JPH0622008U - タイヤ滑り止めネット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スパイク金具の硬度を向上せしめたタイヤ滑
り止めネットを提供することである。 【構成】 側面形状略逆凹型に形成した表金具４と、側
面平板形状の板バネ形状に形成した裏金具２の二部材に
てスパイク金具ｂを構成し、上記裏金具２の両端２ａ，
２ａには係合爪部３，３が、そして表金具４の両端４
ａ，４ａには上記係合爪部３，３が係合する被係合口
５，５が夫々設けられ、ネット本体ａの網目交差部１の
裏側に上記裏金具２を配すると共に、該金具２の一端の
係合爪部３に表金具４一端の被係合口５を係合せしめた
後、他端の被係合口５を空いている係合爪部３に係合せ
しめると共に、裏金具２の弾発力によって強固に結合し
て網目交差部１に固着する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、網目状に形成されたネット本体の各網目交差部にスパイク金具を固 着してなるタイヤ滑り止めネットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来この種のタイヤ滑り止めネットは、帯状鋼材を側面形状略凹型に形成した スパイク金具を、ゴムあるいは樹脂等によって所望な網目状に形成されたネット 本体の各網目交差部に裏面側から嵌着すると共に、表面側に突出する上記金具の 両端部を機械によって内側に強制的に折り曲げて交差部回りに固着していたもの である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記せる如くネット本体に固着されているスパイク金具には通常JIS 硬鋼線材が使用されているが、耐摩耗性を向上せしめるために硬度を高くすると 、ネットへの固着時における両端部の折曲作業で、該両端部に割れが入ってしま うことがあるため、硬度は上限限度がHV350 前後であった。 従って、スパイク金具の寿命が短くネット本体の耐久性とのバランスが取れてい ないという欠点があったものである（現行金具の耐久性 500Km 程度）。

【０００４】 また、上記従来のタイヤ滑り止めネットは、部分的にスパイク金具が摩耗して 欠損し、その金具欠損部位に新たな金具を固着せしめる場合、上記スパイク金具 の両端の折曲作業が困難であるため個人的に補修は難しく、その都度工場，販売 店等に持ち込んで専用機械で取付けてもらわなければならなかった。

【０００５】 本考案は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みなされたものであり、そ の目的とするところは、スパイク金具の硬度を向上せしめて耐久性を高めたタイ ヤ滑り止めネットを提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案がなした技術的手段は、ネット本体の所望な 網目交差部の回りにスパイク金具を固着してなるタイヤ滑り止めネットにおいて 、上記スパイク金具が側面形状略逆凹型に形成した表金具と、板バネ形状に形成 した裏金具の二部材にて構成されており、該表裏金具は、そのいずれか一方の金 具両端に係合爪部を設け、他方の金具両端に上記係合爪部が係合する被係合部を 設け、あるいは夫々の金具の相対する両端に係合爪部と被係合部とを夫々設け、 上記両者の係合と共に、裏金具の弾発力によって強固に結合自在としたことであ る。

【０００７】

【作用】

上記技術的手段により、裏金具をネット本体の所望な網目交差部下位に配する と共に、表金具を上記交差部上に配し、そして両金具の相対する夫々一端部の係 合爪部と被係合部とを係合せしめた後、他端部の相対する係合爪部と被係合部と を、板バネ形状に形成されている裏金具の弾発力によって係合せしめれば、両金 具は強固に結合されてスパイク金具として網目交差部に配設される。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図に基づいて説明すると、図中Ａは本考案タイヤ滑 り止めネットを示し、該滑り止めネットＡは、ネット本体ａとスパイク金具ｂ… とで構成されている。

【０００９】 ネット本体ａは、ゴムあるいは樹脂等にて所望なネット（網目）形状に形成さ れた従来周知のものであり（図１参照）、また図示せるネット本体ａは一実施例 にすぎずこれに何等限定されるものでなく適宜他の周知のネット本体と変更可能 である。

【００１０】 スパイク金具ｂは、表金具４と裏金具２との二部材からなり、そのいずれか一 方の金具両端に係合爪部３，３を設け、他方の金具両端に上記係合爪部３，３が 係合する被係合部５，５を設け、あるいは夫々の金具の相対する両端に係合爪部 と被係合部とを夫々設け、上記ネット本体ａの所望な網目交差部１…に取付けら れる。（図１，図２参照）。

【００１１】 裏金具２は、例えば所望な肉厚を有する鋼材にてネット本体ａの網目交差部１ に嵌まる程度の長さを有する側面平板状の板バネ形状で弾発力を有するように形 成すると共に、その両端２ａ，２ａに、内側２′にその先端３ａ，３ａが向くよ う係合爪部３，３を一体に立ち上げ形成してなる（図２参照）。 上記平板形状は一例にすぎず、例えば波板形状、曲板形状等任意であり、板バネ 形状で弾発力を有するものであればよい。また、図示例とは逆に、外側にその先 端３ａ，３ａが向くように係合爪部３，３を設けるものとしてもよい。

【００１２】 表金具４は、例えば所望な肉厚を有する超硬質鋼材あるいは鋼材を硬く焼き入 れしたもの等で、上記網目交差部１に嵌まる程度の長さを有する側面形状略逆凹 型に形成すると共に、その両端４ａ，４ａに上記係合爪部３，３が係合可能な被 係合部（係合口）５，５を穿設してなる（図２参照）。 尚、図示例では接地面４ｂに超硬質チップ材６を設けているものを示すが、チッ プ材６の有無は必須でなく何等限定されない。また、上記表金具４の両コーナー 部４ｃ，４ｃは直角である必要はなく任意角度でよい。

【００１３】 従って、上記スパイク金具ｂをネット本体ａの網目交差部１に取付ける場合、 例えばまず裏金具２を所望な網目交差部１の下位（ネット本体裏面ａ′側）に配 し、そして表金具４を上記交差部１上（ネット本体表面ａ″側）に配すると共に 、裏金具２の一端の係合爪部３に表金具４の一端の被係合部５を係合せしめ、そ して上記一端係合状態としつつ他端部の相対する係合爪部３と被係合部５とを合 わせ、次にその合わせ部位を所望治具（図示省略）にて押圧して係合爪部３と被 係合部５とを板バネ形状に形成されている裏金具２の弾発力を利用して係合せし めれば（図４参照）、両金具２，４は交差部１にて強固に結合されスパイク金具 ｂが巻回された状態となる（図２，図３参照）。これにより、表金具４はネット 本体ａの網目交差部１への取付け時に曲げ加工しないため硬度の高いものとする ことが可能となり、接地面４ｂを有する表金具４の摩耗度合いを少なくできネッ ト本体ａの摩耗度合いとのバランスがとれた。

【００１４】 上記係合作業は、専用の治具を使用するのが好ましく、また該治具はペンチ， プライヤー等、あるいはこれらに類似する簡易なものでよい。

【００１５】 上記スパイク金具ｂは、上記実施例の他に、例えば図５に示すように係合爪部 ３，３を二股形状とした裏金具２と、そして上記二股形状の爪部３，３に対応せ しめた被係合部５，５を両端４ａ，４ａの側面に切り欠き形成した表金具４とで 構成したものであってもよいものである。 尚、係合爪部３の形状及び被係合部５の形状は図示例に何等限定されるものでな く、本考案の範囲内における変更は自由である。

【００１６】 さらに、図６，図７に示すように側面形状略逆凹型に形成した表金具４の両端 ４ａ，４ａ先端面に突状に係合爪部３，３を垂設し、そして上記係合爪部３，３ を係合せしめる被係合部（係合口）５，５を所望な板バネ形状の裏金具２の表面 両端２ａ，２ａに穿設してなるものであってもよい。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は、ネット本体の所望な網目交差部の回りに固着されるスパイク金具を 、側面形状略逆凹型に形成した表金具と、板バネ形状に形成した裏金具の二部材 にて構成し、該表裏金具は、そのいずれか一方の金具両端に係合爪部を設け、他 方の金具両端に上記係合爪部が係合する被係合部を設け、あるいは夫々の金具の 相対する両端に係合爪部と被係合部とを夫々設け、上記両者の係合と共に、裏金 具の弾発力によって強固に結合自在なものとし、従来の如くネット本体への固着 時に曲げ加工をせずとも簡単に固着可能なものとしたため、接地面を備える表金 具の硬度を充分に向上せしめることができ、結果としてネット本体の各網目交差 部に硬度の高いスパイク金具を配設したタイヤ滑り止めネットが提供できる。

【００１８】 従って、ネット本体の耐久性とスパイク金具の耐久性とのバランスのとれた有 用なタイヤ滑り止めネットが提供でき、スパイク金具を備えるこの種のタイヤ滑 り止めネットの商品寿命を実質的に延ばし商品価値の向上を図らしめることとな る。

【００１９】 さらに、ネット本体の網目交差部に固着されるスパイク金具が、表金具と裏金 具との結合で簡単に取付け固着可能なもので、従来のような困難な曲げ加工がな いため、使用中に摩耗した金具固着部位に新たにスパイク金具を取付け固着する にあたり、従来のようにネット本体を販売店等に持ち込んで固着（補修）作業す る面倒もなく、ユーザーが自由に行え大変使用勝手に優れるものであると共に、 スパイク金具をユーザー各人が適宜箇所に固着することも可能であり実用価値も 高い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案タイヤ滑り止めネットの一実施例を示す
平面図

【図２】スパイク金具の固着状態を拡大して示す斜視図

【図３】図１のｘ−ｘ線断面図

【図４】係合状態を示す縦断正面図

【図５】他の実施例のスパイク金具の固着状態を拡大し
て示す斜視図

【図６】他の実施例のスパイク金具で係合状態を拡大し
て示す斜視図

【図７】図６の固着状態を示す縦断正面図

【符号の説明】

Ａ：タイヤ滑り止めネット ａ：ネット本体 １：交差部 ｂ：スパイク金具 ２：裏金具 ３：係合爪部 ４：表金具 ４ｂ：接地面 ５：被係合部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ネット本体の所望な網目交差部の回りにス
   パイク金具を固着してなるタイヤ滑り止めネットにおい
   て、上記スパイク金具が側面形状略逆凹型に形成した表
   金具と、板バネ形状に形成した裏金具の二部材にて構成
   されており、該表裏金具は、そのいずれか一方の金具両
   端に係合爪部を設け、他方の金具両端に上記係合爪部が
   係合する被係合部を設け、あるいは夫々の金具の相対す
   る両端に係合爪部と被係合部とを夫々設け、上記両者の
   係合と共に、裏金具の弾発力によって強固に結合自在と
   したことを特徴とするタイヤ滑り止めネット。