JP3369228B2 - 高速再閉路接地開閉器 - Google Patents

高速再閉路接地開閉器

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JP3369228B2 JP30266292A JP30266292A JP3369228B2 JP 3369228 B2 JP3369228 B2 JP 3369228B2 JP 30266292 A JP30266292 A JP 30266292A JP 30266292 A JP30266292 A JP 30266292A JP 3369228 B2 JP3369228 B2 JP 3369228B2
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岳志 横田
郁夫 三輪
均 溝口
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、電力用高電圧送電線に
おいて、送電線路の碍子連アークホーンの逆フラッシオ
ーバ(逆閃絡)によって発生する地絡故障を線路用遮断
器によって除去した後アークホーン部に持続する電磁誘
導電流アークを遮断器の開閉動作と協調した高速閉極動
作によって消弧し、かつ、即時の開極動作により誘導電
流を遮断して、遮断器の再閉路による再送電を可能にす
る高速再閉路接地開閉器に関する。 【0002】 【従来の技術】最近の電力需要の急激な増大に伴い、現
在の500kVクラスの送電系統に代えて、さらに高電
圧の1100kVクラスの送電系統の実用化が図られて
いる。このような1100kVクラスのUHV系送電線
で鉄塔碍子連アークホーンの閃絡による単相地絡故障に
対し単相再閉路を行った場合には、500kVクラスの
送電線よりも他相からの電磁誘導電流がはるかに大きく
なることが予想される。そして、両端の変電所の線路用
遮断器(GCB)が開路した後も、同送電線回路の他相
からの電磁誘導電流が大きいため、前記地絡故障相の鉄
塔碍子連のアークホーンのアークが消弧されず、送電を
再開できないという問題が生じることが予想される。こ
のような問題を回避するために、線路用遮断器(GC
B)を再閉路する際に、高速再閉路接地開閉器(HSE
S)を高速で強制閉極してアークホーンの逆閃絡アーク
を消弧し、その後直ちに開極して遮断器の再閉路を可能
にするシステムの実現が要望されている。 【0003】以上のような1100kVクラスの送電線
において予想されるアークホーンの逆閃絡アークを消弧
するためのシステムについて、図4乃至図10を参照し
て具体的に説明する。まず、図4は、前述したように高
速再閉路接地開閉器(HSES)を利用して高電圧送電
系統における碍子連の逆閃絡アークを消弧し、線路用遮
断器(GCB)の再閉路を可能にするシステムを示す概
念図である。この図4において、図中1は、変電所開閉
装置入口のブッシング、2は送電線、3は鉄塔、4は雷
雲、5は雷放電アークであり、3aはアークホーン、3
bは碍子連、3cはアークホーン3aに生じた逆閃絡ア
ークである。また、図5は、図4のシステム構成要素の
動作順序を示す動作シーケンス図である。 【0004】ここで、図4において、UHV系鉄塔群の
中で、落雷などによって送電線中相のアークホーン3a
に逆閃絡アーク3aが生じた際に、線路用遮断器(GC
B)と高速再閉路接地開閉器(HSES)による再閉路
動作を図5に示すシーケンス図に沿って実施する場合を
想定する。この場合、故障線路は、同回線の健全相およ
び併架他回線からの電磁誘導を受けるため、送電線両端
の変電所に設置された高速再閉路接地開閉器(HSE
S)を閉極した後、高速再閉路接地開閉器(HSES)
には、図6に示すような電磁誘導電流が流れる。この電
流を高速再閉路接地開閉器(HSES)で遮断するため
に、高速再閉路接地開閉器(HSES)の開極により、
故障送電線を接地状態から解放すると、高速再閉路接地
開閉器(HSES)の接触子間には、図7に示すよう
に、電気回路の過渡現象分と故障送電線が他回線から受
ける静電誘導電圧が重畳した過渡回復電圧が印加され
る。これらの図6および図7に示すような、比較的大き
な電流と比較的大きな上昇率、高い波高値の過渡回復電
圧という過酷な条件の遮断は、単にSF6 ガス中で棒状
接触子を開閉する並切り形の接地開閉器では達成でき
ず、遮断器と同様にパッファ形の消弧室を有することが
必要となる。 【0005】図8は、従来のパッファ形消弧室を備えた
高速再閉路接地開閉器の一例における構成の概略を示す
構成図である。図8において、6は接地容器であり、そ
の内部に、パッファ形消弧室7と導体8が収納されてい
る。9はパッファ形消弧室7の可動部を開閉駆動するた
めの操作装置であり、10はパッファ形消弧室7の可動
部と操作装置9の間に設けられ、開極長さを変換するリ
ンク部である。11a,11bは絶縁スペーサであり、
導体8を接地容器6内に固定する。また、12は、接地
容器6とパッファ形消弧室7との間に接続された接地端
子部であり、接地開閉器の閉極時には、この接地端子部
12に、パッファ形消弧室7を介して導体8が接続さ
れ、接地されるように構成されている。 【0006】図9は、図8のパッファ形消弧室の詳細構
造とその開極動作終了時の状態を示す構成図である。こ
こで、Aは固定接触子部であり、前記導体8に直結され
た固定接触子13とその周囲に配置されたシールド14
aによって構成されている。また、Bは可動接触子部で
あり、前記操作装置9に連結される筒状の操作ロッド1
5と、その周囲に取り付けられたパッファシリンダ1
6、パッファシリンダ16の先端部の内外に取り付けら
れた可動接触子17と絶縁ノズル18、パッファシリン
ダ16の外周に取り付けられたシールド14bによって
構成される一体構造の可動部を備えている。そして、こ
の可動部のパッファシリンダ16内には、接地容器6に
対して固定位置に支持された固定部であるパッファピス
トン19が挿入され、可動部と相対的に移動するように
構成されている。 【0007】この図9において、開極動作時には、パッ
ファシリンダ16内のガスが圧縮され、ノズル部に点線
矢印で示すような2方向のガス流が生じ、固定接触子1
3と可動接触子17間に生じるアークが消弧される。ま
た、開極動作終了後は、シールド14a,14bの効果
により、固定接触子部Aと可動接触子部Bの間の絶縁が
確保される。 【0008】図10は、図8の高速再閉路接地開閉器の
開極動作時のストローク(開極移動特性)とパッファシ
リンダ内圧力上昇の特性を示す特性図である。この図に
おいて、x0 は開極位置である。開極位置からの開離距
離(L1 ,L2 )が十分に大きい場合に、図6と図7に
示したような電流と回復電圧の条件を遮断可能な開極初
期の圧力上昇値をΔp1aとし、同じ条件を遮断可能な開
極終期の圧力上昇値をΔp1bとする。ガス遮断器に使用
されていることでわかるように、パッファ形消弧室の遮
断性能は優秀であるため、図6に示したような2000
A〜3000Aのレベルの電磁誘導電流の消弧は比較的
容易であり、この図10に示すように、比較的低い圧力
上昇Δp1a ,Δp1bで消弧できる。 【0009】しかしながら、この接地開閉器には、大き
な電磁誘導電流だけでなく、図7に示したような高い過
渡回復電圧が印加されるため、開離距離が十分に大きく
ないと、遮断は成功しない。すなわち、図10におい
て、圧力上昇値Δp1aが得られる位置x1 での開離距離
1 は、遮断するために十分な大きさではなく、開離距
離がL2 になって初めて遮断可能になる。したがって、
この図10において、開極位置x0 から開離距離L2
得られる位置x2 に至るまでの時間が、遮断できる最短
アーク時間Tamin であり、開極位置x0 から開極終期
の圧力上昇値Δp1bが得られるまでの時間が、最長アー
ク時間Tamax である。そして、この最短アーク時間T
min と最長アーク時間Tamax との時間差が、遮断可
能なアーク時間幅Twとなる。この遮断可能アーク時間
幅Twは、遮断電流の半波の時間以上であれば十分であ
る。ただし、遮断器に比べて高速再閉路接地開閉器の遮
断は容易であり、遮断可能な圧力上昇値は比較的低いた
め、遮断可能アーク時間幅Twを20〜30ms程度に
広くすることは可能である。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】ところで、図5に示し
たようなシーケンスで再閉路動作を実施している際に、
図11の電流波形図に示すように、地絡事故発生相であ
る中相以外の2相のうちの1相(この例では上相)で時
差をもって地絡事故(後追い故障)が発生し、この後追
い故障のタイミングが高速再閉路接地開閉器の開極タイ
ミングと重なり、併せて後追い故障事故電流に直流成分
が多く含まれている場合には、電磁誘導による高速再閉
路接地開閉器の通過電流は、図11のA部に示すよう
に、数サイクルの間電流零点を形成しない波形となる。
通常、開閉器での交流電流の遮断は電流零点で達成され
るが、図10に示したような従来の高速再閉路接地開閉
器の遮断可能な吹き付け圧力が保持される時間幅(遮断
可能アーク時間幅Tw)は、このような電流零点を形成
しない波形の持続時間よりも短く、遮断可能アーク時間
幅Tw内に、電流零点が再び形成されることはない。し
たがって、従来の高速再閉路接地開閉器でこのような電
流を遮断することはできない。 【0011】本発明は、上述のような従来の高速再閉路
接地開閉器の問題を解決するために提案されたものであ
り、その目的は、高電圧送電線において、数サイクルの
間電流零点を形成しない誘導電流を確実に遮断可能な高
性能の高速再閉路接地開閉器を提供することである。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明による高速再閉路
接地開閉器は、消弧性ガスを封入してなる密閉容器内の
主回路導体に設けた固定接触子部と、この固定接触子部
と接離する可動接触子部と、この可動接触子部と前記密
閉容器に電気的に接続された接地端子部とを有するパッ
ファ形消弧室を備えた高速再閉路接地開閉器において、
次のような特徴を有するものである。 【0013】すなわち、前記固定接触子部は、前記主回
路導体に直結された固定接触子と、この固定接触子の周
囲を取り囲みかつその先端が固定接触子よりも突出する
ように配置されたアーク電極と、前記主回路導体とアー
ク電極とを電気的に接続する抵抗体を有し、前記抵抗体
は、遮断電流の直流成分を減衰させるために5〜10Ω
の範囲に設定され、前記可動接触子部は、前記固定接触
子と接離する可動接触子と、この可動接触子の外周を覆
うパッファシリンダとパッファピストンによって形成さ
れたパッファ室と、このパッファ室内のガスを前記可動
接触子の先端部に吹き付けるガス流路を有することを特
徴とする。この場合、ガス流路は、一般的に、パッファ
室内と可動接触子内とを連通するように構成される。 【0014】 【作用】以上のように構成された本発明の作用は次の通
りである。すなわち、まず、パッファ形消弧室の開極動
作を開始すると、固定接触子と可動接触子との間にアー
クが発生する。この場合、固定接触子は、主回路導体に
直結されているため、開極動作初期においては、抵抗体
は遮断回路に挿入されていない。そして、開極動作後期
において、可動接触子の先端部が固定接触子から十分に
離れると、アークは、固定接触子よりも突出するように
配置されたアーク電極に移行する。このアーク電極は、
抵抗体を介して主回路導体に接続されているため、アー
クがアーク電極に移行した時点で、抵抗体が遮断回路に
挿入される。この結果、抵抗体によって、遮断電流の直
流成分を速やかに減衰させることができる。このよう
に、本発明においては、電流を遮断する瞬間にのみこの
遮断回路に直列に抵抗体を挿入し、遮断電流の直流成分
を速やかに減衰させることができる。 【0015】したがって、送電線の1相で地絡事故が発
生して遮断器が開極し、続いて、逆フラッシオーバ(逆
閃絡)の消弧のために高速再閉路接地開閉器を投入した
後に、隣接する他相あるいは併架された他の回線で、地
絡事故相の高速再閉路接地開閉器の開極タイミングと重
なる後追い故障事故が発生し、この後追い故障事故電流
に直流電流成分が多く含まれ、地絡事故相の高速再閉路
接地開閉器に数サイクルの間電流零点を形成しない零ミ
ス電流が流れた場合でも、この直流成分を十分速やかに
減衰させ、高速再閉路接地開閉器の遮断可能な吹き付け
圧力が保持される時間幅(遮断可能アーク時間幅)内に
電流零点を再び形成できるため、地絡事故相の電流を確
実に遮断できる。 【0016】 【実施例】以下には、本発明による高速再閉路接地開閉
器の一実施例について、図1および図2を参照して具体
的に説明する。まず、図1は、高速再閉路接地開閉器の
構成の概略を示す構成図である。この図1において、6
は接地容器であり、その内部に、パッファ形消弧室7と
導体8が収納されている。9はパッファ形消弧室7の可
動部を開閉駆動するための操作装置であり、10はパッ
ファ形消弧室7の可動部と操作装置9の間に設けられ、
開極長さを変換するリンク部である。11a,11bは
絶縁スペーサであり、導体8を接地容器6内に固定す
る。また、12は、接地容器6とパッファ形消弧室7と
の間に接続された接地端子部であり、接地開閉器の閉極
時には、この接地端子部12に、パッファ形消弧室7を
介して導体8が接続され、接地されるように構成されて
いる。以上の構成については、前述した図8の従来例と
同様であるが、本実施例においては、パッファ形消弧室
7の構成に次のような特徴がある。 【0017】図2は、パッファ形消弧室7の詳細構造と
その開極途中状態を示す構成図である。ここで、Aは固
定接触子部であり、固定接触子13、シールド14a、
アーク電極21、および抵抗体22によって構成されて
いる。すなわち、固定接触子13は、前記導体8に直結
され、アーク電極21は、固定接触子13を取り囲みか
つその先端が固定接触子13よりも突出するように配置
されている。そして、抵抗体22は、アーク電極21と
導体8とを電気的に接続するように配置されている。 【0018】また、Bは可動接触子部であり、前記操作
装置9に連結される筒状の操作ロッド15と、その周囲
に取り付けられたパッファシリンダ16、パッファシリ
ンダ16の先端部の内外に取り付けられた可動接触子1
7とシールド14b、パッファシリンダ16の外周に取
り付けられたシールド14cによって構成される一体構
造の可動部を備えている。そして、この可動部のパッフ
ァシリンダ16内には、接地容器6に対して固定位置に
支持された固定部であるパッファピストン19が挿入さ
れ、可動部と相対的に移動するように構成されている。 【0019】さらに、図2において、20,24は開極
動作初期と開極動作後期のアーク、23は投入状態の可
動接触子17の位置である。また、25はパッファシリ
ンダ16とパッファピストン19によって形成されたパ
ッファ室を示しており、このパッファ室25は、操作ロ
ッド15の先端部に設けられた排気孔26を介して可動
接触子17の内部と連通されており、これによって、パ
ッファ室25から可動接触子17の内部を通ってその先
端部に至るガス流路が形成されている。 【0020】以上のような構成を有する本実施例の作用
は次の通りである。すなわち、投入状態においては、可
動接触子17が、23として示すように、固定接触子1
3内に挿入され、両者は電気的接続状態にある。この場
合、通電電流は、導体8から固定接触子13と可動接触
子17を介して図1に示す接地端子部12に達してい
る。そして、このような投入状態から、電流遮断時に高
速再閉路接地開閉器が開極して、可動接触子17が、投
入状態の位置23から図中実線で示す位置にまで達した
場合を想定する。すなわち、可動接触子17が、固定接
触子13から抜けた瞬間から、両接触子13,17間に
アーク20が点弧し始め、両接触子13,17間の距離
が大きくなるにつれ、アーク20の長さが延びる。この
時の通電経路は、固定接触子13と可動接触子17との
間にアーク20が存在する以外は、前述した投入状態に
おける通電経路と同様である。 【0021】しかしながら、さらに開極が進むと、アー
ク20は、固定接触子13よりも幾何学的に近い位置に
あるアーク電極21側に移動し、電流の一部がアーク電
極21に流れるようになり、アーク電極21と可動接触
子17の間にアーク24が発生し、最終的にほぼ全ての
電流がアーク電極21に転流する。この場合、電流経路
は、導体8から抵抗体22を経由し、さらに、アーク電
極21、アーク24を介して、可動接触子17から図1
に示す接地端子部12に達する。したがって、この時点
で、遮断電流回路に自動的に抵抗体22が直列に挿入さ
れたことになる。図3は、このようにして遮断電流回路
に挿入される抵抗体の抵抗値と、遮断電流の零点が復帰
するまでの時間との関係を示すグラフである。この図3
から、抵抗値を適切に選択することにより、遮断電流に
含まれる直流電流成分を速やかに減衰させることができ
るため、パッファ形消弧室による遮断可能な吹き付け圧
力が保持されている間に電流零点に復帰できることがわ
かる。 【0022】そして、パッファ室25内で圧縮されたガ
スは、図中矢印に示すように、パッファ室25から排気
孔26を通って、可動接触子17先端からアーク24に
吹き付けられる。この時、両接触子13,17間の開離
距離も、遮断可能な程度に十分大きくなっている。した
がって、アーク24は確実に消滅し、遮断が完了する。 【0023】このように、本実施例においては、電流を
遮断する瞬間にのみこの遮断回路に直列に抵抗体22を
挿入し、遮断電流の直流成分を速やかに減衰させること
ができる。したがって、送電線の1相で地絡事故が発生
して遮断器が開極し、続いて、逆フラッシオーバ(逆閃
絡)の消弧のために高速再閉路接地開閉器を投入した後
に、隣接する他相あるいは併架された他の回線で、地絡
事故相の高速再閉路接地開閉器の開極タイミングと重な
る後追い故障事故が発生し、この後追い故障事故電流に
直流電流成分が多く含まれ、地絡事故相の高速再閉路接
地開閉器に数サイクルの間電流零点を形成しない零ミス
電流が流れた場合でも、この直流成分を十分速やかに減
衰させ、高速再閉路接地開閉器の遮断可能な吹き付け圧
力が保持される時間幅(遮断可能アーク時間幅)内に電
流零点を再び形成できるため、地絡事故相の誘導電流を
確実に遮断できる。 【0024】以上のことを総括すれば、本実施例におい
ては、遮断電流の直流成分を速やかに減衰させることが
でき、遮断電流の電流零点は、パッファ形消弧室の遮断
可能な吹き付け圧力が保持される時間幅内に復帰するた
め、地絡事故相の誘導電流を確実に遮断できる。したが
って、比較的大きな電流と比較的大きな上昇率、高い波
高値の過渡回復電圧という過酷な条件の遮断を確実に達
成することができるため、将来実用化が予定されている
1100kVクラスのUHV系送電線用として好適な、
高性能の高速再閉路接地開閉器を提供することができ
る。 【0025】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、パッファ形消弧室の具体的な細部の構成は
適宜選択可能であり、例えば、固定接触子やアーク電
極、可動接触子などの具体的な構成は適宜選択可能であ
る。また、パッファ形消弧室の操作機構の具体的な構成
なども自由に選択可能である。 【0026】 【発明の効果】以上述べたように、本発明においては、
パッファ形消弧室の固定接触子の周囲に、この固定接触
子よりも突出するアーク電極と、主回路導体とアーク電
極とを電気的に接続する抵抗体とを設けることにより、
高電圧送電線において、数サイクルの間電流零点を形成
しない誘導電流を確実に遮断可能な高性能の高速再閉路
接地開閉器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明による高速再閉路接地開閉器の一実施例
の構成の概略を示す構成図。 【図2】図1の高速再閉路接地開閉器のパッファ形消弧
室の詳細構造とその開極途中状態を示す構成図。 【図3】図1の高速再閉路接地開閉器の開極動作後期に
遮断電流回路に挿入される抵抗体の抵抗値と、遮断電流
の零点が復帰するまでの時間との関係を示すグラフ。 【図4】高速再閉路接地開閉器を利用して高電圧送電系
統における碍子連の逆閃絡アークを消弧するシステムを
示す概念図。 【図5】図4のシステム構成要素の動作順序を示す動作
シーケンス図。 【図6】高速再閉路接地開閉器の動作相への他相からの
電磁誘導電流および静電誘導電流を示す電流波形図。 【図7】高速再閉路接地開閉器の開極時の過渡回復電圧
を示す電圧波形図。 【図8】従来の高速再閉路接地開閉器の一例における構
成の概略を示す構成図。 【図9】図8の高速再閉路接地開閉器のパッファ形消弧
室の詳細構造とその開極動作終了時の状態を示す構成
図。 【図10】図8の高速再閉路接地開閉器の開極動作時の
ストローク(開極移動特性)とパッファシリンダ内圧力
上昇の特性を示す特性図。 【図11】高電圧送電線において零ミス電流が発生して
いる状態を示す電流波形図。 【符号の説明】 1…ブッシング 2…送電線 3…鉄塔 4…雷雲 5…雷放電アーク 6…接地容器 7…パッファ形消弧室 8…導体 9…操作装置 10…リンク部 11a,11b…絶縁スペーサ 12…接地端子部 13…固定接触子 14a〜14c…シールド 15…操作ロッド 16…パッファシリンダ 17…可動接触子 18…絶縁ノズル 19…パッファピストン 20,24…アーク 21…アーク電極 22…抵抗体 23…投入状態の可動接触子の位置 25…パッファ室 26…排気孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 溝口 均 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株式会社東芝 浜川崎工場内 (72)発明者 池田 久利 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株式会社東芝 浜川崎工場内 (56)参考文献 特開 平4−294020(JP,A) 特開 昭61−139206(JP,A) 実開 昭61−51632(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 33/70 - 33/99 H02B 13/02,13/075 H02H 1/00 - 3/07

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 消弧性ガスを封入してなる密閉容器内の
    主回路導体に設けた固定接触子部と、この固定接触子部
    と接離する可動接触子部と、この可動接触子部と前記密
    閉容器に電気的に接続された接地端子部とを有するパッ
    ファ形消弧室を備えた高速再閉路接地開閉器において、 前記固定接触子部は、前記主回路導体に直結された固定
    接触子と、この固定接触子の周囲を取り囲みかつその先
    端が固定接触子よりも突出するように配置されたアーク
    電極と、前記主回路導体とアーク電極とを電気的に接続
    する抵抗体を有し、前記抵抗体は、遮断電流の直流成分を減衰させるために
    5〜10Ωの範囲に設定され、 前記可動接触子部は、前記固定接触子と接離する可動接
    触子と、この可動接触子の外周を覆うパッファシリンダ
    とパッファピストンによって形成されたパッファ室と、
    このパッファ室内のガスを前記可動接触子の先端部に吹
    き付けるガス流路を有することを特徴とする高速再閉路
    接地開閉器。
JP30266292A 1992-11-12 1992-11-12 高速再閉路接地開閉器 Expired - Fee Related JP3369228B2 (ja)

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