JPH06214759A - 多入力加算器およびそれを用いた配列型桁上げ保存加算器 - Google Patents

多入力加算器およびそれを用いた配列型桁上げ保存加算器

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JPH06214759A
JPH06214759A JP5023417A JP2341793A JPH06214759A JP H06214759 A JPH06214759 A JP H06214759A JP 5023417 A JP5023417 A JP 5023417A JP 2341793 A JP2341793 A JP 2341793A JP H06214759 A JPH06214759 A JP H06214759A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハード量を増加させることなく、n入力配列
型桁上げ保存加算器のクリティカルパスをn=4のとき
3段、5≦n≦7のときn段、n≧8のときn−1段に
削減することができる多入力加算器を提供する。ここ
で、クリティカルパスの段数はキャリーと和が生成する
までに信号が通過する排他的論理和ゲートとセレクタの
数である。 【構成】 X0とX1の排他的論理和を排他的論理和ゲ
ート2でとって、その結果の中間値A0が0であると
き、X0とX1のいずれか一方を選択し、結果が1であ
るときX2を選択することにより1番目のキャリーC0
を生成し、次にX2とX3の排他的論理和をとり、さら
にその結果とA0の排他的論理和をとって中間値A1を
作製し、その結果を用いて同様な操作を繰り返すことを
特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乗算器と、複数の乗算
結果を加算して1データにまとめる演算器、および複数
のデータを加算する複数オペランド加算器で用いられる
ものであり、複数のビットを加算して1ビットの和と複
数ビットのキャリーを生成する多入力加算器およびそれ
を用いた配列型桁上げ保存加算器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
〔従来例1〕従来例1の全加算器(FA)1の構成を図
14に示す。なお、図14(b)は図14(a)の全加
算器(FA)1の内部を詳しく示したものである。図1
6,図19,図20における(a),(b)の関係も同
様である。3ビット(X0,X1,X2)を入力して1
ビットの和(S0)と1ビットのキャリー(C0)を出
力する。真理値表を図15に示す。なお。以下の説明に
おいてSは和、Cはキャリーを示し、適宜サフィックス
の数字を付して示す。
【0003】排他的論理和ゲート2は入力X0とX1か
らA0を生成する。図15に示したように、X0とX1
の2種類の組合わせ(X0=0,X1=0またはX0=
1,X1=1)でA0=0となる。このとき、排他的論
理和ゲート3は入力X2をスルーで通し、和S0を生成
する。なお、X0=X1=0のときC0=0であり、X
0=X1=1のときC0=1である。また、2種類の組
合わせ(X0=1,X1=0またはX0=0,X1=
1)でA0=1となる。このとき、排他的論理和ゲート
3は、入力X2を反転し、和S0を生成する。なお、X
2=0のときC0=0であり、X2=1のときC0=1
である。すなわち、図14に示したようにセレクタ4に
よって、A0=0のときX1(またはX0)を選択し、
A0=1のときX2を選択することにより、キャリーC
0を生成できる。なお、セレクタ4に記入した0と1
は、選択信号A0=0のとき0と記入された側、A0=
1のとき1と記入された側が選択されることを意味す
る。後に記述されるセレクタ18上の0と1も、セレク
タ4上に記入したものと同様の意味である。また、最悪
遅延時間を決めるクリティカルパスを、入力信号からキ
ャリーまたは和を生成するために必要な排他的論理和ゲ
ート2,3,11,17とセレクタ4,18の数で評価
する。この評価基準によると、図14のFA1のクリテ
ィカルパスは排他的論理和ゲートが2と3の2個である
から2段である。
【0004】FA1を直列に2個接続した(4+1)入
力加算器5の構成を図16に、その真理値表を図17に
示す。(4+1)入力加算器5は1ビットの和(S1)
と2ビットのキャリー(C0,C1)を出力する。(4
+1)入力加算器5をm個並べ、C0を左隣(1ビット
上位)のD0に接続することにより、4個のmビットデ
ータを加算し、キャリーと和を生成する4入力桁上げ保
存加算器(以後、4CSAと呼ぶ)6を図18のように
構成することができる。4CSA6のクリティカルパス
は4段である。4CSA6を用いると、4個の4ビット
データa0〜d0,a1〜d1,a2〜d2,a3〜d
3を加算し、4ビットの和とキャリーを生成することが
できる。
【0005】FA1を直列に3個接続した(5+2)入
力加算器7の構成を図19に示す。(5+2)入力加算
器7は1ビットの和(S1)と3ビットのキャリー(C
0,C1,C2)を出力する。(5+2)入力加算器7
をm個並べ、C0とC1を左隣(1ビット上位)のD0
とD1に接続することにより、5個のmビットデータを
加算し、キャリーと和を生成する5入力配列型桁上げ保
存加算器(以後、5CSAと呼ぶ)を構成することがで
きる。5CSAのクリティカルパスは6段である。
【0006】FA1を直列に6個接続した(8+5)入
力加算器8の構成を図20に示す。(8+5)入力加算
器8により、8個のmビットデータを加算し、キャリー
と和を生成する8入力桁上げ保存加算器(以後、8CS
Aと呼ぶ)を構成することができる。8CSAのクリテ
ィカルパスは12段である。
【0007】以上を一般化すると、FA1を直列にn−
2個接続した{n+(n−3)}入力加算器により、n
個のmビットデータを加算し、キャリーと和を生成する
n入力桁上げ保存加算器(以後、nCSAと呼ぶ)を構
成することができる。nCSAのクリティカルパスは2
(n−2)段である。この回路については、例えば、菅
野卓雄監修「CMOS超LSIの設計」、培風館、pp
222−226に記載されている。 〔従来例2〕図18に示した4CSA6をWallace トリ
ー方式で接続した従来例2の(8+2)入力加算器9の
構成を図21に示す。図21で図21(b)は図21
(a)の4CSA6の内部を詳しく示したものである。
C0*とD0*,C1*とD1*,C4*とD4*は4
CSA6の内部で接続する。(8+2)入力加算器9に
より、8個のmビットデータを加算し、キャリーと和を
生成する8入力桁上げ保存加算器を構成することができ
る。この8入力桁上げ保存加算器のクリティカルパスは
8段である。本加算器については、例えば、MARK R.SAN
TORO, MARK A.HORDWITZ,"SPIM : A Pipelined 64×64-b
it Iterative Multiplier", IEEE J.Solid-State Circu
its,vol.SC-24,no.2,pp.487-493,Apr.1989 に記載され
ている。
【0008】また、4CSA6の構成要素である(4+
1)入力加算器5からは2ビットのキャリー(C0,C
1)が出力される。これらのC0とC1の重みは等しい
ので一方が0、他方が1のとき、どちらを1としても
(4+1)入力加算器としての機能は等価である。この
点に着目した(4+1)入力加算器10の真理値表を図
22に示す。図22から導き出される(4+1)入力加
算器10の構成を図23に示す。この(4+1)入力加
算器10を構成要素としても4入力桁上げ保存加算器
(以後、4CSAAと呼ぶ)を構成することができる。
図18に示した4CSA6の和は排他的論理和ゲート4
段を通って生成されたのに対し、4CSAAの和は排他
的論理和ゲート3段を通って生成される。この回路につ
いては、例えば、J.Mori, M.Nagamatsu, M.Hirano, S.T
anaka, M.Noda, Y.Toyoshima, K.Hashimoto, H.Hayashi
da, K.Maeguchi, "A 10-ns 54 ×54-bit Parallel Stru
cturedFull Array Multiplier with 0.5-μm CMOS Tech
nology "IEEE J. Solid-StateCircuits, vol.SC-26,no.
4,pp.600-606,Apr.1991 に記載されている。 〔従来例3〕従来例3の16入力モディファイドアレイ
型桁上げ保存加算器15の構成を図24に示す。配列型
桁上げ保存加算器では、直下の全加算器へ和とキャリー
を送るが、モディファイドアレイ型桁上げ保存加算器で
は奇数段と偶数段の加算を別々に平行して進め、最終段
でこれらをまとめる。すなわち、16モディファイドア
レイ型桁上げ保存加算器15では2個の8CSA8で平
行して累算し、和2ビットとキャリー2ビットを4CS
A5でまとめる。n入力モディファイドアレイ型桁上げ
保存加算器のクリティカルパスは2(n/2−2)+4
=n段である。この回路については、例えば、J.Iwamur
a, K.Suganuma, M.Kimura, S.Taguchi,"A CMOS/SOS Mul
tiplier"1984 ISSCC Dig.Tech.Papers,pp.92-93. に記
載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来例1に
おいては、nCSAのクリティカルパスは2(n−2)
段となり、遅延時間が大きいという問題がある。
【0010】従来例2においては、Wallace トリーの構
成要素として4CSAを用いることにより、全加算器を
用いたWallace トリーよりも規則的な構成にしている
が、4CSA間の配線が複雑になるという問題がある。
また、4CSAAは、和は排他的論理和ゲート3段で生
成でき、4CSA6よりもクリティカルパスが短いが、
キャリーを生成するパスがクリティカルとなるという問
題がある。
【0011】従来例3においては、奇数段と偶数段の全
加算器を並列に加算するため、配線が複雑となり、ま
た、全加算器1段分だけ従来例1の配列型桁上げ保存加
算器よりもハード量が増加するという問題がある。
【0012】本発明は、前記問題点を解決するためにな
されたものであり、本発明の目的はハード量を増加させ
ることなく、n入力配列型桁上げ保存加算器のクリティ
カルパスをn=4のとき3段、5≦n≦7のときn段、
n≧8のときn−1段に削減することが可能な技術を提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記問題点を解決するた
めに、本発明の請求項1に記載の発明は、{n+(n−
3)}(nは4以上の整数)ビットを入力とし、n−2
ビットのキャリーと1ビットの和を出力する多入力加算
器において、最初に1番目と2番目の入力ビットの排他
的論理和を取り、その結果が0であるとき前記1番目と
2番目の入力ビットの片方を選択し、1であるとき3番
目の入力ビットを選択することにより1番目のキャリー
を生成する手段と、次にk(k=2j+1)番目の入力
ビットとk+1番目の入力ビットの排他的論理和を取
り、その結果と前段においてキャリーの選択に使用した
信号との排他的論理和を取り、その結果が0であるとき
前記k+1番目の入力ビットを選択し、1であるときk
+2番目の入力ビットを選択することによりj+1番目
のキャリーを生成することをj=1,2,3,‥‥,n
−3まで繰り返す手段と、{n+(n−3)}番目の入
力と前段においてキャリーの選択に使用した信号との排
他的論理和を取り、和を生成する手段とを有することを
特徴とする。
【0014】本発明の請求項2に記載の発明は、n(n
は6以上の整数)個のデータを加算し、キャリーの伝播
を完結させずに1ビットのキャリーと1ビットの和を生
成する配列型桁上げ保存加算器において、請求項1の多
入力加算器を要素加算器とし、k番目に出力されるキャ
リーを1桁上位の前記要素加算器における2k+5番目
から後の入力とすることをk=1,2,3,‥‥,n−
5まで繰り返す手段と、n−4番目に出力されるキャリ
ーを1桁上位の前記要素加算器における2n−5番目ま
たは2n−4番目の入力とする手段と、n−3番目に出
力されるキャリーを1桁上位の前記要素加算器における
2n−3番目の入力とする手段を有することを特徴とす
る。
【0015】また、本発明の請求項3に記載の発明は、
m(m=n+1:nは4以上の整数)個のデータを加算
し、キャリーの伝播を完結させずに2ビットのキャリー
と1ビットの和を生成する配列型桁上げ保存加算器にお
いて、請求項1に記載の多入力加算器を要素加算器と
し、k番目に出力されるキャリーを1桁上位の前記要素
加算器における2k+5番目から後の入力とすることを
k=1,2,3,‥‥,m−5まで繰り返す手段を有す
ることを特徴とする。
【0016】さらに、本発明の請求項4に記載の発明
は、n(nは8以上の整数)個のデータを加算し、キャ
リーの伝播を完結させずに1ビットのキャリーと1ビッ
トの和を生成する配列型桁上げ保存加算器において、請
求項1に記載の多入力加算器を要素加算器とし、k番目
に出力されるキャリーを1桁上位の前記要素加算器にお
ける2k+7番目から後の入力とすることをk=1,
2,3,‥‥,n−7まで繰り返す手段と、n−6番目
に出力されるキャリーを1桁上位の前記要素加算器にお
ける2n−7番目または2n−6番目の入力とする手段
と、n−5番目とn−4番目に出力されるキャリーを1
桁上位の前記要素加算器における2n−5番目または2
n−4番目の入力とすることと、n−3番目に出力され
るキャリーを1桁上位の前記要素加算器における2n−
3番目の入力とする手段とを有することを特徴とする
【0017】
【作用】請求項1記載の発明による多入力加算器を用い
てn入力配列型桁上げ保存加算器を構成すると、従来技
術の例においてはクリティカルパスが2(n−2)段で
あったのに対し、ハード量および配線の複雑さを増加さ
せることなく、クリティカルパスをnが偶数のときn−
1+(n−4)/2段、nが奇数のときn−1+(n−
3)/2段に削減することができる。
【0018】さらに、請求項2および請求項4記載の発
明によれば配線の複雑さはわずかに増加するが、クリテ
ィカルパスをn段およびn−1段に削減することができ
る。
【0019】また、請求項3記載の発明によれば、2ビ
ットのキャリーと1ビットの和を生成するm入力配列型
桁上げ保存加算器のクリティカルパスはm−2段であ
り、その下段に全加算器を接続し、和1ビットと1桁下
位の前記m入力配列型桁上げ保存加算器から出力される
キャリー2ビットを加算すれば、クリティカルパスをm
段に削減することができる。
【0020】
【実施例】
〔実施例1〕図1は本発明の実施例1の(4+1)入力
加算器16の構成を示すブロック図で、図14と同じ符
号は同じ部分を示し、17は排他的論理和ゲート、18
はセレクタを示す。入力A0,X2,X3からA1を生
成する2つの回路19,20を図2に、回路19,20
の真理値表をそれぞれ図3と図4に示す。図3と図4か
ら分かるようにA0+X2の排他的論理和をとったもの
とX3との排他的論理和は、X2とX3の排他的論理和
をとったものとA0との排他的論理和と等しいのであ
り、回路19と回路20は等価である。また(4+1)
入力加算器を構成する上で中間和S0を出力する必要は
ない。従って、図16の回路19を回路20に置き換え
た図1の(4+1)入力加算器16は図16の(4+
1)入力加算器5と等価である。ところが、図16の
(4+1)入力加算器5を用いて構成した4CSA6の
クリティカルパスが4段であったのに対し、本(4+
1)入力加算器16を用いて4入力配列型桁上げ保存加
算器(以後、4CSABと呼ぶ)を構成すると、クリテ
ィカルパスは3段となる。 〔実施例2〕図5は本発明の実施例2の(5+2)入力
加算器21の構成を示すブロック図である。実施例1と
同様に、図19に示した(5+2)入力加算器7におい
て、回路19を回路20に置き換えることによって得ら
れる。図19の(5+2)入力加算器7を用いて構成し
た5CSAのクリティカルパスが6段であったのに対
し、本(5+2)入力加算器21を用いて5入力配列型
桁上げ保存加算器(以後、5CSABと呼ぶ)を構成す
ると、矢印付き破線で示したパスがクリティカルとな
り、クリティカルパスは5段となる。 〔実施例3〕図6は本発明の実施例3の5入力加算器2
2の構成を示すブロック図である。本5入力加算器22
は実質的に実施例1に示した(4+1)入力加算器16
と同一の構成である。本5入力加算器22を用いて、2
ビットのキャリーと1ビットの和を生成する5入力配列
型桁上げ保存加算器(以後、5CSACと呼ぶ)を構成
すると、クリティカルパスは3段となる。また、図6に
示したように、下段に全加算器1を接続して1ビットの
和と1ビットのキャリーにまとめると、実施例2の5C
SABと同様、クリティカルパスは5段となる。 〔実施例4〕図7は本発明の実施例4の(8+5)入力
加算器23の構成を示すブロック図である。実施例1お
よび実施例2と同様に、図20に示した(8+5)入力
加算器8において、回路19を回路20に置き換えるこ
とによって得られる。図20の(8+5)入力加算器8
を用いて構成した8CSAのクリティカルパスが12段
であったのに対し、本(8+5)入力加算器23を用い
て8入力配列型桁上げ保存加算器(以後、8CSABと
呼ぶ)を構成すると、矢印付き破線で示したパスがクリ
ティカルとなり、クリティカルパスは9段となる。
【0021】実施例1,2,4におけるように、nCS
Aの要素加算器である{n+(n−3)}入力加算器の
回路19を回路20に置き換えた{n+(n−3)}入
力加算器を要素加算器として、nCSAの要素加算器間
と同一の接続でn入力の配列型桁上げ保存加算器(以
後、nCSABと呼ぶ)を構成した場合、クリティカル
パスはnが偶数のときn−1+(n−4)/2段、nが
奇数のときn−1+(n−3)/2段となる。 〔実施例5〕図9は本発明の実施例5の(8+5)入力
加算器29の構成を示すブロック図である。本(8+
5)入力加算器29は実質的に前記実施例4に示した
(8+5)入力加算器23と同一の構成である。図8に
示したように8CSABには、A0からA2へのパス、
およびA2からA4のパスの2ヵ所にセレクタと排他的
論理和ゲート2段、計3段と排他的論理和ゲート2段の
みを通るパスが存在し、3段のパスがクリティカルパス
を形成する。このことに着目して、要素加算器間を図9
に示すように接続すると、A0からA3への2通りのパ
スは両方とも3段となり、2段と3段の2通りのパスが
存在するのはA3からA5へのパスのみとなる。このと
き、クリティカルパスは8段である。以後、図9に示す
要素加算器間接続を持つ配列型桁上げ保存加算器を8C
SADと呼ぶ。 〔実施例6〕図10は本発明の実施例6の(9+4)入
力加算器24の構成を示すブロック図である。本(9+
4)入力加算器24は実質的に前記実施例4に示した
(8+5)入力加算器23と同一の構成である。本(9
+4)入力加算器24を用いて、2ビットのキャリーと
1ビットの和を生成する9入力配列型桁上げ保存加算器
(以後、9CSACと呼ぶ)を構成すると、クリティカ
ルパスは7段となる。また、図10に示したように、下
段に全加算器1を接続して1ビットの和と1ビットのキ
ャリーにまとめると、クリティカルパスは9段となる。 〔実施例7〕図11は本発明の実施例6の(8+5)入
力加算器25の構成を示すブロック図である。本(8+
5)入力加算器25も実質的に前記実施例4に示した
(8+5)入力加算器23と同一の構成である。ただ
し、1番目のキャリーC0が1桁上位の要素加算器にお
ける9番目の入力、2番目のキャリーC1が1桁上位の
要素加算器における10番目の入力に接続されている点
が異なる。このように接続することで、A0からA4へ
のパスにおいて、セレクタと排他的論理和ゲートを通る
パスが3段、排他的論理和ゲートのみを通るパスが4段
となり、セレクタと排他的論理和ゲートを通るパスの段
数が排他的論理和ゲートのみを通るパスに比べて1段少
なくなる。従って、セレクタと排他的論理和ゲートを通
るパスがクリティカルパスを形成することがなくなり、
本(8+5)入力加算器25を用いて構成した8入力配
列型桁上げ保存加算器(以後、8CSAEと呼ぶ)のク
リティカルパスは7段となる。
【0022】図12は本発明の実施例7の(10+7)
入力加算器26の構成を示すブロック図である。本(1
0+7)入力加算器26を用いて構成した10入力配列
型桁上げ保存加算器(以後、10CSAEと呼ぶ)のク
リティカルパスは9段となる。
【0023】以上の実施例1〜7を一般化すると、本発
明によるn個のデータを加算し、キャリーの伝播を完結
させずに1ビットのキャリーと1ビットの和を生成する
nCSABのクリティカルパスは、nが偶数のときn−
1+(n−4)/2段、nが奇数のときn−1+(n−
3)/2段となる。さらに、nCSABで用いた要素加
算器間の接続を変更することによりクリティカルパスの
段数を削減することが可能であり、本発明の請求項2記
載の要素加算器間接続を持つ配列型桁上げ保存加算器
(以後、nCSADと呼ぶ)のクリティカルパスはn
段、請求項4記載の要素加算器間接続を持つ配列型桁上
げ保存加算器(以後、nCSAEと呼ぶ)のクリティカ
ルパスはn−1段である。また、m個のデータを加算
し、2ビットのキャリーと1ビットの和を生成する請求
項3記載の要素加算器間接続を持つ配列型桁上げ保存加
算器(以後、mCSACと呼ぶ)のクリティカルパスは
m−2段である。 〔実施例8〕図13は本発明の実施例8の(24+4)
入力加算器27の構成を示すブロック図である。6CS
AB28を並列に4個用いて24ビットの入力から4ビ
ットの和(S0#,S1#,S2#,S3#)とキャリ
ー(C0#,C1#,C2#,C3#)を得、次の段の
8CSAE30により1ビットの和と1ビットのキャリ
ーにまとめる。本加算器27を用いて構成した24入力
桁上げ保存加算器のクリティカルパスは13段である。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の配列型桁
上げ保存加算器によれば、従来技術の例においては、n
CSAのクリティカルパスが2(n−2)段であったの
の対し、ハード量および配線の複雑さを増加させること
なく、クリティカルパスをn=4のとき3段、5≦n≦
7のときn段、n≧8のときn−1段に削減する効果が
ある。さらに、4入力配列型桁上げ保存加算器である4
CSABは、従来技術の4CSAAと異なり、排他的論
理和ゲートとセレクタでキャリーを生成するため、キャ
リーを生成するパスの遅延時間が和を生成するパスの遅
延時間と同一となる効果がある。
【0025】また、非常に多ビット入力の桁上げ保存加
算器を構成するとき、本発明による複数の配列型桁上げ
保存加算器を組合わせて加算器トリーを構成することに
より、配線の複雑さの増加を抑えてクリティカルパスを
削減する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の(4+1)入力加算器の構
成を示す論理図である。
【図2】本発明の原理を説明するための論理図である。
【図3】図2(a)の真理値表を示す図である。
【図4】図2(b)の真理値表を示す図である。
【図5】本発明の実施例2の(5+2)入力加算器の構
成を示す論理図である。
【図6】本発明の実施例3の5入力加算器の構成を示す
論理図である。
【図7】本発明の実施例4の(8+5)入力加算器の構
成を示すブロック図である。
【図8】図7の実施例4の動作説明図である。
【図9】図7の実施例4の動作説明図である。
【図10】本発明の実施例5の(9+4)入力加算器の
構成を示す論理図である。
【図11】本発明の実施例6の(8+5)入力加算器の
構成を示す論理図である。
【図12】本発明の実施例6の(10+7)入力加算器
の構成を示す論理図である。
【図13】本発明の実施例6の6入力配列型桁上げ保存
加算器と8入力配列型桁上げ保存加算器をWallace トリ
ー方式で接続した(24+4)入力加算器の構成を示す
論理図である。
【図14】全加算器の構成を示す論理図である。
【図15】図14の真理値表を示す図である。
【図16】従来技術の例の(4+1)入力加算器の構成
を示す論理図である。
【図17】図16の真理値表を示す図である。
【図18】従来技術の例の4入力加算器の構成を示す論
理図である。
【図19】従来技術の例の(5+2)入力加算器の構成
を示す論理図である。
【図20】従来技術の例の(8+5)入力加算器の構成
を示す論理図である。
【図21】従来技術の例の4入力桁上げ保存加算器をWa
llace トリー方式で接続した(8+2)入力加算器の構
成を示す論理図である。
【図22】(4+1)入力加算器の真理値表を示す図で
ある。
【図23】従来技術の例の排他的論理和ゲート3段で和
を生成する(4+1)入力加算器の構成を示す論理図で
ある。
【図24】従来技術の例の16入力モディファイドアレ
イ型桁上げ保存加算器15の構成を示す論理図である。
【符号の説明】
1 全加算器(FA) 2 排他的論理和ゲート 3 排他的論理和ゲート 4 セレクタ 5 (4+1)入力加算器 6 4入力桁上げ保存加算器 7 (5+2)入力加算器 8 (8+5)入力加算器 9 4入力桁上げ保存加算器をWallace トリー方式で接
続した(8+2)入力加算器 10 排他的論理和ゲート3段で和を生成する(4+
1)入力加算器 11 排他的論理和ゲート 12 ANDゲート 13 ORゲート 14 NORゲート 15 16入力モディファイドアレイ型桁上げ保存加算
器 16 クリティカルパスが3段の(4+1)入力加算器 17 排他的論理和ゲート 18 セレクタ 19 排他的論理和ゲートを2段直列に接続した回路 20 排他的論理和ゲートを2段直列に接続した回路 21 (5+2)入力加算器 22 5入力加算器 23 (8+5)入力加算器 24 (9+4)入力加算器 25 (8+5)入力加算器 26 (10+7)入力加算器 27 6入力配列型桁上げ保存加算器と8入力配列型桁
上げ保存加算器をWallace トリー方式で接続した(24
+4)入力加算器 28 6入力配列型桁上げ保存加算器 29 (8+5)入力加算器 30 8入力配列型桁上げ保存加算器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 {n+(n−3)}(nは4以上の整
    数)ビットを入力とし、n−2ビットのキャリーと1ビ
    ットの和を出力する多入力加算器において、最初に1番
    目と2番目の入力ビットの排他的論理和を取り、その結
    果が0であるとき前記1番目と2番目の入力ビットの片
    方を選択し、結果が1であるとき3番目の入力ビットを
    選択することにより1番目のキャリーを生成する手段
    と、k(k=2j+1)番目の入力ビットとk+1番目
    の入力ビットの排他的論理和を取り、その結果と前後に
    おいてキャリーの選択に使用した信号との排他的論理和
    を取り、その結果が0であるとき前記k+1番目の入力
    ビットを選択し、1であるときk+2番目の入力ビット
    を選択することによりj+1番目のキャリーを生成する
    ことをj=1,2,3,‥‥,n−3まで繰り返す手段
    と、{n+(n−3)}番目の入力とその前後において
    キャリーの選択に使用した信号との排他的論理和を取
    り、和を生成する手段とを有することを特徴とする多入
    力加算器。
  2. 【請求項2】 n(nは6以上の整数)個のデータを加
    算し、キャリーの伝播を完結させずに1ビットのキャリ
    ーと1ビットの和を生成する配列型桁上げ保存加算器に
    おいて、請求項1記載の多入力加算器を要素加算器と
    し、k番目に出力されるキャリーを1桁上位の前記要素
    加算器における2k+5番目から後の入力とすることを
    k=1,2,3,‥‥,n−5まで繰り返す手段と、n
    −4番目に出力されるキャリーを1桁上位の前記要素加
    算器における2n−5番目または2n−4番目の入力と
    する手段と、n−3番目に出力されるキャリーを1桁上
    位の前記要素加算器における2n−3番目の入力とする
    手段とを有することを特徴とする配列型桁上げ保存加算
    器。
  3. 【請求項3】 m(m=n+1:nは4以上の整数)個
    のデータを加算し、キャリーの伝播を完結させずに2ビ
    ットのキャリーと1ビットの和を生成する配列型桁上げ
    保存加算器において、請求項1記載の多入力加算器を要
    素加算器とし、k番目に出力されるキャリーを1桁上位
    の前記要素加算器における2k+5番目から後の入力と
    することをk=1,2,3,‥‥,m−5まで繰り返す
    手段を有することを特徴とする配列型桁上げ保存加算
    器。
  4. 【請求項4】 n(nは8以上の整数)個のデータを加
    算し、キャリーの伝播を完結させずに1ビットのキャリ
    ーと1ビットの和を生成する配列型桁上げ保存加算器に
    おいて、請求項1記載の多入力加算器を要素加算器と
    し、k番目に出力されるキャリーを1桁上位の前記要素
    加算器における2k+7番目から後の入力とすることを
    k=1,2,3,‥‥,n−7まで繰り返す手段と、n
    −6番目に出力されるキャリーを1桁上位の前記要素加
    算器における2n−7番目または2n−6番目の入力と
    する手段と、n−5番目とn−4番目に出力されるキャ
    リーを1桁上位の前記要素加算器における2n−5番目
    または2n−4番目の入力とする手段と、n−3番目に
    出力されるキャリーを1桁上位の前記要素加算器におけ
    る2n−3番目の入力とする手段とを有することを特徴
    とする配列型桁上げ保存加算器。
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