JPH06202698A - 適応ポストフィルタ - Google Patents

適応ポストフィルタ

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JPH06202698A
JPH06202698A JP5001256A JP125693A JPH06202698A JP H06202698 A JPH06202698 A JP H06202698A JP 5001256 A JP5001256 A JP 5001256A JP 125693 A JP125693 A JP 125693A JP H06202698 A JPH06202698 A JP H06202698A
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gain
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speech signal
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Abstract

(57)【要約】 【目的】サブフレーム間で不連続のないパラメータ値を
用いることにより、ノイズが少なく高品質の出力音声信
号を得ることができる適応ポストフィルタを提供する。 【構成】音声復号化処理により得られた合成音声信号と
該合成音声信号のサブフレーム毎のピッチゲインおよび
ピッチ周期を入力し、雑音整形された音声信号を出力す
る適応ポストフィルタにおいて、ピッチゲインをスムー
ジングするピッチゲインスムージング部21と、ピッチ
周期が2つの連続するサブフレーム間で連続性があるか
どうかを判定する連続性判定部23と、連続性があると
判定された2つのサブフレームにわたるピッチ周期をス
ムージングするピッチ周期スムージング部23と、スム
ージングされたピッチゲインおよびピッチ周期を用いて
合成音声信号のピッチの繰り返しを強調するピッチ強調
フィルタ31を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音声信号を高能率に圧
縮する音声符号化/復号化装置に係り、特に合成音声信
号の主観品質を高めるために音声復号化装置で用いる適
応ポストフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】音声信号を4kbps 程度以下の低ビット
レートで符号化する音声符号化方式の一つとして、CE
LP(code excited linear prediction)方式が知られて
いる。このCELP方式は、入力音声信号を予測フィル
タで予測して得られる予測残差信号を聴感重み付けを行
った合成音声信号のレベルで量子化するものである。こ
の方式を原理とする音声符号化方式は、出力の合成音声
信号に含まれるノイズを少なくできるという利点があ
り、他の方式と比較して良好な合成音声信号を生成でき
ることから、近年広く用いられて来ている。
【0003】CELP方式の詳細は、例えば文献(1) M.
R.Schroeder and B.S.Atal,"Code-Excited Linear Pred
iction(CELP):high quality speech at very low bit r
ates,"Proc.IEEE Int.Conf.Acoust.,Speech,Signal Pro
ceeding,pp.937-940(1985).に記載されている。
【0004】通常、CELP方式において復号化装置側
で得られた合成音声信号は、最終的に適応ポストフィル
タを介して出力される。この適応ポストフィルタは主観
品質を向上させるためのもので、そのパラメータを適切
に設定することにより合成音声信号のスペクトル包絡や
ピッチの繰り返しを強調して、合成音声信号に含まれる
雑音を抑える、いわゆる雑音整形を行うフィルタであ
る。適応ポストフィルタで用いられるパラメータは、ピ
ッチゲインとピッチ周期であり、CELP方式において
は5〜8msec 程度の時間長のサブフレームと呼ばれる
時間単位で更新される。従って、一つのサブフレーム内
でピッチゲインおよびピッチ周期の値は一定のものが用
いられる。
【0005】ところで、実際の音声信号のピッチゲイン
やピッチ周期は、連続的で比較的滑らかに変化すること
が知られている。しかし、従来の適応ポストフィルタの
構成では、サブフレーム間においてパラメータ値である
ピッチゲインおよびピッチ周期の不連続が生じるため、
フィルタリング処理された出力音声信号の品質が劣化し
てしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の適応ポストフィルタでは実際の音声信号のピッチゲイ
ンおよびピッチ周期の滑らかな変化を十分に表現でき
ず、サブフレーム間でパラメータ値の不連続が生じ、フ
ィルタリング処理された出力音声信号の品質が劣化する
という問題があった。
【0007】本発明は、このような従来の問題点を解決
し、サブフレーム間で不連続のないパラメータ値を用い
ることにより、ノイズが少なく高品質の出力音声信号を
得ることができる適応ポストフィルタを提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、音声復号化処理により得られた合成音声信号
と該合成音声信号の第1の時間単位毎に変化するピッチ
ゲインおよびピッチ周期を入力し、雑音整形された音声
信号を出力する適応ポストフィルタにおいて、前記第1
の時間単位毎に変化するピッチゲインをスムージングし
て前記第1の時間単位より短い第2の時間単位毎に変化
するピッチゲインを得るピッチゲインスムージング手段
と、前記第1の時間単位毎に変化するピッチ周期が2つ
の連続する第1の時間単位間で連続性があるかどうかを
判定する連続性判定手段と、この連続性判定手段により
連続性があると判定された2つの第1の時間単位にわた
るピッチ周期をスムージングして前記第1の時間単位よ
り短い第3の時間単位毎に変化するピッチ周期を得るピ
ッチ周期スムージング手段と、前記ピッチゲインスムー
ジング手段によりスムージングされたピッチゲインおよ
び前記ピッチ周期スムージング手段によりスムージング
されたピッチ周期を用いて前記合成音声信号のピッチの
繰り返しを強調するピッチ強調手段とを備えたことを特
徴とする。
【0009】
【作用】このように本発明では第1の時間単位で得られ
たピッチゲインおよびピッチ周期をスムージングして、
第1の時間単位より短い第2および第3の時間単位で滑
らかに変化するピッチゲインおよびピッチ周期を求め、
これらを適応ポストフィルタのパラメータ値として用い
ることにより、ノイズが少なくパワーの変化が滑らか
で、声の通りの良い高品質の音声信号が得られる。
【0010】また、特にピッチゲインについては常にス
ムージングするが、ピッチ周期については連続性がある
と判定された場合にのみスムージングを行うため、もと
もと連続性がない部分までピッチ周期をスムージングす
ることによる不自然さが防止され、自然性に優れた音声
信号を得ることが可能となる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図3および図4は、本発明の一実施例に係るCE
LP方式の音声符号化装置および音声復号化装置の構成
を示すブロック図である。
【0012】図3において、フレームバッファ101は
入力端子100に入力される音声信号を1フレーム分蓄
積するメモリであり、図3の各ブロックはフレームバッ
ファ101を用いて1フレームまたは1サブフレーム毎
に以下の処理を行う。
【0013】まず、1フレーム分の音声信号に対して、
予測パラメータ計算回路102において公知の方法を用
いて短時間予測パラメータを計算する(通常、この予測
パラメータは8〜12個計算される)。計算法について
は、例えば文献(2) 古井貞照著「ディジタル音声処
理」、に記述されている。計算された予測パラメータ
は、予測パラメータ符号化回路103に入力される。予
測パラメータ符号化回路103は、予測パラメータを予
め定められた量子化ビット数に基づいて符号化し、その
符号をマルチプレクサ115へ出力すると共に、復号値
Pを予測フィルタ104、聴感重みフィルタ105、影
響信号作成回路107、長期ベクトル量子化回路109
および短期ベクトル量子化回路111へ出力する。
【0014】予測フィルタ104は、フレームバッファ
101からの入力音声信号と符号化回路103からの予
測パラメータの復号値から短期予測残差信号rを計算
し、それを聴感重みフィルタ105へ出力する。
【0015】聴感重みフィルタ105は、予測パラメー
タの復号値Pを基に構成されるフィルタで短期予測残差
信号rのスペクトルを変形した信号xを減算回路106
へ出力する。この聴感重みフィルタ105は従来例にお
ける重み付けフィルタと同様に聴覚のマスキング効果を
利用するためのものであり、その詳細は上記文献(2)に
記載されているので、説明は省略する。
【0016】影響信号作成回路107は、加算回路11
2からの過去の重み付けされた合成信号xと、予測パ
ラメータの復号値Pを入力とし、過去の影響信号fを出
力する。具体的には、過去の重み付けされた合成信号
xをフィルタの内部状態とする聴感重みフィルタの零
入力応答を計算し、それを影響信号fとして、予め設定
されるサブフレーム単位で出力する。8kHzサンプリ
ング時のサブフレーム中の典型的な値としては、1フレ
ーム(160サンプル)を4分割した40サンプル程度
が使用される。また、影響信号作成回路107は第1サ
ブフレームにおいては、前フレームで決定した密度パタ
ーンKに基づいて作成された前フレームの合成信号x
を入力として影響信号fを作成する。
【0017】減算回路106は、サブフレーム単位で聴
感重み付き入力信号xから過去の影響信号fを差し引い
た信号uを減算回路108および長期ベクトル量子化回
路109へ出力する。
【0018】長期ベクトル量子化回路109は、減算回
路106からの差信号u、後述する駆動信号保持回路1
10からの過去の駆動信号exおよび符号化回路103
からの予測パラメータPを入力とし、サブフレーム単位
で差信号uの量子化出力信号uを減算回路108およ
び加算回路112へ、ベクトルゲインβ(ピッチゲイン
に相当する)およびインデックスT(ピッチ周期に相当
する)をマルチプレクサ115へ、長期駆動信号qを駆
動信号保持回路110へそれぞれ出力する。このときq
とuとの間には、u =q*h (1) (ただし、hは聴感重みフィルタ105のインパルス応
答、*は畳み込み演算を表わす)の関係がある。サブフ
レーム単位のベクトルゲインβ(m) とインデックスT
(m) (mはサブフレームの番号)の詳細な求め方の一例
を以下に示す。
【0019】すなわち、予め設定されるインデックスT
とゲインβと過去の駆動信号を用いて現サブフレームの
駆動信号候補を作成し、これを聴感重みフィルタに入力
して差信号uの量子化信号の候補を作成し、差信号uと
量子化信号の候補との誤差が最小となるように、最適な
インデックスT(m) と最適なβ(m) を決定する。このと
き、T(m) とβ(m) を用いて作成される現サブフレーム
の長期駆動信号をqとし、qを聴感重みフィルタに入力
して得られる信号を差信号uの量子化出力信号uとす
る。
【0020】これと同様な方法は、例えばPETER KROON
氏らによるIEEE1988年2月、Vol.SAC-6,pp.353-363に掲
載された"A class of Analysis-by-Synthesic Predicat
iveCoders for High Quality Speech Coding at Rates
Between 4.8 and 16kbits/s" と題する論文(文献(3)
)中の閉ループでピッチ予測器の係数を求める方法と
同様の公知の方法を用いることができる。一方、減算回
路108ではサブフレーム単位で、差信号uから量子化
出力信号uを減じた差信号vを短期ベクトル量子化回
路111へ出力する。
【0021】短期ベクトル量子化回路111は、差信号
vおよび予測パラメータPを入力とし、サブフレーム単
位で差信号vの量子化出力信号vを加算回路112
へ、短期駆動信号yを駆動信号保持回路110へそれぞ
れ出力する。ここでvとyとの間には、v =y*h (2) という関係がある。
【0022】また、これと共に短期ベクトル量子化回路
111は短期駆動信号を構成するゲインGおよびコード
ベクトルのインデックスIをマルチプレクサ115へ出
力する。短期ベクトル量子化回路111の具体的な構成
例を図5に示す。
【0023】図5において、合成ベクトル生成回路30
1は予測パラメータPと、予め設定されるコードブック
302内のコードベクトルC(i) (iはコードベクトル
のインデックス)からパルス列を作成し、このパルス列
を予測パラメータPから生成される聴感重みフィルタで
合成することにより合成ベクトルV(i) を生成し、内積
計算回路304およびパワー計算回路305へ出力す
る。
【0024】コードブック302は、密度パルスの振幅
情報を格納し、インデックスiに対して予め定められた
コードベクトルC(i) が引き出し可能なメモリ回路また
はベクトル発生回路で構成される。内積計算回路304
は、図3の減算回路108からの差信号Vと、合成ベク
トルV(i) との内積値A(i) を求め、インデックス選択
回路306へ出力する。パワー計算回路305は、合成
ベクトルV(i) のパワーB(i) を求め、インデックス選
択回路306へ出力する。インデックス選択回路306
では、内積値A(i) とパワーB(i) を用いて、次式の評
価値 {A(i) 2 /B(i) (3)
【0025】が最も大きくなるようなインデックスIを
インデックス候補iの中から選択し、対応する内積値A
(I) とパワーB(I) の組をゲイン符号化回路307へ出
力する。インデックス選択回路306は、さらにインデ
ックスIの情報をコードブック302および図3のマル
チプレクサ115へ出力する。ゲイン符号化回路307
では、インデックス選択回路306から出力される内積
値A(I) とパワーB(I) との比 A(I) /B(I) (4) を所定の方法で符号化して、そのゲイン情報Gを短期駆
動信号生成回路308および図3のマルチプレクサ11
5へ出力する。
【0026】上記の(3)(4)式は、例えばI.M.Trancoso氏
らによるInternational Conferenceon Acoustic,Speech
and Signal Processing の論文 " EFFICIENT PROCEDUR
ESFOR FINDING THE OPTIMUM INNOVATION IN STOCHATIC
CODERS "(文献(4) )によって提案されたものを用いて
もよい。
【0027】短期駆動信号生成回路308は、ゲイン情
報G、およびインデックスIに対応するコードベクトル
(I) を入力とし、C(I) を用いて合成ベクトル生成回
路301での方法と同様の方法でパルス列を作成し、そ
のパルス振幅にゲイン情報Gに対応する値を乗じること
により、短期駆動信号yを生成する。この短期駆動信号
yは、聴感重みフィルタ309および図3の駆動信号保
持回路110へ出力される。
【0028】聴感重みフィルタ309は、図3の聴感重
みフィルタ105と同様の特性を持つフィルタであり、
予測パラメータPを基にして作られ、短期駆動信号yを
入力として差信号vの量子化出力vを図3の加算回路
112へ出力する。
【0029】図3に説明を戻すと、駆動信号保持回路1
10は長期ベクトル量子化回路109より出力される長
期駆動信号qおよび短期ベクトル量子化回路111より
出力される短期駆動信号yを入力とし、駆動信号ex
サブフレーム単位で長期ベクトル量子化回路109へ出
力する。具体的には、例えばqとyをサブフレーム単位
でサンプル毎に加算したものを駆動信号ex とすればよ
い。現サブフレームの駆動信号ex は、次のサブフレー
ムにおいて過去の駆動信号として長期ベクトル量子化回
路109において使用できるように、駆動信号保持回路
110内のバッファメモリに保持される。
【0030】加算回路112は、サブフレーム単位で量
子化出力u(m) およびv(m) と現サブフレームで作
成された過去の影響信号fとの和信号xを求め、影響信
号作成回路107へ出力する。
【0031】以上のようにして求められた各パラメータ
G,I,β,T,Pの情報がマルチプレクサ115によ
り多重化され、伝送符号として出力端子116より伝送
される。次に、図3の音声符号化装置から伝送された符
号を復号化する図4の音声復号化装置について説明す
る。
【0032】図4において、入力端子200には音声符
号化装置から伝送された符号が入力される。デマルチプ
レクサ201は、この入力された符号をゲインG、イン
デックスI、ゲインβ、インデックスTおよび予測パラ
メータPの符号に分離する。復号化回路203、20
5、206および207は、それぞれゲインG、インデ
ックスI、ゲインβおよびインデックスTの符号を復号
化し、駆動信号生成回路209へ出力する。もう一つの
復号化回路208は、予測パラメータPの符号を復号化
し、合成フィルタ210へ出力する。駆動信号生成回路
209は、復号化された各パラメータを入力として駆動
信号を生成する。
【0033】駆動信号生成回路209は、具体的には例
えば図6に示すように構成される。図6において、コー
ドブック500は音声符号化装置内の図5に示すコード
ブック302と同一機能を有するものであり、インデッ
クスIに対応するコードベクトルC(I) を短期駆動信号
生成回路501へ出力する。短期駆動信号生成回路50
1は、音声符号化装置内の図5に示す短期駆動信号生成
回路308と同一機能を有するものであり、ゲインGを
入力とし、短期駆動信号yを加算回路506へ出力す
る。加算回路506は、短期駆動信号yと長期駆動信号
生成回路502で生成された長期駆動信号qとの和信
号、すなわち駆動信号ex を駆動信号バッファ503お
よび図4の合成フィルタ210へ出力する。
【0034】駆動信号バッファ503は、加算回路50
6から出力される駆動信号を現在から所定のサンプル数
だけ過去のものまで保持し、インデックスTが入力され
るとTサンプル過去の駆動信号から順にサブフレーム長
に相当するサンプル数だけ出力する構成となっている。
長期駆動信号生成回路502は、インデックスTに基づ
き駆動信号バッファ503より出力される信号を入力と
し、この入力信号にゲインβを乗じると共に、Tサンプ
ルの周期で繰り返す長期駆動信号を生成し、加算回路5
06へサブフレーム単位で出力する。
【0035】図4に説明を戻すと、合成フィルタ210
は符号化装置内の図3に示す予測フィルタ104と逆の
周波数特性を持つフィルタであり、駆動信号と予測パラ
メータを入力として、合成音声信号を出力する。
【0036】適応ポストフィルタ211は予測パラメー
タ、ピッチゲインβおよびピッチ周期Tを用いて、合成
フィルタ210から出力される合成音声信号のスペクト
ルを主観的に雑音が減少するように整形して、バッファ
212へ出力する。図1に、適応ポストフィルタの具体
的な構成例を示す。
【0037】図1に示す適応ポストフィルタ20は、ピ
ッチ強調フィルタ31、フォルマント強調フィルタ32
およびゲイン調整部33を有するフィルタ部30と、こ
れを制御するためのゲインスムージング部21、周期ス
ムージング部22および連続性判定部23を有する制御
部とからなる。
【0038】ピッチ強調フィルタ31は、図4の音声復
号化装置10における合成フィルタ210から出力され
る合成音声信号のピッチの繰り返しを強調することによ
り、合成音声信号のスペクトルの微細構造を明瞭化する
ためのものである。このピッチ強調フィルタ31の伝達
関数としては、例えば 1/(1−εβz-T) (5)
【0039】を用いることができる。ここで、εは0.
2〜0.5程度の値が適当であることが知られている。
また、ピッチ強調フィルタ31が安定に動作するため条
件として、|εβ|<1となるようにε,βの値を調整
することが必要である。一方、フォルマント強調フィル
タ32は、音声信号のスペクトル包絡の形を強調するフ
ィルタであり、その伝達関数としては、例えば A(z/r)/A(z/r2 ) (6) を用いることができる。ここで、0<r1 <r2 <1で
あり、A(z) は音声復号化装置側で復号した予測パラメ
ータより構成される予測フィルタを表わす。
【0040】ゲインスムージング部21は、サブフレー
ム単位のピッチゲインβを入力してサブフレーム間でス
ムージングを行って、例えば各サンプル単位で滑らかに
変化するピッチゲインb(n) を求め、これをピッチ強調
フィルタ31へ入力する。ピッチゲインのスムージング
方法の一例として、次のような簡単なフィルタ処理を用
いることができる。 b(n) =(1−α)・b(n-1) +α・β(m) (7)
【0041】ここで、0<α<1であり、αはスムージ
ングの強弱を調整するパラメータである。β(m) は図4
の音声復号化装置10における復号化回路206より入
力される、第mサブフレームに対して与えられるピッチ
ゲインを表わす。
【0042】例えば、n=φを第m−1番目のサブフレ
ームの終段のサンプル点の位置を表わすことにする。こ
のとき、第mサブフレーム内のスムージングされたサン
プル単位のピッチゲインb(1),b(2), …は、第m−1番
目のサブフレームの終段のサンプルにおけるピッチゲイ
ンb(φ)を用いて(7) 式により順次求めることができ
る。ゲインスムージング前とゲインスムージング後のピ
ッチゲインの例を図7および図8に示す。
【0043】連続性判定部23は、図3の音声復号化装
置10における復号化回路207から入力されるサブフ
レーム単位のピッチ周期Tを入力して、このピッチ周期
Tがサブフレーム間で連続的に変化し、補間可能である
かどうかを判定する。この連続性判定部23での判定方
法の一例を図2に示すフローチャートを参照して説明す
る。
【0044】まず、直前サブフレームのピッチ周期をT
F にセットし(ステップS1)、現サブフレームのピッ
チ周期Tを入力する(ステップS2)。次に、現サブフ
レームのピッチ周期Tと直前サブフレームのピッチ周期
TF との距離DT=distance(T,TF )を計算する
(ステップS3)。この距離DTの求め方は、例えばf
=1/Tとして周波数のレベルで距離を表わす方法や、
TとTF との差の絶対値を用いる方法がある。
【0045】次に、ステップS3で求められた距離DT
を所定のしきい値DTmax と比較し(ステップS4)、
DTがDTmax より小のとき、すなわち直前サブフレー
ムのピッチ周期TF から現サブフレームのピッチ周期T
への変化量が小さいとき、直前サブフレームと現サブフ
レームとの間でピッチ周期が滑らかに変化したと判定
し、判定値 TSMOOTH='ON'とする(ステップS5)。ま
た、逆に距離DTがしきい値DTmax より大のときは、
Tのスムージングを行わないための判定値としてTSMOOT
H='OFF' とする(ステップS6)。
【0046】図1に説明を戻すと、周期スムージング部
22は図3の音声復号化装置10における復号化回路2
07から入力されるサブフレーム単位のピッチ周期T
と、連続性判定部23からの判定値 TSMOOTHを入力し、
TSMOOTH='ON'のときはピッチ周期Tをサブフレーム間
でスムージングして、例えばサンプル単位毎に滑らかに
変化するピッチ周期t(n) を求め、これをピッチ強調フ
ィルタ32へ入力する。また、周期スムージング部22
は TSMOOTH='OFF' のときはピッチ周期Tのスムージン
グを行わず、サブフレーム単位毎に与えられたピッチ周
期Tをそのままピッチ強調フィルタ31へ入力する。こ
のようなピッチ周期Tのスムージング処理を行う前と行
った後の例を図9および図10に示す。
【0047】ピッチ強調フィルタ31は、入力されるサ
ンプル単位毎に与えられるピッチ周期t(n) およびピッ
チゲインb(n) を用いて、サンプル単位毎に緩やかに変
化する次式 1/(1−εb(n) z-t(n) ) (8) の伝達関数で表わされるピッチフィルタを構成し、合成
音声信号s(n) のピッチの繰り返しをより滑らかに強
調する。
【0048】このようにして、適応ポストフィルタにお
けるパラメータ値のサブフレーム間の不連続の度合いが
著しく減少するので、図4の出力端子213より雑音の
非常に少ない高品質の出力音声信号を得ることができ
る。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば音
声復号化装置においてサブフレームなどの時間単位で得
られたピッチゲインおよびピッチ周期をスムージングし
て、より短い時間単位、例えばサンプル単位で滑らかに
変化するピッチゲインおよびピッチ周期を求めて、これ
らを適応ポストフィルタのパラメータ値として用いるこ
とにより、雑音が少なくパワーの変化が滑らかで、声の
通りの良い高品質の音声信号が得られる。
【0050】さらに、ピッチゲインについては常にスム
ージングを行うが、ピッチ周期については連続性の有無
を調べ、連続性があると判定された場合にのみスムージ
ングを行うため、もともと連続性がない部分までピッチ
周期をスムージングすることによる不自然さの発生を防
止でき、高品質でかつ自然性に優れた音声信号を得るこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る適応ポストフィルタの
構成を示すブロック図
【図2】図1における連続性判定部の処理手順を示すフ
ローチャート
【図3】本発明の一実施例に係る音声符号化装置の構成
を示すブロック図
【図4】同実施例に係る音声復号化装置の構成を示すブ
ロック図
【図5】図3における短期ベクトル量子化回路の詳細な
構成を示すブロック図
【図6】図4における駆動信号生成回路の詳細な構成を
示すブロック図
【図7】本発明によるゲインスムージング処理前のピッ
チゲインの例を示す図
【図8】本発明によるゲインスムージング処理後のピッ
チゲインの例を示す図
【図9】本発明によるピッチ周期スムージング処理前の
ピッチ周期の例を示す図
【図10】本発明によるピッチ周期スムージング処理後
のピッチ周期の例を示す図
【図11】従来のポストフィルタの構成を示すブロック
【符号の説明】
20…適応ポストフィルタ 21…ピッチゲイ
ンスムージング部 22…ピッチ周期スムージング部 23…連続性判定
部 30…フィルタ部 31…ピッチ強調
フィルタ 32…フォルマント強調フィルタ 33…ゲイン調整
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03H 21/00 7037−5J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】音声復号化処理により得られた合成音声信
    号と該合成音声信号の第1の時間単位毎に変化するピッ
    チゲインおよびピッチ周期を入力し、雑音整形された音
    声信号を出力する適応ポストフィルタにおいて、 前記第1の時間単位毎に変化するピッチゲインをスムー
    ジングして前記第1の時間単位より短い第2の時間単位
    毎に変化するピッチゲインを得るピッチゲインスムージ
    ング手段と、 前記第1の時間単位毎に変化するピッチ周期が2つの連
    続する第1の時間単位間で連続性があるかどうかを判定
    する連続性判定手段と、 この連続性判定手段により連続性があると判定された2
    つの第1の時間単位にわたるピッチ周期をスムージング
    して前記第1の時間単位より短い第3の時間単位毎に変
    化するピッチ周期を得るピッチ周期スムージング手段
    と、 前記ピッチゲインスムージング手段によりスムージング
    されたピッチゲインおよび前記ピッチ周期スムージング
    手段によりスムージングされたピッチ周期を用いて前記
    合成音声信号のピッチの繰り返しを強調するピッチ強調
    手段とを備えたことを特徴とする適応ポストフィルタ。
  2. 【請求項2】前記第1の時間単位はサブフレームであ
    り、前記第2および第3の時間単位はサンプル単位ある
    ことを特徴とする請求項1記載の適応ポストフィルタ。
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