JPH06219401A - 食品のトレ−充填装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品処理工程からランダム流で多数供給され
る食品群を食品個体間の接触のない状態でトレー内に自
動的に高速度充填すること。 【構成】 食品処理工程から供給される食品群を列化さ
せながら搬送する列化装置２と、この列化装置の列化数
に相応した数の独立駆動コンベアからなる第１段列化コ
ンベア３と第２段列化コンベア４をその駆動速度が搬送
方向に沿って段階的に遅くなるように設定した列化コン
ベアと、トレー５を搬送するトレー送りコンベア６と、
複数段の列化コンベア間の食品供給状態を検知して独立
駆動コンベアの駆動を制御する食品供給センサ７と、ト
レー５内の食品を検知して列化コンベア３，４の駆動を
停止させると共にトレー送りコンベアの駆動を制御する
トレー充填確認センサー９とを具備している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、食品処理工程からラン
ダム流で供給される多数の食品からなる食品群を各個体
毎にトレーの収納部内に充填し、これを包袋工程へ搬送
する食品のトレー充填装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の第１の従来型として特開昭６１
−１１３０３号公報に開示されたものがある。この第１
の従来型トレー充填装置は、斜設フレームに設けられた
トレー搬送コンベアに対し食品充填ホッパがその充填口
を臨ませて付設されており、連続的に供給されるトレー
に対し食品がその食品充填ホッパより重力排出を介して
自動的に充填されるようになっている。

【０００３】また、第２の従来型食品のトレー充填装置
として特開平２−５６０６１号公報に開示されたものが
ある。この第２の従来型トレー充填装置は、食品搬送コ
ンベアと、このコンベアの進行方向と直角にかつこのコ
ンベアより下方に位置するトレー送りベルトコンベア
と、トレー送りベルトコンベアにトレーを一個づつ供給
するトレー充填装置とを備える半球状菓子のトレー充填
装置であって、食品搬送コンベアの端部に速度、高さ並
びに進行方向に対する位置および角度を調節自在に構成
したコンベアを独立して設け、前記独立コンベア上の製
品の位置を検知してトレー送りベルトコンベアの駆動機
構に信号を加えトレー充填装置と連動させるセンサーを
設けて構成されており、単列で列化された状態で供給さ
れる半球状菓子を一個ずつ自動連続的にかつ安全確実に
トレーに充填することができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら第１の従
来型トレー充填装置においては、各トレーに対して食品
充填ホッパの下側の充填口で自動充填される各食品は設
定収納量を越えた分はオーバーラップして上昇プロセス
で反転して戻されるため食品個体間の激しい接触が生
じ、これによって例えばパン粉付き食品のパン粉が剥離
するなどの不具合を生じる。

【０００５】また、第２の従来型トレー充填装置におい
ては、単列で列化されて供給される食品を一個ずつ充填
するものであるから、食品処理工程からランダム流で多
数供給される食品群の処理にはまったく不向きなもので
あった。

【０００６】本発明は前記した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は食品処理工程からランダム流で多
数供給される食品群を食品個体間の接触のない状態でト
レー内に自動的に高速度充填することを可能とした食品
のトレー充填装置を提供するにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記して目的
を達成するため、食品処理工程からランダム流で供給さ
れる食品群を各個体毎にトレーの収納部内に充填し、こ
れを包装工程へ搬送する食品のトレー充填装置におい
て、前記食品処理工程から供給される食品群を搬送方向
に沿って設けられたガイドによって列化させながら搬送
する列化装置と、この列化装置の列化数に相応して並列
に設けた複数の独立駆動コンベアを、搬送方向に沿って
複数段に分割すると共に各段のコンベアの駆動速度を段
階的に遅くなるように設定した列化コンベアと、この列
化コンベアの最終段のコンベアから供給される食品を受
けるトレーを間欠的に搬送するトレー送りコンベアと、
前記列化コンベアの各段の接続部位に設けられ次段のコ
ンベアに供給された食品を独立駆動コンベア毎に検知し
て前段の対応する独立駆動コンベアの駆動機構に信号を
加える食品供給センサーと、前記トレー内の食品を検知
して前記列化コンベア及び前記トレー送りコンベアの駆
動機構に信号を加えるトレー充填確認センサーとを具備
してなることを特徴とする。

【０００８】このとき列化装置のガイドはう揺動式ロー
ラで構成することができる。

【０００９】また、前記トレー送りコンベアはトレー充
填確認センサーの信号で駆動するサーボモータにより間
欠運転されると共に、このコンベアにはコンベア上に載
置されるトレーの移動を規制するアタッチメントを設け
ることができる。

【００１０】さらに、前記列化装置と列化コンベアとの
間に食品の方向を規制するシュートを設けることができ
る。

【００１１】

【作用】食品処理工程からランダム流で供給された食品
群は列化装置によって複数列に列化され列化コンベアに
送られる。列化コンベアによって搬送される食品は各段
を経る毎に食品個体間の距離が縮まり、最終段の列化コ
ンベアからトレーの複数の収納部内へ個々に充填され
る。

【００１２】このとき食品供給センサーは前段の列化コ
ンベアから後段の列化コンベアへ供給する際に食品個体
同士が重ならないように各独立駆動コンベアの駆動を制
御し、トレー充填確認センサーはトレーの複数の収納部
に食品が充填されたことを各収納部毎に確認して次位の
収納部が最終段の列化コンベアに位置するようにトレー
送りコンベアの駆動を制御する。

【００１３】列化装置のガイドとしての揺動式ガイドロ
ーラはランダム流の食品群を詰らせることなく容易に列
化することができる。

【００１４】また、トレー送りコンベアはサーボモータ
により高速度で移動可能となると共に、コンベア上に突
設したアタッチメントは高速度で移動するコンベア上の
トレーを位置ずれしないように保持する。

【００１５】さらに、列化装置と列化コンベアとの間に
設けられたシュートは、列化装置で列化された向きの不
揃いの食品を一定方向に規制し、トレー内への充填の容
易化を図ることができる。

【００１６】

【実施例】以下、本発明を図示した実施例に基づいて具
体的に説明する。図１及び図２は食品のトレー充填装置
１を示す。このトレー充填装置１は食品処理工程からラ
ンダム流で供給される多数の食品Ｆからなる食品群を列
化させる列化装置２と、この列化装置２から供給される
食品Ｆを受ける第１段列化コンベア３と、この第１段列
化コンベア３から供給される食品Ｆを受ける第２段列化
コンベア４と、この第２段列化コンベア４から供給され
る食品Ｆを受けるトレー５を搬送するトレー送りコンベ
ア６と、第１段列化コンベア３と第２段列化コンベア４
との接続部位に設けられ第１段列化コンベア３の駆動を
制御する食品供給センサー７と、第２段列化コンベア４
とトレー送りコンベア６との接続部位に設けられトレー
５内の食品Ｆを検知して第１段及び第２段列化コンベア
３，４及びトレー送りコンベア６の起動と停止を制御す
るトレー充填確認センサー９と、トレー５をトレー送り
コンベア６に供給するトレー供給装置８とから大略構成
されている。

【００１７】列化装置２は食品処理工程から供給される
多数の食品Ｆからなる食品群を受ける巾広の搬送コンベ
ア２１と、この搬送コンベア２１上に搬送方向に沿って
設けられたガイド２２とから構成されれいる。ガイド２
２はその相互間隔が食品Ｆのたて、及びよこ状態で通過
可能な間隔を保って４個並設された揺動式ガイドローラ
２３と、各ガイドローラ２３の後方に固定的に設置され
た仕切り板２４とから構成されている。

【００１８】揺動式ガイドローラ２３は図３及び図４に
示すように基端部が枢支され中間部が搬送方向と直交す
る方向へ往復微動するように支持された揺動杆２３ａに
複数のローラ２３ｂをたて方向に回転自在に支持して構
成されている。すなわち、揺動杆２３ａはその基端部が
搬送方向と直行する方向に固定された固定杆２５に枢支
されており、その中間部がモータ２６の駆動でカム機構
２７を介して搬送方向と直行する方向へ往復微動する可
動杆２８に支持されている。揺動式ガイドローラ２３は
可動杆２８の微動でその先端部（食品Ｆの供給側端部）
が図３の矢印で示す左右方向へ往復微動し、搬送コンベ
ア２１で搬送される多数の食品Ｆからなる食品群をガイ
ド２３の入口で詰まることなくガイド２３の各間に容易
に誘導し列化させることができる。ガイド２３内に誘導
された食品Ｆはローラ２３ｂの回転作用により引っ掛か
ることなくスムーズに搬送される。本実施例では三列に
列化される。

【００１９】第１段列化コンベア３は列化装置２の列化
数に相応して並列に設けた三列の独立駆動コンベア３
１，３２，３３によって構成されている。この各独立駆
動コンベア３１，３２，及び３３には列化装置２の対応
する各列の食品Ｆが供給されるようになっている。この
食品Ｆの供給は本実施例ではシュート１０を介して行わ
れる。このシュート１０は食品Ｆの向きを変更する機能
を有しており、図５に示す食品Ｆの搬送方向と直交する
方向に傾斜する斜面１０ａを有して形成されている。こ
のため列化装置２の搬送コンベア２１で搬送される食品
Ｆがたて向き（図５のハッチングした食品Ｆ）になって
いたとしてもシュート１０を通過する間にその斜面１０
ａでよこ向きに変更されて第１段列化コンベア３に供給
されることになる。このため食品Ｆの全てはシュート１
０を経ることによってよこ向き状態で第１段列化コンベ
ア３に供給される。シュート１０は食品Ｆの滑りを良く
するためテフロン加工されたものが用いられる。第１段
列化コンベア３はシュート１０側の入口で食品Ｆ同士が
重なり合うのを防止するため高速運転となっており、そ
のためコンベア上の食品Ｆ同士の間隔は広くなってい
る。

【００２０】また、第２段列化コンベア４は前述した第
１段列化コンベア３と同様に並列に設けた三列の独立駆
動コンベア４１，４２，及び４３から構成されており、
各独立駆動コンベア４１，４２，及び４３は前段の独立
駆動コンベア３１，３２，及び３３からそれぞれ食品Ｆ
が供給されるようになっている。このとき第２段列化コ
ンベア４は、第１段列化コンベア３よりも遅くなるよう
に運転されており、このため第１段列化コンベア３上で
広くなった食品Ｆ同士の間隔が第２段列化コンベア４上
では狭くなり押せ押せ状態に列状化される。

【００２１】さらに、トレー送りコンベア６はトレー供
給装置８から供給されるトレー５を第２段列化コンベア
４の食品Ｆの供給位置に搬送し、かつ食品Ｆを充填した
トレー５を次工程の包装工程へ搬送するためのものであ
る。このトレー送りコンベア６はトレー５に食品Ｆを充
填するタイミングで間欠運転される。本実施例ではト−
ー５の収納部が６個に仕切られており、前列の３個の収
納部５ａに食品Ｆを充填した後後列の収納部５ｂが食品
Ｆの充填位置に来るように間欠運転される。この間欠運
転は本実施例ではサーボモータ（図示せず）により高速
で行うようになっており、この高速によりトレー５が位
置ずれしないようにコンベア上にはトレー５の大きさに
合致した間隔でアタッチメント１１が設けられている。

【００２２】食品供給センサー７は第１段列化コンベア
３と第２段列化コンベア４との接続部位の各独立駆動コ
ンベア４１，４２，及び４３上にそれぞれ設けられてお
り、第１段列化コンベアから供給された食品Ｆを独立駆
動コンベア４１，４２，及び４３毎に検知して食品Ｆの
存在を確認し、シーケンサ１２からの信号を対応する第
１段列化コンベア３の独立駆動コンベア３１，３２，及
び３３の各駆動機構毎に加えて各コンベアを瞬間的に一
時停止させ、かつ食品Ｆの不存在を確認して通常運転す
るように制御する（図１，２参照）。これにより第１段
列化コンベア３から第２段列化コンベア４への食品Ｆの
供給は重なり合いのない状態で供給できる。

【００２３】また、トレー充填確認センサー９はトレー
送りコンベア６と第２段列化コンベア４との接続部位上
に設けられ、この部位に位置したトレー５内の食品Ｆを
各収納部５ａ（あるいは５ｂ）毎に検知して、食品Ｆの
存在を確認したときはその収納部５ａに対応する第１段
及び第２段列化コンベア３及び４の独立駆動コンベア３
１及び４１，３２及び４２，あるいは３３及び４３を瞬
間的に一時停止させ、かつ一枠分の３個の収納部５ａ
（あるいは５ｂ）の全てに食品Ｆが充填されたことを各
センサー９からの信号によりシーケンサ１２で確認した
ときは駆動機構としてのサーボモータに信号を加えてト
レー送りコンベア６をトレー５の一枠分送る。このとき
のトレー送りコンベア６はサーボモータで０．２〜０．
３秒／１枠の高速で送ることになるが、トレー５はコン
ベア上に設けたアタッチメント１１でその移動が規制さ
れているので前記した高速にも拘らず位置ずれしないよ
うになっている。トレー送りコンベア６の送り後、第１
段及び第２段列化コンベア３及び４は再起動し、第２段
列化コンベア４から落下する食品Ｆをトレー５の空の収
納部で受けることになり、以後前述の動作を繰り返して
行うことになる。

【００２４】さらに、トレー供給装置８は図６に示すよ
うになっており、トレー送りコンベア６に設けたアタッ
チメント１１をトレーセンサー１２０で検出し、トレー
５の不存在を確認してシ−ケンサ１５からの信号により
エアシリンダ１３，１４を作動させてトレー５を剥すと
共に、モータ１６により強制的にトレー５を掻き取り、
空になったアタッチメント１１，１１間のコンベア上に
落下させる。本実施例ではこの動作を０．６秒／１トレ
ーの高速で行うことができる。

【００２５】次に本実施例を用いた実験例について説明
する。実験例１ 供試食品：パン粉の付いた冷凍食品 運転条件及び結果： トレー送りコンベア：０．２〜０．３秒／１枠（トレー
収納部の） トレー供給装置：０．６秒／１トレー

【表１】 ^*1トレーの収納部に正常に充填された製品の比率 表１に示すように本実施例ではいずれの運転条件下でも
第１段列化コンベアの入り口（列化装置からの供給部
位）における食品Ｆの重なり状態は発生しなかったし、
かつパン粉の剥離も無く９５％以上の良好な充填効率が
得られ充分に実用に供されることが解かった。また、本
実施例の最適条件は、搬送速度が列化装置＝２０ｍ／
分，第１段列化コンベア＝３０ｍ／分，及び第２段列化
コンベア＝２０ｍ／分のとき得られ、このときのトレー
充填速度は５０トレー／分となり、充填効率は９８％と
なっている。

【００２６】実験例２ トレー送りコンベアの駆動機構として、エアシリンダ駆
動とサーボモータ駆動の比較を行なった。 運転条件及び結果：

【表２】 表２に示すようにサーボモータ駆動はエアシリンダ駆動
に比べて約３倍のトレー充填速度を達成することができ
た。

【００２７】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、食品
処理工程からランダム流で多数供給される食品群を食品
個体間の接触のない状態でトレー内に自動的に高速度充
填することを可能とした。このため食品個体の損傷の無
い（パン粉付食品の場合パン粉の剥離が無い）、自動高
速度充填の食品のトレー充填装置を提供することができ
た。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る食品のトレー充填装置の全体平面
図である。

【図２】本発明に係る食品のトレー充填装置の全体側面
図である。

【図３】本発明に係る列化装置部分の拡大平面図であ
る。

【図４】本発明に係る列化装置部分の拡大側面図であ
る。

【図５】本発明に係るシュートの拡大正面図である。

【図６】本発明に係るトレー供給装置の作動を説明する
拡大側面図である。

【符号の説明】

１ 食品のトレー充填装置 ２ 列化装置 ３ 第１段列化コンベア ４ 第２段列化コンベア ５ トレー ５ａ，５ｂ トレー収納部 ６ トレー送りコンベア ７ 食品供給センサー ８ トレー供給装置 ９ トレー充填確認センサー １０ シュート １１ アタッチメント ２１ 搬送コンベア ２２ ガイド ２３ 揺動式ガイドローラ ３１，３２，３３，４１，４２，４３ 独立駆動コンベ
ア Ｆ 食品

フロントページの続き (72)発明者 中 島 義 明 佐賀県佐賀郡諸富町大字徳富1809番地 味 の素冷凍食品株式会社内 (72)発明者 栩 川 幸 二 岐阜県揖斐郡池田町粕ヶ原字日吉1766の１ 味の素冷凍食品株式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 食品処理工程からランダム流で供給され
   る食品群を各個体毎にトレーの収納部内に充填し、これ
   を包装工程へ搬送する食品のトレー充填装置において、 前記食品群を搬送方向に沿って設けられたガイドによっ
   て列化させながら搬送する列化装置と、 この列化装置の列化数に相応して並列に設けた複数の独
   立駆動コンベアを、搬送方向に沿って複数段に分割する
   と共に各段のコンベアの駆動速度を段階的に遅くなるよ
   うに設定した列化コンベアと、 この列化コンベアの最終段のコンベアから供給される食
   品を受けるトレーを間欠的に搬送するトレー送りコンベ
   アと、 前記列化コンベアの各段の接続部位に設けられ次段のコ
   ンベアに供給された食品を独立駆動コンベア毎に検知し
   て前段の対応する独立駆動コンベアの駆動機構に信号を
   加える食品供給センサーと、 前記トレー内の食品を検知して前記列化コンベア及び前
   記トレー送りコンベアの各駆動機構に信号を加えるトレ
   ー充填確認センサーとを具備してなる食品のトレー充填
   装置。
2. 【請求項２】 前記列化装置のガイドは揺動式ガイドロ
   ーラからなる請求項１記載の食品のトレー充填装置。
3. 【請求項３】 前記トレー送りコンベアはトレー充填確
   認センサーの信号で駆動するサーボモータにより間欠運
   転されると共に、このコンベアにはコンベア上に載置さ
   れるトレーの移動を規制するアタッチメントが設けられ
   ている請求項１記載の食品のトレー充填装置。
4. 【請求項４】 前記列化装置と列化コンベアとの間に食
   品の方向を規制するシュートが設けられている請求項１
   記載の食品のトレー充填装置。