JPH0620566A - 高速再閉路接地装置 - Google Patents

高速再閉路接地装置

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JPH0620566A
JPH0620566A JP4178702A JP17870292A JPH0620566A JP H0620566 A JPH0620566 A JP H0620566A JP 4178702 A JP4178702 A JP 4178702A JP 17870292 A JP17870292 A JP 17870292A JP H0620566 A JPH0620566 A JP H0620566A
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岳志 横田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 他相で後追い地絡事故が発生しそれが事故発
生相の接地装置の開極途中であっても、事故発生相にお
ける誘導電流の遮断を確実に行うことができ、その後の
遮断器の高速再閉路を可能とした高速再閉路接地装置を
提供する。 【構成】 事故相の高速再閉路接地装置HSESの開極
動作時において、他相の後追い地絡事故を送電線保護リ
レーRyにて検出すると、その検出指令が、動作相の動
作制御ユニット10に導かれる。この検出指令が、時限
保持タイマー6の動作保持時間内に入り、既に入力され
ている開極指令とのアンド条件が成立する場合のみ、即
時投入指令が出力部8から出される。このようにして再
投入された接地装置には、時限後保持タイマー10cに
よる時間経過後に再度開極指令が出される。この時点で
は、既に他相の後追い地絡事故が解消されているので、
電流零点を利用して事故相の誘導電流を遮断することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力用高電圧送電線に
おいて、送電線路の碍子連アークホーン間に生じる逆フ
ラッシオーバー(逆閃絡)によって1線地絡事故が発生
した場合、その送電線路を高速で再閉路するために使用
される高速再閉路接地装置に関するもので、特に、前記
地絡事故が発生した相と同一回線の他相にて前記地絡事
故と時差を持って後追い地絡事故が発生する場合でも、
遮断器の再閉路による再送電を可能にする高速再閉路接
地装置に係る。
【0002】
【従来の技術】送電線に雷が落ちると、送電線に吊られ
た碍子連のアークホーンに逆フラッシオーバーが発生す
る。送電線に生じる事故の大半は、この逆フラッシオー
バーを原因とする1線地絡事故である。地絡事故による
故障を解消するためには、故障区間を無電圧として、事
故原因である逆フラッシオーバーを消弧してしまえば良
い。具体的には、故障を起こした送電線の両端にある送
電線路用の遮断器に再閉路動作を行わせることが有効で
ある。再閉路動作とは、一旦開極して、故障区間を無電
圧とし、逆フラッシオーバーを消弧した後、再度投入す
ることである。この様な再閉路動作を行うことにより、
停電に至ることなく、再送電を行うことができる。再閉
路の代表的な方式としては単相再閉路方式がある。この
単相再閉路方式は、電力の変動が少なく、過渡安定度に
優れているため広く使われている。
【0003】ところが、近年では電力需要の増大に伴っ
て、高電圧送電線として1100kVなどUHV系送電
線が用いられている。このUHV系送電線にて単相再閉
路を行う場合には、従来の500kV系統の場合に比較
して、同一回線の他相や併架された他回線から受ける静
電電磁誘導が大きい。このような他相からの静電電磁誘
導が大きいと、碍子連アークホーンの逆フラッシオーバ
ーが発生した時、たとえ故障区間両端の遮断器を開極状
態にしたにせよ、逆フラッシオーバーを消弧することが
難しくなる。そこで、UHV系のような高電圧送電線で
は、逆フラッシオーバーを消弧するために、高電圧送電
線の1線地絡相に高速再閉路接地装置が設置されてい
る。すなわち、事故発生箇所をその両端の遮断器によっ
て送電線路から切り離した後、この高速再閉路接地装置
を遮断器の開閉動作と協調して高速投入することによ
り、碍子連アークホーンに持続する電磁誘導電流アーク
を消弧し、且つ即座に開極動作を行って誘導電流を遮断
して、遮断器の再閉路による再送電を可能にしている。
【0004】以下、この高速再閉路接地装置を採用した
保護システムを、図面を参照して具体的に説明する。図
3はこのシステムの構成を示す説明図である。図におい
て、1はブッシング、3はUHV系の鉄塔である。2は
高電圧用の送電線であり、上相、中相、下相の3線を有
し、ブッシング1と鉄塔3又は鉄塔3同士の間に張り渡
されている。各鉄塔3にはアークホーン3aを備えた碍
子連3bが設けられ、この碍子連3bによって送電線2
が鉄塔3に吊り下げられている。送電線2の一定区間の
両端には、遮断器GCBと高速再閉路接地装置HSES
が設けられている。なお、4は雷雲、5は雷である。こ
のシステムにおいて、3線の送電線2のある1線に雷雲
4から雷5が落ちると、その送電線2を吊り下げている
碍子連3bのアークホーン3aに逆フラッシオーバー3
cが発生し、送電線2からこの逆フラッシオーバー3c
を介して鉄塔3へ地絡事故電流が流れ、地絡事故が生じ
る。
【0005】この逆フラッシオーバー3cにより1線地
絡事故が起きた場合の遮断器GCB及び高速再閉路接地
装置HSESの動作順序を、図4の動作シーケンス図に
沿って説明する。すなわち、地絡事故発生前は、遮断器
GCBは投入状態、高速再閉路接地装置HSESは開極
状態である。送電線2に地絡事故が発生すると、送電線
保護リレー時間であるT1時間経過後、まず遮断器GC
Bが開極動作を行う。しかし、事故送電線2には、他相
からの静電電磁誘導により誘導電流が流れ、それによっ
てアークホーン3a間には依然として逆フラッシオーバ
ー3cが持続している。そこで、遮断器GCBが開極し
た状態で、高速再閉路接地装置HSESを強制的に高速
で投入動作を行い、アークホーン3a部分で接地されて
いる誘導電流を高速再閉路接地装置HSES側に導くこ
とにより、アークホーン3aの逆フラッシオーバーを消
弧する。高速再閉路接地装置は、θ時間投入状態を続け
て逆フラッシオーバーを消弧した後、開極状態に戻って
誘導電流を遮断し、最後に遮断器が投入動作を行い送電
を再開する。
【0006】続いて、図5を参照して、地絡事故電流及
び高速再閉路接地装置HSESに流れる電流について説
明する。前記の通り、送電線2は上相、中相、下相を有
しており、各相には所定の負荷電流が流れているが、前
記の地絡事故が送電線2の中相にて発生したと仮定す
る。送電線2の中相において、図中T01が地絡事故発
生時、T02が遮断器GCBの開極動作開始時で、送電
線2の中相にT01〜T02間だけ事故電流が流れてい
る。ところが、送電線2の中相は他の健全相である上相
及び下相や、併架された他の回線から静電電磁誘導を受
けるため、遮断器が開極した状態では、そのアークホー
ンには誘導電流に起因する逆フラッシオーバーが依然と
して生じているため、逆フラッシオーバーの消弧のため
に高速再閉路接地装置を投入する。すると、高速再閉路
接地装置には、図5に示すように、その投入時点T03
以降、最初は直流成分の含まれた地絡事故電流と電磁誘
導電流とが重畳され電流零点よりも変移した電流が流
れ、その後地絡事故電流が接地されるにつれて電磁誘導
電流成分が多くなり、電流零点を通る交流電流が流れる
ことになる。そこで、高速再閉路接地装置によって、こ
の誘導電流を遮断する場合には、電流零点になるタイミ
ングを捕らえて開極動作を行う。
【0007】しかし、このような電磁誘導電流は、図6
に示すように、2000Aにも達するものであり、その
電流遮断時には、図7に示すように、電気回路の過渡現
象分と故障送電線が他線から受ける静電誘導電圧が重畳
した過渡回復電圧とが印加される。このような比較的大
きな電流と、比較的大きな上昇率及び高い波高値の過渡
回復電圧条件の遮断は、単にSF6 ガス中で棒状の接触
子を開閉するだけの並切り形の接地開閉器では遮断する
ことができず、遮断器と同様にパッファ形の消弧室を有
する高速再閉路接地装置が必要となる。
【0008】図8は、前記のような高速再閉路接地装置
として従来から知られている装置の具体的構成を示すも
のである。この高速再閉路接地装置は、絶縁ガスを充填
した接地タンク19内に収納されており、タンク19の
中心部に送電線側に接続された導体11が設けられ、そ
の一部に固定電極12が設けられている。タンク19に
おける固定電極12に対向した部分には、可動電極13
が固定電極12に向かって接離可能に支持されている。
この固定電極12は、その基部において、図示しない操
作装置に連結されいる。可動電極13の先端側には、可
動電極13と同心円状に消弧ガス案内用のノズル14が
設けられている。このノズル14は、可動電極13の外
周に同心円状に配置されたパッファシリンダ18の先端
に固定されている。このパッファシリンダ18の基部が
可動電極13の操作装置に連結され、可動電極13と共
に固定電極側に向かって往復動する。可動電極13とパ
ッファシリンダ18との間の空間がパッファ室16にな
っており、その先端側は前記ノズル14の連通してい
る。パッファ室16の基端側(ノズル14と反対側)に
は、固定されたパッファピストン17が設けられてい
る。このパッファピストン17は、可動電極13及びパ
ッファシリンダ18の対してスライド自在に組み込まれ
ている。
【0009】このような構成を有する従来の高速再閉路
接地装置を、図8のような開極状態とする場合には、図
示しない操作装置を駆動して、可動電極13及びパッフ
ァシリンダ18をタンク19側(図中下方)に移動さ
せ、固定電極12と可動電極13とを開離させる。する
と、移動するパッファシリンダ18と固定されているパ
ッファピストン17との間のパッファ室16の容積が縮
小し、パッファ室16内部の絶縁ガスが消弧ガス21と
なってノズル14から吹き出され、固定電極12と可動
電極13との間のアークを消弧する。この場合の可動電
極13のストローク20とパッファ室16内のパッファ
圧力ΔPとの関係を示すと、図9の通りである。すなわ
ち、可動電極13の開極ストロークのほぼ1/2の行程
においてパッファ圧力は最大値に達し、開極完了に伴い
圧力は低下している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
な高速再閉路接地装置による電流遮断時において、送電
線の隣接する他の相、例えば図5の上相で時間T04に
おいて、直流電流成分が多い後追い故障が発生すると、
中相の送電線には、上相の事故電流による電磁誘導で生
じた直流電流成分の多い誘導電流が流れ、図5のA部分
に示すように、中相の高速再閉路接地装置には電流零点
を形成しない零ミス電流が流れることになる。この零ミ
ス電流を遮断することは、通常の交流電流の零点遮断に
比較すると格段に困難であり、従来の高速再閉路接地装
置の能力を超えたものである。その結果、後追い故障の
発生タイミングがちょうど中相の高速再閉路接地装置の
開極タイミングと重なり、合せて後追い故障電流分に直
流電流分が多く含まれている場合には、再閉路が実現さ
れず、高電圧の電力送電に対し由々しい問題が発生する
ことになる。
【0011】この点を、図8の高速再閉路接地装置の動
作に従って具体的に述べると、次の通りである。まず、
図8の装置では、可動側接触子13が開極動作を止める
までの間、パッファシリンダ18内の絶縁性消弧ガスを
固定側と可動側の両接触子12,13間に発生している
アークに吹き付けることにより、アークの消弧と電流遮
断及び電流後の耐極間電圧責務を処理している。ところ
が、前記高速再閉路接地装置に求められる開極時の過渡
回復電圧性能を考えると、図7の波形に示すように商用
周波の1/2のサイクルで過渡回復電圧ピークを得るた
め、開極スピードは遮断器並の速度が必要となり、前記
図9の開極開始からストロークエンドに達するまでの時
間tが短く、ΔPが一定値以上にある実質のガス流れ吹
き付け時間は2サイクル程度が限界である。
【0012】一方、高速再閉路接地装置開極動作直後
で、まだ高速再閉路接地装置が電流遮断を完了する前に
前述のように隣接相で後追い故障が発生すると、図5の
A部に示すような電流零点を形成しない誘導電流(約数
千A)が4サイクル程度流れる条件が発生する。この場
合、交流電流の消弧メカニズム上、電流零点を形成しな
いアークの消弧が難しいことから、このタイミングで後
追い故障誘導電流を受けた高速再閉路接地装置はストロ
ーク終端まで開極動作を終了しても極間にアークを形成
し続けることになる。そして、その後、電流零点が復帰
したアーク電流となっても、2サイクル程度であるパッ
ファ室からのガス流の吹き付け時間はすでに経過してい
るため、消弧不能状態のままとなる。
【0013】本発明は以上のような従来技術の有する問
題点を解消するために提案されたもので、その目的とす
るところは、1線地絡事故発生後に他相で後追い地絡事
故が発生しそれが前記事故発生相の接地装置の開極途中
であっても、前記事故発生相における誘導電流の遮断を
確実に行うことができ、その後の遮断器の高速再閉路を
可能とした高速再閉路接地装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、遮断器を結ぶ高電圧送電線の1線地絡相
に設置されており、前記送電線に設けられた碍子連のア
ークホーンにおける逆フラッシオーバーによる1線地絡
事故に対して、前記送電線の両端にある遮断器を開極し
た状態で高速で投入動作を行い、前記逆フラッシオーバ
ーの消弧後に開極動作を行う高速再閉路接地装置におい
て、前記地絡事故が発生した相と同一回線の他相にて前
記地絡事故と時差を持って後追い地絡事故が発生したこ
とを検知する送電線保護リレーと、前記高速再閉路の一
連の動作のうち最後の開極動作を行っている最中に、前
記送電線保護リレーが前記後追い地絡事故を検出した
際、該開極動作完了後直ちに投入動作を連続して行うよ
うに即座に投入指令を発し、続けて他相における地絡事
故が除去された後に開極動作を行うように開極指令を発
する制御ユニットを設けたことを特徴とする。
【0015】
【作用】以上のような構成を有する本発明においては、
地絡事故発生相の高速再閉路接地装置に開極指令を出し
た時点から一定の時差内に、静電電磁誘導の影響が大き
い同一回線の他相にて後追い地絡事故が発生した場合、
その後追い故障発生相の地絡故障検出保護リレーが地絡
検出信号を発する。この検出信号を基に、開極動作中の
地絡事故発生相の高速再閉路接地装置に投入指令を発
し、その高速再閉路接地装置の開極動作完了後に続けて
投入動作をさせる。その後、他相の後追い故障が解消さ
れ、零点ミス電流が消滅したタイミングを見図らって再
度続けて高速再閉路接地装置が開極動作を行い、地絡事
故発生相の誘導電流をその電流零点にて遮断する。
【0016】
【実施例】以下、本発明による高速再閉路接地装置の一
実施例を図1及び図2を参照して具体的に説明する。な
お、図3に示した従来技術と同一の部分に関しては同一
符号を付し、説明は省略する。
【0017】(1)実施例の構成 図1(A)は本実施例を含むシステムの構成図である。
この図1(A)に示すように、同一回線を構成する各相
の送電線2の両端には、従来技術と同様に遮断器GCB
と高速再閉路接地装置HSESがそれぞれ設けられてい
る。各相の高速再閉路接地装置HSESは、それぞれそ
の動作制御ユニット10に接続され、このユニット10
からの投入指令及び開極指令に基づいて開閉し、アーク
ホーン3aに生じる逆フラッシオーバー3cの消弧及び
誘導電流の遮断を行う。この高速再閉路接地装置の動作
制御ユニット10は、各相の地絡事故検出用の送電線保
護リレーRyに接続されている。この保護リレーRy
は、それが設けられた相の地絡事故を検出し、その検出
信号を前記動作制御ユニット10に送出するものであ
る。この地絡事故の検出手段としては、従来公知の検出
手段を適宜使用できるが、本実施例では、各相の遮断器
GCBに近接して変流器CTを設け、この変流器CTに
よって送電線2の電流を監視することにより地絡事故を
検出する。
【0018】動作制御ユニット10の構成は、図1
(B)に拡大して示す通りである。この動作制御ユニッ
ト10は、地絡事故発生相の高速再閉路接地装置HSE
Sの開極指令の入力部10aと、同一回線の他相の保護
リレーRyから入力された後追い地絡事故検出信号の検
出部10bとを備えている。この後追い地絡事故検出信
号の検出部10bは、一例としてその動作保持時間を1
〜5サイクルの間で可変とした時限保持タイマー6に接
続され、この時限保持タイマー6と前記開極指令の入力
部10aとがアンド回路7に接続されている。アンド回
路7は、投入指令と開極指令の2つの出力部8,9を有
しており、このうち開極指令の出力部9は、一例として
その時限後動作時間を1サイクルから1秒の間で可変と
した時限後動作タイマー10cを介して、動作制御ユニ
ット10外部の高速再閉路接地装置に接続されている。
また、前記開極指令の入力部10aは、前記アンド回路
7や時限後動作タイマー10cを介することなく、直接
開極指令の出力部9に接続されている。
【0019】ここで、動作制御ユニット10の投入及び
開極の2つの出力部8,9は、投入指令が優先する投入
フリー機能となるように設定されている。すなわち、高
速再閉路接地装置の開極動作途中及び動作完了直後で、
先に出されている開極指令が復帰する以前(開極完了の
信号が動作制御ユニットに戻される以前)に投入指令を
受けると、高速再閉路接地装置はその投入指令により投
入される。しかし、そのままでは、先の未復帰の開極指
令により、一旦投入された高速再閉路接地装置が再度開
極を開始するポンピング状態となる。本実施例では、こ
れを防止するために、投入指令を優先して、未復帰の開
極指令は一度復帰してからでないと受付けないように、
動作制御ユニット10を構成している。
【0020】(2)実施例の作用 前記のような構成を有する本実施例では、図2に示すよ
うに、ある相で1線地絡事故が発生すると、その相の送
電線2では、遮断器GCBが開極し、電流を遮断する。
その後一定のタイミングで、高速再閉路接地装置HSE
Sが投入され、アークホーン3aの逆フラッシオーバー
3cを消弧する。投入された高速再閉路接地装置には、
一定の時間θ´経過後に開極指令が出される。この開極
指令は、動作制御ユニット10にその入力部10aから
入力され、出力部9から高速再閉路接地装置に出力され
てその開極動作を開始させると同時に、時限保持タイマ
ー6に対して動作保持時間のカウント開始の指令を与え
る。この状態で、特に他相で後追い地絡が発生しなけれ
ば、高速再閉路接地装置の開極は成功し、誘導電流の遮
断が行われ、引き続いて遮断器GCBが投入されて送電
線の再閉路がなされる。
【0021】ところが、開極途中において高速再閉路接
地装置の動作相以外の相で後追い地絡事故が発生する
と、その影響で零点ミス電流が発生し、前記のような開
極動作では誘導電流の遮断は不可能になる恐れがある。
そこで、本実施例では、他相の後追い地絡事故を送電線
保護リレーRyにてを検出すると、その他相の地絡事故
検出指令が、既に動作している相の高速再閉路接地装置
の動作制御ユニット10に導かれる。この他相地絡事故
検出指令が、高速再閉路接地装置の開極直後、すなわち
前記時限保持タイマー6の動作保持時間内に入った場
合、時限保持タイマー6を介してこの他相地絡事故検出
指令がアンド回路7に入力される。
【0022】そして、この他相地絡事故検出指令と、既
に動作制御ユニット10に入力されている開極指令との
アンド条件が成立する場合のみ、即時投入指令がその出
力部8から高速再閉路接地装置に出される。その結果、
図2に示すように、前記開極指令で開極された高速再閉
路接地装置は、直ちに再投入される。この投入指令の復
帰は、時限後動作タイマー10cに対する図2のθ時間
のカウント開始指令となり、このθ時間経過後に再度高
速再閉路接地装置に開極指令が出される。この時点で
は、既に他相の後追い地絡事故が他相の遮断器及び高速
再閉路接地装置の作用により解消され、例えば4サイク
ル程度継続する零点ミス電流も解消しているので、再び
開極動作を行うパッファ室からの消弧ガス流により電流
零点を利用して事故相の誘導電流を遮断することができ
る。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、他
相での後追い地絡事故が発生した場合に、一旦開極した
高速再閉路接地装置を即時投入して、一定の時間経過後
に再度開極することにより、他相の後追い地絡事故によ
る静電、電磁誘導によって動作相に誘導させる電流零点
を形成しない誘導電流を確実に遮断することが可能とな
り、後追い地絡事故時においても高速再閉路が可能な高
速再閉路接地装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高速再閉路接地装置の一実施例を示す
システム構成図で、(A)はその全体を、(B)は高速
再閉路接地装置の動作制御ユニット部を示す。
【図2】図1の実施例における動作シーケンス図。
【図3】従来の高速再閉路接地装置の一例を示すシステ
ム構成図。
【図4】従来の高速再閉路接地装置の動作シーケンス
図。
【図5】高速再閉路接地装置と各相に流れる電流の変化
を示す特性図。
【図6】高速再閉路接地装置の動作相への他相からの静
電誘導電流及び電磁誘導電流の特性を示す波形図。
【図7】高速再閉路接地装置の開極時の過渡回復電圧波
形図。
【図8】従来のパッファ形高速再閉路接地装置における
電極部分の開極状態を示す断面図。
【図9】図8の高速再閉路接地装置におけるパッファ室
圧力と動作ストロークの関係を示すグラフ。
【符号の説明】
GCB…遮断器 HSES…高速再閉路接地装置 CT…変流器 Ry…送電線保護リレー 1…ブッシング 2…送電線 3…鉄塔 6…時限保持タイマー 7…アンド回路 8…投入指令出力部 9…開極指令出力部 10…高速再閉路接地装置の動作制御ユニット 10a…開極指令入力部 10b…他相後追い地絡事故検出指令入力部 10c…時限後保持タイマー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遮断器を結ぶ高電圧送電線の1線地絡相
    に設置されており、前記送電線に設けられた碍子連のア
    ークホーンにおける逆フラッシオーバーによる1線地絡
    事故に対して、前記送電線の両端にある遮断器を開極し
    た状態で高速で投入動作を行い、前記逆フラッシオーバ
    ーの消弧後に開極動作を行う高速再閉路接地装置におい
    て、 前記地絡事故が発生した相と同一回線の他相にて前記地
    絡事故と時差を持って後追い地絡事故が発生したことを
    検知する送電線保護リレーと、 前記高速再閉路の一連の動作のうち最後の開極動作を行
    っている最中に、前記送電線保護リレーが前記後追い地
    絡事故を検出した際、該開極動作完了後直ちに投入動作
    を連続して行うように即座に投入指令を発し、続けて他
    相における地絡事故が除去された後に開極動作を行うよ
    うに開極指令を発する制御ユニットとを設けたことを特
    徴とする高速再閉路接地装置。
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