JPH06211562A - セラミックグリーンシートの製造方法 - Google Patents

セラミックグリーンシートの製造方法

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JPH06211562A
JPH06211562A JP5007577A JP757793A JPH06211562A JP H06211562 A JPH06211562 A JP H06211562A JP 5007577 A JP5007577 A JP 5007577A JP 757793 A JP757793 A JP 757793A JP H06211562 A JPH06211562 A JP H06211562A
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JP
Japan
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ceramic
ceramic green
green sheet
sheet
binder
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Application number
JP5007577A
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English (en)
Inventor
Eiji Ito
英治 伊藤
Makoto Miyazaki
信 宮崎
Shunjiro Imagawa
俊次郎 今川
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 セラミックグリーンシートの厚みを薄くしな
がらも表面状態の均質化を図ることができ、しかも、製
品における特性劣化を防ぐことができるセラミックグリ
ーンシートの製造方法を提供する。 【構成】 セラミック原料粉末とバインダ溶液とを混合
して得られたセラミックスラリからなるセラミックグリ
ーンシートの製造方法であって、バインダ溶液が、分子
内にカルボキシル基を有する単量体と、アクリル酸エス
テル及びメタクリル酸エステルの単量体とを共重合させ
た水溶性アクリルバインダを含むものであり、また、リ
バースロールコータを使用してセラミックスラリのシー
ト成形を行うことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミックグリーンシー
トの製造方法に係り、詳しくは、セラミック原料粉末を
スラリ化するためのバインダ溶液と、得られたセラミッ
クスラリのシート成形を行う際の手法とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、セラミックグリーンシートを
用いて製造される製品としては積層セラミックコンデン
サやセラミック多層基板などが知られており、積層セラ
ミックコンデンサの製造過程においては、予め作製され
たセラミックグリーンシートの表面上に内部電極となる
導電ペーストを塗布した後、複数枚のセラミックグリー
ンシートを互いに積み重ねたうえで導電ペーストととも
に同時焼成することが行われている。そして、このセラ
ミックグリーンシートの作製にあたっては、所要組成と
して調整済みのセラミック原料粉末と、これをスラリ化
するためのバインダ溶液とを互いに混合することによっ
てセラミックスラリを得た後、ドクターブレード法を採
用してセラミックスラリのシート成形を行うのが一般的
な手法となっている。なお、ここで、シート厚みの薄い
セラミックグリーンシートを得ようとする場合には、水
系エマルジョンバインダを主成分とするバインダ溶液に
よってスラリ化されたセラミックスラリを用いるのが普
通となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近では積
層セラミックコンデンサに対する軽量小型化や高密度化
が強く求められるようになってきたので、焼成済みとな
ったセラミックシートの一層当たり厚みをより薄くする
ことによって更なる多層化を促進することが図られてい
る。しかしながら、セラミックシートの厚みを薄くする
ためには、まずもってセラミックグリーンシートの厚み
を薄くしておく必要があるにも拘わらず、そのシート成
形に際してドクターブレード法、すなわち、平坦なキャ
リアフィルム上に直接載せられたセラミックスラリを板
状のブレードで平面的に押し広げることによってシート
化するドクターブレード法を採用したのでは、水系エマ
ルジョンバインダを含むセラミックスラリを用いたとし
ても、シート厚みを20μm程度以下にまで薄くするこ
とはできないのが実情であった。
【0004】そこで、最近では、リバースロールコータ
(図示していない)といわれる転写式シート成形機を使
用したうえでのシート成形が行われるようになり、この
リバースロールコータを使用した際には、シート厚みが
10μm程度のセラミックグリーンシートまで作製する
ことが可能となってきた。なお、リバースロールコータ
というのは、上側もしくは下側位置に載置されたスラリ
ダム内に収納されたセラミックスラリをロールの平滑な
表面上に転写した後、更に、このロールの表面上から金
属製平板またはキャリアフィルム上にセラミックスラリ
を転写することによってシート成形を行う装置である。
【0005】ところが、リバースロールコータによるシ
ート成形を行った場合であっても、水系エマルジョンバ
インダを用いると、表面状態の均質なセラミックグリー
ンシートを作製するのは困難であった。また、このよう
なセラミックグリーンシートを積層したうえで焼成する
ことによって得られた製品においては、これを構成する
焼成済みの各セラミックシート内にマイクロポア(微小
な気泡)が発生することになる結果、ショート不良など
のような特性劣化が生じることになっていた。本発明
は、これらの不都合に鑑みて創案されたものであって、
セラミックグリーンシートの厚みを薄くしながらも表面
状態の均質化を図ることができ、しかも、製品における
特性劣化を防ぐことができるセラミックグリーンシート
の製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、セラミック原
料粉末とバインダ溶液とを混合して得られたセラミック
スラリからなるセラミックグリーンシートの製造方法で
あって、バインダ溶液が、分子内にカルボキシル基を有
する単量体(モノマー)と、アクリル酸エステル及びメ
タクリル酸エステルのモノマーとを共重合させた水溶性
アクリルバインダを含むものであり、また、リバースロ
ールコータを使用することによってセラミックスラリの
シート成形を行うことを特徴とするものである。
【0007】なお、バインダ溶液のうち、カルボキシル
基を有するモノマーは、その量の増加により水に対する
溶解度が高くなる一方でセラミックグリーンシートの強
度を低下させるものであるから、その成分割合としては
バインダ溶液中の20〜60重量%程度が好ましい範囲
となる。また、アクリル酸エステルは、その量が増加す
ることによってセラミックグリーンシートを柔らかくす
るが、その一方で分解温度の上昇を招くことになるた
め、バインダ溶液中における成分割合が10〜30重量
%程度であることが好ましい。さらにまた、メタクリル
酸エステルは、その量の増加によって分解温度を低下さ
せるが、セラミックグリーンシートを固くするから、バ
インダ溶液中の成分割合としては20〜50重量%程度
であることが適している。
【0008】
【実施例】以下、本発明に係るセラミックグリーンシー
トの製造方法について説明する。なお、このセラミック
グリーンシートはセラミック原料粉末とバインダ溶液と
を混合することによって得られたセラミックスラリをシ
ート成形することによって作製されるものであり、内部
電極となる導電ペーストが表面上に塗布されたセラミッ
クグリーンシートの複数枚を互いに積み重ねたうえで導
電ペーストとともに同時焼成することによって積層セラ
ミックコンデンサなどが構成されることになる。
【0009】まず、本実施例におけるセラミック原料粉
末は、出発原料である炭酸バリウム(BaCO3 )と酸
化チタン(TiO2 )とを1:1の組成比で秤量し、ボ
ールミルを用いて湿式混合したうえで脱水乾燥した後、
1100℃の温度下で2時間にわたって仮焼したうえで
粉砕することによって作製される。そして、このセラミ
ック原料粉末をスラリ化するために用いられるバインダ
溶液は、重量平均分子量が100000程度となった水
溶性アクリルバインダを含んでおり、この水溶性アクリ
ルバインダは、分子内にカルボキシル基を有するモノマ
ーと、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの
モノマーとを50:20:30(重量比)の割合で共重
合させた塩となっている。
【0010】次いで、上記セラミック原料粉末の100
重量部と、上記バインダ溶液(固形分濃度20%)の2
6重量部と、可塑剤であるエチレングリコール(分子量
950〜1050)の2重量部と、水60重量部とを、
ジルコニアからなる直径5mm程度の玉石とともにボー
ルミル内に投入したうえで15時間にわたって湿式混合
すると、セラミックスラリが得られる。そして、得られ
たセラミックスラリをサンドミルによって粉砕した後、
リバースロールコータを用いてシート成形することによ
ってセラミックグリーンシートを作製する。
【0011】ところで、本発明の発明者らは、以上説明
した手順に従って作製されたセラミックグリーンシート
の特性を確認すべく、シート厚みの測定,シート表面観
察,シート透過観察及びセラミックグリーンシートを用
いて製造された積層セラミックコンデンサのショート
(短絡)試験を行ったので、以下、これらの試験につい
て説明する。なお、ここで、シート透過観察試験という
のは、下側からの光が照射される顕微鏡のスライドガラ
ス上に載置された試料としてのセラミックグリーンシー
トを目視によって観察することにより、セラミック分散
状態の良否を判定するものである。また、ショート試験
とは、積層セラミックコンデンサに対して所定の直流電
圧を印加した際におけるショート不良をチェックするも
のであり、焼成後のセラミックシート内にマイクロポア
が数多く発生していればショート不良が生じるのであ
る。
【0012】そして、このショート試験に際しては、試
料となる積層セラミックコンデンサを前以て作製してお
く必要がある。そこで、まず、上記手順に従って作製さ
れたセラミックグリーンシートそれぞれの表面上に内部
電極となるべき導電ペーストをスクリーン印刷によって
塗布し、これらセラミックグリーンシートの70枚を互
いに積み重ねて圧着した後、平面形状が32mm×16
mmの角形となるように切断することによって未焼成状
態のコンデンサ素体を作製する。なお、内部電極用の導
電ペーストとしては、Ag−Pd粉末,エチレンセルロ
ース及びグリコール系溶剤からなるものを使用してい
る。その後、コンデンサ素体のそれぞれを酸素雰囲気下
で焼成することによって焼成済みとなったコンデンサ焼
成体を得たうえ、Ag粉末,エチレンセルロース,ガラ
スフリット及び高級アルコールからなる外部電極用の導
電ぺーストを各コンデンサ焼成体の端面に塗布し、90
0℃の温度下で焼き付けることによって外部電極を形成
すると、本実施例に係るセラミックグリーンシートを用
いてなる積層セラミックコンデンサが完成する。なお、
以下の説明においては、上記手順に従って作製されたセ
ラミックグリーンシート及び積層セラミックコンデンサ
のそれぞれを本実施例品という。
【0013】また、ここで、水系エマルジョンバインダ
を主成分とするバインダ溶液を用意し、このバインダ溶
液を用いてスラリ化されたセラミックスラリをリバース
ロールコータでシート成形することによってセラミック
グリーンシートを作製した後、これらのセラミックグリ
ーンシートを用いることによって積層セラミックコンデ
ンサを作製する。なお、以下の説明においては、このよ
うな手順に従って作製されたセラミックグリーンシート
及び積層セラミックコンデンサのそれぞれを比較例品A
という。更にまた、本実施例通りの水溶性アクリルバイ
ンダを含むバインダ溶液を用意してセラミックスラリを
作製し、ドクターブレード法によるシート成形を行って
セラミックグリーンシートを作製した後、これらのセラ
ミックグリーンシートを用いて積層セラミックコンデン
サを作製する。そして、このようにして作製されたセラ
ミックグリーンシート及び積層セラミックコンデンサの
それぞれを比較例品Bということにする。
【0014】つぎに、以上のような手順に従って作製さ
れた本実施例品及び比較例品A,Bのそれぞれに対する
各種の試験を行ってみたところ、表1で示すような結果
が得られた。なお、ショート試験時における積層セラミ
ックコンデンサへの印加直流電圧については100Vと
している。
【0015】
【表1】
【0016】この表1によれば、比較例品A、すなわ
ち、水系エマルジョンバインダを用いて作製された比較
例品Aでは10μmのシート厚みを確保することが可能
であるにも拘わらず、縦縞が多くてセラミック分散状態
が悪化することになり、その表面状態が不均質となるこ
とが分かる。また、この比較例品Aの積層セラミックコ
ンデンサでは、焼成済みとなったセラミックシートにマ
イクロポアが発生し、ショート不良が生じることにもな
る。更にまた、ドクターブレード法によって作製された
比較例品Bではシート厚みが20μmとなり、厚みの薄
いセラミックグリーンシートを作製することが明らかと
なっている。そして、これらの比較例品A,Bに対し、
実施例品においてはシート厚みを10μmと薄くするこ
とができるばかりか、セラミック分散状態が良好となっ
て均質な表面状態が得られるほか、ショート不良が生じ
ることもないという利点を有していることが分かる。
【0017】なお、本実施例においては、セラミックグ
リーンシートを用いて製造される製品が積層セラミック
コンデンサであるとしているが、これに限定されるもの
ではなく、セラミック多層基板などのような他の製品に
ついても適用可能であることは勿論である。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るセラ
ミックグリーンシートの製造方法によれば、シート厚み
を10μm程度まで薄くすることが可能になるととも
に、作製されたセラミックグリーンシートの表面状態を
均質化することができ、しかも、焼成後のセラミックシ
ート内にマイクロポアが発生しなくなる結果、製品特性
の劣化を防止して向上を図ることができるという効果が
得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック原料粉末とバインダ溶液とを
    混合して得られたセラミックスラリからなるセラミック
    グリーンシートの製造方法であって、 バインダ溶液が、分子内にカルボキシル基を有する単量
    体と、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの
    単量体とを共重合させた水溶性アクリルバインダを含む
    ものであり、 また、リバースロールコータを使用してセラミックスラ
    リのシート成形を行うことを特徴とするセラミックグリ
    ーンシートの製造方法。
JP5007577A 1993-01-20 1993-01-20 セラミックグリーンシートの製造方法 Pending JPH06211562A (ja)

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JP5007577A JPH06211562A (ja) 1993-01-20 1993-01-20 セラミックグリーンシートの製造方法

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JP5007577A JPH06211562A (ja) 1993-01-20 1993-01-20 セラミックグリーンシートの製造方法

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6790907B2 (en) 2000-06-29 2004-09-14 Murata Manufacturing Co. Ltd. Ceramic slurry composition and manufacturing method therefor
JP2005060208A (ja) * 2002-11-08 2005-03-10 Murata Mfg Co Ltd 水溶性アクリルバインダおよびその製造方法、セラミックスラリー組成物およびその製造方法、ならびに積層セラミック電子部品およびその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6790907B2 (en) 2000-06-29 2004-09-14 Murata Manufacturing Co. Ltd. Ceramic slurry composition and manufacturing method therefor
JP2005060208A (ja) * 2002-11-08 2005-03-10 Murata Mfg Co Ltd 水溶性アクリルバインダおよびその製造方法、セラミックスラリー組成物およびその製造方法、ならびに積層セラミック電子部品およびその製造方法

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