JPH0621498A - 封止用樹脂組成物及びそれを用いた太陽電池 - Google Patents

封止用樹脂組成物及びそれを用いた太陽電池

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JPH0621498A
JPH0621498A JP4194794A JP19479492A JPH0621498A JP H0621498 A JPH0621498 A JP H0621498A JP 4194794 A JP4194794 A JP 4194794A JP 19479492 A JP19479492 A JP 19479492A JP H0621498 A JPH0621498 A JP H0621498A
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solar cell
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styrene
acrylic
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Hitoshi Toma
均 当麻
Toshihiko Mimura
敏彦 三村
Nobuyoshi Takehara
信善 竹原
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 太陽電池用封止材として種々の特性において
バランスがとれた優れた封止性能を有す封止材料を提供
し、封止構造を簡素化して封止材料の使用量を削減し大
巾なコストダウンを図り、長期にわたり安定した作動と
性能が得られる太陽電池を提供することを目的とする。 【構成】 封止用樹脂組成物は、少なくとも、硬化性樹
脂と、該硬化性樹脂の数平均分子量よりも大きな数平均
分子量を有し該硬化性樹脂に可溶な熱可塑性樹脂とから
成る樹脂組成物であって、該硬化性樹脂がアクリル基も
しくはα位あるいはβ位に置換基を有するアクリル基を
有する重合体であり、該熱可塑性樹脂がスチレン・アク
リル系重合体であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は封止用樹脂組成物及び該
樹脂組成物を用いた太陽電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年エネルギー需要の急激な増大にとも
なうエネルギー供給能力の不足から生ずるエネルギー危
機あるいは二酸化炭素の増加による温室効果から生ずる
温暖化にともなう地球規模の環境破壊を軽減するため
に、環境に対してやさしいエネルギー供給源が望まれて
いる。
【0003】とりわけ、クリーンで安全性が高く、長期
間永続的にエネルギーを供給する能力を有する太陽電池
は、上記の要望に対して、最も大きな期待を寄せられる
新規なエネルギー供給源である。
【0004】太陽電池は半導体の光起電力効果を利用し
たエネルギー発生素子である。一般的には下記に示すい
くつかの太陽電池がよく知られている。 1.結晶系太陽電池 p型もしくはn型の単結晶体あるいは多結晶体のウエハ
ーをそれぞれn型もしくはp型の不純物をドープするこ
とでpn接合を形成したもの。 2.アモルファスシリコン系太陽電池 モノシランもしくはシンランガスを熱もしくは高周波電
界もしくは光等で分解し、a−Siを生成堆積する。
【0005】その際、p型ドープ材として例えばB
26、BF3等のガス、n型ドープ材として例えばPH3
等をそれぞれ導入することでpin構造を形成したも
の。 3.化合物半導体太陽電池 n型GaAs上にp型GaAsを液相エピタキシャル生
長をさせることでpn構造を形成したGaAs太陽電
池、あるいはn型CdS及びp型CdTeを積層焼成す
ることでpn構造を形成した太陽電池。
【0006】その他にもCuInSe2太陽電池、n型
CdS/p型CuInS2太陽電池等が挙げられる。
【0007】かかる太陽電池は、太陽光の照射の屋外環
境で20年〜30年安定に作動することが要求される。
また特殊なものについては、高真空の宇宙空間で安定に
作動する必要がある。
【0008】このような動作環境のもとでは、以下に記
載するような各種の環境要因から安定な作動が妨げられ
る。
【0009】太陽電池出力の低下の要因としては、1.
紫外線、光、その他の電磁波等の入射エネルギーによる
太陽電池の損傷、2.雨水、空気中の湿度等による太陽
電池のさび、局部的構造破壊、3.ほこり、汚れ等の表
面への付着による光の透過率の低下、4.石、塵芥等の
太陽電池表面への衝突から生ずる局部的構造破壊、等の
要因があり、また安全性については、雨水、空気中の湿
度等により電気絶縁性が低下することが問題となる。
【0010】これらの劣化要因は、ほんの一例である
が、かかる太陽電池の安定作動を妨げる要因をとりのぞ
くために太陽電池の光電変換面もしくは、非光電変換面
背面を保護膜で被覆することが必要不可欠である。
【0011】保護膜で被覆する技術については、いくつ
かの方法が提案されている。例えば、米国特許3957
537においてはポリビニルブチラール樹脂、エチレン
−メチルメタクリレート−メタクリル酸の三元共重体等
に代表される加熱接着剤を中間に用い、表面にガラス板
等を用いて封止している。
【0012】しかし、太陽光照射下において該太陽電池
は通常80℃〜100℃程度まで昇温する。この温度に
なると、該加熱接着剤は著しく可塑化し、接着力の急激
な低下をまねき、剥離、変形を生ずることになる。その
結果、雨水、湿度等が侵入して、太陽電池としての作動
を著しく損ねることになる。また、夜間においては、太
陽光の照射がなくなるので急激に冷却される。例えば、
夜間での太陽電池は、はなはだしい場合、零下数十度に
までなることもある。
【0013】このように日中と夜間では、その温度は+
80℃〜100℃の高温領域から零下数十度の低温領域
まで変化することがあり、太陽電池は高低温を繰り返す
厳しい温度条件下におかれる。その結果、構成材料が伸
縮をともなうことから更に剥離が促進されることとな
り、雨水、湿度等による太陽電池の作動低下を招くこと
になる。
【0014】このような点から、太陽電池封止材として
その温度特性の改良、接着力の増強が望まれていた。
【0015】接着力の増強として、接着力を強化するた
めの各種のプライマーと称されるものを併用することが
考案されている。
【0016】例えば、米国特許4499658において
は、エチレン・酢酸ビニル二元共重合もしくはポリビニ
ルブチラール樹脂にシリコン系のプライマー及び過酸化
物等の架橋剤を添加し、接着力の増強と温度特性の改良
を試みている。
【0017】しかしながら、これらの考案においてもい
まだ太陽電池封止材としての、特性を十分に達成してい
るとは言いがたい。
【0018】また、このような基本的に加熱接着剤を用
いた封止剤は、非常に軟らかいので傷つきやすく、機械
的な衝激に対する耐性に劣る。また、基本的に接着剤で
あるのでホコリ・塵芥等が付着し、光透過率が低下しや
すい。光透過率の低下を防止するために一般的にガラス
やフッ素系のポリマーフィルム等を表面に積層すること
が必要となる。その結果、封止構造が複雑となり、製造
コストが上昇することになる。
【0019】また、封止するためのにあたってその材料
使用量が非常に多くなることから、封止材料のコストア
ップにもなる。これらの点が太陽電池普及の妨げの一つ
でもある。
【0020】この点の改良として、封止材料に十分な強
度を持たせて封止構造の簡素化と封止材料の使用量を削
減し、大巾な封止コストの低減と封止性能の向上を狙
い、各種の硬化性樹脂による太陽電池の封止が検討され
ている。
【0021】しかしながら、硬化性樹脂は接着性が悪い
ことから簡単に剥離を生じやすく、また温度、雨水、湿
度による接着力の低下、封止材の光劣化、あるいは帯色
などによる光透過率の低下、あるいは脆性の低下等の欠
点から、太陽電池の封止材として十分な特性のものは未
だ考案されていないのが現状である。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、太陽電池用
封止材として各種の特性においてバランスがとれた優れ
た封止性能を有す封止材料を提供し、封止構造を簡素化
して封止材料の使用量を削減し大巾なコストダウンを図
り、長期にわたり安定した作動と性能が得られる太陽電
池を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明による太陽電池用
封止材は、少なくとも、硬化性樹脂と該硬化性樹脂の数
平均分子量よりも大きな数平均分子量を有し、該硬化樹
脂に可溶な熱可塑性樹脂とから成る樹脂組成物であっ
て、該硬化性樹脂がアクリル基もしくはα位あるいはβ
位に置換基を有するアクリル基を有する重合体であり、
該熱可塑性樹脂がスチレン・アクリル系重合体である樹
脂組成物により達成されるものである。
【0024】また本発明の太陽電池は、該樹脂組成物を
太陽電池の光電変換面もしくは非光電変換面に設けたこ
とを特徴とする。
【0025】
【作用】本発明でいう硬化樹脂に可溶とは、硬化性樹脂
の内部に比較的高分子量の熱可塑性樹脂がミクロンオー
ダーで均一に分散もしくは分子レベルで均一に溶解され
た状態をいう。光学的な点からこの可溶化した状態を定
義すると、ミクロンオーダーで均一に分散した状態で若
干濁った状態から分子レベルで均一に混合した透明性の
高い状態をさすものである。
【0026】以上の可溶化した状態においては、低分子
量の硬化性樹脂と高分子量の熱可塑性樹脂とで構成され
ることから、硬化性樹脂本来の長所である、1.耐熱性
に優れる、2.硬く傷つきにくい、3.耐水・耐湿性に
優れる、4.電気絶縁性に優れる等の特徴を失すること
なく、しかも、1.脆く耐衝撃性に弱い、2.各種の材
料に対し接着性が限定され、剥離しやすい、3.光に対
し樹脂が劣化しヒビワレや剥離が発生しやすくなる、ま
た光の透過性も低下する傾向にある、4.柔軟性に乏し
く熱衝撃や温度衝撃に弱く低温で脆化しやすい等、の硬
化性樹脂の欠点が著しく改善される。
【0027】このことから太陽電池の封止材料として非
常に特性上のバランスが良く、基本的には本発明の樹脂
組成物の薄膜一層で太陽電池を封止しても長期間にわた
って安定な作動を可能にするものである。しかも、封止
工程が非常に簡略化され、また封止材料の使用量が1/
10〜1/1000に削減でき、封止コストの著しい低
減が可能となる。
【0028】その結果、特性的に非常に優れ、安価な太
陽電池の供給を可能にするものである。
【0029】本発明で用いられる硬化性樹脂としては、
例えば、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ア
ルキッド樹脂、不飽和アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リウレタン樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹
脂ならびにそれらのオリゴマー及びそれらの変性品等で
ある。
【0030】また、熱可塑性樹脂は、例えば、飽和ポリ
エステル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、スチレ
ン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹
脂、塩化ビニル樹脂、ビニルアルコール樹脂、アセター
ル樹脂等ならびにそれらの変性樹脂、共重合樹脂等が用
いられる。
【0031】硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の相溶性によ
り、硬化性樹脂の内部に熱可塑性樹脂がきわめて望まし
い状態(推定では熱可塑性樹脂の分子が糸まり状にかた
まることなく直線状に伸びた状態)でとりかこまれた
時、太陽電池封止用樹脂組成物として非常に優れたもの
になると推定される。
【0032】特に硬化性樹脂としてアクリル基もしくは
α位あるいはβ位に置換基を有するアクリル基を有する
ポリマーもしくはオリゴマー、また熱可塑性樹脂として
アクリル系重合体を用いたとき、太陽電池封止用樹脂組
成物として非常に優れた特性が得られる。
【0033】アクリル基もしくはα位あるいはβ位に置
換基を有するアクリル基を有する各種のポリマーもしく
はオリゴマーとしては、例えば、アクリレートエステル
オリゴマー、アクリレートエステルポリマー、メタクリ
レートエステルオリゴマー、メタクリレートエステルポ
リマー、アクリレートエポキシオリゴマー、アクリレー
トエポキシポリマー、メタクリレートエポキシオリゴマ
ー、メタクリレートエポキシポリマー、アクリレートウ
レタンオリゴマー、アクリレートウレタンポリマー、メ
タクリレートウレタンポリマー、アクリレートメラミン
オリゴマー、アクリレートメラミンポリマー、メタクリ
レートメラミンオリゴマー、メタクリレートメラミンポ
リマー、などである。これらは、一種にかぎらず複数の
共用であっても何んら効果をそこなうものでない。
【0034】また、分子量としては、実験的に確認した
ところ、分子量が大きくなると硬化性樹脂の熱可塑性樹
脂を溶解する能力が除々に低下するので、硬化性樹脂か
ら分離した状態に近くなり熱可塑性樹脂による補強効果
が小さくなる。その結果、硬化性樹脂として望ましい分
子量は、数平均分子量(一般的によく知られているゲル
パーミエーションクロマトグラムによるもので標準ポリ
スチレンを参考にしたものである)で3000以下であ
る。より好ましくは、200以上3000以下である。
【0035】本発明のスチレン・アクリル系重合体は、
少なくともスチレンもしくはスチレン誘導体のスチレン
系モノマーから一つもしくは一つ以上のモノマー、およ
びアクリル酸もしくはアクリル酸エスモルおよびそれら
の各種誘導体、またメタクリル酸もしくはメタクリル酸
エステルおよびそれらの各種誘導体の一つもしくは複数
のモノマーから成るコポリマー、もしくは、これらのモ
ノマーを主とするコポリマーである。例えばスチレンア
クリル酸エステルコポリマー、スチレンアクリル酸エス
テルコポリマー、スチレンアクリル酸アクリル酸エステ
ルコポリマー、スチレンメタクリル酸エステルホモポリ
マー、スチレンメタクリル酸エステルコポリマー、スチ
レンメタクリル酸メタクリル酸エステルコポリマー、ス
チレンメタクリル酸アクリル酸エステルコポリマー、ス
チレンアクリル酸メタクリル酸エステルコポリマー、ス
チレンメタクリル酸アクリル酸アクリル酸エステルコポ
リマー、スチレンメタクリル酸アクリル酸メタクリル酸
エステルコポリマー、スチレンメタクリル酸アクリル酸
メタクリル酸エステルアクリル酸エステルコポリマー等
の各種ポリマーである。
【0036】ここでアクリル酸エステルとは、例えば、
アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステ
ル、アクリル酸プロピルエステル、アクリル酸ブチルエ
ステル、アクリル酸オクチルエステル、アクリル酸ドデ
シルエステル、アクリル酸ヘキサデシルエステル等のモ
ノマーなどであり、また各種誘導体とはアクリル酸シヒ
ドロペルフルオルブチルエスラル等のモノマー、あるい
は上記モノマーに各種置換基を導入したモノマーなどで
ある。
【0037】また、メタクリル酸エステルとは、例え
ば、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチル
エステル、メタクリル酸プロピルエステル、メタクリル
酸イソプロピルエステル、メタクリル酸ブチルエステ
ル、メタクリル酸secーブチルエステル、メタクリル
酸tertーブチルエステル、メタクリル酸イソブチル
エステル、メタクリル酸アリルエステル、メタクリルフ
ェニルエステル、メタクリル酸ベンジルエステル等のモ
ノマーなどであり、また各種誘導体とは、これらモノマ
ーに各種置換基を導入したようなモノマーなどである。
【0038】分子量としては、実験的に確認したとこ
ろ、分子量が小さくなると硬化性樹脂への溶解量は多く
なるが、分子長が小さくなるので補強効果が小さくな
る。その結果、熱可塑性樹脂の望ましい分子量は、数平
均分子量5000以上である。より好ましくは、500
0以上50000以下である。
【0039】また分子形態としては、分岐構造がより少
なく直鎖状の結合構造を有するものが、特性上の効果に
おいて、より優れている。
【0040】硬化性樹脂への熱可塑性樹脂の可溶化する
方法は、例えば硬化性樹脂に直接熱化可塑樹脂を攪拌し
ながら溶解したり、トルエン、アルコール、ケトン、エ
ステル等の有機溶剤に両者を溶かすことで可能である。
硬化手段としては、加熱もしくは光もしくは電子線等の
手段が挙げられる。この際、熱重合開始剤、例えばアル
キルパーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイド、
パーオキシケタール、パーオキシジカーボネート等の重
合開始剤、もしくは光重合開始剤等を併用しても良い。
また、必要に応じて重合促進剤としての反応性モノマー
と称されるもの、例えばヘキサメチレンジアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート等を添加
することも特性面へ影響をあたえることはまったくな
い。
【0041】特に本発明による樹脂組成物の優れたとこ
ろは、硬化に重合開始剤を必要としない、もしくは著し
く削減できることにある。その結果重合開始剤による各
種の弊害が軽減もしくはなくなる。例えば光透過性が非
常に優れること。光による黄変等の帯色が軽減されるこ
と、また強度、失透等の機械的、光学的な物性劣化が少
なくなるなどの効果が得られ長期の安定性を要する太陽
電池封止用樹脂として最適である。
【0042】太陽電池の光電変換面もしくは非光電変換
面に本封止材を設ける方法としては、本樹脂組成物の液
中もしくは溶液中に太陽電池を浸漬引き上げた後、硬化
手段としての加熱もしくは光もしくは電子線等の手段を
適宜用いて硬化する。この他にもロールコート、キスコ
ート、スプレーコート、静電塗装等の各種のコート方法
の適用が可能である。
【0043】太陽電池の光電変換面および非光電変換面
の樹脂組成物は、特に同一である必要はなく、その用
途、太陽電池の形態にあわせ、異なる場合でも、本発明
の目的とする効果にまったく支障ない。また本発明の封
止樹脂の上に更にガラス、エチレンーテトラフルオロエ
チレンフイルム、金属板(背面支持板)等を積層した多
層の封止構成下であっても本発明の目的とする効果にま
ったく差支えを生じない。あるいは、太陽電池と本発明
の封止樹脂の中間に他の樹脂層を設ける多層の封止構成
下であっても良い。
【0044】
【実施例】以下本発明を実施例にもとづき詳細に説明す
る。
【0045】(実施例1及び比較例1) (実施例1)厚さ0.2mmのp型SiウェハにPOC
3を気相拡散することによりpn接合を形成した。p
層側の全面にアルミニウムを蒸着し、n層側にピッチ5
mm間隔で200μm巾の銀ペーストを焼結することで
表面電極を設け、これを太陽電池基板とした。
【0046】数平均分子量400のアクリレートエステ
ルオリゴマー50部、数平均分子量10000のスチレ
ンメタクリル酸メチルエステル・メタクリル酸ブチルエ
ステル・アクリル酸モノマーから成る(モノマー組成2
0部/30部/40部/10部)スチレンアクリル樹脂
20部をメチルエチルケトン30部に溶解し粘度100
CPSの均一溶液を調整した。
【0047】この溶液に上記太陽電池基板を浸漬引き上
げた後100℃で20分乾燥し、365nmで50mW
/cm2の照度を有する高圧水銀灯を30秒間照射し、
膜厚40μmの硬化樹脂膜を全面に設けた。同操作を更
に2回繰り返し、総膜厚120μmの硬化樹脂膜で封止
し、図1に示した太陽電池を作製した。
【0048】(比較例1)数平均分子量1000の不飽
和ポリエステル50部、ジクミルパーオキサイド2部、
実施例1で用いたスチレンアクリル樹脂20部をメチル
エチルケトン28部に溶解し粘度90CPSの均一溶液
を調整した。
【0049】この溶液に実施例1で用いた太陽電池基板
を浸漬し引き上げた後、150℃30分加熱乾燥し膜厚
40μmの硬化樹脂膜を全面に設けた。同換体を更に2
回繰り返し総膜厚120μmの硬化樹脂膜を設けた。
【0050】以上作製した太陽電池を用い、光電変換特
性及び封止材特性について初期及びサンシャインウエザ
ーメーター1000時間後の特性評価を行った。結果を
表1に示す。
【0051】
【表1】 (実施例2及び比較例2)(実施例2)厚み1mmのS
US430基板上にDCスパッタ方法でCrを2000
Å堆積後、RFプラズマCVD法により、 Step1:膜厚500Åのn型半導体層 SiH4ガス/PH3ガス=99.98/0.02の比
率、圧力1Torr、RF電力100W Step2:膜厚5000Åのi型半導体層 SiH4ガス/H2ガス=30/70の比率、圧力1.5
Torr、RF電力50W Step3:膜厚200Åのp型半導体層 SiH4ガス/H2ガス/BF3ガス=3/96.7/
0. 3の比率、圧力1.2Torr、RF電力1KW を順次堆積し、pin接合を有する半導体層を形成し
た。次にその表面にO2ガス0.5Torr の条件下で
Inを蒸着し、膜厚700Åの透明導電膜を形成した。
更に、ピッチ5mm間隔で200μm巾の銀ペーストを
設けて電流導出極を形成し、これをとしたアモルファス
Si太陽電池基板とした。
【0052】数平均分子量600のアクリレートエポキ
シオリゴマー50部、数平均分子量15000のアクリ
ル酸メチル・メタクリル酸ブチル・メタクリル酸(モノ
マー組成50部/35部/15部)のアクリル樹脂20
部を酢酸エチルエステル30部に溶解し粘度150の均
一溶液を調整した。
【0053】この溶液に上記太陽電池基板を浸漬し引き
上げた後、100℃で20分乾燥し、365nmで50
mW/cm2の照度を有する高圧水銀灯を30秒間照射
し、膜厚40μmの硬化樹脂膜を全面に設けた。同操作
を更に2回繰り返し、総膜厚120μmの硬化樹脂膜で
封止し、図2に示した太陽電池を作製した。
【0054】(比較例2)数平均分子量600の熱硬化
性フェノール樹脂50部、実施例2で用いたアクリル樹
脂20部をメチルエチルケトン30部に溶解し粘度10
0CPSの均一溶液を調整した。
【0055】この溶液に実施例2で用いた太陽電池基板
を浸漬し引き上げた後、150℃30分加熱乾燥し膜厚
40μmの硬化樹脂膜を全面に設けた。同操作を更に2
回くり返し総膜厚120μmの硬化樹脂膜を設けた。
【0056】以上作製した太陽電池を用い、光電変換特
性及び封止材特性について初期及びサンシャインウエザ
ーメーター1000時間後の特性評価を行った。結果を
表2示す。
【0057】
【表2】 (実施例3及び比較例3)(実施例3)数平均分子量2
00のアクリレートウレタンオリゴマー50部、数平均
分子量20000のスチレンアクリル酸エチルエステ
ル、メタクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸モノマ
ーから成る(モノマー組成30部/30部/20部/2
0部)アクリル樹脂15部をトルエン35部に溶解し粘
度180CPSの均一溶液を調整した。
【0058】この溶液に実施例2の太陽電池基板を浸漬
引き上げた後、100℃で20分乾燥し、365nmで
50mW/cm2の照度を有する高圧水銀灯を30秒間
照射し、膜厚40μmの硬化樹脂膜を全面に設けた。同
操作を更に2回繰り返し、総膜厚120μmの硬化樹脂
膜で封止した太陽電池を作製した。
【0059】(比較例3)数平均分子量1000のジア
リルフタレート樹脂50部、ジ−t−ブチルパーオキサ
イド2部、実施例2で用いたアクリル樹脂15部をトル
エン35部に溶解し粘度180CPSの均一溶液を調整
した。
【0060】この溶液に実施例2で用いた太陽電池を浸
漬引き上げた後、150℃30分加熱乾燥し膜厚40μ
mの硬化樹脂膜を全面に設けた。同換体を更に2回繰り
返し総膜厚120μmの硬化樹脂膜を設けた。
【0061】以上作製した太陽電池を用い、光電変換特
性及び封止材特性について初期及びサンシャインウエザ
ーメーター1000時間後の特性評価を行った。結果を
表3示す。
【0062】
【表3】 表1〜3のの結果から明らかなように、本発明に基づき
作製した太陽電池は、優れた光電変換特性を有し、しか
も、実使用をシュミレートしたサンシャインウェザーメ
ーターテスト後においても、初期の高い変換効率を維持
することが分かった。
【0063】また封止材の特性においても各実施例にお
いていずれも表面硬度、全光透過率、接着性等において
優れた値を示しており、劣化も非常に少ないことが明ら
かである。
【0064】その他、例えば加温冷却のサイクルテス
ト、高温度テスト、水浸テスト等、太陽電池の使用を想
定した各種の加速テスト等においても、上記実施例のい
ずれの試料も優れた性能を示した。
【0065】この結果、本発明の太陽電池は、長期間に
わたって優れた特性を安定した作動が可能であることが
分かった。
【0066】
【発明の効果】本発明により、即ち、太陽電池用封止材
を、少なくとも、硬化性樹脂と該硬化性樹脂の数平均分
子量よりも大きな数平均分子量を有し、該硬化樹脂に可
溶な熱可塑性樹脂とで構成することにより、長期にわた
り安定した作動と性能が得られる太陽電池を提供するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽電池の一例を示す概念図。
【図2】本発明の太陽電池の他の例を示す概念図。
【符号の説明】
1a p型Si単結晶、 1b n+層(光電変換面)、 2 背面電極(非光電変換面)、 3,12 電流導出極、 4、13 太陽電池基板、 5,14 封止樹脂層、 6,15 太陽電池(モジュール) 7 ステンレス基板(非光電変換面)、 8 Cr層、 9 n+層、 10 i層、 11 p+層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/29 23/31 // C08F 2/44 MCS 7442−4J 299/00 MRM 7442−4J 8617−4M H01L 23/30 F

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、硬化性樹脂と、該硬化性樹
    脂の数平均分子量よりも大きな数平均分子量を有し該硬
    化性樹脂に可溶な熱可塑性樹脂とから成る樹脂組成物で
    あって、該硬化性樹脂がアクリル基もしくはα位あるい
    はβ位に置換基を有するアクリル基を有する重合体であ
    り、該熱可塑性樹脂がスチレン・アクリル系重合体であ
    ることを特徴とする封止用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記硬化性樹脂の数平均分子量が300
    0以下であることを特徴とする特許請求項1に記載の封
    止用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂の数平均分子量が50
    00以上であることを特徴とする特許請求項1または2
    に記載の封止用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 太陽電池の光電変換面もしくは非光電変
    換面に、少なくとも、硬化性樹脂と、該硬化性樹脂の数
    平均分子量よりも大きな数平均分子量を有し該硬化性樹
    脂に可溶な熱可塑性樹脂とから成る樹脂組成物であっ
    て、該硬化性樹脂がアクリル基もしくはα位あるいはβ
    位に置換基を有するアクリル基を有する重合体であり、
    該熱可塑性樹脂がスチレン・アクリル系重合体である封
    止用樹脂組成物と配したことを特徴とする太陽電池。
  5. 【請求項5】 前記硬化性樹脂の数平均分子量3000
    以下であることを特徴とする特許請求項4に記載の太陽
    電池。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性樹脂の数平均分子量が50
    00以上であることを特徴とする特許請求項4または5
    に記載の太陽電池。
JP4194794A 1992-06-29 1992-06-29 封止用樹脂組成物及びそれを用いた太陽電池 Pending JPH0621498A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007077691A1 (ja) * 2006-01-06 2007-07-12 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha 光硬化性樹脂組成物

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