (ja) | 1994-08-12 |
Family
ID=11713144
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP917193A Pending JPH06223739A (ja) | 1993-01-22 | 1993-01-22 | 陰極線管用電子銃装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06223739A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6111350A (en) * | 1997-09-05 | 2000-08-29 | Hitachi, Ltd. | Color cathode ray tube having an improved electron gun |
-
1993
- 1993-01-22 JP JP917193A patent/JPH06223739A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6111350A (en) * | 1997-09-05 | 2000-08-29 | Hitachi, Ltd. | Color cathode ray tube having an improved electron gun |
US6445116B1 (en) | 1997-09-05 | 2002-09-03 | Hitachi, Ltd. | Color cathode ray tube having an improved electron gun |
US6624562B2 (en) | 1997-09-05 | 2003-09-23 | Hitachi, Ltd. | Color cathode ray tube having an improved electron gun |
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