JPH06204063A - 炭素膜がコートされた磁気部材の作製方法 - Google Patents
炭素膜がコートされた磁気部材の作製方法Info
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- JPH06204063A JPH06204063A JP16750193A JP16750193A JPH06204063A JP H06204063 A JPH06204063 A JP H06204063A JP 16750193 A JP16750193 A JP 16750193A JP 16750193 A JP16750193 A JP 16750193A JP H06204063 A JPH06204063 A JP H06204063A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 磁気ヘッド用部材上、特に磁気テープ、磁気
ディスクとこすれる部分であるスライダ部上に炭素また
は炭素を主成分とする被膜をコーティングし、その表面
での耐摩耗性等の機械的強度が補強された磁気部材を得
ようとすることを目的とする。 【構成】 ロール・ツー・ロール方式で磁気部材にホウ
素、リンまたは窒素が添加された炭素を主成分とする被
膜を形成するに際し、テープ状キャリアの裏側に配設さ
れた第1の電極を冷却手段により冷却しつつこの電極に
対向して前記テープ状部材の表面側に離間して配設され
た第2の電極との間に直流または高周波電圧を印加し
て、プラズマを発生せしめ、炭化水素化物気体、または
これに加えてホウ素、リンまたは窒素の添加物気体とを
分解反応せしめて、前記部材上に炭素膜、若しくはホウ
素、リンまたは窒素の添加された炭素を主成分とする膜
を形成する。
ディスクとこすれる部分であるスライダ部上に炭素また
は炭素を主成分とする被膜をコーティングし、その表面
での耐摩耗性等の機械的強度が補強された磁気部材を得
ようとすることを目的とする。 【構成】 ロール・ツー・ロール方式で磁気部材にホウ
素、リンまたは窒素が添加された炭素を主成分とする被
膜を形成するに際し、テープ状キャリアの裏側に配設さ
れた第1の電極を冷却手段により冷却しつつこの電極に
対向して前記テープ状部材の表面側に離間して配設され
た第2の電極との間に直流または高周波電圧を印加し
て、プラズマを発生せしめ、炭化水素化物気体、または
これに加えてホウ素、リンまたは窒素の添加物気体とを
分解反応せしめて、前記部材上に炭素膜、若しくはホウ
素、リンまたは窒素の添加された炭素を主成分とする膜
を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学的バンド巾が1.0
eV以上特に1.5〜5.5eVを有する炭素または炭
素を主成分とする被膜を磁気ヘッドまたは磁気ヘッド用
部材上特にそのスライダ部(磁気テープ、磁気ディスク
等こすれあう部分)にコーティングすることにより、こ
れら磁気ヘッド用部材の補強材、また機械ストレスに対
する耐摩耗保護材として得んとする複合体に関する。
eV以上特に1.5〜5.5eVを有する炭素または炭
素を主成分とする被膜を磁気ヘッドまたは磁気ヘッド用
部材上特にそのスライダ部(磁気テープ、磁気ディスク
等こすれあう部分)にコーティングすることにより、こ
れら磁気ヘッド用部材の補強材、また機械ストレスに対
する耐摩耗保護材として得んとする複合体に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素膜のコーティングに関しては、本発
明人の出願になる特許願『炭素被膜を有する複合体およ
びその作製方法』(特願昭56−146936 昭和56年9月17
日出願)が知られている。しかし、これらは単にその作
製方法を一般的に記載したものであり、その形成温度を
200℃以下、好ましくは+150〜−100℃と実質
的に冷却とし、かつ、被形成面であるフェライト、パー
マロイ、希土類等の磁性体の磁気ヘッドのスライダ部に
コーティングする例はまったく述べられていない。
明人の出願になる特許願『炭素被膜を有する複合体およ
びその作製方法』(特願昭56−146936 昭和56年9月17
日出願)が知られている。しかし、これらは単にその作
製方法を一般的に記載したものであり、その形成温度を
200℃以下、好ましくは+150〜−100℃と実質
的に冷却とし、かつ、被形成面であるフェライト、パー
マロイ、希土類等の磁性体の磁気ヘッドのスライダ部に
コーティングする例はまったく述べられていない。
【0003】従来例において、炭素膜は200〜100
0℃と高温でしか得られないとされており、炭素膜が条
件によっては、室温(プラズマにより150℃程度まで
表面が昇温する)またはそれ以下の温度での作製方法で
も十分な硬度を有せしめ得ることの記載はまったくな
い。
0℃と高温でしか得られないとされており、炭素膜が条
件によっては、室温(プラズマにより150℃程度まで
表面が昇温する)またはそれ以下の温度での作製方法で
も十分な硬度を有せしめ得ることの記載はまったくな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、磁気ヘッド
用部材上、特に磁気テープ、磁気ディスクとこすれる部
分であるスライダ部上に炭素または炭素を主成分とする
被膜をコーティングし、その表面での耐摩耗性等の機械
的強度が補強された磁気部材を得ようとすることを目的
とするものである。
用部材上、特に磁気テープ、磁気ディスクとこすれる部
分であるスライダ部上に炭素または炭素を主成分とする
被膜をコーティングし、その表面での耐摩耗性等の機械
的強度が補強された磁気部材を得ようとすることを目的
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を解決
するため、ロール・ツー・ロール方式で磁気部材にホウ
素、リンまたは窒素が添加された炭素を主成分とする被
膜を形成するに際し、テープ状キャリアの裏側に配設さ
れた第1の電極を冷却手段により冷却しつつこの電極に
対向して前記テープ状部材の表面側に離間して配設され
た第2の電極との間に直流または高周波電圧を印加し
て、プラズマを発生せしめ、炭化水素化物気体、または
これに加えてホウ素、リンまたは窒素の添加物気体とを
分解反応せしめて、前記部材上に炭素膜、若しくはホウ
素、リンまたは窒素の添加された炭素を主成分とする膜
を形成することにより磁気部材を作製することとした。
するため、ロール・ツー・ロール方式で磁気部材にホウ
素、リンまたは窒素が添加された炭素を主成分とする被
膜を形成するに際し、テープ状キャリアの裏側に配設さ
れた第1の電極を冷却手段により冷却しつつこの電極に
対向して前記テープ状部材の表面側に離間して配設され
た第2の電極との間に直流または高周波電圧を印加し
て、プラズマを発生せしめ、炭化水素化物気体、または
これに加えてホウ素、リンまたは窒素の添加物気体とを
分解反応せしめて、前記部材上に炭素膜、若しくはホウ
素、リンまたは窒素の添加された炭素を主成分とする膜
を形成することにより磁気部材を作製することとした。
【0006】特に本発明はエチレン、メタンのような炭
化水素気体を直流または高周波、特に基体側に正の直流
バイヤスを加えた高周波電界によりプラズマを発生させ
た雰囲気中に導入して分解せしめることにより、C−C
結合を作り、結果としてグラファイトのような非透光性
の導電性または不良導電性の炭素を作るのではなく、作
製条件により求められた光学的エネルギバンド巾(Eg
という)が1.0eV以上、好ましくは1.5〜5.5
eVを有するダイヤモンドに類似の絶縁性の炭素を形成
することを特徴としている。さらにこの本発明の炭素
は、その硬度もビッカース硬度が2000Kg/mm2 以
上、好ましくは4500Kg/mm2 以上、理想的には65
00Kg/mm2 というダイヤモンド類似の硬さを有するア
モルファス(非晶質)または5〜200Åの大きさの微
結晶性を有するセミアモルファス(半非晶質)構造を有
する炭素またはこの炭素中に水素、ハロゲン元素が25
原子%以下または3価または5価の不純物が5原子%以
下、また窒素がN/C≦0.05の濃度に添加されたい
わゆる炭素を主成分とする炭素(以下本発明においては
単に炭素という)を基板上に設けた複合体を設けんとし
たものである。
化水素気体を直流または高周波、特に基体側に正の直流
バイヤスを加えた高周波電界によりプラズマを発生させ
た雰囲気中に導入して分解せしめることにより、C−C
結合を作り、結果としてグラファイトのような非透光性
の導電性または不良導電性の炭素を作るのではなく、作
製条件により求められた光学的エネルギバンド巾(Eg
という)が1.0eV以上、好ましくは1.5〜5.5
eVを有するダイヤモンドに類似の絶縁性の炭素を形成
することを特徴としている。さらにこの本発明の炭素
は、その硬度もビッカース硬度が2000Kg/mm2 以
上、好ましくは4500Kg/mm2 以上、理想的には65
00Kg/mm2 というダイヤモンド類似の硬さを有するア
モルファス(非晶質)または5〜200Åの大きさの微
結晶性を有するセミアモルファス(半非晶質)構造を有
する炭素またはこの炭素中に水素、ハロゲン元素が25
原子%以下または3価または5価の不純物が5原子%以
下、また窒素がN/C≦0.05の濃度に添加されたい
わゆる炭素を主成分とする炭素(以下本発明においては
単に炭素という)を基板上に設けた複合体を設けんとし
たものである。
【0007】本発明は、さらにこの炭素が形成される基
板を200℃以下好ましくは−100〜150℃の従来
より知られたCVD法に比べて500〜1500℃も低
い温度で形成せしめ、下地の磁性材料の特性を劣化させ
ることなく、また下地材料との界面でおこる反応を防止
しつつコーティングが可能であることを実験的に見出し
たことを他の特徴とする。
板を200℃以下好ましくは−100〜150℃の従来
より知られたCVD法に比べて500〜1500℃も低
い温度で形成せしめ、下地の磁性材料の特性を劣化させ
ることなく、また下地材料との界面でおこる反応を防止
しつつコーティングが可能であることを実験的に見出し
たことを他の特徴とする。
【0008】本発明は、この炭素に3価の不純物である
ホウ素を0.1〜5原子%の濃度に添加し、P型の炭素
を設け、また5価の不純物であるリン、窒素を同様に
0.1〜5原子%の濃度に添加し、N型の炭素を設ける
ことによりこの基板上面の炭素を導電性にした。本発明
は、基体特にフェライト、パーマロイ、希土類、アモル
ファス成分等の磁性材料を有する磁気ヘッド用部材の上
表面に炭素膜を形成して、これを多量に製造するため、
テープ状キャリアを用いてロール・ツー・ロール(roll
to roll以下RRという)方式で作製するものである。
以下に図面に従って本発明に用いられた複合体の作製方
法を記す。
ホウ素を0.1〜5原子%の濃度に添加し、P型の炭素
を設け、また5価の不純物であるリン、窒素を同様に
0.1〜5原子%の濃度に添加し、N型の炭素を設ける
ことによりこの基板上面の炭素を導電性にした。本発明
は、基体特にフェライト、パーマロイ、希土類、アモル
ファス成分等の磁性材料を有する磁気ヘッド用部材の上
表面に炭素膜を形成して、これを多量に製造するため、
テープ状キャリアを用いてロール・ツー・ロール(roll
to roll以下RRという)方式で作製するものである。
以下に図面に従って本発明に用いられた複合体の作製方
法を記す。
【0009】
『実施例1』図1は本発明の炭素または炭素を主成分と
する被膜を形成するためのRTR方式のプラズマCVD
装置の概要を示す。図面において、ドーピング系(1
0)において、キャリアガスである水素を(11)よ
り、反応性気体である炭化水素気体例えばメタン、エチ
レンを(12)より、3価不純物のジボラン(水素希
釈)(13),5価不純物のアンモニアまたはフォスヒ
ンを(14)よりバルブ(28)、流量計(29)をへ
て反応系(30)中にノズル(25)より導入される。
このノズルに至る前に、反応性気体の励起用にマイクロ
波エネルギを(26)で加えて予め活性化させることは
有効である。
する被膜を形成するためのRTR方式のプラズマCVD
装置の概要を示す。図面において、ドーピング系(1
0)において、キャリアガスである水素を(11)よ
り、反応性気体である炭化水素気体例えばメタン、エチ
レンを(12)より、3価不純物のジボラン(水素希
釈)(13),5価不純物のアンモニアまたはフォスヒ
ンを(14)よりバルブ(28)、流量計(29)をへ
て反応系(30)中にノズル(25)より導入される。
このノズルに至る前に、反応性気体の励起用にマイクロ
波エネルギを(26)で加えて予め活性化させることは
有効である。
【0010】反応系(30)では、第1のロール(4)
より第2のロール(5)に補助ロール(6),(7)を
経て移動する。この補助ロール(7)はテープ状キャリ
アにたるみがこないように一定の張力(テンション)を
与えるべく、バネ(27)を具備する。補助ロール間に
は、第1の電極(2),被形成面を具備するテープ状キ
ャリア(1),第2の電極(3)を有し、一対の電極
(2),(3)間には高周波電極(15)、マッチング
トランス(16), 直流バイヤス電源(17)より電気
エネルギが加えられ、プラズマ(40)が発生する。排
気系(20)は圧力調整バルブ(25),ターボ分子ポ
ンプ(22),ロータリーポンプ(23)をへて不要気
体を排気する。
より第2のロール(5)に補助ロール(6),(7)を
経て移動する。この補助ロール(7)はテープ状キャリ
アにたるみがこないように一定の張力(テンション)を
与えるべく、バネ(27)を具備する。補助ロール間に
は、第1の電極(2),被形成面を具備するテープ状キ
ャリア(1),第2の電極(3)を有し、一対の電極
(2),(3)間には高周波電極(15)、マッチング
トランス(16), 直流バイヤス電源(17)より電気
エネルギが加えられ、プラズマ(40)が発生する。排
気系(20)は圧力調整バルブ(25),ターボ分子ポ
ンプ(22),ロータリーポンプ(23)をへて不要気
体を排気する。
【0011】これらの反応性気体は、反応空間(40)
で0.01〜0.3torr例えば0.1torrと
し、高周波による電磁エネルギにより0.1〜5KWの
エネルギを加えられる。直流バイヤスは、−200〜6
00V(実質的には−400〜+400V)を加える。
なぜなら、直流バイヤスが零のときは自己バイヤスが−
200V(第2の電極を接地レベルとして)を有してい
るためである。反応性気体は、水素で一部を希釈した。
例えばメタン:水素=1:1とした。第1の電極は冷却
手段(9)を有し、冷却液体を(8)より入れ、
(8’)に排出させ、被形成面上の温度を150〜−1
00℃に保持させる。かくしてプラズマにより被形成面
上にビッカーズ硬度2000Kg/mm2 以上を有するとと
もに、熱伝導度2.5W/cm deg以上のC−C結合を多
数形成したアモルファス構造または微結晶構造を有する
アモルファス構造の炭素を生成させた。さらにこの電磁
エネルギは50W〜1KWを供給し、単位面積あたり
0.03〜3W/cm2 のプラズマエネルギを加えた。こ
のプラズマ密度が大きい場合、また予めマイクロ波で反
応性気体が励起されている場合は、5〜200Åの大き
さの微結晶性を有するセミアモルファス構造の炭素を生
成させることができた。成膜速度は100〜1000A
/分を有し、特に表面温度を−50〜150℃とし、直
流バイアスを+100〜300V加えた場合、その成膜
速度は100〜200A/分(メタンを用いマイクロ波
を用いない場合)、500〜1000A/分(メタンを
用いマイクロ波を用いた場合、またはエチレンを用いマ
イクロ波を用いた場合)を得た。
で0.01〜0.3torr例えば0.1torrと
し、高周波による電磁エネルギにより0.1〜5KWの
エネルギを加えられる。直流バイヤスは、−200〜6
00V(実質的には−400〜+400V)を加える。
なぜなら、直流バイヤスが零のときは自己バイヤスが−
200V(第2の電極を接地レベルとして)を有してい
るためである。反応性気体は、水素で一部を希釈した。
例えばメタン:水素=1:1とした。第1の電極は冷却
手段(9)を有し、冷却液体を(8)より入れ、
(8’)に排出させ、被形成面上の温度を150〜−1
00℃に保持させる。かくしてプラズマにより被形成面
上にビッカーズ硬度2000Kg/mm2 以上を有するとと
もに、熱伝導度2.5W/cm deg以上のC−C結合を多
数形成したアモルファス構造または微結晶構造を有する
アモルファス構造の炭素を生成させた。さらにこの電磁
エネルギは50W〜1KWを供給し、単位面積あたり
0.03〜3W/cm2 のプラズマエネルギを加えた。こ
のプラズマ密度が大きい場合、また予めマイクロ波で反
応性気体が励起されている場合は、5〜200Åの大き
さの微結晶性を有するセミアモルファス構造の炭素を生
成させることができた。成膜速度は100〜1000A
/分を有し、特に表面温度を−50〜150℃とし、直
流バイアスを+100〜300V加えた場合、その成膜
速度は100〜200A/分(メタンを用いマイクロ波
を用いない場合)、500〜1000A/分(メタンを
用いマイクロ波を用いた場合、またはエチレンを用いマ
イクロ波を用いた場合)を得た。
【0012】これらはすべてビッカーズ硬度が2000
Kg/mm2 以上を有する条件のみを良品とする。もちろん
グラファイトが主成分ならばきわめて柔らかく、かつ黒
色で本発明とはまったく異質なものである。この反応生
成物は磁気ヘッド用部材(1)が冷却媒体(9)により
冷却され、この上面に被膜として形成される。反応後の
不純物は排気系(20)よりターボ分子ポンプ、ロータ
リーポンプを経て排気される。反応系は0.001〜1
0torr代表的には0.01〜0.5torrに保持
されており、マイクロ波(26)、高周波のエネルギ
(15)により反応系内はプラズマ状態(40)が生成
される。特に励起源が1GHz 以上、例えば2.45G
Hz の周波数にあっては、C−H結合より水素を分離
し、さらに周波源が0.1〜50MHz 例えば13.5
6MHz の周波数にあってはC−C結合、C=C結合を
分解し、−C−C−結合を作り、炭素の不対結合手同志
を互いに衝突させて共有結合させ、安定なダイヤモンド
構造を局部的に有した構造とさせ得る。
Kg/mm2 以上を有する条件のみを良品とする。もちろん
グラファイトが主成分ならばきわめて柔らかく、かつ黒
色で本発明とはまったく異質なものである。この反応生
成物は磁気ヘッド用部材(1)が冷却媒体(9)により
冷却され、この上面に被膜として形成される。反応後の
不純物は排気系(20)よりターボ分子ポンプ、ロータ
リーポンプを経て排気される。反応系は0.001〜1
0torr代表的には0.01〜0.5torrに保持
されており、マイクロ波(26)、高周波のエネルギ
(15)により反応系内はプラズマ状態(40)が生成
される。特に励起源が1GHz 以上、例えば2.45G
Hz の周波数にあっては、C−H結合より水素を分離
し、さらに周波源が0.1〜50MHz 例えば13.5
6MHz の周波数にあってはC−C結合、C=C結合を
分解し、−C−C−結合を作り、炭素の不対結合手同志
を互いに衝突させて共有結合させ、安定なダイヤモンド
構造を局部的に有した構造とさせ得る。
【0013】かくして磁気ヘッドの磁性体および金属ま
たは磁気ヘッド用部材のスライダ部の磁性体上に炭素特
に炭素中に水素を25モル%以下含有する炭素またP、
IまたはN型の導電型を有する炭素を主成分とする被膜
を形成させることができた。
たは磁気ヘッド用部材のスライダ部の磁性体上に炭素特
に炭素中に水素を25モル%以下含有する炭素またP、
IまたはN型の導電型を有する炭素を主成分とする被膜
を形成させることができた。
【0014】『実施例2』図2(A),(B−1),
(B−2)は実施例1の作製方法によって得られた炭素
を用いた磁気ヘッドまたはそれ用部材の例である。即ち
テープ状キャリア上に磁気ヘッド用部材がテープ状に配
設されている。これを図1のRTR方式にてこの上面に
炭素(50)を0.03〜3μm好ましくは0.1〜
0.5μmの厚さに設けたものである。さらにこれらの
炭素膜(50)をコートした後、これら磁気ヘッド用部
材(41)をテープ状キャリアよりとりはずした。この
磁気ヘッド等一部に磁気テープ、磁気ディスク、等の他
の異種材料がその表面をこすって走行するスライダ部の
部材の耐摩耗性の向上にきわめて有効である。特にこの
炭素膜は熱伝導率が2.5W/cm deg以上、代表的には
4.0〜6.0W/cm degとダイヤモンドの6.0W/
cm degに近いため、高速テープ状キャリア走行により発
生する熱を全体に均一に逃がし、局部的な昇温およびそ
れに伴う磁気ヘッドの特性劣化を防ぐことができるた
め、耐摩耗性、高熱伝導性、炭素膜特有の高平滑性等、
多くの特性を併用して有効に用いている。
(B−2)は実施例1の作製方法によって得られた炭素
を用いた磁気ヘッドまたはそれ用部材の例である。即ち
テープ状キャリア上に磁気ヘッド用部材がテープ状に配
設されている。これを図1のRTR方式にてこの上面に
炭素(50)を0.03〜3μm好ましくは0.1〜
0.5μmの厚さに設けたものである。さらにこれらの
炭素膜(50)をコートした後、これら磁気ヘッド用部
材(41)をテープ状キャリアよりとりはずした。この
磁気ヘッド等一部に磁気テープ、磁気ディスク、等の他
の異種材料がその表面をこすって走行するスライダ部の
部材の耐摩耗性の向上にきわめて有効である。特にこの
炭素膜は熱伝導率が2.5W/cm deg以上、代表的には
4.0〜6.0W/cm degとダイヤモンドの6.0W/
cm degに近いため、高速テープ状キャリア走行により発
生する熱を全体に均一に逃がし、局部的な昇温およびそ
れに伴う磁気ヘッドの特性劣化を防ぐことができるた
め、耐摩耗性、高熱伝導性、炭素膜特有の高平滑性等、
多くの特性を併用して有効に用いている。
【0015】『実施例3』図2(A)の場合、テープ用
の書き込み、読み取りまたは該ヘッドのー例である。こ
の磁気ヘッド(41)のMn−Znフェライトを用いた
磁性体(43)におけるスライダ部(42)上に炭素ま
たは炭素を主成分とする被膜(50)を0.1〜0.5
μmの厚さにコーティングした。するとコーティングを
しない場合に比べてその寿命は5倍にも向上させること
ができた。この図面は1/2インチVTR用磁気ヘッド
の図面の例を示す。特にこの炭素膜をコートしない場合
のスライダ部のビッカース硬度は800Kg/mm2 しかな
いため、これを2000Kg/mm2 以上に向上させ得ると
ともに、表面でのテープ等のすべりを良好にし得るため
の効果は著しい。
の書き込み、読み取りまたは該ヘッドのー例である。こ
の磁気ヘッド(41)のMn−Znフェライトを用いた
磁性体(43)におけるスライダ部(42)上に炭素ま
たは炭素を主成分とする被膜(50)を0.1〜0.5
μmの厚さにコーティングした。するとコーティングを
しない場合に比べてその寿命は5倍にも向上させること
ができた。この図面は1/2インチVTR用磁気ヘッド
の図面の例を示す。特にこの炭素膜をコートしない場合
のスライダ部のビッカース硬度は800Kg/mm2 しかな
いため、これを2000Kg/mm2 以上に向上させ得ると
ともに、表面でのテープ等のすべりを良好にし得るため
の効果は著しい。
【0016】『実施例4』図2(B−1),(B−2)
は薄膜磁気ヘッドのー例を示す。図2(B−1)は正面
図、(B−2)は側面図を示す。この磁気ヘッドはトラ
ック巾25μm、スライダ部のギャップ長0.6μm、
浮上量0.3μm、インダクタンス100mH以下(1
MHz ),出力電圧0.3mV以上(1MHz )を有す
る。この磁性材料(43)のスライダ部(42)上に炭
素または炭素を主成分とする部分(50)を0.05〜
0.3μmの厚さに形成した。するとこの薄膜ヘッドの
耐摩耗性を3倍以上に伸ばすことができた。
は薄膜磁気ヘッドのー例を示す。図2(B−1)は正面
図、(B−2)は側面図を示す。この磁気ヘッドはトラ
ック巾25μm、スライダ部のギャップ長0.6μm、
浮上量0.3μm、インダクタンス100mH以下(1
MHz ),出力電圧0.3mV以上(1MHz )を有す
る。この磁性材料(43)のスライダ部(42)上に炭
素または炭素を主成分とする部分(50)を0.05〜
0.3μmの厚さに形成した。するとこの薄膜ヘッドの
耐摩耗性を3倍以上に伸ばすことができた。
【0017】
【効果】以上の説明より明らかな如く、本発明は有機樹
脂またはそれにガラス、磁性体、金属またはセラミック
を形成し、それらの磁気ヘッド用部材または磁気ヘッド
全体の表面に炭素または炭素を主成分とした被膜をコー
ティングして設けたものである。この複合体は他の多く
の実施例にみられる如く、すべりを助長でき、加えて耐
摩耗性の向上ができるため、その工業的価値は計り知れ
ないものである。特にこの炭素が150℃以下の低温で
形成できるに対し、その硬度また基板に対する密着性が
きわめて優れているのが特徴である。また磁性体はサマ
リューム、コバルト等の希土類磁石、アモルファス磁性
体、酸化鉄またはこれにニッケル、クロム等がコ−トさ
れた形状異方形の磁性体またはフェライト磁性体であっ
てもよい。
脂またはそれにガラス、磁性体、金属またはセラミック
を形成し、それらの磁気ヘッド用部材または磁気ヘッド
全体の表面に炭素または炭素を主成分とした被膜をコー
ティングして設けたものである。この複合体は他の多く
の実施例にみられる如く、すべりを助長でき、加えて耐
摩耗性の向上ができるため、その工業的価値は計り知れ
ないものである。特にこの炭素が150℃以下の低温で
形成できるに対し、その硬度また基板に対する密着性が
きわめて優れているのが特徴である。また磁性体はサマ
リューム、コバルト等の希土類磁石、アモルファス磁性
体、酸化鉄またはこれにニッケル、クロム等がコ−トさ
れた形状異方形の磁性体またはフェライト磁性体であっ
てもよい。
【図1】本発明の炭素または炭素を主成分とする被膜を
被形成面上に作製するロール・ツー・ロール方式の製造
装置の概要を示す
被形成面上に作製するロール・ツー・ロール方式の製造
装置の概要を示す
【図2】本発明の複合体の実施例を示す。
1 テープ状キャリア 2 第1の電極 3 第2の電極 4 第1のロール 5 第2のロール 6 補助ロール 7 補助ロール 9 冷却手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】炭素膜のコーティングに関しては、本発
明人の出願になる特許願『炭素被膜を有する複合体およ
びその作製方法』(特願昭56−146936 昭和5
6年9月17日出願)が知られている。しかし、これら
は単にその作製方法を一般的に記載したものであり、そ
の形成温度を200℃以下、好ましくは+150〜−1
00℃と実質的に冷却とし、かつ、被形成面であるフェ
ライト、パーマロイ、希土類等の磁性体のスライダ部に
コーティングする例はまったく述べられていない。
明人の出願になる特許願『炭素被膜を有する複合体およ
びその作製方法』(特願昭56−146936 昭和5
6年9月17日出願)が知られている。しかし、これら
は単にその作製方法を一般的に記載したものであり、そ
の形成温度を200℃以下、好ましくは+150〜−1
00℃と実質的に冷却とし、かつ、被形成面であるフェ
ライト、パーマロイ、希土類等の磁性体のスライダ部に
コーティングする例はまったく述べられていない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】本発明は、この炭素に3価の不純物である
ホウ素を0.1〜5原子%の濃度に添加し、P型の炭素
を設け、また5価の不純物であるリン、窒素を同様に
0.1〜5原子%の濃度に添加し、N型の炭素を設ける
ことによりこの基板上面の炭素を導電性にした。本発明
は、基体特にフェライト、パーマロイ、希土類、アモル
ファス成分等の磁性材料を有する磁気ヘッド用部材のス
ライダ部の上表面にダイヤモンド結合を有する炭素膜を
形成して、これを多量に製造するため、テープ状キャリ
アを用いてロール・ツー・ロール(roll to r
oll以下RRという)方式で作製するものである。以
下に図面に従って本発明に用いられた複合体の作製方法
を記す。
ホウ素を0.1〜5原子%の濃度に添加し、P型の炭素
を設け、また5価の不純物であるリン、窒素を同様に
0.1〜5原子%の濃度に添加し、N型の炭素を設ける
ことによりこの基板上面の炭素を導電性にした。本発明
は、基体特にフェライト、パーマロイ、希土類、アモル
ファス成分等の磁性材料を有する磁気ヘッド用部材のス
ライダ部の上表面にダイヤモンド結合を有する炭素膜を
形成して、これを多量に製造するため、テープ状キャリ
アを用いてロール・ツー・ロール(roll to r
oll以下RRという)方式で作製するものである。以
下に図面に従って本発明に用いられた複合体の作製方法
を記す。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】これらの反応性気体は、反応空間(40)
で0.01〜0.3torr例えば0.1torrと
し、高周波による電磁エネルギにより0.1〜5KWの
エネルギを加えられる。直流バイヤスは、−200〜6
00V(実質的には−400〜+400V)を加える。
なぜなら、直流バイヤスが零のときは自己バイヤスが−
200V(第2の電極を接地レベルとして)を有してい
るためである。反応性気体は、水素で一部を希釈した。
例えばメタンまたはエチレン:水素=1:1とした。第
1の電極は冷却手段(9)を有し、冷却液体を(8)よ
り入れ、(8’)に排出させ、被形成面上の温度を15
0〜−100℃に保持させる。かくしてプラズマにより
被形成面上にビッカーズ硬度2000Kg/mm2以上
を有するとともに、熱伝導度2.5W/cmdeg以上
のC−C結合を多数形成したアモルファス構造または微
結晶構造を有するアモルファス構造の炭素を生成させ
た。さらにこの電磁エネルギは50W〜1KWを供給
し、単位面積あたり0.03〜3W/cm2のプラズマ
エネルギを加えた。このプラズマ密度が大きい場合、ま
た予めマイクロ波で反応性気体が励起されている場合
は、5〜200Åの大きさの微結晶性を有するセミアモ
ルファス構造の炭素を生成させることができた。成膜速
度は100〜1000A/分を有し、特に表面温度を−
50〜150℃とし、直流バイアスを+100〜300
V加えた場合、その成膜速度は100〜200A/分
(メタンを用いマイクロ波を用いない場合)、500〜
1000A/分(メタンを用いマイクロ波を用いた場
合、またはエチレンを用いマイクロ波を用いた場合)を
得た。
で0.01〜0.3torr例えば0.1torrと
し、高周波による電磁エネルギにより0.1〜5KWの
エネルギを加えられる。直流バイヤスは、−200〜6
00V(実質的には−400〜+400V)を加える。
なぜなら、直流バイヤスが零のときは自己バイヤスが−
200V(第2の電極を接地レベルとして)を有してい
るためである。反応性気体は、水素で一部を希釈した。
例えばメタンまたはエチレン:水素=1:1とした。第
1の電極は冷却手段(9)を有し、冷却液体を(8)よ
り入れ、(8’)に排出させ、被形成面上の温度を15
0〜−100℃に保持させる。かくしてプラズマにより
被形成面上にビッカーズ硬度2000Kg/mm2以上
を有するとともに、熱伝導度2.5W/cmdeg以上
のC−C結合を多数形成したアモルファス構造または微
結晶構造を有するアモルファス構造の炭素を生成させ
た。さらにこの電磁エネルギは50W〜1KWを供給
し、単位面積あたり0.03〜3W/cm2のプラズマ
エネルギを加えた。このプラズマ密度が大きい場合、ま
た予めマイクロ波で反応性気体が励起されている場合
は、5〜200Åの大きさの微結晶性を有するセミアモ
ルファス構造の炭素を生成させることができた。成膜速
度は100〜1000A/分を有し、特に表面温度を−
50〜150℃とし、直流バイアスを+100〜300
V加えた場合、その成膜速度は100〜200A/分
(メタンを用いマイクロ波を用いない場合)、500〜
1000A/分(メタンを用いマイクロ波を用いた場
合、またはエチレンを用いマイクロ波を用いた場合)を
得た。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】これらはすべてビッカーズ硬度が2000
Kg/mm2以上を有する条件のみを良品とする。もち
ろんグラファイトが主成分ならばきわめて柔らかく、か
つ黒色で本発明とはまったく異質なものである。この反
応生成物は磁気ヘッド用部材(1)が冷却媒体(9)に
より冷却され、この上面に被膜として形成される。反応
後の不純物は排気系(20)よりターボ分子ポンプ、ロ
ータリーポンプを経て排気される。反応系は0.001
〜10torr代表的には0.01〜0.5torrに
保持されており、マイクロ波(26)、高周波のエネル
ギ(15)により反応系内はプラズマ状態(40)が生
成される。特に励起源が1GHz以上、例えば2.45
GHzの周波数にあっては、C−H結合より水素を分離
し、さらに周波源が0.1〜50MHz例えば13.5
6MHzの周波数にあってはC−C結合、C=C結合を
分解し、−C−C−結合を作り、炭素の不対結合手同志
を互いに衝突させて共有結合(ダイヤモンド結合)さ
せ、安定なダイヤモンド構造を局部的に有した構造とさ
せ得る。
Kg/mm2以上を有する条件のみを良品とする。もち
ろんグラファイトが主成分ならばきわめて柔らかく、か
つ黒色で本発明とはまったく異質なものである。この反
応生成物は磁気ヘッド用部材(1)が冷却媒体(9)に
より冷却され、この上面に被膜として形成される。反応
後の不純物は排気系(20)よりターボ分子ポンプ、ロ
ータリーポンプを経て排気される。反応系は0.001
〜10torr代表的には0.01〜0.5torrに
保持されており、マイクロ波(26)、高周波のエネル
ギ(15)により反応系内はプラズマ状態(40)が生
成される。特に励起源が1GHz以上、例えば2.45
GHzの周波数にあっては、C−H結合より水素を分離
し、さらに周波源が0.1〜50MHz例えば13.5
6MHzの周波数にあってはC−C結合、C=C結合を
分解し、−C−C−結合を作り、炭素の不対結合手同志
を互いに衝突させて共有結合(ダイヤモンド結合)さ
せ、安定なダイヤモンド構造を局部的に有した構造とさ
せ得る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】『実施例2』図2(A),(B−1),
(B−2)は実施例1の作製方法によって得られた炭素
を用いた磁気ヘッドまたはそれ用部材の例である。即ち
テープまたはテープ状キャリア上に磁気ヘッド用部材が
テープ状に配設されている。これを図1のRTR方式に
てこの上面に炭素(50)を0.03〜3μm好ましく
は0.1〜0.5μmの厚さに設けたものである。さら
にこれらの炭素膜(50)をコートした後、これら磁気
ヘッド用部材(41)をテープ状キャリアよりとりはず
した。この磁気ヘッド等の一部または磁気テープ、磁気
ディスク、等の他の異種材料がその表面をこすって走行
するスライダ部の部材の耐摩耗性の向上にきわめて有効
である。特にこの炭素膜は熱伝導率が2.5W/cmd
eg以上、代表的には4.0〜6.0W/cmdegと
ダイヤモンドの6.0W/cmdegに近いため、高速
テープ状キャリア走行により発生する熱を全体に均一に
逃がし、局部的な昇温およびそれに伴う磁気ヘッドの特
性劣化を防ぐことができるため、耐摩耗性、高熱伝導
性、炭素膜特有の高平滑性等、多くの特性を併用して有
効に用いている。
(B−2)は実施例1の作製方法によって得られた炭素
を用いた磁気ヘッドまたはそれ用部材の例である。即ち
テープまたはテープ状キャリア上に磁気ヘッド用部材が
テープ状に配設されている。これを図1のRTR方式に
てこの上面に炭素(50)を0.03〜3μm好ましく
は0.1〜0.5μmの厚さに設けたものである。さら
にこれらの炭素膜(50)をコートした後、これら磁気
ヘッド用部材(41)をテープ状キャリアよりとりはず
した。この磁気ヘッド等の一部または磁気テープ、磁気
ディスク、等の他の異種材料がその表面をこすって走行
するスライダ部の部材の耐摩耗性の向上にきわめて有効
である。特にこの炭素膜は熱伝導率が2.5W/cmd
eg以上、代表的には4.0〜6.0W/cmdegと
ダイヤモンドの6.0W/cmdegに近いため、高速
テープ状キャリア走行により発生する熱を全体に均一に
逃がし、局部的な昇温およびそれに伴う磁気ヘッドの特
性劣化を防ぐことができるため、耐摩耗性、高熱伝導
性、炭素膜特有の高平滑性等、多くの特性を併用して有
効に用いている。
Claims (2)
- 【請求項1】 ロール・ツー・ロール方式で磁気部材に
ホウ素、リンまたは窒素が添加された炭素を主成分とす
る被膜を形成するに際し、テープ状キャリアの裏側に配
設された第1の電極を冷却手段により冷却しつつこの電
極に対向して前記テープ状部材の表面側に離間して配設
された第2の電極との間に直流または高周波電圧を印加
して、プラズマを発生せしめ、炭化水素化物気体、また
はこれに加えてホウ素、リンまたは窒素の添加物気体と
を分解反応せしめて、前記部材上に炭素膜、若しくはホ
ウ素、リンまたは窒素の添加された炭素を主成分とする
膜を形成する工程とを有することを特徴とする炭素膜が
コートされた磁気部材の作製方法。 - 【請求項2】 ロール・ツー・ロール方式で磁気部材に
ホウ素、リンまたは窒素が添加された炭素を主成分とす
る被膜を形成するに際し、テープ状キャリアの裏側に配
設された第1の電極を冷却手段により200℃以下に冷
却しつつこの電極に対向して前記テープ状部材の表面側
に離間して配設された第2の電極との間にプラズマを発
生せしめ、炭化水素化物気体、またはこれに加えてホウ
素、リンまたは窒素の添加物気体とを分解反応せしめ
て、前記部材上に炭素膜、若しくはホウ素、リンまたは
窒素の添加された炭素を主成分とする膜を形成する工程
とを有することを特徴とする炭素膜がコートされた磁気
部材の作製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5167501A JPH0782959B2 (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | 炭素膜がコートされた磁気部材の作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5167501A JPH0782959B2 (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | 炭素膜がコートされた磁気部材の作製方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63013080A Division JPH0610853B2 (ja) | 1988-01-22 | 1988-01-22 | 炭素膜がコートされた磁気部材の作製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06204063A true JPH06204063A (ja) | 1994-07-22 |
JPH0782959B2 JPH0782959B2 (ja) | 1995-09-06 |
Family
ID=15850859
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5167501A Expired - Lifetime JPH0782959B2 (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | 炭素膜がコートされた磁気部材の作製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0782959B2 (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6024377A (ja) * | 1983-07-21 | 1985-02-07 | Canon Inc | 堆積膜の製造方法と製造装置 |
JPS6067671A (ja) * | 1983-09-24 | 1985-04-18 | Anelva Corp | 薄膜作成装置 |
JPS63279426A (ja) * | 1987-05-12 | 1988-11-16 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 金属磁性媒体の保護膜形成方法及びその装置 |
-
1993
- 1993-06-14 JP JP5167501A patent/JPH0782959B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6024377A (ja) * | 1983-07-21 | 1985-02-07 | Canon Inc | 堆積膜の製造方法と製造装置 |
JPS6067671A (ja) * | 1983-09-24 | 1985-04-18 | Anelva Corp | 薄膜作成装置 |
JPS63279426A (ja) * | 1987-05-12 | 1988-11-16 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 金属磁性媒体の保護膜形成方法及びその装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0782959B2 (ja) | 1995-09-06 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
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|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
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