JPH0619923A - 生産管理システム - Google Patents

生産管理システム

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JPH0619923A
JPH0619923A JP4173299A JP17329992A JPH0619923A JP H0619923 A JPH0619923 A JP H0619923A JP 4173299 A JP4173299 A JP 4173299A JP 17329992 A JP17329992 A JP 17329992A JP H0619923 A JPH0619923 A JP H0619923A
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JP
Japan
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manufacturing
man
hour
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ordered
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Application number
JP4173299A
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English (en)
Inventor
Jun Kotaki
諄 小滝
Tomohisa Sakaino
智久 境野
Hiroyoshi Nakada
博善 中田
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Hokkaican Co Ltd
Original Assignee
Hokkaican Co Ltd
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/02Total factory control, e.g. smart factories, flexible manufacturing systems [FMS] or integrated manufacturing systems [IMS]
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/30Computing systems specially adapted for manufacturing

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  • Multi-Process Working Machines And Systems (AREA)
  • General Factory Administration (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】製造ラインの能力等の実情に則した適正な生産
計画を容易に立案することができ、生産効率の向上を図
ることができる生産システムを提供する。 【構成】受注製品の一個目を製造するのに要する初期製
造工数及び、受注製品の一個当たりの製造工数が製造個
数の増加に伴う作業慣れにより逓減していく割合(工数
逓減率)を受注製品の製造作業内容に係わる所定のデー
タが入力により設定する設定手段17と、受注製品の総
受注数、並びに前記受注製品の製造作業を行う製造ライ
ンの一日当たりの予定稼働時間及びその稼働日程が入力
された時に受注製品の初期製造工数及び工数逓減率を基
に受注製品の製造ラインの各稼働順位日における製造予
定数を設定する第2の設定手段18とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、手作業を伴う製品の生
産システムにおいて、その生産に係わる各種の管理を包
括的に行う生産管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】製造業に携わる企業は、ある製品の受注
があると、その受注製品の生産計画や見積もりの立案を
しなければならない。
【0003】この場合、生産計画の立案は、例えば次の
ように行われる。
【0004】すなわち、例えば受注数及び納期が指定さ
れた場合には、受注製品の一個当たりの製造作業に要す
る作業時間(製造工数)が予測される一方、受注数を納
期までの製造ラインの稼働日数で日割りすることによ
り、一日当たりに製造すべき製品個数が定められる。ま
た、これらの一日当たりの製造個数と製品一個当たりの
製造工数とから製造ラインの一日当たりの稼働時間が定
められる。
【0005】そして、受注製品の実際の製造に当たって
は、このように定めた生産計画を遵守するようにして製
造ラインが稼働される。
【0006】また、例えば受注製品の納期が指定されて
いない場合には、受注製品の一個当たりの製造工数の予
測値と、製造ラインの各稼働日における所定の稼働時間
(例えば一日当たりの標準労働時間)とから一日当たり
の製造個数が予測され、また、その予測結果から受注数
の製造が終了するまでの日数が求められ、これにより納
期が決定される。そして、前記の場合と同様に、このよ
うに定めた生産計画を遵守するようにして製造ラインが
実際に稼働される。
【0007】また、受注製品の見積もりは、例えば次の
ように行われる。
【0008】すなわち、前記の生産計画で予測された受
注製品の一個当たりの製造工数を基に、受注製品の総受
注数を製造し終わるまでの総製造工数が予測され、その
予測された総製造工数に要する費用(人件費、経費等)
が過去の実績や経験に基づいて求められる。そして、そ
の求めた工数費用に、さらに材料費や利益を加味して受
注製品の総受注数の見積額が求められ、あるいはその見
積額を総受注数で割ることにより受注製品の一個当たり
の見積単価が求められる。尚、受注製品の見積もりにお
いては、類似製品の過去の実績等を基に直接的に見積額
や見積単価が決定される場合もある。
【0009】ところで、生産計画や見積もりの立案を行
うために必要となる受注製品の一個当たりの製造工数
は、従来、類似製品における過去の実績や経験等に基づ
いて受注製品の一個当たりの平均的な製造工数として予
測され、この予測した製造工数を個々の受注製品に対し
て一律的なものとして、前述したように生産計画や見積
もりを立案することが一般的であった。
【0010】しかしながら、このような生産計画や見積
もりにおいては、特に、過去に受注経験のない新規な製
品の受注を受けた場合に次のような不都合があった。
【0011】すなわち、比較的頻繁に受注を受ける製品
にあっては、その製造に携わる各作業者は作業慣れによ
り、ほぼ一定の作業時間でその作業をこなすことが可能
であり、従って、製品の一個当たりの製造工数もほぼ一
定の工数とすることが可能である。しかるに、過去に作
業経験の無い製品の製造や、作業経験があってもその経
験が相当過去のものである場合においては、一般に、初
期の段階では、作業者の不慣れにより、製品の一個当た
りの実際の製造工数は比較的多くなり、製造個数が増加
するに伴って作業慣れにより製品の一個当たりの製造工
数は低減していく。
【0012】このため、前述したように生産計画を立案
すると、製造の初期段階においては、作業者に過剰な負
担がかかり、製造予定数をこなすことができなかった
り、あるいは、不良品が増加してしまう。その結果、生
産計画に支障をきたし、納期遅れ等が生じ、また、生産
計画の見直しを頻繁に行わなければならなくなる。そし
て、ある程度の製造個数をこなした段階では、作業者は
比較的余力を残して作業を行うことができるようになる
ものの、製造ラインの能力を十分に発揮することができ
なくなり、このことは、製造コストの上昇に繋がる。
【0013】また、見積もりにおいても、生産計画によ
り予測した受注製品の総製造工数と、実際の総製造工数
とが大幅に異なってしまうことが多々あり、その結果、
見積もりで予期した利益が得られず、場合によっては、
損失を生じてしまうこともある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる不都合
を解消し、製造ラインの能力等の実情に則した適正な生
産計画や見積もりを容易に立案することができ、生産効
率の向上や製造に伴う利益の確実な把握を図ることがで
きる生産管理システムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の第1の態様は、製品の一個目を製造する
のに要する作業時間を初期製造工数とすると共に、該製
品の一個当たりの製造作業に要する製造工数が該製品の
製造個数の増加に伴う作業慣れにより前記初期製造工数
から低減していく割合を工数低減率とし、製造受注を受
けた製品の製造作業内容に係わる所定のデータが入力さ
れた時、その受注製品の前記初期製造工数と、該受注製
品の製造順位毎の前記工数低減率とをあらかじめ定めた
所定の規則に従って設定する第1の設定手段と、前記受
注製品の総受注数、並びに前記受注製品の製造作業を行
う製造ラインの一日当たりの予定稼働時間及びその稼働
日程が入力された時、前記第1の設定手段で設定された
前記初期製造工数及び前記工数低減率により前記受注製
品の一個目から前記総受注数までその製造順位毎に該受
注製品の一個当たりの製造工数を順次求めると共に、そ
の求めた各製造順位の受注製品の製造工数により、前記
製造ラインの稼働順位日の初日から各稼働順位日におけ
る前記予定稼働時間で製造し得る一日当たりの製品個数
を各稼働順位日毎に順次求め、その求めた製品個数を各
稼働順位日における前記受注製品の製造予定数として設
定する第2の設定手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】この場合、前記第1の設定手段は、各種製
品の製造に係わる切る、貼る、ネジ締め等の各種素作業
毎にその初回作業時に要する素作業初期工数をデータフ
ァイルとしてあらかじめ保存した第1のファイル手段
と、前記工数低減率を製造作業内容の難易度に応じて分
類されたデータファイルとしてあらかじめ保存した第2
のファイル手段と、前記受注製品の製造に係わる各素作
業の種別及びその頻度が入力された時、前記第1のファ
イル手段に保存されたデータファイルを参照しつつ、前
記受注製品の製造に係わる全ての素作業について各素作
業の素作業初期工数を累積加算し、その累積加算値を前
記受注製品の初期製造工数として設定する初期工数設定
手段と、前記受注製品の製造作業の難易度があらかじめ
定めた所定の規則に従って入力された時、前記第2のフ
ァイル手段に保存されたデータファイルから該難易度に
応じた工数低減率を選択し、その選択した工数低減率を
前記受注製品の工数低減率として設定する低減率設定手
段とから成ることを特徴とする。
【0017】また、前記第2の設定手段は、前記受注製
品の前記初期製造工数と各製造順位の前記工数低減率と
を乗算することにより、各製造順位の前記受注製品の一
個当たりの製造工数を順次求めると共にその求めた一個
当たりの製造工数を前記受注製品の一個目から順次累積
加算し、その累積加算値が前記稼働順位日の初日におけ
る前記予定稼働時間に略一致した時の加算個数を該初日
における製造予定数として設定し、次いで、該製造予定
数の次の個数番目から前記初期製造工数及び工数低減率
に従って順次求められる前記一個当たりの製造工数を累
積加算し、その累積加算値が2番目の稼働順位日におけ
る前記予定稼働時間に略一致した時の加算個数を該2番
目の稼働順位日における製造予定数として設定し、以
下、これらの演算処理を前記製造工数の総加算個数が前
記総受注数に達するまで繰り返すことにより、各稼働順
位日における製造予定数を設定することを特徴とする。
【0018】また、前記受注製品の総受注数及び製造期
間、並びに前記製造ラインの一日当たりの標準稼働時間
及びその稼働日程が入力された時、前記第1の設定手段
で設定された前記第1の設定手段で設定された前記初期
製造工数と各製造順位の前記工数低減率とを乗算するこ
とにより前記受注製品の一個目から前記総受注数までそ
の製造順位毎に該受注製品の一個当たりの製造工数を順
次求めると共に、その求めた各製造順位の受注製品の製
造工数を累積加算することにより前記受注製品の総受注
数の製造に要する総製造工数を求める第1の演算手段
と、前記製造期間内における前記製造ラインの全ての稼
働日において前記一日当たりの標準稼働時間を累積加算
することにより該製造期間内における前記製造ラインの
総標準稼働時間を求める第2の演算手段と、前記第1の
演算手段で求められた前記総製造工数から前記第2の演
算手段で求められた前記総標準稼働時間を減算し、その
減算値を前記製造期間内における前記製造ラインの総稼
働日数で割ることにより、前記製造ラインの一日当たり
の必要超過稼働時間を求める第3の演算手段と、該第3
の演算手段で求めた必要超過稼働時間を前記製造ライン
の各稼働日における前記標準稼働時間に加算した値を前
記製造ラインの一日当たりの予定稼働時間として前記第
2の設定手段に入力する稼働時間設定手段とを備えたこ
とを特徴とする。
【0019】また、前記第2の設定手段により設定され
た前記各稼働順位日における製造予定数に基づいて前記
受注製品の製造ラインの速度を調整するライン調整手段
を備えたことを特徴とする。
【0020】また、前記の目的を達成するために、本発
明の第2の態様は、製品の一個目を製造するのに要する
作業時間を初期製造工数とすると共に、該製品の一個当
たりの製造作業に要する製造工数が該製品の製造個数の
増加に伴う作業慣れにより前記初期製造工数から低減し
ていく割合を工数低減率とし、製造受注を受けた製品の
製造作業内容に係わる所定のデータが入力された時、そ
の受注製品の前記初期製造工数と、該受注製品の製造順
位毎の前記工数低減率とをあらかじめ定めた所定の規則
に従って設定する第1の設定手段と、製造作業に係わる
所定の項目が入力された時、当該製造者の単位時間当た
りに要する製造費用を求め、その求めた製造費用を加工
費レートとして設定する加工費設定手段と、前記受注製
品の総受注数が入力された時、前記第1の設定手段で設
定された前記初期製造工数と各製造順位の前記工数低減
率とを乗算することにより、前記受注製品の一個目から
前記総受注数までその製造順位毎に該受注製品の一個当
たりの製造工数を順次求めると共に、その求めた各製造
順位の受注製品の製造工数を累積加算することにより前
記受注製品の総受注数の製造に要する総製造工数を求め
る総工数演算手段と、該総工数演算手段で求められた前
記総製造工数と前記加工費設定手段で設定された前記加
工費レートとを乗算することにより前記受注製品の総加
工費を求め、その求めた総加工費を基に前記受注製品の
見積金額を設定する見積設定手段とを備えたことを特徴
とする。
【0021】この場合、前記第1の設定手段は、各種製
品の製造に係わる切る、貼る、ネジ締め等の各種素作業
毎にその初回作業時に要する素作業初期工数をデータフ
ァイルとしてあらかじめ保存した第1のファイル手段
と、前記工数低減率を製造作業内容の難易度に応じて分
類されたデータファイルとしてあらかじめ保存した第2
のファイル手段と、前記受注製品の製造に係わる各素作
業の種別及びその頻度が入力された時、前記第1のファ
イル手段に保存されたデータファイルを参照しつつ、前
記受注製品の製造に係わる全ての素作業について各素作
業の素作業初期工数を累積加算し、その累積加算値を前
記受注製品の初期製造工数として設定する初期工数設定
手段と、前記受注製品の製造作業の難易度があらかじめ
定めた所定の規則に従って入力された時、前記第2のフ
ァイル手段に保存されたデータファイルから該難易度に
応じた工数低減率を選択し、その選択した工数低減率を
前記受注製品の工数低減率として設定する低減率設定手
段とから成ることを特徴とする。
【0022】また、前記加工費設定手段は、少なくとも
一会計期における製品の製造に係わる製造者の人件費及
び経費と製品の製造に携わる製造ラインの直接作業人員
の総作業時間を入力項目とし、その入力された前記人件
費及び経費の和を前記総作業時間で割った値として前記
加工費レートを設定することを特徴とする。
【0023】
【作用】本発明の第1の態様によれば、前記第1の設定
手段により設定される前記受注製品の初期製造工数及び
工数低減率は、該受注製品の製造作業内容に応じて定め
られたものとなる。そして、前記第2の設定手段により
設定される前記製造ラインの各稼働順位日における前記
受注製品の製造予定数は、前記製造個数の増加に伴う作
業慣れにより前記受注製品の一個当たりの製造工数が低
減していく割合、すなわち、前記工数低減率を考慮して
定めたものとなる。従って、前記製造ラインにおける製
造作業の実情に則して前記各稼働順位日における製造予
定数を設定することが可能となり、その製造予定数は、
原則的には、日数を追う毎に増加していくこととなる。
【0024】そして、実際の製造に際しては、各稼働順
位日毎に製造予定数に応じて前記製造ラインの速度を調
整することにより、作業者の作業能力を十分に引出しつ
つ無理なく製造予定数をこなすことが可能となる。
【0025】前記初期製造工数を設定するに際しては、
例えば前記受注製品の試験的製造により実測してもよい
が、各種製品の製造に係わる前記各種素作業毎に前記素
作業初期工数をデータファイルとしてあらかじめ保存し
ておくことが好ましい。このようにすることにより、前
記受注製品の受注を受けたとき、その製造作業内容を素
作業に分解・分析し、その各素作業について前記データ
ファイルを参照しつつ前記素作業初期工数を累積加算す
ることにより、容易に前記初期製造工数を求めることが
可能となる。また、受注製品の種類によらず、前記初期
製造工数の設定作業に汎用性をもたせることが可能とな
る。
【0026】また、前記工数低減率を設定するに際して
は、経験等に基づいて単一の工数低減率をあらかじめ定
めておいてもよいが、より好ましくは製造作業の難易度
に応じて分類して定め、これをデータファイルとして保
存しておくことが好ましい。これは、一般に、製造作業
内容が難しいものであるほど、作業慣れにより製造工数
が低減していく割合が大きく、また、製造作業内容が易
しいものであるほど、製造工数が低減していく割合が小
さくなる傾向にあるからである。このように、工数低減
率を製造作業の難易度に応じて分類しておけば、受注製
品の製造作業の難易度を考慮して適切な工数低減率を設
定することが可能となる。尚、難易度を決定する要因と
しては、過去に経験があるか否か、重量物を扱うか否
か、熟練度を要するか否か等が挙げられ、これらの要因
を適当な重み付けをして数値化しておけば難易度を数値
的に表現することが可能となる。
【0027】前記製造ラインの各稼働順位日における製
造予定数は、具体的には次のように求められる。すなわ
ち、各稼働順位日における製造ラインの予定稼働時間が
与えられた場合に、前記受注製品の前記初期製造工数と
各製造順位の前記工数低減率とを乗算することにより、
各製造順位の前記受注製品の一個当たりの製造工数が順
次求められ、その求めた一個当たりの製造工数を前記受
注製品の一個目から順次累積加算して得た値が前記稼働
順位日の初日における前記予定稼働時間に略一致した時
の加算個数を該初日における製造予定数となる。次い
で、該製造予定数の次の個数番目から前記受注製品の一
個当たりの製造工数を順次累積加算し、その累積加算値
が2番目の稼働順位日における前記予定稼働時間に略一
致した時の加算個数を該2番目の稼働順位日における製
造予定数となる。以下、これらの演算処理を前記製造工
数の総加算個数が前記総受注数に達するまで繰り返すこ
とにより、各稼働順位日における製造予定数が設定され
る。尚、かかる演算処理において、最後に製造予定数が
設定された稼働順位日が受注製品の総受注数の製造が終
了する日となる。
【0028】この場合、前記受注製品の総受注数及び製
造期間、並びに前記製造ラインの一日当たりの標準稼働
時間及びその稼働日程が与えられた場合には、各稼働順
位日における製造ラインの前記予定稼働時間を次のよう
に設定することが好ましい。
【0029】すなわち、まず、受注製品の前記初期製造
工数と各製造順位の前記工数低減率とを乗算することに
より前記受注製品の一個目から前記総受注数までその製
造順位毎に該受注製品の一個当たりの製造工数を順次求
めると共に、その求めた各製造順位の受注製品の製造工
数を累積加算することにより前記受注製品の総受注数の
製造に要する総製造工数を求める。また、与えられた前
記製造期間内における前記製造ラインの全ての稼働日に
おいて前記一日当たりの標準稼働時間を累積加算するこ
とにより該製造期間内における前記製造ラインの総標準
稼働時間を求める。次いで、前記総製造工数から前記総
標準稼働時間を減算し、その減算値を前記製造期間内に
おける前記製造ラインの総稼働日数で割ることにより、
前記製造ラインの一日当たりの必要超過稼働時間を求め
る。そして、該必要超過稼働時間を前記製造ラインの各
稼働日における前記標準稼働時間に加算した値を前記製
造ラインの一日当たりの前記予定稼働時間とする。
【0030】尚、製造ラインの各稼働日における標準稼
働時間が一定である場合には、前記総製造工数を前記製
造期間内における製造ラインの総稼働日数で割った値を
一日当たりの前記予定稼働時間としてもよい。このよう
にして求めた予定稼働時間は、前記の演算により求めら
れる予定稼働時間と一致する。
【0031】次に、本発明の第2の態様によれば、前記
総工数演算手段で求められる前記受注製品の総製造工数
は、前記製造個数の増加に伴う作業慣れにより前記受注
製品の一個当たりの製造工数が低減していく割合、すな
わち、前記工数低減率を考慮して定めたものとなる。ま
た、前記加工費設定手段で設定される前記加工費レート
は、製造者において任意の製造作業を単位時間行った場
合に要する費用、すなわち、単位時間当たりの加工賃で
ある。従って、これらの総製造工数及び加工費レートを
乗算して得られる前記総加工費は、前記受注製品の製造
ラインにおける製造作業の実情に則して求められた前記
受注製品の総受注数の総加工費となる。
【0032】そして、この総加工費を基に前記受注製品
の見積金額を設定することにより、その見積金額の受注
製品の製造作業の実体が反映され、適正な見積金額を設
定することが可能となる。尚、前記見積金額は、例えば
前記総加工費に前記受注製品の総材料費を加算し、これ
に利益を加味することにより求められる。
【0033】また、前記加工費レートの算出は、例えば
一会計期における製品の製造に係わる製造者の人件費及
び経費の和、すなわち、一会計期において製造作業に要
する総費用を、製品の製造に携わる製造ラインの直接作
業人員の総作業時間で割った値として設定される。
【0034】
【実施例】本発明の一例を図1乃至図9に従って説明す
る。図1は本発明の生産管理システムの一例の全体的シ
ステム構成図、図2はその要部のシステム構成図、図3
は生産計画の処理システムに係わるシステム構成図、図
4は素作業の初期工数を説明するための説明図、図5は
工数低減率を説明するための説明図、図6は製造作業の
難易度を説明するための説明図、図7及び図8は生産計
画処理を説明するためのフローチャート、図9は見積処
理に係わるシステム構成図である。
【0035】図1において、本実施例の生産管理システ
ムは、複数の製造ライン1における各種生産管理等を行
うシステムであり、生産管理に係わる後述の主要な処理
を司るホストコンピュータ2と、各製造ライン1のコン
ベア3の稼働状態を監視・制御する端末制御部4と、こ
れらの端末制御部4を制御するラインコントローラ5と
を主要構成として備えている。この場合、端末制御部4
は、その制御機能として、ラインコントローラ5の指示
等に従って各製造ライン1のコンベア3の速度を調整す
る手段(ライン調整手段)を含むものである。
【0036】ラインコントローラ5は、端末制御部4を
介してホストコンピュータ2とデータの授受を行うよう
に構成されており、基本的にはホストコンピュータ2か
ら与えられる指示に従って端末制御部4を介して各製造
ライン1の稼働状態を制御するようにしている。また、
各製造ライン1の末端部には、製造された製品を一個づ
つ検知する製品検知センサ6が設けられ、このセンサ6
の検知信号は端末制御部4を介してラインコントローラ
5に入力されるように構成されている。そして、ランコ
ントローラ5は、前記センサ6を介して各製造ライン1
における製品の仕上がり状況を監視するようにしてい
る。
【0037】尚、ホストコンピュータ2及びラインコン
トローラ5には、それぞれ入出力装置2a,5aが接続
されている。
【0038】図2において、前記ホストコンピュータ2
は、その主要な演算処理機能として、後述の加工費レー
トに関する設定処理を行う加工費レート処理システム7
と、受注製品の見積もり演算処理を行う見積処理システ
ム8と、受注製品の生産計画に関する演算処理を行う生
産計画処理システム9と、前記各製造ライン1における
日別の実際の製造状況等に関する処理を行う日報処理シ
ステム10とを備えている。また、ホストコンピュータ
2は、その主要なデータファイル手段として、加工費レ
ートに関するデータを保存する加工費データファイル手
段11と、後述の工数低減率に関するデータを保存する
工数低減率データファイル手段12と、後述の素作業に
関する素作業データファイル手段13と、各種製品に関
するデータを保存する製品データファイル手段14と、
受注内容や受注製品の生産計画等に関するデータを保存
する受注データファイル手段15と、各製造ライン1の
稼働状況等に関するデータを保存する製造データファイ
ル手段16とを備えている。前記各システム7〜10
は、これらのファイル手段11〜16と前記入出力装置
2aとの間でデータを授受しつつ後述するような所定の
処理を行うものである。
【0039】尚、これらのシステム7〜10やファイル
手段11〜16の具体的なハード構成は、図示しないC
PUや、RAM、ROM、磁気ディスク等により構成さ
れる。
【0040】本実施例の生産管理システムは、生産計画
に係わる本発明の第1の態様と見積処理に係わる本発明
の第2の態様とを含むものである。以下、本実施例の生
産管理システムをこれらの態様別にさらに詳説する。
【0041】本実施例において、生産計画に係わる生産
管理システムは、図3に示すように、受注製品の後述の
初期製造工数及び工数低減率を設定する第1の設定手段
17と、該設定手段17により設定された受注製品の初
期製造工数及び工数低減率等を基に受注製品の日別の製
造予定数を設定する第2の設定手段18と、後述の演算
を行う演算手段19〜21と、これらの演算手段19〜
21の演算結果を基に受注製品の製造を行う前記製造ラ
イン1の一日当たり予定稼働時間を設定する稼働時間設
定手段22と、前記製品データファイル手段14と、前
記受注データファイル手段15と、前記製造データファ
イル手段16とを備えるものである。この場合、前記第
1の設定手段17は、前記工数低減率データファイル手
段12及び素作業データファイル手段13を含み、さら
に、これらのファイル手段12,13に保存されたデー
タを基に受注製品の初期製造工数及び工数低減率等をそ
れぞれ設定する初期工数設定手段23及び低減率設定手
段24を備えている。
【0042】尚、前記各設定手段18,22,23,2
4及び演算手段19〜21は前記生産計画処理システム
9に含まれるものであり、前記入出力装置2aや、各フ
ァイル手段12〜16から適宜、必要なデータが入力さ
れるようになっている。
【0043】次に、かかるシステムによる生産計画処理
について説明する。
【0044】ある新規製品の製造受注を受けると、ま
ず、前記第1の設定手段17により、その受注製品の初
期製造工数及び工数低減率が設定される。
【0045】ここで、“初期製造工数”とは、製品の一
個目を製造するのに要する作業時間であり、また、“工
数低減率”とは、製品の一個当たりの製造作業に要する
製造工数(製造作業時間)が該製品の製造個数の増加に
伴う作業者の作業慣れにより低減していく割合であり、
その割合を製造個数毎(製造順位毎)に数値的に表現し
たものである。
【0046】本実施例の生産管理システムにおいては、
受注製品の初期製造工数は、例えば次のように設定され
る。すなわち、まず、受注製品を製造するための作業内
容を分析し、その作業内容から切る、貼る、ネジ締め等
の素作業(製造作業の基本となる単一的な作業)をその
頻度と共に抽出する。
【0047】一方、前記素作業データファイル13に
は、例えば図4に示すように、各種製品の製造作業に係
わる基本的な素作業の種別(作業内容)と、各素作業の
初回時に要する初期工数とが分類されて保存されてお
り、この内容は、前記入出力装置2aの所定の操作によ
り、図示しないディスプレイ上に表示される。ここで、
素作業データファイル13に保存されている上記初期工
数は、例えば“切る”という素作業の初期工数が0.7
秒というように保存されている。このような各素作業の
初期工数の数値は、その素作業を複数の作業者(能力,
性別,年齢差を考慮して任意に選択した作業者)に行わ
せて該素作業に要した時間を実測し、その実測値の平均
値を前記素作業データファイル13にあらかじめ保存し
たものである。尚、図4において、素作業の種別は、さ
らに“手作業”、“工具作業”、“機械作業”というよ
うな大分類が設けられているが、“手作業”とは、作業
者が手で行う作業、“工具作業”とは作業者が工具を用
いて行う作業、“機械作業”とは機械のスイッチをON
/OFFする等の機械の操作を行う作業のことである。
【0048】次いで、前記受注製品の抽出された素作業
の種別とその頻度が入出力装置2aを介して前記第1の
設定手段17の初期工数設定手段23に入力される。こ
の時、初期工数設定手段23は、前記素作業データファ
イル手段13のデータファイルを参照しつつ、入力され
た全ての素作業について前記初期工数を累積加算し、そ
の累積加算値を当該受注製品の初期製造工数として設定
する。そして、このように設定された初期製造工数は、
適宜、前記入出力装置2aに出力されると共に、前記製
品データファイル手段14等に保存される。
【0049】尚、かかる受注製品の初期製造工数の設定
においては、前記素作業データファイル手段13に保存
された素作業の種別や初期工数は、入出力装置2aを用
いて適宜、変更可能とされ、また、新たに項目を追加す
ることも可能とされている。
【0050】また、初期製造工数の設定においては、受
注製品を製造ライン1において試験的に製造すると共
に、その製造作業に要した製品一個当たりの製造工数を
実測し、その実測値を直接、前記第1の設定手段17に
入力するようにすることも可能とされている。この場合
には、第1の設定手段17は、その入力された値をその
まま受注製品の初期製造工数として設定する。
【0051】次に、前記受注製品の工数低減率は、前記
第1の設定手段17により例えば次のように設定され
る。
【0052】すなわち、前記工数低減率データファイル
手段12には、例えば図5に示すように、製品の一個目
を製造するのに要する製造工数、すなわち初期製造工数
を基準とした製造個数毎の前記工数低減率が製造作業の
難易度別に分類されて保存されている。ここで、同図に
示した難易度の数値はその数値が大きいほど、製造作業
の難度が高いということを示しており、該難度が高いほ
ど、製造工数の増加に伴って製品一個当たりの製造工数
が減少していく割合が大きくなるように工数低減率が定
められている。これは、一般に製造作業の難度が高いほ
ど、作業慣れにより一個当たりの製造工数が減少してい
く割合が大きくなる傾向にあるからである。尚、難易度
の各分類の工数低減率は、基本的には、製造の初期段階
(製造個数が少ないとき)においては、製品一個当たり
の製造工数は製造個数の増加に伴って比較的急激に減少
し、次いで、該製造工数が製造個数の増加に伴って比較
的緩やかに減少した後に、最終的には、ほぼ一定の製造
工数に収束するように設定されている。
【0053】また、前記工数低減率データファイル手段
12には、例えば図6に示すように、製造作業の複数種
の基本的な作業内容、例えば、簡単に使える工具による
作業、重量が重い工具による作業、過去に経験のある作
業等の作業内容と、その作業内容毎の難易度とが分類さ
れて保存されている。この場合、各作業内容の難易度を
表す数値は、簡単に使える工具による作業の難易度は
“1”、重量が重い工具による作業は難易度は“3”、
というように、難度が高いものほど、大きな数値となる
ように定められている。
【0054】尚、工数低減率データファイル手段12に
保存されているこれらの内容は、前記入出力装置2aの
所定の操作により、図示しないディスプレイ上に適宜表
示される。
【0055】前記受注製品の工数低減率を設定する際に
は、まず、該受注製品の製造作業内容が分析され、その
難易度を決定するための基本となる作業内容とその頻度
が前記入出力装置2aを介して前記第1の設定手段17
の低減率設定手段24に入力される。この時、低減率設
定手段24は、前記工数低減率データファイル手段12
のデータファイル(図6のデータファイル)を参照しつ
つ、入力された全ての基本的な作業内容について前記難
易度を累積加算し、その累積加算値を前記受注製品の製
造作業の全体的な難易度として設定する。次いで、この
全体的な難易度を基に、前記工数低減率データファイル
手段12の工数低減率のデータファイル(図5のデータ
ファイル)から、その全体的な難易度に対応する工数低
減率を選択し、この選択した工数低減率を当該受注製品
の工数低減率として設定する。そして、このように設定
された工数低減率あるいはその分類は、適宜、前記入出
力装置2aに出力されると共に、前記製品データファイ
ル手段14等に保存される。
【0056】尚、かかる受注製品の工数低減率の設定に
おいては、前記工数低減率データファイル手段12に保
存された工数低減率のデータや、基本的な作業内容及び
その難易度等は、入出力装置2aを用いて適宜、変更可
能とされ、また、新たな項目を追加することも可能とさ
れている。
【0057】また、工数低減率の設定においては、受注
製品の製造作業の全体的な難易度は、過去の経験等に基
づいて直接、前記第1の設定手段17に入力するように
することも可能とされている。この場合には、第1の設
定手段17は、その入力された難易度に対応する工数低
減率を直接的に選択する。
【0058】このようにして受注製品の初期製造工数及
び工数低減率が設定された後に、前記第2の設定手段1
8により、受注製品の製造を行う製造ライン1における
日別の製造予定数が設定される。この設定は例えば次の
ように行われる。
【0059】すなわち、図7において、まず、入出力装
置2aの所定の操作により、受注製品の総受注数、並び
に受注製品の製造を行う製造ライン1の一日当たりの予
定稼働時間及びその稼働日程が第2の設定手段18に入
力される。ここで、予定稼働時間は、例えば一日当たり
の標準労働時間(規定勤務時間)とし、また、稼働日程
は受注製品の製造を開始する日付及びその日付以降の日
程である。次いで、このように、受注製品の総受注数、
並びに製造ライン1の予定稼働時間及びその稼働日程が
入力されると、前記第2の設定手段18は、まず、前記
製品データファイル手段14及び工数低減率データファ
イル手段12から前述したように設定された受注製品の
初期製造工数及び工数低減率を参照しつつ、受注製品の
一個目から製造順位毎に一個当たりの製造工数を順次求
めていく。この場合、初期製造工数をA1 、n個目(製
造順位n)の受注製品の製造工数及び工数低減率をそれ
ぞれAn 工数低減率をRn とすると、An は次式により
求められる。
【0060】An =A1 ・Rn ……(1) そして、第2の設定手段18は、このようにして求めら
れる各製造順位nの受注製品の製造工数An を順次累積
加算する。そして、その累積加算値Bm が製造開始日
(初日)における前記予定稼働時間Tを越えたとき、そ
の一個前までの加算個数を初日における受注製品の製造
予定数とする。
【0061】次いで、初日における製造予定数の次の製
造順位から、上記の場合と同様にして各製造順位の受注
製品の一個当たりの製造工数を順次求め、累積加算す
る。そして、その累積加算値が2日目の予定稼働時間を
越えたとき、その一個前までの加算個数を2日目の製造
予定数とする。
【0062】以下、これらの演算を、前記製造工数の総
加算個数が前記総受注数に達するまで繰り返すことによ
り、各稼働順位日(製造開始日から順番に定めた稼働
日)における製造予定数が得られる。このようにして得
られた各稼働順位日における製造予定数は、適宜、前記
入出力装置2aに出力され、また、前記受注データファ
イル手段15や製造データファイル手段16に保存され
る。
【0063】尚、かかる演算においては、最後に製造予
定数が設定された稼働順位日が受注製品の総受注数の製
造が終了する予定日となり、これにより、受注製品の納
期を決定することができる。
【0064】ところで、本実施例の生産管理システムに
おいては、受注製品の納期あるいは製造期間が指定され
ている場合には、製造ライン1の各稼働順位日における
予定稼働時間を求め、その求めた予定稼働時間を基に各
稼働順位日における製造予定数を設定することができる
ようになっている。
【0065】すなわち、この場合には、図8に示すよう
に、前記入出力装置2aの所定の操作により、前記受注
製品の総受注数及び製造期間、並びに前記製造ライン1
の一日当たりの標準稼働時間及びその稼働日程が前記演
算手段19,20に入力される。ここで標準稼働時間
は、例えば一日当たりの標準労働時間とされる。この
時、該演算手段19は、まず、前記の場合と同様にして
前記製品データファイル手段14及び工数低減率データ
ファイル手段12から前述したように設定された受注製
品の初期製造工数A1 及び工数低減率Rn を参照しつ
つ、受注製品の一個目から前記総受注数まで製造順位毎
に一個当たりの製造工数An を順次求め、これを全て累
積加算する。これにより、受注製品の総受注数の製造に
要する総製造工数を求める。
【0066】また、前記演算手段20は、前記製造期間
内における製造ライン1の全ての稼働日において前記標
準稼働時間を累積加算し、これにより前記製造期間内に
おける製造ライン1の総標準稼働時間が求められる。
【0067】次いで、前記演算手段21が、前記総製造
工数から前記総標準稼働時間を減算する。この減算値
は、前記製造期間内で受注製品を製造するために必要な
総残業時間に相当するものである。そして、演算手段2
1は、この減算値(総残業時間)を前記製造期間内にお
ける製造ライン1の総稼働日数で割ることにより、一日
当たりの必要超過稼働時間(必要残業時間)を求める。
【0068】次いで、前記稼働時間設定手段22が、製
造ライン1の各稼働日における標準稼働時間と前記必要
超過稼働時間とを加算し、この加算値を各稼働日におけ
る前記予定稼働時間として前記第2の設定手段18に入
力する。そして、前記第2の設定手段18は、この予定
稼働時間を基に、前述したように、各稼働順位日におけ
る製造予定数を設定する。
【0069】尚、以上説明した製造予定数に設定におい
ては、前記予定稼働時間や稼働日程は、前記製造データ
ファイル手段16を参照しつつ行われる。すなわち、製
造データファイル手段16には、各製造ライン1におけ
る稼働日程や予定稼働時間があらかじめ入力されてい
る。そして、前記受注製品に係わる稼働日は、受注製品
の製造を行う製造ライン1において、まだ稼働予定の入
力されていない稼働日や、標準稼働時間よりも少ない予
定稼働時間が入力されている稼働日が選択される。ま
た、受注製品に係わる予定稼働時間は、受注製品に係わ
る各稼働日において原則として標準稼働時間内での製造
ライン1の空き時間とされる。
【0070】図1において、本実施例の生産管理システ
ムにおいては、上記のように各稼働順次日毎に設定され
た受注製品の製造予定数は、初期製造工数や工数低減率
のデータと共に、その稼働順位日毎に、前記ホストコン
ピュータ2から端末制御部4を介してラインコントロー
ラ5に受け渡される。
【0071】ラインコントローラ5は、製造ライン1の
稼働開始時から前記製品センサ6及び端末制御部4を介
して受注製品の一個づつ、実際の製造に要した実工数を
検出する。そして、この実工数が前記初期製造工数及び
工数低減率で定まる受注製品の予定製造工数よりも遅い
場合には、端末制御部4を介して製造ライン1のコンベ
ア3の速度を上昇させる。尚、受注製品の実工数が予定
製造工数よりも早い場合には製造ライン1のコンベア3
の速度は現状維持とする。これにより、受注製品の製造
予定数が当該稼働日において製造されることとなる。そ
して、当該稼働日における実際の製造個数や不良品の個
数等の製造状況は稼働終了後に前記ラインコントローラ
5に入出力装置5を介して入力され、そのデータは、前
記ホストコンピュータ2に受け渡される。詳細な説明は
省略するが、ホストコンピュータ2は、受け取ったデー
タを前記日報処理システム10により適宜処理する。
【0072】本実施例の生産管理システムにおいては、
受注製品の製造時に初期製造工数や工数低減率の保守が
適宜行われるようになっている。すなわち、受注製品の
前記予定製造工数と実工数とが一致しない場合には、ま
ず、前記初期製造工数の見直しが行われる。この場合、
初期製造工数の見直しは、前述した素作業初期工数の累
積加算の再計算により得られた値や初期製造工数の実測
値と、最初に設定された初期製造工数とを比較すること
により行われ、両者が異なる場合には、初期製造工数が
改めて設定される。また、両者が一致する場合には、さ
らに受注製品の製造作業の難易度の再計算により得られ
た値と最初に設定された難易度とが比較され、両者が一
致する場合には難易度が改めて設定される。また、両者
が一致しない場合には、さらに今までの受注製品の製造
実績を考慮して工数低減率が変更される。
【0073】次に、本実施例の生産管理システムにおい
て、見積処理に係わる生産管理システムについて説明す
る。
【0074】図9において、この見積処理に係わる生産
管理システムは、前記受注製品の初期製造工数及び工数
低減率を設定する前記第1の設定手段17と、後述の加
工費レーとを設定する加工費設定手段25と、前記第1
の設定手段17で設定された受注製品の初期製造工数及
び工数低減率等を基に受注製品の総受注数を製造するの
に要する総製造工数を求める総工数演算手段26と、該
総工数演算手段26で求めた総製造工数と前記加工費設
定手段25で設定された加工費レートとを基に受注製品
の見積金額を設定する見積設定手段27と、前記加工費
データファイル手段11、製品データファイル手段14
及び受注データファイル手段15と、を備えるものであ
る。
【0075】尚、前記総工数演算手段26は前記見積処
理システム8(図2参照)に含まれるものであり、加工
費設定手段25は前記加工費レート処理システム7(図
2参照)に含まれるものであり、これらには、前記入出
力装置2aや各ファイル手段11,14,15から適
宜、必要なデータが入力されるようになっている。
【0076】次に、かかるシステムによる見積処理につ
いて説明する。
【0077】ある新規製品の製造受注を受けると、ま
ず、前記第1の設定手段17により、前述したように、
受注製品の初期製造工数及び工数低減率が設定される。
【0078】次いで、前記総工数演算手段26は、前記
生産計画処理において説明したように、受注製品の初期
製造工数及び工数低減率から各製造順位の受注製品の製
造工数を求めると共にこれらを総受注数にわたって累積
加算し、これにより受注製品の総製造工数を求める。こ
の総製造工数は、前記見積設定手段27に入力される。
【0079】一方、加工費設定手段25には、当該製造
業者の一会計期(例えば一年間)における総売上額、総
仕入れ額、製品の製造に係わる人件費及び経費、営業経
費、営業利益、並びに製品の製造に携わる製造ラインの
直接作業人員の一会計期における総作業時間(総労働時
間)等を入力項目とするものである。ここで、人件費
は、具体的には役員報酬、給料手当、福利厚生費、賞
与、退職金等の一会計期における累積加算値であり、経
費は、消耗品費、燃料費、光熱費、原価償却費、研究費
等の一会計期における累積加算値である。また、営業経
費は営業活動に要した費用であり、営業利益は前記総売
上額から総仕入れ額、人件費、経費及び営業経費を減算
した値である。尚、これらの費用は、例えば前会計期に
おける費用に適当な上昇率等(卸売物価指数等)を考慮
して設定される。
【0080】加工費設定手段25は、このような入力が
与えられると以下に説明する加工費レートを設定し、こ
の加工費レートを前記の入力項目と共に前記加工費デー
タファイル手段11に保存する。
【0081】“加工費レート”とは、当該製造業者にお
いて、一会計期内で、製品の種別に関係なく単位時間当
たりに要する製造費用のことであり、これは前記の入力
項目から次式により求められる。
【0082】 加工費レート=(人件費+経費)/(前記直接作業人員
の総作業時間)……(2) すなわち、“加工費レート”とは、製造ラインで作業者
が単位時間作業を行う間に当該製造者が消費する費用
(営業経費を除く)である。
【0083】このようにして、前記受注製品の総製造工
数及び加工費レートが求められた後に、前記見積設定手
段27は、前記総工数演算手段26から入力された前記
受注製品の総製造工数を、加工費データファイル手段1
1に保存された前記加工費レートに乗算し、これにより
求められた値を受注製品の総加工費とする。
【0084】ここで、前述したように“加工費レート”
は、製造ラインで作業者が単位時間作業を行う間に当該
製造者が消費する費用であるから、これに受注製品の総
製造工数(総製造時間)を乗算して得られる総加工費
は、受注製品を総受注数、製造する間に当該製造者が消
費する費用を意味するものである。
【0085】そして、見積設定手段27は、この総加工
費に受注製品の総材料費を加算し、これにより、受注製
品の総受注数分の原価を求める。このようにして求めら
れた原価は、受注製品の総受注数、製造するのに要した
総費用を示すものである。
【0086】そして、見積設定手段27は、このように
して求めた原価に所定の利益を見込んで受注製品の見積
金額を設定する。
【0087】以上説明したように、本発明の生産管理シ
ステムによれば、受注製品の生産計画処理や見積処理
が、工数低減率を用いて行われるので、製造ラインにお
ける製造作業の実情を反映した適正な生産計画及び見積
の立案をすることができ、また、実際の製造作業を効率
よく行うことができる。
【0088】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
の第1の態様によれば、受注製品の製造作業内容に係わ
る所定のデータを入力として、受注製品の一個目を製造
するのに要する初期製造工数と、受注製品の一個当たり
の製造工数が作業慣れにより低減していく割合、すなわ
ち工数低減率を設定し、これらの初期製造工数及び工数
低減率を基に、受注製品の製造ラインの各稼働順位日の
予定稼働時間で製造し得る受注製品の個数を各稼働順位
日毎に順次求め、その求めた個数を各稼働順位日におけ
る受注製品の製造予定数として設定したことによって、
製造ラインにおける製造作業の実情に則した適正な生産
計画を立案することができる。
【0089】そして、このように設定した製造ラインの
各稼働順位日における受注製品の製造予定数に基づいて
製造ラインの速度を調整することによって、すなわち、
受注製品の初期製造工数及び工数低減率を考慮した生産
計画に基づいて製造ラインを実際に稼働することによっ
て、作業者の作業能力を十分に引出しつつ無理なく生産
計画をこなすことができ、不良品の発生を防止すること
ができると共に、生産効率を向上させることができる。
【0090】また、受注製品の初期製造工数を設定する
に際しては、あらかじめ各種製品の製造作業の素作業毎
にその初期工数をデータファイル化しておくことによっ
て、受注製品の初期製造工数の設定に汎用性をもたせる
ことができると共に、その設定を容易に行うことができ
る。そして、受注製品の工数低減率を設定するに際して
も、製造作業の難易度別に分類した工数低減率をあらか
じめデータファイル化しておくことによって、受注製品
の製造作業内容に応じた適切な工数低減率を容易に設定
することができる。
【0091】また、受注製品の一個当たりの製造工数を
その製造順位毎に、受注製品の初期製造工数及び工数低
減率を用いて容易に求めることができるので、製造ライ
ンの稼働日程や予定稼働時間が定められている場合に
は、容易に各稼働順位日における製造予定数を求めるこ
とができ、また、受注製品の納期や製造期間が定められ
ている場合には、製造ラインの各稼働日における予定稼
働時間をも容易に求めることができ、製造作業の実情に
則した種々の生産計画を容易に立案することができる。
【0092】また、本発明の第2の態様によれば、前記
第1の態様と同様に設定された受注製品の初期製造工数
及び工数低減率を基に、受注製品の総受注数を製造する
のに要する総製造工数を求める一方、当該製造者の単位
時間当たりに要する製造費用を加工費レートとして設定
し、これらの総製造工数及び加工費レートを乗算して得
られる受注製品の総加工費を基に、受注製品の見積金額
を設定することによって、受注製品の製造ラインにおけ
る製造作業の実体を反映した適正な見積を立案すること
ができる。そして、受注製品の製造ラインにおける製造
作業の実体を反映して見積を立案することができるの
で、受注製品の製造による利益の把握も容易に行うこと
ができ、製造者の経営計画等も容易に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生産管理システムの一例の全体的シス
テム構成図。
【図2】図1の生産管理システムの要部のシステム構成
図。
【図3】図1の生産管理システムの生産計画の処理シス
テムに係わるシステム構成図。
【図4】素作業の初期工数を説明するための説明図。
【図5】工数低減率を説明するための説明図。
【図6】製造作業の難易度を説明するための説明図。
【図7】生産計画処理を説明するためのフローチャー
ト。
【図8】生産計画処理を説明するためのフローチャー
ト。
【図9】図1の生産管理システムの見積処理に係わるシ
ステム構成図である。
【符号の説明】
2a…入出力装置、4…端末制御部(ライン調整手
段)、12…素作業データファイル手段、13…工数低
減率データファイル手段、17…第1の設定手段、18
…第2の設定手段、19〜21…演算手段、22…稼働
時間設定手段、23…初期工数設定手段、24…低減率
設定手段、25…加工費設定手段、26…総工数設定手
段、27…見積設定手段。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】生産管理システム
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、手作業を伴う製品の生
産システムにおいて、その生産に係わる各種の管理を包
括的に行う生産管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】製造業に携わる企業は、ある製品の受注
があると、その受注製品の生産計画や見積もりの立案を
しなければならない。
【0003】この場合、生産計画の立案は、例えば次の
ように行われる。
【0004】すなわち、例えば受注数及び納期が指定さ
れた場合には、受注製品の一個当たりの製造作業に要す
る作業時間(製造工数)が予測される一方、受注数を納
期までの製造ラインの稼働日数で日割りすることによ
り、一日当たりに製造すべき製品個数が定められる。ま
た、これらの一日当たりの製造個数と製品一個当たりの
製造工数とから製造ラインの一日当たりの稼働時間が定
められる。
【0005】そして、受注製品の実際の製造に当たって
は、このように定めた生産計画を遵守するようにして製
造ラインが稼働される。
【0006】また、例えば受注製品の納期が指定されて
いない場合には、受注製品の一個当たりの製造工数の予
測値と、製造ラインの各稼働日における所定の稼働時間
(例えば一日当たりの標準労働時間)とから一日当たり
の製造個数が予測され、また、その予測結果から受注数
の製造が終了するまでの日数が求められ、これにより納
期が決定される。そして、前記の場合と同様に、このよ
うに定めた生産計画を遵守するようにして製造ラインが
実際に稼働される。
【0007】また、受注製品の見積もりは、例えば次の
ように行われる。
【0008】すなわち、前記の生産計画で予測された受
注製品の一個当たりの製造工数を基に、受注製品の総受
注数を製造し終わるまでの総製造工数が予測され、その
予測された総製造工数に要する費用(人件費、経費等)
が過去の実績や経験に基づいて求められる。そして、そ
の求めた工数費用に、さらに材料費や利益を加味して受
注製品の総受注数の見積額が求められ、あるいはその見
積額を総受注数で割ることにより受注製品の一個当たり
の見積単価が求められる。尚、受注製品の見積もりにお
いては、類似製品の過去の実績等を基に直接的に見積額
や見積単価が決定される場合もある。
【0009】ところで、生産計画や見積もりの立案を行
うために必要となる受注製品の一個当たりの製造工数
は、従来、類似製品における過去の実績や経験等に基づ
いて受注製品の一個当たりの平均的な製造工数として予
測され、この予測した製造工数を個々の受注製品に対し
て一律的なものとして、前述したように生産計画や見積
もりを立案することが一般的であった。
【0010】しかしながら、このような生産計画や見積
もりにおいては、特に、過去に受注経験のない新規な製
品の受注を受けた場合に次のような不都合があった。
【0011】すなわち、比較的頻繁に受注を受ける製品
にあっては、その製造に携わる各作業者は作業慣れによ
り、ほぼ一定の作業時間でその作業をこなすことが可能
であり、従って、製品の一個当たりの製造工数もほぼ一
定の工数とすることが可能である。しかるに、過去に作
業経験の無い製品の製造や、作業経験があってもその経
験が相当過去のものである場合においては、一般に、初
期の段階では、作業者の不慣れにより、製品の一個当た
りの実際の製造工数は比較的多くなり、製造個数が増加
するに伴って作業慣れにより製品の一個当たりの製造工
数は逓減していく。
【0012】このため、前述したように生産計画を立案
すると、製造の初期段階においては、作業者に過剰な負
担がかかり、製造予定数をこなすことができなかった
り、あるいは、不良品が増加してしまう。その結果、生
産計画に支障をきたし、納期遅れ等が生じ、また、生産
計画の見直しを頻繁に行わなければならなくなる。そし
て、ある程度の製造個数をこなした段階では、作業者は
比較的余力を残して作業を行うことができるようになる
ものの、製造ラインの能力を十分に発揮することができ
なくなり、このことは、製造コストの上昇に繋がる。
【0013】また、見積もりにおいても、生産計画によ
り予測した受注製品の総製造工数と、実際の総製造工数
とが大幅に異なってしまうことが多々あり、その結果、
見積もりで予期した利益が得られず、場合によっては、
損失を生じてしまうこともある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる不都合
を解消し、製造ラインの能力等の実情に則した適正な生
産計画や見積もりを容易に立案することができ、生産効
率の向上や製造に伴う利益の確実な把握を図ることがで
きる生産管理システムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の第1の態様は、製品の一個目を製造する
のに要する作業時間を初期製造工数とすると共に、該製
品の一個当たりの製造作業に要する製造工数が該製品の
製造個数の増加に伴う作業慣れにより前記初期製造工数
から逓減していく割合を工数逓減率とし、製造受注を受
けた製品の製造作業内容に係わる所定のデータが入力さ
れた時、その受注製品の前記初期製造工数と、該受注製
品の製造順位毎の前記工数逓減率とをあらかじめ定めた
所定の規則に従って設定する第1の設定手段と、前記受
注製品の総受注数、並びに前記受注製品の製造作業を行
う製造ラインの一日当たりの予定稼働時間及びその稼働
日程が入力された時、前記第1の設定手段で設定された
前記初期製造工数及び前記工数逓減率により前記受注製
品の一個目から前記総受注数までその製造順位毎に該受
注製品の一個当たりの製造工数を順次求めると共に、そ
の求めた各製造順位の受注製品の製造工数により、前記
製造ラインの稼働順位日の初日から各稼働順位日におけ
る前記予定稼働時間で製造し得る一日当たりの製品個数
を各稼働順位日毎に順次求め、その求めた製品個数を各
稼働順位日における前記受注製品の製造予定数として設
定する第2の設定手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】この場合、前記第1の設定手段は、各種製
品の製造に係わる切る、貼る、ネジ締め等の各種素作業
毎にその初回作業時に要する素作業初期工数をデータフ
ァイルとしてあらかじめ保存した第1のファイル手段
と、前記工数逓減率を製造作業内容の難易度に応じて分
類されたデータファイルとしてあらかじめ保存した第2
のファイル手段と、前記受注製品の製造に係わる各素作
業の種別及びその頻度が入力された時、前記第1のファ
イル手段に保存されたデータファイルを参照しつつ、前
記受注製品の製造に係わる全ての素作業について各素作
業の素作業初期工数を累積加算し、その累積加算値を前
記受注製品の初期製造工数として設定する初期工数設定
手段と、前記受注製品の製造作業の難易度があらかじめ
定めた所定の規則に従って入力された時、前記第2のフ
ァイル手段に保存されたデータファイルから該難易度に
応じた工数逓減率を選択し、その選択した工数逓減率を
前記受注製品の工数逓減率として設定する逓減率設定手
段とから成ることを特徴とする。
【0017】また、前記第2の設定手段は、前記受注製
品の前記初期製造工数と各製造順位の前記工数逓減率と
を乗算することにより、各製造順位の前記受注製品の一
個当たりの製造工数を順次求めると共にその求めた一個
当たりの製造工数を前記受注製品の一個目から順次累積
加算し、その累積加算値が前記稼働順位日の初日におけ
る前記予定稼働時間に略一致した時の加算個数を該初日
における製造予定数として設定し、次いで、該製造予定
数の次の個数番目から前記初期製造工数及び工数逓減
に従って順次求められる前記一個当たりの製造工数を累
積加算し、その累積加算値が2番目の稼働順位日におけ
る前記予定稼働時間に略一致した時の加算個数を該2番
目の稼働順位日における製造予定数として設定し、以
下、これらの演算処理を前記製造工数の総加算個数が前
記総受注数に達するまで繰り返すことにより、各稼働順
位日における製造予定数を設定することを特徴とする。
【0018】また、前記受注製品の総受注数及び製造期
間、並びに前記製造ラインの一日当たりの標準稼働時間
及びその稼働日程が入力された時、前記第1の設定手段
で設定された前記第1の設定手段で設定された前記初期
製造工数と各製造順位の前記工数逓減率とを乗算するこ
とにより前記受注製品の一個目から前記総受注数までそ
の製造順位毎に該受注製品の一個当たりの製造工数を順
次求めると共に、その求めた各製造順位の受注製品の製
造工数を累積加算することにより前記受注製品の総受注
数の製造に要する総製造工数を求める第1の演算手段
と、前記製造期間内における前記製造ラインの全ての稼
働日において前記一日当たりの標準稼働時間を累積加算
することにより該製造期間内における前記製造ラインの
総標準稼働時間を求める第2の演算手段と、前記第1の
演算手段で求められた前記総製造工数から前記第2の演
算手段で求められた前記総標準稼働時間を減算し、その
減算値を前記製造期間内における前記製造ラインの総稼
働日数で割ることにより、前記製造ラインの一日当たり
の必要超過稼働時間を求める第3の演算手段と、該第3
の演算手段で求めた必要超過稼働時間を前記製造ライン
の各稼働日における前記標準稼働時間に加算した値を前
記製造ラインの一日当たりの予定稼働時間として前記第
2の設定手段に入力する稼働時間設定手段とを備えたこ
とを特徴とする。
【0019】また、前記第2の設定手段により設定され
た前記各稼働順位日における製造予定数に基づいて前記
受注製品の製造ラインの速度を調整するライン調整手段
を備えたことを特徴とする。
【0020】また、前記の目的を達成するために、本発
明の第2の態様は、製品の一個目を製造するのに要する
作業時間を初期製造工数とすると共に、該製品の一個当
たりの製造作業に要する製造工数が該製品の製造個数の
増加に伴う作業慣れにより前記初期製造工数から逓減
ていく割合を工数逓減率とし、製造受注を受けた製品の
製造作業内容に係わる所定のデータが入力された時、そ
の受注製品の前記初期製造工数と、該受注製品の製造順
位毎の前記工数逓減率とをあらかじめ定めた所定の規則
に従って設定する第1の設定手段と、製造作業に係わる
所定の項目が入力された時、当該製造者の単位時間当た
りに要する製造費用を求め、その求めた製造費用を加工
費レートとして設定する加工費設定手段と、前記受注製
品の総受注数が入力された時、前記第1の設定手段で設
定された前記初期製造工数と各製造順位の前記工数逓減
率とを乗算することにより、前記受注製品の一個目から
前記総受注数までその製造順位毎に該受注製品の一個当
たりの製造工数を順次求めると共に、その求めた各製造
順位の受注製品の製造工数を累積加算することにより前
記受注製品の総受注数の製造に要する総製造工数を求め
る総工数演算手段と、該総工数演算手段で求められた前
記総製造工数と前記加工費設定手段で設定された前記加
工費レートとを乗算することにより前記受注製品の総加
工費を求め、その求めた総加工費を基に前記受注製品の
見積金額を設定する見積設定手段とを備えたことを特徴
とする。
【0021】この場合、前記第1の設定手段は、各種製
品の製造に係わる切る、貼る、ネジ締め等の各種素作業
毎にその初回作業時に要する素作業初期工数をデータフ
ァイルとしてあらかじめ保存した第1のファイル手段
と、前記工数逓減率を製造作業内容の難易度に応じて分
類されたデータファイルとしてあらかじめ保存した第2
のファイル手段と、前記受注製品の製造に係わる各素作
業の種別及びその頻度が入力された時、前記第1のファ
イル手段に保存されたデータファイルを参照しつつ、前
記受注製品の製造に係わる全ての素作業について各素作
業の素作業初期工数を累積加算し、その累積加算値を前
記受注製品の初期製造工数として設定する初期工数設定
手段と、前記受注製品の製造作業の難易度があらかじめ
定めた所定の規則に従って入力された時、前記第2のフ
ァイル手段に保存されたデータファイルから該難易度に
応じた工数逓減率を選択し、その選択した工数逓減率を
前記受注製品の工数逓減率として設定する逓減率設定手
段とから成ることを特徴とする。
【0022】また、前記加工費設定手段は、少なくとも
一会計期における製品の製造に係わる製造者の人件費及
び経費と製品の製造に携わる製造ラインの直接作業人員
の総作業時間を入力項目とし、その入力された前記人件
費及び経費の和を前記総作業時間で割った値として前記
加工費レートを設定することを特徴とする。
【0023】
【作用】本発明の第1の態様によれば、前記第1の設定
手段により設定される前記受注製品の初期製造工数及び
工数逓減率は、該受注製品の製造作業内容に応じて定め
られたものとなる。そして、前記第2の設定手段により
設定される前記製造ラインの各稼働順位日における前記
受注製品の製造予定数は、前記製造個数の増加に伴う作
業慣れにより前記受注製品の一個当たりの製造工数が
していく割合、すなわち、前記工数逓減率を考慮して
定めたものとなる。従って、前記製造ラインにおける製
造作業の実情に則して前記各稼働順位日における製造予
定数を設定することが可能となり、その製造予定数は、
原則的には、日数を追う毎に増加していくこととなる。
【0024】そして、実際の製造に際しては、各稼働順
位日毎に製造予定数に応じて前記製造ラインの速度を調
整することにより、作業者の作業能力を十分に引出しつ
つ無理なく製造予定数をこなすことが可能となる。
【0025】前記初期製造工数を設定するに際しては、
例えば前記受注製品の試験的製造により実測してもよい
が、各種製品の製造に係わる前記各種素作業毎に前記素
作業初期工数をデータファイルとしてあらかじめ保存し
ておくことが好ましい。このようにすることにより、前
記受注製品の受注を受けたとき、その製造作業内容を素
作業に分解・分析し、その各素作業について前記データ
ファイルを参照しつつ前記素作業初期工数を累積加算す
ることにより、容易に前記初期製造工数を求めることが
可能となる。また、受注製品の種類によらず、前記初期
製造工数の設定作業に汎用性をもたせることが可能とな
る。
【0026】また、前記工数逓減率を設定するに際して
は、経験等に基づいて単一の工数逓減率をあらかじめ定
めておいてもよいが、より好ましくは製造作業の難易度
に応じて分類して定め、これをデータファイルとして保
存しておくことが好ましい。これは、一般に、製造作業
の難度が高いほど作業慣れによる1個当りの製造工数が
減少していく割合が小さくなる傾向にあるが、多くの経
験個数を経て一定の製造工数に収束するよう設定されて
いるため、トータルでの逓減工数は大きくなるからであ
る。このように、工数逓減率を製造作業の難易度に応じ
て分類しておけば、受注製品の製造作業の難易度を考慮
して適切な工数逓減率を設定することが可能となる。
尚、難易度を決定する要因としては、過去に経験がある
か否か、重量物を扱うか否か、熟練度を要するか否か等
が挙げられ、これらの要因を適当な重み付けをして数値
化しておけば難易度を数値的に表現することが可能とな
る。
【0027】前記製造ラインの各稼働順位日における製
造予定数は、具体的には次のように求められる。すなわ
ち、各稼働順位日における製造ラインの予定稼働時間が
与えられた場合に、前記受注製品の前記初期製造工数と
各製造順位の前記工数逓減率とを乗算することにより、
各製造順位の前記受注製品の一個当たりの製造工数が順
次求められ、その求めた一個当たりの製造工数を前記受
注製品の一個目から順次累積加算して得た値が前記稼働
順位日の初日における前記予定稼働時間に略一致した時
の加算個数を該初日における製造予定数となる。次い
で、該製造予定数の次の個数番目から前記受注製品の一
個当たりの製造工数を順次累積加算し、その累積加算値
が2番目の稼働順位日における前記予定稼働時間に略一
致した時の加算個数を該2番目の稼働順位日における製
造予定数となる。以下、これらの演算処理を前記製造工
数の総加算個数が前記総受注数に達するまで繰り返すこ
とにより、各稼働順位日における製造予定数が設定され
る。尚、かかる演算処理において、最後に製造予定数が
設定された稼働順位日が受注製品の総受注数の製造が終
了する日となる。
【0028】この場合、前記受注製品の総受注数及び製
造期間、並びに前記製造ラインの一日当たりの標準稼働
時間及びその稼働日程が与えられた場合には、各稼働順
位日における製造ラインの前記予定稼働時間を次のよう
に設定することが好ましい。
【0029】すなわち、まず、受注製品の前記初期製造
工数と各製造順位の前記工数逓減率とを乗算することに
より前記受注製品の一個目から前記総受注数までその製
造順位毎に該受注製品の一個当たりの製造工数を順次求
めると共に、その求めた各製造順位の受注製品の製造工
数を累積加算することにより前記受注製品の総受注数の
製造に要する総製造工数を求める。また、与えられた前
記製造期間内における前記製造ラインの全ての稼働日に
おいて前記一日当たりの標準稼働時間を累積加算するこ
とにより該製造期間内における前記製造ラインの総標準
稼働時間を求める。次いで、前記総製造工数から前記総
標準稼働時間を減算し、その減算値を前記製造期間内に
おける前記製造ラインの総稼働日数で割ることにより、
前記製造ラインの一日当たりの必要超過稼働時間を求め
る。そして、該必要超過稼働時間を前記製造ラインの各
稼働日における前記標準稼働時間に加算した値を前記製
造ラインの一日当たりの前記予定稼働時間とする。
【0030】尚、製造ラインの各稼働日における標準稼
働時間が一定である場合には、前記総製造工数を前記製
造期間内における製造ラインの総稼働日数で割った値を
一日当たりの前記予定稼働時間としてもよい。このよう
にして求めた予定稼働時間は、前記の演算により求めら
れる予定稼働時間と一致する。
【0031】次に、本発明の第2の態様によれば、前記
総工数演算手段で求められる前記受注製品の総製造工数
は、前記製造個数の増加に伴う作業慣れにより前記受注
製品の一個当たりの製造工数が逓減していく割合、すな
わち、前記工数逓減率を考慮して定めたものとなる。ま
た、前記加工費設定手段で設定される前記加工費レート
は、製造者において任意の製造作業を単位時間行った場
合に要する費用、すなわち、単位時間当たりの加工賃で
ある。従って、これらの総製造工数及び加工費レートを
乗算して得られる前記総加工費は、前記受注製品の製造
ラインにおける製造作業の実情に則して求められた前記
受注製品の総受注数の総加工費となる。
【0032】そして、この総加工費を基に前記受注製品
の見積金額を設定することにより、その見積金額の受注
製品の製造作業の実体が反映され、適正な見積金額を設
定することが可能となる。尚、前記見積金額は、例えば
前記総加工費に前記受注製品の総材料費を加算し、これ
に利益を加味することにより求められる。
【0033】また、前記加工費レートの算出は、例えば
一会計期における製品の製造に係わる製造者の人件費及
び経費の和、すなわち、一会計期において製造作業に要
する総費用を、製品の製造に携わる製造ラインの直接作
業人員の総作業時間で割った値として設定される。
【0034】
【実施例】本発明の一例を図1乃至図9に従って説明す
る。図1は本発明の生産管理システムの一例の全体的シ
ステム構成図、図2はその要部のシステム構成図、図3
は生産計画の処理システムに係わるシステム構成図、図
4は素作業の初期工数を説明するための説明図、図5は
工数逓減率を説明するための説明図、図6は製造作業の
難易度を説明するための説明図、図7及び図8は生産計
画処理を説明するためのフローチャート、図9は見積処
理に係わるシステム構成図である。
【0035】図1において、本実施例の生産管理システ
ムは、複数の製造ライン1における各種生産管理等を行
うシステムであり、生産管理に係わる後述の主要な処理
を司るホストコンピュータ2と、各製造ライン1のコン
ベア3の稼働状態を監視・制御する端末制御部4と、こ
れらの端末制御部4を制御するラインコントローラ5と
を主要構成として備えている。この場合、端末制御部4
は、その制御機能として、ラインコントローラ5の指示
等に従って各製造ライン1のコンベア3の速度を調整す
る手段(ライン調整手段)を含むものである。
【0036】ラインコントローラ5は、端末制御部4を
介してホストコンピュータ2とデータの授受を行うよう
に構成されており、基本的にはホストコンピュータ2か
ら与えられる指示に従って端末制御部4を介して各製造
ライン1の稼働状態を制御するようにしている。また、
各製造ライン1の末端部には、製造された製品を一個づ
つ検知する製品検知センサ6が設けられ、このセンサ6
の検知信号は端末制御部4を介してラインコントローラ
5に入力されるように構成されている。そして、ランコ
ントローラ5は、前記センサ6を介して各製造ライン1
における製品の仕上がり状況を監視するようにしてい
る。
【0037】尚、ホストコンピュータ2及びラインコン
トローラ5には、それぞれ入出力装置2a,5aが接続
されている。
【0038】図2において、前記ホストコンピュータ2
は、その主要な演算処理機能として、後述の加工費レー
トに関する設定処理を行う加工費レート処理システム7
と、受注製品の見積もり演算処理を行う見積処理システ
ム8と、受注製品の生産計画に関する演算処理を行う生
産計画処理システム9と、前記各製造ライン1における
日別の実際の製造状況等に関する処理を行う日報処理シ
ステム10とを備えている。また、ホストコンピュータ
2は、その主要なデータファイル手段として、加工費レ
ートに関するデータを保存する加工費データファイル手
段11と、後述の工数逓減率に関するデータを保存する
工数逓減率データファイル手段12と、後述の素作業に
関する素作業データファイル手段13と、各種製品に関
するデータを保存する製品データファイル手段14と、
受注内容や受注製品の生産計画等に関するデータを保存
する受注データファイル手段15と、各製造ライン1の
稼働状況等に関するデータを保存する製造データファイ
ル手段16とを備えている。前記各システム7〜10
は、これらのファイル手段11〜16と前記入出力装置
2aとの間でデータを授受しつつ後述するような所定の
処理を行うものである。
【0039】尚、これらのシステム7〜10やファイル
手段11〜16の具体的なハード構成は、図示しないC
PUや、RAM、ROM、磁気ディスク等により構成さ
れる。
【0040】本実施例の生産管理システムは、生産計画
に係わる本発明の第1の態様と見積処理に係わる本発明
の第2の態様とを含むものである。以下、本実施例の生
産管理システムをこれらの態様別にさらに詳説する。
【0041】本実施例において、生産計画に係わる生産
管理システムは、図3に示すように、受注製品の後述の
初期製造工数及び工数逓減率を設定する第1の設定手段
17と、該設定手段17により設定された受注製品の初
期製造工数及び工数逓減率等を基に受注製品の日別の製
造予定数を設定する第2の設定手段18と、後述の演算
を行う演算手段19〜21と、これらの演算手段19〜
21の演算結果を基に受注製品の製造を行う前記製造ラ
イン1の一日当たり予定稼働時間を設定する稼働時間設
定手段22と、前記製品データファイル手段14と、前
記受注データファイル手段15と、前記製造データファ
イル手段16とを備えるものである。この場合、前記第
1の設定手段17は、前記工数逓減率データファイル手
段12及び素作業データファイル手段13を含み、さら
に、これらのファイル手段12,13に保存されたデー
タを基に受注製品の初期製造工数及び工数逓減率等をそ
れぞれ設定する初期工数設定手段23及び逓減率設定手
段24を備えている。
【0042】尚、前記各設定手段18,22,23,2
4及び演算手段19〜21は前記生産計画処理システム
9に含まれるものであり、前記入出力装置2aや、各フ
ァイル手段12〜16から適宜、必要なデータが入力さ
れるようになっている。
【0043】次に、かかるシステムによる生産計画処理
について説明する。
【0044】ある新規製品の製造受注を受けると、ま
ず、前記第1の設定手段17により、その受注製品の初
期製造工数及び工数逓減率が設定される。
【0045】ここで、“初期製造工数”とは、製品の一
個目を製造するのに要する作業時間であり、また、“工
逓減率”とは、製品の一個当たりの製造作業に要する
製造工数(製造作業時間)が該製品の製造個数の増加に
伴う作業者の作業慣れにより逓減していく割合であり、
その割合を製造個数毎(製造順位毎)に数値的に表現し
たものである。
【0046】本実施例の生産管理システムにおいては、
受注製品の初期製造工数は、例えば次のように設定され
る。すなわち、まず、受注製品を製造するための作業内
容を分析し、その作業内容から切る、貼る、ネジ締め等
の素作業(製造作業の基本となる単一的な作業)をその
頻度と共に抽出する。
【0047】一方、前記素作業データファイル13に
は、例えば図4に示すように、各種製品の製造作業に係
わる基本的な素作業の種別(作業内容)と、各素作業の
初回時に要する初期工数とが分類されて保存されてお
り、この内容は、前記入出力装置2aの所定の操作によ
り、図示しないディスプレイ上に表示される。ここで、
素作業データファイル13に保存されている上記初期工
数は、例えば“切る”という素作業の初期工数が0.7
秒というように保存されている。このような各素作業の
初期工数の数値は、その素作業を複数の作業者(能力,
性別,年齢差を考慮して任意に選択した作業者)に行わ
せて該素作業に要した時間を実測し、その実測値の平均
値を前記素作業データファイル13にあらかじめ保存し
たものである。尚、図4において、素作業の種別は、さ
らに“手作業”、“工具作業”、“機械作業”というよ
うな大分類が設けられているが、“手作業”とは、作業
者が手で行う作業、“工具作業”とは作業者が工具を用
いて行う作業、“機械作業”とは機械のスイッチをON
/OFFする等の機械の操作を行う作業のことである。
【0048】次いで、前記受注製品の抽出された素作業
の種別とその頻度が入出力装置2aを介して前記第1の
設定手段17の初期工数設定手段23に入力される。こ
の時、初期工数設定手段23は、前記素作業データファ
イル手段13のデータファイルを参照しつつ、入力され
た全ての素作業について前記初期工数を累積加算し、そ
の累積加算値を当該受注製品の初期製造工数として設定
する。そして、このように設定された初期製造工数は、
適宜、前記入出力装置2aに出力されると共に、前記製
品データファイル手段14等に保存される。
【0049】尚、かかる受注製品の初期製造工数の設定
においては、前記素作業データファイル手段13に保存
された素作業の種別や初期工数は、入出力装置2aを用
いて適宜、変更可能とされ、また、新たに項目を追加す
ることも可能とされている。
【0050】また、初期製造工数の設定においては、受
注製品を製造ライン1において試験的に製造すると共
に、その製造作業に要した製品一個当たりの製造工数を
実測し、その実測値を直接、前記第1の設定手段17に
入力するようにすることも可能とされている。この場合
には、第1の設定手段17は、その入力された値をその
まま受注製品の初期製造工数として設定する。
【0051】次に、前記受注製品の工数逓減率は、前記
第1の設定手段17により例えば次のように設定され
る。
【0052】すなわち、前記工数逓減率データファイル
手段12には、例えば図5に示すように、製品の一個目
を製造するのに要する製造工数、すなわち初期製造工数
を基準とした製造個数毎の前記工数逓減率が製造作業の
難易度別に分類されて保存されている。ここで、同図に
示した難易度の数値はその数値が大きいほど、製造作業
の難度が高いということを示しており、該難度が高いほ
ど、製造工数の増加に伴って製品一個当たりの製造工数
が減少していく割合が大きくなるように工数逓減率が定
められている。これは、一般に製造作業の難度が高いほ
作業慣れによる一個当たりの製造工数が減少していく
割合が小さくなる傾向にあるが、多くの経験個数を経て
一定の製造工数に収束するよう設定されているため、ト
ータルでの逓減工数は大きくなるからである。尚、難易
度の各分類の工数逓減率は、基本的には、製造の初期段
階(製造個数が少ないとき)においては、製品一個当た
りの製造工数は製造個数の増加に伴って比較的急激に減
少し、次いで、該製造工数が製造個数の増加に伴って比
較的緩やかに減少した後に、最終的には、ほぼ一定の製
造工数に収束するように設定されている。
【0053】また、前記工数逓減率データファイル手段
12には、例えば図6に示すように、製造作業の複数種
の基本的な作業内容、例えば、簡単に使える工具による
作業、重量が重い工具による作業、過去に経験のある作
業等の作業内容と、その作業内容毎の難易度とが分類さ
れて保存されている。この場合、各作業内容の難易度を
表す数値は、簡単に使える工具による作業の難易度は
“1”、重量が重い工具による作業は難易度は“3”、
というように、難度が高いものほど、大きな数値となる
ように定められている。
【0054】尚、工数逓減率データファイル手段12に
保存されているこれらの内容は、前記入出力装置2aの
所定の操作により、図示しないディスプレイ上に適宜表
示される。前記受注製品の工数逓減率を設定する際に
は、まず、該受注製品の製造作業内容が分析され、その
難易度を決定するための基本となる作業内容とその頻度
が前記入出力装置2aを介して前記第1の設定手段17
逓減率設定手段24に入力される。この時、逓減率設
定手段24は、前記工数逓減率データファイル手段12
のデータファイル(図6のデータファイル)を参照しつ
つ、入力された全ての基本的な作業内容について前記難
易度を累積加算し、その累積加算値を前記受注製品の製
造作業の全体的な難易度として設定する。次いで、この
全体的な難易度を基に、前記工数逓減率データファイル
手段12の工数逓減率のデータファイル(図5のデータ
ファイル)から、その全体的な難易度に対応する工数
率を選択し、この選択した工数逓減率を当該受注製品
の工数逓減率として設定する。そして、このように設定
された工数逓減率あるいはその分類は、適宜、前記入出
力装置2aに出力されると共に、前記製品データファイ
ル手段14等に保存される。
【0055】尚、かかる受注製品の工数逓減率の設定に
おいては、前記工数逓減率データファイル手段12に保
存された工数逓減率のデータや、基本的な作業内容及び
その難易度等は、入出力装置2aを用いて適宜、変更可
能とされ、また、新たな項目を追加することも可能とさ
れている。
【0056】また、工数逓減率の設定においては、受注
製品の製造作業の全体的な難易度は、過去の経験等に基
づいて直接、前記第1の設定手段17に入力するように
することも可能とされている。この場合には、第1の設
定手段17は、その入力された難易度に対応する工数
率を直接的に選択する。
【0057】このようにして受注製品の初期製造工数及
び工数逓減率が設定された後に、前記第2の設定手段1
8により、受注製品の製造を行う製造ライン1における
日別の製造予定数が設定される。この設定は例えば次の
ように行われる。
【0058】すなわち、図7において、まず、入出力装
置2aの所定の操作により、受注製品の総受注数、並び
に受注製品の製造を行う製造ライン1の一日当たりの予
定稼働時間及びその稼働日程が第2の設定手段18に入
力される。ここで、予定稼働時間は、例えば一日当たり
の標準労働時間(規定勤務時間)とし、また、稼働日程
は受注製品の製造を開始する日付及びその日付以降の日
程である。
【0059】次いで、このように、受注製品の総受注
数、並びに製造ライン1の予定稼働時間及びその稼働日
程が入力されると、前記第2の設定手段18は、まず、
前記製品データファイル手段14及び工数逓減率データ
ファイル手段12から前述したように設定された受注製
品の初期製造工数及び工数逓減率を参照しつつ、受注製
品の一個目から製造順位毎に一個当たりの製造工数を順
次求めていく。この場合、初期製造工数をA1 、n個目
(製造順位n)の受注製品の製造工数及び工数逓減率を
それぞれAn 工数逓減率をRn とすると、An は次式に
より求められる。
【0060】An =A1 ・Rn ……(1) そして、第2の設定手段18は、このようにして求めら
れる各製造順位nの受注製品の製造工数An を順次累積
加算する。そして、その累積加算値Bm が製造開始日
(初日)における前記予定稼働時間Tを越えたとき、そ
の一個前までの加算個数を初日における受注製品の製造
予定数とする。
【0061】次いで、初日における製造予定数の次の製
造順位から、上記の場合と同様にして各製造順位の受注
製品の一個当たりの製造工数を順次求め、累積加算す
る。そして、その累積加算値が2日目の予定稼働時間を
越えたとき、その一個前までの加算個数を2日目の製造
予定数とする。
【0062】以下、これらの演算を、前記製造工数の総
加算個数が前記総受注数に達するまで繰り返すことによ
り、各稼働順位日(製造開始日から順番に定めた稼働
日)における製造予定数が得られる。このようにして得
られた各稼働順位日における製造予定数は、適宜、前記
入出力装置2aに出力され、また、前記受注データファ
イル手段15や製造データファイル手段16に保存され
る。
【0063】尚、かかる演算においては、最後に製造予
定数が設定された稼働順位日が受注製品の総受注数の製
造が終了する予定日となり、これにより、受注製品の納
期を決定することができる。
【0064】ところで、本実施例の生産管理システムに
おいては、受注製品の納期あるいは製造期間が指定され
ている場合には、製造ライン1の各稼働順位日における
予定稼働時間を求め、その求めた予定稼働時間を基に各
稼働順位日における製造予定数を設定することができる
ようになっている。
【0065】すなわち、この場合には、図8に示すよう
に、前記入出力装置2aの所定の操作により、前記受注
製品の総受注数及び製造期間、並びに前記製造ライン1
の一日当たりの標準稼働時間及びその稼働日程が前記演
算手段19,20に入力される。ここで標準稼働時間
は、例えば一日当たりの標準労働時間とされる。この
時、該演算手段19は、まず、前記の場合と同様にして
前記製品データファイル手段14及び工数逓減率データ
ファイル手段12から前述したように設定された受注製
品の初期製造工数A1 及び工数逓減率Rn を参照しつ
つ、受注製品の一個目から前記総受注数まで製造順位毎
に一個当たりの製造工数An を順次求め、これを全て累
積加算する。これにより、受注製品の総受注数の製造に
要する総製造工数を求める。
【0066】また、前記演算手段20は、前記製造期間
内における製造ライン1の全ての稼働日において前記標
準稼働時間を累積加算し、これにより前記製造期間内に
おける製造ライン1の総標準稼働時間が求められる。
【0067】次いで、前記演算手段21が、前記総製造
工数から前記総標準稼働時間を減算する。この減算値
は、前記製造期間内で受注製品を製造するために必要な
総残業時間に相当するものである。そして、演算手段2
1は、この減算値(総残業時間)を前記製造期間内にお
ける製造ライン1の総稼働日数で割ることにより、一日
当たりの必要超過稼働時間(必要残業時間)を求める。
【0068】次いで、前記稼働時間設定手段22が、製
造ライン1の各稼働日における標準稼働時間と前記必要
超過稼働時間とを加算し、この加算値を各稼働日におけ
る前記予定稼働時間として前記第2の設定手段18に入
力する。そして、前記第2の設定手段18は、この予定
稼働時間を基に、前述したように、各稼働順位日におけ
る製造予定数を設定する。
【0069】尚、以上説明した製造予定数に設定におい
ては、前記予定稼働時間や稼働日程は、前記製造データ
ファイル手段16を参照しつつ行われる。すなわち、製
造データファイル手段16には、各製造ライン1におけ
る稼働日程や予定稼働時間があらかじめ入力されてい
る。そして、前記受注製品に係わる稼働日は、受注製品
の製造を行う製造ライン1において、まだ稼働予定の入
力されていない稼働日や、標準稼働時間よりも少ない予
定稼働時間が入力されている稼働日が選択される。ま
た、受注製品に係わる予定稼働時間は、受注製品に係わ
る各稼働日において原則として標準稼働時間内での製造
ライン1の空き時間とされる。
【0070】図1において、本実施例の生産管理システ
ムにおいては、上記のように各稼働順次日毎に設定され
た受注製品の製造予定数は、初期製造工数や工数逓減
のデータと共に、その稼働順位日毎に、前記ホストコン
ピュータ2から端末制御部4を介してラインコントロー
ラ5に受け渡される。
【0071】ラインコントローラ5は、製造ライン1の
稼働開始時から前記製品センサ6及び端末制御部4を介
して受注製品の一個づつ、実際の製造に要した実工数を
検出する。そして、この実工数が前記初期製造工数及び
工数逓減率で定まる受注製品の予定製造工数よりも遅い
場合には、端末制御部4を介して製造ライン1のコンベ
ア3の速度を上昇させる。尚、受注製品の実工数が予定
製造工数よりも早い場合には製造ライン1のコンベア3
の速度は現状維持とする。これにより、受注製品の製造
予定数が当該稼働日において製造されることとなる。そ
して、当該稼働日における実際の製造個数や不良品の個
数等の製造状況は稼働終了後に前記ラインコントローラ
5に入出力装置5を介して入力され、そのデータは、前
記ホストコンピュータ2に受け渡される。詳細な説明は
省略するが、ホストコンピュータ2は、受け取ったデー
タを前記日報処理システム10により適宜処理する。
【0072】本実施例の生産管理システムにおいては、
受注製品の製造時に初期製造工数や工数逓減率の保守が
適宜行われるようになっている。すなわち、受注製品の
前記予定製造工数と実工数とが一致しない場合には、ま
ず、前記初期製造工数の見直しが行われる。この場合、
初期製造工数の見直しは、前述した素作業初期工数の累
積加算の再計算により得られた値や初期製造工数の実測
値と、最初に設定された初期製造工数とを比較すること
により行われ、両者が異なる場合には、初期製造工数が
改めて設定される。また、両者が一致する場合には、さ
らに受注製品の製造作業の難易度の再計算により得られ
た値と最初に設定された難易度とが比較され、両者が一
致する場合には難易度が改めて設定される。また、両者
が一致しない場合には、さらに今までの受注製品の製造
実績を考慮して工数逓減率が変更される。
【0073】次に、本実施例の生産管理システムにおい
て、見積処理に係わる生産管理システムについて説明す
る。
【0074】図9において、この見積処理に係わる生産
管理システムは、前記受注製品の初期製造工数及び工数
逓減率を設定する前記第1の設定手段17と、後述の加
工費レーとを設定する加工費設定手段25と、前記第1
の設定手段17で設定された受注製品の初期製造工数及
び工数逓減率等を基に受注製品の総受注数を製造するの
に要する総製造工数を求める総工数演算手段26と、該
総工数演算手段26で求めた総製造工数と前記加工費設
定手段25で設定された加工費レートとを基に受注製品
の見積金額を設定する見積設定手段27と、前記加工費
データファイル手段11、製品データファイル手段14
及び受注データファイル手段15と、を備えるものであ
る。
【0075】尚、前記総工数演算手段26は前記見積処
理システム8(図2参照)に含まれるものであり、加工
費設定手段25は前記加工費レート処理システム7(図
2参照)に含まれるものであり、これらには、前記入出
力装置2aや各ファイル手段11,14,15から適
宜、必要なデータが入力されるようになっている。
【0076】次に、かかるシステムによる見積処理につ
いて説明する。
【0077】ある新規製品の製造受注を受けると、ま
ず、前記第1の設定手段17により、前述したように、
受注製品の初期製造工数及び工数逓減率が設定される。
【0078】次いで、前記総工数演算手段26は、前記
生産計画処理において説明したように、受注製品の初期
製造工数及び工数逓減率から各製造順位の受注製品の製
造工数を求めると共にこれらを総受注数にわたって累積
加算し、これにより受注製品の総製造工数を求める。こ
の総製造工数は、前記見積設定手段27に入力される。
【0079】一方、加工費設定手段25には、当該製造
業者の一会計期(例えば一年間)における総売上額、総
仕入れ額、製品の製造に係わる人件費及び経費、営業経
費、営業利益、並びに製品の製造に携わる製造ラインの
直接作業人員の一会計期における総作業時間(総労働時
間)等を入力項目とするものである。ここで、人件費
は、具体的には役員報酬、給料手当、福利厚生費、賞
与、退職金等の一会計期における累積加算値であり、経
費は、消耗品費、燃料費、光熱費、原価償却費、研究費
等の一会計期における累積加算値である。また、営業経
費は営業活動に要した費用であり、営業利益は前記総売
上額から総仕入れ額、人件費、経費及び営業経費を減算
した値である。尚、これらの費用は、例えば前会計期に
おける費用に適当な上昇率等(卸売物価指数等)を考慮
して設定される。
【0080】加工費設定手段25は、このような入力が
与えられると以下に説明する加工費レートを設定し、こ
の加工費レートを前記の入力項目と共に前記加工費デー
タファイル手段11に保存する。
【0081】“加工費レート”とは、当該製造業者にお
いて、一会計期内で、製品の種別に関係なく単位時間当
たりに要する製造費用のことであり、これは前記の入力
項目から次式により求められる。
【0082】 加工費レート=(人件費+経費)/(前記直接作業人員
の総作業時間)……(2) すなわち、“加工費レート”とは、製造ラインで作業者
が単位時間作業を行う間に当該製造者が消費する費用
(営業経費を除く)である。
【0083】このようにして、前記受注製品の総製造工
数及び加工費レートが求められた後に、前記見積設定手
段27は、前記総工数演算手段26から入力された前記
受注製品の総製造工数を、加工費データファイル手段1
1に保存された前記加工費レートに乗算し、これにより
求められた値を受注製品の総加工費とする。
【0084】ここで、前述したように“加工費レート”
は、製造ラインで作業者が単位時間作業を行う間に当該
製造者が消費する費用であるから、これに受注製品の総
製造工数(総製造時間)を乗算して得られる総加工費
は、受注製品を総受注数、製造する間に当該製造者が消
費する費用を意味するものである。
【0085】そして、見積設定手段27は、この総加工
費に受注製品の総材料費を加算し、これにより、受注製
品の総受注数分の原価を求める。このようにして求めら
れた原価は、受注製品の総受注数、製造するのに要した
総費用を示すものである。
【0086】そして、見積設定手段27は、このように
して求めた原価に所定の利益を見込んで受注製品の見積
金額を設定する。
【0087】以上説明したように、本発明の生産管理シ
ステムによれば、受注製品の生産計画処理や見積処理
が、工数逓減率を用いて行われるので、製造ラインにお
ける製造作業の実情を反映した適正な生産計画及び見積
の立案をすることができ、また、実際の製造作業を効率
よく行うことができる。
【0088】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
の第1の態様によれば、受注製品の製造作業内容に係わ
る所定のデータを入力として、受注製品の一個目を製造
するのに要する初期製造工数と、受注製品の一個当たり
の製造工数が作業慣れにより逓減していく割合、すなわ
ち工数逓減率を設定し、これらの初期製造工数及び工数
逓減率を基に、受注製品の製造ラインの各稼働順位日の
予定稼働時間で製造し得る受注製品の個数を各稼働順位
日毎に順次求め、その求めた個数を各稼働順位日におけ
る受注製品の製造予定数として設定したことによって、
製造ラインにおける製造作業の実情に則した適正な生産
計画を立案することができる。
【0089】そして、このように設定した製造ラインの
各稼働順位日における受注製品の製造予定数に基づいて
製造ラインの速度を調整することによって、すなわち、
受注製品の初期製造工数及び工数逓減率を考慮した生産
計画に基づいて製造ラインを実際に稼働することによっ
て、作業者の作業能力を十分に引出しつつ無理なく生産
計画をこなすことができ、不良品の発生を防止すること
ができると共に、生産効率を向上させることができる。
【0090】また、受注製品の初期製造工数を設定する
に際しては、あらかじめ各種製品の製造作業の素作業毎
にその初期工数をデータファイル化しておくことによっ
て、受注製品の初期製造工数の設定に汎用性をもたせる
ことができると共に、その設定を容易に行うことができ
る。そして、受注製品の工数逓減率を設定するに際して
も、製造作業の難易度別に分類した工数逓減率をあらか
じめデータファイル化しておくことによって、受注製品
の製造作業内容に応じた適切な工数逓減率を容易に設定
することができる。
【0091】また、受注製品の一個当たりの製造工数を
その製造順位毎に、受注製品の初期製造工数及び工数
率を用いて容易に求めることができるので、製造ライ
ンの稼働日程や予定稼働時間が定められている場合に
は、容易に各稼働順位日における製造予定数を求めるこ
とができ、また、受注製品の納期や製造期間が定められ
ている場合には、製造ラインの各稼働日における予定稼
働時間をも容易に求めることができ、製造作業の実情に
則した種々の生産計画を容易に立案することができる。
【0092】また、本発明の第2の態様によれば、前記
第1の態様と同様に設定された受注製品の初期製造工数
及び工数逓減率を基に、受注製品の総受注数を製造する
のに要する総製造工数を求める一方、当該製造者の単位
時間当たりに要する製造費用を加工費レートとして設定
し、これらの総製造工数及び加工費レートを乗算して得
られる受注製品の総加工費を基に、受注製品の見積金額
を設定することによって、受注製品の製造ラインにおけ
る製造作業の実体を反映した適正な見積を立案すること
ができる。そして、受注製品の製造ラインにおける製造
作業の実体を反映して見積を立案することができるの
で、受注製品の製造による利益の把握も容易に行うこと
ができ、製造者の経営計画等も容易に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生産管理システムの一例の全体的シス
テム構成図。
【図2】図1の生産管理システムの要部のシステム構成
図。
【図3】図1の生産管理システムの生産計画の処理シス
テムに係わるシステム構成図。
【図4】素作業の初期工数を説明するための説明図。
【図5】工数逓減率を説明するための説明図。
【図6】製造作業の難易度を説明するための説明図。
【図7】生産計画処理を説明するためのフローチャー
ト。
【図8】生産計画処理を説明するためのフローチャー
ト。
【図9】図1の生産管理システムの見積処理に係わるシ
ステム構成図である。
【符号の説明】 2a…入出力装置、4…端末制御部(ライン調整手
段)、12…素作業データファイル手段、13…工数
率データファイル手段、17…第1の設定手段、18
…第2の設定手段、19〜21…演算手段、22…稼働
時間設定手段、23…初期工数設定手段、24…逓減
設定手段、25…加工費設定手段、26…総工数設定手
段、27…見積設定手段。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製品の一個目を製造するのに要する作業時
    間を初期製造工数とすると共に、該製品の一個当たりの
    製造作業に要する製造工数が該製品の製造個数の増加に
    伴う作業慣れにより前記初期製造工数から低減していく
    割合を工数低減率とし、製造受注を受けた製品の製造作
    業内容に係わる所定のデータが入力された時、その受注
    製品の前記初期製造工数と、該受注製品の製造順位毎の
    前記工数低減率とをあらかじめ定めた所定の規則に従っ
    て設定する第1の設定手段と、 前記受注製品の総受注数、並びに前記受注製品の製造作
    業を行う製造ラインの一日当たりの予定稼働時間及びそ
    の稼働日程が入力された時、前記第1の設定手段で設定
    された前記初期製造工数及び前記工数低減率により前記
    受注製品の一個目から前記総受注数までその製造順位毎
    に該受注製品の一個当たりの製造工数を順次求めると共
    に、その求めた各製造順位の受注製品の製造工数によ
    り、前記製造ラインの稼働順位日の初日から各稼働順位
    日における前記予定稼働時間で製造し得る一日当たりの
    製品個数を各稼働順位日毎に順次求め、その求めた製品
    個数を各稼働順位日における前記受注製品の製造予定数
    として設定する第2の設定手段とを備えたことを特徴と
    する生産管理システム。
  2. 【請求項2】前記第1の設定手段は、各種製品の製造に
    係わる切る、貼る、ネジ締め等の各種素作業毎にその初
    回作業時に要する素作業初期工数をデータファイルとし
    てあらかじめ保存した第1のファイル手段と、前記工数
    低減率を製造作業内容の難易度に応じて分類されたデー
    タファイルとしてあらかじめ保存した第2のファイル手
    段と、前記受注製品の製造に係わる各素作業の種別及び
    その頻度が入力された時、前記第1のファイル手段に保
    存されたデータファイルを参照しつつ、前記受注製品の
    製造に係わる全ての素作業について各素作業の素作業初
    期工数を累積加算し、その累積加算値を前記受注製品の
    初期製造工数として設定する初期工数設定手段と、前記
    受注製品の製造作業の難易度があらかじめ定めた所定の
    規則に従って入力された時、前記第2のファイル手段に
    保存されたデータファイルから該難易度に応じた工数低
    減率を選択し、その選択した工数低減率を前記受注製品
    の工数低減率として設定する低減率設定手段とから成る
    ことを特徴とする請求項1記載の生産管理システム。
  3. 【請求項3】前記第2の設定手段は、前記受注製品の前
    記初期製造工数と各製造順位の前記工数低減率とを乗算
    することにより、各製造順位の前記受注製品の一個当た
    りの製造工数を順次求めると共にその求めた一個当たり
    の製造工数を前記受注製品の一個目から順次累積加算
    し、その累積加算値が前記稼働順位日の初日における前
    記予定稼働時間に略一致した時の加算個数を該初日にお
    ける製造予定数として設定し、次いで、該製造予定数の
    次の個数番目から前記初期製造工数及び工数低減率に従
    って順次求められる前記一個当たりの製造工数を累積加
    算し、その累積加算値が2番目の稼働順位日における前
    記予定稼働時間に略一致した時の加算個数を該2番目の
    稼働順位日における製造予定数として設定し、以下、こ
    れらの演算処理を前記製造工数の総加算個数が前記総受
    注数に達するまで繰り返すことにより、各稼働順位日に
    おける製造予定数を設定することを特徴とする請求項1
    記載の生産管理システム。
  4. 【請求項4】前記受注製品の総受注数及び製造期間、並
    びに前記製造ラインの一日当たりの標準稼働時間及びそ
    の稼働日程が入力された時、前記第1の設定手段で設定
    された前記第1の設定手段で設定された前記初期製造工
    数と各製造順位の前記工数低減率とを乗算することによ
    り前記受注製品の一個目から前記総受注数までその製造
    順位毎に該受注製品の一個当たりの製造工数を順次求め
    ると共に、その求めた各製造順位の受注製品の製造工数
    を累積加算することにより前記受注製品の総受注数の製
    造に要する総製造工数を求める第1の演算手段と、前記
    製造期間内における前記製造ラインの全ての稼働日にお
    いて前記一日当たりの標準稼働時間を累積加算すること
    により該製造期間内における前記製造ラインの総標準稼
    働時間を求める第2の演算手段と、前記第1の演算手段
    で求められた前記総製造工数から前記第2の演算手段で
    求められた前記総標準稼働時間を減算し、その減算値を
    前記製造期間内における前記製造ラインの総稼働日数で
    割ることにより、前記製造ラインの一日当たりの必要超
    過稼働時間を求める第3の演算手段と、該第3の演算手
    段で求めた必要超過稼働時間を前記製造ラインの各稼働
    日における前記標準稼働時間に加算した値を前記製造ラ
    インの一日当たりの予定稼働時間として前記第2の設定
    手段に入力する稼働時間設定手段とを備えたことを特徴
    とする請求項1記載の生産管理システム。
  5. 【請求項5】前記第2の設定手段により設定された前記
    各稼働順位日における製造予定数に基づいて前記受注製
    品の製造ラインの速度を調整するライン調整手段を備え
    たことを特徴とする請求項1記載の生産管理システム。
  6. 【請求項6】製品の一個目を製造するのに要する作業時
    間を初期製造工数とすると共に、該製品の一個当たりの
    製造作業に要する製造工数が該製品の製造個数の増加に
    伴う作業慣れにより前記初期製造工数から低減していく
    割合を工数低減率とし、製造受注を受けた製品の製造作
    業内容に係わる所定のデータが入力された時、その受注
    製品の前記初期製造工数と、該受注製品の製造順位毎の
    前記工数低減率とをあらかじめ定めた所定の規則に従っ
    て設定する第1の設定手段と、 製造作業に係わる所定の項目が入力された時、当該製造
    者の単位時間当たりに要する製造費用を求め、その求め
    た製造費用を加工費レートとして設定する加工費設定手
    段と、 前記受注製品の総受注数が入力された時、前記第1の設
    定手段で設定された前記初期製造工数と各製造順位の前
    記工数低減率とを乗算することにより、前記受注製品の
    一個目から前記総受注数までその製造順位毎に該受注製
    品の一個当たりの製造工数を順次求めると共に、その求
    めた各製造順位の受注製品の製造工数を累積加算するこ
    とにより前記受注製品の総受注数の製造に要する総製造
    工数を求める総工数演算手段と、 該総工数演算手段で求められた前記総製造工数と前記加
    工費設定手段で設定された前記加工費レートとを乗算す
    ることにより前記受注製品の総加工費を求め、その求め
    た総加工費を基に前記受注製品の見積金額を設定する見
    積設定手段とを備えたことを特徴とする生産管理システ
    ム。
  7. 【請求項7】前記第1の設定手段は、各種製品の製造に
    係わる切る、貼る、ネジ締め等の各種素作業毎にその初
    回作業時に要する素作業初期工数をデータファイルとし
    てあらかじめ保存した第1のファイル手段と、前記工数
    低減率を製造作業内容の難易度に応じて分類されたデー
    タファイルとしてあらかじめ保存した第2のファイル手
    段と、前記受注製品の製造に係わる各素作業の種別及び
    その頻度が入力された時、前記第1のファイル手段に保
    存されたデータファイルを参照しつつ、前記受注製品の
    製造に係わる全ての素作業について各素作業の素作業初
    期工数を累積加算し、その累積加算値を前記受注製品の
    初期製造工数として設定する初期工数設定手段と、前記
    受注製品の製造作業の難易度があらかじめ定めた所定の
    規則に従って入力された時、前記第2のファイル手段に
    保存されたデータファイルから該難易度に応じた工数低
    減率を選択し、その選択した工数低減率を前記受注製品
    の工数低減率として設定する低減率設定手段とから成る
    ことを特徴とする請求項6記載の生産管理システム。
  8. 【請求項8】前記加工費設定手段は、少なくとも一会計
    期における製品の製造に係わる製造者の人件費及び経費
    と製品の製造に携わる製造ラインの直接作業人員の総作
    業時間とを入力項目とし、その入力された前記人件費及
    び経費の和を前記総作業時間で割った値として前記加工
    費レートを設定することを特徴とする請求項6記載の生
    産管理システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021047640A (ja) * 2019-09-18 2021-03-25 コニカミノルタ株式会社 製造原価算出予測システム、製造原価算出予測方法、および製造原価算出予測プログラム
WO2023101402A1 (ko) * 2021-12-01 2023-06-08 주식회사 시제 인공지능을 이용한 생산 라인의 생산량 산출 방법
CN116384716A (zh) * 2023-06-06 2023-07-04 山东恒远智能科技有限公司 基于统一数据管理的智能工厂运营方法及平台装置

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