JPH0621470Y2

JPH0621470Y2 - 妊婦用クッション

Info

Publication number: JPH0621470Y2
Application number: JP1991099018U
Authority: JP
Inventors: 信明細井
Original assignee: 株式会社細井商店
Priority date: 1991-05-20
Filing date: 1991-12-02
Publication date: 1994-06-08
Anticipated expiration: 2004-06-08
Also published as: JPH059535U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は妊婦が横臥した時に、大
きくなった腹部を安定して支持する妊婦用クッションに
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、妊婦は妊娠中期から後期に入る
と、それまでの仰臥位から横臥位へと就寝方法を変える
が、横臥位による就寝方法は腹部が宙に浮いた形とな
り、腹部の自重により腹部の皮膚が下へ引っ張られ、不
快感を生じ安眠の妨げとなっていた。

【０００３】そこで、図９および図１０に示すような妊
娠用クッションがある（実開昭６３−１３１６６４号公
報参照）。図９において、適宜形状と厚みをもった柔軟
な弾性素材の本体１０１の上部表面１０２を傾斜させ、
上部表面１０２に凹曲面１０３を取る。これを使用する
ときは、本体１０１を腹部の下に入れ、腹部を上部表面
１０２の凹曲面１０３に乗せる。この状態で妊婦が横臥
すれば、本体１０１により腹部が保持され、腹部の引っ
張られる感が解消する。また凹曲面１０３が腹部の形状
に適しているため、腹部全体にかかる凹曲面１０３から
の圧力は均一になり、違和感・不快感が解消する。

【０００４】また、本体１０１を図１０に示す形状にし
て寝具とした場合も同様な効果が得るとともに、就寝中
に本体１０１が異動することなく、寝返りしても常に定
位置で腹部を安定させることができる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の図９に示すような妊婦用クッションにあって
は、寝返りしても常に定位置で腹部を安定させるために
は、横臥した妊婦の両側かつ所定位置に２個の本体１０
１を配置しなければならない。この２個の本体１０１は
一体となっていずに分離されているために、何度も寝返
りしているうちに相互に離れてしまい、妊婦用クッショ
ンとして用をなさなくなるという虞があった。

【０００６】次に、図１０に示すように本体１０１を寝
具と一体化した場合には本体１０１が相互に離れる虞が
ないが、妊婦期間が終った後にはこの本体１０１が不用
となるが、この本体１０１は嵩ばるために収納スペース
が大きくなってしまうという問題点があった。また、本
体１０１の位置が固定されているので、妊婦の個人差や
妊娠期間に応じて、腹部に確実に当てることができない
という問題点もあった。

【０００７】本考案は、横臥した妊婦の体の両側に配置
した一対の妊婦用クッションが分離しないようにし、ま
た収納スペースを小さくし、さらに妊婦の個人差や妊娠
期間に応じて腹部に確実に当てることができる妊娠用ク
ッションを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本考案にあっては、横臥時に体の両側に配設
される一対の布製クッション部と、このクッション部内
に取り出し自在に収納され空気が入れられたふくらまし
袋と、前記一対のクッション部を連結する布製帯部と、
この帯部に設けられた相互に係着する一対の係着部とを
備え、この一対の係着部によって前記一対のクッション
部の間隔を調節可能とし、また前記ふくらまし袋から空
気を抜くとこのふくらまし袋をしぼませることができる
ようにした構成とするものである。また、横臥時に体の両側に配設された一対の布製クッシ
ョン部と、このクッション部に取り出し自在に収納され
サイコロ状のスポンジ片が多数入れられ巾着形状をした
布製収納袋と、前記クッション部を連結する布製帯部
と、この帯部の一面側に所定間隔離して設けられ相互に
係着する一対のマジックテープとを備え、前記一対の布
製クッション部の間隔を調節するために、前記帯部を折
り返して前記一対のマジックテープを係着させるように
し、また前記収納袋からスポンジ片を取り替えることが
できるようにした構成とするものである。

【０００９】

【作用】一対のクッション部は帯部を介して一体に連結
されているので、何度寝返りしても必ず腹部の下に位置
させてこの腹部を常に支持させることができる。また、
腹部の状態に応じて一対のクッション部の間隔を適正に
合わせなければならない。このようなときには、一対の
係着部によって前記クッション部の間隔を適正に調節す
る。一方、妊娠期間が終ると、この妊婦用クッションは
コンパクトに折り畳むことができる。

【００１０】

【実施例】以下、本考案を図面に基づいて説明する。図
１ないし図４は本考案に係る妊婦用クッションの第１実
施例を示す図である。

【００１１】図１および図２において、符号１，２は横
臥時に妊婦の体の両側に配設された一対のエアークッシ
ョン部であり、このエアークッション部１，２は布地で
できており、全体が三角形の袋状に縫製されている。エ
アークッション部１の外側（図１中右側）にはファスナ
ー３が設けられ、このファスナー３を開けると、中には
ビニール製のふくらまし袋４が収納されている。ふくら
まし袋４には吹き込み口５が設けられ、この吹き込み口
５には栓６が取り付けられている。栓６を引き抜いて吹
き込み口５から空気を吹き込むと、このふくらまし袋４
はふくらまされて図３に示すように垂直面４ａとこの垂
直面４ａに連設された斜面４ｂを有する三角形の袋状と
なる。ふくらまされたふくらまし袋４によってエアクッ
ション部１は前記三角形の袋状に保持される。このた
め、エアクッション部１も斜面４ｂを有することにな
り、この斜面４ｂには妊婦の大きくなった腹部を位置さ
せてこの腹部をやさしく支持する。

【００１２】次に、エアークッション部２にもファスナ
ー９が設けられ、中にはふくらまし袋１０が収納されて
いる。ふくらまし袋１０をふくらますと、エアークッシ
ョン部１も同様に三角形の袋状に保持され、この斜面１
０ａには妊婦の大きくなった腹部を位置させてこの腹部
をやさしく支持する。

【００１３】エアクッション部１，２間には所定の幅を
有し布地からなる帯部７が一体的に縫製されている。こ
の帯部７の図１中左側部分は折り畳み可能となってお
り、折り畳まれた部分には相互に係着可能な一対のマジ
ックテープ８，１２（係着部）が設けられている。マジ
ックテープ８の先端側（図３中左側）とマジックテープ
１２とを合わせて係着させると、エアークッション部
１，２間の幅は広くなり、マジックテープ８の基端側
（図３中右側）とマジックテープ１２とを合わせて係着
させるとエアークッション部１，２間の幅は狭くなる。

【００１４】ところで、妊娠中期から後期にかけて就寝
時には横臥位をとるが、図４に示すように大きくなった
腹部の下にふくらまされたふくらまし袋４，１０が収納
されたエアークッション部１，２を配置する。このと
き、エアークッション部１，２は帯部７，１１によって
一体に連結されているので、何度寝返りしても必ず腹部
の下に位置させてこの腹部を常に支持させることができ
る。

【００１５】ここで、妊婦は個人差や妊娠時期によっ
て、腹部の大きさが異なるが、この復部の状態に応じて
エアークッション部１，２の間隔を適正に合わせなけれ
ばならない。このようなときには、マジックテープ８と
マジックテープ１２の係着位置を組み合わせることによ
ってエアークッション部１，２の間隔を適正に調節し
て、このエアークッション部１，２を腹部に確実に当て
ることができる。一方、妊娠期間が終わると、ふくらま
し袋４，１０の栓を引き抜いて中の空気を抜けば、この
妊婦用クッションはコンパクトに折り畳むことがてき、
収納スペースは小さくて済む。また、一対のエアークッ
ション部１，２は帯部７によって連結されているので、
この妊婦用クッションを仕舞うときに、この一対のエア
ークッション部１，２が別々になって紛失してしまうと
いうようなことはない。ところで、一対のエアークッシ
ョン部１，２および帯部７は布製からなっているので、
肌ざわりはよく、また汗なども吸い取りやすくなってい
る。

【００１６】次に本考案に係る妊婦用クッションの第２
実施例を図５ないし図８に示す。

【００１７】図５において、布地ででき全体が三角形の
袋状に縫製されたクッション部２１のファスナー２２を
開けると、中には布製であって巾着形状の収納袋２３が
収納されている。収納袋２３には出し入れ口２３ａから
合成樹脂製であって略サイコロ状のスポンジ片２４が多
数入れられており、出し入れ口２３ａを紐２５で締める
と、スポンジ片２４は外に出ないようになっている。多
数のスポンジ片２４を有する収納袋２３がクッション部
２１内に入れられていると、スポンジ片２４によってク
ッション部２１は膨らんで三角形状に維持される。ま
た、膨らんだクッション部２１は図６に示すように斜面
２１ａを有しており、この斜面部２１ａは前記同様に妊
婦の大きくなった腹部をやさしく支持するものである。
また、クッション部２６内にも同様に多数のスポンジ片
が入れられた収納袋が入っている。

【００１８】クッション部２６の先端側（図５中右方
側）とクッション部２１の基端側（図５中右方側）との
間には、所定の幅を有し布地からなる帯部２７が一体的
に縫製され、この帯部２７の上面には図６および図７に
も示すようにオス型の起毛繊維からなるマジックテープ
２８が、クッション部２６の先端側近傍からクッション
部２１への途中にかけて略全幅に亘って設けられてい
る。また、クッション部２１の下面であってこの先端側
（図６中左方側）には図８にも示すようにメス型の起毛
繊維からなるマジックテープ２９が設けられている。

【００１９】ここでマジックテープ２９をマジックテー
プ２８のある箇所に合わせて係着させるとクッション部
２６，２１は使用可能となる。マジックテープ２９は広
いマジックテープ２８のどの箇所に合わせて係着させて
もよいので、妊婦の腹の個人差あるいは妊婦時期に応じ
てクッション部２１，２６の間隔を調節することができ
る。また、クッション部２１，２６に入れてある収納袋
２３中の多数のスポンジ片２４は出し入れしてこの数を
調節することができるので、クッション部２１，２６の
大きさも前記妊婦の個人差あるいは妊婦時期に応じて調
節できる。さらにクッション部２１，２６から空気抜け
等は発生しないので、長い間最初の形状を維持すること
ができる。

【００２０】一方、クッション部２１，２６を使用する
ためには一対のマジックテープ２８，２９を係着させな
ければならないが、このとき帯部２７において前記実施
例のように折り畳まれる部分がないので、帯部２７の上
に横臥する妊婦によっては、帯部２７との間に異物感が
なく快適である。

【００２１】ところで、収納袋２３にはサイコロ状をし
たスポンジ片２４が多数入れられているので、多数のス
ポンジ片２４の間には空間があり通気性は良好な状態と
なっている。このため、この妊婦用クッションは収納袋
２３，クッション部２１，２６および帯部２７はともに
布製である点とも相俟って、妊婦が汗をかいてもこの汗
を外部へ排出させることができる。次に、収納袋２３に
入れられたスポンジ片２４は、この妊婦用クッションを
使用しているうちに劣化してしまう。このような場合に
は、ファスナー２２を開けてクッション部２１，２６の
中から収納袋２３を取り出し、紐２５を緩めて収納部２
３の中の劣化したスポンジ片２４を新しいものと取り替
える。このため、収納袋２３に入れるスポンジ片２４
は、劣化していないものを用いることができる。その結
果、常時クッション性のよい妊婦用クッションを用いる
ことができる。

【００２２】

【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、一
対のクッション部は帯部で連結されているので、妊娠期
間が終わるとコンパクトに折り畳むことができ、収納ス
ペースは小さくて済む。また、一対のクッション部の間
隔を調節可能としたので、妊婦の腹部の状態に応じて前
記エアークッション部の間隔を適正に調節して、このエ
アークッション部を腹部に確実に当てることができる。
さらに、一対のエアークッション部は帯部によって連結
されているので、何度寝返りしても腹部の下に位置させ
てこの腹部を常に支持することができる。加えて、一対
のクッション部は帯部によって連結されているので、こ
の妊婦用クッションを仕舞うときに、この一対のクッシ
ョン部が別々になって紛失してしまうというようなこと
はない。また、収納袋にはサイコロ状をしたスポンジ片
が多数入れられているので、多数のスポンジ片の間には
空間があり、通気性は良好な状態となっている。このた
め、この妊婦用クッションは、収納袋，クッション部お
よび帯部はともに布製である点とも相俟って、妊婦が汗
をかいてもこの汗を外部へ排出させることができる。ま
た、収納袋に入れるスポンジ片は、新しいものと取り替
えることにより劣化していないものを用いることができ
る。その結果、常時クッション性のよい妊婦用クッショ
ンを用いることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る妊婦用クッションの第１実施例を
示す斜視図

【図２】同平面図

【図３】同断面図

【図４】この妊婦用クッションの使用状態説明図

【図５】本考案に係る妊婦用クッションの第２実施例を
示す斜視図

【図６】同断面図

【図７】図６中Ａ矢視部分の拡大断面図

【図８】図６中Ｂ矢視部分の拡大断面図

【図９】従来の妊婦用クッション斜視図

【図１０】前記妊婦用クッションの他の実施例の斜視図

【符号の説明】

１，２…エアークッション部、４，１０…ふくらまし
袋、７，２７…帯部、８，１２，２８，２９…マジック
テープ、２１，２６…クッション部、２４…スポンジ
片。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】横臥時に体の両側に配設される一対の布
製クッション部と、このクッション部内に取り出し自在
に収納され空気が入れられたふくらまし袋と、前記一対
のクッション部を連結する布製帯部と、この帯部に設け
られ相互に係着する一対の係着部とを備え、この一対の
係着部によって前記一対のクッション部の間隔を調節可
能とし、また前記ふくらまし袋から空気を抜くと、この
ふくらまし袋をしぼませることができるようにしたこと
を特徴とする妊婦用クッション。
【請求項２】横臥時に体の両側に配設された一対の布
製クッション部と、このクッション部内に取り出し自在
に収納されサイコロ状のスポンジ片が多数入れられ巾着
形状をした布製収納袋と、前記クッション部を連結する
布製帯部と、この帯部の一面側に所定間隔離して設けら
れ相互に係着する一対のマジックテープとを備え、前記
一対の布製クッション部の間隔を調節するために、前記
帯部を折り返して前記一対のマジックテープを係着させ
るようにし、また前記収納袋からスポンジ片を取り替え
ることができるようにしたことを特徴とする妊婦用クッ
ション。