JPH06218048A - 局所性貧血治療用カテーテルおよびこれを用いた治療装置 - Google Patents

局所性貧血治療用カテーテルおよびこれを用いた治療装置

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JPH06218048A
JPH06218048A JP50A JP2732193A JPH06218048A JP H06218048 A JPH06218048 A JP H06218048A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 2732193 A JP2732193 A JP 2732193A JP H06218048 A JPH06218048 A JP H06218048A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 胃や腸の粘膜組織の虚血状態(酸素不足状
態)を改善するために、胃や腸内を汚すことなく効率的
に胃や腸の粘膜組織に酸素を付与することのできる局所
性貧血治療用カテーテルを提供する 【構成】 本発明の局所性貧血治療用カテーテルは、そ
の長手方向に液体供給用ルーメン11と液体回収用ルー
メン12の形成されたメインチューブ1を有しており、
このメインチューブ1の先端部および/または中間部の
外壁には1つまたは複数の酸素供給バルーン2が設けら
れている。そして酸素供給バルーン2の内部には液体供
給用ルーメン11および液体回収用ルーメン12が開口
しており、液体供給用ルーメン11および液体回収用ル
ーメン12にはメインチューブ1の基端部でそれぞれ液
体供給チューブ3および液体回収チューブ4が接続され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は虚血状態(生体組織の局
所的な貧血状態を言い、ここでは特に虚血に因って生ず
る酸素不足状態を言う)にある管状組織、特に胃腸内に
留置して、それらの組織粘膜に対して酸素を付与し治療
するための局所性貧血治療用カテーテルおよびこれを用
いた治療装置に関する。
【0002】
【従来の技術】救急患者や集中治療室(ICU)の患者
などの重症患者の場合、腹部大動脈瘤等の大手術後、動
脈内バルーンポンピング(IABP)等における補助循
環装置離脱後、あるいは種々の感染により体の各組織へ
の酸素供給能が低下した場合、組織が酸素供給依存型の
状態に陥る。この様な場合に、腸管の血流障害等が原因
となり、腸粘膜が虚血状態に陥りやすいことが知られて
いる。この様な状態になると組織がアシドーシス状態に
なり、腸液等の体液のpHが低下し臓器の機能が低下す
る。すると連鎖反応的に門脈等の血管で繋がれている周
りの心臓、腎臓、肝臓といった重要臓器機能にも同じよ
うな影響が出始め、最後には多臓器不全(MOF)に陥
り死亡するという結果になる可能性が高い。この様な問
題に対処するには、術中、術後の患者や一般重症患者の
管理方法の改善が必要なことから、従来、虚血状態など
の組織酸素代謝障害の改善方法として、抗生物質(バ
ンコマイシンなど)の静脈内投与などの薬物投与、慢
性的血液濾過(CHF)、慢性的血液濾過透析(CHD
F)などの体外循環、中心静脈栄養(IVH)などの
非経口的栄養(TPN)療法などが提案されており、ま
た、直接腸内に酸素を溶解させた人工血液を入れて腸
管粘膜に酸素を付与する方法も提案されている。
【0003】しかしながら、については、薬物の副作
用による影響が問題であり、については、補助循環装
置を離脱する時期の予測が困難であるという欠点を有し
ており、については、現在市販されているカテーテル
では未だ有効な治療効果が得られておらず、について
も、腸内が人工血液によって膨満状態になってしまい中
を循環させ難い、腸内の人工血液が汚物で汚され酸素付
与機能が低下する、目的部位以外にまで人工血液が流れ
込み酸素付与効率が悪い、などの欠点を有するものであ
る。尚、虚血状態の検査およびその前兆を知る方法とし
ては、内視鏡やドップラー血流計等を用いる方法や、蛍
光染色法、カテーテルを用いて胃、腸の臓器内の炭酸ガ
ス分圧と、動脈血の炭酸ガスイオン濃度を測定し、これ
らを用いて臓器壁のpHを計算して虚血状態の尺度とす
る方法(アメリカ特許第 4,643,192号)などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
事情に鑑みてなされたもので、胃や腸の粘膜組織の虚血
状態(酸素不足状態)を改善するために、胃や腸内を汚
すことなく効率的に胃や腸の粘膜組織に酸素を付与する
ことのできる局所性貧血治療用カテーテルを提供するこ
とを目的とする。さらに本発明は、虚血状態の診断部分
と治療部分を一体化することによって、手技の簡素化を
図り、副作用を最小限に抑えることによって患者の負担
を軽減することのできる局所性貧血治療用カテーテルを
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するために、第1の発明として、その長手方向に液体
供給用ルーメンおよび液体回収用ルーメンが形成されて
なるメインチューブと、該メインチューブの先端部およ
び/または中間部の外壁に設けられ、前記液体供給用ル
ーメンおよび液体回収用ルーメンとそれぞれ連通する1
つまたは複数の酸素供給バルーンと、前記メインチュー
ブの基端部で前記液体供給用ルーメンおよび液体回収用
ルーメンにそれぞれ接続された液体供給チューブおよび
液体回収チューブとからなり、酸素供給バルーンをガス
透過性かつ液体不透過性の合成樹脂で形成するととも
に、液体を流した時の液体回収側の流路の抵抗を液体供
給側の流路の抵抗よりも大きくしたことを特徴とする局
所性貧血治療用カテーテルを採用している。また、第2
の発明として上記第1の発明の局所性貧血治療用カテー
テルと、該局所性貧血治療用カテーテルの液体供給チュ
ーブの上流に接続された液体供給ポンプ、および該液体
供給ポンプの上流と局所性貧血治療用カテーテルの液体
回収チューブの下流に接続された液体収容容器からな
り、該液体収容容器が酸素ガス供給手段との接続手段を
有している治療装置を採用している。
【0006】
【作用】上記の第1の発明の構成によれば、目的とする
たとえば腸管内に局所性貧血治療用カテーテルを挿入
し、これに液体を循環させる手段を接続して、酸素供給
バルーンに人工血液などの高い酸素溶解性を有する液体
を供給すると、人工血液は液体循環手段→液体供給チュ
ーブ→液体供給用ルーメン→酸素供給バルーン→液体回
収用ルーメン→液体回収チューブ→液体循環手段と循環
する一方、酸素供給バルーンは、液体回収側の流路の抵
抗が液体供給側の流路の抵抗よりも大きいので、循環す
る人工血液によって膨張させられ腸管の粘膜組織に密着
する。酸素供給バルーンの薄膜を挟んで粘膜組織と酸素
供給バルーン内の人工血液の間には酸素濃度勾配および
炭酸ガス濃度勾配が生じるので、酸素は濃度の高い人工
血液から酸素供給バルーンのガス透過性かつ液体不透過
性の薄膜を透過して粘膜組織に移行する。一方、炭酸ガ
スは濃度の高い粘膜組織から薄膜を透過して人工血液に
移行する。
【0007】
【実施例】次に本発明の実施例について図面に基づいて
説明する。図1は第1の発明の説明図であり、図2は第
1の発明の他の実施例を示す説明図、図3は図2のA−
A線拡大端面図、図4は第2の発明の説明図である。図
1〜図2に示すように、本件第1の発明の局所性貧血治
療用カテーテルは、その長手方向に液体供給用ルーメン
11と液体回収用ルーメン12の形成されたメインチュ
ーブ1を有しており、このメインチューブ1の先端部お
よび/または中間部の外壁には1つまたは複数の酸素供
給バルーン2が設けられている。そして酸素供給バルー
ン2の内部には液体供給用ルーメン11および液体回収
用ルーメン12が開口しており、液体供給用ルーメン1
1および液体回収用ルーメン12にはメインチューブ1
の基端部でそれぞれ液体供給チューブ3および液体回収
チューブ4が接続されている。酸素供給バルーン2はガ
ス透過性かつ液体不透過性の合成樹脂で形成されてお
り、液体回収側の流路の抵抗が液体供給側の流路の抵抗
よりも大きくなっている。
【0008】メインチューブ1は通常シリコーンゴムや
ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリアミドなどの合成
樹脂またはこれらの少なくとも1つを含んでなる共重合
体やブレンド体などで形成された柔軟なチューブであ
り、メインチューブ1の側壁にはその長手方向に縦走す
る液体供給用ルーメン11と液体回収用ルーメン12が
形成されている。そしてメインチューブ1の外壁にはそ
の先端部または中間部、または先端部から中間部にかけ
て1つまたは複数の酸素供給バルーン2が設けられてお
り、前記液体供給用ルーメン11と液体回収用ルーメン
12はこれらの酸素供給バルーン2の内部に開口してこ
れら全てと連通するとともに、メインチューブ1の基端
部でそれぞれ液体供給チューブ3および液体回収チュー
ブ4と接続されている。酸素供給バルーン2はガス透過
性かつ液体不透過性の合成樹脂、たとえばシリコーンゴ
ムやポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポ
リアルキルサルホン、ジターシャリーブチル・フマレー
ト、アラミド−シリコーン樹脂などで形成された膜から
なり、バルーンの数、長さ、太さを適当に調節すること
により、大腸や十二指腸、小腸等任意の消化管の部位に
対応させることができる。酸素供給バルーン2に供給さ
れる液体は酸素を高度に溶解または分散させた液体であ
り、酸素溶解性に優れ安全性の高い液体が望ましい。こ
のような液体としては、たとえばパーフルオロカーボン
(PFC)などの人工血液が好適に採用される。液体の
流れに対する流路の抵抗は、液体回収用ルーメン12と
液体回収チューブ4からなる液体回収側の方が、液体供
給用ルーメン11と液体供給チューブ3からなる液体供
給側よりも大きくなっている。液体回収側の流路の抵抗
を液体供給側の流路の抵抗より大きくする方法として
は、液体供給用ルーメン11の径を液体回収用ルーメン
12の径より大きくするなど液体供給側の流路の内径を
液体回収側の流路の内径よりも大きくする、液体回収側
流路に流量制御手段を取り付けて液体の流量を制限す
る、などがある。
【0009】メインチューブ1には必要ならばさらに図
3に示すような、治療を行う前後あるいは途中に必要に
応じて組織の酸素欠乏の程度を調べるための炭酸ガス濃
度測定バルーン5と連通する炭酸ガス濃度測定用ルーメ
ン13や、治療部位の内容物等を排出するためのドレー
ン用ルーメン14を形成してもよい。炭酸ガス濃度測定
バルーン5は酸素供給バルーン2の形成材料と同様のガ
ス透過性かつ液体不透過性の合成樹脂で形成された膜か
らなり、メインチューブ1の外壁に酸素供給バルーン2
に近接して別途設けられる。炭酸ガス濃度測定用ルーメ
ン13はメインチューブ1の基端部で炭酸ガス濃度測定
チューブ6と接続されて、炭酸ガス濃度測定バルーン5
を炭酸ガス濃度測定用ルーメン13を介して炭酸ガス濃
度測定チューブ6と連通される。また、ドレーン用ルー
メン14は、一端がメインチューブ1の基端に開口され
て吸引手段(図示していない)との接続口(ドレーン
口)7と接続され、他端がメインチューブ1の先端側
(先端を含む)のドレーン用側孔15に開口されてい
る。ドレーン用側孔15は必要ならばメインチューブ1
の先端以外の適当な場所に追加して設けてもよい。尚、
炭酸ガス濃度測定バルーン5は通常酸素供給バルーン2
を挟むようにその両側に2個設けられるが、特に限定さ
れるものではなく、先端側だけに設けてもよく、酸素供
給バルーン2の間に設けてもよい。また、炭酸ガス濃度
測定用ルーメン13および炭酸ガス濃度測定チューブ6
は炭酸ガス濃度測定バルーン5と同数設けられる。図
中、16、17はそれぞれ、液体供給用ルーメン11を
酸素供給バルーン2に連通する側孔および液体回収用ル
ーメン12を酸素供給バルーン2に連通する側孔であ
る。
【0010】液体供給チューブ3、液体回収チューブ
4、炭酸ガス濃度測定チューブ6は、いずれもメインチ
ューブ1と同様の合成樹脂またはこれらの少なくとも1
つを含んでなる共重合体やブレンド体などで形成された
柔軟なチューブからなり、一端がそれぞれ液体供給用ル
ーメン11、液体回収用ルーメン12、炭酸ガス濃度測
定用ルーメン13に接続されており、他端にはそれぞれ
液体供給手段、液体回収手段、炭酸ガス濃度測定装置と
接続するためのコネクタ31、41、61が取り付けら
れている。尚、コネクタ31、41、61としては流路
切り換えのできる三方活栓等が好ましい。また、本発明
の局所性貧血治療用カテーテルに内視鏡を組み込むこと
もでき、その場合には、ドレーン用ルーメン14に内視
鏡を挿入し、治療部位の状態を観察することができる。
さらにまた、病態のより早期の確認を可能にするために
必要に応じてpH電極や酸素電極、炭酸ガス電極、温度
センサー等を組み込むことも可能である。
【0011】次に、本件第2の発明の治療装置について
説明する。図4に示すように本発明の治療装置は、局所
性貧血治療用カテーテル10と、このカテーテル10に
高濃度に酸素を溶解した液体(以下酸素溶解液という)
たとえば人工血液を供給する手段としてのローラーポン
プ8、回収された酸素溶解液Sを貯留する液体収容容器
としての人工血液貯糟9、およびこれらを接続する導管
81、91、92からなり、人工血液貯糟9にはさらに
酸素ガス供給手段(図示していない)との接続手段とし
ての導管93が取り付けられている。酸素溶解液Sへの
酸素の溶解を促進するために、導管93の開口部は酸素
をバブリングさせることができるように好ましくは人工
血液貯糟9の底部に近接して配置されるが、人工血液貯
糟9内に別途酸素溶解液Sを攪拌する手段(図示してい
ない)を設けてもよい。
【0012】次に、本発明の治療装置の使用状況につい
て説明する。先ず局所性貧血治療用カテーテル10の液
体供給チューブ3および液体回収チューブ4のコネクタ
31、41を利用してシリンジ等を用いてカテーテル1
0内の空気を出来るだけ抜き、腸管内に内容物がある場
合は、適時ドレーン口7より洗浄液を注入してドレーン
を行う。次いで、目的とする腸管内にカテーテル10を
挿入する。カテーテル10の挿入には、開腹時直接腸管
壁から挿入する方法、経鼻的、経口的に挿入する方法、
肛門から結腸内に挿入する方法、さらには腹腔鏡を用い
て経皮的に挿入する方法等、患者の状況等に応じて適宜
の方法が採用される。ローラーポンプ8を駆動させる
と、人工血液貯糟9内の酸素溶解液Sは導管92内に吸
い上げられ、導管92から導管81へと流れて局所性貧
血治療用カテーテル10の液体供給チューブ3に流入す
る。そして、液体供給用ルーメン11を通って酸素供給
バルーン2内に流入し、次いで液体回収用ルーメン12
から液体回収チューブ4、導管91と流れて人工血液貯
糟9内に回収される。このように酸素溶解液Sが人工血
液貯糟9→ローラーポンプ8→局所性貧血治療用カテー
テル10→人工血液貯糟9と循環する間に、酸素供給バ
ルーン2内の酸素溶解液Sは、酸素供給バルーン2の膜
21を介して治療部位の粘膜(図示していない)に酸素
を供給する。一方、人工血液貯糟9には酸素供給手段か
ら導管93を通って酸素ガスが供給され、この酸素が回
収された酸素溶解液Sに溶解させられ、酸素溶解液Sの
再利用が行われる。尚、必要に応じて治療の前後または
途中で炭酸ガス濃度測定バルーン5内に生理食塩水を注
入、排出し、組織の酸素欠乏の状態を調査してもよい。
また、酸素溶解液Sの循環速度は約4.0ml/sec程度が
適当であるが、状況に応じて変化させてもよい。
【0013】〔実験例1〕雑種雄成犬を全身麻酔下で開
腹し、その小腸Dの管壁の一部を小切開し、図5に示す
ような局所性貧血治療用カテーテル10を挿入した後、
挿入した小腸Dに繋がる上腸間膜動脈を結紮し、酸素供
給バルーン2内に酸素分圧約600mmHgまで酸素を溶解
させた人工血液(PFC乳剤)を充填し、約4.0ml/s
ecの速度で循環させながら、経時的に小腸粘膜組織の炭
酸ガス濃度を測定してpHを算出するとともに、治療開
始2時間後に粘膜の一部を採取して、粘膜表面の状態を
走査型電子顕微鏡および透過型電子顕微鏡で観察した。
その結果を表1に示す。尚、カテーテル10のメインチ
ューブ1の直径は16Fr(約5.3mm)であり、酸素供
給バルーン2および炭酸ガス濃度測定バルーン5、コン
トロール部分の炭酸ガス濃度を測定するためのコントロ
ールバルーンCのサイズは直径15mm×長さ50mmであ
り、どちらもシリコーンゴムで形成されている。表1か
ら、酸素供給バルーン2に接触した粘膜の部分のpHの
低下が進んでおらず、局所性貧血治療用カテーテルを用
いた治療により、組織のアシドーシス、すなわち酸素不
足状態に陥るのを防いでいるのが分かる。また、走査型
電子顕微鏡および透過型電子顕微鏡による小腸粘膜の観
察でも、治療効果が認められるのが分かる。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】以上説明してきたことから明らかなよう
に、本発明の局所性貧血治療用カテーテルを採用するこ
とにより、次のような効果を奏することができる。 酸素供給バルーンを腸管の粘膜に接触させて膜を介し
て酸素を供給する方式なので、腸管の閉塞や患者の体位
による影響がなく、均一に酸素を供給することができ
る。 各バルーンの大きさ、数を調節することによって、様
々な部位に対応させることができる。 バルーンに充填する酸素溶解液は殆ど汚染されないた
め、使用後回収することによって再利用が可能である。 粘膜組織の炭酸ガス濃度測定機能を持つバルーンや色
々なセンサーを組み合わせることにより、病態の予知や
予防を同時に行うことができる。 ドレーン用ルーメンを設けることにより、腸管内の洗
浄が可能であり、腸管汚物による影響を回避することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の局所性貧血治療用カテーテルの説
明図である。
【図2】第1の発明の他の実施例を示す説明図である。
【図3】図2のA−A線拡大端面図である。
【図4】第2の発明の治療装置の説明図である。
【図5】実験例1で小腸に局所性貧血治療用カテーテル
を挿入した状態を説明するための図である。
【符号の説明】
1 メインチューブ 11 液体供給用ルーメン 12 液体回収用ルーメン 13 炭酸ガス濃度測定用ルーメン 14 ドレーン用ルーメン 2 酸素供給バルーン 3 液体供給チューブ 4 液体回収チューブ 5 炭酸ガス濃度測定バルーン 6 炭酸ガス濃度測定チューブ 7 ドレーン口 8 ローラーポンプ 9 人工血液貯糟 10 局所性貧血治療用カテーテル S 酸素溶解液 D 小腸

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その長手方向に液体供給用ルーメンおよ
    び液体回収用ルーメンが形成されてなるメインチューブ
    と、該メインチューブの先端部および/または中間部の
    外壁に設けられ、前記液体供給用ルーメンおよび液体回
    収用ルーメンとそれぞれ連通する1つまたは複数の酸素
    供給バルーンと、前記メインチューブの基端部で前記液
    体供給用ルーメンおよび液体回収用ルーメンにそれぞれ
    接続された液体供給チューブおよび液体回収チューブと
    からなり、酸素供給バルーンをガス透過性かつ液体不透
    過性の合成樹脂で形成するとともに、液体を流した時の
    液体回収側の流路の抵抗を液体供給側の流路の抵抗より
    も大きくしたことを特徴とする局所性貧血治療用カテー
    テル。
  2. 【請求項2】 メインチューブの外壁に酸素供給バルー
    ンに近接して、さらにガス透過性かつ液体不透過性の合
    成樹脂で製せられた1つまたは複数の炭酸ガス濃度測定
    バルーンを設け、該炭酸ガス濃度測定バルーンをそれぞ
    れメインチューブに別途形成した炭酸ガス濃度測定用ル
    ーメンを介して炭酸ガス濃度測定チューブと連通接続し
    た請求項1に記載の局所性貧血治療用カテーテル。
  3. 【請求項3】 メインチューブの長手方向にさらに酸素
    供給バルーンおよび炭酸ガス濃度測定バルーンの外側に
    開口するドレーン用ルーメンを別途形成し、該ドレーン
    用ルーメンをドレーンチューブと連通接続した請求項1
    または2に記載の局所性貧血治療用カテーテル。
  4. 【請求項4】 ガス透過性かつ液体不透過性の合成樹脂
    がシリコーンゴム、ポリプロピレン、ポリテトラフルオ
    ロエチレン、ポリアルキルサルホン、ジターシャリーブ
    チル・フマレート、アラミド−シリコーン樹脂の群から
    選ばれる1つ、または2つ以上の組合せからなる請求項
    1〜3のいずれかに記載の局所性貧血治療用カテーテ
    ル。
  5. 【請求項5】 液体供給用ルーメンの径を液体回収用ル
    ーメンの径よりも大きく形成した請求項1〜4のいずれ
    かに記載の局所性貧血治療用カテーテル。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の局所性貧血治療用カテ
    ーテルと、該局所性貧血治療用カテーテルの液体供給チ
    ューブの上流に接続された液体供給ポンプ、および該液
    体供給ポンプの上流と局所性貧血治療用カテーテルの液
    体回収チューブの下流に接続された液体収容容器からな
    り、該液体収容容器が酸素ガス供給手段との接続手段を
    有している治療装置。
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