JPH0622348U - 保護カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】可塑剤を添加せずに構成した保護カバーを提供
することである。 【構成】エチレンメチルメタクリレート：100 重量部，
ＰＡ−１００：0.5 重量部からなる配合物を、140 ±2
℃のロール温度でカレンダー加工して、所望厚さのシー
ト状に形成し、該シート状物でキーボード用表面保護カ
バー１を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、保護カバーに関するものである。尚、本明細書において化１乃至化 ４は同一式を示す。

【０００２】

【従来の技術】

従来、例えば計算機，コンピューターのキーボード表面等を保護するカバーは ウレタンシートが使用されることが多かった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、キーボード表面等は手垢等による汚れの付着が著しかったものであり 、キーボード上を保護する保護カバーの提供が望まれていたものであるが、ウレ タン系シートはコストが高く、又シートが黄変するという欠点があった。 また、単にポリ塩化ビニル樹脂等にて形成したものであると、可塑剤，安定剤 等を配合しているため、可塑剤が経時的に表面に移行し、カバー表面の汚染を招 く虞れがあった。

【０００４】 本考案は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みなされたものであり、そ の目的とするところは、可塑剤を添加せずに構成した保護カバーを提供すること である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案がなした技術的手段は、

【化２】 ＣＨ₂ ＝ＣＨ₂ ，ＣＨ₂ ＝ＣＲ₁ ＣＯＯＲ₂ ＜ Ｒ₁ ，Ｒ₂ はＨ又はアルキル基 ＞ を共重合してなるエチレン系コポリマー若しくはこれらの混合物を主成分として 形成したことである。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案保護カバーの実施の一例について説明するに、保護カバー１は、 下記化３を共重合してなるエチレン系コポリマー若しくはこれらの混合物を主成 分として従来周知の押出し成形，カレンダー成形等によって所望厚さのシートあ るいはフィルム状に形成し、その後プレス又は真空成形によって所望形状に形成 される（図１参照）。

【化３】 ＣＨ₂ ＝ＣＨ₂ ，ＣＨ₂ ＝ＣＲ₁ ＣＯＯＲ₂ ＜ Ｒ₁ ，Ｒ₂ はＨ又はアルキル基 ＞

【０００７】 図に示す保護カバー１は電気計算機のキーボード用のもので説明するが一例に すぎず、その他各種コンピューター，タイプライター等のキーボード表面用保護 カバーあるいは各種機材に備えられる操作用のキーボード用保護カバー、または 各種鍵盤楽器のキーボード用保護カバー等として適用可能であり、あるいはキー ボード用以外のもの、例えば種々のパッケージ（ボールペン，万年筆ケース用等 ）に適用してもよく何等適用範囲は限定されないものである。これによれば従来 のポリ塩化ビニル樹脂からなるパッケージのように、可塑剤の抜けによるカバー 表面の亀裂，歪み等の不都合もない。また、ウリタンの様な黄変もない。

【０００８】 そして保護カバー１の全体形状、図ではキーボード面２全域をまとめて一枚の 保護カバー１でカバーするようキーボード面２形状に形成したものを示すが、各 キーボード２ａ…に一つずつ個別に嵌合被覆するように形成されているものであ ってもよく、また上記のようにキーボード２ａ形状に合うように突状に形成され るもの、あるいは平面シート状でキーボード面２上全域を単に覆うだけのもので あってもよく任意である。 尚、模様，色彩及び厚み等については何等示さないが任意である。また、上記 保護カバー１は透明、半透明のいずれであってもよく任意である。

【０００９】 上記化３を共重合してなるエチレン系コポリマーは、例えばエチレンメチルメ タクリレート，エチレンエチルアクリレート，エチレンメチルアクリレート，エ チレンブチルメタクリレート，エチレンヘキシルアクリレート，エチレンラウリ ルメタクリレート，エチレンステアリルアクリレート，エチレンアクリレート， エチレンメタクリレート等のエチレンと各種アクリル酸エステルまたは各種メタ クリル酸エステル、又はアクリル酸，メタクリル酸からなるものである。

【００１０】 保護カバー１の加工方法としては、Ｔ−ダイ押出し、カレンダー加工等によっ てシート出ししたものを、プレス又は真空成形するものであり、例えば上記各エ チレン系コーポリマーあるいはこれらの混合物を従来周知のＴ−ダイ押出し加工 にて所望な厚みのシート状に形成し、その後所望形状に真空成形する。この時ヘ ッド部の適性樹脂温度範囲は140 〜220 ℃、好ましくは150 〜210 ℃である。

【００１１】 尚、エチレンメチルメタクリレート，エチレンエチルアクリレート等の極性モ ノマーの量は、５〜30％好ましくは７〜25％である。これ以下では成形後の型保 持性．柔軟性に問題があり、30％以上では強度に問題がある。

【００１２】 また、カレンダー加工の場合にはロール滑性を上げる為、上記樹脂にアクリル 系加工助剤，有機酸系金属塩，有機脂肪酸の単独またはこれらの２種以上の混合 物等を添加する。 上記アクリル系加工助剤，有機酸系金属塩，有機脂肪酸の単独またはこれらの ２種以上の混合物の添加量は、樹脂 100重量部に対して0.005 〜10重量部，好ま しくは0.01〜３重量部である。 尚、カレンダー加工にて形成する場合の適性温度範囲は100 〜220 ℃、好まし くは120 〜200 ℃である。

【００１３】 アクリル系加工助剤は、アクリル酸，アクリル酸メチル，アクリル酸エチル， アクリル酸ｎブチル，アクリル酸イソブチル，アクリル酸−２−エチルヘキシル 等のアクリル酸エステル、メタクリル酸エチル，メタクリル酸ｎブチル，メタク リル酸−２−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステルを主成分とした共重合体 からなる一群の重合体で、具体的には例えば市販品の三菱レイヨン製のメタブレ ンP-700 ，メタブレンP-551 ，メタブレンP-530A，メタブレンL-1000，鐘淵化学 工業製のカネエースPA-20 ，カネエースPA-100，旭電化工業製のマークLS-3，マ ークLS-5等である。

【００１４】 また、有機酸系金属塩は金属の高級脂肪酸塩、例えばステアリン酸亜鉛，ラウ リン酸亜鉛，オレイン酸亜鉛，ステアリン酸バリウム，ステアリン酸カルシウム ，ジブチル錫ラウレート，ジブチル錫ステアレート，ジブチル錫ジラウレート， ジブチル錫ジステアレート等である。

【００１５】 有機脂肪酸は、例えばステアリン酸，オレイン酸，ラウリン酸，パルミチン酸 などである。

【００１６】 加工方法の如何を問わず、製品に所望の性能を付与する為、上記化３を共重合 してなるコポリマーまたはこれらの混合物に、添加物としてエチレンと酢酸ビニ ルの共重合体，エチレン，プロピレン，ブテン，ブテンー１，３ーメチルーブテ ンー１，ヘキセンー１，オクテンー１，４ーメチルーペンテンー１等の重合体及 び共重合体を主成分とするもので、例えば高密度ポリエチレン，中低密度ポリエ チレン，超低密度ポリエチレン，結晶性ポリプロピレン，ポリブテンなど及びこ れらの混合物からなる他のポリオレフィンやこの種の技術分野において周知の帯 電防止剤，紫外線吸収剤，抗酸化剤，顔料，ブロッキング防止剤等を添加するこ とも可能である。

【００１７】 カレンダー加工においては、さらに加工助剤として、前記のアクリル系加工助 剤，有機酸系金属塩，有機脂肪酸を単独またはこれらの２種以上の混合物を樹脂 100 重量部に対して0.005 〜10重量部を添加せしめるものである。

【００１８】 これらの配合物は、そのコポリマーまたはこれらの混合物，加工助剤の種類お よび添加量による。

【００１９】 ここで具体的実施の一例について説明する。 エチレンメチルメタクリレート ：100 重量部 ＰＡ−１００ ：0.5 重量部 からなる配合物を、140 ±2 ℃のロール温度でカレンダー加工して、所望厚さの シート状に形成し、そしてその後真空成形によって所望なキーボード形状の保護 カバー１を形成した。尚、この場合の適性温度範囲は100 〜220 ℃、好ましくは 120 〜200 ℃である。

【００２０】 また、上記実施例では非発泡のもので説明したが、発泡（発泡形状は任意）さ せたものであってもよく任意であり、その一例を示すと、上記化３を共重合して なるエチレン系コポリマーに加工助剤、発泡剤及び発泡助剤を添加し、そして所 望条件の下でカレンダー加工してシート状に形成したのち加熱発泡せしめて形成 される。 尚、発泡助剤（キッカー）としてＺｎＯを0.5 〜1 重量部添加することにより 、発泡剤（例えばADCA,OBSH 等）の分解開始温度が200 ℃から150 ℃位に下がり 、発泡性が向上する。

【００２１】

【考案の効果】

本考案によれば、

【化４】 ＣＨ₂ ＝ＣＨ₂ ，ＣＨ₂ ＝ＣＲ₁ ＣＯＯＲ₂ ＜ Ｒ₁ ，Ｒ₂ はＨ又はアルキル基 ＞ を共重合してなるエチレン系コポリマー若しくはこれらの混合物を主成分として 形成した保護カバーが提供でき、被保護体（例えばキーボードやパッケージ等） の表面を汚れから充分に保護できる。 また、ウレタンシートに比較し低コストで、経時による黄変のないカバーがで きる。 さらに、本考案の保護カバーによればポリ塩化ビニル樹脂等と比して軟質で手 触りが良く、かつ形保持性に大変優れたものとなる。従って、例えばキーボード 等の表面をカバーしたままでキー押圧操作が可能となり大変実用価値が高い。 そして、さらに本考案の保護カバーによれば可塑剤を添加せずに構成されてい るため、ポリ塩化ビニル樹脂等のように可塑剤のブリードアウト、移行等による 弊害、即ち可塑剤移行により保護カバー表面が汚れ易くなるという不具合が生じ る虞れもなく優れた付加価値を有する保護カバーの提供が図れるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案保護カバーの一実施例を示す一部切欠
き斜視図。

【符号の説明】

１：保護カバー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ０８Ｊ 5/18 ＣＥＳ 9267−4Ｆ ＣＥＹ 9267−4Ｆ Ｇ０６Ｆ 3/02 ３１０ Ｈ 7165−5Ｂ 15/02 ３０１ Ｌ 7343−5Ｌ Ｈ０５Ｋ 5/03 Ａ 7362−4Ｅ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 【化１】ＣＨ₂ ＝ＣＨ₂ ，ＣＨ₂ ＝ＣＲ₁ ＣＯＯＲ₂ ＜ Ｒ₁ ，Ｒ₂ はＨ又はアルキル基 ＞を共重合してな
   るエチレン系コポリマー若しくはこれらの混合物を主成
   分として形成されたことを特徴とする保護カバー。