JPH06212713A - 太陽熱と地中冷熱を利用した蓄熱空気循環住宅 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目 的】 この発明は太陽エネルギーおよび地中冷熱
といった自然エネルギーを利用し，少量の商業エネルギ
ーで快適な室内熱環境を形成させる住宅に関するもので
ある。 【構 成】 住宅の南側に透明材料１と２および黒色仕
上げの集熱蓄熱壁３を設け，住宅の北側に蓄熱壁６を設
ける。集熱蓄熱壁３以外の側壁と屋根の室内側に断熱材
７を設ける。住宅の南側に南側通気層４，北側に北側通
気層８，上床９と下床１０の間に床通気層１１を設け
る。南側通気層４の上部に逆流防止ダンパー５を設け
る。天井裏に太陽電池付き排気扇１４を設け，下床に開
閉可能な通気口１２を設け，通気口１２に地中埋設され
ているチューブ１３に接続する。南面にある透明材料１
と２の外側に開閉可能な不透明材料でできたシャッター
１５を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は太陽エネルギーおよび
地中冷熱といった自然エネルギーを利用し，少量の商業
エネルギーで快適な室内熱環境を形成させる住宅に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の住宅は冬季には暖房，夏季には冷
房が必要であり，冷暖房に多量のエネルギーが必要であ
る。また，冬季において北側の室の温度が低下するた
め，北側の外壁の内側で結露し，カビが生えやすい。ソ
ーラーハウスとはあるが，南北室間の温度差の問題を解
決していないだけでなく，夏季の防暑手法も確立されて
いない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】

（イ）冬季の課題は次の通りである。 （１）南面での日射熱を多く集めること （２）日中，住宅の南側と北側で熱を蓄えて，夜間，南
側と北側の室内に放出すること （３）南側の室温と北側の室温をできるだけ均一化する
こと （４）住宅の熱損失を小さくすること （ロ）夏季の冷房に必要なエネルギーを最低限にするこ
と

【０００４】

【課題を解決するための手段】

（イ）夏季における課題を解決するための手段は次の通
りである。 （１）本発明は冬季における住宅南側での集熱および北
側での蓄熱に着目し，熱の運搬手段として空気を用い
る。南側通気層４→天井裏→北側通気層８→床下通気層
１１→南側通気層４といった空気循環回路に十分な駆動
力を与えるため，黒色仕上げした集熱蓄熱壁３で日射熱
を吸収させる。冬季には，太陽電池付き排気扇１４は稼
動しない。 （２）集熱蓄熱壁３に暖められた空気が軽くなって上昇
し，空気が持っている熱量を北側通気層８で蓄熱壁６に
与え，下方に流れる。 （３）集熱蓄熱壁３と蓄熱壁６は日中に蓄熱し，夜間に
南側と北側の室内に放出する。 （４）夜間には南側通気層４の空気温度が低くなるた
め，南側通気層の上向気流がなくなり，逆流防止ダンパ
ー５が働いて，北側通気層８→天井裏→南側通気層４→
床下通気層１１→北側通気層８の流れを防止する。ま
た，夜間はシャッター１５を閉める。こうすることによ
って，透明材料１と２での熱損失を小さくすることがで
きる。住宅全体の熱損失を小さくするために，集熱蓄熱
壁３以外の外壁と屋根の室内側に断熱材７を設ける。 （ロ）夏季においては，日中，太陽電池付き排気扇１４
が太陽光線を受け稼動し，その駆動力によって地中に埋
設されているチューブ１３によって冷却された外気が床
通気層１１に導入される。居住空間の周囲壁面が冷却さ
れ，冷房エネルギーが削減できる。また，夏季において
開閉可能なシャッター１５を閉め，集熱蓄熱壁３への入
射日射を遮断する。

【０００５】

【作用】本発明では，冬季においては集熱，蓄熱および
空気循環によって，南側と北側の室温の差が小さく，外
壁の内面および壁内での結露が起こらない。多量の太陽
熱をとりいれたうえ，断熱材を施しているため，熱損失
が小さく，暖房エネルギーの削減ができる。夏季におい
ては，集熱蓄熱部３の外側でシャッター１５で日射遮蔽
を行ったうえ，地中冷熱を利用しており，冷房エネルギ
ーの節減ができる。

【０００６】

【実施例】集熱蓄熱部３および蓄熱部６の空気層側にあ
る凹凸の形を変えたり，なくしたりしても，効果が多少
異なるが，目的に達することができる。図４に示すよう
に，夏季において，通気口１２に地中埋設されているチ
ューブ１３に接続せず，床下空間１６から空気を床通気
層１６に導入しても，従来の住宅に比べ，省エネルギー
効果がある。蓄熱壁６の材質は顕熱蓄熱材に限らず，潜
熱蓄熱材を使用すれば，効果が一層高まる。

【０００７】

【発明の効果】沖縄を除いて，日本全国で本発明を採用
することによって，冷暖房エネルギーを大幅に削減する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の断面図および冬季日中の空気流れ

【図２】本発明における冬季夜間の空気流れ

【図３】本発明における夏季の空気流れ

【図４】本発明の他の実施例

【符号の説明】

１は透明材料，内側の低放射率コーティング材を使用す
るものまたは使用しないもの ２は透明材料，外側の低放射率コーティング材を使用す
るものまたは使用しないもの ３は外面で黒色仕上げをした集熱蓄熱壁 ４は南側通気層 ５は逆流防止ダンパー ６は蓄熱壁 ７は断熱材 ８は北側通気層 ９は上床 １０は下床 １１は床通気層 １２は開閉可能な通気口 １３は地中に埋設されているチューブ １４は太陽電池付き排気扇 １５は開閉可能な不透明材料でできたシャッター １６は床下空間

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｆ２４Ｆ 3/00 Ｂ 6803−3Ｌ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】（イ） 透明材料１と透明材料２を住宅の
   南側に設ける。 （ロ） 透明材料１と２の室内側に黒色仕上げの集熱蓄
   熱壁３を設ける。 （ハ） 透明材料２と集熱蓄熱壁３との間に南側通気層
   ４を設ける。 （ニ） 南側通気層４の上部に逆流防止ダンパー５を設
   ける。 （ホ） 住宅の北側に蓄熱壁６を設ける。 （ヘ） 集熱蓄熱壁３以外の側壁と屋根の室内側に断熱
   材７を設ける。 （ト） 蓄熱壁６と断熱材の間に北側通気層８を設け
   る。 （チ） 床は気密性を有する上床９と下床１０で構成さ
   れ，上床９と下床１０の間に床通気層１１を設ける。 （リ） 下床に開閉可能な通気口１２を設ける。 （ヌ） 通気口１２を地中に埋設されているチューブ１
   ３に接続する。 （ル） 天井裏の外壁で太陽電池付き排気扇１４を設け
   る。 （ヲ） 透明材料１の外側に開閉可能な不透明材料でで
   きたシャッター１５を設ける。 以上の如く構成された，太陽熱と地中冷熱を利用した蓄
   熱空気循環住宅
2. 【請求項２】 通気口１２を床下空間１６接続させた，
   請求項１の太陽熱と地中冷熱を利用した蓄熱空気循環住
   宅