JPH0620030B2 - アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法 - Google Patents
アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法Info
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- JPH0620030B2 JPH0620030B2 JP59243616A JP24361684A JPH0620030B2 JP H0620030 B2 JPH0620030 B2 JP H0620030B2 JP 59243616 A JP59243616 A JP 59243616A JP 24361684 A JP24361684 A JP 24361684A JP H0620030 B2 JPH0620030 B2 JP H0620030B2
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- electrolytic
- aluminum foil
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造
方法に関するものである。
方法に関するものである。
従来例の構成とその問題点 従来、この種のアルミニウム電解コンデンサは塩素イオ
ンを含む電解液中で電解エッチングを行い、実効表面積
を拡大したのち、誘電体の酸化皮膜をほどこしたアルミ
ニウム箔と絶縁紙とを巻回し、駆動用電解液を含浸して
構成している。
ンを含む電解液中で電解エッチングを行い、実効表面積
を拡大したのち、誘電体の酸化皮膜をほどこしたアルミ
ニウム箔と絶縁紙とを巻回し、駆動用電解液を含浸して
構成している。
電解エッチングによる電極箔の表面積拡大作用は多数の
要因、例えばエッチング電流波形、電流密度、エッチン
グ液の濃度および温度等の影響を受けることが知られて
いる。
要因、例えばエッチング電流波形、電流密度、エッチン
グ液の濃度および温度等の影響を受けることが知られて
いる。
その中で電流波形に関する検討も従来から行われてお
り、通常電流、交流、パルス電流が工業的に使用されて
いる。
り、通常電流、交流、パルス電流が工業的に使用されて
いる。
パルス電流波形を利用するエッチング法も種々検討され
ており、塩素イオンを含む電解液中でパルス電流波形を
用いる方法としては、英国特許第1,169,234号
明細書、特開昭57−132322号公報等が知られて
いる。また塩素イオンとクロム酸イオンを含む電解液中
で、パルス電流波形を用いてエッチングを行う方法とし
ては、特公昭55−36280号公報が知られている。
これらの方法は、電流波形として通電している間は一定
電流が流れる矩形波電流を用いてアルミニウム箔を電解
エッチングする方法であり、実効表面積拡大に限界があ
り、目標とする十分高い拡面倍率が得られず、アルミニ
ウム電解コンデンサの小型化・コストダウンに限界があ
るという欠点があった。
ており、塩素イオンを含む電解液中でパルス電流波形を
用いる方法としては、英国特許第1,169,234号
明細書、特開昭57−132322号公報等が知られて
いる。また塩素イオンとクロム酸イオンを含む電解液中
で、パルス電流波形を用いてエッチングを行う方法とし
ては、特公昭55−36280号公報が知られている。
これらの方法は、電流波形として通電している間は一定
電流が流れる矩形波電流を用いてアルミニウム箔を電解
エッチングする方法であり、実効表面積拡大に限界があ
り、目標とする十分高い拡面倍率が得られず、アルミニ
ウム電解コンデンサの小型化・コストダウンに限界があ
るという欠点があった。
発明の目的 本発明は、このような従来の欠点を除去するものであ
り、高倍率のアルミニウム電解コンデンサ用電極箔を製
造することを目的とするものである。
り、高倍率のアルミニウム電解コンデンサ用電極箔を製
造することを目的とするものである。
発明の構成 上記目的を達成するために本発明は、塩素イオンを含む
水溶液を電解液とし、この電解液中において、アルミニ
ウム箔と対極との間に、アルミニウム箔を陽極として、
電流を通電する時間と電流を停止させる時間とを繰り返
して、電解エッチングを行うとともに、電流を通電させ
る時間と電流を停止させる時間はそれぞれ5〜10ms
とし、かつ電流を通電する電流波形は、電流値がゼロか
ら急激に設定値まで上昇し、その後徐々に直線的に増加
あるいは減少し、通電時間が終了すると、急激にゼロに
なるように電流値が時間的に変化する電流波形を用いた
ものである。
水溶液を電解液とし、この電解液中において、アルミニ
ウム箔と対極との間に、アルミニウム箔を陽極として、
電流を通電する時間と電流を停止させる時間とを繰り返
して、電解エッチングを行うとともに、電流を通電させ
る時間と電流を停止させる時間はそれぞれ5〜10ms
とし、かつ電流を通電する電流波形は、電流値がゼロか
ら急激に設定値まで上昇し、その後徐々に直線的に増加
あるいは減少し、通電時間が終了すると、急激にゼロに
なるように電流値が時間的に変化する電流波形を用いた
ものである。
この構成によれば、アルミニウム箔と対極との間に、ア
ルミニウム箔を陽極として、電流を通電する時間と電流
を停止させる時間とを繰り返して、電解エッチングを行
う場合、電流を通電させる時間と電流を停止させる時間
をそれぞれ5〜10msとし、かつ電流を通電する電流
波形は、電流値がゼロから急激に設定値まで上昇し、そ
の後徐々に直線的に増加あるいは減少し、通電時間が終
了すると、急激にゼロになるように電流値が時間的に変
化する電流波形を用いているため、アルミニウム箔表面
と電解液との界面で生じる溶解反応の速度が時間的に刻
々と変化することになり、これにより、高い拡面倍率を
得ることができるものである。つまり、アルミニウム箔
を溶解すると溶解反応の際に生じる水素ガス等の気体の
一部がアルミニウム箔の表面に吸着される。そのガスが
吸着されている個所は塩素イオンの攻撃を受けないた
め、腐食が妨げられるという具合に、溶解速度が時間的
に変化し、かつガス濃度に時間的あるいは場所的なゆら
ぎ現象が生じて、多くの腐食開始点が生成されるため、
従来例のような矩形波状の電流波形を用いたもののよう
に、電流値が一定で、かつ溶解速度も一定であるものに
比べて高い拡面倍率を得ることができるものである。
ルミニウム箔を陽極として、電流を通電する時間と電流
を停止させる時間とを繰り返して、電解エッチングを行
う場合、電流を通電させる時間と電流を停止させる時間
をそれぞれ5〜10msとし、かつ電流を通電する電流
波形は、電流値がゼロから急激に設定値まで上昇し、そ
の後徐々に直線的に増加あるいは減少し、通電時間が終
了すると、急激にゼロになるように電流値が時間的に変
化する電流波形を用いているため、アルミニウム箔表面
と電解液との界面で生じる溶解反応の速度が時間的に刻
々と変化することになり、これにより、高い拡面倍率を
得ることができるものである。つまり、アルミニウム箔
を溶解すると溶解反応の際に生じる水素ガス等の気体の
一部がアルミニウム箔の表面に吸着される。そのガスが
吸着されている個所は塩素イオンの攻撃を受けないた
め、腐食が妨げられるという具合に、溶解速度が時間的
に変化し、かつガス濃度に時間的あるいは場所的なゆら
ぎ現象が生じて、多くの腐食開始点が生成されるため、
従来例のような矩形波状の電流波形を用いたもののよう
に、電流値が一定で、かつ溶解速度も一定であるものに
比べて高い拡面倍率を得ることができるものである。
実施例の説明 以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
従来例と本発明例との両方において、通電時間T1と停
止時間T2と拡面倍率との関係を第1図、第2図に示
す。なお、実験条件は、エッチング液NaCl5%,9
0℃,エッチング時間1分、電流密度0.5A/cm2で
ある。
止時間T2と拡面倍率との関係を第1図、第2図に示
す。なお、実験条件は、エッチング液NaCl5%,9
0℃,エッチング時間1分、電流密度0.5A/cm2で
ある。
第1図,第2図から明らかなように、電流の通電時間T
1と停止時間T2はほぼ同じで、その時間5〜10ms
の範囲において、本発明の方が従来例に比べて高い拡面
倍率が得られていることがわかる。
1と停止時間T2はほぼ同じで、その時間5〜10ms
の範囲において、本発明の方が従来例に比べて高い拡面
倍率が得られていることがわかる。
発明の効果 以上のように本発明によれば、アルミニウム箔と対極と
の間に、アルミニウム箔を陽極として、電流を通電する
時間と電流を停止させる時間とを繰り返して、電解エッ
チングを行う場合、電流を通電させる時間と電流を停止
させる時間をそれぞれ5〜10msとし、かつ電流を通
電する電流波形は、電流値がゼロから急激に設定値まで
上昇し、その後徐々に直線的に増加あるいは減少し、通
電時間が終了すると、急激にゼロになるように電流値が
時間的に変化する電流波形を用いているため、アルミニ
ウム箔表面と電解液との界面で生じる溶解反応の速度が
時間的に刻々と変化することになり、これにより、高い
拡面倍率を得ることができるものである。つまり、アル
ミニウム箔を溶解すると溶解反応の際に生じる水素ガス
等の気体の一部がアルミニウム箔の表面に吸着される。
そのガスが吸着されている個所は塩素イオンの攻撃を受
けないため、腐食が妨げられるという具合に、溶解速度
が時間的に変化し、かつガス濃度に時間的あるいは場所
的なゆらぎ現象が生じて、多くの腐食開始点が生成され
るため、従来例のような矩形波状の電流波形を用いたも
ののように、電流値が一定で、かつ溶解速度も一定であ
るものに比べて高い拡面倍率を得ることができるもので
ある。
の間に、アルミニウム箔を陽極として、電流を通電する
時間と電流を停止させる時間とを繰り返して、電解エッ
チングを行う場合、電流を通電させる時間と電流を停止
させる時間をそれぞれ5〜10msとし、かつ電流を通
電する電流波形は、電流値がゼロから急激に設定値まで
上昇し、その後徐々に直線的に増加あるいは減少し、通
電時間が終了すると、急激にゼロになるように電流値が
時間的に変化する電流波形を用いているため、アルミニ
ウム箔表面と電解液との界面で生じる溶解反応の速度が
時間的に刻々と変化することになり、これにより、高い
拡面倍率を得ることができるものである。つまり、アル
ミニウム箔を溶解すると溶解反応の際に生じる水素ガス
等の気体の一部がアルミニウム箔の表面に吸着される。
そのガスが吸着されている個所は塩素イオンの攻撃を受
けないため、腐食が妨げられるという具合に、溶解速度
が時間的に変化し、かつガス濃度に時間的あるいは場所
的なゆらぎ現象が生じて、多くの腐食開始点が生成され
るため、従来例のような矩形波状の電流波形を用いたも
ののように、電流値が一定で、かつ溶解速度も一定であ
るものに比べて高い拡面倍率を得ることができるもので
ある。
第1図は通電時間T1と拡面倍率との関係を示す図、第
2図は停止時間T2と拡面倍率との関係を示す図であ
る。
2図は停止時間T2と拡面倍率との関係を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠山 健二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 神崎 信義 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭51−25439(JP,A) 特開 昭51−142442(JP,A) 特開 昭57−132322(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】塩素イオンを含む水溶液を電解液とし、こ
の電解液中においてアルミニウム箔と対極との間にアル
ミニウム箔を陽極として電流を通電する時間と電流を停
止させる時間とを繰り返して電解エッチングを行うとと
もに、電流を通電させる時間と電流を停止させる時間は
それぞれ5〜10msとし、かつ電流を通電する電流波
形は、電流値がゼロから急激に設定値まで上昇し、その
後徐々に直線的に増加し、通電時間が終了すると急激に
ゼロになるように電流値が時間的に変化する電流波形を
用いたアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方
法。 - 【請求項2】塩素イオンを含む水溶液を電解液とし、こ
の電解液中においてアルミニウム箔と対極との間にアル
ミニウム箔を陽極として電流を通電する時間と電流を停
止させる時間とを繰り返して電解エッチングを行うとと
もに、電流を通電させる時間と電流を停止させる時間は
それぞれ5〜10msとし、かつ電流を通電する電流波
形は、電流値がゼロから急激に設定値まで上昇し、その
後徐々に直線的に減少し、通電時間が終了すると急激に
ゼロになるように電流値が時間的に変化する電流波形を
用いたアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59243616A JPH0620030B2 (ja) | 1984-11-19 | 1984-11-19 | アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59243616A JPH0620030B2 (ja) | 1984-11-19 | 1984-11-19 | アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61121420A JPS61121420A (ja) | 1986-06-09 |
JPH0620030B2 true JPH0620030B2 (ja) | 1994-03-16 |
Family
ID=17106467
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59243616A Expired - Lifetime JPH0620030B2 (ja) | 1984-11-19 | 1984-11-19 | アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0620030B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007123552A (ja) * | 2005-10-28 | 2007-05-17 | Nichicon Corp | 電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5125439A (ja) * | 1974-08-28 | 1976-03-02 | Fujitsu Ltd | |
JPS51142442A (en) * | 1975-06-04 | 1976-12-08 | Fujitsu Ltd | Method of producing porous anodic elements of aluminum |
NL8006998A (nl) * | 1980-12-23 | 1982-07-16 | Philips Nv | Aluminiumfolie voor elektrolytische kondensatoren. |
-
1984
- 1984-11-19 JP JP59243616A patent/JPH0620030B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61121420A (ja) | 1986-06-09 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |