JPH06218391A - 水の浄化方法および浄化装置 - Google Patents

水の浄化方法および浄化装置

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JPH06218391A
JPH06218391A JP10214192A JP10214192A JPH06218391A JP H06218391 A JPH06218391 A JP H06218391A JP 10214192 A JP10214192 A JP 10214192A JP 10214192 A JP10214192 A JP 10214192A JP H06218391 A JPH06218391 A JP H06218391A
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JP
Japan
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bacteria
tank
biofilm
biofilm tank
water
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JP10214192A
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English (en)
Inventor
Yoshiki Taki
善樹 滝
Akinori Minami
彰則 南
Yuji Ikebe
雄司 池辺
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B BAI B KK
Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
B BAI B KK
Japan Vilene Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Abstract

(57)【要約】 【目的】まず水中の汚濁物質から炭素と窒素の総量を削
減した後に燐を除去することによって水質を浄化させ
る。 【構成】水路Wの上流側に好気的および嫌気的環境の第
1の生物膜槽A、その下流側に好気的環境の第2の生物
膜槽、さらにその下流側に第3の生物膜槽Cを堰状に並
べて設置し、各生物膜槽には細菌の接触材を配置し、第
1の生物膜槽A及び第3の生物膜槽Cには脱炭素・脱窒
素機能を有する有用細菌を、第2の生物膜槽には燐酸蓄
積細菌を供給し、各有用細菌の活性により第1の生物膜
槽Aにおいて水中の汚濁物質中の炭素と窒素をガス化さ
せ、第2の生物膜槽Bの吸着材を水路外に取り出して固
定された燐を除去し、第3の生物膜槽Cで第1の生物膜
槽A及び第2の生物膜槽Bにおける未処理物質を分解処
理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は富栄養化によって汚濁さ
れた水系の水を細菌による生化学反応を利用した細菌膜
槽によって浄化する方法およびその浄化装置に関するも
のである。
【0002】
【従来技術】一般に、生活排水等が湖沼、ダム、池等の
水域に流入すると富栄養化によって水質が汚濁され、環
境を汚染する原因となっている。流入する汚水には過剰
な窒素、燐等の無機塩類や有機物質が含まれる。特に、
生物にとって不可欠な微量元素のうち最大のものである
燐は、炭素や窒素と異なり、ガス化して水圏から大気圏
に還元されることがなく、燐酸塩としてイオン化して水
に溶解した状態で水圏に留まる。したがって、これを物
理的に除去することは非常に困難であるとともに、Al
やCaと化学反応させて凝集させたり固定化させたりし
ても、水底に堆積するから、水環境によっては厄介なだ
けであり、根本的な解決にはならない。燐が過剰に湖沼
等に流入すると、水草や藻の生産活動が突出するため、
表層水によって光線が遮られると、底生の水草類が成長
できず、らん藻や緑藻類のような植物プランクトンが水
の表面を覆い、湖沼等の水圏全域の生態系で生産ー消費
ー分解(還元)のサイクルの調和が壊れ、自浄作用が失
われて水質の汚濁がどんどん進行することになる。
【0003】従来の濾過方式による水浄化では、無機態
の窒素・燐は除去されない。また、活性汚泥法による浄
化方式でも処理水に多量の無機態窒素・燐が除去されず
に残留する。さらに、脱窒素、脱燐の機能が高い有用細
菌の活性を利用する生物膜による浄化方式によるとき
は、上記細菌が好気性雰囲気で活性になるものと嫌気性
雰囲気で活性になるものとがあるから、ガス化するもの
と水圏に残るものとがあるから、一度に除去処理するこ
とは困難であった。
【0004】
【発明の目的】本発明は細菌工学的処理によって除去処
理の前段階としてまず水中の汚濁物質から炭素と窒素の
総量を削減した後に燐を除去することによって水質を浄
化させることができる水の浄化方法および浄化装置を提
供することをその目的とする。
【0005】
【目的を達成するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る水の浄化方法は、汚濁物質を含む水の
水路の上流側に好気的および嫌気的環境を有する第1の
生物膜槽、その下流側に好気的環境を有する第2の生物
膜槽、さらにその下流側に第3の生物膜槽をそれぞれ前
記水路を遮断するように堰状に並べて設置し、前記各生
物膜槽には細菌の接触材を配置するとともに、第1の生
物膜槽及び第3の生物膜槽には脱炭素・脱窒素機能を有
する細菌が優勢な有用細菌を、第2の生物膜槽には燐酸
蓄積機能を有する細菌を供給し、上記各有用細菌の活性
により前記第1の生物膜槽において水中の汚濁物質中の
炭素と窒素をガス化させて大気中に気散させ、第2の生
物膜槽の吸着材を水路外に取り出してこの吸着材上に固
定された燐を除去し、さらに第3の生物膜槽で第1の生
物膜槽及び第2の生物膜槽における未処理物質を分解処
理することを特徴とする。
【0006】また、本発明に係る水の浄化装置は、汚濁
物質を含む水の水路の上流側に第1の生物膜槽、その下
流側に第2の生物膜槽、さらにその下流側に第3の生物
膜槽をそれぞれ前記水路を遮断するように堰状に並べて
設置したことを特徴とする。 (イ)前記第1の生物膜槽と第3の生物膜槽とは、カゴ
状に形成された槽内に主に脱窒素菌を吸着するブロック
状の細菌接触体と紐状の細菌吸着布とを、細菌吸着布を
細菌吸着体の間に挟み込むように封入してなること。 (ロ)前記第2の生物膜槽は、細長に形成されて主に燐
酸蓄積菌を吸着する多数の細菌接触片を前記水路に対し
直交方向に互いに間隔をおいて配設してなること。 (ハ)前記第3の生物膜槽は第1の生物膜槽と同じ構成
であること。
【0007】
【考案の作用、効果】前記水質浄化法によれば、各生物
膜槽は水路に堰状に設置されるため、水中の有機物、S
S物質、BOD(COD)物質、栄養塩類等の水質汚濁
物質を全て生物膜槽内を格別の装置、設備を要すること
なしに通過させることができるから水質浄化を低コスト
で実現することができる。しかも、汚濁物質は水中に均
一に安定した状態で含まれ、細菌の代謝エネルギー源と
して多量に分解されると同時に食物連鎖によるエネルギ
ー化にも利用されるから、汚泥の発生は極めて少なく、
処理を要しない。また、各生物膜槽は分離され、各生物
膜槽内は異なった細菌が活性となる環境に設定されてい
るので、炭素や窒素は気散され、特に第1の生物膜槽で
は高分子な有機物質が分解され、第2の生物膜槽におけ
る吸収が容易になるため、燐の摂取・固定は第1の生物
膜槽で濃縮された後に効率的・集中的に行なわれて水圏
外に除去できるから、浄化が効率的に行なわれる。この
ように、燐の下流への流出が大幅に削減できるため、富
栄養化が阻止され、水質の浄化が進み、水域生態系の調
和を回復させることができる。
【0008】次に、本発明に係る水の浄化装置によれ
ば、各生物膜槽には水の出入りが自由なので、配管等の
設備を要しない簡単な構造となり、上記各生物膜槽は水
路を遮断するように設置されているので、水との全面的
接触が確保され、安定な浄化が得られる。また、好気性
・嫌気性環境の第1の生物膜槽でガス化によって脱炭
素、脱窒素を行なって汚濁物質中の燐を濃縮し、好気性
環境の第2の生物膜槽で物理的に除去するものであるか
ら、汚濁物質が効率よく除去できる。しかも、第1の生
物膜槽では高分子な有機物質を分解するため、第2の生
物膜槽における吸収がよくなる。さらに、水中の生物膜
槽によって浄化する方式であるから、陸上設備および敷
地が不要であるとともに、構造が単純でトラブルが少な
い。汚泥処理とともに日常管理がほとんど不要で、電気
エネルギーの消費も少なく、水質浄化が低コストで行な
える。燐は水圏から取り出すことができるので燐資源が
回収できる。加えて、各々の生物膜槽を適時増減するこ
とにより浄化機能を向上させることが可能となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明について説明すると、まず、汚
濁物質を含む水の水路の上流側に第1の生物膜槽、その
下流側に第2の生物膜槽、さらにその下流側に第3の生
物膜槽をそれぞれ水路を遮断するように堰状に並べて設
置する。そして、各生物膜槽には細菌の接触材を配置す
るとともに、第1の生物膜槽に好気的環境と嫌気的環境
を作り、第2の生物膜槽に好気的環境を作る。さらに、
第1の生物膜槽には汚濁物質から脱炭素と脱窒素機能を
有する細菌が優勢な有用細菌を、第2の生物膜槽には高
燐酸蓄積機能を有する有用細菌をそれぞれ定期的に供給
する。
【0010】第1の生物膜槽に有用細菌が供給されたと
き、これら細菌は接触材に吸着され、水路内の水の汚濁
物質に含まれた固形有機物、SS物質、BOD(CO
D)物質や栄養塩類をエネルギー源として摂取するの
で、一つの生態系を備えた生物膜が形成される。この生
物膜中で有用細菌は上記エネルギー源を多量に消費しな
がら活発な増殖活動を行なう。このときの生化学反応に
よって汚濁有機物質は炭酸ガスと水に生分解され、汚濁
物質中の炭素は炭酸ガスとなって大気圏に除去される。
同時に、高脱窒素機能を有する細菌の増殖活動に伴って
硝酸呼吸が盛んに行なわれ、水中の汚濁物質に含まれた
硝酸性窒素は窒素ガスに還元されて瞬時に水圏から大気
圏に除去される。例として澱粉の分解と硝酸性窒素の硝
化、脱窒の過程を示すと、次のとおりである。 なお、脱窒素に必要な細菌の硝酸呼吸は嫌気的環境の下
でのみ活発に行なわれるが、第1の生物膜槽は、好気的
環境とともに嫌気的環境を備えるもので、このように複
雑な環境の条件下では多種多様な細菌が活性となる生態
系が形成されて生化学反応が促進され、効率的な脱炭
素、脱窒素が図られるとともに、共生、寄生、捕食とい
った長い食物連鎖によって有機物質がエネルギー化さ
れ、汚泥の量が少なくなる。この場合、第1の生物膜槽
自体が好気的環境と嫌気的環境を合わせ持つものであっ
てもよく、あるいはそれぞれ好気的環境と嫌気的環境を
備えた独立の生物膜槽を結合することによって第1の生
物膜槽を作ってもよい。
【0011】また、第1の生物膜槽に供給される有用細
菌としてはBSK菌(細菌登録済)を利用するのが好ま
しい。BSK菌は好気、嫌気の両環境で活性であり、高
い有機物分解機能と脱窒素機能を有するほか、燐の除去
機能も有する(図4、図5参照)ので、脱炭素、脱窒素
を高効率で行なうことが可能であるとともに、蛋白分解
酵素を生産し、環境を良好に保持する機能も併せ持って
いるからである。また、BSK菌は燐酸塩の取り込み、
脱臭、農薬等の化学物質の分解等にも優れている。さら
に、水圏においては、有機態窒素の無機化が先行するた
め、エネルギー源としての炭素供給が遅れることが予想
され、有機物を迅速に分解するBSK菌の役割は大き
い。
【0012】また、上記各生物膜槽内の細菌の働きをよ
り活性にするためには、エネルギー源としては水中の汚
濁物質だけでは不足する。したがって、エタノール、グ
ルコース等の炭素源を別に補給して、細菌に安定した生
活環境を提供するのが好ましい。
【0013】以上のように、第1の生物膜槽において
は、水中の有機物、SS物質、BOD(COD)物質、
栄養塩類等の汚濁物質の大部分は細菌の代謝エネルギー
源として消化吸収され、その一部は細菌により酸化又は
還元されて脱炭素、脱窒素が行なわれ、さらに一部は汚
泥として残留する。したがって、有機物質の大部分が削
減されるとともに、燐が濃縮されることになる。
【0014】次に、第2の生物膜槽の接触材には高燐酸
蓄積機能を有する有用細菌が吸着される。第1の生物膜
槽において脱炭素と脱窒素が行なわれて第2の生物膜槽
に移行した水中の汚染物質は、相対的に有機態燐および
無機態燐(燐酸塩)の割合が高まっており、主に残留し
た燐が第2の生物膜槽において高燐酸蓄積機能を有する
有用細菌によって集中的に吸収されて菌体内に蓄積さ
れ、接触材上に固定される。第2の生物膜槽の接触材に
燐が十分に蓄積固定された後、接触材を水路外に取り出
し、乾燥、洗浄又は搾り取り等の物理的手法により接触
材上に蓄積した燐を除去すればよい。除去された燐は回
収して燐肥料として再利用できる。
【0015】高燐酸蓄積機能を有する有用細菌としては
PAB6菌(細菌登録済)が好ましい。これも従属栄養
細菌で代謝エネルギーとして多量の炭素、窒素を消化す
るため、第1の生物膜槽で発生した汚泥物質も第2の生
物膜槽の細菌のエネルギーとして消費することができる
ほか、乾燥菌体重量の約20パーセントの燐を取り込ん
でおり(通常細菌は5パーセント以下)、通常の細菌に
比べて5倍以上の燐を摂取し、しかも取り込んだ後に離
さない特性を持っているので、燐の固定には最適である
(図6参照)。この場合、PAB−6菌は絶対好気性細
菌であるから、第2の生物膜槽はばっ気により好気性雰
囲気にしておく。
【0016】このように、脱炭素、脱窒素は好気性嫌気
性の環境で、脱燐は好気的環境でそれぞれ効率的に行な
われ、また窒素と炭素は水圏から大気圏に放出されるの
に対し、燐は水中に留まるものであるから、第1の生物
膜槽と第2の生物膜槽とを分離する意義がある。
【0017】なお、好ましくは第2の生物膜槽の下流側
に、さらに第1の生物膜槽と同じ構成の第3の生物膜槽
を水路を遮断するように設置するのがよい。これによ
り、第1の生物膜槽と第2の生物膜槽で発生した細菌遺
体や難分解・未分解有機物質が第3の生物膜槽の細菌に
よって捕捉され、再度生分解して脱窒素、脱燐されるか
ら、一層の水質浄化と汚泥のエネルギー化を促進するこ
とができる。
【0018】以上の浄化方法を図示すれば、図1のよう
になる。
【0019】上述の水質浄化法によれば、上記各生物膜
槽は水路に堰状に設置されるため、水中の有機物、SS
物質、BOD(COD)物質、栄養塩類等の水質汚濁物
質を全て生物膜槽内を格別の装置、設備を要することな
しに通過させることができるから水質浄化を低コストで
実現することができる。しかも、汚濁物質は水中に均一
に安定した状態で含まれ、細菌の代謝エネルギー源とし
て多量に分解されると同時に食物連鎖によるエネルギー
化にも利用されるから、汚泥の発生は極めて少なく、処
理を要しない。また、各生物膜槽内は細菌が活性となる
環境に設定されているので、炭素や窒素は気散され、特
に燐の摂取・固定は第1の生物膜槽で濃縮された後に集
中的に行なわれて水圏外に除去できるから、浄化が効率
的に行なわれる。このように、燐の下流への流出が大幅
に削減できるため、富栄養化が阻止され、水質の浄化が
進み、水域生態系の調和を回復させることができる。
【0020】さらに、生物膜槽によって浄化する方式で
あるから、陸上設備および敷地が不要であるとともに、
構造が単純でトラブルが少ない。汚泥処理とともに日常
管理がほとんど不要で、電気エネルギーの消費も少な
く、水質浄化が低コストで行なえる。燐は水圏から取り
出すことができるので燐資源が回収できる。
【0021】次に、上記水質浄化法の実施に適する浄化
装置について述べる。図2はこの浄化装置の一例を示す
もので、水路の上流側に第1の生物膜槽A、その下流側
に第2の生物膜槽B、更にその下流側に第3の生物膜槽
Cをそれぞれ水路Wを遮断するように堰状に並べて設置
することによって構成されている。
【0022】水路W内の水の流速は3m/sec以下が
適当である。
【0023】第1の生物膜槽Aは、カゴ状の槽1内に細
菌接触材を封入してユニット化したもので、この接触材
は脱窒素菌を吸着するブロック状の細菌接触体2と紐状
の細菌吸着布3とから構成され、細菌吸着布3は細菌接
触体2の間に挟み込まれている。
【0024】槽1は水の出入りが自由なカゴ状に形成さ
れ、ガラス繊維製のネフマック(商品名)等がよい。
【0025】ブロック状の細菌接触体2としては、空隙
率と細菌の吸着率が高いものが好ましく、例えばバイオ
ス(商品名)等が適する。バイオスは板状体を組み合わ
せて直径が100〜150mm程度の球状体として形成
したもので、空隙率が95パーセント以上もあるから、
好気性の環境ができるとともに、表面積が700m2
と大きいので、水に含まれる有機物、SS物質、B
OD(COD)物質、栄養塩類等の水質汚濁物がよく吸
着され、細菌が活性化できる生活環境が形成される。
【0026】紐状の細菌吸着布3は、細菌吸着機能をも
った布材を紐状に切ったものを使用すればよい。このよ
うな布材としては、例えばACFやPーCーX(いずれ
も商品名)がある。ACFは炭素繊維からなり、またP
ーCーXはピリジニウム基を有し、かつ水に不溶又は難
溶の細菌吸着樹脂を多孔質基材表面に付着したもので、
多孔質基材としてはレーヨン、コットン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどの繊維よりなる不織布、織物或
いは編物や、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の多孔質
な合成樹脂フィルムであって、水中を流れにとともに浮
かび漂うことができるよう帯状、紐状などの水の抵抗を
受け易い形態としたものがよい。細菌吸着樹脂としては
ハロゲン化されたピリジニウム基を分子内に有し、かつ
水に不溶又は難溶のものであればどんなものであっても
よい。例えば、特開平3−174419号公報に示され
た4−ビニルピリジンとモノビニルモノマーとを共重合
し、ハロゲン化物により4級処理することにより得られ
る高分子化合物や、多孔質基材表面に4−ビニルピリジ
ンと架橋性ジビニル系単量体とを付着した後これらを共
重合させ4級化処理したもの等を挙げることができる。
これらの細菌吸着樹脂における細菌吸着能は、該樹脂が
分子内に有するところのピリジニウム基が正に帯電して
おり、一般に細菌の細胞表面は負に帯電していることか
ら、これらピリジニウム基と細菌との間の電気的な相互
作用によって発現されるものと推定される。PーCーX
は通常の接触基材と異なり、100〜1000倍の細菌
吸着能力をもつとともに、吸着した細菌を放逸しない特
性を有する。
【0027】上記構成の第1の生物膜槽Aは、空隙率が
高いブロック状の細菌接触体2により好気性の環境が作
られるとともに、内部に細菌を高密度で吸着させる暖簾
状細菌吸着布3を挟み込むことにより嫌気的雰囲気が作
り出されるから、全体として上流域側で好気性、下流域
側で嫌気性の両雰囲気を備えた複雑な複雑な環境によっ
て多種多様な細菌が活性となる生態系が形成される。上
記構成の第1の生物膜槽Aには特に前述のBSK菌を供
給すればよい。この場合、BSK菌を綿に付着させ、第
1の生物膜槽Aの流入部の上部に設けられたネット等に
入れればよい。細菌は発芽、増殖した後に、細菌接触体
2、吸着布3に吸着される。
【0028】次に、第2の生物膜槽Bは、水路W上を直
角に横切る複数のロープ(ワイヤ)4を水の流下方向に
一定間隔をおいて平行に設置するとともに、各ロープ4
に沿って多数の暖簾状の細菌接触片5を水路Wに対し直
交するように垂らしてなるもので、隣り合う細菌接触片
5間には間隔が形成されて揺れ藻状に配設される。上記
細菌接触片5も、上述の細菌吸着布材から構成すればよ
い。
【0029】上記第2の生物膜槽Bには前述のPAB6
菌のような燐酸蓄積菌を供給する。このような燐酸蓄積
菌は絶対好気性細菌であるから、第1の生物膜槽Aで消
費された溶存酸素を補給し、細菌を活性化させるため
に、好ましくは第2の生物膜槽Bが配置された部分の水
底には散気管6を敷設し、水中に空気を供給するように
するのがよい。原則としてBSK菌は綿に付着させ、第
1の生物膜槽Aの流入部の上部に設けられたネット等に
入れ、PAB6菌もBSK菌と同様に、第2の生物膜槽
Bの上部に綿に付着させた状態で取り付ければよい。
【0030】ロープ4は細菌接触片5上の細菌に燐が十
分に蓄積固定された後、接触片5を水路W外に取り出す
ために引き上げられるものであるが、要するに細菌接触
片5が取り出せるものであれば、ロープ4以外の手段を
用いてもよい。
【0031】なお、第2の生物膜槽Bの下流側にさらに
第1の生物膜槽Aと同じ構成の第3の生物膜槽Cを設置
するのが好ましい。この生物膜槽は、第1の生物膜槽A
と第2の生物膜槽Bで発生した細菌遺体や難分解・未分
解有機物質を分解して脱窒素、脱燐を行なうものであ
る。したがって、第1および第2の生物膜槽Bにおいて
十分に脱窒素、脱燐が行なわれていれば、必ずしも第3
の生物膜槽Cは必要ではない。供給する有用細菌として
はBSK菌が適当である。
【0032】また、生物膜槽内の細菌は冬期でも活動す
るので通年の水質浄化が可能であるが、冬期に生物膜槽
内の温度が低くなって細菌の活性化が低下するのを防止
し、また細菌にとって有害な紫外線をカットするため、
遠赤外線放射機能のある黒色の網状シート(図示せず)
を各生物膜槽の上部に張設することが望ましい。
【0033】前記構成の浄化装置によれば、生物膜槽
A、Cを水の出入りが自由なカゴ方式にしたので、配管
等の設備を要しない簡単な構造となり、各生物膜槽A、
B、Cは水路Wを遮断するように設置されているので、
水との全面的接触が確保され、安定な浄化が得られる。
また、好気性・嫌気性環境の第1の生物膜槽Aでガス化
によって脱炭素、脱窒素を行なって汚濁物質中の燐を濃
縮し、好気性環境の第2の生物膜槽Bで物理的に除去す
るものであるから、湖沼、池等の富栄養化原因物質であ
る窒素、燐等の無機栄養塩素が効率よく除去できる。さ
らに、生物膜槽によって浄化する方式であるから、陸上
設備および敷地が不要であるとともに、構造が単純でト
ラブルが少ない。汚泥処理とともに日常管理がほとんど
不要で、電気エネルギーの消費も少なく、水質浄化が低
コストで行なえる。燐は水圏から取り出すことができる
ので燐資源が回収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水の浄化方法を示すブロック図で
ある。
【図2】本発明に係る水の浄化装置の概観斜視図であ
る。
【図3】上記浄化装置の第1の生物膜槽中の拡大図であ
る。
【図4】BSK菌の窒素・燐除去試験データを示すグラ
フである。
【図5】BSK菌による有機物の生分解特性を示すグラ
フである。
【図6】PB6による燐酸除去特性を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
A 第1の生物膜槽 B 第2の生物膜槽 C 第3の生物膜槽 W 水路 1 槽
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 3/30 C 9/00 A 7446−4D (72)発明者 南 彰則 茨城県猿島郡総和町大字北利根7番地 日 本バイリーン株式会社東京研究所内 (72)発明者 池辺 雄司 茨城県猿島郡総和町大字北利根7番地 日 本バイリーン株式会社東京研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚濁物質を含む水の水路の上流側に好気
    的および嫌気的環境を有する第1の生物膜槽、その下流
    側に好気的環境を有する第2の生物膜槽、さらにその下
    流側に第3の生物膜槽をそれぞれ前記水路を遮断するよ
    うに堰状に並べて設置し、前記各生物膜槽には細菌の接
    触材を配置するとともに、第1の生物膜槽及び第3の生
    物膜槽には脱炭素・脱窒素機能を有する細菌が優勢な有
    用細菌を、第2の生物膜槽には燐酸蓄積機能を有する細
    菌を供給し、上記各有用細菌の活性により前記第1の生
    物膜槽において水中の汚濁物質中の炭素と窒素をガス化
    させて大気中に気散させ、第2の生物膜槽の吸着材を水
    路外に取り出してこの吸着材上に固定された燐を除去
    し、さらに第3の生物膜槽で第1の生物膜槽及び第2の
    生物膜槽における未処理物質を分解処理することを特徴
    とする水の浄化方法。
  2. 【請求項2】 汚濁物質を含む水の水路の上流側に第1
    の生物膜槽、その下流側に第2の生物膜槽、さらにその
    下流側に第3の生物膜槽をそれぞれ前記水路を遮断する
    ように堰状に並べて設置したことを特徴とする水の浄化
    装置。 (イ)前記第1の生物膜槽と第3の生物膜槽とは、カゴ
    状に形成された槽内に主に脱窒素菌を吸着するブロック
    状の細菌接触体と紐状の細菌吸着布とを、細菌吸着布を
    細菌吸着体の間に挟み込むように封入してなること。 (ロ)前記第2の生物膜槽は、細長に形成されて主に燐
    酸蓄積菌を吸着する多数の細菌接触片を前記水路に対し
    直交方向に互いに間隔をおいて配設してなること。 (ハ)前記第3の生物膜槽は第1の生物膜槽と同じ構成
    であること。
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