JPH06199502A - 金属酸化物微粒子の製造方法及びその装置 - Google Patents

金属酸化物微粒子の製造方法及びその装置

Info

Publication number
JPH06199502A
JPH06199502A JP40922990A JP40922990A JPH06199502A JP H06199502 A JPH06199502 A JP H06199502A JP 40922990 A JP40922990 A JP 40922990A JP 40922990 A JP40922990 A JP 40922990A JP H06199502 A JPH06199502 A JP H06199502A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fine particles
metal oxide
metal
droplets
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP40922990A
Other languages
English (en)
Inventor
Kentaro Oshima
賢太郎 大島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP40922990A priority Critical patent/JPH06199502A/ja
Publication of JPH06199502A publication Critical patent/JPH06199502A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B13/00Oxygen; Ozone; Oxides or hydroxides in general
    • C01B13/14Methods for preparing oxides or hydroxides in general
    • C01B13/18Methods for preparing oxides or hydroxides in general by thermal decomposition of compounds, e.g. of salts or hydroxides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B13/00Oxygen; Ozone; Oxides or hydroxides in general
    • C01B13/14Methods for preparing oxides or hydroxides in general
    • C01B13/34Methods for preparing oxides or hydroxides in general by oxidation or hydrolysis of sprayed or atomised solutions

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡便かつ安全なプロセスおよび装置で金属酸
化物微粒子を高収率で得ることを目的とする。 【構成】 金属塩を含む溶液を液滴径が0.1μmから
100μmの微小な液滴とし、その液滴をキャリアーガ
スを用いて気液混相の状態で高温反応炉内へ送り、該反
応炉内部で液滴に含まれる金属塩を熱分解して金属酸化
物微粒子を生成し、得られた金属酸化物微粒子を静電捕
集器を用いて回収することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属酸化物微粒子の製
造方法及び装置に関する。更に詳しくは、紫外線遮蔽能
を有する金属酸化物微粒子の製造方法及びその装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に金属酸化物微粒子は、光導電性、
圧電性、蛍光性、触媒効果等の性能を利用して様々な工
業分野で利用されている。
【0003】金属酸化物微粒子の中で、例えば酸化亜鉛
微粒子は種々の工業製品、医薬品、ゴムの加硫促進剤、
触媒、バリスター(可変抵抗器)、塗料、最近では紫外線
遮蔽材としてUV化粧品に用いられている。
【0004】また、酸化チタン微粒子も広範な工業製品
価値を有し、白色顔料、磁気原料、研摩剤、医薬品、最
近では酸化亜微粒子と同様に紫外線遮蔽材として用いら
れている。その他の金属酸化物微粒子も、様々の工業的
価値を持つ。
【0005】以上の様に、金属酸化物はその工業的価値
は極めて大きく、その機能を最大限に発現させるには微
粒子化が重要である。すなわち、微粒子化することによ
り、比表面積が増大したり、微粒子を構成する全分子数
中に占める微粒子表面に位置する分子数の割合が大きく
なる為に微粒子の表面エネルギーが増大するから、その
機能が極めて大きく発現される。
【0006】前述のように、極めて重要な工業的価値を
有する金属酸化物微粒子の製造法には、大きく分けて、
液相法と気相法がある。
【0007】液相法では、例えば酸化亜鉛微粒子の製造
では、それらの金属アルコキシドを加水分解して酸化亜
鉛微粒子を得る方法(特開平2−59425号公報)があ
る。又、一般的には、古くから、金属塩に酸・アルカリ
の溶液を加えて液相内反応を起こすことにより、所望の
金属酸化物を得る方法がある。
【0008】気相法では、一般に金属を蒸気化し、その
蒸気と酸素を有するガスとを混合して金属酸化物微粒子
を得る方法(例えば、酸化亜鉛微粒子の製造では、特開
平1−286919号公報および特開平2−20836
9号公報)がある。
【0009】上記の液相法と気相法以外に、噴霧熱分解
法があり、これは金属の無機酸塩又は有機酸塩を含む水
溶液あるいは有機溶媒溶液を霧化し、この霧状液体粒子
を加熱炉に搬送して、熱分解反応により酸化物系微粒子
を得る方法(例えば、酸化物系超電導体の製造では、特
開平2−196023号公報)である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上の従来技術を考え
た場合、液相法では、その出発原料の選定をするのに、
所望とする金属酸化物微粒子について、その金属を含む
金属アルコキシドを合成するのには限界が有り、換言す
れば金属アルコキシド化できない金属も有り、広範な金
属酸化物微粒子を製造できるとは言い難い。また、古く
から行なわれている金属塩を用いる方法では、出発原料
の選定にはほとんど制限が無いものの、それらを液相内
反応させる為には各種の酸・アルカリ溶液を経験的に選
んで合成しなければならず、その合成過程を決定するの
に複雑で長期間を要する。そして、これらの液相法によ
る製造プロセスについては、バッチ式が基本となる為自
動化が困難で、しかも生成微粒子は固液混相の状態で得
られる為、製品として得るには、必ず濾過、乾燥の工程
が加わり、製造プロセス全体が複雑となり、低コスト化
が困難である。
【0011】一方、気相法では、原料に純度の高い金属
を用いることが製品の純度を高めるために必要である
が、その分コスト高となる。また、一般に金属の融点は
高いので、金属を蒸気化するにはかなり高温化する必要
が有り、装置の設計においても高温を維持できるような
材質を選定しなければならず、製造プロセスの安全性の
面からも好ましくはない。
【0012】また、前記噴霧熱分解法では、気固混相の
状態で得られた酸化物系微粒子を回収するのに、霧状原
料液体の粒子を放射線照射等の手段により荷電した後、
加熱炉に搬送して熱分解反応により酸化物系帯電微粒子
とし、この帯電微粒子を所定の加温された基体上に堆積
させる方法を用いている。しかし、その方法では、荷電
装置内に液滴が入る為、電荷発生部が運転時間が経過す
ると液濡れ状態となり、荷電装置の動作不良が起こった
り、また基体を加熱炉内に設置する為、その基体の大き
さが制限され、かつ装置系が複雑となる。従って、連続
運転が困難で、大量生産に適していないと言える。
【0013】本発明の目的は、 1) 金属塩を原料とするので、広範な金属酸化物微粒
子を製造できる、 2) 簡便で安全な製造プロセスにより、かつ微粒子の
回収には静電捕集器を用いるので製造装置の長時間、連
続運転が可能であることにより、低コストで金属酸化物
微粒子を製造できる、 ことである。
【0014】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、広範な金属
酸化物微粒子を連続的に製造し、かつ簡便なプロセスに
より低コストで金属酸化物微粒子を得るということに着
目して本発明を完成した。すなわち本発明は、金属塩を
含む溶液を液滴径が0.1μmから100μmの微小な液
滴とし、その液滴をキャリアーガスを用いて気液混相の
状態で高温反応炉内へ送り、該反応炉内部で液滴に含ま
れる金属塩を熱分解して金属酸化物微粒子を生成し、得
られた金属酸化物微粒子を静電捕集器を用いて回収する
ことを特徴とする金属酸化物微粒子の製造方法を提供す
ることを特徴とする。
【0015】以下、図面に基づいて本発明方法及びその
装置を詳細に説明する。
【0016】図1は、本発明の装置の一例の概略図を示
すものである。液槽1内にある金属塩溶液を液送用循環
ポンプ2を用いて、微小な液滴を発生する液滴供給装置
3へ連続供給し、その発生した液滴をキャリアーガス供
給装置4より送られてくるキャリアーガスに同伴させて
高温加熱体5を有する反応管6へ送り込み、反応管6内
で液滴の熱分解反応を行なわせて気固混相状態で金属酸
化物微粒子を生成させ、該微粒子をコロナ放電体8を有
する静電捕集器7内にある捕集板上へ静電沈着させ、該
微粒子を得る方法である。なお、静電捕集器7を出る水
蒸気を含むガスは、コールドトラップ9及びフィルター
10へ通されて水分を除去して、ポンプ11により強制
的に排気される。
【0017】金属塩として用いられる金属元素は、具体
的にはアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属であ
る。例えば、アルカリ金属は、Li、Na、K、Rb、C
s、Fr、アルカリ土類金属は、Be、Mg、Ca、Sr、B
a、Ra、遷移金属は、周期表第4周期のSc、Ti、V、
Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、第5周期のY、
Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、第6
周期のLa、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、
Hgが挙げられる。
【0018】また、塩の種類としては、塩酸塩、硝酸
塩、硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩、酢酸塩、また2種類以
上の塩で構成されている複塩、錯イオンを含む錯塩など
で、無水塩および含水塩のどちらでも良い。金属塩の具
体例としては、Ti(SO4)2、CuSO4・5H2O、Zn
(NO3)2・6H2O、Ca(NO3)2・4H2O、CaCl2
MgCO3、Fe3(PO4)2、Cu(CH3COO)2、複塩で
はKMgCl3、AlK(SO4)2など錯塩では、K3[Fe(C
N)6]、[CoCl(NH3)5]Cl2などが挙げられる。これ
ら金属塩は単独又は混合物で用いられる。混合物として
例えばチタン塩と亜鉛塩の混合物を用いた場合は熱分解
温度により、酸化亜鉛と酸化チタンの混合物又は複合物
であるチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)が得られる。
【0019】また、金属塩溶液の溶媒としては、水ある
いは有機溶媒を用いる。有機溶媒の例としてはメタノー
ル、エタノール等のアルコールや、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホス
ホルアミド等の極性溶媒が挙げられる。金属塩溶液濃度
は10-5mol/lから20mol/lの範囲で、望ましくは、
10-4mol/l〜10mol/lの範囲が良い。その理由は、
溶液濃度が10-5mol/lより薄い場合、金属酸化物微粒
子の生成量が極端に少なくなり、また溶液濃度が20mo
l/lより濃い場合、溶液粘度が増加しすぎて微小液滴化
が困難となるからである。
【0020】キャリアーガスとは、不活性ガスあるいは
熱分解反応の進行をさまたげないガスを言い、例えばヘ
リウム、空気、窒素等が用いられ、キャリアーガスの流
量は、反応管6内での金属塩を含む液滴の滞留時間が1
secより短くならないようにその流量を調節しなければ
ならない。
【0021】溶液の微小液滴化方法には、超音波振動に
よる方法や噴霧ノズルを用いる方法等があるが、液滴径
分布が狭くかつ微小な液滴を得るには、好ましくは超音
波振動による方法が良い。
【0022】液滴径は、0.1μmから100μmの範囲
で、液滴径分布はなるべく狭いもののが好ましい。液滴
径が0.1μmより小さい場合、生成微粒子径は最大で
も0.01μm程度で、その領域の微粒子は超微粒子と
呼ばれ、ブラウン拡散が大きい為反応管内壁への沈着量
が非常に多くなり、生成微粒子の歩留まりが悪くなる。
また、液滴径が100μmより大きい場合、生成微粒子
径は小さくても数十μm程度で、粒子の微粒化が困難と
なる。なお液滴径は気液混相の状態で測定することが好
ましく、例えば光散乱式粒度分布計測機で測定できる。
【0023】本発明により得られる金属酸化物粒子は、
単分散性が良く、噴霧溶液濃度の濃度調整により、0.
01μmから数十μmの範囲のものが得られるが、生成微
粒子の歩留まりや微粒化による機能向上を考慮した場
合、好ましくは0.05μmから5μmの範囲が良い。な
お金属酸化物微粒子径は、種々の方法で測定できるが、
例えば走査型電子顕微鏡で測定できる。
【0024】反応炉は、反応管6において、管軸方向お
よび半径方向に対して、等温部がなるべく広く保たれる
ように加熱体5を温度制御できるようにしなくてはなら
ない。反応炉の温度は、溶媒を水とした時、望ましくは
80℃から2000℃の範囲が良い。また、溶媒をアル
コールとした時、望ましくは、50℃から400℃の範
囲が良い。その理由として、溶媒が水の場合、80℃よ
り低いと液滴の水分が蒸発しにくく、また2000℃よ
り高いと水蒸気爆発の可能性があり、溶媒がアルコール
の場合、50℃より低いと液滴のアルコール分が蒸発し
にくく、また400℃より高いとススが発生するからで
ある。
【0025】熱分解反応を例示すると、 1) Ti(SO4)2 → TiO2+SOx 2) CuSO4 → CuO+SOx 3) Zn(NO3)2 → ZnO+NOx 4) Ca(NO3)2 → CaO+NOx 5) MgCO3 → MgO+CO2 などが挙げられる。
【0026】微粒子捕集器には、フィルター式、静電捕
集式があるが、フィルター式では、長時間使用すると目
詰まりを起こして本装置系におけるガスの流入および流
出のバランスを崩してしまう為、装置が長時間正常に作
動しなくなる恐れがある。しかし、静電捕集式では、コ
ロナ放電体8から発せられる電荷により微粒子は荷電
し、接地された捕集板と帯電微粒子との静電引力によ
り、微粒子は捕集板上に集められ、ガスは捕集板に設け
られた穴を通して系外へ排出される。本発明装置では反
応炉の外部に静電捕集器が設けられているので、捕集板
の面積を大きくすることができる。したがって、長時間
の使用にも十分対応できる。また、静電捕集器を複数個
具備することによりそれらを切り換えて使えば、更に連
続長時間運転が可能である。静電捕集器を反応炉内に設
置する方法も考えられるが、その場合、上述のような捕
集板の面積を増大したり、捕集器を複数個設けることが
できない。本発明の装置では静電捕集器を反応管の外部
に設けるので、捕集効率が飛躍的に向上する。
【0027】紫外線遮蔽能とは、機構的には紫外線吸収
と紫外線散乱とに分かれ、前者は金属酸化物特有の半導
性に基づくもので、バンドギャップエネルギーに相当す
る紫外線を吸収し、後者は微粒子化に基づくもので粒子
径が紫外線波長と同程度である時、最も効率良く紫外線
を散乱する。本発明製造法により作成された金属酸化物
微粒子は半導性を有する為紫外線を吸収し、かつ微粒子
として得られるので紫外線を効率良く散乱する為紫外線
遮蔽能が極めて高いと言える。
【0028】
【実施例】本発明を実施例により更に詳細に説明する。
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0029】
【実施例1】Zn(NO3)2・6H2O(硝酸亜鉛六水和物)
と純水を用いて、硝酸亜鉛水溶液を10-4mol/lに調整
したものを作成し、キャリアーガスには窒素ガスを使用
し、図1に示されるような方法で酸化亜鉛微粒子を作成
した。平均液滴径は5μmであった。この平均液滴径は
光散乱式粒度分布計測機(パーティクルサイザー、
(株)日本レーザー製)を用いて測定した。以下実施例
2、3でも同様の方法で測定した。さらに詳しく説明す
ると、反応管には磁製チューブ(内径35mm、長さ1m)
を用い、キャリアーガス流量は2l/minで一定とし、反
応炉温度は900℃で一定として、図1に示されるよう
な方法で酸化亜鉛微粒子を作成した。
【0030】上記条件で生成した酸化亜鉛微粒子は、そ
の結晶性はアモルファスで一部に六方晶系が混在してお
り、その酸化亜鉛粒子径は平均径(個数基準)で約0.2
μmで、その粒径分布は、0.1μm以下が10%、0.
1〜0.2μmが40%、0.2〜0.3μmが40%、
0.3μm以上は10%であった。なお、生成した酸化
亜鉛微粒子の結晶形はX線回折装置で測定し、また微粒
子径は走査型電子顕微鏡で測定した。以下実施例2、3
でも同様の方法で測定した。
【0031】該酸化亜鉛微粒子の紫外線遮蔽能を測定す
る為に、以下に述べる方法を用いて評価した。
【0032】まず、該酸化亜鉛微粒子10mgを分取し、
それを純水:グリセリンを1:1に混合したグリセリン水
溶液10g中に入れて、超音波分散器を用いて該水溶液
内で微粒子を良く分散させる。次に、微粒子懸濁液を、
光路長1mmの石英ガラス製セルに入れて、分光計にて光
波長200nmから800nmまでの光に対して透過率を測
定する。その測定結果を図2に示す。
【0033】図2において、詳細に説明すると、可視光
域、すなわち400nm〜800nmで、光透過率が53%
〜92%となっており、非常に透明性に優れており、か
つ、紫外線域において、370nmで光透過率が20%、
350nm以下では17%以下となり、紫外線A領域(3
20〜400nm)、紫外線B領域(290nm〜320nm)
において非常に遮蔽性に優れたものになっているのがわ
かる。
【0034】
【実施例2】Ti(SO4)2と純水を用いて硫酸チタン水
溶液を10-4mol/lに調整したものを使用し、キャリア
ーガスには窒素ガスを使用し、図1に示されるような方
法で二酸化チタン微粒子を作成した。金属塩溶液の平均
液滴径は6μmであった。キャリアーガス流量は2l/m
inで一定とし、反応炉温度は1000℃で一定として、
反応管は実施例1と同じものを用いた。
【0035】上記条件で生成した二酸化チタン微粒子
は、その結晶形はアモルファスで一部にアナターゼ型が
混在しており、その粒子径は平均径(個数基準)で約0.
1μmで、その粒径分布は、0.05μm以下が10%、
0.05〜0.1μmが40%、0.1〜0.15μmが
40%、0.15μm以上は10%であった。
【0036】二酸化チタン微粒子の紫外線遮蔽能を測定
する為に、実施例1で述べた方法と同様にして光透過率
を測定した結果を図3に示す。
【0037】図3に示すように、可視光域すなわち40
0nm〜800nmで、光透過率が70%〜95%となって
おり、非常に透明性に優れており、かつ紫外線域におい
ては、300nm以下で光透過率が3%以下となり、紫外
線B領域(290nm〜320nm)において、非常に遮蔽性
に優れたものになっているのがわかる。
【0038】
【実施例3】Zn(NO3)・6H2OとTiCl4の1:1の
混合物と純水を用いて溶液濃度を2×10-4mol/lに調
整したものを作成し、キャリアーガスには空気を使用
し、図1に示されるような方法で、酸化亜鉛と二酸化チ
タンの混合物を作成した。金属塩溶液の平均液滴径は
5.6μmであった。キャリアーガス流量は1l/minで
一定とし、反応炉温度は1100℃で一定とし、反応管
は実施例1と同じものを用いた。
【0039】上記条件で生成した酸化亜鉛と二酸化チタ
ンの混合微粒子は、その結晶性はアモルファスで一部に
六方晶およびアナターゼ型が混在しており、その粒子径
は平均径(個数基準)で約0.1μmで、その粒径分布
は、0.05μm以下が10%、0.05〜0.1μmが
40%、0.1〜0.15μmが40%、0.15μm以
上は10%であった。
【0040】前記の混合微粒子の紫外線遮蔽能を測定す
る為に、実施例1で述べた方法と同様にして光透過率を
測定した結果を図4に示す。図4に示されるように、可
視光域すなわち400〜800nmで、光透過率が18%
〜80%となり、前記の実施例1,2と比べて、若干透
明性は悪くなっているが、紫外線域においては、370
nm以下で光透過率は7%以下となり、本微粒子は紫外線
A領域およびB領域において、非常に遮蔽性に優れたも
のになっているのがわかる。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、種々の
金属塩を出発原料として、それらの水溶液又は有機溶媒
溶液から微小液滴を作り、それらを高温反応炉内で熱分
解反応させ、静電捕集器により微粒子を回収するという
簡便な製造プロセスにより、種々の金属酸化物微粒子を
連続生産でき、しかも低コストで製品が得られることに
なる。
【0042】そして、本方法により製造した金属酸化物
微粒子は、その紫外線遮蔽能において、非常に優れた機
能をもつ。
【0043】尚、本方法により製造した金属酸化物微粒
子は、半導性を有するので、紫外線遮蔽能の他に、光導
電性、蛍光性、圧電性等の金属酸化物特有の機能を数多
く持つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における製造装置の概略図である。
【図2】 実施例1の酸化亜鉛微粒子の紫外線および可
視光透過率を表わすチャート図である。
【図3】 実施例2の二酸化チタン微粒子の紫外線およ
び可視光透過率を表わすチャート図である。
【図4】 実施例3の酸化亜鉛と二酸化チタンの混合物
粒子の紫外線および可視光透過率を表わすチャート図で
ある。
【符号の説明】
1; 液槽 2; 液送用循環ポンプ 3; 液
滴供給装置 4; キャリアーガス供給装置 5; 高温加熱体
6; 反応管 7; 静電捕集器 8; コロナ放電体 9;
コールドトラップ 10; フィルター 11; ポンプ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年7月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】また、酸化チタン微粒子も広範な工業製品
価値を有し、白色顔料、磁気原料、研摩剤、医薬品、最
近では酸化亜鉛微粒子と同様に紫外線遮蔽材として用い
られている。その他の金属酸化物微粒子も、様々の工業
的価値を持つ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】上記の液相法と気相法の間に位置するもの
として、噴霧熱分解法があり、これは金属の無機酸塩又
は有機酸塩を含む水溶液あるいは有機溶媒溶液を霧化
し、この霧状液体粒子を加熱炉に搬送して、熱分解反応
により酸化物系微粒子を得る方法例えば、酸化物系超電
導体の製造では、特開平2−196023号公報)であ
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】00016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】図1は、本発明の装置の一例の概略図を示
すものである。液槽1内にある金属塩溶液を液送用循環
ポンプ2を用いて、微小な液滴を発生する液滴供給装置
3へ連続供給し、その発生した液滴をキャリアーガス供
給装置4より送られてくるキャリアーガスに同伴させて
高温加熱体5を有する反応管6ヘ送り込み、反応管6内
で液滴に含まれる金属塩の熱分解反応を行なわせて気固
混相状態で金属酸化物微粒子を生成させ、該微粒子をコ
ロナ放電体8を有する静電捕集器7内にある捕集板上へ
静電沈着させ、該微粒子を得る方法である。なお、静電
捕集器7を出る水蒸気を含むガスは、コールドトラップ
9及びフィルター10へ通されて水分を除去して、ポン
プ11により強制的に排気される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】00023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】本発明により得られる金属酸化物粒子は、
単分散性が良く、噴霧溶液の濃度調整により、0.01
μmから数十μmの範囲のものが得られるが、生成微粒
子の歩留まりや微粒化による機能向上を考慮した場合、
好ましくは0.05μmから5μmの範囲が良い。なお
金属酸化物微粒子径は、種々の方法で測定できるが、例
えば走査型電子顕微鏡で測定できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属塩を含む溶液を液滴径が0.1μm
    から100μmの微小な液滴とし、その液滴をキャリア
    ーガスを用いて気液混相の状態で高温反応炉内へ送り、
    該反応炉内部で液滴に含まれる金属塩を熱分解して金属
    酸化物微粒子を生成し、得られた金属酸化物微粒子を静
    電捕集器を用いて回収することを特徴とする金属酸化物
    微粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 金属塩が亜鉛、チタン、又はその混合物
    の塩であり、得られた金属酸化物が酸化亜鉛、二酸化チ
    タン又はその混合物あるいは複合物である請求項1記載
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 金属塩を含む溶液の連続供給装置、その
    溶液を微小液滴化して、その液滴をキャリアーガスと混
    合する液滴供給装置、供給された液滴に含まれる金属塩
    の熱分解反応を行なわせる高温反応炉、および該反応炉
    の外部に設けられた反応により得られた金属酸化物微粒
    子を回収する静電捕集器を具備することを特徴とする金
    属酸化物微粒子の製造装置。
JP40922990A 1990-12-28 1990-12-28 金属酸化物微粒子の製造方法及びその装置 Pending JPH06199502A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP40922990A JPH06199502A (ja) 1990-12-28 1990-12-28 金属酸化物微粒子の製造方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP40922990A JPH06199502A (ja) 1990-12-28 1990-12-28 金属酸化物微粒子の製造方法及びその装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06199502A true JPH06199502A (ja) 1994-07-19

Family

ID=18518581

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP40922990A Pending JPH06199502A (ja) 1990-12-28 1990-12-28 金属酸化物微粒子の製造方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06199502A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001040402A1 (fr) * 1999-12-01 2001-06-07 Kasei Optonix, Ltd. Procede de production de phosphore
JP2006294517A (ja) * 2005-04-13 2006-10-26 Kansai Electric Power Co Inc:The Ga系固体電解質材料の製造方法
JP2007084408A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Hosokawa Funtai Gijutsu Kenkyusho:Kk 圧電セラミックス
JP2008069051A (ja) * 2006-09-15 2008-03-27 Hosokawa Funtai Gijutsu Kenkyusho:Kk 圧電セラミックス及びその製造方法
JP2011116569A (ja) * 2009-10-15 2011-06-16 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology ナノ粒子の凝集・解砕による複合粉体と顆粒体、その製法及び装置
JP2011157271A (ja) * 2011-04-29 2011-08-18 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 凝集体、及びその製造方法
CN102502520A (zh) * 2011-10-28 2012-06-20 泉州师范学院 一种制备水合氧化物的高温蒸汽热解法及其应用
KR20200060914A (ko) * 2018-11-23 2020-06-02 주식회사 퀀타머티리얼스 기화법에 의한 산화갈륨 나노분말 및 그 제조방법

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001040402A1 (fr) * 1999-12-01 2001-06-07 Kasei Optonix, Ltd. Procede de production de phosphore
JP2006294517A (ja) * 2005-04-13 2006-10-26 Kansai Electric Power Co Inc:The Ga系固体電解質材料の製造方法
JP2007084408A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Hosokawa Funtai Gijutsu Kenkyusho:Kk 圧電セラミックス
JP2008069051A (ja) * 2006-09-15 2008-03-27 Hosokawa Funtai Gijutsu Kenkyusho:Kk 圧電セラミックス及びその製造方法
JP2011116569A (ja) * 2009-10-15 2011-06-16 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology ナノ粒子の凝集・解砕による複合粉体と顆粒体、その製法及び装置
JP2011157271A (ja) * 2011-04-29 2011-08-18 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 凝集体、及びその製造方法
CN102502520A (zh) * 2011-10-28 2012-06-20 泉州师范学院 一种制备水合氧化物的高温蒸汽热解法及其应用
KR20200060914A (ko) * 2018-11-23 2020-06-02 주식회사 퀀타머티리얼스 기화법에 의한 산화갈륨 나노분말 및 그 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5958361A (en) Ultrafine metal oxide powders by flame spray pyrolysis
JP5114419B2 (ja) ドープ金属酸化物粒子の製造方法
Abram et al. Flame synthesis of nanophosphors using sub-micron aerosols
Workie et al. An comprehensive review on the spray pyrolysis technique: Historical context, operational factors, classifications, and product applications
US8187562B2 (en) Method for producing cerium dioxide nanopowder by flame spray pyrolysis and cerium dioxide nanopowder produced by the method
KR19980042353A (ko) 구형의 착색된 안료, 이의 제조 방법 및 이의 용도
US5833892A (en) Formation of TiO2 pigment by spray calcination
CN101466639A (zh) 生产纳米颗粒状固体的悬浮液的方法
JP2005138008A (ja) 可視光応答型酸化チタン複合系光触媒およびその製造法
US5618580A (en) Method for producing ceramic fine particles and apparatus used therefor
US6835455B2 (en) Ultrafine particulate complex oxide containing titanium oxide
JPH06199502A (ja) 金属酸化物微粒子の製造方法及びその装置
JP2009519813A (ja) 脱nox触媒調製法
JPH0570123A (ja) 金属酸化物複合微粒子の製造方法及びその装置
CN102139911A (zh) 一种制备纳米氧化锌的反应装置和方法
WO2004078652A1 (en) Method for continuous preparation of nanometer-sized hydrous zirconia sol
DE10394356B4 (de) Synthese von ultrafeinen Titandioxidpartikeln in Rutil-Phase bei geringer Temperatur
ITMI952452A1 (it) Processo per produrre polveri nanometriche di ossidi metallici da cloruri metallici
KR100480992B1 (ko) 화염 에어로졸 분리법을 이용한 금속산화물 초미분체입자의 제조방법, 제조장치 및 이로 인해 제조되는금속산화물 초미분체
JPH05310425A (ja) 金属酸化物微粒子の製造方法
JPH0725614A (ja) 酸化亜鉛超微粒子及びその製造方法
JP3167756B2 (ja) 酸化亜鉛中空微粒子、その製造方法およびその装置
JPS58207938A (ja) セラミツクス微粒子の製造方法
KR20040089578A (ko) 금속 산화물 매트릭스 중의 도메인
JP2003171123A (ja) 窒素含有酸化亜鉛粉末およびその製造法