JPH06201308A - 材料表面の触針走査ゆらぎ補正方法 - Google Patents

材料表面の触針走査ゆらぎ補正方法

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JPH06201308A
JPH06201308A JP1595093A JP1595093A JPH06201308A JP H06201308 A JPH06201308 A JP H06201308A JP 1595093 A JP1595093 A JP 1595093A JP 1595093 A JP1595093 A JP 1595093A JP H06201308 A JPH06201308 A JP H06201308A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 研削加工面のように異方性が高い材料表面の
触針走査のゆらぎを補正して得られるデータ曲面の異方
性が失われず評価を行ないやすくする。 【構成】 データ曲線を折れ線で近似し、隣接2データ
折れ線のそれぞれの決められた始点から終点までの有限
個の折れ点のうち、ゆらぎの可能性のある折れ点同志の
対応の種々の組み合わせについて、一方の折れ点の横座
標を他方の折れ点の横座標に替えたときに、どの組合わ
せが異方性から見て妥当かを2つの部分折れ線の似てい
る度合を示す評価関数により、数値化して評価し、最も
良い対応の組合わせの横座標の変更を実行する。個々の
山や谷についてゆらぎか否かを個別に判断する困難がな
く、データ折れ線ごとに一括して山や谷のゆらぎを補正
でき、隣接2データ曲線間で異方性が失われることはな
い。そして、順次隣接するデータ曲線が補正され、それ
らの連なりのデータ曲面でも異方性が保たれ、加工面の
評価がし易い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、研削加工面の如く、
凹凸について異方性の高い材料表面を取り扱う産業や研
究等の分野に使用するものである。
【0002】
【従来の技術】図4に示すような工作物1の研削加工面
の三次元的な評価を触針式の表面粗さ計を用いて行う場
合、触針3で研削面の表面2をなぞりながら刻々の触針
3先端の高さ位置を精密に計り、触針3を二次元的に走
査したときの刻々の触針先端の高さ位置のデータによっ
て加工面を三次元的に再現しようとすることがある。こ
のとき、触針の走査の仕方としては、まず研削方向4と
垂直な1つの直線5上を走査し、次にこの直線から研削
方向にわずかに平行にずれた直線6上を走査し、これを
順次何回も繰り返す方法が採られる。触針先端位置を三
次元的に表現するための座標系として、触針がなぞる上
記直線の方向に横軸を、研削方向に縦軸をとり、高さ方
向に垂直軸をとり、それぞれの座標で基準点からの距離
を表す。ここで、縦座標と垂直座標とは走査の仕方から
直接距離の座標が得られるが、横座標は、実際に得られ
るデータでは距離ではなくて時間である。つまり実際の
データは、1つの触針が走査直線上をスタートしてから
の距離ではなくスタート後の経過時間に対する触針高さ
位置を与えるのであり、1つの走査直線に対し、それら
のデータをプロットした1つの曲線を与える。この得ら
れた曲線(データ曲線と呼ぶことにする)は横座標が時
間であるから、加工面の断面曲線そのものではない。し
かし、触針が等速運動をしている場合には、時間軸と距
離軸の変換は線形であるから、このデータ曲線は、時間
軸を距離軸に読み変えて、そのまま断面曲線とみなせ
る。従ってその場合は、これらのデータ曲線が研削方向
に順次連なってなす面(データ面と呼ぶことにする)
が、そのまま加工面を再現すると考えることができる。
【0003】研削加工面は、砥石表面の同一の微小粒子
によってつけられる条溝が研削方向にのび、多数の微小
粒子による条溝がいくつも同じ方向に形成されて、同一
方向に尾根筋、谷筋が平行に走った、凹凸についての異
方性の高い面になる。しかるに、実際に得られるデータ
面では、図5に示すように、凹凸についての異方性がは
っきり読み取れず、加工面の評価ができにくい。
【0004】この、異方性がはっきりしなくなる原因
は、実際の触針の運動は厳密には等速運動ではなく、触
針を駆動するモーターの回転むら等により触針の走査速
度にゆらぎが生ずるためである。実際、走査の結果得ら
れるデータ曲線においては、図2に示すように、1つの
データ曲線(実線)とその隣接のデータ曲線(点線)と
において、本来の隣接断面曲線なら同じ横座標(距離座
標)の位置に現れるはずの山や谷の位置がずれている。
従ってこれらのデータ曲線の連なりであるデータ曲面に
おいても異方性がはっきりしなくなる。そこで、このよ
うな走査速度のゆらぎにより異方性が損われたデータ曲
面を異方性を回復する方向に補正する技術が望まれる。
従来、このような、本来非常に似ている曲線同士か、あ
るいは同じ曲線に対する計測データをプロットして得ら
れたデータ曲線間において、計測の際のゆらぎを補正す
る技術として、「セミパラメトリックモデルによる曲線
の同定」W.HARDLE及びJ.S.MARRON著
「SEMIPARAMETRIC COMPARISO
N OF REGRESSION CURVES」(T
he Annals of Statistics.
1990 Vol. 18, No.1, 63〜89
頁)がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれは、それら
似ている2曲線における横軸同士の対応が特別な場合、
例えば1次関数等に限定されており、一般性に欠ける。
【0006】この発明は、上記の如き事情に鑑みてなさ
れたものであって、研削加工面のように異方性の高い材
料表面について触針走査のゆらぎを補正して、得られる
データ曲面がその異方性を失わず評価しやすいように
し、しかもそのゆらぎを1次関数等に限定することなく
一般のゆらぎを補正可能な、材料表面の触針走査ゆらぎ
補正方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的に対応して、こ
の発明の材料表面の触針走査ゆらぎ補正方法は、凹凸に
ついての異方性をもつ材料表面の検査対象部分において
その異方性のある方向に縦軸をとり、該縦軸と垂直に横
軸(距離軸)をとり、該横軸(距離軸)と平行に順次隣
接する複数の平行線分からなる走査線分上をそれぞれ触
針で走査して所定時間間隔での前記触針の先端の高さ位
置のデータを、前記走査線分上に横軸を時間軸としてと
りかつ前記高さ方向に垂直軸をとった各2次元座標系上
にプロットして得られる各データ曲線の全体が、前記縦
軸、前記時間軸である横軸、前記垂直軸がなす3次元座
標系上で描くデータ曲面において、まず1つの前記デー
タ曲線を甲データ曲線とし、前記甲データ曲線に隣接す
るデータ曲線を乙データ曲線として甲データ曲線と乙デ
ータ曲線との間で相互補正し、次のこの相互補正後の乙
データ曲線を新たな甲データ曲線としてこれに隣接する
他のデータ曲線を新たな乙データ曲線として甲データ曲
線と乙データ曲線との間で相互補正し、次にこの相互補
正後の乙データ曲線を更に新たな甲データ曲線としてこ
れに隣接する更に他のデータ曲線を更に新たな乙データ
曲線として甲データ曲線と乙データ曲線との間で相互補
正し、以下これを繰り返して、前記データ曲面のデータ
曲線を順次補正することにより前記データ曲面を補正す
ることを特徴としている。
【0008】
【作用】データ曲線を折れ線で近似し、隣接2データ折
れ線のそれぞれの決められた始点から終点までの有限個
の折れ点のうち、ゆらぎの可能性のある折れ点同士の対
応の種々の組み合わせについて、一方の折れ点の横座標
を他方の折れ点の横座標に替えたときに、どの組合わせ
が異方性から見て妥当かを2つの部分折れ線の類似度を
示す評価関数により、数値化して評価し、最も良い対応
の組合わせの横座標の変更を実行する。
【0009】
【実施例】図4において1は工作物でありその表面2が
研削面であるとし、この表面2を触針式粗さ計の触針3
で走査する。このとき触針3で表面2をなぞりながら刻
々の触針3の高さ位置を精密に計り、触針3で2次元的
に走査したときの刻々の触針先端の高さ位置のデータに
よって加工面を3次元的に再現しようとする。このとき
触針3の走査の仕方としては、まず研削方向4と垂直な
1つの直線5上を走査し、次にこの直線5から研削方向
にわずかに平行にずれた直線6上を走査し、これを順次
何回も繰返して計測領域の全域に及ぼす。触針3の高さ
は計測データ走査ゆらぎ補正装置7に入力される。
【0010】走査ゆらぎ補正装置7はデータ取り込み部
8、演算部11、結果出力部12より成る。データ取り
込み部8は触針3からの2組の走査データを取り込み、
演算部11で処理できる形にする。演算部11では後に
述べるデータの折れ線近似化、マッチング組み合わせ選
択、評価関数計算、マッチング結果選択、等の処理を行
う。結果出力部12では演算結果の数値データの出力、
グラフィクデータの出力を画面上及びハードコピーとし
て行う。
【0011】走査ゆらぎ補正装置7における補正動作は
次の通りである。 (1)凹凸についての異方性をもつ材料表面の検査対象
部分においてその異方性のある方向に縦軸をとり、該縦
軸と垂直に横軸をとり、該横軸と平行に順次隣接する複
数の平行線分上をそれぞれ触針で走査して所定時間間隔
での前記触針の先端の高さ位置のデータを、前記走査線
分上に横軸を時間軸としてとりかつ前記高さ方向に垂直
軸をとった各2次元座標系上にプロットして得られる各
データ曲線の全体が、前記縦軸、前記横軸(時間軸)、
前記垂直軸がなす3次元座標系上で描くデータ曲面にお
いて、まず1つの前記データ曲線を甲データ曲線とし、
前記甲データ曲線に隣接するデータ曲線を乙データ曲線
とする。
【0012】(2)甲データ曲線および乙データ曲線の
それぞれから、前記プロットされた点のうちのそのデー
タ曲線の凹凸をよく表す点を折れ点として含む折れ線で
近似した甲データ折れ線および乙データ折れ線をそれぞ
れ作成する。ただし折れ角が180度の点も折れ点に含
めるものとする。
【0013】(3)甲データ折れ線上の折れ点Pと乙デ
ータ折れ線上の折れ点Qが、触針の走査速度が一定であ
ったなら同じ横座標をもったとみなして、以下の通り定
義する。折れ点Pの横座標でもって折れ点Qの横座標を
替えることを、QがPに「対応」するということにし、
折れ点Qの横座標でもって折れ点Pの横座標を替えるこ
とをPがQに「対応」するということにし、またPとQ
が「対応」するということはQがPに対応する場合とP
がQに「対応」する場合の両方を含めていうこととし、
ただしいずれの場合も「対応」するのは2点P,Qの横
座標の差の絶対値が所定の値以下である場合のみとする
(図6)。
【0014】(4)乙データ折れ線上の折れ点の中か
ら、甲データ折れ線上の決められた始点Aに「対応」す
る点Cと、決められた終点Bに「対応」する点Dとを、
それぞれ(5)に示す方法で求めて、それぞれを乙デー
タ折れ線上の始点と終点であると決め、(6)に示す相
互補正後は、CとDをそれぞれ新たな甲データ折れ線上
の始点と終点とする。ただし最初の甲データ折れ線上の
始点Aと終点Bとは任意に決める(図7)。
【0015】(5)甲デ―タ折れ線上の折れ点のうちか
ら2点E,Fを任意に選んで、Eを始点としてFを終点
とする甲デ―タ折れ線部分が甲デ―タ折れ線上の決めら
れた始点Aを折れ点として含むようにし、乙デ―タ折れ
線上の折れ点のうちから(3)によりEと「対応」し得
る範囲の横座標をもつ点G(○印で示す)と(3)によ
りFと「対応」し得る範囲の横座標をもつ点H(□印で
示す)と組み合わせ{G,H}を種々に変え、かつ1つ
の組み合わせ{G,H}においてGがEと「対応」しか
つHがFと「対応」しかつGとHの間の少なくとも1つ
の折れ点がEとFの間の甲デ―タ折れ線部分に含まれる
折れ点とそれぞれ「対応」するようにしてその「対応」
のし方を種々に変え、ただし甲のAに「対応」する乙の
折れ点があるようにその「対応」のし方を種々に変えた
場合において、始点と終点との横座標がそれぞれ同じで
ある2つの折れ線がどれだけ似ているかを数値化して評
価し得る任意の評価関数により、最も似ていると評価さ
れる値を与える組み合わせ{G,H}とそのときの折れ
点の「対応」のし方の組み合わせにおいて、Aに「対
応」した乙デ―タ折れ線上の折れ点を、始点Aに「対
応」する点Cと決め、同様にして、終点Bに「対応」す
る点Dを決める。
【0016】(6)乙データ折れ線上の始点Cと終点D
がそれぞれ甲データ折れ線上の始点Aと終点Bに「対
応」した場合において、CとDの間の乙データ折れ線部
分に含まれる折れ点のうちの少なくとも1点と、甲デー
タ折れ線上の始点Aと終点Bの間の甲折れ線部分に含ま
れる折れ点がそれぞれ「対応」する種々の「対応」のし
方の組み合わせについて、「対応」後のCからDまでの
折れ線部分が、AからBまでの甲折れ線部分と、どの位
似ているかの類似度を、(5)の評価関数により数値化
し、最も似ていると評価される値を与えた「対応」の組
み合わせを実行し、隣接する「対応」のついている点と
点との間については「対応」点間を補間する線形関数で
横座標を計算し、これをもって甲データ曲線と乙データ
曲線の間の相互補正とする。
【0017】この材料表面の触針走査ゆらぎ補正方法に
おいては、各データ曲線は、その凹凸をよく表す点を折
れ点として含む線で近似されてデータ折れ線とされ、こ
のデータ折れ線においては、元のデータ曲線上の山や谷
の横座標位置が帯状でなく点状に明確に把握される
((2))。2つの隣接するデータ曲線においてほぼ同
じ横座標位置に、しかし互いにわずかにずれて山や谷が
ある場合、本来同じ横座標位置に来るべきものがゆらぎ
によりずれたのか、あるいはもともと研削面上でそのよ
うにずれているのか、が判断されて、ゆらぎの場合は両
者の横座標は同じであるとして、一方に他方が合わせら
れ、そうでないときはそのままとされる。ずれの大きさ
が、所定の基準値を越えている場合は、はじめから、ゆ
らぎではない、とされる((3))。
【0018】ここで、ずれの大きさが基準地以下である
場合に、ゆらぎのせいなのか、そうでないか、の判断
は、1つずつの山や谷について個別におこなうのは、そ
の性質上からも数の上からも非常に困難であると考えら
れるが、この発明では、1つのデータ折れ線ごとにその
山と谷のすべての横座標位置が、ゆらいでいるか、そう
でないか、一括して判断される。すなわち、まず1つの
データ曲線から作成された甲データ折れ線上に始点Aと
終点Bが任意に決められ、隣接するデータ折れ線すなわ
ち乙データ折れ線上に、Aに「対応」する(つまりAと
同じ横座標をもつことにされる)点Cと、Bに「対応」
する点Dとが決められ、それぞれ乙データ折れ線上の始
点と終点とされる((4),(5))。そして、甲デー
タ折れ線上のAからBまでの間の甲データ折れ線部分の
上のすべての山や谷と、乙データ折れ線上のCからDま
での間の乙データ折れ線部分の上のすべての山や谷と
の、ずれの大きさからみて「対応」する可能性のある
「対応」の種々の組み合わせについて、それを実行した
場合の2つの折れ線の近似性が評価関数により数値化さ
れ、最も近似性が高いと評価される値を与える「対応」
の組み合わせが選ばれ、とりもなおさずこれにより異方
性に考慮した場合に甲データ折れ線上及び乙データ折れ
線上のどの山や谷がゆらいでいるとみるのが妥当である
かが一括判断されたことになり、これに従って甲データ
折れ線上の折れ点と乙データ折れ線上の折れ点とのうち
「対応」のついたものは、それぞれ一方の横座標が他方
の横座標に替えられ、これにより甲データ曲線と乙デー
タ曲線の間の相互補正が終わる((6))。
【0019】次にこの相互補正後の乙データ曲線を新た
に甲データ曲線としてこれに隣接する他のデータ曲線が
新たな乙データ曲線とされて甲データ曲線と乙データ曲
線が相互補正され、次にこの相互補正後の乙データ曲線
を更に新たな甲データ曲線としてこれと隣接する更に他
のデータ曲線が更に新たな乙データ曲線とされて甲デー
タ曲線と乙データ曲線が相互補正され、以下これが繰り
返されて、データ曲面上のデータ曲線が順次補正される
ことによりデータ曲面が補正される。
【0020】(実験例)焼き入れ合金鋼を研削した試験
片の表面を、触針式粗さ計(例えばタリサーフ5型及び
タリサーフ6型(商品名))により研削方向と直角に触
針を走査し、次に走査位置を研削方向にわずかに変えて
走査し、これを繰り返した。触針式粗さ計の設定は、横
倍率20倍(触針の走査速度250μm毎秒)とし、D
Cアンプで電圧を2倍に増幅しサンプリング周波数50
0HzでA/D変換した。粗さの計測走査は、砥石によ
り削られた部分全体を覆うように行ったが、解析対象と
しては、このうちの2000点程度(走査位置を研削方
向に100μm毎にずらせながら101本、すなわち測
定物上で10mm程度)を用いた。
【0021】図2はこうして得られた隣接する2つのデ
ータ曲線の例を示している。点線で示すデータ曲線を甲
データ曲線21とし、実線で示すデータ曲線を乙データ
曲線22とし、それぞれの曲線の両端の点を始点、終点
としてこれら2つのデータ曲線の相互補正をした後のそ
れぞれの曲線21a,22aを図1に示す。ここに△印
は「対応」した点を表しており、それら「対応」した点
同士は同じ横座標位置にある。
【0022】ここで用いた評価関数は、 ∫|(d/dt)f1 (g(t))−f2 (t)|dt
+∫|(d/dt)f1(t)−f2 (g-1(t))|
dt である。ただし、f1 (t),f2 (t)は触針の横座
標(時間)がtのときの触針の先端の垂直座標を表す関
数、g(t)は、触針の走査速度が一定である場合には
横座標(時間)がtのときの横座標(距離)がxである
としたのに実際には一定ではないために横座標xに到達
したときの横座標(時間)がtではなくなりg(t)へ
とずれるというその時間関数である。ここで、前記
(2)において、折れ線でデータ曲線を近似したことに
よりf1,f2 は折れ線に対応する1次関数だから、こ
の評価関数の計算は極めて簡単である。
【0023】評価関数としてはこれに限らず、2つの折
れ線において始点と終点との横座標がそれぞれ一致して
いるとき、その2つの折れ線の類似度を数値化できるも
のなら良い。最も簡単には、その2つの折れ線の間の面
積等が考えられる。この場合、この面積が小さいほど似
ていると考える。その面積を計算するには、上下の折れ
線を、いくつかの区間に分けて上下の1次関数同士で表
せば、それらの差の簡単な積分計算の和になるから、計
算処理が簡単である。またデータの性質によっては、例
えば2つの折れ線を構成する線分の傾きの相違が折れ線
の似ている度合いに強く影響するということも考えられ
るから、そのような場合には評価関数に折れ線の傾きが
加味されるように評価関数の式を決めれば良い。
【0024】図5は多数のデータ曲線の連なりとして描
かれたデータ曲面23を示す。図3は図5に示すデータ
曲面23の補正後のデータ曲面23aを示す。補正後の
データ曲面23aでは、補正前のデータ曲面23ではは
っきりしなかった異方性が、はっきりと現れている。
【0025】
【発明の効果】この発明によれば、データ曲線は折れ線
で近似されて、データ折れ線とされ、その凹凸の山や谷
の位置が1つの折れ点で代表され処理し易くなる。隣接
する2つのデータ折れ線のそれぞれ決められた始点から
終点までの有限個の折れ点のうち、ゆらぎの可能性のあ
る折れ点同士の対応の種々の組合わせについて、一方の
折れ点の横座標を他方の折れ点の横座標に替えたとき
に、どの組合わせが異方性から見て妥当かを2つの部分
折れ線の似ている度合を示す評価関数により、数値化し
て簡単に比較でき、有限個の組合わせについての比較の
結果、最も良いとされた対応の組合わせの横座標の変更
を実行すればよい。
【0026】したがって、1つ1つの山や谷についてゆ
らぎか否かを個別に判断する困難がなくデータ折れ線ご
とに一括して山や谷のゆらぎを補正することができ、こ
のとき、2つの隣接データ曲線間で異方性が失われるこ
とはない。
【0027】このようにして、順次隣接するデータ曲線
が補正されるから、これらの連なりのデータ曲面でも異
方性が保たれ、加工面の評価もよい。またゆらぎに関す
る関するg(t)は何等限定されないから、一般的であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】相互補正後の2データ曲線を示すグラフ。
【図2】相互補正前の2データ曲線を示すグラフ。
【図3】ゆらぎ補正後のデータ曲面を示す説明図。
【図4】走査ゆらぎ補正装置7の構成説明図。
【図5】ゆらぎ補正前のデータ曲面を示す説明図。
【図6】データ折れ線を示すグラフ。
【図7】データ折れ線を示すグラフ。
【符号の簡単な説明】
1 工作物 2 表面 3 触針 4 研削方向 5 直線 6 直線 7 走査ゆらぎ補正装置 8 データ取り込み部 11 演算部 12 結果出力部 21 甲データ曲線 22 乙データ曲線 23 データ曲面 21a 補正後の甲データ曲線 22a 補正後の乙データ曲線 23a 補正後のデータ曲面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹凸についての異方性をもつ材料表面の
    検査対象部分においてその異方性のある方向に縦軸をと
    り、該縦軸と垂直に横軸(距離軸)をとり、該横軸(距
    離軸)と平行に順次隣接する複数の平行線分からなる走
    査線分上をそれぞれ触針で走査して所定時間間隔での前
    記触針の先端の高さ位置のデータを、前記走査線分上に
    横軸を時間軸としてとりかつ前記高さ方向に垂直軸をと
    った各2次元座標系上にプロットして得られる各データ
    曲線の全体が、前記縦軸、前記時間軸である横軸、前記
    垂直軸がなす3次元座標系上で描くデータ曲面におい
    て、 まず1つの前記データ曲線を甲データ曲線とし、 前記甲データ曲線に隣接するデータ曲線を乙データ曲線
    として甲データ曲線と乙データ曲線との間で相互補正
    し、次のこの相互補正後の乙データ曲線を新たな甲デー
    タ曲線としてこれに隣接する他のデータ曲線を新たな乙
    データ曲線として甲データ曲線と乙データ曲線との間で
    相互補正し、次にこの相互補正後の乙データ曲線を更に
    新たな甲データ曲線としてこれに隣接する更に他のデー
    タ曲線を更に新たな乙データ曲線として甲データ曲線と
    乙データ曲線との間で相互補正し、以下これを繰り返し
    て、 前記データ曲面のデータ曲線を順次補正することにより
    前記データ曲面を補正することを特徴とする材料表面の
    触針走査ゆらぎ補正方法。
JP1595093A 1993-01-05 1993-01-05 材料表面の触針走査ゆらぎ補正方法 Expired - Lifetime JPH07104123B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016053524A (ja) * 2014-09-03 2016-04-14 株式会社ジェイテクト 転がり軸受における軌道の表面粗さ測定装置及び方法
CN112179303A (zh) * 2020-09-10 2021-01-05 河南中原特钢装备制造有限公司 一种磁粉标准试片的测量方法

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