JPH06211783A - カイニン酸の合成 - Google Patents

カイニン酸の合成

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JPH06211783A
JPH06211783A JP5301551A JP30155193A JPH06211783A JP H06211783 A JPH06211783 A JP H06211783A JP 5301551 A JP5301551 A JP 5301551A JP 30155193 A JP30155193 A JP 30155193A JP H06211783 A JPH06211783 A JP H06211783A
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JP
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alkyl
formula
compound
aryl
acyl
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Withdrawn
Application number
JP5301551A
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English (en)
Inventor
James Allen Monn
ジェイムズ・アレン・モン
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Eli Lilly and Co
Original Assignee
Eli Lilly and Co
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D209/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings, condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom
    • C07D209/02Heterocyclic compounds containing five-membered rings, condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom condensed with one carbocyclic ring
    • C07D209/52Heterocyclic compounds containing five-membered rings, condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom condensed with one carbocyclic ring condensed with a ring other than six-membered

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 カイニン酸製造法に関し、またその合成にお
ける中間体を提供する。 【構成】 下記式II 〔ここに、R4は水素、アシル、アルコキシカルボニル
またはアリールアルコキシカルボニルであり、R5は水
素、C1〜C6アルキル、アリールまたはアリールアルキ
ルである〕で示される化合物はカイニン酸製造の有用な
中間体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカイニン酸の新規製造法
および新規中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】グルタミン酸およびアスパラギン酸のよ
うな興奮性アミノ酸(EAA)が果たす中枢神経系内の
興奮性シナプス伝達の主たる媒介物質としての役割はよ
く確認されている。WatkinsとEvans、An
n.Rev.Pharmacol.Toxicol.、
21,165(1981);Monaghan、Bri
dgesとCotman、Ann.Rev.Pharm
acol.Toxicol.、29、365(198
9);Watkins、Krogsgaard−Lar
senとHonore、Trans.Pharm.Sc
i.、11、25(1990)。これらのアミノ酸はシ
ナプスの伝達の中で一次的には興奮性アミノ酸受容体を
介して機能する。興奮性アミノ酸は運動の制御、呼吸、
心臓血管の調節、感覚的知覚および認識のような他の各
種の生理学的過程にも寄与している。
【0003】興奮性アミノ酸受容体は二つの包括的なタ
イプに大別される。ニューロンの細胞膜内のカチオン・
チャネルの開口に直接的に関与する受容体は「イオノト
ロピック」と命名される。このタイプの受容体は少なく
とも三種のサブタイプに分けられ、それらは選択的作動
薬であるN−メチル−D−アスパラギン酸(NMD
A)、α−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチルイソオ
キサゾール−4−プロピオン酸(AMPA)およびカイ
ニン酸(KA)の脱分極作用によって定義付けられる。
第二の包括的なタイプの受容体はG−蛋白または第二の
メッセンジャーが関与する「メタボトロピック」な興奮
性アミノ酸受容体である。この第二のタイプは、作動薬
であるクィスカレート、イボテネートまたはトランス−
1−アミノシクロペンタン−1,3−ジカルボン酸によ
って活性化された時、シナプス後部細胞中でホスホイノ
シチドの加水分解を強化する。両タイプの受容体は興奮
経路に沿う正常なシナプスの伝達を媒介すると思われる
のみでなく、生涯を通じてシナプス伝達の効率における
発達と変化の間にシナプス結合の修飾にも関与すると思
われる。Schoepp、BockaertとSlad
eczek、Trends・in・Pharmaco
l.Sci.、11、508(1990);McDon
aldとJohnson、Brain・Researc
h・Reviews、15、41(1990)。
【0004】興奮性アミノ酸受容体の過剰または不適当
な刺激は毒性促進として知られる機構によってニューロ
ン細胞の損傷または喪失をもたらす。この過程は各種の
条件下にニューロンの変性を媒介すると示唆されてい
る。このようなニューロン変性の医学的重要性はこれら
変性的神経学的過程の阻止を重要な医療目標とした。
【0005】興奮性アミノ酸の毒性促進は多数の神経学
的疾患の病理生理学に関連付けられている。この毒性促
進は心臓バイパス手術と移植術後の大脳欠陥、発作、大
脳虚血、脊髄外傷、頭部外傷、アルツハイマー病、ハン
チングトン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、エイズに起因
する痴呆、周産期の低酸素症、心拍停止、低血糖性ニュ
ーロン損傷、視力障害と網膜症および特発性または薬品
誘発性パーキンソン病を含む急性および慢性のニューロ
変性症状の病理生理学に関連付けられている。グルタメ
ート機能不全が引き起こす他の神経学的症状にも神経的
調節を必要とするものがある。これらの神経学的症状に
は筋痙攣、偏頭痛、尿失禁、精神病、阿片耐性と禁断症
状、不安、嘔吐、脳水腫、慢性痛、痙攣および晩発性ジ
スキネジーを含む。EAA受容体拮抗剤のような神経保
護剤の使用はこれらの疾患の治療および/またはこれら
の疾患に伴う神経学的障害の程度を軽減するために有用
と信じられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はイオノトロピ
ック興奮性アミノ酸受容体の作動薬、カイニン酸(K
A)の新規製造法に関する。カイニン酸はカイニン酸受
容体の薬理学研究のために必要な研究材料である。Mc
Geer,Olney,and・McGeer、Kai
nic・Acid・as・a・Tool・in・Neu
robiology、Raven・Press、N.
Y.、1978。本製法は先行技術の製法よりも短く、
より少数の化学的段階および最小数の精製よりなる。本
製法はまたより効率的であり、化学反応全部および精製
について総収率10%に達する。本製法はまたカイニン
酸の大量合成に適する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、カイニ
ン酸の合成のための製法が提供される。さらに具体的に
は、本発明は式
【化8】 [ここに、R1は水素、アシル、アルコキシカルボニル
またはアリールアルコキシカルボニルであり;R2は水
素、C1〜C6アルキル、アリールまたはアリールアルキ
ルであり;そしてR3は水素、C1〜C6アルキル、アリ
ールまたはアリールアルキルである]で示される化合物
の製法に向けられるものである。
【0008】本発明はまたカイニン酸合成用に有用な中
間体の製法に関する。さらに具体的には、本発明は式
【化9】 [ここに、R4は水素、アシル、アルコキシカルボニル
またはアリールアルコキシカルボニルであり;そしてR
5は水素、C1〜C6アルキル、アリールまたはアリール
アルキルである]で示される化合物の製法に関する。本
発明はまた式
【化10】 [ここに、R8はアシル、アルコキシカルボニルまたは
アリールアルコキシカルボニルであり;そしてR9はC1
〜C6アルキル、アリールまたはアリールアルキルであ
る]で示される化合物の製法に関する。
【0009】本発明はまたカイニン酸の製造に有用な化
合物に関する。さらに具体的には、本発明は式
【化11】 [ここに、R4は水素、アシル、アルコキシカルボニル
またはアリールアルコキシカルボニルであり;そしてR
5は水素、C1〜C6アルキル、アリールまたはアリール
アルキルである]で示される化合物に関する。
【0010】本発明の他の側面は式
【化12】 [ここに、R6は水素、アシル、アルコキシカルボニル
またはアリールアルコキシカルボニルであり;そしてR
7は水素、C1〜C6アルキル、アリールまたはアリール
アルキルである]で示される化合物である。
【0011】さらに本発明の他の側面は式
【化13】 [ここに、R8は水素、アシル、アルコキシカルボニル
またはアリールアルコキシカルボニルであり;そしてR
9は水素、C1〜C6アルキル、アリールまたはアリール
アルキルである]で示される化合物に関する。
【0012】本発明の他の側面は式
【化14】 [ここに、R10は水素、アシル、アルコキシカルボニル
またはアリールアルコキシカルボニルであり;R11は水
素、C1〜C6アルキル、アリールまたはアリールアルキ
ルであり;そしてR12は水素、C1〜C6アルキル、アリ
ールまたはアリールアルキルであるが但し、R10、R11
およびR12の全部が水素であることはないものとする]
で示される化合物である。
【0013】本発明の他の側面は式
【化15】 [ここに、R15は水素、アシル、アルコキシカルボニル
またはアリールアルコキシカルボニルであり;そしてR
16は水素、C1〜C6アルキル、アリールまたはアリール
アルキルである]で示される化合物である。
【0014】本発明の他の側面は式
【化16】 [ここに、R17は水素、アシル、アルコキシカルボニル
またはアリールアルコキシカルボニルであり;そしてR
18は水素、C1〜C6アルキル、アリールまたはアリール
アルキルである]で示される化合物である。
【0015】前記式中で、用語「C1〜C6アルキル」は
直鎖または分枝のアルキル鎖で炭素原子1から6個を持
つアルキル鎖を示す。典型的なC1〜C6アルキル基には
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブ
チル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−
ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、2−メチルペ
ンチルなどを含む。好適なC1〜C6アルキル基はメチル
およびエチルである。用語「C1〜C6アルキル」はその
中に用語「C1〜C4アルキル」を含む。典型的なC1
4アルキル基にはメチル、エチル、n−プロピル、イ
ソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル
およびt−ブチルを含む。好適なC1〜C4アルキル基は
メチルおよびエチルである。
【0016】用語「アリール」は下記の一つまたはそれ
以上によって置換されたフェニルおよびナフチルを含む
芳香族基またはフラニル、ピロリル、イミダゾリル、お
よびピリジニルを含むヘテロ芳香族基を示す:水素、ヒ
ドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シア
ノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシま
たはトリフルオロメチル。典型的なアリール基はフェニ
ル、ナフチル、2−ピリジニル、2−イミダゾリル、4
−クロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、4−ブ
ロモフェニル、4−ヒドロキシフェニル、4−メチルフ
ェニル、4−メトキシフェニル、4−フルオロフェニ
ル、2−ブロモフェニル、2,4−ジヨードフェニル、
4−シアノフェニル、2,4−ジニトロフェニル、4−
エチルフェニル、4−エトキシフェニル、5−トリフル
オロメチルフェニル、4−メチルピリジン−2−イル、
4−メトキシピリジン−2−イル、3−フルオロピリジ
ン−2−イル、4−シアノピリジン−2−イル、4−ト
リフルオロメチルピリジン−2−イル、4−メチリミダ
ゾール−2−イル、4,5−ジメチルイミダゾール−2
−イル、4−メチルフラン−2−イル、5−メチルフラ
ン−2−イル、4−メチルピロール−2−イルなどを含
む。
【0017】用語「C1〜C4アルコキシ」はメトキシ、
エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブト
キシ、t−ブトキシなどの基のような基を示す。用語
「アリールアルキル」はアリール基を持っているC1
4アルキル基を示す。この基の代表はベンジル、1−
フェニルエチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプ
ロピル、4−フェニルブチル、2−メチル−2−フェニ
ルプロピル、(4−クロロフェニル)メチル、(2,6
−ジクロロフェニル)メチル、(4−トリフルオロメチ
ルフェニル)メチル、(4−メチルピリジン−2−イ
ル)メチル、(2,4−ジニトロフェニル)メチル、
(4,5−ジメチルイミダゾール−2−イル)メチル、
(4−メトキシピリジン−2−イル)メチル、などの基
を含む。好適なアリールアルキル基はベンジルである。
【0018】用語「アルコキシカルボニル」はカルボニ
ル炭素に酸素原子を介して結合したC1〜C6アルキル基
を持つカルボキシ基を意味する。この基の代表はメトキ
シカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカ
ルボニル、n−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカル
ボニルなどを含む。好適なアルコキシカルボニル基はメ
トキシカルボニルである。
【0019】用語「アリールアルコキシカルボニル」は
カルボニル炭素に酸素原子を介して結合したアリールア
ルキル基を持つカルボキシル基を示す。この基の代表は
ベンジルオキシカルボニル、2−フェニルエトキシカル
ボニル、3−フェニルプロポキシカルボニルなどを含
む。好適なアリールアルコキシカルボニル基はベンジル
オキシカルボニルである。
【0020】用語「アシル」はカルボニル基に結合した
水素、C1〜C6アルキルまたはアリール基を示す。典型
的なアシル基はホルミル、アセチル、プロピオニル、ブ
チリル、バレリル、ベンゾイルなどを含む。好適なアシ
ル基はアセチルである。
【0021】本発明の式IIで示される化合物は全てカ
イニン酸の合成で有用であると信じられるが、この発明
の或る化合物はその目的のために好適である。好ましく
は、R4はアシル、アルコキシカルボニルまたはアリー
ルアルコシキカルボニルであり、R5はC1〜C6アルキ
ル、アリールまたはアリールアルキルである。さらに好
適には、Rはアルコキシカルボニルまたはアリールア
ルコシキカルボニルであり、R5はC1〜C6アルキルま
たはアリールアルキルである。最も好適には、R4はア
リールアルコキシカルボニル基であり、R5はC1〜C6
アルキル基である。カイニン酸合成で用いるために最も
好適な式IIで示される化合物はR4がベンジルオキシ
カルボニルであり、R5がエチルである化合物である。
【0022】同様に、本発明の式IIIで示される化合
物は全てカイニン酸の合成で有用であると信じられる
が、この発明の或る化合物はその目的のために好適であ
る。好ましくは、R6はアシル、アルコキシカルボニル
またはアリールアルコキシカルボニルであり、R7はC1
〜C6アルキル、アリールまたはアリールアルキルであ
る。さらに好適には、R6はアルコキシカルボニルまた
はアリールアルコキシカルボニルであり、R7はC1〜C
6アルキルまたはアリールアルキルである。最も好適に
は、R6はアリールアルコキシカルボニル基であり、R7
はC1〜C6アルキル基である。カイニン酸の合成で使う
ために最も好適な式IIIで示される化合物はR6がベ
ンジルオキシカルボニルであり、R7がエチルである化
合物である。
【0023】本発明の式IVで示される化合物は全てカ
イニン酸の合成で有用であると信じられるが、この発明
の或る化合物はその目的のために好適である。好ましく
は、R8はアシル、アルコキシカルボニルまたはアリー
ルアルコシキカルボニルであり、R9はC1〜C6アルキ
ル、アリールまたはアリールアルキルである。さらに好
適には、R8はアルコキシカルボニルまたはアリールア
ルコシキカルボニルであり、R9はC1〜C6アルキルま
たはアリールアルキルである。最も好適には、R8はア
リールアルコキシカルボニル基であり、R9はC1〜C6
アルキル基である。カイニン酸合成に用いるために最も
好適な式IVで示される化合物はR8がベンジルオキシ
カルボニルであり、R9がエチルである化合物である。
【0024】本発明の式Vで示される化合物は全てカイ
ニン酸の合成で有用であると信じられるが、本発明の或
る化合物はその目的のために好適である。好ましくは、
10はアシル、アルコキシカルボニルまたはアリールア
ルコシキカルボニルであり、R11とR12はC1〜C6アル
キル、アリールまたはアリールアルキルである。さらに
好適には、R10はアルコキシカルボニルまたはアリール
アルコシキカルボニルであり、R11とR12はC1〜C6
ルキルまたはアリールアルキルである。最も好適には、
10はアリールアルコキシカルボニル基であり、R11
12はC1〜C6アルキル基である。カイニン酸合成に用
いるために最も好適な式Vで示される化合物はR10がベ
ンジルオキシカルボニルであり、R11がエチルであり、
12がメチルである化合物である。
【0025】同様に、本発明の式VIIIで示される化
合物は全てカイニン酸の合成で有用であると信じられる
が、本発明の或る化合物はその目的のために好適であ
る。好ましくは、R15はアシル、アルコキシカルボニル
またはアリールアルコキシカルボニルであり、R16はC
1〜C6アルキル、アリールまたはアリールアルキルであ
る。さらに好適には、R15はアルコキシカルボニルまた
はアリールアルコキシカルボニルであり、R16はC1
6アルキルまたはアリールアルキルである。最も好適
には、R15はアリールアルコキシカルボニル基であり、
16はC1〜C6アルキル基である。カイニン酸の合成で
用いるために最も好適な式VIIIで示される化合物は
15がベンジルオキシカルボニルであり、R16がエチル
である化合物である。
【0026】本発明の式IXで示される化合物は全てが
カイニン酸の合成で有用であると信じられるが、この発
明の或る化合物はその目的のために好適である。好まし
くはR17はアシル、アルコキシカルボニルまたはアリー
ルアルコキシカルボニルであり、R18はC1〜C6アルキ
ル、アリールまたはアリールアルキルである。さらに好
適には、R17はアルコキシカルボニルまたはアリールア
ルコキシカルボニルであり、R18はC1〜C6アルキルま
たはアリールアルキルである。最も好適には、R17はア
リールアルコキシカルボニル基であり、R18はC1〜C6
アルキル基である。カイニン酸の合成で用いるために最
も好適な式IXで示される化合物はR17がベンジルオキ
シカルボニルであり、R18がエチルである化合物であ
る。
【0027】本発明の化合物は少なくとも3個の不斉炭
素原子を有する。これらの不斉中心はカルボキシ基
(2)を持つ置換炭素原子および2個の隣接する炭素原
子(3および4)である。それ自身として、これらの化
合物はエナンチオマーの混合物としてまたは単一のエナ
ンチオマーとして存在することができる。本発明の化合
物はラセミ体のみならず、各々のエナンチオマーをも含
む。本発明の化合物のための好適なエナンチオマーの立
体配位は(−)−(2S,3S,4S)−カイニン酸と
同じ絶対的立体化学である。この好適な相対的および絶
対的立体化学を下式に示す:
【化17】
【0028】本発明の化合物はカイニン酸の合成のため
に有用である中間体である。カイニン酸の合成およびこ
れらの中間体化合物の製造を反応式Iに示す。
【化18】
【0029】一般論として、アゾメチンイリドをシクロ
ペンテノンと反応して環状付加体VIIとする。この環
状付加体を還元および加水分解して二環状中間体IIを
製造する。この二環状ケトンを次にメチル化して三級ア
ルコールIIIを製造する。このアルコール中間体II
Iの脱水で中間体IVを製造する。この不飽和中間体の
酸化でピロリジン中間体Vに至る。この中間体を次にメ
チレン化してアセチル基をプロペニル基に変換する。
【0030】アゾメチンイリドと2−シクロペンテン−
1−オンとの間の1,3−ジポーラー環状付加反応によ
って中間体VIIを製造する。この反応は好ましくはア
セトニトリルのような極性有機溶媒中三級アミン塩基の
存在下に行う。この反応のために適当な三級アミン塩基
はトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルア
ミンおよび1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウン
デカン−7−エン(DBU)を含む。この反応は典型的
には約10℃から約50℃、好ましくは室温の温度で行
う。この環状付加反応のために好適なアゾメチンイリド
はシクロペンテノンと容易に反応し、そして容易に分解
して種々の反応副産物を生じないものである。この反応
のために好適なアゾメチンイリドは臭化3−(エトキシ
カルボニルメチル)−5−(2−ヒドロキシエチル)−
4−メチルチアゾリウムである。この反応は一般に約2
時間後には完結する。
【0031】前記経路によって製造した中間体VIIは
ジアステレオマー混合物として存在する。このジアステ
レオマーは下記の相対的配位で存在する:
【化19】 このジアステレオマーは分取高速液体クロマトグラフィ
ーで分離できる;けれども、好ましくはジアステレオマ
ー混合物を中間体IIの合成で用いる。
【0032】中間体IIは環状付加体VIIの還元およ
び加水分解によって製造する。第一段階は硫黄−炭素結
合の還元である。この還元は典型的にはトルエンやキシ
レンのような有機溶媒中、溶媒の還流温度で実施する。
適当な還元剤は水素化トリブチル錫である。この反応は
典型的には2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(A
IBN)のようなラジカル開始剤の添加で実施する。こ
の反応をトルエン中で還元剤として水素化トリブチル錫
を用いて実施する時、反応は一般に約6時間後には完結
する。
【0033】第2段階は還元された中間体の加水分解で
あり、中間体IIを製造する。この加水分解はエーテル
のような極性有機溶媒またはエタノールのような水混和
性有機溶媒中で酸、好ましくは触媒量の酸の存在下に実
施する。この加水分解のために適当な酸は塩酸、硫酸、
硫酸水素ナトリウム、p−トルエンスルホン酸、トリフ
ルオロ酢酸、メタンスルホン酸およびトリフルオロメタ
ンスルホン酸を含み;好適な酸は希塩酸である。この反
応は典型的には約10℃から約50℃、好ましくは室温
の温度で実施する。反応を希塩酸とエーテルからなる二
相混合物を用いて実施する時、反応は典型的には約14
時間後には完結する。
【0034】中間体IIは後続する合成的変形のために
好ましくは環窒素を保護する。アミノ基の保護のための
方法は一般論としてMcOmie、Protectiv
e・Groups・in・Organic・Chemi
stry、Plenum・Press、N.Y.、19
73およびGreene・and・Wutz、Prot
ecting・Groups・in・Organic・
Synthesis、2判、John・Wiley・&
・Sons、N.Y.、1991に記載がある。環窒素
はアシル、アルコキシカルボニルまたはアリールアルコ
キシカルボニル基で保護しうる。好適な保護基はアルコ
キシカルボニルおよびアリールアルコキシカルボニル基
である。最も好適には、この保護基はベンジルオキシカ
ルボニルのようなアリールアルコキシカルボニル基であ
る。ベンジルオキシカルボニル保護中間体IIはR4
水素である式IIで示される化合物とクロロギ酸ベンジ
ルとの反応によって製造する。この反応は酢酸エチルの
ような極性有機溶媒中、塩基の存在下に実施する。この
変形に適当な塩基は水酸化ナトリウム、トリエチルアミ
ン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウ
ムおよび炭酸水素ナトリウムを含む;好適な塩基は50
%水酸化ナトリウムである。この反応は典型的には約5
℃から室温付近、好ましくは5℃の温度で実施する。
【0035】中間体IIIは中間体IIのメチル化で製
造する。この反応は塩化メチレンのような極性有機溶媒
中で実施する。適当なメチル化試薬は塩化チタン(I
V)およびメチルリチウムの組合せを含む。この反応は
典型的には約−78℃から約−50℃の温度で実施す
る。
【0036】中間体IIIは脱水して中間体IVを製造
する。この脱水はp−トルエンスルホン酸のようなプロ
トン酸または三フッ化ホウ素エーテレートのようなルイ
ス酸のようなプロトン酸を酸触媒として用いて実施す
る。三フッ化ホウ素エーテレートを用いる時、反応は塩
化メチレンのような極性有機溶媒中で溶媒の還流温度で
実施する。p−トルエンスルホン酸を用いる時、反応は
典型的にはトルエンのような有機溶媒中で溶媒の還流温
度で実施する。脱水は一般に約10時間から約18時間
後には完結する。
【0037】中間体Vは中間体IVの酸化によって製造
する。この変形のために適当な酸化剤は酸化ルテニウム
(IV)と過沃素酸ナトリウムまたは過沃素酸との反応
または塩化ルテニウム(III)と過沃素酸ナトリウム
との反応によって製造する。酸化剤を発生するために酸
化ルテニウム(IV)と過沃素酸ナトリウムとを用いる
時、反応は典型的には有機溶媒1種またはそれ以上と水
との混合物中で実施する。適当な有機溶媒はアセトニト
リルと四塩化炭素を含む。室温で実施する時、反応は約
3時間後には完結する。
【0038】他には、中間体Vは反応式IIに示すよう
に中間体IVの酸化によっても製造される。
【化20】
【0039】一般論としては、中間体IVを酸化してジ
オール中間体VIIIとする。この化合物を次にさらに
酸化してケト−アルデヒド中間体IXとする。中間体I
Xのアルデヒド基を次に酸化してカルボキシル基とし、
エステル化して中間体Vとする。
【0040】中間体VIIIは中間体IVの酸化によっ
て製造する。この変形のための適当な酸化剤は四酸化オ
スミウムとN−メチルモルホリン−N−オキシドとの混
合物である。この反応は典型的にはアセトンのような水
混和性有機溶媒と水との混合物中で実施する。室温で実
施する時、反応は一般に約12から約24時間後には完
結する。
【0041】中間体VIIIを次に再び酸化してケト−
アルデヒド中間体IXを製造する。この変形のために適
当な酸化剤は過沃素酸ナトリウムまたは過沃素酸;好ま
しくは過沃素酸ナトリウムである。反応は典型的にはテ
トラヒドロフランのような極性有機溶媒中またはテトラ
ヒドロフランと水のような極性有機溶媒と水との混合物
中で実施する。室温で実施する時、反応は約3時間後に
は完結する。
【0042】このアルデヒド基をカルボキシル基に変換
して中間体Vを製造する。この変形に適当な酸化剤は過
マンガン酸カリウムである。この酸化は典型的にはt−
ブタノールのような水混和性有機溶媒と水との混合物中
で実施する。溶液は一塩基性燐酸ナトリウムのような緩
衝剤の添加で緩衝しうる。反応を室温で実施する時、反
応は一般にに約3時間後には完結する。
【0043】他に、中間体IVを直接酸化して中間体I
Xとすることができる。この変形に適当な酸化剤はオゾ
ンである。この反応は塩化メチレンのような極性有機溶
媒中で約−78℃から約−50℃、好ましくは−78℃
の温度で実施する。オゾンの添加後、反応混合物を硫化
ジメチルで処理し、徐々に室温まで温める。反応は一般
に約18時間後には完結する。
【0044】酸化生成物は好ましくは後続する化学変形
のために遊離カルボキシル基を保護する。カルボキシル
基保護のための方法は一般論としてMcOmie、Pr
otective・Groups・in・Organi
c・Chemistry、Plenum・Press、
N.Y.、1973およびGreene・and・Wu
tz、Protecting・Groups・in・O
rganic・Synthesis、2判、John・
Wiley・&・Sons、N.Y.、1991に記載
がある。カルボキシル基はC1〜C6アルキル、アリール
またはアリールアルキルエステルとして保護しうる。好
適なエステルはC1〜C6アルキルエステルであり;メチ
ルエステルが最も好適である。このエステルはR12が水
素である中間体Vとヨードメタンとの炭酸セシウム存在
下での反応によって製造する。この反応は典型的にはジ
メチルホルムアミドのような極性有機溶媒中で実施す
る。この反応は一般に室温で約1時間後には完結する。
【0045】中間体Vはメチレン化して式Iで示される
化合物を製造する。適当なメチレン化剤はジヨードメタ
ン、亜鉛と塩化チタニウム(IV)の混合物である。こ
の反応はテトラヒドロフランのような極性有機溶媒中
で、約15℃から約50℃、好ましくは室温の温度で実
施する。反応は一般に約12時間から約18時間後には
完結する。
【0046】前記反応式によって製造した化合物の脱保
護はカイニン酸を与える。R1、R2およびR3が水素で
はない式Iで示される化合物の適当な脱保護法は水酸化
ナトリウムの使用である。この反応は典型的には2.5
N−水酸化ナトリウム中で還流下に実施する。約4日間
後、本明細書に例示するように標準的な単離技術を用い
てカイニン酸を反応物から単離する。
【0047】前記方法はカイニン酸および式I〜VI、
VIIIおよびIXで示される中間体化合物のラセミ体
を製造する。(±)−カイニン酸のエナンチオマーなら
びにラセミ中間体化合物のエナンチオマーは標準的分割
技術を用いて分割できる。Jacques,Colle
t,and・Wilen、Enantiomers,R
acemates,and・Resolutions、
John・Wiley・&・Sons、N.Y.、19
81参照。これらエナンチオマーの分割のために好適な
方法はラセミ物質と光学活性(掌性)分割剤との間のジ
アステレオマー塩の形成である。Jacques,Co
llet,and・Wilen、Enantiomer
s,Racemates,and・Resolutio
ns、第5章参照。本化合物は酸性または塩基性掌性分
割剤を用いて分割できる。適当な酸性掌性分割剤の例は
(+)−カンファー酸、(−)−ジベンゾイル酒石酸、
ジアセトンケトグロン酸、(+)および(−)−マンデ
ル酸、(−)−リンゴ酸、(+)および(−)−キニン
酸と(+)および(−)−酒石酸を含む。適当な塩基性
掌性分割剤の例はブルシン、シンコニジン、シンコニ
ン、ストリキニン、(+)および(−)−エフェドリ
ン、(−)−2−アミノ−1−ブタノール、(+)およ
び(−)−α−メチルベンジルアミン、(+)−アンフ
ェタミンと(+)−デオキシエフェドリンを含む。以前
に記載のある(+)−エフェドリンによる(±)−カイ
ニン酸の分割はこのような分割の典型である。Oppo
lzer・and・Andres、Helvetica
・Chimica・Acta、62、2282(197
9)。
【0048】下記化合物は本発明の化合物および実施例
の化合物の例示である。これらの化合物は例示に過ぎ
ず、本発明を限定するように解すべきではない。
【化21】
【0049】
【実施例】下記実施例は本発明の製法及び化合物をさら
に例示する。実施例は例示に過ぎず、本発明を限定する
ことを意図するものではない。融点はThomas・H
oover毛細管融点測定器を用いて得たもので、未補
正である。電界脱離質量スペクトル術(FDMS)はV
G・70SEまたはVarian・MAT・731装置
を用いて行った。分取高速液体クロマトグラフィー(分
取HPLC)はWATER’S・PREP・LC/50
0装置でシリカゲル・PREP・PakTMカートリッジ
を用いて行った。分取逆相液体クロマトグラフィーはW
ATER’S・DELTA・PREP・3000装置で
WATER’S・NOVA−PAK・C18・カラム
(300mm×400mm、6μ球形粒)を用いて行っ
た。分取遠心薄層クロマトグラフィー(PC−TLC)
はHarrison・Model・7924A・CHR
OMATRONでAnaltech・シリカゲルGF・
ローターを用いて行った。ローター上のシリカゲル厚お
よび採用した溶媒系は実施例に示した。薄層クロマトグ
ラフィー(TLC)はガラス板上のシリカゲル(EM・
Science、5cm×10cm、0.25mm層
厚)を用い、実施例に示した溶媒系を採用して行った。
【0050】実施例1 化合物1の製造 5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルチアゾール
(306g)とブロモ酢酸エチル(356.2g)のエ
タノール(1L)溶液を加熱還流した。2時間後、エタ
ノールを蒸留して除き、残渣をイソプロパノール(1.
5L)で処理した。得られた溶液を約0℃に冷却すると
化合物1の結晶化が起きた。3時間後、結晶性物質を母
液から分離し、母液は0℃に長時間冷却してさらに結晶
を得た。結晶性物質を集めて474.3gの化合物1を
得た。融点96〜96℃。 FDMS:m/z=230(M+−Br)。 元素分析:C1016BrNO3Sとして計算値:C,3
8.72;H,5.20;N,4.52。実験値:C,
38.64;H,5.04;N,4.47。
【0051】実施例2 化合物2aおよび2bの製造 実施例1からの化合物の混合物(20g)および2−シ
クロペンテン−1−オン(25.0g)をアセトニトリ
ル(30mL)中、トリエチルアミン(7.17g)で
処理した。得られた混合物を窒素気中で室温で撹拌し
た。24時間後、反応混合物をエーテル(200mL)
と食塩水(200mL)で希釈した。両層を分離し、水
層をエーテル(3×200mL)で抽出した。有機層を
集め、食塩水(200mL)で洗い、炭酸カリウムで乾
燥し、減圧濃縮して暗色油とした。この油を分取HPL
Cで精製し、ヘキサン/酢酸エチル(4:1)からヘキ
サン/酢酸エチル(1:1)までの直線傾斜で溶出して
ジアステレオマー生成物2種を得た。第一のジアステレ
オマー化合物2a(13.6g)および第二のジアステ
レオマー化合物2b(1.98g)を次段に用いるため
に混合した。化合物2a 融点70〜74℃。FDMS:m/z=311
(M+)。 元素分析:C1521NO4Sとして計算値:C,57.
86;H,6.80;N,4.50。実験値:C,5
7.63;H,6.87;N,4.29。化合物2b 融点126〜128℃。FDMS:m/z=311(M
+)。 元素分析:C1521NO4Sとして計算値:C,57.
86;H,6.80;N,4.50。実験値:C,5
7.56;H,6.86;N,4.33。
【0052】実施例3 化合物3の製造 実施例2に記載のようにして製造したジアステレオマー
化合物(311g)、2,2’−アゾビスイソブチルニ
トリル(24.6g)および水素化トリブチル錫(36
0mL)のトルエン(1.2L)溶液を窒素気中で加熱
還流した。6時間後、揮発性物質を蒸留で除去した。残
渣をエーテル(1L)と1N−塩酸(1.1L)で処理
し、得られた二層混合物を室温で激しく撹拌した。14
時間後、有機層を除き、水層をエーテル(10×1L)
で抽出した。水層を次に5℃に冷却して酢酸エチル(1
L)とクロロギ酸ベンジル(190g)で順次処理し
た。得られた溶液を激しく撹拌し、50%水酸化ナトリ
ウム(170mL)で処理した。水酸化ナトリウムの添
加完了後、反応混合物を室温に戻した。室温で1時間
後、有機層を除き、水層を酢酸エチル(4×1L)で抽
出した。有機層を集め、水(1L)で洗い、硫酸マグネ
シウムで乾燥し、減圧濃縮して赤色油を得た。この油を
分取HPLCにより精製し、ヘキサン/酢酸エチル
(4:1)からヘキサン/酢酸エチル(1:1)までの
直線傾斜で溶出して212.8gの化合物3を白色固体
として得た。融点66〜68℃。 FDMS:m/z=331(M+)。 元素分析:C1821NO5として計算値:C,65.2
4;H,6.39;N,4.23。実験値:C,64.
95;H,6.39;N,4.27。
【0053】実施例4 化合物4の製造 エーテル(100mL)と塩化メチレン(100mL)
の混合物を窒素気中で−78℃に冷却した。冷混合物を
塩化チタニウム(IV)(45.3mL、1M−塩化メ
チレン溶液)とメチルリチウム(32.3mL、1.4
−Mエーテル溶液)で順次処理した。得られた暗色溶液
を−78℃で30分間撹拌し、次に−50℃まで徐々に
温めた。この暗色溶液を実施例3からの化合物(10.
0g)の塩化メチレン(50mL)溶液で処理した。化
合物3の添加完了後、反応混合物を0℃まで徐々に温め
た。2時間後、反応混合物をエーテル(300mL)と
水(300mL)の混合物に加えた。有機層を除き、水
層をエーテル(2×100mL)で抽出した。有機層を
集め、水(200mL)と食塩水(200mL)で洗
い、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して淡黄色油
とした。この油を分取HPLCによって精製し、ヘキサ
ン/酢酸エチル(7:1)からヘキサン/酢酸エチル
(1:1)までの直線傾斜で溶出して9.12gの化合
物4を無色油として得た。 FDMS:m/z=347(M+)。 元素分析:C1925NO5として計算値:C,65.6
9;H,7.25;N,4.03。実験値:C,65.
78;H,7.33;N,4.08。
【0054】実施例5 化合物5の製造方法A 実施例4からの化合物(8.40g)の塩化メチレン
(75mL)溶液を三フッ化ホウ素エーテレート(5.
0mL)で処理し、得られた溶液を窒素気中で加熱還流
した。16時間後、反応液を室温に戻した。この溶液を
エーテル(200mL)と水(200mL)の混合物中
に加えた。有機層を除き、水層をエーテル(3×100
mL)で抽出した。有機層を集め、水洗液のpHが約
7.0になるまで水で洗った。有機層を次に硫酸マグネ
シウムで乾燥し、減圧濃縮して7.45gの化合物5を
淡黄色油として得た。この物質をさらに精製することな
く次段で用いた。 FDMS:m/z=329(M+)。 元素分析:C1923NO4として計算値:C,69.2
8;H,7.04;N,4.25。実験値:C,69.
51;H,6.99;N,4.15。
【0055】方法B 実施例4からの化合物(8.37g)のトルエン(15
0mL)溶液をp−トルエンスルホン酸(1.0g)で
処理し、得られた溶液を加熱還流した。18時間後、反
応液を室温に戻した。この溶液をエーテル(200m
L)と1N−水酸化ナトリウム(200mL)の混合物
に加えた。有機層を除き、水層をエーテル(3×100
mL)で抽出した。有機層を集め、水(200mL)お
よび食塩水(200mL)で洗い、硫酸マグネシウムで
乾燥し、減圧濃縮して暗黄色油とした。この物質を分取
HPLCで精製し、ヘキサン/酢酸エチル(4:1)で
溶出して5.85gの化合物5を得た。
【0056】実施例6 化合物6の製造 酸化ルテニウム(IV)水和物(0.45g)、過沃素
酸ナトリウム(14.9g)、アセトニトリル(30m
L)、四塩化炭素(30mL)および水(45mL)の
混合物を室温で激しく撹拌した。15分後、この混合物
を実施例5に記載したように製造した化合物(5.62
g)のアセトニトリル(5mL)と四塩化炭素(5m
L)との溶液で処理した。得られた暗色混合物を室温で
激しく撹拌した。4時間後、反応混合物をエーテル(1
00mL)と水(100mL)の混合物に加えた。有機
層を除き、水層をエーテル(2×100mL)で抽出し
た。有機層を集め、水(2×100mL)で洗い、硫酸
マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をジメチル
ホルムアミド(50mL)に加えた。得られた溶液を炭
酸カリウム(3.6g)とヨードメタン(4.85g)
で順次処理した。窒素気中、室温で3時間後、反応混合
物をエーテル(300mL)と1N−塩酸(300m
L)の間に分配した。有機層を除き、水層をエーテル
(3×200mL)で抽出した。有機層を集め、水(5
00mL)で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃
縮して淡黄色油とした。この油を分取逆相HPLC(1
回当り200mg)によって精製し、45%アセトニト
リル/H2Oで溶出した。純粋な化合物6を含む画分を
集め、エーテルで抽出した。エーテル抽出物をMgSO
4で乾燥し、減圧濃縮して3.40gの化合物6をワッ
クス状の白色固体として得た。融点55〜57℃。 FDMS:m/z=391(M+)。 元素分析:C2025NO7として計算値:C,61.3
7;H,6.44;N,3.58。実験値:C,61.
60;H,6.68;N,3.66。
【0057】実施例7 化合物7の製造 亜鉛(3.0g)とジヨードメタン(2.06mL)の
テトラヒドロフラン(80mL)懸濁液を塩化チタン
(IV)(5.6mL、1.0M−塩化メチレン溶液)
で処理した。得られる黒色混合物を窒素気中、室温で撹
拌した。1時間後、この暗色混合物を実施例6からの化
合物(2.0g)の塩化メチレン(5mL)溶液で処理
した。窒素気中、室温で16時間後、反応混合物をエー
テル(200mL)と0.5N−塩酸(200mL)と
の混合物に加えた。有機層を除き、水層をエーテル(3
×200mL)で抽出した。有機層を集め、水(200
mL)と食塩水(200mL)で洗い、硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、減圧濃縮して黄色油とした。この油をPC
−TLC(4mm厚シリカゲル)で精製し、ヘキサン/
酢酸エチル(9:1)からヘキサン/酢酸エチル(4:
1)までの傾斜で溶出して0.82gの化合物7を無色
油として得た。 FDMS:m/z=389(M+)。 元素分析:C2127NO6として計算値:C,64.7
7;H,6.99;N,3.60。実験値:C,64.
99;H,7.17;N,3.50。
【0058】実施例8 化合物8の製造 実施例7からの化合物(0.64g)と2.5N−水酸
化ナトリウム(10mL)を加熱還流した。4日後、1
N−塩酸の添加でpHを2に調整した。得られた沈殿を
濾去した。濾液をDOWEX・50XB−100上でカ
チオン交換クロマトグラフィーにかけ、10%ピリジン
/水で溶出した。化合物8を含む画分を集め、減圧濃縮
して0.33gの化合物8を白色固体として得た。 融点:243〜245℃(分解)。 FDMS:m/z=213(M+)。 元素分析:C1015NO4として計算値:C,56.3
3;H,7.09;N,6.57。実験値:C,56.
39;H,7.34;N,6.54。
【0059】実施例9 化合物9の製造 実施例5からの化合物(3.3g)とN−メチルモルホ
リン−N−オキシド(3.0g)の混合物をアセトン
(125mL)と水(35mL)中で四酸化オスミウム
(1−10mg)で処理した。室温で16時間後、反応
混合物をエーテル(200mL)と水(200mL)の
混合物に加えた。有機層を除き、水層をエーテル(3×
100mL)で抽出した。有機層を集め、水(200m
L)で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して
明褐色油とした。この油をPC−TLC(4mmシリカ
ゲル、ローター)で精製し、ヘキサン/酢酸エチル
(9:1)からヘキサン/酢酸エチル(1:2)までの
直線傾斜で溶出して3.58gの化合物9を無色油とし
て得た。 FDMS:m/z=363(M+)。 元素分析:C1925NO6として計算値:C,62.8
0;H,6.93;N,3.85。実験値:C,62.
68;H,6.82;N,3.55。
【0060】実施例10 化合物10の製造 実施例9からの化合物(3.5g)のテトラヒドロフラ
ン(60mL)溶液を過沃素酸ナトリウム(3.1g)
の水(40mL)溶液で処理した。室温で3時間後、反
応混合物をエーテル(100mL)と水(100mL)
との混合物に加えた。有機層を分離し、水層をエーテル
(3×100mL)で抽出した。有機層を集め、水(1
00mL)で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃
縮して3.43gの化合物10を無色油として得た。 FDMS:m/z=361(M+)。 元素分析:C1923NO6として計算値:C,63.1
5;H,6.41;N,3.88。実験値:C,63.
10;H,6.57;N,3.87。
【0061】実施例11 化合物10の製造 実施例5からの化合物(3.30g)の塩化メチレン
(125mL)溶液を−78℃に冷却し、溶液の青色が
残るまでオゾンで処理した。反応物から過剰のオゾンが
除かれるまで窒素を通じ、硫化ジメチル(7.35m
L)で処理し、徐々に室温に戻した。18時間後、揮発
物を減圧除去した。残渣を分取HPLCで精製し、ヘキ
サン/酢酸エチル(9:1)からヘキサン/酢酸エチル
(1:1)までの傾斜で溶出して2.01gの化合物1
0を無色油として得た。
【0062】実施例12 化合物6の製造 実施例10に記載したように製造した化合物(4.46
g)のt−ブチルアルコール(25mL)溶液を順次5
%一塩基性燐酸ナトリウム水溶液(25mL)と1M−
過マンガン酸カリウム(13.5mL)で処理した。3
時間後、反応混合物を飽和亜硫酸ナトリウム(100m
L)とエーテル(200mL)との混合物に加え、水層
を2M−硫酸水素ナトリウムで酸性化してpH2とし
た。有機層を除き、水層をエーテル(3×100mL)
で抽出した。有機層を集め、水性抽出液が中性になるま
で水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して明
黄色油とした。この油をジメチルホルムアミド(50m
L)にとかし、炭酸カリウム(13.8g)とヨードメ
タン(5.2g)で処理した。室温で30時間後、反応
混合物をエーテル(200mL)と1N−塩酸(200
mL)の混合物に加えた。有機層を除き、水層をエーテ
ル(3×100mL)で抽出した。有機層を集め、硫酸
マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して黄色油3.0gと
した。この油を実施例6に記載したようにして分取逆相
HPLCで精製して1.78gの化合物6を得た。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 [ここに、 R4は水素、アシル、アルコキシカルボニルまたはアリ
    ールアルコキシカルボニルであり;そしてR5は水素、
    1〜C6アルキル、アリールまたはアリールアルキルで
    ある]で示される化合物。
  2. 【請求項2】 R4が水素であり、R5が水素である請求
    項1の化合物。
  3. 【請求項3】 式 【化2】 [ここに、 R8は水素、アシル、アルコキシカルボニルまたはアリ
    ールアルコキシカルボニルであり;そしてRは水素、
    1〜C6アルキル、アリールまたはアリールアルキルで
    ある]で示される化合物。
  4. 【請求項4】 R8がベンジルオキシカルボニルであ
    り、R9がエチルである請求項3の化合物。
  5. 【請求項5】 式 【化3】 [ここに、 R1はアシル、アルコキシカルボニルまたはアリールア
    ルコキシカルボニルであり;R2はC1〜C6アルキル、
    アリールまたはアリールアルキルであり;そしてR3
    1〜C6アルキル、アリールまたはアリールアルキルで
    ある]で示される化合物の製法であって、(1)式 【化4】 [ここに、 R4はアシル、アルコキシカルボニルまたはアリールア
    ルコキシカルボニルであり;そしてR5はC1〜C6アル
    キル、アリールまたはアリールアルキルである]で示さ
    れる化合物をメチル化剤でメチル化して式 【化5】 [ここに、 R6はアシル、アルコキシカルボニルまたはアリールア
    ルコキシカルボニルであり;そしてR7はC1〜C6アル
    キル、アリールまたはアリールアルキルである]で示さ
    れる化合物を製造し、(2)前記式IIIで示される化
    合物を脱水して式 【化6】 [ここに、 R8はアシル、アルコキシカルボニルまたはアリールア
    ルコキシカルボニルであり;そしてR9はC1〜C6アル
    キル、アリールまたはアリールアルキルである]で示さ
    れる化合物を製造し、(3)前記式IVで示される化合
    物を酸化して式 【化7】 [ここに、 R10はアシル、アルコキシカルボニルまたはアリールア
    ルコキシカルボニルであり;R11はC1〜C6アルキル、
    アリールまたはアリールアルキルであり;そしてR12
    水素である]で示される化合物を製造し、(4)前記式
    Vで示される化合物をエステル化して、R10がアシル、
    アルコキシカルボニルまたはアリールアルコキシカルボ
    ニルであり;R11がC1〜C6アルキル、アリールまたは
    アリールアルキルであり;そしてR12がC1〜C6アルキ
    ル、アリールまたはアルリールアルキルである式Vで示
    される化合物を製造し、そして(5)前記式Vで示され
    る化合物をメチレン化する、各段階からなる製造法。
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