JPH06198918A - ドットプリンタ用印字ワイヤ - Google Patents

ドットプリンタ用印字ワイヤ

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JPH06198918A
JPH06198918A JP34870992A JP34870992A JPH06198918A JP H06198918 A JPH06198918 A JP H06198918A JP 34870992 A JP34870992 A JP 34870992A JP 34870992 A JP34870992 A JP 34870992A JP H06198918 A JPH06198918 A JP H06198918A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel
wire
printing
corrosion resistance
substrate
Prior art date
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Pending
Application number
JP34870992A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Hashimura
興一 橋村
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Individual
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐摩耗性、靱性に優れ、かつ軽量であると共
に、耐腐食性に優れたドットプリンタ用印字ワイヤを提
供する。 【構成】 重量比でC:0.6〜1.5%、Si:0.
15〜0.60%、Mn:0.15〜0.90%、C
r:6〜20%、Mo:1.0〜3.0%、V:0.0
8〜0.15%、Co:2.0〜5.0%、残部Feお
よび不可避的不純物よりなる鋼を素材として印字ワイヤ
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はワイヤ式ドットプリンタ
に使用される印字ワイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで、この種印字ワイヤとして要求
される材質的特性は下記の3点であると考えられてい
た。 ワイヤの耐摩耗性が高いこと。すなわち、ワイヤ先
端はインクリボンを1億回以上打撃するため、耐摩耗性
が低いと、この先端が早期に摩耗してしまい、印字が不
明瞭となる。また、ワイヤ側面はガイドと常に摺動して
いるため、耐摩耗性が低いと、ワイヤ側面の摩耗性が著
しく進行し、ガイドとの隙間増加によって印字精度を低
下させることにもなる。 ワイヤの靱性が高いこと。すなわち、ワイヤはガイ
ドによって湾曲されて配置されるため、靱性が低いと、
ワイヤ組込時、印字中に折損し易く、また組込時の作業
が煩雑化する。 ワイヤが軽量であること。すなわち、印字速度を向
上させるためにはワイヤを高速度で運動させる必要があ
り、ワイヤ重量が大きいと、この高速化が望めない。
【0003】以上の要求特性を最低限満足するものとし
て、現在印字ワイヤには超硬合金、タングステン、ピア
ノ線、高速度工具鋼が適用されている。なお、このうち
超硬合金は耐摩耗性に優れているが、靱性が乏しく、比
重も大きい。タングステンについても靱性が乏しく、比
重が大きい。このため、この種印字ワイヤには、ピアノ
線、高速度工具鋼の適用が主流となってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ピ
アノ線、高速度工具鋼よりなる印字ワイヤにあっても、
Hv650以上の硬度を有し、充分な耐摩耗性を備えて
いるにも拘らず、先端部が早期摩耗し、長期使用に耐え
得ないという問題が最近起こっている。上記問題点の原
因は、ドットプリンタの普及と共に適正でないインクリ
ボンが海賊版として横行したためであり、このリボンに
含浸させたインク中に含まれる特殊脂肪酸によってワイ
ヤが腐食されるためであることが判明している。
【0005】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、耐摩耗性、靱性に優れ、かつ軽量であると共に、
耐腐食性に優れたドットプリンタ用印字ワイヤをより安
価に提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは一般に防食手段として用いられるメッ
キ等の処理を施すだけでは、先端部の摩滅によってその
効力が生かせないという知見を得、材質自体の改良を図
ることが最良であるという見解に至り、多数の実験によ
って耐摩耗性、耐腐食性を向上するには鋼成分中のC量
を高めると共に、Crを適量添加することが最も効果的
であるという結果を得、この知見に基づき本願発明を成
すに至った。
【0007】すなわち、本願発明のドットプリンタ用印
字ワイヤは、重量比でC:0.6〜1.5%、Si:
0.15〜0.60%、Mn:0.15〜0.90%、
Cr:6〜20%、Mo:1.0〜3.0%、V:0.
08〜0.15%、Co:2.0〜5.0%、残部Fe
および不可避的不純物より成る。
【0008】上記含有成分は多数の実験によって得られ
た結果に基づき限定したものであるが、その理由は次の
如くである。Cは、Cr、Mo、Vと結合して硬い炭化
物を形成すると共に、一部基地中に固溶して基地を強化
し、耐摩耗性を向上させる効果がある。0.6%未満で
は充分な硬さが得られず、1.5%を超えると脆くなり
靱性が低下すると共に加工性が著しく劣化する。より好
適範囲は0.7〜1.2%である。
【0009】Siは脱酸、脱硫剤として添加するもので
あり、0.15%未満であるとその効果が充分でなく、
0.60%を越えると靱性が低下して加工性が劣化す
る。より好適範囲は0.15〜0.35%である。
【0010】MnはSiと同様に脱酸、脱硫剤として添
加するものであるが、焼入性を制御する効果がある。
0.15%未満ではその効果が充分でなく、0.90%
を越えると靱性が低下して加工性が劣化する。より好適
範囲は0.30〜0.60%である。
【0011】Crは、一部は前記Cと結合して硬いCr
系炭化物を形成し、一部は基地中に固溶して鋼に自硬性
を与え、焼入性を良好にする。またCrは、耐腐食効果
を有し、Cr含有量が高いほど高い耐腐食性を呈する。
6%未満では耐腐食効果が充分でなく、20%を越える
と過度の共晶炭化物を形成するため脆くなり、加工性が
低下する。また、前記C含有量が低い場合に過剰のCr
を添加すると、軟質相であるフェライト相が安定化し、
充分な硬度が得られない。より好適範囲は8〜15%で
ある。
【0012】MoはCrと同様に前記Cと結合して硬い
炭化物を形成するので耐摩耗効果に有用である。また、
焼戻しによって二次硬化を生じせしめるため、基地を硬
化し、耐摩耗性を更に向上させる効果がある。しかも高
温加熱されても硬度低下を妨ぐ効果を併せもつため、ア
ーマチュアとのろう付接合時の硬度低下を最小限に抑え
ることができる。1.0%未満では上記効果が充分でな
く、3.0%を越えると靱性が低下する。
【0013】Vも前記Cr、Moと同様に前記Cと結合
して硬い炭化物を形成する。特にこの炭化物はHv30
00程度の硬度を有し、Cr炭化物の約2倍の硬度に相
当するので、耐摩耗効果に有効である。0.08%未満
ではその効果が発揮されないが、過剰であると靱性を低
下させるので上限を0.15%とした。
【0014】Coは炭化物を形成しないが、基地中に固
溶してフェライト相の成長を抑制し、硬度低下を妨ぐ効
果がある。また、耐腐食性を高める効果、耐熱強さを高
める効果を併せもつ。2.0%未満では上記効果が充分
でなく、5.0%を越えると脆化を生ずる。
【0015】
【作用】上記組成比率よりなる鋼で形成された本発明の
印字ワイヤは、軽量かつ靱性に優れると共に、使用に耐
え得る硬度を有し、しかも優れた耐腐食性を有するの
で、折損し難く、腐食環境下で摩耗作用を受けても摩耗
し難い。したがって、長期に亘る使用を可能となし、さ
らに高速印字を可能となす。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳細に説明す
る。表1に示す組成比率よりなる線径0.9mmの鋼材
を焼鈍と冷間伸線を繰返し行って0.2mmの線径とな
し、その後焼入れ、焼戻し処理を行ない、40mm毎に
切断して、ドットプリンタ用印字ワイヤを得た。
【0017】そして、上記各印字ワイヤについて耐腐食
試験、耐摩耗試験を行ない、その評価を行った。結果は
表1に併せて記す。
【0018】
【表1】
【0019】上記各試験は次のようにして行なった。耐
腐食試験は、脂肪酸を30容量%含有するインクを50
℃に加熱し、その中に各印字ワイヤ浸漬して、10日間
保持後に取り出し、浸漬前後の重量を測定し、この値か
ら1時間当りの重量減少量を求めた。
【0020】耐摩耗試験は、各印字ワイヤをプリンタに
組込んで実際に印字を行ない、1億ドット印字後の各印
字ワイヤの長さ減少量を測定して、ワイヤ先端の摩耗量
を評価した。併せて印字ワイヤの硬度測定結果も記す。
【0021】上記表1において、鋼材No.9、10を
用いた従来例の印字ワイヤは、Hv700以上の硬度を
有するものの耐腐食性に劣る。このため、腐食によって
摩耗が促進され摩耗量が増大したものと思われる。ま
た、鋼材No.5〜8を用いた印字ワイヤは、鋼組成中
C、Crの含有量が適量でないため、耐腐食効果、耐摩
耗効果、靱性のいずれかが充分でない。なお、鋼材Cr
6および8を用いた印字ワイヤにあっては、印字中に折
損したため、摩耗量の測定が不能であった。
【0022】これに対し、鋼材No.1〜4を用いた本
発明の実施例である印字ワイヤは、印字中折損すること
なく、良好な耐腐食効果、耐摩耗効果を示している。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば従来
不充分であったドットプリンタ用印字ワイヤの耐腐食
性、耐摩耗性を著しく高めることができ、しかも鋼系で
あるため、軽量かつ高靱性、さらには安価であるという
特徴も有している。このため、高速、長寿命印字ワイヤ
として顕著な効果を奏する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比でC:0.6〜1.5%、Si:
    0.15〜0.60%、Mn:0.15〜0.90%、
    Cr:6〜20%、Mo:1.0〜3.0%、V:0.
    08〜0.15%、Co:2.0〜5.0%、残部Fe
    および不可避的不純物よりなるドットプリンタ用印字ワ
    イヤ。
JP34870992A 1992-12-28 1992-12-28 ドットプリンタ用印字ワイヤ Pending JPH06198918A (ja)

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JP34870992A JPH06198918A (ja) 1992-12-28 1992-12-28 ドットプリンタ用印字ワイヤ

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19539078A1 (de) * 1995-10-20 1997-04-24 Mann & Hummel Filter Saugrohr
DE19814970A1 (de) * 1998-04-03 1999-10-14 Porsche Ag Sauganlage

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE19539078A1 (de) * 1995-10-20 1997-04-24 Mann & Hummel Filter Saugrohr
DE19814970A1 (de) * 1998-04-03 1999-10-14 Porsche Ag Sauganlage
DE19814970B4 (de) * 1998-04-03 2006-03-02 Dr.Ing.H.C. F. Porsche Ag Sauganlage

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