JPH0619814U - 筒型エアクリーナのエレメント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ケーシングの開口端側を閉塞するカバーを軟
質樹脂製とし、これにエレメントの閉塞端を埋め込み成
型することで、エレメントの閉塞端板がカバーを兼用し
た一体型とする。 【構成】 ケーシングの開口端先端外周ヘ外向きの環状
突起を設け、一方、エレメントと一体にしたカバーへ、
ケーシング開口端を被冠する環状つばを設けてその末端
に、前記ケーシングの外向き環状突起に係合する内向き
の環状突起を設け、カバーを押し込むことで相互の環状
突起が係合し抜け止めとなる構造とし、このときエレメ
ントの開口端側ガスケットは、出口筒外周に圧接して半
径方向内向きにシールする。カバーと同時に嵌装される
ようにしたエレメントの取付け取外しは、工具不要の手
作業で可能という構成とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、筒型エアクリーナのエレメントで、その両端となる開口端並びに閉 塞端を保持する端板に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、筒型エアクリーナに使用されるエレメントの多くは、両端の開口端並び に閉塞端が、それぞれ構成に沿つた形状に加工された端板に接着保持されている のが現状である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

筒型エアクリーナの一般的な例では、エレメントの開口端板面へ環状ガスケッ トを接着し、締付け構成によつてケーシングの閉塞端内壁へ圧着させることで、 ▲ろ▼過後の二次側空気へ▲ろ▼過前の一次側空気が侵入するのを防止している 。 しかしながら、締付けによる圧着シール方式では、使用期間中に気温の低下に よつて、エレメントが軸方向に収縮することや、ガスケットの永久ひずみ、また は締付け不良など、締付けのゆるみによるシール不良となる要素が多いため、一 定時間間隔を決めて点検することや、増し締め整備が必要という、不利な課題が あつた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記の課題解決策として、エレメントの圧着シール方式をやめ、半径 方向シールとし、ケーシング用カバーもエレメントの閉塞端板を兼ねた嵌め込み 形式とすることによつて、エレメントの収縮や締付けゆるみによるシール不良が なくなり、従つて点検整備に要する工数も大幅に削減できるというものである。

【０００５】

【実施例】 以下に本考案の実施例に基づき、図面を参照しながら詳細な説明をする。 図１において、エアクリーナ１の、筒型で硬質樹脂製ケーシング２には、図２ に示すとおり接線方向入口３より流入する空気が、エレメント１０によつて▲ろ ▼過され、中空室４を通つて、閉塞端壁６中央の出口５より流出する。 エレメント１０は、外側多孔筒１１と内側多孔筒１２により形成される環状空 間へ、ひだ折り▲ろ▼紙１３が収納され、開口端１４は弾性材ガスケット１５に 埋め込み成型されていて、閉塞端壁６中央の出口５が室内へ伸びて突出させた部 分７の外周に、ガスケット１５の内周が圧接し従動シールとなるため、軸方向の 多少の位置ずれには関係なくシールする。 一方、閉塞端１６側は軟質ウレタン樹脂に埋め込み成型され、ウレタン樹脂は 更に平板状として外周方向へ拡張し、ケーシング２の開口端８を覆うカバー１７ となる上、端部外周を被冠するよう環状つば１８付きとしてある。 ケーシング２の開口端８先端外周には、外向きの環状突起９が設けてあり、カ バー１７の環状つば１８末端内周には、前記の外向き環状突起９に係合するよう に内向きの環状突起１９が設けられている。 エレメント１０をケーシング２に嵌装する際、先づ出口筒５の室内突出部７外 周へガスケット１５の内周が接触し、更に押し込むにつれてガスケット１５が半 径方向に圧縮されて進み、次ぎにケーシング２の開口端８とカバー１７の環状つ ば１８が当接するが、環状つば１８末端の内向き環状突起１９には、内側上向き の傾斜面２０が設けてあり、この斜面がケーシング２の外向き環状突起９の上端 丸みに接触した後、外方へ開くように変形して進み、相互の環状突起９，１０が 係合した時点で変形は復元するが、更にわずかに押し込んだところでカバー１７ 裏面が、ケーシング２の開口端８に当接し嵌装が完了する。 稼働中に、ケーシング２の開口端８とカバー１７の係合部に隙間が生じ、ダス トの侵入があった場合でも、エレメント１０の一次側空気に混入するため、二次 側への影響はなく、また、気温の変化等によって起きるケーシング２並びにエレ メント１０の伸縮にも影響されることなく、従動としたガスケット１５が有効に シールする。 エレメント１０を取り出す際は、カバー１７の環状突起１９末端に設けられた 傾斜面２０に指先を掛けて外側へ開き、突起部係合を外した後、ガスケット１５ がシール面をはずれるまでは回し動作等で徐々に引き出せばよい。

【０００６】

【考案の効果】

気温の変化につれてエレメントやケーシングに伸縮が起きた場合や、製品の寸 法誤差等により、ケーシングどカバーの係合部に隙間が生じた場合でも、エアク リーナとしての機能には影響がない構成としているため、耐候性や耐久性に効果 を発揮する外、カバーに埋め込み成型として一体とし、嵌め込み嵌装するため、 ねじ部品等による緊締部がなく、取付け取外しに際しても工具不要という、簡易 化による部品点数削減で、従来のものに比べ大幅なコスト低減にも寄与するとい う優れたものである。 以上は本考案による一実施例に基づき説明したが、これに限定されることなく 、鋼板製ケーシングと組合わせることや、ケーシングの開口端寄り下方へ自動除 塵弁を装着すること等、種々の変化変形が可能なことはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による一実施例で、筒型エアクリーナの
半縦断面図である。

【図２】図１のエアクリーナを出口側より見た部分破断
平面図である。

【符号の説明】

１ エアクリーナ ２ ケーシング ３ 入口 ４ 中空室 ５ 出口 ６ 閉塞端壁 ７ 出口突出部 ８ 開口端 ９ 環状突起 １０ エレメント １１ 外側多孔筒 １２ 内側多孔筒 １３ ▲ろ▼紙 １４ 開口端 １５ ガスケット １６ 閉塞端 １７ カバー １８ 環状つば １９ 環状突起 ２０ 傾斜面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 直径が異なる同一長さの２個の多孔筒を
   同心に嵌め合わせ、その環状隙間へ、波形にひだ折りし
   て菊花状の環状につなぎ合わせ、多孔筒と同一長さとし
   た▲ろ▼紙を収納し、その一端を閉塞端板で、他端を、
   中央が開口した端板により、それぞれ接着保持する型式
   のエレメントにおいて、弾性材ガスケットに埋め込み成
   型として保持されるようにした開口端は、ケーシングの
   閉塞端壁中央の出口筒を室内へ伸ばし突出させた部分の
   外周に、ガスケットが半径方向で内向きに圧接するよう
   形成しておき、閉塞端側は、軟質樹脂材に埋め込み成型
   した上、樹脂材を平板状として外周方向へ、ケーシング
   の開口端を覆う大きさまで拡張し、更に端部外周を被冠
   するよう環状つば付きとするが、ケーシング開口端の先
   端外周には前もつて外向きの環状突起を設けておき、前
   記環状つばの末端内周には、ケーシング開口端の環状突
   起に係合するように、内向きの環状突起を設けること
   で、ケーシングに対し嵌め込み式のカバーが形成され、
   エレメントの閉塞端板がカバー兼用となることを特徴と
   した筒型エアクリーナのエレメント。