JPH0620636A - イオン散乱分光装置 - Google Patents

イオン散乱分光装置

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JPH0620636A
JPH0620636A JP4173351A JP17335192A JPH0620636A JP H0620636 A JPH0620636 A JP H0620636A JP 4173351 A JP4173351 A JP 4173351A JP 17335192 A JP17335192 A JP 17335192A JP H0620636 A JPH0620636 A JP H0620636A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 照射用のイオン材料を交換を要することなく
目的とするイオン散乱スペクトルを得ることのできる飛
行時間形イオン散乱分光装置を提供すること 【構成】 イオン源4と、イオン源4からのイオンビー
ム6が照射される試料1と、試料からの散乱イオンビー
ム7を検出する検出器10と、照射イオンビーム6と散
乱イオンビームの時間差を求める手段12とからなり、
前記イオン源4は異なった質量のイオンが混合してなる
イオンビーム6を発生することによって飛行時間形イオ
ン散乱分光装置を構成し、従来それぞれ単独のイオン源
を交換して複数回の測定によって得られているイオン散
乱スペクトルを一回の測定で得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体表面の元素分析や
構造解析を行う飛行時間形イオン散乱分光装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】運動エネルギーが一定のイオンビームを
固体表面に照射し、固体表面あるいは内部で散乱を受け
て、ある方向の小さな立体角中に散乱されてくるイオン
の運動エネルギースペクトルを測定するイオン散乱分光
(ISS:Ion Scattering Spect
roscopy)が知られている。
【0003】また、前記イオン散乱分光において、散乱
粒子のエネルギー測定の方法として飛行時間法(TOF
法:Time of Flite Method)を用
いるものが知られている。図7は従来の飛行時間形のイ
オン散乱分光装置の構成図である。図において、41は
試料、42はゲート、43はフライトチューブ、40は
検出器、46は入射イオンビーム、47は散乱イオンビ
ームである。
【0004】飛行時間形のイオン散乱分光装置において
は以下の様にして分光が行われる。試料41に入射イオ
ンビーム46が照射されると、該イオンビーム46のイ
オン粒子は試料41の原子と衝突して散乱される。そし
て、散乱されたイオン粒子はゲート42を介してフライ
トチューブ43に導入される。フライトチューブ43は
電磁場のないドリフト領域であり、前記イオン粒子は衝
突した相手の原子の質量によって散乱後のエネルギーが
異なってくる。イオン粒子の速度はエネルギーの平方根
に比例するので、イオン粒子が電磁場のない領域を通過
するに従ってエネルギーによる時間差を生じ、検出器4
0に到達する時刻はイオン粒子のエネルギーに応じて異
なってくる。
【0005】質量mのイオン粒子が初期エネルギーEを
もって距離dを移動するときの飛行時間tfは、以下の
式によって表される。 tf=d(m/2E)1/2 …(1) 前記式(1)によってイオン粒子の飛行時間tfの測定
を行うことによってイオン粒子のエネルギーEを計算す
ることができる。
【0006】このとき、測定時間の開始は、入射イオン
ビームをパルス化したイオンビームとした場合にはその
パルス化のタイミングとすることができ、また、連続ビ
ームを用いた場合には電界シャッタのゲートのタイミン
グとすることができる。したがって、前記イオン散乱分
光に前記飛行時間方法を適用した飛行時間形イオン散乱
分光装置では、パルス化したイオンビームを試料に照射
し、散乱されて戻ってくるまでの時間を測定することに
よって散乱後のイオンの速度を求め、散乱に寄与した試
料の原子の質量を算出することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
従来の飛行時間形イオン散乱分光装置においては、以下
の問題点を有している。 (1)分析する試料に応じた質量のイオンを発生させる
ために、イオン源のイオン材料を交換する必要がある。
【0008】前記問題点(1)について説明する。図8
はイオン散乱の概念図である。図において、mi はイオ
ン粒子の質量、m o は試料中の相手の原子の質量、v1
はイオン粒子の照射時の速度、v2 はイオン粒子の散乱
後の速度である。v1 の速度を持ったmi の質量のイオ
ン粒子が静止しているmo の質量の原子に衝突したと
き、おおよそ180度方向に散乱されるイオン粒子の衝
突後の速度v2 は次の式 v2 =(mo −mi )v1 /(mo +mi ) …(2) によって表される。
【0009】前記式(2)において、mi とv1 は既知
であるから、イオン粒子の散乱後の速度v2 を測定する
ことによって相手の原子の質量mo を算出することがで
きる。しかし、イオン粒子の衝突後の動きは、イオンの
質量mi と相手の原子の質量mo に応じて異なる。
【0010】例えば、mo ≫mi のとき、つまり、相手
の原子の質量mo が照射されるイオン粒子の質量mi
比べて非常に大きい場合には、イオン粒子の衝突後の速
度v 2 はほぼイオン粒子の照射時の速度v1 に等しくな
り、相手の原子の質量mo の値によってほとんど変化し
なくなり測定精度が低下する。一方、mo ≦mi のと
き、つまり、相手の原子の質量mo が照射されるイオン
粒子の質量mi に比べて小さい場合には、イオン粒子は
後方には散乱されてこないため測定することができな
い。
【0011】したがって、試料の原子の質量mo の値を
精度よく測定するためには、試料の原子の質量mo より
少しだけ軽い質量のイオン粒子を照射する必要がある。
照射イオン及び試料の原子の質量と測定精度との間には
前記のような関係があるため、試料に応じて照射するイ
オン源のイオンの質量を変える必要があり、そのため従
来はイオン材料を分析する試料の原子に応じて交換して
いる。 (2)したがって、同一の試料の分析であっても分析の
目的とする元素の質量に応じて照射用のイオン材料を交
換する必要がある。従来該照射用のイオン材料の交換
は、固体のイオン材料の交換や、イオン材料のガスをバ
ルブの操作やガスボンベの交換等によって行なってい
る。したがって、このイオン材料の交換は分析操作の煩
雑化や分析時間の長時間化を招く要因となっている。
【0012】本発明は上記の問題点を除去し、照射用の
イオン材料を交換を要することなく目的とするイオン散
乱スペクトルを得ることのできる飛行時間形イオン散乱
分光装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点
を克服するために、イオン散乱分光装置において、イオ
ン源と、イオン源からのイオンビームが照射される試料
と、試料からの散乱イオンビームを検出する検出器と、
照射イオンビームと散乱イオンビームの時間差を求める
手段とからなり、前記イオン源は異なった質量のイオン
が混合してなるイオンビームを発生することによって飛
行時間形イオン散乱分光装置を構成するものである。
【0014】
【作用】本発明によれば、イオン源は重いイオンと軽い
イオン等の異なった質量のイオンが混合してなるイオン
ビームを発生するため、従来、それぞれ単独のイオン源
を交換して複数回の測定によって得られているイオン散
乱スペクトルを一回の測定で得ることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について図を参照しな
がら詳細に説明する。図1は本発明の飛行時間形イオン
散乱分光装置の構成図であり、同軸形直衝突イオン散乱
分光装置(CAICISS:Coaxial Impa
ct Collision Ion Scatteri
ng Spectroscopy)に適用した実施例で
ある。
【0016】図において、1は試料、2は試料チャン
バ、3はチューブ、4はイオン源、5はイオン源コント
ローラ、6は照射イオンビーム、7は散乱イオンビー
ム、10は検出器、11はプリアンプ、12は計時装
置、13はチョッピング電極、14はチョッピングコン
トローラ、15はデータ処理コンピュータ、16は検出
器電源、20,21は排気装置である。
【0017】前記構成の飛行時間形イオン散乱分光装置
において、イオン源4から発せられた照射イオンビーム
6はチューブ3を通過して試料チャンバ2内の試料1に
入射され、そのイオン粒子は試料1の原子と衝突して散
乱される。散乱された散乱イオンビーム7は検出器10
によって検出される。前記イオン源4はイオン源コント
ローラ5によって制御され、また、検出器10は検出器
電源16によって駆動される。
【0018】また、前記チューブ3やイオン源4は排気
装置20及び排気装置21によって排気が行われる。次
に、飛行時間法による散乱粒子のエネルギー測定につい
て説明する。イオン源4からの照射イオンビームはチョ
ッピング電極13によってパルス化され、パルスビーム
として試料1に照射れる。前記チョッピング電極13に
よるパルス化はチョッピングコントローラ14からのパ
ルス信号によって行われる。
【0019】前記チョッピングコントローラ14からは
前記パルス信号と同時に計時装置12にスタートパルス
が入力され、計時装置12の計時をスタートする。一
方、検出器10は散乱イオンビーム7を検出すると、そ
の検出信号はストップパルスとしてプリアンプ11を介
して計時装置12に入力され、計時装置12の計時をス
トップする。
【0020】計時装置12においては、スタートパルス
とストップパルスとの時間差をデジタルカウントに変換
するなどの処理によって時間測定を行う。この時間測定
によって得られる値は、照射イオンビーム6がチョッピ
ング電極13を通過してから散乱イオンビーム7が検出
器10によって検出されるまでの時間間隔であり、この
計時装置12の計測の時間とイオンビームが走行する距
離とからエネルギーを測定することができる。
【0021】計時装置12によって得られるデータはデ
ータ処理コンピュータ15によって行われる。そして、
本発明の飛行時間形イオン散乱分光装置において、前記
イオン源4は異なった質量のイオンが混合したイオンビ
ームを発生するものである。次に、本発明の飛行時間形
イオン散乱分光装置による元素分析について説明する。
【0022】以下において、試料表面に2種類の重い元
素と2種類の軽い元素の合計4種類の元素が存在する場
合を例として説明する。しかし、本発明の飛行時間形イ
オン散乱分光装置は、この元素の組み合わせに限定され
るものではなく、他の元素の組み合わせであっても分析
を行うことができる。始めに、イオン源4から照射され
るイオンとして、試料表面にある最も軽い元素よりも軽
い質量のイオンを用いた場合について説明する。この場
合は、飛行時間形イオン散乱分光装置における従来の単
一のイオンの照射による分析に対応するものである。
【0023】図4は軽い質量のイオンによるイオン散乱
図、及びイオン散乱スペクトルである。図において、m
ilは軽い質量のイオン粒子、mol1 は相手側の軽い元
素、m ol2 はmol1 よりわずかに重い相手側の軽い元
素、moh1 は相手側の重い元素、moh2 はmoh1 よりわ
ずかに重い相手側の重い元素である。図4の(a)にお
いて、軽い質量のイオン粒子milが相手側の軽い元素m
ol1に衝突して散乱される様子を示しており、散乱され
た軽い質量のイオン粒子milの矢印の長さはその散乱速
度を示している。また、同様に、図4の(b)におい
て、軽い質量のイオン粒子milが相手側の軽い元素m
ol2 に衝突して散乱される様子を示しており、散乱され
た軽い質量のイオン粒子milの矢印の長さはその散乱速
度を示している。図4の(a)と図4の(b)の散乱さ
れた軽い質量のイオン粒子milの散乱速度を比較する
と、mol1 よりわずかに重い元素mol2 によって散乱さ
れたイオン粒子milの方がその散乱速度は速くなる。
【0024】前記速度の差について、図2の粒子の散乱
概念図によって説明する。図2において、mi はイオン
粒子、mo1は相手側の元素、mo2はmo1よりも軽い相手
側の元素、v21はmo1によって散乱されたイオン粒子の
散乱速度、v22はmo2によって散乱されたイオン粒子の
散乱速度である。前記散乱速度v21及びv22は、前記式
(1)によって表され、v21とv22の差は v21−v22=2mi (mo1−mo2vil /{(mo1+mi )(mo2+mi )} …(3) によって表されるので、イオン粒子の衝突する相手側の
元素の重さによって散乱速度に差が生じ、相手側の元素
が重いほど散乱速度は速くなる。
【0025】図4の(a)と図4の(b)における散乱
された軽い質量のイオン粒子milのスペクトルを測定
し、横軸を飛行時間、縦軸を散乱強度とすると図4の
(e)となる。図4の(e)において、aは図4の
(a)で示される軽い質量のイオン粒子milによるピー
クであり、bは図4の(b)で示される軽い質量のイオ
ン粒子milによるピークである。
【0026】一方、図4の(c)は、軽い質量のイオン
粒子milが相手側の重いイオン粒子moh1 に衝突して散
乱される様子を示しており、同様に、図4の(d)にお
いて、軽い質量のイオン粒子milが相手側の重い元素m
oh2 に衝突して散乱される様子を示しており、散乱され
た軽い質量のイオン粒子milの矢印の長さはその散乱速
度を示している。図4の(c)と図4の(d)の散乱さ
れた軽い質量のイオン粒子milの散乱速度を比較する
と、moh1 よりわずかに重い元素moh2 によって散乱さ
れたイオン粒子milの方がその散乱速度は速くなる。
【0027】また、前記散乱速度の差は前記式(3)か
ら相手側の元素の質量が大きいほど小さくなり、図4の
(c)と図4の(d)のイオン粒子milの散乱速度の差
は前記図4の(a)と図4の(b)のイオン粒子mil
散乱速度の差よりも小さくなる。前記と同様に、図4の
(c)と図4の(d)における散乱された軽い質量のイ
オン粒子milのスペクトルを測定し、図4の(e)に表
すとそれぞれc及びdのピークとなる。
【0028】したがって、イオン源から照射されるイオ
ンとして、試料表面にある最も軽い元素よりも軽い質量
の単一のイオンを用いた場合には、軽い元素による2つ
のピークは充分に分離することができるが、重い元素に
よる2つのピークは速度差が小さく充分に分離すること
ができない。次に、イオン源4から照射されるイオンと
して、2種類の重い元素と2種類の軽い元素との間の質
量のイオンを用いた場合について説明する。この場合も
前記の場合と同様に、飛行時間形イオン散乱分光装置に
おける従来の単一のイオンの照射による分析に対応する
ものである。
【0029】図5は重い質量のイオンによるイオン散乱
図、及びイオン散乱スペクトルである。図において、m
ihは重い質量のイオン粒子、mol1 は相手側の軽い元
素、m ol2 はmol1 よりわずかに重い相手側の軽い元
素、moh1 は相手側の重い元素、moh2 はmoh1 よりわ
ずかに重い相手側の重い元素である。図5の(a)にお
いて、重い質量のイオン粒子mihが相手側の軽い元素m
ol1に衝突して散乱される様子を示しており、また、同
様に、図5の(b)において、重い質量のイオン粒子m
ihが相手側の軽い元素mol2 に衝突して散乱される様子
を示している。
【0030】この場合においては、軽い元素による散乱
イオンは後方には戻ってこないため測定することができ
ない。一方、図5の(c)は重い質量のイオン粒子mih
が相手側の重いイオン粒子m oh1 に衝突して散乱される
様子を示しており、同様に、図5の(d)は重い質量の
イオン粒子mihが相手側の重い元素moh2 に衝突して散
乱される様子を示しており、散乱された重い質量のイオ
ン粒子mihの矢印の長さはその散乱速度を示している。
【0031】図5の(c)と図5の(d)の散乱された
重い質量のイオン粒子mihの散乱速度を比較すると、m
oh1 よりわずかに重い元素moh2 によって散乱されたイ
オン粒子mihの方がその散乱速度は速くなる。ここで、
図4の軽いイオン粒子milの速度と図5の重いイオン粒
子mih速度との速度差について、図3のイオン粒子の速
度概念図によって説明する。
【0032】図において、milは軽いイオン粒子であ
り、mihは重いイオン粒子である。イオンの速度は質量
の平方根に反比例するので、軽いイオン粒子milの速度
ilは重いイオン粒子mihの速度vihよりも速くなる。
したがって、図4の軽いイオン粒子milの速度と図5の
重いイオン粒子mihの速度とを比較すると、重いイオン
粒子mihの速度は遅くなる。
【0033】図5の(c)と図5の(d)における散乱
された重い質量のイオン粒子mihのスペクトルを測定
し、図4の(e)と同様に横軸を飛行時間、縦軸を散乱
強度として、図5の(e)に表すとそれぞれC及びDの
ピークとなる。重い質量のイオン粒子mihの速度は軽い
質量のイオン粒子milの速度よりも遅いため、同一の重
い元素に対するピークである、図5の(e)のC及びD
のピーク位置は図4の(e)のc 及びd のピーク位置よ
りも飛行時間が長くなる。
【0034】したがって、イオン源から照射されるイオ
ンとして、2種類の重い元素と2種類の軽い元素との間
の質量のイオンを用いた場合には、軽い元素による測定
を行うことができないのに対して、重い元素による2つ
のピークは充分に分離することができる。次に、イオン
源4から照射されるイオンとして、試料表面にある最も
軽い元素よりも軽い質量のイオンと2種類の重い元素と
2種類の軽い元素との間の質量のイオンの2つのイオン
を混合したものを用いた場合について説明する。この場
合は、飛行時間形イオン散乱分光装置における本発明の
2つのイオンの照射による分析に対応するものである。
【0035】図6は軽い質量のイオン及び重い質量のイ
オンによるイオン散乱図、及びイオン散乱スペクトルで
ある。図において、milは軽い質量のイオン粒子、mih
は重い質量のイオン粒子、mol1 は相手側の軽い元素、
ol2 はmol1 よりわずかに重い相手側の軽い元素、m
oh1 は相手側の重い元素、moh2 はmoh1 よりわずかに
重い相手側の重い元素である。
【0036】図6の(a)において、軽い質量のイオン
粒子mil及び重い質量のイオン粒子mihが、相手側の軽
い元素mol1 に衝突して散乱される様子を示されてお
り、散乱された軽い質量のイオン粒子milの矢印の長さ
はその散乱速度を示している。また、同様に、図6の
(b)において、軽い質量のイオン粒子mil及び重い質
量のイオン粒子mihが相手側の軽い元素mol2 に衝突し
て散乱される様子を示している。
【0037】この場合においては、重い質量のイオン粒
子mihの軽い元素による散乱イオンは後方には戻ってこ
ないため測定することができない。図6の(a)と図6
の(b)の散乱された軽い質量のイオン粒子milの散乱
速度を比較すると、前記図4の(a)と図4の(b)と
同様にして、mol1 よりわずかに重い元素mol2 によっ
て散乱されたイオン粒子milの方がその散乱速度は速く
なる。
【0038】図6の(a)と図6の(b)における散乱
された軽い質量のイオン粒子milのスペクトルを測定
し、横軸を飛行時間、縦軸を散乱強度とすると図6の
(e)となる。図6の(e)において、aは図6の
(a)で示される軽い質量のイオン粒子milによる軽い
元素のピークであり、bは図6の(b)で示される軽い
質量のイオン粒子milによる他の軽い元素のピークであ
る。
【0039】一方、図6の(c)は、軽い質量のイオン
粒子mil及び重い質量のイオン粒子mihが相手側の重い
イオン粒子moh1 に衝突して散乱される様子を示してお
り、同様に、図6の(d)は、軽い質量のイオン粒子m
il及び重い質量のイオン粒子mihが相手側の重い元素m
oh2 に衝突して散乱される様子を示している。図におい
て、散乱された軽い質量のイオン粒子mil及び重い質量
のイオン粒子mihの矢印の長さはその散乱速度を示して
いる。
【0040】図6の(c)と図6の(d)の散乱された
軽い質量のイオン粒子milの散乱速度を比較すると、m
oh1 よりわずかに重い元素moh2 によって散乱されたイ
オン粒子milの方がその散乱速度は速くなる。また、前
記散乱速度の差は前記式(3)から相手側の元素の質量
が大きいほど小さくなり、図6の(c)と図6の(d)
のイオン粒子milの散乱速度の差は前記図6の(a)と
図6の(b)のイオン粒子milの散乱速度の差よりも小
さくなる。
【0041】前記と同様に、図6の(c)と図6の
(d)における散乱された軽い質量のイオン粒子mil
及び重い質量のイオン粒子mihのスペクトルを測定し、
図6の(e)に表すと軽い質量のイオン粒子milによる
2種類の重い元素のピークはそれぞれc及びdとなり、
また、重い質量のイオン粒子mihによる2種類の重い元
素のピークはそれぞれC及びDとなる。
【0042】したがって、重い元素により生じるピーク
は、軽い質量のイオン粒子milによるスペクトルc及び
dと、重い質量のイオン粒子mihによるスペクトルC及
びDの2つ生じることになり、この内重い質量のイオン
粒子mihによって充分に分離可能なスペクトルC及びD
を得ることができる。したがって、イオン源から照射さ
れるイオンとして、試料表面にある最も軽い元素よりも
軽い質量のイオンと2種類の重い元素と2種類の軽い元
素との間の質量のイオンの2つのイオンを混合したもの
を用いた場合には、それぞれきのスペクトルが時間的に
異なった位置に現れるため、互いに悪影響を及ぼすこと
なく軽い元素による2つのピークと重い元素による2つ
のピークを充分に分離することができる。
【0043】前記実施例においては、直衝突形イオン散
乱分光装置を例にして説明したが、本発明は直衝突形に
限定されるものではなく、飛行時間法による他の形態に
よるイオン散乱分光装置に適用することができる。な
お、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本
発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、それらを
本発明の範囲から排除するものではない。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、 (1)分析する試料に応じた質量のイオンを発生させる
ために、イオン材料を交換する必要がない。 (2)一回の測定で、軽い元素から重い元素まで分解能
の良いイオン散乱スペクトルを測定することができる。 (3)したがって、分析操作の簡略化と分析時間の短縮
化を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の飛行時間形イオン散乱分光装置の構成
図である。
【図2】粒子の散乱概念図である。
【図3】イオン粒子の速度概念図である。
【図4】軽い質量のイオンによるイオン散乱図及びイオ
ン散乱スペクトルである。
【図5】重い質量のイオンによるイオン散乱図及びイオ
ン散乱スペクトルである。
【図6】軽い質量のイオン及び重い質量のイオンによる
イオン散乱図及びイオン散乱スペクトルである。
【図7】従来の飛行時間形のイオン散乱分光装置の構成
図である。
【図8】イオン散乱の概念図である。
【符号の説明】
1…試料、2…試料チャンバ、3…チューブ、4…イオ
ン源、5…イオン源コントローラ、6…照射イオンビー
ム、7…散乱イオンビーム、10…検出器、11…プリ
アンプ、12…計時装置、13…チョッピング電極、1
4…チョッピングコントローラ、15…データ処理コン
ピュータ、16…検出器電源、20,21…排気装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン散乱分光装置において、(a)イ
    オン源と、(b)前記イオン源からのイオンビームが照
    射される試料と、(c)前記試料からの散乱イオンビー
    ムを検出する検出器と、(d)前記照射イオンビームと
    前記散乱イオンビームの時間差を求める手段とからな
    り、(e)前記イオン源は異なった質量のイオンが混合
    してなるイオンビームを発生することを特徴とする飛行
    時間形イオン散乱分光装置。
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