JPH062032U

JPH062032U - 過冷却水用熱交換器の凍結防止装置

Info

Publication number: JPH062032U
Application number: JP4711292U
Authority: JP
Inventors: 泰利妹尾; 明吉板橋
Original assignee: 株式会社三浦研究所
Priority date: 1992-06-12
Filing date: 1992-06-12
Publication date: 1994-01-14

Abstract

(57)【要約】【目的】過冷却水用熱交換器の凍結を防止するととも
に製氷タンクの空間を有効に利用できる凍結防止装置を
提供する。【構成】過冷却水用熱交換器３と製氷タンク６との間
に設けた冷水還流路８のノズルに過冷却水の飛散した飛
沫により、このノズル８ａが氷結するのを防止するカバ
ー部材12を挿着したことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、水等を氷点以下まで冷却、あるいは過冷却するための過冷却水用熱交換器の凍結防止装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図３に示すように、過冷却水用熱交換器と製氷タンク６との間に設けた冷水還流路８のノズル８ａは、製氷タンク６の空間を有効に利用するため、水面とノズル８ａとの間の距離は可能な限り短くすることが望ましい。しかしながら、ノズル８ａと水面との距離が短いと、ノズル８ａから放水した過冷却水が氷面に当たって飛散し、その飛沫がノズル８ａにかかるとノズル周辺が凍結し熱交換器内も瞬時に凍結が起きる。そのため、従来はノズル８ａと製氷タンク６の水面との距離は、ノズル８ａに飛沫がかからない距離に設定している。また、ノズル８ａと水面との間に仕切板等を設けることもあるが、その分だけ無駄な空間ができてタンクの有効利用になっていない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、前記問題点に鑑み、ノズルに飛沫等がかかって氷結するのを防止する過冷却水用熱交換器の凍結防止装置を提供することを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

即ち、この考案は、過冷却水用熱交換器と製氷タンクとの間に設けた冷水還流路のノズルに過冷却水の飛散した飛沫により、このノズルが氷結するのを防止する氷結防止部材を設けたことを特徴とし、請求項２は前記氷結防止部材が、前記ノズルに挿着したカバー部材であることを特徴とし、請求項３は前記氷結防止部材が、前記ノズルの外周部を被覆した断熱材であることを特徴とし、請求項４は前記氷結防止部材が、前記ノズルの先端部に挿着した断熱部材であることを特徴としている。

【０００５】

【作用】

この考案によれば、ノズルより放水した過冷却水がタンク内の氷片に当り、飛沫が飛散してもノズルに挿入した氷結防止部材がノズルを遮蔽しているので、ノズルに飛沫がかかることはなく、あるいは、ノズルが断熱されているので、ノズルの内部は氷点下であってもノズル外面は氷点以上で過冷却水がかかっても凍結することはない。

【０００６】

【実施例】

以下、この考案の請求項２の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図１は、この考案に係る過冷却水製造装置の概略説明図で、この過冷却水製造装置は、冷凍機１、ブライン槽２、熱交換器３および製氷タンク６から構成されている。冷凍機１は、たとえば液化した冷媒を膨張弁１ａにより減圧した後、蒸発潜熱によってブライン（冷却媒体）を冷却する方式を利用したもので、ブライン槽２内に配置したブライン用熱交換器１ｂを備えている。

【０００７】熱交換器３は、図１に示すように、外管４を螺旋状（実施に応じては、直線状でも可能）に形成し、その内部に内管５を挿入した二重管構造であって、外管４と内管５との間にブライン槽２から供給されるブラインが流通し、また内管５内には製氷タンク６から供給される被冷却水が流通するようになっている。したがって、内管５を外周から冷却して過冷却水を製造する構成となっている。

【０００８】熱交換器３の内管５と製氷タンク６とは、冷水供給路７および冷水還流路８を介して接続されており、冷水供給路７には製氷タンク６内の被冷却水を内管５内へ供給する冷水供給ポンプ９が設けられている。したがって、製氷タンク６内の被冷却水は、冷水供給ポンプ９により製氷タンク６内と内管５内とを循環し、内管５内を流通中において、外管４内を流通しているブラインにより冷却され、過冷却水となって製氷タンク６へ還流する。

【０００９】製氷タンク６は、前記のとおり、熱交換器３の内管５と冷水供給路７および冷水還流路８を介して接続されており、内管５内を流通中にブラインにより冷却されて過冷却水となった被冷却水が冷水還流路８から製氷タンク６の中心部に流入する。製氷タンク６内に流入した過冷却水の一部が氷結し、その氷結した状態で蓄えられるようになっている。そして、この製氷タンク６には、常温水を製氷タンク６内に供給して冷却するための常温水供給バルブ10と、得られた冷却水を取り出すための取出バルブ11とが設けられている。

【００１０】この考案に係る熱交換器３の凍結防止装置は、図２に示すように、前記冷水還流路８のノズル８ａの外径部に凸形状に成形した樹脂材よりなるカバー部材12を挿着したものである。したがって、過冷却水を放水したときの飛沫をカバー部材 12が遮蔽するので、タンク６の水面とノズル８ａとの距離を短くすることができる。尚、前記カバー部材12の形状は、前述の凸形状に限らず断熱性のよい単純な円筒形状のものであってもよく、又、図３に示すノズル８ａとカバー部材12’のように内面との間にリブ12”を介して隙間がある状態であってもよい。

【００１１】次に、この考案の凍結防止装置の作用を説明する。熱交換器３の内管５内で冷却されて過冷却水となった被冷却水は、冷水還流路８のノズル８ａを介して製氷タンク６内に放水される。放水された過冷却水は、氷点温度以下（約−２℃）に過冷却されており、そのうちの約５％は氷片化するので、タンク内の水面には氷が発生し、やがて水表面はシャーベット状の氷に覆われる。そして、氷の面にはノズルに向かって氷筍が生長し氷塊となる。即ち、タンク６内に発生したシャーベット状の氷や氷塊に、ノズル８ａから放水された過冷却水がかかり、その飛沫が周辺に飛散するが、ノスル８ａに挿着したカバー部材12がノズル８ａの外面を遮蔽しているので、ノズル８ａの外面には飛沫はかからず、したがってノズル８ａ及び熱交換器３の凍結を防止することができる。

【００１２】次に、請求項３、および請求項４について説明する。図４は、請求項３に記載した実施例を示すものでノズル８ａの外周部を断熱材 13で被覆したものである。又、図５は請求項４に記載した実施例を示すものでノズル８ａの先端部に断熱部材14（例えば合成樹脂等）を挿着したものである。上記実施例は、いずれも、請求項２の実施例と同様に、過冷却水の飛散した飛沫等がかかっても、断熱材13又は、断熱部材14が、ノズル８ａ内の過冷却水が氷点以下であっても、ノズル８ａの外周面は断熱されているので氷結することはない。

【００１３】

【考案の効果】

この考案は、前述のごとく、冷水還流路のノズルにカバー部材或いは断熱材を挿着、又は、ノズルの先端部に断熱部材を挿着したので飛散する飛沫からノズルを遮蔽するとともに、ノズルの外周面を断熱したので、ノズル及び熱交換器の凍結を防止するとともに、ノズルとタンク水面との距離を短くすることができるのでタンク内の空間を有効に使うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案を実施した過冷却水製造装置の概略説
明図である。

【図２】図１の製氷タンクと冷水還流路のノズル及びカ
バー部材を拡大して示す請求項２の説明図である。

【図３】図２の実施例にかわる実施例を示すカバー部材
の説明図である。

【図４】図３のＡ矢視図である。

【図５】この考案の請求項３に示す断熱材を被覆したノ
ズルの説明図である。

【図６】この考案の請求項４に示す断熱部材を挿着した
ノズルの説明図である。

【図７】従来の製氷タンクと冷水還流路のノズルとの状
態を示す説明図である。

【符号の説明】

３．熱交換器６．製氷タンク８．冷水還流路８ａ．ノズル 12. カバー部材 13. 断熱材 14. 断熱部材

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】過冷却水用熱交換器３と製氷タンク６と
の間に設けた冷水還流路８のノズル８ａに過冷却水の飛
散した飛沫により、このノズル８ａが氷結するのを防止
する氷結防止部材を設けたことを特徴とする過冷却水用
熱交換器の凍結防止装置。
【請求項２】前記氷結防止部材が、前記ノズル８ａに
挿着したカバー部材12であることを特徴とする請求項１
に記載の過冷却水用熱交換器の凍結防止装置。
【請求項３】前記氷結防止部材が、前記ノズル８ａの
外周部を被覆した断熱材13であることを特徴とする請求
項１に記載の過冷却水用熱交換器の凍結防止装置。
【請求項４】前記氷結防止部材が、前記ノズル８ａの
先端部に挿着した断熱部材14であることを特徴とする請
求項１に記載の過冷却水用熱交換器の凍結防止装置。