JPH0621556A - ポリマー微小球レーザ - Google Patents

ポリマー微小球レーザ

Info

Publication number
JPH0621556A
JPH0621556A JP17267392A JP17267392A JPH0621556A JP H0621556 A JPH0621556 A JP H0621556A JP 17267392 A JP17267392 A JP 17267392A JP 17267392 A JP17267392 A JP 17267392A JP H0621556 A JPH0621556 A JP H0621556A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dye
triplet
polymer
laser
state
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP17267392A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Shinkai
正博 新海
Takahiko Suzuki
貴彦 鈴木
Noriyoshi Nanba
憲良 南波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP17267392A priority Critical patent/JPH0621556A/ja
Publication of JPH0621556A publication Critical patent/JPH0621556A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 三重項状態に滞留する色素分子が示す望まし
くない三重項吸収及びレーザ発振に関与できる分子の減
少を防止あるいは低減して、発振効率の低下を防止す
る。 【構成】 ポリマー微小球1に色素2を含有せしめると
共に色素2の三重項状態の寿命を短縮する作用を有する
三重項クエンチャー3を含有せしめる。三重項クエンチ
ャー3によって三重項状態に滞留している色素分子の寿
命を短縮することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリマー微小球に色素
を含有せしめたポリマー微小球レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】レーザの一種として蛍光色素(以下単に
色素と称する)をポリスチレンのような透明なポリマー
微小球に含有せしめて光の誘導放出を行わせるように構
成したポリマー微小球レーザが報告されている。
【0003】図3はこのようなポリマー微小球レーザの
動作原理を説明するもので、ポリマー微小球11の内部
に含有せしめた色素12に対して、外部から光照射を行
って励起を行うと色素12は発光して光源として動作す
る。
【0004】このとき色素12から発生した光13すな
わち蛍光はポリマー微小球11の内部から外部へ放出さ
れるが、外部との境界面すなわちポリマー微小球11の
表面の接線Lに対して、色素12から発生した光13が
角度θ′で入射したとして(Nは垂線)この角度θ′が
臨界角θより大きいと全反射の条件を満たすので、光1
3は全反射されてポリマー微小球11の内部に反射され
るため外部には放出されない。但し、前提としてポリス
チレン(屈曲率n1は約1.58)のポリマー微小球1
1より、外部の媒体の屈曲率は小さい(例えば空気から
なっており屈曲率n2は約1.00)ものとする。
【0005】すなわち、色素12から発生された光13
がポリマー微小球11の内部で全反射すると、次々に光
13は境界面で全反射を繰り返して矢印のように進行す
るようになり、光はポリマー微小球11の内部に閉じ込
められたことになる。そして一周回って元の発生した光
と位相が一致すると、次の光が誘導放出されるようにな
り、このような動作を繰り返すことにより共振状態とな
るので光の増幅が行われるようになって、いわゆるレー
ザ発振が起きるようになる。
【0006】このようにポリマー微小球レーザにおいて
は、色素をドープしたポリマー微小球の内部において色
素から発生した光を全反射させてポリマー微小球の内部
に閉じ込めておく必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで従来のポリマ
ー微小球レーザでは、蛍光色素に特有に生じる三重項状
態の影響が避けられないので、発振効率が低下するとい
う問題がある。
【0008】図4はこのようにレーザ媒体として色素を
用いたレーザのエネルギー準位を示すもので、この種レ
ーザでは、熱平衡状態で基底状態(下準位)に存在して
いる色素分子を光励起によって矢印Aのように移行させ
る上準位が、一重項状態(一重項励起状態)とこれより
少し低い準位の三重項状態(三重項励起状態)とからな
っている。
【0009】励起一重項状態に存在している色素分子
は、他の色素分子によって発生される光に刺激されて矢
印Bのように、基底状態に戻る。このとき、誘導放出光
いわゆるレーザ光が矢印Pのように発振されることにな
る。
【0010】励起光源による光励起によって基底状態か
ら一重項状態に励起された色素分子は、その一部は一重
項状態から寿命の長い三重項状態へ矢印Dのように移行
して、三重項状態に滞留する色素分子が増加する。
【0011】ここで、特に三重項状態にある色素分子は
発生した誘導放出光を吸収するような、いわゆる三重項
吸収を生じる。このため、三重項状態に滞留する色素分
子が増加すると、発振効率が低下するようになり、極端
な場合発振が停止する。あるいは、たとえレーザ発振の
波長と三重項吸収が重ならない場合でも、レーザ発振に
関与できる基底一重項状態の分子数が減少するために、
やはりレーザ発振の持続が困難となる。
【0012】本発明は以上のような問題に対処してなさ
れたもので、三重項状態の影響を避けるようにしたポリ
マー微小球レーザを提供することを目的とするものであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、ポリマー微小球に色素を含有せしめたポリ
マー微小球レーザにおいて、前記色素と共に色素の三重
項状態の寿命を短縮する作用を有する三重項消光物質を
ポリマー微小球に含有せしめたことを特徴とするもので
ある。
【0014】
【作用】本発明の構成によれば、ポリマー微小球に対し
て色素と共に色素の三重項状態の寿命を短縮する作用を
有する三重項消光物質を含有せしめることにより、三重
項状態の影響を避けることができるので、発振効率の低
下を防止することができる。
【0015】
【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。
【0016】図1は本発明のポリマー微小球レーザの実
施例を示す構成図で、1は例えばポリメタクリル酸メチ
ルのようなポリマー微小球で、この内部には図2に拡大
図を示すように例えばローダミン6Gのような色素2と
共にシクロオクタテトラエンのような三重項状態の寿命
を短縮する作用を有する三重項消光物質、いわゆる三重
項クエンチャー3がポリマー微小球1の半径方向に沿っ
て主としてその表面1A付近にドープされている。
【0017】4は励起光源で他の各種レーザからなり、
5はポリマー微小球1内部で発生したレーザ発振による
出力光の伝送媒体で例えば光ファイバからなり、6は伝
送媒体5に接続された分光器である。なお、7はポリマ
ー微小球1の支持部材である。
【0018】このような構成で、励起光源4からの光が
ポリマー微小球1の内部の色素2に照射されると、この
色素2は励起状態となり、図3を参照して説明した動作
原理に基いて全反射を起こして、レーザ発振が起きる。
そしてこのレーザ光は伝送媒体5を介して分光器6に伝
送されて、光の波長が測定される。
【0019】次に本実施例によるポリマー微小球レーザ
の内容をより詳細に説明する。
【0020】ポリマー微小球1として直径約40μmの
ポリメタクリル酸メチル微小球を用意し、色素2として
ローダミン6G及び三重項クエンチャー3としてシクロ
オクタテトラエンを用いてそれぞれ2mmol/Lと
0.2mmol/L溶かしたジクロロメタン溶液に10
分間浸漬してドープを行った。ローダミン6Gがドープ
されたポリメタクリル酸メチル微小球は、吸引ろ過しな
がら2−プロパノールで洗浄し、余分なローダミン6G
を洗い流した。その後40℃で数時間乾燥した。
【0021】次に、ポリメタクリル酸メチル微小球に対
し、Nd3+−YAGレーザを励起光源4として用いてこ
の第2高調波によって励起(ポンピング)したところ、
レーザ発振を起こすことができた。このときのしきい値
は20乃至30Wであった。
【0022】一方、本実施例の比較例として色素として
のローダミン6Gのみをドープして得られたポリマー微
小球1としてのポリメタクリル酸メチル微小球に対し
て、励起光源4から励起したところ、50乃至60Wの
光を照射してはじめてレーザ発振を確認することができ
た。
【0023】このように本実施例によれば、ポリマー微
小球1としてのポリメタクリル酸メチル微小球に対し
て、色素2としてのローダミン6Gと共に三重項クエン
チャー3としてのシクロオクタテトラエンをドープする
ようにしたので、このシクロオクタテトラエンによって
三重項状態に滞留している色素分子の寿命を短縮するこ
とができる。これにより、三重項吸収を防止もしくは低
減できるようになるので、三重項状態の影響を避けるこ
とができるため、発振効率の低下を防止することができ
る。
【0024】なお、実施例では三重項クエンチャー3と
してシクロオクタテトラエンを用いた例で示したが、こ
れに限らず他にもピペリジン,シクロヘプタリエン等の
ような材料を用いることができる。
【0025】さらに、ポリマー微小球及び色素は本文中
に示したものに限らない。例えばポリマー微小球として
は、ポリメタクリル酸メチル,ポリメタクリル酸シクロ
ヘキシル,ポリカーボネート,ポリスチレン,ジエチレ
ングリコールビスアリルカーボネート,スチレン−アク
リロニトリル共重合体,エポキシ樹脂,ポリアクリル酸
メチル,ポリメタクリル酸イソブチル,テトラブロモビ
スフェノールA,ポリメタクリル酸トリフルオロエチ
ル,フタル酸ジアリル,ポリメタクリル酸フェニール,
ポリメタクリル酸−2,3,−ジブロムプロピル,ポリ
安息香酸ビニル,ポリメタクリル酸ペンタクロルフェニ
ル,ポリブロムアクリル酸メチル,ポリクロルスチレ
ン,ポリビニルナフタリン,ポリビニルカルバゾール,
ポリシリコーンポリマー,アモルファスポリオレフィン
等を用いることができる。
【0026】また、色素としては次のようなものを用い
ることができる。
【0027】シアニン系色素として例えば、3,3′−
ジメチルオキサトリカルボシアニンイオダイド,1,
3,3,1′,3′,3′−ヘキサメチルインドトリカ
ルボシアニンイオダイド等、
【0028】キサンチン系色素として例えば、ローダミ
ン6G,ローダミン110,ローダミンB,ローダミン
101,ウラニン等、
【0029】オキサジン系色素として例えば、クレジル
バイオレッド,オキサジン1等
【0030】クマリン誘導体として例えば、4−メチル
ウンベリフェロン,オルセインブルー,7−アミノ−4
−メチルクマリン等、
【0031】キノロン誘導体として例えば、7−ジエチ
ルアミノ−4−メチル−2−キノロン等、
【0032】スチルベン誘導体として例えば、スチルベ
ン1,スチルベン3等
【0033】オキサゾール,オキサジアゾール系色素と
して例えば、2−フェニル−5−(4−ビフェニリル)
−1,3,4−オキサジアゾール,パラ−ビス(5−フ
ェニルオキサゾール−2−イル)ベンゼン等、
【0034】パラ−オリゴフェニレン類として例えば、
BM−ターフェニル,パラ−ターフェニル,ポリフェニ
ル1等。
【0035】なお、実施例ではポリマー微小球に色素を
含有せしめる手段として、ポリマー微小球に後から色素
と三重項消去物質をドープする方法で形成したポリマー
微小球レーザについて説明したが、特願平4−1646
08号に示されるように、モノマーと色素それに必要に
応じて架橋材を混合した後に重合,微小球化して得たポ
リマー微小球に、三重項消去物質を後からドープして得
られるポリマー微小球を用いて実施することもできる。
さらにまた、モノマー,色素および三重項消去物質と、
必要に応じて架橋材を混合した後に、重合,微小球化し
たポリマー微小球を用いた実施や、モノマーと三重項消
去物質と必要に応じて架橋材を混合した後に、重合,微
小球化したポリマーに色素を後からドープして得られる
ポリマー微小球を用いた実施も可能である。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、ポリ
マー微小球に対して色素と共に色素の三重項状態の寿命
を短縮する作用を有する三重項消光物質を含有せしめる
ようにしたので、三重項状態の影響を避けることができ
て発振効率の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリマー微小球レーザの実施例を示す
概念図である。
【図2】本実施例で用いられるポリマー微小球に色素及
び三重項クエンチャーを含有せしめた構造を示す概念図
である。
【図3】ポリマー微小球レーザの動作原理の説明図であ
る。
【図4】ポリマー微小球レーザのエネルギー準位であ
る。
【符号の説明】
1 ポリマー微小球 2 色素 3 三重項クエンチャー 4 励起光源

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマー微小球に色素を含有せしめたポ
    リマー微小球レーザにおいて、前記色素と共に色素の三
    重項状態の寿命を短縮する作用を有する三重項消光物質
    をポリマー微小球に含有せしめたことを特徴とするポリ
    マー微小球レーザ。
JP17267392A 1992-06-30 1992-06-30 ポリマー微小球レーザ Withdrawn JPH0621556A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17267392A JPH0621556A (ja) 1992-06-30 1992-06-30 ポリマー微小球レーザ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17267392A JPH0621556A (ja) 1992-06-30 1992-06-30 ポリマー微小球レーザ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0621556A true JPH0621556A (ja) 1994-01-28

Family

ID=15946253

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17267392A Withdrawn JPH0621556A (ja) 1992-06-30 1992-06-30 ポリマー微小球レーザ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0621556A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016160207A (ja) * 2015-03-02 2016-09-05 国立大学法人九州大学 三重項除去剤、薄膜、レーザー発振素子および化合物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016160207A (ja) * 2015-03-02 2016-09-05 国立大学法人九州大学 三重項除去剤、薄膜、レーザー発振素子および化合物
WO2016140164A1 (ja) * 2015-03-02 2016-09-09 国立大学法人九州大学 三重項除去剤、薄膜、レーザー発振素子および化合物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5912257A (en) Two-photon upconverting dyes and applications
US5450232A (en) Polymer optical fiber amplifier
Dvornikov et al. Novel organic ROM materials for optical 3D memory devices
Sastre et al. Polymeric solid‐state dye lasers
Costela et al. Solid-state dye lasers based on copolymers of 2-hydroxyethyl methacrylate and methyl methacrylate doped with rhodamine 6G
Amat-Guerri et al. Laser action from rhodamine 6G-doped poly (2-hydroxyethyl methacrylate) matrices with different crosslinking degrees
WO1997009043A9 (en) Two-photon upconverting dyes and applications
US5356667A (en) Laser dye impregnated silica sol-gel monoliths
US5237582A (en) Conductive polymer dye laser and diode and method of use
Costela et al. Laser performance of pyrromethene 567 dye in solid matrices of methyl methacrylate with different comonomers
CA2222026A1 (en) Optical data storage
Costela et al. Polymeric matrices for lasing dyes: recent developments
US6280904B1 (en) Photo-chemical generation of stable fluorescent derivatives of rhodamine B
Costela et al. Materials for solid-state dye lasers
US20030052311A1 (en) Two-photon absorption composition
JP2005536898A (ja) 固体色素レーザー用のレーザー利得媒質
WO2001037266A1 (en) Three dimensional data storage device and method for reading
US5945252A (en) Photochemical generation of stable fluorescent amines from peri-phenoxiderivatives of polycyclic P-quinones
JPH0621556A (ja) ポリマー微小球レーザ
Hu et al. All-solid-state tunable DCM dye laser pumped by a diode-pumped Nd: YAG laser
JP2005116980A (ja) レーザ発振素子
JPH0575188A (ja) レーザダイオード励起固体レーザ装置
JPH0621558A (ja) ポリマー微小球レーザの製造方法
JPH0621557A (ja) ポリマー微小球レーザ
US3370026A (en) Method of producing photochromic castings

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990831