JPH062036A - 高温特性に優れた自動車排気系部材用ステンレス鋼の製造方法 - Google Patents

高温特性に優れた自動車排気系部材用ステンレス鋼の製造方法

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JPH062036A
JPH062036A JP15796892A JP15796892A JPH062036A JP H062036 A JPH062036 A JP H062036A JP 15796892 A JP15796892 A JP 15796892A JP 15796892 A JP15796892 A JP 15796892A JP H062036 A JPH062036 A JP H062036A
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cooling rate
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stainless steel
hot
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JP15796892A
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Keiichi Omura
圭一 大村
Nobuhiro Fujita
展弘 藤田
Toru Hino
通 日野
Masamichi Ogawa
政道 小川
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Nb含有フェライト系ステンレス鋼の高温強
度、耐熱疲労性および時効による強度低下を改善するた
めの製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 重量百分率でC:0.025以下、Cr:1
2〜22、N:0.02以下、C+N:0.035以下
でかつ、〔Nb〕=Nb−93・C/12−93・N/
14で計算される有効Nb量が0.3以上0.75以下
を含む鋼を、Nb,C及びNとの特定関係で計算される
温度以上で加熱した後熱間圧延を施し、冷却速度を45
℃/秒以上とし、さらにそれ以降の高温工程の加熱温度
と冷却速度を規定するとともに、最終焼鈍工程の加熱温
度を熱延以降のどの工程よりも20℃以上高くとり、6
5℃/秒以上の速度で冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Nb含有フェライト系
ステンレス鋼の高温での材料特性、わけても薄板構造物
の材料特性として重要な高温強度ならびに耐熱疲労性に
優れたフェライト系ステンレス鋼の製造方法に関する。
さらに詳しくは、たとえば自動車排気マニホールド用材
料として好適な、高温における耐力の高いNb含有フェ
ライト系ステンレス鋼の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の排気マニホールドは、従来一般
に鋳鉄製であったが、車体の軽量化や燃費の向上或いは
排ガス浄化装置のコールドスタート性能向上の点から、
次第にステンレス鋼板がこの用途に適用されつつある。
この場合素材に要求される材料特性としては、耐酸化性
に優れること、熱伝導率が高いこと等であるが、取り分
け重要なのは、排気マニホールドが定常的に加熱・冷却
の温度サイクルを受ける部品であることから、熱疲労特
性に優れていることであり、それ故、この用途には熱膨
張の小さいフェライト系ステンレス鋼が用いられるのが
一般的である。
【0003】ところが、近年の排気ガス規制の強化傾
向、エンジン出力の向上、燃費の改善等の要求に応じて
排気ガス温度はますます上昇する傾向にあり、熱膨張係
数は小さいものの、一般に高温強度も小さいフェライト
系ステンレス鋼では耐熱疲労性が不足することになる。
こうした観点から、特開昭64−8254号公報或いは
特開平2−175843号公報には、主としてNbの添
加によって、また必要に応じてさらにMoを添加するこ
とで、その高温強度の向上を図った、いわゆるSUS4
36L或いはSUS430LXの範疇に属するフェライ
ト系ステンレス鋼が開示されている。
【0004】これらは何れも、排気マニホールドの熱疲
労特性を改善させるために、その素材の高温でのクリー
プ強度、あるいは高温強度の向上を目的としたものであ
り、具体的手段としてNbを利用することが共通してい
る。しかしながら、本発明者らは種々検討の結果、Nb
は確かにフェライト系ステンレス鋼の高温強度を向上す
るのに有効であるが、その効果はNbの存在状態に強く
依存し、Nbが炭窒化物やFeとの化合物である、いわ
ゆるLaves相(Fe2 Nb)として存在する際にこ
れらの化合物相(析出相)が粗大なものであると、強度
向上に何等の寄与ももたらさないばかりか、むしろこう
した粗大な析出相を起点に割れやボイドなどの材料欠陥
が発生しやすく、熱疲労特性を必ずしも向上するとは限
らない場合があることが明きらかとなった。
【0005】即ち、Nbの単なる添加のみでは、その作
用効果を十分利用できないばかりか、場合によってはむ
しろ有害作用を与えることが問題点として残ることを知
見した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、例えば自動
車の排気マニホールド用として、その熱疲労特性を改善
するためにNbをある程度添加したフェライト系ステン
レス鋼の高温強度を可及的に高め、Nbの作用効果を確
実かつ最大限に利用することを可能ならしめるための素
材の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】フェライト系ステンレス
鋼の高温強度を向上させるために添加されるNbの一部
は、C,Nと結合した炭窒化物として鋼中に存在し、残
部は素地に固溶状態で存在する他、Nbの添加量が多い
場合には、さらにFeとの化合物であるいわゆるLav
es相を形成する。こうしたNbの存在状態は何れも強
化に作用し得るものではあるが、析出物として存在する
場合には、その析出相の大きさや析出場所に応じて強化
作用に程度の差があり、数ミクロンを超えるような粗大
なものや、素地の結晶粒界に存在するものは強化にはほ
とんど寄与しない。このことは、常識に属することであ
り、Nbの析出物を強度向上に利用する場合には、これ
を母相素地内に微細均一析出させることが必要である。
【0008】一方、素地内に固溶して存在するNbは強
化に対して長時間安定的に高い効果を持続する。従っ
て、強度向上を狙って比較的多量にNbを添加した場
合、固溶する分に見合う強化はほぼ自動的に得られる
が、析出する部分が担う強化分については、その析出形
態を好ましいものに意図的に制御することが、添加した
全Nbを有効に利用しその強化作用を最大限に発揮させ
る上で重要な技術となる。
【0009】こうした技術的思想のもとに、本発明者ら
はNb含有フェライト系ステンレス鋼の高温強度を最大
ならしめる方法を、材料の溶解から始まる製造プロセス
の各段階に於けるNbの存在状態やその形態、さらには
高温使用中における微視的な金属組織の経時変化と材料
特性との関係をつぶさに対応付けつつ検討を重ねた結
果、以下のような知見を得るに至った。
【0010】即ち、高温での強化を狙って、あるレベル
以上のNbが添加されたフェライト系ステンレス鋼にあ
っては、実機量産ラインでの鋳造スラブにおいて、Nb
の炭窒化物やFeとの化合物であるLaves相(Fe
2 Nb)は極めて粗大な形で析出している。このため、
これら析出相を一旦素地中に固溶させることがNbの有
効利用という点から必要であり、スラブ加熱温度はこの
意味からNb含有量に依存したある温度以上とすること
が最低限必要である。さらに、引き続き実施される熱延
工程にあっては、Nbが前記析出相として温度低下とと
もに析出するが、この際、熱延によって素地内に導入さ
れた転位等の欠陥を優先サイトとして、Nb(C,N)
あるいはM6Cで表されるNbの炭窒化物が比較的微細
に析出するが、仕上げ温度が930℃以下になるような
場合には、炭窒化物も粗大なものが急激に増加し、また
Laves相も粗大な形態で形成してくる。さらに、例
え930℃以上で仕上げが完了しても、その後の冷却温
度によってはこうした粗大析出相の形成や析出相の成長
が起こる。
【0011】さらに、熱延板は必要に応じて焼鈍された
後冷延されるか或いはそのまま直ちに冷延された後焼鈍
され、さらに場合によっては、冷延・焼鈍が必要に応じ
て繰り返されることとなるが、この一連の焼鈍工程中に
おいても、その温度及び冷却速度によっては前述したよ
うなNbの析出物の粗大化が促進され、Nbの存在形態
が強化に対して好ましくないものとなり得る。これを避
けるために、少なくとも最終的な焼鈍温度はそれ以前の
焼鈍温度よりも高温で、かつその温度は熱延の仕上げ温
度よりも20℃以上高くすべきで、さらに、この際の冷
却速度は550℃までの平均値で65℃/秒以上とする
ことが、Nbの存在形態を強化に有利にする上で必要で
ある。
【0012】こうして得られたステンレス鋼板は、固溶
Nb量が最大限に確保されているとともに、Nbの析出
物が比較的微細かつ均一に素地に分散析出しており、高
温の強度を向上させるに最も有利なNbの存在状態が得
られるのである。ところで、この種のフェライト系ステ
ンレス鋼は例えば自動車の排気マニホールドとして利用
されるため、その使用温度は1000℃付近にまで達す
ることもあるが、通常はそれより低温側の範囲に、より
長時間さらされることとなる。この場合、素地内に固溶
していたNbは、環境温度に応じて析出するとともに、
すでに存在していた析出物は成長し、次第にNbの存在
形態が強化作用にとって不利なものとなるのが通常であ
る。しかしながら、上述した条件によって製造した鋼の
場合、こうした経時変化の速度が可及的に遅滞する効果
が大きい、言い替えれば、いわゆる時効によるNbの強
化作用の低下が可及的に抑制されるのである。
【0013】即ち、本発明は少なくとも、重量%で C:0.025以下 Cr:12〜22 N:0.02以下 C+N:0.035以下でかつ、次式、 〔Nb〕=Nb%−(93×C%/12)−(93×N
%/14) で計算される有効Nb量:〔Nb〕(%)が0.3以
上、0.75以下を含むフェライト系ステンレス鋼を、 T1(℃)=111×Nb%+4447×(C%+N
%)+1061 で計算される温度T1(℃)以上の温度で1時間以上加
熱保持した後、直ちに施す熱間圧延を、930(℃)以
上の温度で仕上げ、次いで、550℃までを少なくとも
45℃/秒以上の平均冷却速度で冷却し、この後必要に
より熱延板焼鈍を施すとともに1回以上冷間圧延及び焼
鈍を施し、これらの焼鈍の加熱温度を(熱延仕上げ温度
+20℃)以上、550℃までの平均冷却速度55℃/
秒以上とし、かつ複数回の冷延板焼鈍を施す場合、その
最終焼鈍工程温度はそれ以前の焼鈍のどの温度よりも2
0℃以上高温とし、550℃までの平均冷却速度65℃
/秒以上で冷却することを特徴とする高温特性にすぐれ
た排気ガス部材用ステンレス鋼板の製造方法を提供する
ものである。
【0014】
【作用】次に本発明の作用について説明するに当たり、
本発明に係わる鋼の成分の限定理由に付いて述べる。 C及びN:C及びNはともに、鋼中でいわゆる炭窒化物
を形成する。本願発明に係わる鋼では、Nb(C,N)
あるいは、M6Cで表される炭窒化物が微細均一な形態
で存在する場合は強化に寄与するが、C,Nが高い場合
にはこうした析出物の成長粗大かが速くなることに加
え、強化に対して最も有効勝つ安定的に効果のある固溶
Nb量を低下させるためC,Nはともに低く抑えたもの
であることが必要で、本願発明にあっては、 C:0.025%以下、N:0.02%以下でかつ両者
の合計量(C+N):0.035以下がその範囲とな
る。
【0015】Cr:Crはステンレス鋼の耐酸化性およ
び耐食性を確保する基本元素であって、本願発明が対象
とする高温用途の場合、少なくとも12%以上の添加が
必要である。一方、22%を越えて添加された場合に
は、加工性や靱性が極端に低下するため上限は22%と
なる。
【0016】Nb:本願発明は添加されたNbの強化作
用を最大限に活用するために、鋼中Nbの存在状態及び
形態を意図的に制御する製造方法であるため、その効果
を十分達成するためのNb量には、C及びNとの関係し
た適性範囲が存在し、いわゆる有効Nb量、 〔Nb〕=Nb%−(93×C%/12)−(93×N
%/14)で、0.3%以上、0.75%以下がその範
囲となる。Nb量が前記範囲を越えて少ない場合には本
発明の方法による強度向上効果は少なく、逆に過剰に含
まれる場合には靱性が低下し鋳片が著しく割れ易くなる
等の弊害が顕著となる。
【0017】次に、以上のような成分範囲を有するフェ
ライト系ステンレス鋼の高温強度を可及的に高める本発
明の工程条件に付いて説明する。 熱延加熱温度:添加されたNbのうち、一旦素地内に固
溶した分について、その後の加工熱処理によって存在状
態や形態制御が可能となるため、本発明の最初の工程で
ある熱間圧延の加熱に際しては、こうした意図的制御可
能な分のNbをできる限り確保するために最低限 T1(℃)= 111×Nb(%)+4447×〔C(%)+N
(%)〕+1061 で計算される温度T1以上で1時間以上加熱する必要が
ある。
【0018】熱延仕上げ温度:930℃未満の場合に
は、Nbが比較的粗大な析出物となり、その後の工程条
件、即ち加工熱処理によってもそれを再度強化に有利な
形態に制御することが困難となるため930℃以上とす
る。 熱延後の冷却:冷却速度が遅い場合には、冷却中にNb
の粗大析出物が形成することがあり、その後の工程条件
によって再度強化に有利な存在状態や形態に制御し直す
ことが困難となる。こうした現象は少なくとも45℃/
秒以上の冷却速度では回避できる。ただし、この場合、
550℃未満では実質的にNbの析出物の成長粗大化は
起こらない。したがって、45℃/秒以上の冷却速度を
必要とするのは550℃までとすることができる。
【0019】なお、通常こうした熱延の後施される巻き
取りは、本発明にあっては、上述の条件から550℃以
下となる。さらに巻き取り後の冷却は本発明にあっては
放冷以上であれば靱性の点からも何等問題ない。こうし
て製造された熱延板ではNbの固溶量が極大に確保され
ているとともに、析出物も微細であるため以降の工程条
件により、再度固溶させ析出形態制御することが可能な
状態となっているのである。
【0020】焼鈍:本願発明における焼鈍工程すなわ
ち、熱延板又は冷延板の各焼鈍工程は、Nbの固溶とそ
の析出形態を制御する上で重要な意味を持つ。すなわ
ち、前工程までで析出したNbは焼鈍の高温保定中に再
固溶し、冷却中に一部が析出する。ところが、この場合
焼鈍温度が低いと高温保定時にNb析出物の固溶ではな
く成長粗大化が起こることとなる。従って、焼鈍温度は
少なくとも熱延仕上げ温度よりも20℃以上高温とする
必要がある。また、焼鈍後の冷却中にもNbの析出が起
こり得るが、冷却速度が55℃/秒未満の場合には析出
物が比較的サイズの大きいものとなる場合があるため、
冷却速度は55℃/秒以上にする必要がある。さらに、
必要に応じて、冷延板焼鈍工程を複数回繰り返す場合に
は、前述したように高温保定がNbの析出物の成長粗大
化処理となることを防ぐために、最終焼鈍工程温度を熱
延以降のどの工程温度よりも20℃以上高温とすること
が不可欠であり、また、冷却速度を65℃/s以上にす
る必要がある。なお、ここで言う冷却速度とは550℃
までの平均冷却速度である。
【0021】本発明にあっては、冷延板焼鈍工程は、冷
延工程との組み合わせにより、所望に応じて繰り返し実
施することが出来るが、熱延後直ちに冷延したコイルに
対して1回実施することが最も望ましい実施態様であ
る。
【0022】
【実施例】次に、本発明の効果を実施例により、さらに
詳しく説明する。表1に示すA〜Eまでの5種の化学組
成を有するフェライト系ステンレス鋼を真空溶製しA,
Bは単重100kg、C〜Eは単重150kgの合計11個
の鋼塊とした。これらの鋼塊は実験室的に熱間圧延、冷
間圧延、冷延板焼鈍により最終的に厚さ2.5mmの冷延
板とした。この際、一部のものについては熱間圧延後、
熱延板焼鈍を施した。熱間圧延条件としては、鋼塊加熱
温度(保定は1.5時間に統一)、熱間圧延最終仕上げ
パス(圧下率25%、仕上げ板厚6mm)出側の板温度、
その後の550℃までの冷却速度を変化させ550℃以
下を放冷とした。熱延板焼鈍を施したものについてはそ
の加熱温度(保定は120秒)及び冷却速度を変化させ
た。また、いずれのものも冷間圧延した後の最終焼鈍に
際しては加熱温度(保定は90秒)及び冷却速度を変化
させた。なお、この一連の工程の中で、熱延後の冷却速
度は出側テーブル上の注水量で制御し、冷延素材はショ
ットブラスト処理後酸洗によりデスケールしたものを用
いた。また、熱延板焼鈍、及び冷延板焼鈍は何れもAr
雰囲気の電気炉で実施し、その後の冷却はミスト噴霧ま
たはHeガス冷却とした。それぞれの素材に対する製造
条件の詳細を表2に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】こうして得られた冷延板から板状の高温引
張用試験片を長手方向合わせで採取し、900℃での耐
力を測定した。さらに同様に採取した、幅25mm平行部
長さ35mmの板状の熱疲労試験片を用いて、完全拘束、
温度範囲204℃〜871℃、加熱・冷却速度10℃/
秒の条件にて熱疲労試験を実施し、寿命を測定した。こ
の際検出される引張側荷重が定常値の50%になった時
点までの繰り返しサイクル数を熱疲労寿命とした。高温
耐力は5点の平均値、熱疲労寿命は2回の測定のうちの
長寿命の方をその値とした。
【0026】一方、850℃で15分間加熱した後放冷
し、500℃以下になったところで再度850℃に加熱
する熱サイクルを600回繰り返す熱処理を施した冷延
焼鈍板から、厚さ1.7mmの板状引張試験片を採取し、
900℃での耐力を5点測定した平均値を時効後の高温
耐力とした。これらの結果を表3中に示す。なお、表2
及び表3中の鋼材番号欄の○印が本発明の方法によって
製造したものであり、×印は本発明の範囲外のものであ
る。
【0027】
【表3】
【0028】表3からも明らかな通り、同一成分の鋼も
本発明の方法によって製造した場合、高温での強度が高
く、また熱疲労に対する抵抗も向上すると同時に、さら
に時効熱処理後の強度低下も小さくなる。
【0029】
【発明の効果】以上のような、本発明の方法によれば同
一成分のフェライト系ステンレス鋼であっても、その高
温強度並びに熱疲労に対する抵抗を向上するため、高価
なNbの添加量の低減が可能であり、高Nb添加鋼で問
題視される靱性不足に基づく製造性の低下や溶接性の悪
化が低減可能となる。さらに本発明の方法によって製造
したフェライト系ステンレス鋼は、こうした初期の高温
特性に優れているばかりではなく、高温使用中のいわゆ
る時効現象による強度低下も小さいため、例えば自動車
の排気ガス材料として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 政道 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量で、C≦0.025%,Cr:12
    〜22%,N≦0.02%,(C+N)≦0.035%
    かつ、次式 〔Nb〕=Nb%−(93×C%/12)−(93×N
    %/14) で計算される有効Nb量〔Nb〕(%)を0.3%以
    上、0.75%以下含むフェライト系ステンレス鋼を、 T1(℃)=111×Nb%+4447×(C%+N
    %)+1061 で計算される温度T1(℃)以上の温度域に1時間以上
    加熱・保持した後、直ちに熱間圧延を開始し930℃以
    上の温度域で仕上げ、次いで、45℃/s以上の平均冷
    却速度で少なくとも550℃まで冷却し、次いで冷間圧
    延を施して最終板厚とし、しかる後加熱温度を(熱間圧
    延仕上げ温度+20℃)以上、この温度で保定後少くと
    も550℃までの平均冷却速度を55℃/s以上とする
    焼鈍を施すことを特徴とする高温特性に優れた自動車排
    気系部材用ステンレス鋼の製造方法。
  2. 【請求項2】 重量で、C≦0.025%,Cr:12
    〜22%,N≦0.02%,(C+N)≦0.035%
    かつ、次式 〔Nb〕=Nb%−(93×C%/12)−(93×N
    %/14) で計算される有効Nb量〔Nb〕(%)を0.3%以
    上、0.75%以下含むフェライト系ステンレス鋼を、 T1(℃)=111×Nb%+4447×(C%+N
    %)+1061 で計算される温度T1(℃)以上の温度域に1時間以上
    加熱・保持した後、直ちに熱間圧延を開始し930℃以
    上の温度域で仕上げ、次いで、45℃/s以上の平均冷
    却速度で少なくとも550℃まで冷却し、しかる後加熱
    温度を(熱間仕上げ温度+20℃)以上、この温度で保
    定後少くとも550℃までの平均冷却速度を55℃/s
    以上とする中間焼鈍を含む冷間圧延を複数回施して最終
    板厚板とし、続いてこの冷延板に加熱温度を前記中間焼
    鈍のいかなる焼鈍温度より20℃以上高い温度とし、か
    つこの温度で保定後少くとも550℃までの平均冷却速
    度を65℃/s以上とする最終焼鈍を施すことを特徴と
    する高温特性に優れた自動車排気系部材用ステンレス鋼
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 重量で、C≦0.025%,Cr:12
    〜22%,N≦0.02%,(C+N)≦0.035%
    かつ、次式 〔Nb〕=Nb%−(93×C%/12)−(93×N
    %/14) で計算される有効Nb量〔Nb〕(%)を0.3%以
    上、0.75%以下含むフェライト系ステンレス鋼を、 T1(℃)=111×Nb%+4447×(C%+N
    %)+1061 で計算される温度T1(℃)以上の温度域に1時間以上
    加熱・保持した後、直ちに熱間圧延を開始し930℃以
    上の温度域で仕上げ、次いで、45℃/s以上の平均冷
    却速度で少なくとも550℃まで冷却し、次いで上記熱
    延板に、加熱温度を(熱間圧延仕上げ温度+20℃)以
    上とし、この温度で保定後少くとも550℃までの平均
    冷却速度を55℃/s以上とする熱延板焼鈍を施し、冷
    間圧延して最終板厚にした後この冷延板に加熱温度を前
    記熱延板焼鈍における最高温度よりも20℃以上高い温
    度とし、かつこの温度で保定後少くとも550℃までの
    平均冷速を65℃/s以上とする最終焼鈍を施すことを
    特徴とする高温特性に優れた自動車排気系部材用ステン
    レス鋼の製造方法。
  4. 【請求項4】 重量で、C≦0.025%,Cr:12
    〜22%,N≦0.02%,(C+N)≦0.035%
    かつ、次式 〔Nb〕=Nb%−(93×C%/12)−(93×N
    %/14) で計算される有効Nb量〔Nb〕(%)を0.3%以
    上、0.75%以下含むフェライト系ステンレス鋼を、 T1(℃)=111×Nb%+4447×(C%+N
    %)+1061 で計算される温度T1(℃)以上の温度域に1時間以上
    加熱・保持した後、直ちに熱間圧延を開始し930℃以
    上の温度域で仕上げ、次いで、45℃/s以上の平均冷
    却速度で少なくとも550℃まで冷却し、次いで上記熱
    延板に、加熱温度を(熱間圧延仕上温度+20℃)以上
    とし、この温度で保定後少くとも550℃までの平均冷
    却速度を55℃/s以上とする熱延板焼鈍を施し、続い
    て前記熱延板焼鈍と同一条件を有する中間焼鈍を含む冷
    間圧延を複数回施して最終板厚とし、しかる後この冷延
    板に加熱温度を熱間圧延以降のいかなる焼鈍温度より2
    0℃以上高い温度とし、かつこの温度で保定後少くとも
    550℃までの平均冷却速度を65℃/s以上とする最
    終焼鈍を施すことを特徴とする高温特性に優れた自動車
    排気系部材用ステンレス鋼の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008126397A (ja) * 2006-11-27 2008-06-05 Hitachi Metals Ltd ステンレス鋼製排気系部品の製造方法
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